特許第5812887号(P5812887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5812887表示モジュール、表示装置、表示モジュールの製造方法、および表示装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5812887
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月17日
(54)【発明の名称】表示モジュール、表示装置、表示モジュールの製造方法、および表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20151029BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20151029BHJP
【FI】
   G09F9/00 302
   G09F9/00 338
   G09F9/00 348A
   G09F9/33
【請求項の数】44
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2012-18512(P2012-18512)
(22)【出願日】2012年1月31日
(65)【公開番号】特開2013-156539(P2013-156539A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(73)【特許権者】
【識別番号】500002571
【氏名又は名称】株式会社沖デジタルイメージング
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】谷川 兼一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴人
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−228302(JP,A)
【文献】 特開2007−294336(JP,A)
【文献】 特開2005−251721(JP,A)
【文献】 特開2004−319103(JP,A)
【文献】 特開2000−030858(JP,A)
【文献】 特開2004−119219(JP,A)
【文献】 特開2006−146221(JP,A)
【文献】 特開2003−243161(JP,A)
【文献】 特開2008−165251(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/121662(WO,A1)
【文献】 特表2004−517347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
G02F 1/13−1/13363
1/1339−1/141
H05B 33/00−33/28
H01L 27/32
51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた複数の発光素子と、
前記基板上に、前記複数の発光素子が配置された表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むように設けられたバンクと、
前記バンク上および前記バンクの外周領域に設けられ、樹脂材料により形成された外周保護部と、
を有し、
前記外周保護部の前記バンクと反対側は、当該表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする表示モジュール。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に設けられた複数の発光素子と、
前記基板上に、前記複数の発光素子が配置された表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むように設けられたバンクと、
前記表示領域上に前記バンクから前記表示領域側に隔てられた位置に設けられ、前記複数の発光素子を保護する保護部と、
前記バンク上および前記バンクの外周領域に設けられ、樹脂材料により形成された外周保護部と、
を有し、
前記保護部の前記基板と反対側は、当該表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする表示モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示モジュールと、
前記表示モジュールからの出射光を所定箇所へ投影して画像を表示させる光学系と、
を備えることを特徴とする投射型の表示装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の表示モジュールを備えることを特徴とする直視型の表示装置。
【請求項5】
複数の発光素子が配置された表示領域を有する基板を用意する工程と、
前記基板上に、前記表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むバンクを設ける工程と、
前記バンク上および前記バンクの外周領域にポッティングにより外周保護部を形成して前記バンク上および前記バンクの外周領域を封止し、表示モジュールを得る工程と、
を含み、
前記外周保護部の前記バンクと反対側は、前記表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする表示モジュールの製造方法。
【請求項6】
複数の発光素子が配置された表示領域を有する基板を用意する工程と、
前記基板上に、前記表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むバンクを設ける工程と、
前記表示領域上に前記バンクから前記表示領域側に隔てられた位置に、前記複数の発光素子を保護する保護部を形成する工程と、
前記バンク上および前記バンクの外周領域にポッティングにより外周保護部を形成して前記バンク上および前記バンクの外周領域を封止し、表示モジュールを得る工程と、
を含み、
前記保護部の前記基板と反対側は、前記表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする表示モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記表示領域上に前記複数の発光素子を保護する保護部を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記保護部は、前記表示領域の外周領域まで延在することを特徴とする請求項6または7に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項9】
複数の発光素子が配置された表示領域を有する基板を用意する工程と、
前記基板上に、前記表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むバンクを設ける工程と、
前記バンクから前記表示領域側に隔てられた位置に、前記複数の発光素子上に位置決めされ、発光素子ごとに分離された複数個の保護部を形成する工程と、
