(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態のスロットマシン10は、メダルを遊技媒体としているが、メダルに限らず、遊技球等であってもよいのはもちろんである。
図1は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技制御手段60と演出制御手段80とを有する。
遊技制御手段60は、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものである。遊技制御手段60は、メイン制御基板上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0020】
また、演出制御手段80は、遊技中又は遊技待機中における演出(後述する小役の得点等を含む)の出力等を制御するものである。演出制御手段80は、サブ制御基板上に設けられており、演算等を行うCPU、演出用のデータ等(演出パターン等)を記憶しておくROM、CPUが各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
なお、演出制御手段80を有するサブ制御基板は、遊技制御手段60を有するメイン制御基板の下位に属する制御基板であり、メイン制御基板とサブ制御基板とは電気的に接続されている。そして、メイン制御基板(遊技制御手段60)からサブ制御基板(演出制御手段80)に一方向で信号や情報(コマンド)が送信されるように形成されている。
【0021】
図1に示すように、遊技制御手段60の入力側(
図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及び(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態では、いずれの遊技においても、メダルを3枚投入して遊技を行うように設定されており、ベットスイッチ40として、3枚投入用の1つが設けられている。
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
【0022】
さらにまた、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらに、(左、中、右)ストップスイッチ42は、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0023】
遊技制御手段60の出力側(
図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0024】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。
図2では、図柄番号を併せて図示している。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄(コマ)が等間隔で配置されている。
【0025】
また、
図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
なお、本明細書では、
図3中、例えば右リール31の「スイカ」の図柄が停止している位置を「上段」、「RP」の図柄が停止している位置を「中段」、「赤7」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0026】
さらにまた、
図3に示すように、スロットマシン10の表示窓11を含む部分には、図柄組合せラインL1〜L5が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段、上段、及び下段の3本の図柄組合せラインL1〜L3と、斜め右下がり方向及び斜め右上がり方向の2本の図柄組合せラインL4及びL5の合計5本の図柄組合せラインを有する。
【0027】
また、図柄組合せラインは、有効ラインと無効ラインとを有する。
ここで、「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0028】
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数に応じて設定されるが、本実施形態では、上述したように、いずれの遊技中(通常遊技中及び特別遊技中)においても、3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、すべての遊技において、5本すべての図柄組合せラインL1〜L5が有効ラインとなり、無効ラインは存在しないように設定されている。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。さらに、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、5本の図柄組合せラインL1〜L5のうち、一部のみを有効ライン(残りを無効ライン)に設定してもよい。
【0029】
さらに、
図1において、演出制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0030】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、後述するAT遊技中における当選役の図柄の情報等を表示するものである。
【0031】
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び役に対応する図柄の組合せを示す図である。
図4に示すように、役としては、大別して、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。ただし、特別役の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される。
【0032】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、
図4に示すように、特別役として、BB(第1種ビッグボーナス)及びRB(レギュラーボーナス)が設けられている。
BB又はRBがそれぞれ入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、それぞれ特別遊技であるBB遊技又はRB遊技に移行する。BB遊技及びRB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
【0033】
また、BBは、フラグとしては1種類であるが、3つの図柄の組合せが設定されている。同様に、RBは、フラグとしては1種類であるが、2つの図柄の組合せが設定されている。これにより、例えばBBに当選すると、「赤7」揃い、「緑7」揃い、及び「BAR」揃いのいずれの組合せも有効ラインに停止可能となる。
なお、他の特別役としては、2BB(第2種ビッグボーナス。MB(ミドルボーナス)ともいう。)や、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0034】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、小役1A〜小役1C、小役2A〜小役2B、及び小役3が設けられている。
ここで、小役1A〜小役1Cにおける「any」とは、任意の図柄を意味する。すなわち、左リール31の有効ラインに「赤チェリー」(小役1A又は小役1B)又は「白チェリー」(小役1C)の図柄が停止した時点で、中リール31及び右リール31の停止図柄にかかわらず、それぞれ小役1A若しくは小役1B、又は小役1Cの入賞となる。
さらに、小役1A及び小役1Bともに、図柄の組合せは同一であるが、停止する有効ラインが異なるように設定されている。小役1A当選時は、左リール31の「赤チェリー」の図柄(
図2中、19番)が上段又は下段に停止するように設定されている(角チェリー)。これに対し、小役1B当選時は、左リール31の「赤チェリー」の図柄が中段に停止するように設定されている(中チェリー)。
【0035】
なお、小役1Aは、左リール31の「赤チェリー」の図柄が上段又は下段に停止するので、2つの有効ラインに停止することになる。したがって、通常遊技中のメダル払出し枚数は(3枚×2=)6枚に設定されている。これに対し、小役1Bは、左リール31の「赤チェリー」の図柄が中段に停止するので、有効ラインL1にのみ停止することになる。したがって、通常遊技中のメダル払出し枚数は3枚(小役1Aの半分)に設定されている。
また、小役1Cは、左リール31の「白チェリー」の図柄(
図2中、6番)が上段又は下段に停止するように設定されている。
【0036】
