(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
用紙束を積載する用紙積載台と、空気を用紙搬送部材の通気孔を通じて吸引して、前記用紙束の用紙を前記用紙搬送部材に吸着し、前記用紙搬送部材により前記用紙を用紙搬送経路へと搬送する用紙搬送部とを備えた給紙装置であって、
空気を前記用紙搬送経路の用紙搬入口から前記用紙搬送部材に吸着された前記用紙の先端へと前記用紙面に沿った方向もしくは前記方向よりも斜め上方向から吹付ける空気吹付け部を備え、
前記空気吹付け部は、前記用紙搬送経路に合流して、空気を前記用紙搬送経路に導く吹付けダクトを備え、
前記吹付けダクトから前記用紙搬入口までの空気経路が前記用紙束の用紙面に沿った方向に直線状に設けられ、前記用紙搬送経路が前記吹付けダクトとの合流位置で屈曲されたこと
ことを特徴とする給紙装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3のいずれにおいても、用紙束先端面の上層に対しては、空気を斜め下方から吹付けている。これは、用紙搬送経路が用紙束先端面の上層の正面方向にあって、この正面方向のスペースが用紙搬送経路に占有されており、ダクトもしくはノズルをその正面方向のスペースに設けることができないからである。このため、用紙束から複数枚の用紙が重なったまま用紙搬送ベルトに吸着されたときに、その重なった各用紙の用紙面に対して空気が斜め下方から吹付けられ、各用紙が共に用紙搬送ベルトに押し付けられて、各用紙が同時に搬送され、用紙の重送が生じた。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、各用紙を確実にばらつかせて、用紙の重送をより効果的に防止することが可能な給紙装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の給紙装置は、用紙束を積載する用紙積載台と、空気を用紙搬送部材の通気孔を通じて吸引して、前記用紙束の用紙を前記用紙搬送部材に吸着し、前記用紙搬送部材により前記用紙を用紙搬送経路へと搬送する用紙搬送部とを備えた給紙装置であって、空気を前記用紙搬送経路の用紙搬入口から前記用紙搬送部材に吸着された前記用紙の先端へと前記用紙面に沿った方向もしくは前記方向よりも斜め上方向から吹付ける空気吹付け部を備え
、前記空気吹付け部は、前記用紙搬送経路に合流して、空気を前記用紙搬送経路に導く吹付けダクトを備え、前記吹付けダクトから前記用紙搬入口までの空気経路が前記用紙束の用紙面に沿った方向に直線状に設けられ、前記用紙搬送経路が前記吹付けダクトとの合流位置で屈曲されたことを特徴としている。
【0010】
このような本発明によれば、用紙搬送部材により用紙束の用紙を用紙搬送経路へと搬送する構成において、空気を用紙搬送経路の用紙搬入口から吹付けることにより、空気を用紙搬送部材に吸着された用紙の先端へと用紙面に沿った方向もしくはその方向よりも斜め上方向から吹付けている。このため、複数の用紙が重なったまま用紙搬送部材に吸着されても、空気の吹付けによりその重なった各用紙が用紙搬送部材に押し付けられず、空気をその重なった各用紙の間に侵入させて、各用紙を分離させることができ、用紙の重送を防止することができる。
さらに、空気の吹付けダクト及び用紙搬送経路を共に設けることができ、また空気を用紙搬入口を通じて用紙束の端面へと用紙束の用紙面に沿った方向に吹付けることが可能になる。
【0011】
また、本発明の給紙装置においては、前記用紙搬送経路の用紙搬入口からの空気は、前記用紙束の端面にも吹付けられる。
【0012】
これにより、用紙束の各用紙をばらつかせることができ、用紙搬送部材に1枚の用紙を吸着することが容易になる。
【0015】
また、本発明の給紙装置においては、前記吹付けダクトにおける前記合流位置に、前記吹付けダクトからの空気を通過させて、前記吹付けダクトへの用紙の進入を阻止するガイド部を設けている。
【0016】
これにより、用紙搬送経路と吹付けダクトとを合流させながらも、空気の経路と用紙の経路を分離することができる。
【0017】
更に、本発明の給紙装置においては、前記用紙搬入口の下方に設けられた排気口を有し、空気を前記排気口から前記用紙束の端面へと吹付ける排気部を備えている。
【0018】
この場合は、用紙搬入口及び排気口からの空気を、用紙束先端面の上下方向のより広い範囲に吹付けることができ、用紙束の各用紙をより効果的にばらつかせることができる。
【0019】
また、本発明の給紙装置においては、前記空気吹付け部の空気の吹付けにより前記用紙が前記用紙搬送部材から引き離される力は、前記用紙搬送部材の通気孔を通じての空気の吸引より前記用紙が前記用紙搬送部材に吸着される力よりも小さい。
【0020】