前記バンク上および前記バンクの外周領域にポッティングにより外周保護部を形成して前記バンク上および前記バンクの外周領域を封止し、表示モジュールを得る工程と、
を含み、
前記複数個の保護部の前記基板と反対側は、前記表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする表示モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記複数の発光素子上に位置決めされ、発光素子ごとに分離された複数個の保護部を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記複数個の保護部は、それぞれ対応する発光素子から放出された光を収束するマイクロレンズであることを特徴とする請求項9または10に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記複数個の保護部が形成された領域の外周領域に、少なくとも1個の分離された保護部を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項13】
前記少なくとも1個の分離された保護部は、前記複数個の保護部の全体を囲むように配置されることを特徴とする請求項12に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項14】
前記保護部は、前記バンクと同一の材料で形成されることを特徴とする請求項6から13のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項15】
前記保護部は、前記バンクと同一の工程にて形成されることを特徴とする請求項6から14のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項16】
前記保護部の前記基板からの高さは、前記外周保護部の前記基板からの高さよりも低いことを特徴とする請求項6から15のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項17】
前記基板は、前記表示領域の外周領域に配線を有し、
前記外周保護部は、前記配線を被覆する、
ことを特徴とする請求項5から16のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項18】
前記基板は、前記表示領域の外周領域に発光素子試験用の端子を有し、
前記外周保護部は、前記端子を被覆する、
ことを特徴とする請求項5から17のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項19】
前記表示領域は、平面視で略矩形状であり、
前記バンクは、
前記表示領域の所定の辺を除く3辺のうち互いに対向する2辺と対向する第1および第2の対向部と、
前記表示領域の前記所定の辺の反対側の辺と対向する第3の対向部と、
前記第1の対向部と前記第3の対向部とを連結する第1の連結部と、
前記第2の対向部と前記第3の対向部とを連結する第2の連結部と、
を有する、
ことを特徴とする請求項5から18のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項20】
前記バンクは、前記表示領域の前記所定の辺の外周領域を囲むように、それぞれ前記第1および第2の対向部から直線状に延長された2つの延長部をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項21】
前記バンクは、前記表示領域の前記所定の辺の外周領域を囲むように、それぞれ前記第1および第2の対向部から外側に曲げられるように延長された2つの延長部をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項22】
前記バンクは、前記表示領域の前記所定の辺の外周領域を囲むように、それぞれ前記第1および第2の対向部から内側に曲げられるように延長された2つの延長部をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項23】
前記バンクは、前記表示領域の外周縁の全体を囲む構造を有することを特徴とする請求項19に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項24】
前記バンクは、前記所定の辺と対向しないことを特徴とする請求項19から22のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項25】
前記基板は、前記表示領域の前記所定の辺を除く3辺の外側に配線を有し、
前記外周保護部は、前記配線を被覆する、
ことを特徴とする請求項19から24のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項26】
前記基板は、前記表示領域の前記所定の辺を除く3辺の外側に発光素子試験用の端子を有し、
前記外周保護部は、前記端子を被覆する、
ことを特徴とする請求項19から25のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項27】
前記封止する工程の前に、前記端子を用いて前記複数の発光素子の試験を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項18または26に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項28】
前記封止する工程の前に、前記基板上に、前記表示領域と前記バンクとの間であって両者から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲む第2のバンクを設ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項5から27のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項29】
前記封止する工程の前に、前記基板上に、前記表示領域と前記バンクとの間であって両者から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の前記所定の辺を除く3辺を囲む第2のバンクを設ける工程をさらに含み、
前記第2のバンクは、
前記表示領域の前記所定の辺を除く3辺のうち互いに対向する2辺と対向する第4および第5の対向部と、
前記表示領域の前記所定の辺の反対側の辺と対向する第6の対向部と、
前記第4の対向部と前記第6の対向部とを連結する第3の連結部と、
前記第5の対向部と前記第6の対向部とを連結する第4の連結部と、
を有する、
ことを特徴とする請求項19から26のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項30】
前記第2のバンクは、前記表示領域の前記所定の辺の外周領域を囲むように、それぞれ前記第4および第5の対向部から直線状に延長された2つの延長部をさらに有することを特徴とする請求項29に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項31】