さらにまた、小役2A及び小役2Bは、図柄の組合せは同一であるが、停止する有効ラインが異なるように設定されている。小役2A当選時は、「スイカ」の図柄が水平の有効ラインL1〜L3に揃うように設定されている(水平スイカ)。これに対し、小役2B当選時は、「スイカ」の図柄が斜めの有効ラインL4又はL5に揃うように設定されている(斜めスイカ)。
【0037】
さらに、各小役のいずれも、通常遊技中と特別遊技中とで、メダル払出し枚数が異なるように設定されている。
図4中、左側に記載したメダル払出し枚数は、通常遊技中の払出し枚数であり、右側のかっこ書きで記載したメダル払出し枚数は、特別遊技中の払出し枚数である。
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0038】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役であるBB及びRBが挙げられる。BB又はRBに当選したときは、リール31の停止時に、BB又はRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、それぞれBB又はRBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0039】
このように、BB及びRBの当選は持ち越されるのに対し、BB及びRB以外の役である小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0040】
なお、BB又はRBに当選していない遊技中(BB又はRBの当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技においてBB又はRBに当選しているが、当選したBB又はRBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(BB又はRBの当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0041】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0042】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0043】
図1に示すように、遊技制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0044】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0045】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0046】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がBBの当選領域に属する場合は、BBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0047】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。
図5は、本実施形態における役抽選テーブル62(62A〜62D)を示す図である。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられている。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0048】
まず、本実施形態の「遊技状態」としては、大別して、通常遊技と特別遊技とを備える。「特別遊技」とは、本実施形態ではBB遊技及びRB遊技が相当する。また、「通常遊技」とは、特別遊技以外の遊技をいい、非RT遊技、RT遊技、及び内部中遊技が設けられている。なお、非RT遊技及びRT遊技は、いずれも、非内部中遊技である。
【0049】
また、「RT(Replay Time )遊技」とは、広義には、リプレイの当選確率が非RT遊技と異なる遊技を指し、狭義には、リプレイの当選確率が非RT遊技よりも高く設定されることで出玉率を非RT遊技よりも高くした遊技を指す。本実施形態のRT遊技は、後者を意味する。
【0050】
本実施形態のRT遊技では、リプレイの当選確率は、1/1.5であり、頻繁にリプレイが当選・入賞する遊技状態となる。リプレイが入賞すれば、次遊技ではメダルの投入の必要がないので、メダル持ちのよい遊技状態となる。
また、本実施形態では、AT遊技が設けられている。AT遊技は、RT遊技でのみ実行される。この点については後述する。さらにまた、上記の各遊技状態間の移行については、後述する。
【0051】
役抽選テーブル62Aは、非RT遊技で用いられる役抽選テーブル62である。なお、本実施形態では、いずれも役も単独で当選するように設定されているが、特別役と小役又はリプレイ、異なる小役同士、小役とリプレイが、それぞれ当該遊技で同時に重複当選するように設定することも可能である。
【0052】
役抽選テーブル62Aで抽選される役は、特別役(BB、及びRB)、小役1A〜小役1C、小役2A〜小役2B、小役3、及びリプレイの各当選が設けられている。
【0053】
また、役抽選テーブル62Bは、RT遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Aと比較すると、リプレイの当選確率のみが異なり(高確率に設定されており)、それ以外は、役抽選テーブル62Aと同様である。
さらにまた、役抽選テーブル62Cは、内部中遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、特別役が抽選されない点で役抽選テーブル62Aと異なる。
すなわち、非内部中において特別役に一旦当選すると、その特別役が入賞して特別遊技に移行し、その特別遊技が終了して特別遊技以外の遊技に移行するまで、特別役の抽選は行われない。したがって、内部中では、小役及びリプレイのみが抽選される。
【0054】
さらに、役抽選テーブル62Dは、特別遊技(BB遊技及びRB遊技)で用いられる役抽選テーブル62であり、小役のみが抽選され、特別役及びリプレイは抽選されない。
以上のいずれかの役抽選テーブル62A〜62Dを用いて、役抽選手段61は、毎遊技、スタートスイッチ41が操作された時に役の抽選を行う。
【0055】
説明を
図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、BB、RB、小役1A〜小役1C、小役2A〜小役2B、小役3及びリプレイの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、リプレイに当選したときは、リプレイに係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。
【0056】
また、上述したように、小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役やリプレイに当選し、小役やリプレイの当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、BB及びRBの当選は持ち越されるので、当該遊技でBB又はRBに当選し、当選したBB又はRBに係る当選フラグ63aがオンになったときは、そのBB又はRBが入賞するまでオンの状態が維持され、そのBB又はRBが入賞した時点でオフにされる。
【0057】
例えば、当該遊技でBBに当選したときは、BBの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技でBBが入賞しなかったときは、BBに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中の遊技)で、小役1Aに当選したときは、すでにオンであるBBに係る当選フラグ63aのほか、小役1Aの当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時にBBが非入賞のときは、BBに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役1Aの当選フラグ63aはオフにされる。
【0058】
リール制御手段64は、リールの回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0059】
例えば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0060】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
【0061】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0062】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0063】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0064】