このような力の大小関係が設定されるように空気吹付け部により吹付けられる空気の量や速度(風量や風速)を調節すれば、用紙を吸引しながらも、用紙の重送を防止することができる。
【0021】
更に、本発明の給紙装置においては、前記用紙搬送部材による前記用紙の吸着前から前記用紙搬送経路の用紙搬入口への前記用紙の搬入後までの期間に前記空気吹付け部を作動させ、前記期間以外で前記空気吹付け部を停止させる制御部を備えている。
【0022】
空気吹付け部による空気の吹付け方向と用紙束からの用紙搬送方向とが逆になるため、空気吹付け部による空気の吹付けを連続的に行うと、吹付けられた空気により搬送中の用紙がばたつく。このため、用紙が吸着されてから用紙搬入口に搬入されるまでの期間以外では空気吹付け部を停止させて、搬送中の用紙がばたつかないようにしている。
【0023】
一方、本発明の画像形成装置は、上記本発明の給紙装置を備えている。このような
このような本発明の画像形成装置においても、上記本発明の給紙装置と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0024】
このような本発明によれば、用紙搬送部材により用紙束の用紙を用紙搬送経路へと搬送する構成において、空気を用紙搬送経路の用紙搬入口から吹付けることにより、空気を用紙搬送部材に吸着された用紙の先端へと用紙面に沿った方向もしくはその方向よりも斜め上方向から吹付けている。このため、複数の用紙が重なったまま用紙搬送部材に吸着されても、空気の吹付けによりその重なった各用紙が用紙搬送部材に押し付けられず、空気をその重なった各用紙の間に侵入させて、各用紙を分離させることができ、用紙の重送を防止することができる。
さらに、空気の吹付けダクト及び用紙搬送経路を共に設けることができ、また空気を用紙搬入口を通じて用紙束の端面へと用紙束の用紙面に沿った方向に吹付けることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の給紙装置の第1実施形態を適用した画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置1は、その構成を大別すると、原稿読取り装置2、印刷部11、用紙搬送部12、用紙供給部13、及び大容量給紙カセット(LCC)14からなる。
【0028】
印刷部11においては、クリーニング装置26により感光体ドラム21表面の残留トナーを除去及び回収した後、帯電装置22により感光体ドラム21の表面を所定の電位に均一に帯電させ、レーザ露光装置23により感光体ドラム21表面を露光して、その表面に静電潜像を形成し、現像装置24により感光体ドラム21表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム21表面にトナー像を形成する。
【0029】
転写ローラ25は、感光体ドラム21に圧接されて、感光体ドラム21との間にニップ域を形成しており、用紙搬送経路33を通じて搬送されて来た記録用紙をそのニップ域に挟み込んで搬送しつつ、感光体ドラム21表面のトナー像を記録用紙上に転写する。そして、定着装置27の加熱ローラ28と加圧ローラ29間に記録用紙を挟み込んで加熱及び加圧し、記録用紙上のカラーのトナー像を定着させる。
【0030】
一方、用紙供給部13は、複数の給紙カセット38を備えている。各給紙カセット38は、記録用紙を一枚ずつ引出して送り出すためのそれぞれのピックアップローラ39等を備えており、引出した記録用紙を用紙搬送部12の用紙搬送経路33へと送り出す。
【0031】
また、大容量給紙カセット(LCC)14は、記録用紙を多量に収納可能であり、記録用紙を一枚ずつ引出して用紙搬送部12の用紙搬送経路33に送り出す。
【0032】
この記録用紙は、用紙搬送経路33を通じて搬送され、転写ローラ25や定着装置27を経由し、用紙排紙ローラ36を介して用紙排紙トレイ37に排出される。この用紙搬送経路33には、記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃えた後、感光体ドラム21と転写ローラ25間のニップ域でのトナー像の転写タイミングに合わせて記録用紙の搬送を開始するレジストローラ32、記録用紙の搬送を促す搬送ローラ31、用紙排紙ローラ36等が配置されている。
【0033】
また、記録用紙の表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、分岐爪35の位置を切換えて、記録用紙を用紙排紙ローラ36から反転経路34へと逆方向に搬送し、記録用紙の表裏を反転させて、記録用紙をレジストローラ32へと再度導き、記録用紙の表面と同様に、記録用紙の裏面に画像を記録して定着し、記録用紙を用紙排紙トレイ37に排出する。