前記第2のバンクは、前記表示領域の前記所定の辺の外周領域を囲むように、それぞれ前記第4および第5の対向部から外側に曲げられるように延長された2つの延長部をさらに有することを特徴とする請求項29に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項32】
前記第2のバンクは、前記表示領域の前記所定の辺の外周領域を囲むように、それぞれ前記第4および第5の対向部から内側に曲げられるように延長された2つの延長部をさらに有することを特徴とする請求項29に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項33】
前記第2のバンクは、前記表示領域の外周縁の全体を囲む構造を有することを特徴とする請求項29に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項34】
前記第2のバンクは、2重以上に設けられることを特徴とする請求項28から33のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項35】
前記表示領域は、平面視で略矩形状であり、
前記バンクおよび前記第2のバンクの少なくとも1つは、少なくとも、前記表示領域の互いに隣接する2辺と対向する2つの対向部と、当該2つの対向部を連結する連結部とを有し、
前記連結部は、前記2つの対向部を滑らかに連結するように形成される、
ことを特徴とする請求項28から34のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項36】
前記表示領域は、平面視で略矩形状であり、
前記バンクは、少なくとも、前記表示領域の互いに隣接する2辺と対向する2つの対向部と、当該2つの対向部を連結する連結部とを有し、
前記連結部は、前記2つの対向部を滑らかに連結するように形成される、
ことを特徴とする請求項5から27のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項37】
前記基板上に、前記各発光素子を選択的に駆動する駆動回路と、当該駆動回路と外部の制御回路とを接続するケーブルとを設ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項5から36のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項38】
前記基板上に、前記各発光素子と外部に設けられた前記各発光素子を選択的に駆動する駆動回路とを接続するケーブルを設ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項5から36のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項39】
前記外周保護部の前記バンクと反対側は、前記表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする請求項6から38のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項40】
前記各発光素子は、発光ダイオード素子であることを特徴とする請求項5から39のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法。
【請求項41】
請求項5から40のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法と、
前記製造された表示モジュールからの出射光を所定箇所へ投影して画像を表示させる光学系を設ける工程と、
を含むことを特徴とする投射型の表示装置の製造方法。
【請求項42】
前記所定箇所は、スクリーンまたはハーフミラーであることを特徴とする請求項41に記載の表示装置の製造方法。
【請求項43】
前記所定箇所は、ホログラム光学素子であることを特徴とする請求項41に記載の表示装置の製造方法。
【請求項44】
請求項5から40のいずれか1項に記載の表示モジュールの製造方法と、
前記製造された表示モジュールを有する直視型の表示装置を製造する工程と、
を含むことを特徴とする直視型の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示モジュール、表示装置、表示モジュールの製造方法、および表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自己発光素子として、発光ダイオード(以下「LED」という。)、有機エレクトロルミネセンス素子(以下「有機EL素子」という。)、無機EL素子等があり、非自発光型素子として、液晶等がある。
【0003】
複数の自己発光素子が2次元マトリクス状に配置された自己発光素子アレイによる表示装置は、ライトバルブ式(例えば、液晶等)と比較して光損失が少ないために効率が高い。直視型の表示装置においては、バックライトを使用しないために軽量化や薄型化が可能である。また、ヘッドアップディスプレイ(以下「HUD」という。)、プロジェクタ、リアプロジェクション等の投射型表示装置において、液晶等の非自発光型素子を映像素子に使用する場合は、光源が必要であるが、自己発光型の場合では映像素子自体が光源となるので、光源及び光学系を必要としない。従って、装置の小型化が可能となる。
【0004】
自己発光素子アレイによる表示装置としては、例えば、特許文献1に示されるように、基板上に複数の半導体薄膜発光素子がマトリクス状に集積化された表示装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−199176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、基板上に複数の発光素子が配置された構成では、複数の発光素子が配置された表示領域の外周領域を封止したい場合がある。外周領域を封止する手法としては、ポッティングが考えられる。外周領域にポッティングを行う場合、ポッティング材料が表示領域に進入すると、表示輝度低下などの悪影響が生じる。
【0007】
本発明は、表示領域へのポッティング材料の進入を防止しつつ、表示領域の外周領域をポッティングにより封止することが可能な表示モジュール、表示装置、表示モジュールの製造方法、および表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示モジュールは、
基板と、
前記基板上に設けられた複数の発光素子と、
前記基板上に、前記複数の発光素子が配置された表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むように設けられたバンクと、
前記バンク上および前記バンクの外周領域に設けられ、樹脂材料により形成された外周保護部と、
を有し、
前記外周保護部の前記バンクと反対側は、当該表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、上記の表示モジュールと、前記表示モジュールからの出射光を所定箇所へ投影して画像を表示させる光学系と、を備える投射型の表示装置であ
【0010】
また、本発明に係る表示装置は、上記の表示モジュールを備える直視型の表示装置であ