さらに、リール制御手段64は、複数の当選フラグ63aがオンである遊技(内部中遊技で小役又はリプレイに当選したとき)では、いずれか1つの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御し、複数の役に対応する図柄の組合せが同時に有効ラインに停止しないようにリール31を停止制御する。
【0065】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段61による役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、例えば1番の図柄(左リール31であれば「ベル」)が上段(中段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
【0066】
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
BBテーブルは、BBのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技でBBに当選したとき、又はBBの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、BBに対応する図柄の組合せ(3種類のうちのいずれか)を有効ラインに停止させるとともに、BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0067】
また、RBテーブルについても上記BBテーブルと同様であり、上記BBテーブル中、「BB」を「RB」と読み替えたものに相当する。
【0068】
小役1Aテーブルは、小役1Aのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役1Aに当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、左リール31の「赤チェリー」の図柄を上段又は下段に停止させるとともに、そのように停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0069】
また、小役1Bテーブルは、小役1Bのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役1Bに当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、左リール31の「赤チェリー」の図柄を中段に停止させるとともに、そのように停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0070】
また、小役2Aテーブルは、小役2Aのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役2Aに当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役2Aに対応する図柄の組合せを有効ラインL1〜L3(水平の有効ライン)に停止させるとともに、小役2Aに対応する図柄の組合せを有効ラインL1〜L3に停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0071】
同様に、小役2Bテーブルは、小役2Bのみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役2Bに当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役2Bに対応する図柄の組合せを有効ラインL4又はL5(斜めの有効ライン)に停止させるとともに、小役2Bに対応する図柄の組合せを有効ラインL4又はL5に停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0072】
さらにまた、小役3テーブルは、小役3のみの当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で小役3に当選したとき)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役3に対応する図柄の組合せをいずれかの有効ラインL1〜L5に停止させるとともに、小役3に対応する図柄の組合せをいずれかの有効ラインL1〜L5に停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0073】
さらに、リプレイテーブルについても上記小役3テーブルと同様であり、上記小役3テーブル中、「小役3」を「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
【0074】
また、BB又はRBの内部中において、小役又はリプレイに当選したときは、当選した小役又はリプレイの入賞が優先されるとともに、当選した小役又はリプレイを入賞させることができないときは、次に、当選を持ち越しているBB又はRBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置が定められた停止位置決定テーブル65が用いられる。なお、当選を持ち越しているBB又はRBを、小役やリプレイよりも優先して入賞させることも可能である。
【0075】
さらにまた、非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中の遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0076】
説明を
図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0077】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
【0078】
特別遊技制御手段68は、本実施形態の特別遊技であるBB遊技又はRB遊技の開始、BB遊技又はRB遊技中の遊技の進行、及びBB遊技又はRB遊技の終了を制御するものである。
通常遊技中に、BBに対応するいずれかの図柄の組合せがいずれかの有効ラインに停止したときは、BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からBB遊技を開始するように制御する。
BB遊技では、上述した役抽選テーブル62Dを用いて役の抽選が行われる。
【0079】
また、本実施形態では、BB遊技の終了条件として、BB遊技中のメダルの払出し枚数が300枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、BB遊技中のメダルの払出し枚数をカウントし、この払出し枚数を毎遊技の終了時に算出してその値を更新し続けるとともに、払出し枚数が300枚以上となったと判断したときは、BB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0080】
また、通常遊技中に、RBに対応するいずれかの図柄の組合せがいずれかの有効ラインに停止したときは、RBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からRB遊技を開始するように制御する。
RB遊技では、BB遊技と同様に役抽選テーブル62Dを用いて役の抽選が行われる。
また、本実施形態では、RB遊技の終了条件として、RB遊技中のメダルの払出し枚数が100枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、RB遊技中のメダルの払出し枚数を毎遊技算出し、この値が100枚以上となったと判断したときは、RB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0081】
遊技状態制御手段69は、本実施形態の遊技状態である通常遊技(非RT遊技、RT遊技、内部中遊技)、特別遊技(BB遊技、RB遊技)間の移行を制御するものである。
図6は、遊技状態の移行を説明する図である。
図6において、先ず、非RT遊技を基準として遊技状態の移行を説明する。
【0082】
非RT遊技は、BB又はRBに当選するまで継続される。非RT遊技中にBB又はRBに当選し、当該遊技でBB又はRBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技に移行する。なお、非RT遊技においてBB又はRBに当選し、かつその遊技でBB又はRBが入賞したときは、内部中遊技を経ずに次遊技からBB遊技又はRB遊技に移行する。
【0083】