【0034】
次に、画像形成装置1の本体上部に搭載された原稿読取り装置2を説明する。この原稿読取り装置2において、原稿搬送部42は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により第1読取り部41の奥一辺に枢支されており、その手前部分を上下させることにより原稿搬送部42を開いて、第1読取り部41のプラテンガラス44上に原稿用紙を載置することができる。
【0035】
第1読取り部41において、第1走査ユニット45は、副走査方向に移動しながら、プラテンガラス44上の原稿用紙表面を光源51によって照明し、その反射光を第1反射ミラー52により反射して第2走査ユニット46へと導く。第2走査ユニット46は、第1走査ユニット45に追従して移動しつつ、原稿用紙からの反射光を第2及び第3反射ミラー53、54により反射する。この反射光は、結像レンズ47によりCCD48(Charge Coupled Device)に集光されて、CCD48により原稿用紙の画像が読取られる。
【0036】
また、原稿搬送部42により搬送されている原稿用紙表面の画像を読取る場合は、
図1に示すように第1走査ユニット45を原稿読取りガラス55下方の読取り位置に移動し、第1走査ユニット45の位置に応じて第2走査ユニット46を位置決めする。この状態で、ピックアップローラ56により原稿トレイ57上の原稿用紙を引出して、原稿用紙を原稿搬送経路58を通じて搬送し、第1走査ユニット45の光源51により原稿用紙表面を原稿読取りガラス55を介して照明し、原稿用紙からの反射光を第1及び第2走査ユニット45、46の各反射ミラーにより結像レンズ47へと導き、CCD48により原稿用紙の画像を読取り、原稿用紙を原稿排紙ローラ61から原稿排紙トレイ62へと排出する。
【0037】
また、原稿搬送部42に内蔵の第2読取り部43(密着印刷画像センサ(Contact Image Sensor(CIS))は、第2読取り部(CIS)43の下を通過して原稿排紙トレイ62へと排出される原稿用紙裏面を照明し、原稿用紙裏面からの反射光を受光して、原稿用紙裏面の画像を読取る。
【0038】
このようにCCD48及びCIS43により読取られた原稿用紙の画像は、画像形成装置1のレーザ露光装置23に入力され、画像形成装置1において画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
【0039】
次に、大容量給紙カセット14に内蔵されている本実施形態の給紙装置71の構成を詳しく説明する。この給紙装置71は、多量の記録用紙を積載収容し、記録用紙を一枚ずつ引出して搬送経路33(
図1に示す)に送り出すものである。
【0040】
図2は、本実施形態の給紙装置71を概略的に示す断面図である。また、
図3は、給紙装置71を示す平面図である。
図2、
図3に示すように給紙装置71は、外側枠体72、底板73、外側枠体72の内側に配置された用紙積載台74、外側枠体72の一端上側に配置された用紙引出し部75、及び空気吹付け部76等を備えている。
【0041】
用紙積載台74は、多量の記録用紙(用紙束)が積載されるものであって、外側枠体72の内側に昇降可能に設けられている。用紙積載台74には、記録用紙の引出し方向(用紙搬送方向)Eに長い開口部74aが形成されている。用紙後端ガイド77は、底板73上で記録用紙の引出し方向Eに沿って往復移動可能に支持され、用紙積載台74の開口部74aを通じて上方に突出している。尚、記録用紙の引出し方向(用紙搬送方向)Eを前方、引出し方向Eとは逆方向を後方とする。
【0042】
この用紙積載台74の両側には、それぞれの凹所74bが形成されており、各凹所74bにそれぞれのアシストダクト78、79が配置されている。各アシストダクト78、79は、外側枠体72の両側で引出し方向Eと直交する方向に往復移動可能に支持されており、互に接近するように移動されるか又は互に離間するように連動して移動される。
【0043】
用紙引出し部75は、4本の無端状の用紙搬送ベルト81、各用紙搬送ベルト81を架け渡す1組のローラ82、83、吸排気ファン84、吸気ダクト85、及び排気ダクト86等を備えている。各用紙搬送ベルト81には、多数の通気孔81aが形成されており、空気が各用紙搬送ベルト81の各通気孔81aから吸気ダクト85を通じて吸排気ファン84へと吸引される。また、吸排気ファン84から排気された空気は、排気ダクト86を通じて導かれ、排気ダクト86から外側枠体72の内側へと引出し方向Eとは逆方向(後方)に吹き出される。
【0044】