【0011】
また、本発明に係る表示モジュールの製造方法は、
複数の発光素子が配置された表示領域を有する基板を用意する工程と、
前記基板上に、前記表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、前記表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むバンクを設ける工程と、
前記バンク上および前記バンクの外周領域ポッティングにより外周保護部を形成して前記バンク上および前記バンクの外周領域を封止し、表示モジュールを得る工程と、
を含み、
前記外周保護部の前記バンクと反対側は、前記表示モジュールの外部に露出していることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る表示装置の製造方法は、上記の表示モジュール製造方法と、前記製造された表示モジュールからの出射光を所定箇所へ投影して画像を表示させる光学系を設ける工程と、を含む投射型の表示装置の製造方法であ
【0013】
また、本発明に係る表示装置の製造方法は、上記の表示モジュール製造方法と、前記製造された表示モジュールを有する直視型の表示装置を製造する工程と、を含む直視型の表示装置の製造方法であ
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示領域へのポッティング材料の進入を防止しつつ、表示領域の外周領域をポッティングにより封止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態1における表示モジュール(DM)の全体を示す外観の斜視図である。
図2図1における破線X−X’の断面図である。
図3図1における破線Y−Y’の断面図である。
図4図1のDMから外周保護部を省略したDMの斜視図である。
図5図1のDMから外周保護部、バンク、LMD保護部、およびダミーLMD保護部を省略したDMであるNDMの斜視図である。
図6図5のアノード接続配線領域の部分拡大平面図である。
図7図5のカソード接続配線領域の部分拡大平面図である。
図8図5のNDMの等価的な回路を示す図である。
図9図5におけるLMD内の破線四角形領域A1に含まれる4×4画素マトリクスを示す部分的な平面図である。
図10図9中の破線四角形領域A2における破線I1−I2の断面図である。
図11】実施の形態1におけるDMの製造方法を示す工程図である。
図12図11の各工程を説明するための図である。
図13図11の各工程を説明するための図である。
図14図11の各工程を説明するための図である。
図15図11の各工程を説明するための図である。
図16図11の各工程を説明するための図である。
図17】実施の形態2におけるDMの全体を示す外観の斜視図である。
図18図17における破線X−X’の断面図である。
図19】実施の形態3におけるDMの全体を示す外観の斜視図である。
図20】実施の形態4におけるDMの全体を示す外観の斜視図である。
図21】実施の形態5における表示装置の構成を示す概略構成図である。
図22】実施の形態6における表示装置の構成を示す概略構成図である。
図23】実施の形態7における表示装置の構成を示す概略構成図である。
図24】実施の形態8における表示装置の構成を示す概略構成図である。
図25】変形例4におけるDMの全体を示す外観の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
[表示モジュールの構成]
図1は、実施の形態1における表示モジュール(ディスプレイモジュール、以下「DM」という。)100の全体を示す外観の斜視図である。図2は、図1における破線X−X’の断面図である。図3は、図1における破線Y−Y’の断面図である。図1図3において、DM100は、パネル状のモジュールであり、表示パネルである。
【0017】
図1図3に示されるように、DM100は、基板1を有する。基板1は、例えば、Si、GaAs、GaP、InP、GaN、ZnO等の半導体基板、AlN、Al等のセラミック基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、Cu、Al等の金属基板、プラスチック基板等で構成されている。
【0018】
基板1の表面上には、複数の発光素子2が配置されている。ここでは、発光素子2は薄膜半導体発光素子である。また、発光素子2はLED素子であり、複数の発光素子2はLEDマイクロディスプレイ(以下「LMD」という。)3を構成する。
【0019】
基板1における複数の発光素子2が配置された表示領域4(またはLMD3)上には、複数の発光素子2を保護する保護部としてのLMD保護部5aが設けられており、このLMD保護部5aの外周には、ダミーLMD保護部5bが設けられている。ダミーLMD保護部5bは、例えば、LMD3の端部が異常に光る現象を防止する役割を果たす。LMD保護部5aおよびダミーLMD保護部5bは、互いに同一の材料で形成されており、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、アミドイミド樹脂などの透過率の高い材料で形成されることが望ましい。また、LMD保護部5aおよびダミーLMD保護部5bは、平坦であることが望ましい。
【0020】
基板1の表面上において、表示領域4(またはダミーLMD保護部5b)の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置には、表示領域4(またはダミー保護部5b)の外周縁の少なくとも一部を囲むバンク6が設けられており、ダミーLMD保護部5bとバンク6との間には、トレンチ7が形成されている。すなわち、ダミーLMD保護部5bの外周には、境界溝となるトレンチ7が形成され、このトレンチ7を境界としてさらに外周には、バンク6が形成されている。バンク6は、例えば、LMD保護部5aやダミーLMD保護部5bと同一の材料で形成される。バンク6の高さは、例えば100μm程度である。
【0021】
基板1上には、各発光素子2を選択的に駆動する駆動回路であるディスプレイドライバ集積回路(以下「ドライバICチップ」という。)10と、このドライバICチップ10と外部の制御回路とを接続するケーブルであるフラット型ケーブル(例えばフラット型フレキシブルケーブル)11とが固定されている。ドライバICチップ10は異方性導電膜12を介して基板1上に固定され、フラット型ケーブル11は異方性導電膜13を介して基板1上に固定されている。具体的には、ドライバICチップ10は、表面側にバンプ形成された端子を持ち、フェイスダウンで異方性導電膜12を介して基板1に圧着することで、基板1上に形成された配線パターンと電気的に接続されている。フラット型ケーブル11は、異方性導電膜13を介して基板1に圧着することで、基板1上に形成された配線パターンと電気的に接続されている。LMD3とドライバICチップ10とは、基板1上に形成された配線パターン(後述するアノード接続配線31およびカソード接続配線34)により相互に接続されている。また、ドライバICチップ10とフラット型ケーブル11とは、基板1上に形成された配線パターン(後述する入力信号接続配線)により相互に接続されている。さらに、表示領域4の外周領域には、発光素子試験用の端子であるアノードパッド14およびカソードパッド15が設けられている。なお、図1図3では、基板1上に形成されている各種の配線パターンは図示されていない。