内部中遊技は、当選したBB又はRBが入賞するまで継続される。そして、内部中遊技で、当選したBB又はRBが入賞すると、それぞれ、次遊技からBB遊技又はRB遊技に移行する。
BB遊技又はRB遊技の終了後は、遊技状態制御手段69は、RT遊技に移行するように制御する。
RT遊技では、小役1(小役1A〜小役1Cのいずれか)に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまで継続される。
RT遊技において小役1に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると、遊技状態制御手段69は、次遊技から遊技状態を非RT遊技に移行する。
また、RT遊技においてBB又はRBに当選し、その遊技でBB又はRBが入賞しなかったときは内部中遊技に移行する。さらにまた、RT遊技においてBB又はRBに当選し、かつ当該遊技でBB又はRBが入賞したときは、それぞれBB遊技又はRB遊技に移行する。
【0084】
図1において、遊技制御手段60は、演出制御手段80に対し、各種の遊技情報を送信する。送信する遊技情報としては、メダルが投入された旨(投入枚数)の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、当選役の情報、ストップスイッチ42が操作された旨の情報、各リール31が停止した旨の情報、入賞役の情報、メダル払出し枚数の情報、特別遊技の開始及び終了の情報等である。
【0085】
演出制御手段80は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段80は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出パターンを選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出パターンが予め設けられている。そして、演出制御手段80は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によっていずれか1つの演出パターンを選択する。
【0086】
演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段80は、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0087】
また、
図1に示すように、演出制御手段80は、小役利益付与手段81を備える。
小役利益付与手段81は、特別遊技中においていずれかの小役(小役1A〜小役1C、小役2A〜小役2B、及び小役3)に当選したときに、当選した小役に基づく利益を遊技者に対して与えるように制御するものである。
ここで、遊技者に利益を与える場合には、単に小役に当選しただけでなく、当選した小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したこと(当選小役が入賞したこと)を条件とすることも可能である。ただし、本実施形態では、小役に当選すれば遊技者に利益を与えるようにし、入賞を条件としていない。
【0088】
先ず、小役利益付与手段81は、小役に当選したときに、当選した小役に応じて「得点(点数、ポイント)」を与えるように制御する。
役抽選手段61により役の抽選が行われると、役の抽選結果が遊技制御手段60から演出制御手段80に送信される。そして、小役利益付与手段81は、この当選役の情報を受信すると、当選役の種類に応じて、所定の確率に設定された抽選テーブル及びソフトウエア乱数を用いた抽選によって、その当選に基づく得点を決定する。
【0089】
図7は、得点の付与に係る抽選テーブルを示す図である。
図7に示すように、16ビット乱数を用いて、当該遊技における小役の当選に基づく得点を決定し、決定した得点を遊技者に付与する。
例えば、
図7において、小役1A当選時には、25536/65536の確率で、付与される得点が「1」に決定され、10000/65536の確率でそれぞれ得点が「2」〜「5」のいずれかに決定される。また、小役1B当選時には、100%の確率で、付与される得点が「20」に決定される。特に本実施形態では、小役1>小役2>小役3の順で高い得点が付与されるように、得点の期待値が設定されている。
【0090】
さらに、演出制御手段80は、BB遊技中は、以上の各小役に対する現時点での(当該遊技までの)得点を画像表示装置23に画像表示するように制御する。
図8は、このときの画像表示例を示す図である。
図8(一番上の図)に示すように、演出制御手段80は、BB遊技中は、BB遊技中の遊技回数やメダルの払出し枚数等の遊技情報を画像表示するとともに、各小役ごとに、現時点での得点をメーター表示する。特に本実施形態では、小役1A〜小役1Cは、1つの小役1として得点が合算されて表示される。同様に、小役2A及び小役2Bは、1つの小役2として得点が合算されて表示される。
【0091】
図8の例では、小役1の現在の得点は「08」であり、小役2の得点は「17」であり、小役3の得点は「03」であることを示している。そして、この遊技で小役3に当選し、抽選の結果、その小役3の当選に基づく得点(加算点)が「2」に決定されたときは、小役3のメーター表示が「03」から「05」に変更される。なお、この場合の小役1及び小役2のメーター表示の変更はない。
【0092】
また、メーター表示の変更(得点の加算)は、当該遊技の開始時から終了時までの間であれば、いつ行ってもよい。例えばスタートスイッチ41操作時や、第3リール31停止後に行うことが挙げられる。
【0093】
ここで、遊技者は、小役1>小役2>小役3の順で、高い得点が付与されることを知っていれば、入賞役に応じて、得点の加算を期待することができる。
特に、小役1Bに当選して中段チェリーが出現したときは、その時点で、小役1の得点が「20」以上になることを知ることができる。
【0094】
また、メーター表示は、「0」から「20」(MAX)まで表示され、いずれか1つの小役の得点が「20」以上となったときに、このBB遊技の終了後の遊技をAT遊技とするか否かの抽選が行われる。
図9は、いずれかの小役の得点がMAXである「20」となったときの抽選における当選確率を示す図である。
図9に示すように、例えば小役1の得点が「20」となったときの抽選では、60%の確率でAT遊技の実行に当選するように設定されている。そして、小役1>小役2>小役3の順で、得点が「20」となったときの当選確率が高くなるように設定されている。
【0095】
演出制御手段80は、いずれかの小役の得点が「20」となったときは、上記抽選を行うとともに、その抽選結果を遊技者に対して画像表示するように制御する。
図8の上から2番目の図に示すように、抽選結果の画像表示としては、主人公キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出が開始されるとともに、いずれかが勝利する演出が選択され、画像表示される。ここで、上記抽選で当選したときは、主人公キャラクタが勝利する演出が選択され、上記抽選で非当選であったときは、主人公キャラクタが敗北する演出が選択される。
【0096】
なお、バトル演出には、最終的に主人公キャラクタが勝利する演出と、最終的に主人公キャラクタが敗北する演出とが、それぞれ複数種類設けられており、いずれか1つが選択される。
さらに、バトル演出には、例えば敵キャラクタの1回の攻撃を受けて主人公キャラクタが敗北する演出、主人公キャラクタが1回の攻撃で勝利する演出、主人公キャラクタと敵キャラクタとが互いに最低1回ずつの攻撃を行い、最終的にいずれが勝利する演出が設けられている。
【0097】
よって、例えば1遊技あたり1回の攻撃を画像表示する演出としたときは、1遊技で(バトル開始時の遊技で)決着がつく場合と、複数回の連続する遊技でバトル演出が出力される場合とがある。
【0098】
その後、
図8の一番下の図に示すように、主人公キャラクタが勝利したとき(上記抽選に当選したとき)は、バトルに勝利し、それを祝福する演出と、このBB遊技の終了後にはAT遊技に突入(移行)する旨の演出が表示される。これに対し、主人公キャラクタが敗北したときは、バトル演出の終了後、元の画面表示(各小役の得点を表示する画面表示)に戻る。
【0099】
なお、バトル演出中は、各小役の得点は表示されない。
また、AT遊技の実行の抽選に当選したときは、それ以降の小役の得点の加算は行われない。これに対し、AT遊技の実行の抽選で非当選であったときは、その後の小役の得点の加算が行われる。
【0100】
したがって、主人公キャラクタが敗北するバトル演出が出力されている間は、小役の得点表示はされないが小役の得点の加算は行われており、バトル敗北後に元の画面表示に戻ったときに、現時点での(最新の)各小役の得点が表示される。