空気吹付け部76は、2台の吹付けファン91、及び水平方向(各用紙搬送ベルト81の表面に沿う方向)に直線状に延びる吹付けダクト92を備え、各吹付けファン91を吹付けダクト92の一端92aに接続して、各吹付けファン91から吹付けダクト92へと空気を送り込んでいる。また、吹付けダクト92の他端92bが記録用紙の搬送経路33に接続され、吹付けダクト92が搬送経路33に合流している。搬送経路33は、吹付けダクト92と同一方向に直線状に延びる直線経路部33a、画像形成装置1から給紙装置71の内部へと導入された導入経路部33b、及び直線経路部33aと導入経路部33bとを中継接続する傾斜経路部33cを有している。直線経路部33aの一端が傾斜経路部33cに接続され、直線経路部33aの他端が用紙搬入口33dとなっている。また、直線経路部33aと傾斜経路部33cの接続部位及び傾斜経路部33cと導入経路部33bの接続部位のいずれも屈曲しており、傾斜経路部33c及び導入経路部33bが吹付けダクト92の下方に設けられている。更に、導入経路部33bには、搬送ローラ対31が設けられている。
【0045】
吹付けダクト92及び搬送経路33の直線経路部33aは、滑らかに接続されて、水平方向(各用紙搬送ベルト81の表面に沿う方向)に直線状に延びており、用紙搬入口33dが各用紙搬送ベルト81の表面(下方に向く表面)及び用紙積載台74上の用紙束の上層に向く。また、吹付けダクト92及び搬送経路33のいずれも、最大の記録用紙の幅よりも僅かに広い同一幅を有している。このため、各吹付けファン91からの空気は、吹付けダクト92及び直線経路部33aを通じて直線状に流れ、直線経路部33aの用紙搬入口33dから各用紙搬送ベルト81の表面及び用紙積載台74上の用紙束上層へと水平方向に吹付けられ、かつ用紙束の用紙の全幅を含む範囲で吹付けられる。
【0046】
また、吹付けダクト92の他端92bには、
図4に示すような複数のガイドリブ93が吹付けダクト92の空気経路を垂直方向に横切るように設けられている。これらのガイドリブ93の間が開口しており、空気が吹付けダクト92の各ガイドリブ93の間を通過して直線経路部33aへと流れる。また、
図2に示すように各ガイドリブ93が傾斜している。このため、給紙装置71により引出された記録用紙は、用紙搬入口33dから直線経路部33aへと搬入されると、各ガイドリブ93に当接して、各ガイドリブ93により傾斜経路部33cへとガイドされ、更に導入経路部33bへと搬送され、導入経路部33bの搬送ローラ対31により画像形成装置1の本体内部へと搬送されて行く。
【0047】
図5は、用紙引出し部75及び空気吹付け部76を取外した状態で、外側枠体72、底板73、及び用紙積載台74等を斜め後方から見て示す斜視図である。
図5に示すように各アシストダクト78、79の外側には、それぞれのアシストファン94、95が設けられている。各アシストダクト78、79は、中空体であって、その内部に通気経路を有しており、各アシストファン94、95により吸引された空気がそれぞれのアシストダクト78、79の通気経路に送り込まれ、この空気が各アシストダクト78、79の排気口78a、79aから外側枠体72の内側に吹き出される。
【0048】
また、
図3及び
図5に示すように用紙後端ガイド77は、記録用紙の引出し方向Eに沿って往復移動可能であり、引出し方向Eにおける任意の位置で位置決めされる。更に、
図2及び
図5に示すように各アシストダクト78、79は、引出し方向Eと直交する方向に往復移動可能であり、引出し方向Eと直交する方向における任意の位置で位置決めされる。
【0049】
ここで、用紙束を用紙積載台74に搭載するときには、用紙後端ガイド77を後方に移動させて、用紙後端ガイド77と外側枠体72の当接板72bとの間を広く開け、また各アシストダクト78、79を相互に離間する方向に移動させて、各アシストダクト78、79の間を広く開けておく。この状態で、用紙束を用紙積載台74に載せ、この後に用紙後端ガイド77を引出し方向Eに移動させ、用紙後端ガイド77の柱部77aにより用紙束の後端を引出し方向Eに押して、用紙束を用紙積載台74上で滑らして移動させ、用紙束の先端を外側枠体72の当接板72bに当接させて、用紙束の先端及び後端を用紙後端ガイド77の柱部77aと外側枠体72の当接板72bとの間に挟み込んで位置決めする。また、各アシストダクト78、79を相互に接近する方向に移動させて、用紙束の両端を各アシストダクト78、79の間に挟み込んで位置決めする。
【0050】
また、