【0022】
基板1の表面上において、表示領域4の外周領域には、基板1の表面を覆うように外周保護部16が形成されている。具体的には、外周保護部16は、バンク6上およびバンク6の外周領域、すなわちトレンチ7の外周領域に形成されている。より具体的には、外周保護部16は、バンク6の頂部(または上面部)におけるトレンチ7との境界のエッジ部分と、基板1の最外周におけるエッジ部分との間で形成されている。表示領域4の外周領域に設けられた、アノードパッド14、カソードパッド15、各種の配線パターン、異方性導電膜12,13、およびフラット型ケーブル11は、外周保護部16により被覆されている。また、ドライバICチップ10の側面部は、外周保護部16により覆われている。外周保護部16は、樹脂材料により形成され、望ましくはシリコーン樹脂により形成される。
【0023】
フラット型ケーブル11の裏面(LMD3の上方から見て裏側の面)と基板1の側面との間には、基板1からはみ出した異方性導電膜13およびフラット型ケーブル11の配線パターンを覆うように、樹脂材料によるケーブル保護部17が形成されている。
【0024】
基板1が導電性材料の場合、基板1表面と、配線パターン(例えばアノード接続配線31やカソード接続配線34)、各種のパッド(電極)、および複数の発光素子2との間には、絶縁層が形成される。
【0025】
なお、本例では基板1上に1個のドライバICチップ10が設けられているが、回路構成によっては複数個のドライバICチップが設けられてもよい。
【0026】
図4は、図1のDM100から外周保護部16を省略したDM120の斜視図である。以下、図4を参照して、バンク6の構成および発光素子試験用のアノードパッド14およびカソードパッド15の配置について説明する。なお、図4では、配線パターンは図示されていない。
【0027】
図4に示されるように、表示領域4は、平面視で略矩形状であり、ドライバICチップ10を下にして表示領域4を正面から見た場合に、右辺S1、左辺S2、下辺S3、および上辺S4を有する。
【0028】
基板1の表面上において、表示領域4の下辺S3の外側には、複数のアノードパッド14を含むパッド形成領域21が配置されている。また、表示領域4の右辺S1および左辺S2の外側には、それぞれ、複数のカソードパッド15を含むパッド形成領域22aおよび22bが配置されている。
【0029】
バンク6は、表示領域4(またはダミーLMD保護部5b)の4辺のうち所定の辺を除く3辺を囲むように設けられている。具体的には、バンク6は、表示領域4の4辺S1〜S4のうち外側にパッド形成領域のない上辺S4を除く3辺S1〜S3を囲むように、表示領域4(またはダミーLMD保護部5b)とパッド形成領域21,22a,22bとの間に設けられている。より具体的には、バンク6は、表示領域4の上辺S4を除く3辺S1〜S3のうち互いに対向する2辺S1,S2と対向する対向部6a,6bと、表示領域4の上辺S4の反対側の下辺S3と対向する対向部6cと、対向部6aと対向部6cとを連結する連結部6dと、対向部6bと対向部6cとを連結する連結部6eとを有する。図4の例では、対向部6a,6b,6cは直線状であり、連結部6d,6eはそれぞれ2つの対向部を滑らかに連結するように構成されている。具体的には、連結部6d,6eは、平面視で外側に凸となるように円弧状に形成されている。すなわち、バンク6は、平面視で隅部が丸くなるように形成されている。
【0030】
図5は、図1のDM100から外周保護部16、バンク6、LMD保護部5a、およびダミーLMD保護部5bを省略したDMであるNDM140の斜視図である。
【0031】
図5において、NDM140は、基板1を有し、基板1の表面上には、複数の発光素子2により形成されたLMD3、アノード接続配線領域23、カソード接続配線領域24a,24b、および入力信号接続配線領域25を有する。
【0032】
アノード接続配線領域23は、表示領域4(またはLMD3)の下辺S3の外側に配置されている。カソード接続配線領域24aおよび24bは、それぞれ表示領域4(またはLMD3)の右辺S1および左辺S2の外側に配置されている。入力信号接続配線領域25は、複数の入力信号接続配線が形成されている領域であり、ドライバICチップ10とフラット型ケーブル11との間に配置されている。図4のパッド形成領域21は、アノード接続配線領域23内に配置される。また、図4のパッド形成領域22aおよび22bは、それぞれカソード接続配線領域24aおよび24bの外側に配置される。
【0033】
LMD3は、アノード接続配線領域23およびカソード接続配線領域24a,24bを介してドライバICチップ10と電気的に接続されている。ドライバICチップ10は、入力信号接続配線領域25を介して、フラット型ケーブル11と電気的に接続されている。フラット型ケーブル11は、図示しない外部の制御回路と電気的に接続される。
【0034】
図6は、図5のアノード接続配線領域23の部分拡大平面図である。図6において、アノード接続配線領域23には、複数のアノード接続配線31が形成されている。複数のアノード接続配線31上には、層間絶縁膜32が形成されており、この層間絶縁膜32上にLMD3内の複数のアノード配線33が形成されている。各アノード接続配線31の一端は、層間絶縁膜32に設けられたコンタクト用の開口部32aを介して、対応するアノード配線33と接続されている。各アノード接続配線31の他端は、ドライバICチップ10のバンプに接続されるパッドと接続されている。また、各アノード接続配線31の途中には、発光素子試験用のアノードパッド14が形成されており、パッド形成領域21には、複数のアノードパッド14が形成されている。
【0035】
図7は、図5のカソード接続配線領域24aの部分拡大平面図である。図7において、カソード接続配線領域24aには、複数のカソード接続配線34が形成されている。各カソード接続配線34の一端は、LMD3内の対応するカソード配線36と接続されている。各カソード接続配線34の他端は、ドライバICチップ10のバンプに接続されるパッドと接続されている。また、複数のカソード接続配線34上には、層間絶縁膜32が形成されており、この層間絶縁膜32上には、複数のパッド接続配線37が形成されている。各パッド接続配線37の一端は、層間絶縁膜32に設けられたコンタクト用の開口部32bを介して、対応するカソード接続配線34と接続されている。各パッド接続配線37の他端は、層間絶縁膜32上に設けられた対応する発光素子試験用のカソードパッド15と接続されている。パッド形成領域22aには、複数のカソードパッド15が形成されている。
【0036】
同様に、図5のカソード接続配線領域24bには、複数のカソード接続配線34が形成されており、パッド形成領域22bには、複数のカソードパッド15が形成されている。
【0037】
なお、以下の説明では、区別する必要がある場合には、カソード接続配線領域24a内のカソード接続配線34をカソード接続配線34aと称し、カソード接続配線領域24b内のカソード接続配線34をカソード接続配線34bと称する。