【0101】
さらに、例えば
図8の各小役の得点において、小役2に当選し、加算する得点が「5」に決定されたときは、それまでの小役2の得点である「17」に「5」が加算される。この場合には、次遊技以降の小役2の得点は、「17+5−20=2」に設定される。すなわち、ある小役の得点を加算した結果、ちょうど「20」になったときは、次遊技以降のその小役の得点は「0」となるが、「20」を超えたときは、超えた分の数値が次遊技以降の得点として持ち越される。
【0102】
このように、ある小役の得点が「20」以上となって、バトル演出が開始された後、次遊技以降のその小役の得点は、「0」である場合と「0」でない場合とがある。ただし、ある小役の得点が「20」以上となったときに、次遊技以降のその小役の得点を一律に「0」に設定することも可能である。
【0103】
また、小役利益付与手段81は、いずれかの小役の得点が「20」以上となり、AT遊技の抽選で当選したときには、次遊技以降の得点の加算は行わないように制御する。そして、AT遊技の抽選直前における各小役の得点は、RAM等の記憶手段に記憶され、次の特別遊技(小役の得点が加算される特別遊技)の開始時まで持ち越される(保持される)。
【0104】
これに対し、AT遊技の抽選で非当選であったときは、その時点以降も、小役当選時に得点が加算されていく。そして、特別遊技の終了時に、その時点における各小役の得点がRAM等に記憶され、次回の特別遊技の開始時まで持ち越される。
例えば、BB遊技の最後の遊技において
図8に示す各小役の得点であったときは、次のBB遊技の第1遊技目で、
図8に示すように各小役の得点が画像表示される。
【0105】
また、小役利益付与手段81は、バトル演出に勝利することなくBB遊技を終了する場合には、次回の特別役の当選意欲を遊技者に与えるために、BB遊技の終了近くになったときは、各小役の得点を参照して、加算する得点の調整を行う。そして、BB遊技の終了時に、いずれか1つの小役の得点が、「20」未満であって、かつ「20」に近づけるような制御を行う。
【0106】
先ず、小役利益付与手段81は、BB遊技中におけるメダルの払出し枚数を判断し続け、払出し枚数が「275」以上となったとき(残り払出し枚数が「25」以下となったとき)、すなわちBB遊技の残り遊技回数の目安が「3」以下となったときに、各小役の現時点での得点を判断する。そして、いずれか1つの小役の得点が「15」以上であるときは、得点の調整を行わない。これに対し、すべての小役の得点が「14」未満であるときは、得点の調整を行う。
【0107】
得点の調整を行う小役としては、どの小役でもよいが、本実施形態では、最も当選確率の高い小役3に対して行う。
小役3は、上述したように、当選確率が1/1.15であるので、ほぼ当選すると判断することができる。さらに、小役3の当選時には、
図7に示すように、約99.9%の確率で加算される得点が「1」に設定されている。
そこで、現時点での小役3の得点に応じて、小役3の当選時に加算する得点を「2」以上とする。
【0108】
図10は、このときの得点を決定するテーブルを示す図である。
図10に示すように、現時点(前遊技の終了時点)での払出し枚数及び小役3の得点に基づいて、当該遊技で小役3に当選したときは、
図7に示す抽選テーブルよりも優先して、
図10に示す抽選テーブルで加算する得点を決定する。
【0109】
例えば現在の払出し枚数が280枚であり、小役3の得点が「12」であると仮定する。また、小役1及び小役2の現時点での得点がいずれも「14」以下と仮定する。この場合において、当該遊技で小役3に当選したときは、
図10に示すように、小役3の得点として「2」が加算される。よって、当該遊技の終了時の小役3の得点は「12+2=14」となる。また、当該遊技の終了時の払出し枚数は、「280+8(小役3の払出し枚数)=288」となる。
【0110】
よって、次遊技では、払出し枚数が288枚、小役3の得点は「14」であるので、小役1及び小役2の得点がいずれも「14」以下であると判断されれば、当該遊技でも小役3に当選すれば、得点の調整の対象となる。そして、この遊技で小役3に当選したときは、得点として「2」が加算される。よって、当該遊技の終了時の小役3の得点は「14+2=16」となる。また、当該遊技の終了時の払出し枚数は、「288+8=296」となる。
【0111】
払出し枚数が296枚となったときは、次遊技もBB遊技が行われるが、小役3の得点はすでに「16」となり、「15」以上であるため、得点の調整は行われない。よって、この遊技で小役3に当選したときは、
図7で示した確率で得点が選択される。ほとんどの場合は、「1」であるので、「1」が加算されると、小役3の得点は「17」となる。また、小役3が入賞してこの遊技を終了したとき、払出し枚数は、「296+8=304」となり、300枚を超えるので、この遊技をもってBB遊技が終了する。すなわち、BB遊技の終了時の小役3の得点は「17」となり、この得点が記憶され、次回の特別遊技(小役の得点が加算される特別遊技)の開始時における小役3の得点となる。
【0112】
よって、遊技者は、次に特別遊技に移行すれば、ほぼ確実に小役3の得点が「20」以上になると予測することができる。これにより、遊技者は、次に特別役が当選するまで遊技意欲が駆り立てられる。
なお、本実施形態では、特別遊技の終了時に記憶された各特定役の得点は、ホールが閉店となり、スロットマシン10の電源がオフにされても消去されない。よって、当日の最後の特別遊技で獲得した各特定役の得点は、翌日に持ち越される。
【0113】
さらに、スロットマシン10で設定変更が行われ、設定がリセットされた場合でも上記と同様に、記憶されている各特定役の得点は、消去されない。
以上により、遊技者は、当日の閉店まで遊技を行った後、翌日の朝一から同一台で遊技を行う場合には、前日の閉店時の各特定役の得点が、最初の特別遊技の開始時にセットされることを知っているので、遊技意欲をさらに高めることができる。
【0114】
また、RB遊技中は、BB遊技と同様に、小役の当選に基づいて得点を加算していく処理を行うが、各小役のメーター表示は行わない。ただし、RB遊技中にいずれか1つの小役の得点が「20」以上となったときは、BB遊技と同様にAT遊技を実行するか否かの抽選を行う。そして、その抽選に当選したときは、このRB遊技の終了時に、このRB遊技の終了後にはAT遊技に移行する旨の演出を行う。一方、AT遊技を実行するか否かの抽選が行われたが、その抽選に当選しなかったときは、その抽選結果を報知する演出は行わない。
また、RB遊技の終了時にも、その終了時点における各小役の得点を記憶し(持ち越し)、次回の特別遊技の開始時の各小役の得点に設定する。
【0115】
次にAT遊技について説明する。
演出制御手段80は、AT遊技制御手段82を備える。
AT遊技制御手段82は、上述したAT遊技の抽選に当選したときは、BB遊技の終了後のRT遊技をAT遊技に設定し、上述したAT遊技の抽選に非当選であったときは、BB遊技の終了後のRT遊技を非AT遊技に設定するものである。
なお、AT遊技とRT遊技とを組み合わせたものを、「ART遊技」と称する場合もある。
【0116】
ここで、「AT(Assist Time )遊技」とは、「報知遊技」とも称され、役の当選時に、その役を入賞させるための、あるいはその役を入賞させないためのストップスイッチ42の操作情報を報知する遊技である。特に本実施形態のAT遊技は、小役1A〜小役1Cに当選したときに、当選した小役1A〜小役1Cを入賞させないためのストップスイッチ42の操作情報を報知するものである。さらに、「ストップスイッチ42の操作情報」とは、左リール31の図柄に関する情報である。
【0117】
例えば、小役1A又は小役1Bに当選したときは、「赤チェリーを外せ」と報知する。このような報知が行われると、遊技者は、左ストップスイッチ42の操作時に、
図2中、19番の「赤チェリー」の図柄が有効ライン(表示窓11内)に停止しないように狙うことで、小役1A又は小役1Bの入賞を回避することができる。
【0118】
例えば、「赤チェリーを外せ」と報知されたときは、遊技者は、6番の「白チェリー」の図柄が表示窓11内に停止するようなタイミングで左ストップスイッチ42を操作すればよい。その位置からは19番の「赤チェリー」の図柄を有効ラインに引きこむことができないので、「赤チェリー」の図柄が有効ラインに停止してしまうことはない。さらに、当該遊技では小役1Cに当選していないので、6番の「白チェリー」の図柄が表示窓11内に停止するようなタイミングで左ストップスイッチが操作されたとしても、「白チェリー」の図柄が表示窓11内に停止してしまうこともない。
また、「白チェリーを外せ」と報知されたときは、上記と逆の要領で、19番の「赤チェリー」の図柄が表示窓11内に停止するようなタイミングで左ストップスイッチ42を操作すればよい。