図5に示すように用紙積載台74の両側には、突出片74cが2つずつ形成されており、各突出片74cが外側枠体72の両側の開口部72aから突出している。外側枠体72の片側では、2本のワイヤー96が用紙積載台74の片側の各突出片74cに接続され、各ワイヤー96が複数の従動プーリ97に掛けられて引き回され巻取りプーリ98に接続されている。また、外側枠体72の他の片側でも、他の2本のワイヤー96が用紙積載台74の他の片側の各突出片74cに接続され、他の各ワイヤー96が他の複数の従動プーリ97に掛けられて引き回され他の巻取りプーリ98に接続されている。各巻取りプーリ98は、回転自在に支持された共通の軸99の両端に固定されており、パルスモータ100により軸99が回転駆動されて、各巻取りプーリ98が回転し、各ワイヤー96が各巻取りプーリ98に巻取られたり各巻取りプーリ98から繰り出されたりする。
【0051】
パルスモータ100により軸99が回転駆動されて、各巻取りプーリ98が時計回り方向に回転されると、各ワイヤー96が各巻取りプーリ98に巻取られて、用紙積載台74が上昇し、また各巻取りプーリ98が反時計回り方向に回転されると、各ワイヤー96が各巻取りプーリ98から繰り出されて、用紙積載台74が下降する。また、パルスモータ100により回転駆動される巻取りプーリ98の回転角度と用紙積載台74の高さが対応関係にある。従って、パルスモータ100の回転方向及び回転角度を制御することにより、用紙積載台74の高さを調節設定することができる。
【0052】
次に、用紙引出し部75の構成を詳しく説明する。
図6は、空気吹付け部76を取外した状態で、用紙引出し部75及び外側枠体72等を示す正面図である。また、
図7は、用紙引出し部75を斜め上前方から見て示す斜視図である。更に、
図8は用紙引出し部75を斜め上後方から見て示す斜視図であり、
図9は用紙引出し部75を斜め下後方から見て示す斜視図である。
【0053】
図6〜
図9に示すように用紙引出し部75は、4本の無端状の用紙搬送ベルト81、各用紙搬送ベルト81を架け渡す1組のローラ82、83、吸排気ファン84、吸気ダクト85、及び排気ダクト86等を備えている。
【0054】
吸気ダクト85は、中空体であって、その内部に引出し方向(用紙搬送方向)Eと直交する方向に長い空気吸引経路を有しており、その一側端部85aが吸排気ファン84に接続され、矢印Fに示すように吸気ダクト85の空気吸引経路から一側端部85aを通じて吸排気ファン84の吸気口(図示せず)へと空気が吸引される。
【0055】
また、吸気ダクト85の前端部85c及び後端部85dには、それぞれの凹所85hが形成されており、これらの凹所85hにそれぞれのローラ82、83が配置されて回転可能に軸支され、前方のローラ82の軸に搬送モータ104の出力軸が接続されている。各用紙搬送ベルト81は、各ローラ82、83間に架け渡されて、吸気ダクト85の上面85bからは僅かに離間し、吸気ダクト85の下面85gには接する。
【0056】
ここで、搬送モータ104により前方のローラ82が矢印方向Dに回転駆動され、後方のローラ83が従動回転し、各用紙搬送ベルト81が矢印方向Dに周回移動する。また、吸排気ファン84により吸気ダクト85内の空気が吸引され、空気が吸気ダクト85の下面85gの空気吸引口及び用紙搬送ベルト81の各通気孔81a通じて流入し、記録用紙が各用紙搬送ベルト81の表面に吸着され、各用紙搬送ベルト81により記録用紙が搬送される。
【0057】
図10の断面図に示すように吸気ダクト85の下面85gには、引出し方向Eに延びる5本のリブ101a〜101eが形成され、各リブ101a〜101eの間に各用紙搬送ベルト81が配置されて挟まれている。また、各リブ101a〜101eの間では、吸気ダクト85の下面85gが下方に突出する滑らかな湾曲面102となっており、各用紙搬送ベルト81が各湾曲面102に圧接して変形し、各用紙搬送ベルト81の表面が各湾曲面102に沿って湾曲している。更に、各湾曲面102には、用紙搬送ベルト81の複数の通気孔81aに重なる空気吸引口103がそれぞれ形成され、各用紙搬送ベルト81により各空気吸引口103が覆われている。空気を用紙搬送ベルト81の各通気孔81a及び吸気ダクト85の各空気吸引口103を通じて吸い込むと、各用紙搬送ベルト81の表面に記録用紙Pa1が吸着される。そして、各用紙搬送ベルト81の表面に直接吸着されて湾曲した最上層の記録用紙Pa1とその表面に直接吸着されず湾曲しない次の記録用紙Pa2との間に空間が形成され、各記録用紙Pa1、Pa2の間に空気が確実に侵入して、各記録用紙Pa1、Pa2が容易に分離する。
【0058】
一方、排気ダクト86も、中空体であって、引出し方向Eとは直交する方向に長い通気経路を有しており、その一側端部86aが吸排気ファン84に接続され、矢印Kで示すように吸排気ファン84の排気口(図示せず)から排気ダクト86の一側端部86aを通じて排気ダクト86の通気経路へと空気が送り込まれる。
【0059】
また、排気ダクト86の内壁面86dには、排気ダクト86の通気経路に通じる各排気口86bが形成されている。この排気ダクト86の内壁面86dが外側枠体72の当接板72b(