【0038】
図8は、図5のNDM140の等価的な回路を示す図である。図8において、NDM140は、LMD3、表示制御部40、アノードドライバ41、およびカソードドライバ42a,42bを有する。表示制御部40、アノードドライバ41、およびカソードドライバ42a,42bは、ドライバICチップ10に一体化されていることが望ましい。
【0039】
LMD3は、m行k列のパッシブ型単純マトリクスにより構成されており、列方向(縦方向)に延び、列方向と交差する行方向(横方向)に並列に配置された複数本(k本)のアノード配線33と、行方向に延び、列方向に並列に配置された複数本(m本)のカソード配線36と、複数個(m×k個)の発光素子2(1,1)〜2(m,k)とを有する。複数個の発光素子2(1,1)〜2(m,k)は、アノード配線33とカソード配線36との交差箇所に設けられ、それぞれ対応するアノード配線33およびカソード配線36と電気的に接続されている。なお、発光素子2に付された添え字(i,j)は、当該発光素子2の行方向および列方向の位置を表し、発光素子2(i,j)は、第i行目かつ第j列目の発光素子である。
【0040】
k本のアノード配線33は、k本のアノード接続配線31を介して、アノードドライバ41に接続されている。図5におけるアノード接続配線領域23には、このk本のアノード接続配線31が形成されている。
【0041】
m本のカソード配線36は、それぞれ隣接したカソード配線36と異なるようにカソード接続配線34aまたは34bに接続されている。具体的には、奇数番目のカソード配線36は、m/2本のカソード接続配線34aを介して、カソードドライバ42aと接続されている。また、偶数番目のカソード配線36は、m/2本のカソード接続配線34bを介して、カソードドライバ42bと接続されている。図5におけるカソード接続配線領域24aには、奇数番目のカソード配線36から延長されたm/2本のカソード接続配線34aが形成されており、図5におけるカソード接続配線領域24bには、偶数番目のカソード配線36から延長されたm/2本のカソード接続配線34bが形成されている。
【0042】
k本のアノード配線33は、図4のパッド形成領域21内のk個のアノードパッド14に接続される。奇数番目のm/2本のカソード配線36は、m/2本のパッド接続配線37を介して、図4のパッド形成領域22a内のm/2個のカソードパッド15に接続される。偶数番目のm/2本のカソード配線36は、m/2本のパッド接続配線37を介して、図4のパッド形成領域22b内のm/2個のカソードパッド15に接続される。
【0043】
アノードドライバ41およびカソードドライバ42a,42bは表示制御部40と接続され、表示制御部40は、図5における入力信号接続配線領域25内の複数の入力信号接続配線およびフラット型ケーブル11を介して、図示しない外部の制御回路と接続される。
【0044】
表示制御部40は、図示しない外部の制御回路等から与えられる表示データに基づき、LMD3の各発光素子2を駆動するためのアノード駆動信号およびカソード駆動信号を出力する。表示制御部40は、例えば、所定の演算機能を有するプロセッサや複合論理回路と、当該プロセッサ等が外部の制御回路等とのデータの授受を行うためのバッファと、外部の制御回路等からのデータを記憶するための記憶回路と、制御回路へのタイミング信号や、表示タイミング信号、記憶回路等への読み出し/書き込みのタイミング信号等を与えるタイミング信号発生回路(発振回路)と、記憶回路から読み出された表示データあるいはこれを加工することにより得られた表示データを駆動信号として出力する駆動信号出力回路と、外部から与えられる表示機能に関する情報や制御コマンド等を格納する各種レジスタと、を有する。
【0045】
アノードドライバ41は、表示制御部40から供給されるアノード駆動信号(例えば、発光する又は発光しないを意味する発光データ)に応じて、LMD3の各アノード配線33に接続されている発光素子2の列に所定の電流を供給する機能を有している。アノードドライバ41は、例えば、シフトレジスタ、ラッチ回路、および定電流回路を有する。シフトレジスタは、表示制御部40から供給されるシリアルなアノード駆動信号を受け、当該信号を直並列変換してパラレルな発光データを出力する。ラッチ回路は、シフトレジスタの出力側に接続されており、シフトレジスタから出力されたパラレルな発光データを保持する回路である。定電流回路は、ラッチ回路の出力側に接続されており、ラッチ回路に保持されているパラレルな発光データに応じた電流を、アノード配線33を介して各発光素子2に供給する。
【0046】
カソードドライバ42a,42bは、例えば、セレクト回路等で構成されており、表示制御部40から供給されるカソード駆動信号に基づき、各カソード配線36に接続されている発光素子2の行を走査する機能を有する。
【0047】
図9は、図5におけるLMD3内の破線四角形領域A1に含まれる4×4画素マトリクスを示す部分的な平面図である。
図9に示されるように、LMD3は、列方向(縦方向)に延び、行方向(横方向)に並列に配置された複数本の帯状のアノード配線33と、行方向に延び、列方向に並列に配置された複数本の帯状のカソード配線36と、これらの交差箇所に2次元マトリクス状に配置された複数個の発光素子2とを有する。アノード配線33とカソード配線36との間には、層間絶縁膜32(図9では不図示)が設けられている。
【0048】
図10は、図9中の破線四角形領域A2における破線I1−I2の断面図である。
図10に示されるように、基板1上には、絶縁層である平滑化層51を介して、発光素子2が接合されている。発光素子2は、例えば、平滑化層51上に接合されたN型半導体層52と、発光部53とを有する。発光部53は、N型半導体層52上に設けられる活性層54や、当該活性層54上に設けられるP型半導体層55等を有する。
【0049】
また、平滑化層51上には、帯状のカソード配線36が形成されており、当該カソード配線36は、N型半導体層52のNコンタクト部52aまで延長され、Nコンタクト部52aでN型半導体層52とオーミック接触している。
【0050】
発光部53の周辺は、絶縁膜56により覆われている。絶縁膜56上には、層間絶縁膜32を介して帯状のアノード配線33が形成されており、当該アノード配線33は、P型半導体層55のPコンタクト部55aまで延長され、Pコンタクト部55aでP型半導体層55とオーミック接触している。
【0051】
上述のように、基板1と発光素子2との界面には、絶縁層である平滑化層51が形成されている。これにより、各画素の発光素子2を互いに電気的に分離することができ、マトリクス構造を形成することが可能となる。
なお、基板1と平滑化層51との間には、さらに絶縁層が設けられてもよい。
【0052】
上記DM100の基板1の裏側(LMD3が設けられる面と反対側の面)には、図示しないヒートシンクや金属筐体が取り付けられてもよい。この場合、基板1の裏側とヒートシンクや金属筐体との間には、図示しない絶縁性の放熱ペーストや放熱シートが設けられ、LMD3やドライバICチップ10からの熱が効率よく放熱するように構成されてもよい。
【0053】
[表示モジュールの製造方法]