【0119】
小役1A又は小役1Bの当選時に、その入賞を回避することができれば、RT遊技が終了してしまうことを防止することができる。RT遊技は、非RT遊技に対してリプレイの当選確率が高く設定されているので、その分だけ、RT遊技は非RT遊技よりも出玉率が高い。したがって、RT遊技は非RT遊技よりも遊技者にとって有利となる遊技である。これにより、AT遊技での報知により、遊技者にとって有利となる遊技を維持することができる。
【0120】
AT遊技は、特別役に当選するまで、又は小役1A〜小役1Cが入賞するまで継続される。よって、左ストップスイッチ42の操作ミスにより誤って小役1A〜小役1Cを入賞させない限り、特別役当選時までAT遊技(かつRT遊技)が継続される。AT遊技中に特別役に当選したときは、内部中遊技に移行する。これに対し、AT遊技中に小役1A〜小役1Cを入賞させてしまったときは、AT遊技及びRT遊技の双方が終了し、次遊技から非RT遊技(かつ非AT遊技)に移行する。
【0121】
一方、特別遊技中にAT遊技の抽選に当選しなかったときは、特別遊技の終了後の遊技は、非AT遊技であるがRT遊技となる。RT遊技では、小役1A〜小役1Cの当選時にその旨が報知されないので、入賞するか否かは運次第となる。そして、RT遊技中に小役1A〜小役1Cが入賞したときは、次遊技から、非RT遊技に移行する。
なお、このRT遊技中において特別役に当選したときは、内部中遊技に移行する。
【0122】
また、特別遊技中にAT遊技の実行に当選し、特別遊技の終了後にAT遊技に移行した場合において、AT遊技中に特別役に当選し、特別遊技に移行したときは、上述したような各特定役の得点の加算等は行わない。そして、その特別遊技の終了後に、再度、AT遊技を継続するか否かの抽選だけが行われる。
【0123】
さらにまた、AT遊技を実行するか否かの抽選に当選したときは、AT遊技制御手段82は、AT遊技の継続率を抽選によって決定する。
ここで、継続率としては、60%、70%、及び80%の3種類が設けられている。そして、AT遊技制御手段82は、いずれか1つをソフトウエア乱数による抽選によって選択する。選択した継続率は、AT遊技制御手段82によって記憶される。
【0124】
例えば、AT遊技を実行するか否かの抽選に当選し、継続率70%が選択されたと仮定する。
そして、その特別遊技の終了後にAT遊技が実行され、AT遊技中に特別役に当選して、再度特別遊技に移行したとする。
このとき、AT遊技を継続するか否かの抽選を、継続率(当選確率)70%で行う。そして、この抽選に当選したときは、次回の特別遊技の終了後もAT遊技に設定される。すなわち、AT遊技を継続するか否かの抽選で非当選となったときでも、現在の特別遊技の終了後のAT遊技は保障される。
【0125】
また、AT遊技を継続するか否かの抽選は、いつ行ってもよい。例えば、特別役の当選時、特別役の入賞時、特別遊技の開始時、又は特別遊技中が挙げられる。
さらにまた、本実施形態では、演出制御手段80は、特別遊技の終了時に、その特別遊技の終了後にAT遊技が継続するか否かの演出を出力するように制御する。
【0126】
なお、本実施形態では、当該特別遊技の終了直後のAT遊技を継続するか否かではなく、次回の特別遊技の終了後のAT遊技を継続するか否かの抽選を行っている。これにより、AT遊技中に、次回の特別遊技の終了後もAT遊技が継続されるか否かを示唆する演出(継続される可能性が高いことを意味する演出や、継続が確定する演出等)を出力できるようになる。
【0127】
以上のようにして、運がよければ、特別遊技とAT遊技とを繰り返すことができる。
また、AT遊技の継続抽選に非当選となったときは、記憶されている継続率はクリアされ、次回の特別遊技の終了後は、非AT遊技に移行する。
また、AT遊技を継続する権利を有してAT遊技を行っているときに小役1を入賞させてしまい、非AT遊技に移行したときは、AT遊技を継続する権利も消滅し、記憶されている継続率はクリアされる。
【0128】
続いて、1遊技の処理の流れを、フローチャートに基づいて説明する。
図11及び
図12は、遊技制御手段60及び演出制御手段80による1遊技(通常遊技中及び特別遊技中のいずれも含む)の処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図12は、
図11に続くフローチャートである。
ここで、以下のフローチャートの説明において、RTフラグとは、当該遊技がRT遊技であるか否かを判断するためのフラグであり、RT遊技中はオンにされ、RT遊技以外ではオフにされる。
また、ATフラグとは、当該遊技がAT遊技であるか否かを判断するためのフラグであり、AT遊技中はオンにされ、AT遊技以外ではオフにされる。
【0129】
さらにまた、AT継続フラグは、AT遊技が実行されていないときは「0」とされ、AT遊技の継続の権利を有しているときは「1」とされ、AT遊技の継続の抽選で非当選となったが未だAT遊技の終了演出を出力していないときは「2」とされるフラグである。
さらに、ボーナスフラグとは、当該遊技が特別遊技であるか否かを判断するためのフラグであり、特別遊技中はオンにされ、通常遊技ではオフにされる。
【0130】
図11のステップS11において、遊技制御手段60は、ベットスイッチ40が操作されたか否か(メダルを検知したか否かを含む)を判断し続ける。そして、投入されたと判断されると、次のステップS12に進み、遊技制御手段60は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。操作されていないと判断されたときはステップS11に戻り、操作されたと判断したときはステップS13に進む。
【0131】
ステップS13では、役抽選手段61は、所定の役抽選テーブル62を用いて役の抽選を行う。例えばボーナスフラグがオフ、RTフラグがオフ、かつ特別役に係る当選役フラグ63aがオフであるときは役抽選テーブル62Aを用い、RTフラグがオンであるときは役抽選テーブル62Bを用る。また、特別役に係る当選役フラグ63aがオンであるときは役抽選テーブル62Cを用い、ボーナスフラグがオンであるときは役抽選テーブル62Dを用いる。
さらに次のステップS14では、リール制御手段64は、すべてのリール31の回転を開始するように制御する。また、次のステップS15で、リール制御手段64は、ステップS13における役の抽選結果に対応する停止位置決定テーブル65をセットする。
【0132】
次に、ステップS16に進み、AT遊技制御手段82は、当該遊技において小役1に当選したか否かを判断する。小役1に当選したと判断したときはステップS17に進み、小役1に当選していないと判断したときはステップS19に進む。
ステップS17では、AT遊技制御手段82は、ボーナスフラグがオフであり、かつATフラグがオンであるか否かを判断する。ボーナスフラグがオフであり、かつATフラグがオンであるオンであると判断したときはステップS18に進み、そうでないと判断したときはステップS19に進む。
【0133】
ステップS18では、AT遊技制御手段82は、小役1に係る図柄の種類を報知する。上述したように、例えば小役1A当選時には、「赤チェリーを外せ」等の報知を行う。そしてステップS19に進む。
【0134】
ステップS19では、遊技制御手段60は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断し続ける。そして、操作されたと判断したときはステップS20に進み、リール制御手段64は、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31の停止制御を行う。
次のステップS21では、遊技制御手段60は、すべてのリール31が停止したか否かを判断する。停止したと判断したときはステップS22に進み、停止していないと判断したときはステップS19に戻る。
【0135】
ステップS22では、停止図柄判断手段66は、有効ラインに停止した図柄の組合せに基づいて、役が入賞したか否かを判断する。そして、役が入賞したと判断したときはステップS23に進み、役が入賞していないと判断したときはステップS24に進む。
ステップS23では、払出し手段67は、入賞役に応じた払出し等の処理を行う。具体的には、小役の入賞時には入賞した小役に対応するメダルの払出しを行い、リプレイの入賞時には当該遊技で投入された枚数分のメダルを自動投入する。そしてステップS24に進む。
【0136】
ステップS24では、特別遊技制御手段68は、ボーナスフラグがオンであるか否かを判断し、オンでないと判断したときはステップS25に進み、オンであると判断したときはステップS30に進む。