図4に示す)の外側面に重ねて設けられ、排気ダクト86の各排気口86bが外側枠体72の当接板72bの切欠部72cを介して外側枠体72の内側を臨んでいる。吸排気ファン84から排気ダクト86へと空気が送り込まれると、この空気が各排気口86bから外側枠体72の内側後方へと吹き出される。
【0060】
更に、吸気ダクト85の一側端部85a及び排気ダクト86の一側端部86aが吸排気ファン84に共に接続され、また吸気ダクト85の他の側端部85f及び排気ダクト86の他の側端部86cが互いに接続され、これにより吸排気ファン84、吸気ダクト85、及び排気ダクト86が一体化されている。
【0061】
また、排気ダクト86の上端面86eと各搬送ベルト81との間には隙間ESが形成されており、この隙間ESに搬送経路33の用紙搬入口33d(
図2に示す)が配置される。このため、搬送経路33の用紙搬入口33dが各排気口86bの上方に配置され、用紙搬入口33dと各排気口86bが上下方向に離間して配置される。
【0062】
図11は、画像形成装置1及び給紙装置71の制御系の構成を示すブロック図である。
図11において、制御部111は、画像形成装置1及び給紙装置71等を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース等からなる。入力操作部112は、例えば複数の操作キー、液晶表示装置、及び液晶表示装置の画面に重ねられたタッチパネル等を備え、画像形成装置1の操作ガイダンス等を液晶表示装置の画面に表示したり、各操作キー等の操作により入力指示されたデータ等を制御部111に出力したりする。メモリ113は、例えばハードディスク装置(HDD)であり、種々のデータやプログラムを記憶する。画像処理部114は、画像データに対して各種の画像処理を施す。
【0063】
このような構成において、例えば制御部111は、原稿読取り装置2で原稿用紙の画像を読取らせ、原稿用紙の画像を示す画像データをメモリ113に記憶させて、画像処理部114でメモリ113内の画像データを処理させ、印刷部11でメモリ113内の画像データによって示される原稿用紙の画像を記録用紙に記録させる。
【0064】
また、入力操作部112の操作により用紙供給部13が選択指示されると、これに応答して制御部111は、用紙供給部13を制御して、用紙供給部13から印刷部11へと記録用紙を給紙させ、この記録用紙に原稿の画像を記録させる。
【0065】
あるいは、入力操作部112の操作により大容量給紙カセット14が選択指示されると、制御部111は、大容量給紙カセット14の給紙装置71における各モータやファン等を制御して、給紙装置71から印刷部11へと記録用紙を給紙させ、この記録用紙に原稿の画像を記録させる。
【0066】
ところで、先に述べたように従来は、用紙束から複数枚の用紙が重なったまま用紙搬送ベルトへと吸着されたときに、その重なった各用紙の用紙面に対して空気が斜め下方から吹付けられるので、各用紙が共に用紙搬送ベルトに押し付けられて、用紙の重送が生じた。
【0067】
そこで、本実施形態の給紙装置71では、吹付けダクト92を搬送経路33の直線経路部33aに接続し、各吹付けファン91の空気を吹付けダクト92及び直線経路部33aを通じて用紙搬入口33dから各用紙搬送ベルト81の表面(下方に向く表面)へと水平方向に吹付けることにより、各用紙搬送ベルト81の表面に吸着されて重なった各記録用紙間に空気を侵入させて、これらの記録用紙を分離させ、記録用紙の重送を防止している。
【0068】
次に、そのような用紙の重送が生じることのない給紙装置71の給紙動作について、
図2及び
図11を参照して詳しく説明する。
【0069】
まず、
図2に示すように用紙束を用紙積載台74に載せて、用紙束を用紙後端ガイド77の柱部77aと外側枠体72の当接板72bとの間に挟み込んで位置決めし、また用紙束を各アシストダクト78、79の間に挟み込んで位置決めする。
【0070】
この状態で、
図11に示す制御部111は、給紙装置71のパルスモータ100を回転駆動し、パルスモータ100により各巻取りプーリ98を時計回り方向に回転させて、用紙積載台74を上昇させ、用紙束の最上層の記録用紙を所定高さに位置決めする。例えば、用紙後端ガイド77の頭部77bに設けられたセンサ(図示せず)により用紙束の最上層の記録用紙が検出されるまで、パルスモータ100を回転駆動して、用紙積載台74を上昇させる。
【0071】
また、制御部111は、給紙装置71の各アシストファン94、95を回転駆動し、各アシストファン94、95から各アシストダクト78、79へと空気を送り込み、空気を各アシストダクト78、79の排気口78a、79aから用紙積載台74上の用紙束の先端寄り両側端面に吹付けて、空気を各記録用紙間に侵入させ、各記録用紙をばらつかせる。