図11は、実施の形態1におけるDM100の製造方法を示す工程図である。以下、図11を参照して、DM100の製造方法の工程例を説明する。
【0054】
図11において、DM100の製造方法は、用意工程S1、バンク形成工程S2、発光試験工程S3、ダイシング工程S4、異方性導電膜工程S5、ポッティング工程S6、およびケーブル保護工程S7を含む。
【0055】
用意工程S1は、複数の発光素子2が配置された表示領域4を有する基板を用意する工程である。本例では、用意工程S1は、基板上に複数個のLMD3を形成する工程を含む。
【0056】
バンク形成工程S2は、基板上にバンク6を形成する工程であり、本例では、表示領域4上にLMD保護部5aおよびダミーLMD保護部5bを形成する工程を含む。
【0057】
発光試験工程S3は、LMD3に含まれる各発光素子2の発光試験を行う工程である。
ダイシング工程S4は、複数個のLMD3が形成された基板をLMD3ごとに切断し、それぞれ1個のLMD3を有する複数個の基板を得る工程である。
【0058】
異方性導電膜工程S5は、異方性導電膜を用いて、基板上にドライバICチップ10とフラット型ケーブル11とを設ける工程である。
【0059】
ポッティング工程S6は、バンク6上およびバンク6の外周領域をポッティングにより封止する工程である。
【0060】
ケーブル保護工程S7は、フラット型ケーブル11を保護するケーブル保護部17を形成する工程である。
【0061】
図12図16は、図11の各工程を説明するための図である。図12図15には、図1における破線X−X’の断面に対応する断面図が示されている。図16には、図1における破線Y−Y’の断面に対応する断面図が示されている。以下、図12図16を参照して、図11の各工程について詳しく説明する。
【0062】
<用意工程S1>
用意工程S1では、図12に示されるように、デバイス形成が行われる基板である形成基板61を用意する。形成基板61としては、例えば、Si、GaAs、GaP、InP、GaN、ZnO等の半導体基板、AlN、Al等のセラミック基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、Cu、Al等の金属基板、プラスチック基板等を使用できる。
【0063】
次に、形成基板61の表面全体に図示しない絶縁層を形成し、この絶縁層の表面のうちLMD3が形成される領域に平滑化層51を形成する(図10参照)。
【0064】
そして、平滑化層51上に、複数の発光素子2をマトリクス状に配置する。発光素子2は、例えば、分子間力により平滑化層51に接合される(図9,10,12参照)。
【0065】
次に、各発光素子2の発光部53の周辺を覆うように絶縁膜56を形成する(図9,10参照)。この絶縁膜56には、発光部53の表面の周縁部以外の大部分を露出させる開口部と、N型半導体層52の表面の一部であるNコンタクト部52aを露出させる開口部とが形成される。
【0066】
次に、平滑化層51上にカソード配線36を形成する(図9,10参照)。このカソード配線36は、Nコンタクト部52aでN型半導体層52とオーミック接触するように形成される。また、カソード配線36の形成と同時に、LMD3が形成される領域外の領域(非LMD領域)において、絶縁層上に各種の配線およびパッドを形成する。具体的には、図5のアノード接続配線領域23内の複数のアノード接続配線31、図5のカソード接続配線領域24a,24b内の複数のカソード接続配線34、図5の入力信号接続配線領域25内の複数の入力信号接続配線を形成する。また、図5のパッド形成領域21内の複数のアノードパッド14、ドライバICチップ10表面に形成されたバンプとの電気的接続のためのパッド、およびフラット型ケーブル11との電気的接続のためのパッドを形成する。
【0067】
次に、形成基板61上に層間絶縁膜32を形成する(図10参照)。この層間絶縁膜32には、各発光素子2の発光部53の表面の大部分を露出させる開口部、アノード接続配線31のLMD3側端部を露出させる開口部32a(図6参照)、カソード接続配線34のLMD3側端部を露出させる開口部32b(図7参照)、複数のアノードパッド14を露出させる開口部、ドライバICチップ10に接続されるパッドを露出させる開口部、およびフラット型ケーブル11に接続されるパッドを露出させる開口部が形成される。
【0068】
そして、層間絶縁膜32上に複数のアノード配線33を形成する(図9,10参照)。各アノード配線33は、対応する発光素子2のP型半導体層55とPコンタクト部55aでオーミック接触し、対応するアノード接続配線31と開口部32aを介して接続されるように形成される(図6,9,10参照)。また、アノード配線33の形成と同時に、層間絶縁膜32上に、パッド形成領域22a,22bの複数のカソードパッド15と、複数のパッド接続配線37とを形成する(図5,7参照)。各パッド接続配線37は、その一端が対応するカソードパッド15に接続され、他端が開口部32bを介して対応するカソード配線36に接続されるように形成される。
【0069】
次に、形成基板61の表面全体に図示しない絶縁膜を形成する。この絶縁膜には、各種のパッド(発光素子試験用のアノードパッド14およびカソードパッド15、ドライバICチップ10に接続されるパッド、およびフラット型ケーブル11に接続されるパッドを露出させる開口部が形成される。
【0070】
上記の工程において、各種の配線およびパッド(発光素子2の電極、アノード配線33、カソード配線36、アノード接続配線31、カソード接続配線34、入力信号接続配線、アノードパッド14、カソードパッド15、ドライバICチップ10との接続のためのパッド、フラット型ケーブル11との接続のためのパッドなど)の形成方法としては、例えば、配線パターンとなる導電性の膜を蒸着やスパッタリングにより成膜後、フォトリソグラフィー技術でレジストをパターニングし、エッチングにより配線形成する方法や、フォトリソグラフィー技術でレジストをパターニングし、配線パターンとなる導電性の膜を蒸着やスパッタリングにより成膜後、レジストを除去することにより配線をパターニングする方法がある。配線材料としては、例えば、Au、Ti/Pt/Au、Ti/Au、AuGeNi/Au、AuGe/Ni/Au等のAu系メタル配線や、Al、Ni/Al、Ni/AlNd、Ni/AlSiCu、Ti/Al等のAl系メタル配線を使用できる。さらに、ITO、ZnO等の酸化物系の透明電極を用いることもできる。
【0071】
また、絶縁層56や層間絶縁膜32など、各種の絶縁膜としては、SiO、SiN,SiONなどの無機系絶縁膜や、ポリイミド、アクリル、アミドイミドなどの有機系絶縁膜を形成できる。無機系絶縁膜の形成には、例えば、CVD法やスパッタリング法で絶縁膜を成膜後に、フォトリソグラフィー技術でレジストをパターニングし、エッチングによりパターン形成する方法が用いられる。有機系絶縁膜の形成には、例えば、スピンコート法や、スプレーコート法、ドライフィルムレジスト(DFR)のラミネータ(貼合装置)による転写などにより、絶縁膜材料を形成し、フォトリソグラフィー技術で絶縁膜材料をパターン形成し、所定の温度でベークする方法が用いられる。
【0072】