ステップS25では、遊技制御手段60は、当該遊技で小役1が入賞したか否かを判断する。入賞したと判断したときはステップS26に進み、入賞していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。ステップS26では、遊技状態制御手段69は、RTフラグがオンであるか否かを判断する。オンであると判断されたときはステップS27に進み、オンでないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。ステップS27では、遊技状態制御手段69は、当該遊技をもってRT遊技を終了するため、RTフラグをオフにする。そしてステップS28に進む。
【0137】
ステップS28では、AT遊技制御手段82は、ATフラグがオンであるか否かを判断する。オンであると判断したときはステップS29に進み、オンでないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。ステップS29では、AT遊技制御手段82は、当該遊技をもってAT遊技を終了するため、ATフラグをオフにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
【0138】
一方、ステップS24からステップS30に進むと、特別遊技制御手段68は、当該遊技の終了時におけるメダルの払出し枚数を更新(算出)する。
【0139】
そして、次のステップS31で、特別遊技制御手段68は、払出し枚数が規定値に到達したか否かを判断する。ここで、BB遊技中であるときは規定値は300枚であり、RB遊技中であるときは規定値は100枚である。払出し枚数が規定値に到達したと判断したときはステップS32に進み、到達していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS32では、特別遊技制御手段68は、当該遊技をもって特別遊技を終了するため、ボーナスフラグをオフにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
【0140】
図13は、演出制御手段80のBB遊技中における処理の流れを示すフローチャートである。
遊技が開始され、役の抽選結果が演出制御手段80に送信されると、ステップS41において、小役利益付与手段81は、AT継続フラグが「1」又は「2」であるか否かを判断する。「1」又は「2」でない、すなわち「0」であると判断されたとき(このBB遊技に移行する前の通常遊技がAT遊技でないとき)はステップS42に進む。これに対し、「1」又は「2」であると判断されたとき、すなわちAT遊技中にBBに当選してBB遊技に移行したときは、小役の得点の加算は行わないので、ステップS71に進む。
【0141】
ステップS42では、当該遊技でいずれかの小役に当選したか否かを判断する。当選したと判断したときはステップS43に進み、当選していないと判断したときは、当該遊技において得点の加算やそれに基づく画像表示の更新は行わないのでフローチャートの最初に戻る。
【0142】
ステップS43に進むと、小役利益付与手段81は、当選した小役に基づいて加算すべき得点を決定し、決定した得点をその小役のそれまでの得点に加算する。次のステップS44では、演出制御手段80は、画像表示内容を更新する。すなわち、当選した小役に対応する得点を加算するように制御する。
次のステップS45では、小役利益付与手段81は、いずれかの小役の得点が「20」以上になったか否かを判断する。得点が「20」以上になったと判断したときはステップS46に進み、得点が「20」以上でないと判断したときはフローチャートの最初に戻る。
【0143】
ステップS46では、小役利益付与手段81は、BB遊技の終了後にAT遊技を実行するか否かの抽選を行う。次のステップS47では、AT遊技制御手段82は、ステップS46の抽選で当選したか否かを判断し、当選したと判断したときはステップS48に進んでATフラグをオンにし、さらにAT継続フラグを「1」に設定する。そしてステップS49に進む。これに対しステップS47で当選していないと判断されたときはステップS50に進む。
ステップS49では、AT遊技制御手段82は、継続率を何%にするかの抽選を行う。そしてステップS51に進む。
【0144】
ステップS50では、演出制御手段80は、バトル敗北演出を出力する。そしてその演出の出力後は、フローチャートの最初に戻る。
これに対し、ステップS51では、バトル勝利演出を出力する。そして本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、バトル勝利演出の出力後は、バトルに勝利した旨の演出を出力し続け、その後のBB遊技では、小役の得点の加算の処理や、AT遊技の抽選は行わない。
【0145】
一方、ステップS41でAT継続フラグが「1」又は「2」であると判断されてステップS71に進むと、AT遊技制御手段82は、BB遊技が終了したか否かを判断し続ける。BB遊技が終了したと判断されると(払出し枚数が300枚以上となったときのその遊技の終了時に)ステップS72に進む。ステップS72では、AT継続フラグが「1」であるか否かを判断する。「1」であると判断されたときはステップS73に進み、「1」でない(「2」である)と判断されたときはステップS77に進む。
【0146】
ステップS73では、AT遊技制御手段82は、AT遊技の継続抽選を行う。そして次のステップS74において、ステップS73でAT遊技の継続抽選に当選したか否かが判断され、当選していないと判断されるとステップS75に進む。ステップS75では、AT継続フラグを「2」に設定する。すなわち、次のBB遊技の終了後はAT遊技に移行しないようにする。これに対し、ステップS74においてステップS73でAT遊技の継続抽選に当選したと判断されると、ステップS75の処理を経ずに(AT継続フラグ=「1」を維持して)ステップS76に進む。
ステップS76では、演出制御手段80は、このBB遊技の終了後もAT遊技が継続される旨の演出を出力する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
【0147】
これに対し、ステップS72からステップS77に進むと、AT遊技制御手段82は、ATフラグをオフにし(このBB遊技の終了後は非AT遊技とし)、さらにAT継続フラグを「0」に設定する。そして、次のステップS78で、このBB遊技の終了後にはAT遊技が実行されない旨の演出を出力する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
【0148】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、AT遊技を実行するか否かの抽選で当選したときは、所定の継続率で継続抽選を行い、この抽選に当選すれば、AT遊技を継続できるようにした。しかし、これに限らず、特別遊技の終了後の遊技をAT遊技とするか否かを、特別遊技を行うたびに、小役の得点に基づいて決定するようにしてもよい。
【0149】
(2)本実施形態では、得点が「20」以上となったときにAT遊技を実行するか否かの抽選を行うとともに、次遊技以降のその小役の得点を、「20」を超えた分の数値に設定したが、これに限らず、その得点を何点に設定してもよい。例えば、小役ごとにその得点が異なるようにしてもよい。
【0150】
(3)本実施形態では、小役1、小役2、及び小役3の3つの小役の得点を設けるようにしたが、少なくとも1つの小役について得点を設ければよい。
(4)本実施形態では、小役の当選ごとに、加算する得点を抽選で決定した。しかし、これに限らず、加算する得点を固定値にすることも可能である。また、加算する得点は、小役ごとに異なるようにしてもよく、同一にしてもよい。
【0151】
(5)本実施形態では、いずれか1つの小役の得点が「20」以上となったときにAT遊技を実行するか否かの抽選を行うようにした。しかし、これに限らず、2以上の(あるいは、すべての)小役の得点が所定値以上になったことを条件として、AT遊技を実行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。
(6)本実施形態では、小役の得点が「20」以上となったときに、AT遊技を行うか否かの抽選を行うようにした。しかし、これに限らず、小役の得点が所定値以上となったときは、(抽選によらずに)無条件でAT遊技を実行することに決定してもよい。
【0152】
(7)本実施形態では、特別遊技中に小役の得点を設けるようにしたが、特別遊技中に限らず、他の特定の遊技期間又は遊技状態のときに、このような処理を行うことも可能である。例えばRT遊技中に小役の当選時ごとに得点を加算していき、所定値以上となったときは、AT遊技を実行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。