【0072】
更に、制御部111は、給紙装置71の吸排気ファン84を回転駆動して、吸排気ファン84から排気ダクト86へと空気を送り込み、空気を排気ダクト86の各排気孔86bから用紙束の先端面に吹付けて、空気を各記録用紙間に侵入させ、各記録用紙をばらつかせる。
【0073】
また、制御部111は、給紙装置71の各吹付けファン91を回転駆動して、各吹付けファン91から吹付けダクト92へと空気を送り込み、空気を吹付けダクト92及び搬送経路33の直線経路部33aを通じて用紙搬入口33dから用紙束の先端面に吹付けて、空気を各記録用紙間に侵入させ、各記録用紙をばらつかせる。
【0074】
こうして空気を各アシストダクト78、79の排気口78a、79aから用紙束の先端寄り両側端面に吹付け、また空気を排気ダクト86の各排気孔86bから用紙束の先端面に吹付け、更に空気を搬送経路33の用紙搬入口33dから用紙束先端面の上層に吹付けると、用紙束の各記録用紙間に空気が侵入する。また、各用紙搬送ベルト81の表面に直接吸着されて湾曲した最上層の記録用紙とその表面に直接吸着されず湾曲しない次の記録用紙との間に空間が形成されているので、各記録用紙の間に空気が確実に侵する。これにより、用紙束の各記録用紙の密着力が低下して、用紙束からの記録用紙の引出しが容易になり、記録用紙を1枚ずつ引出すことが容易になる。
【0075】
これと同時に、吸排気ファン84の回転駆動により空気を吸気ダクト85から吸排気ファン84へと吸引して、空気を用紙搬送ベルト81の各通気孔81a及び吸気ダクト85の空気吸引口103を通じて吸い込むと、各用紙搬送ベルト81の表面に1枚の記録用紙が吸着される。
【0076】
ただし、用紙束の端面へと空気を吹付けて、各記録用紙をばらつかせも、各用紙搬送ベルト81の表面に複数の記録用紙が重なったまま吸着されることがある。
【0077】
ところが、各用紙搬送ベルト81の表面に複数の記録用紙が重なったまま吸着されたとしても、搬送経路33の用紙搬入口33dからの空気を用紙搬入口33dから各用紙搬送ベルト81の表面(下方に向く表面)へと水平方向に吹付けているため、この空気が、各用紙搬送ベルト81の表面に吸着された各記録用紙の先端に吹付けられて、各記録用紙間に侵入し、この空気が各記録用紙の間を該各記録用紙の先端から後端へと吹き抜ける。また、各用紙搬送ベルト81の表面に直接吸着されて湾曲した最上層の記録用紙とその表面に直接吸着されず湾曲しない次の記録用紙との間に空間が形成されているので、空気が、各記録用紙の先端から該各記録用紙の間へと確実に侵入する。これにより、最上層の記録用紙だけが各用紙搬送ベルト81の表面に吸着され、最上層の記録用紙に重なっていた他の記録用紙が落下して離れ、記録用紙の重送が効果的に防止される。
【0078】
尚、用紙搬入口33dからの空気が記録用紙と各用紙搬送ベルト81の間にも侵入して、記録用紙を各用紙搬送ベルト81の表面から引き離す力が生じるので、用紙搬入口33dからの空気により記録用紙が各用紙搬送ベルト81の表面から引き離される力が、各用紙搬送ベルト81の通気孔81aを通じての空気の吸引より記録用紙が各用紙搬送ベルト81に吸着される力よりも小さくなるように、各吹付けファン91から送り出される空気の量や速度(風量や風速)を調節する。これにより、記録用紙を各用紙搬送ベルト81の表面に吸着しながらも、記録用紙の重送を防止することができる。
【0079】
また、制御部111は、各用紙搬送ベルト81の表面に対する記録用紙の吸着動作と同時に、搬送モータ104を回転駆動して、各ローラ82、83を回転させ、各用紙搬送ベルト81を周回移動させる。これにより、各用紙搬送ベルト81の表面に吸着された記録用紙が引出し方向Eに引出されて用紙搬入口33dへと搬入され、更に記録用紙が搬送経路33を通じて搬送ローラ対31へと搬送され、記録用紙が画像形成装置1の内部へと搬送される。
【0080】
そして、制御部111は、各用紙搬送ベルト81により記録用紙の先端が用紙搬入口33dを通過すると、この直後に各吹付けファン91を停止させて、用紙搬入口33dから用紙束先端面の上層への空気の吹付けを中断させる。例えば、用紙搬入口33dに設けられたセンサ(図示せず)により記録用紙の先端が検出されると、この先端の検出時点もしくは検出時点より一定時間後に各吹付けファン91を停止させる。これは、用紙搬入口33dからの空気の吹付け方向と用紙束からの記録用紙の引出し方向E(搬送方向)とが逆になるため、用紙搬入口33dからの空気の吹付けを継続させると、吹付けられた空気により搬送中の記録用紙がばたつくからである。
【0081】