(8)本実施形態の特別遊技は、メダルの払出し枚数が規定値以上となったときに終了するようにしたが、これに限らず、メダルの払出し枚数から投入枚数を引いた差枚数(TY)が規定値以上となったときに終了するように設定してもよい。
【0153】
(9)本実施形態のRB遊技では、BB遊技と同様に小役の得点の加算を行い、得点が「20」以上となったときはAT遊技を実行するか否かの抽選を行うようにした。しかし、これに限らず、例えばRB遊技中は、小役の当選の有無にかかわらず、AT遊技を実行するか否かの抽選だけを行うようにすることも可能である。
例えば、RB遊技中には、AT遊技を実行するか否かの抽選を、毎遊技(スタートスイッチ41の操作時等に)、所定の当選確率(例えば1/80)で行う。そして、この抽選で当選したときは、次遊技以降はAT遊技を実行するか否かの抽選を中止するとともに、AT遊技を実行することを報知する時期をいつにするかの抽選を行う。例えば、スタートスイッチ41の操作時、第1リール31の停止時、第2リール31の停止時、又は第3リール31の停止時の中から、いずれか1つを抽選で選択する。そして、選択した報知のタイミングで、RB遊技が終了するまでの間に、AT遊技を実行することを遊技者に報知する。
さらに、そのRB遊技の終了後もAT遊技が継続されるとき(AT遊技の継続が確定しているとき)は、RB遊技中には、AT遊技を継続することを報知する時期をいつにするかの抽選だけを行うようにする。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
前述の従来の技術において、特定の遊技期間において課題が提示されると、遊技者は、その課題を達成するために努力するが、大抵の場合は、その課題は容易に達成できないように設定されている。容易に達成できる課題であれば、遊技者間で差が付かず、その課題に対しての意欲が低下してしまうからである。その一方で、課題の達成率が低い場合には、そのような課題はそもそも達成できないとあきらめられたりしてしまう。さらに、上述したBB遊技の払出し枚数の課題を与えた場合には、BB遊技ごとに課題に挑戦できるが、課題に何度挑戦しても、ぎりぎりで達成できないという問題がある。
したがって、当初発明が解決しようとする課題は、特定遊技期間、例えばBB遊技中に小役の当選又は入賞に応じて遊技者に得点を与えるとともに、得点が所定値以上となったときは、遊技者に一定の利益を与え、さらに、当該特定遊技期間で得点が所定値以上にならなかった場合でも、次回に再度課題に挑戦しようとする意欲を高めることができるスロットマシンを提供することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
当初発明は、以下の解決手段によって、上述の当初課題を解決する。
第1の解決手段は、特別役を含む役の抽選を行う役抽選手段(61)と、前記役抽選手段で前記特別役(BB又はRB)に当選し、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止して前記特別役が入賞したときに、遊技者にとって有利となる特別遊技を実行するように制御する特別遊技制御手段(68)と、遊技中における演出を画像表示する画像表示装置(23)と、前記画像表示装置の画像表示内容を制御する演出制御手段(80)とを備え、前記役抽選手段は、前記特別遊技中は、特定役(小役1〜小役3)を含めて役の抽選を行い、前記特別遊技中において、前記役抽選手段で前記特定役に当選したとき、又は前記特定役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止して前記特定役が入賞したときに、前記特定役に基づく利益(得点)を遊技者に与える特定役利益付与手段(81)を備え、前記特定役利益付与手段は、前記特別遊技中に前記特定役が当選又は入賞したときに、前記特定役に基づく得点を、それ以前の前記特定役に基づく得点に加算し、前記演出制御手段は、現時点での前記特定役の得点を画像表示し、前記特別遊技の終了後の遊技状態として、遊技者が受ける利益が異なる複数種類の遊技状態(非RT遊技又はRT遊技)を備え、前記特定役利益付与手段は、前記特別遊技中に前記特定役の得点が所定値(「20」)以上となったときは、この特別遊技の終了後に移行する遊技状態を抽選で決定し、前記特別遊技中に前記特定役の得点が前記所定値以上となったときは、前記特定役の得点を初期値に戻すように制御し、前記特別遊技の終了時点における前記特定役の得点を記憶しておくことにより、次の前記特別遊技(AT遊技が終了した後の特別遊技)まで前記特定役の得点を持ち越すように制御し、次に前記特別遊技が実行されるときは、持ち越している前記特定役の得点を、その特別遊技の開始時における前記特定役の得点に設定し、前記演出制御手段は、持ち越している前記特定役の得点を、その特別遊技の開始時における前記特定役の得点として画像表示することを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、前記特定役利益付与手段は、前記特別遊技中に前記特定役が当選又は入賞したときは、加算する得点を抽選によって決定することを特徴とする。
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、前記特別遊技中において前記役抽選手段で抽選される前記特定役は、複数種類設けられており、前記特定役利益付与手段は、1つの前記特定役の当選又は入賞に基づいて加算される得点又はその期待値(得点が抽選によって決定される場合に、加算される得点の平均値)と、他の1つの前記特定役の当選又は入賞に基づいて加算される得点又はその期待値とが異なるように設定し、前記特定役の種類ごとに、その特定役の当選又は入賞に基づいて得点を加算していき、いずれか1つの前記特定役の得点が前記所定値以上となったときは、前記特別遊技の終了後に移行する遊技状態を抽選で決定し、前記特別遊技中にいずれか1つの前記特定役の得点が前記所定値以上となったときは、その特定役の得点を初期値に戻すように制御することを特徴とする。
第4の解決手段は、第3の解決手段において、前記特別遊技の終了後の遊技状態として、第1遊技状態(非RT遊技)と、前記第1遊技状態よりも遊技者にとって有利となる第2遊技状態(RT遊技)とを有し、前記特定役利益付与手段は、いずれか1つの前記特定役の得点が前記所定値以上となったときの遊技状態の抽選において前記第2遊技状態に決定される確率と、他のいずれか1つの前記特定役の得点が前記所定値以上となったときの遊技状態の抽選において前記第2遊技状態に決定される確率とが異なるように設定することを特徴とする。
第5の解決手段は、第2の解決手段を引用する第3又は第4の解決手段において、前記特定役利益付与手段は、各前記特定役の得点を参考にして、前記特別遊技の終了時点で、少なくとも1つの前記特定役(小役3)の得点を、前記所定値以上とならない範囲で前記所定値に近づけるように、前記特定役の当選又は入賞時に得点の抽選を行うことを特徴とする。
(作用)
当初発明においては、特別遊技中において、特定役が当選又は入賞すると、その特定役に基づく得点がそれまでの得点に加算される。そして、その得点が所定値以上になると、特別遊技の終了後の遊技状態が抽選で決定される。また、特別遊技の終了時点における特定役の得点は、次の特別遊技まで持ち越される。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、特別遊技中に、小役の当選又は入賞に応じて遊技者に得点を与えることができる。さらに、特別遊技で得点が所定値以上にならなかった場合でも、次回にその得点が持ち越されるので、再度、得点を所定値以上とすることに挑戦しようとする意欲を高めることができる。
また、第2の解決手段によれば、加算する得点を抽選によって決定するので、加算される得点を適度にばらつくように設定することができる。これにより、利益が付与されるか否かに、運の要素を取り入れることができる。
第3の解決手段によれば、特定役の得点が所定値以上となったときは、直ちに利益が付与されるのではなく、抽選を経て付与されるので、比較的容易に特定役の得点が所定値以上になるように設定することができる。また、複数の特定役について、加算される得点又はその期待値が異なるので、得点が所定値になりやすい小役及びなりにくい小役を設けることができる。さらに、得点を次回に持ち越すことで、所定値になりにくい小役であっても、次の特別遊技では、所定値に最も近い小役にすることもできる。
また、第4の解決手段によれば、どの特定役が所定値になったかで、第2遊技状態に決定される確率が異なるように設定することができる。
さらにまた、第5の解決手段によれば、特別遊技の終了時に、1つの特定役の得点を所定値に近づけることができるので、この特別遊技の終了後も遊技意欲をかき立てることができる。