更に、制御部111は、記録用紙の先端が搬送経路33の導入経路部33bの搬送ローラ対31に到達すると、搬送モータ104を停止させて、各用紙搬送ベルト81を停止させる。これは、記録用紙を間欠的に搬送するためである。また、制御部111は、吸排気ファン84の回転駆動を停止して、各用紙搬送ベルト81への記録用紙の吸着動作を中断させる。これは、各用紙搬送ベルト81からの記録用紙の引き離しを容易にするためである。
【0082】
尚、各アシストファン94、95は、継続的に動作させても、排気ファン84と共に動作及び停止させてもよい。
【0083】
引き続いて、制御部111は、次の記録用紙の引出し開始時点で、各吹付けファン91、搬送モータ104、及び排気ファン84の回転駆動を再開する。これにより、各アシストダクト78、79の排気口78a、79aから用紙束の先端寄り両側端面へと空気が吹付けられ、排気ダクト86の各排気孔86bから用紙束の先端面へと空気が吹付けられ、また用紙搬入口33dから用紙束先端面の上層へと空気が水平方向に吹付けられ、最上層の記録用紙だけが各用紙搬送ベルト81の表面に吸着されて、各用紙搬送ベルト81により最上層の記録用紙が引出されて搬送される。そして、記録用紙の先端が用紙搬入口33dを通過した直後に、各吹付けファン91を再び停止させて、用紙搬入口33dから用紙束先端面の上層への空気の吹付けを中断させ、記録用紙の先端が導入経路部33bの搬送ローラ対31に到達すると、搬送モータ104及び排気ファン84を再び停止させて、各用紙搬送ベルト81を停止させ、各用紙搬送ベルト81への記録用紙の吸着動作を中断させる。
【0084】
以降同様に、次の記録用紙の引出し開始時点で、各吹付けファン91、搬送モータ104、及び排気ファン84の回転駆動が再開されて、用紙搬入口33dから各用紙搬送ベルト81の表面へと水平方向に吹付けられ、各用紙搬送ベルト81により最上層の記録用紙が引出されて搬送され、記録用紙の先端が用紙搬入口33dを通過した直後に、各吹付けファン91が再び停止され、記録用紙の先端が導入経路部33bの搬送ローラ対31に到達すると、各用紙搬送ベルト81及び各用紙搬送ベルト81への記録用紙の吸着動作が停止される。これにより、用紙積載台74上の用紙束の記録用紙が1枚ずつ順次引出されて搬送される。
【0085】
このように本実施形態の給紙装置71においては、各吹付けファン91の空気を吹付けダクト92及び直線経路部33aを通じて用紙搬入口33dから各用紙搬送ベルト81の表面(下方に向く表面)へと水平方向に吹付けているので、各用紙搬送ベルト81の表面に複数の記録用紙が重なったまま吸着されたとしても、空気の吹付けによりその重なった各記録用紙が各用紙搬送ベルト81の表面に押し付けられず、空気がその重なった各記録用紙の先端から侵入して、各記録用紙が分離し、最上層の記録用紙だけが各用紙搬送ベルト81の表面に吸着されて残り、各記録用紙の重送が効果的に防止される。
【0086】
また、用紙搬入口33dからの空気及び排気ダクト86の各排気孔86bからの空気が用紙束先端面に吹付けられていることから、用紙束先端面に対しては上下方向の広い範囲で空気が吹付けられ、用紙束の各用紙の先端側を効果的にばらつかせることができる。
【0087】
また、記録用紙の先端が用紙搬入口33dを通過した直後に、各吹付けファン91を停止させて、用紙搬入口33dから用紙束先端面の上層への空気の吹付けを中断させているので、用紙搬入口33dからの空気の吹付けにより、搬送中の記録用紙がばたつくことはない。
【0088】
尚、上記実施形態では、用紙搬入口33dに設けられたセンサ(図示せず)による記録用紙の先端の検出時点もしくは検出時点より一定時間後に各吹付けファン91及び搬送モータ104を停止させているが、この代わりに、搬送モータ104の回転駆動の開始時点(各用紙搬送ベルト81の周回移動の開始時点)より規定時間が経過したときに、記録用紙の先端が搬送ローラ対31に到達したとみなして、各吹付けファン91及び搬送モータ104を停止させてもよい。
【0089】
また、空気を用紙搬入口33dから各用紙搬送ベルト81の表面へと水平方向に吹付けているが、空気を水平方向よりも斜め上の方向から吹付けてもよい。この場合は、各用紙搬送ベルト81の表面に複数の記録用紙が重なったまま吸着されたとしても、空気がその重なった各記録用紙の間に侵入して、各記録用紙が分離するだけではなく、吹付けられた空気により最上層の記録用紙に重なっている次の記録用紙の先端が下方にめくられるため、各記録用紙がより速やかに分離し、最上層の記録用紙だけが各用紙搬送ベルト81の表面に吸着されて搬送される。
【0090】
また、傾斜経路部33c及び導入経路部33bを吹付けダクト92の下方に設けているが、傾斜経路部33c及び導入経路部33bを吹付けダクト92の上方に設けても構わない。
【0091】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。