発光素子2は、図示しない成長基板上において、結晶成長および半導体プロセスによるパターニングが施されることにより形成される。形成された発光素子2を成長基板から剥離し、形成基板61へ転写することで、形成基板61上で発光素子2のマトリクス構造が形成される。発光素子2としては、例えばAlN、GaN、InN、InP、GaP、AlP、AlAs、GaAs、InAs等のIII−V属化合物半導体材料やその混晶半導体材料でエピタキシャル成長されたLEDや、ZnO、ZnSe、CdSのII−VI属化合物半導体材料でエピタキシャル成長されたLEDや、有機系材料で形成されたLEDなどがある。成長基板としては、Si、SiC、AlN、GaN、InN、InP、GaP、AlP、AlAs、GaAs、InAs、ZnO、Al(サファイア)などがある。
【0073】
<バンク形成工程S2>
バンク形成工程S2では、用意工程S1でLMD3が形成された形成基板61上に、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、およびバンク6の材料となるドライフィルムレジスト(DFR)をラミネータ(貼合装置)により転写する。
【0074】
そして、転写されたDFRに、フォトリソグラフィーを施しパターニングを行う。パターニング後、図13に示されるように、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、およびバンク6が形成されると同時に、トレンチ7が形成される。また、バンク6より外周の非LMD領域(非表示領域)のDFRは除去される。このように、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、およびトレンチ7は、同一の工程にて形成される。
【0075】
DFRの材料としては、エポキシ系、シリコーン系、アクリル系、アミドイミド系、フッ素系などのフィルム状の感光性樹脂材料がある。DFRは、フィルム状のレジストであり、例えば、ベースフィルム上に塗布したフォトレジスト層を乾燥後、保護フィルムをフォトレジスト層にラミネートして形成されている。このDFRは、フィルム状に加工した感光性樹脂を、厚さ20〜25μmのベースフィルムと保護フィルムの間に挟み込んだ3層構造になっている。ベースフィルムには、紫外線(UV)透過性に優れ、高透明で平坦な二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが適している。また、保護フィルムには、フォトレジスト層に対して、適度の離型性を有し、低フィッシュアイで平面性の良好なLDPEフィルムを使用することが好ましい。
【0076】
<発光試験工程S3>
パッド形成領域21に形成された複数の試験用のアノードパッド14と、パッド形成領域22a,22bに形成された複数の試験用のカソードパッド15とを用いて、チップ分割を行う前にウェハレベルで、LMD3の発光試験および電気的な試験を行うことができる。LMD3の発光試験および電気的試験は、例えば、以下のような手順で行うことができる。
【0077】
アノードパッド14およびカソードパッド15上にテスト用のプローブをそれぞれ接触させ、アノード配線33とカソード配線36の間に配置された発光素子2に所定の電流を注入する。電流注入により発光素子2は電流に対応した光を放出する。このとき、発光素子2からの光量および電流に対する電圧を測定し、試験を行うことができる。また、対象となる発光素子2以外の発光素子2が発光していないかどうかも確認できる。
【0078】
また、異なるアノード配線33間に電圧を印加する試験を行うことで、アノード配線33間のリーク試験を行うことができる。同様にして異なるカソード配線36間でもリーク試験を行うことができる。
【0079】
これらの試験により、予め設けられた基準に従って、LMD3または発光素子2の特性による選別やランク分けを行うことができる。
【0080】
<ダイシング工程S4>
図14は、ブレードダイシング時の概略図を示している。ダイシング工程S4では、形成基板61をテープフレーム62上に転写する。その後、ダイシングブレード63により形成基板61を切断し、個片化された基板61a,61b等を得る。個片化後、テープフレーム62から各基板を剥離することで、図15に示されるように、LMD3、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、トレンチ7、および図示しない配線パターンが形成された基板1を得る。
【0081】
<異方性導電膜工程S5>
図16を用いて、異方性導電膜工程S5について説明する。異方性導電膜工程S5では、ドライバICチップ10およびフラット型ケーブル11について、基板1への固定と、基板1表面に形成された配線パターンとの電気的接続とを行う。
【0082】
具体的には、基板1上のドライバICチップ10を圧着する領域に所定の幅の異方性導電膜12を転写する。転写後、ドライバICチップ10のパターン面に形成された金バンプが基板1の表面を向くようにし、ドライバICチップ10側の配線パターンと基板1側の配線パターンとが一致するようにフェイスダウンでアライメントし、所定の温度および圧力で仮圧着を行う。その後、所定の温度および圧力で本圧着を行う。圧着の際には、ドライバICチップ10に対して図中矢印X1方向に力が加えられる。
【0083】
続いて、基板1上のフラット型ケーブル11を圧着する領域に所定の幅の異方性導電膜13を転写する。転写後、フラット型ケーブル11の導電面が基板1表面側を向くようにし、フラット型ケーブル11側の配線パターンと基板1側の配線パターンとが一致するようにアライメントし、所定の温度および圧力で仮圧着を行なう。その後、所定の温度および圧力で本圧着を行なう。圧着の際には、フラット型ケーブル11に対して図中矢印X2方向に力が加えられる。
【0084】
<ポッティング工程S6>
図2,3を用いて、ポッティング工程S6について説明する。ポッティング工程S6では、ポッティング材料である樹脂材料を、トレンチ7よりも外周側の領域に、ディスペンサーを用いてディスペンスする。ディスペンスされた樹脂材料は、表面張力により各境界(例えば、バンク6の頂部とトレンチ7との境界、基板1の表面と基板1の外部との境界)内に留まる。効率よくディスペンスを行うためには、粘度が1〜20cP程度の樹脂材料を用いることが望ましい。樹脂材料としては、エポキシ系、シリコーン系、アクリル系、アミドイミド系、フッ素系などの液状の樹脂材料がある。
【0085】
その後、樹脂材料の乾燥を行い、外周保護部16を形成する。樹脂材料としてUV硬化樹脂を用いた場合は、UV照射により乾燥を行う。また、熱硬化樹脂を用いた場合は、ベーク炉やホットプレートなどで加熱を行うことにより乾燥を行う。また、常温硬化樹脂の場合は、常温で所定時間放置することで乾燥を行う。
【0086】
<ケーブル保護工程S7>
図3を用いて、ケーブル保護工程S7について説明する。フラット型ケーブル11の裏面(図中下側)と基板1の側面との間に、ケーブル保護用の樹脂材料をディスペンサーによりディスペンスする。樹脂材料は、基板1からはみ出した異方性導電膜13およびフラット型ケーブル11の配線パターンを覆う形状となるようにディスペンスされる。樹脂材料としては、エポキシ系、シリコーン系、アクリル系、アミドイミド系、フッ素系などの液状の樹脂材料がある。
【0087】
ディスペンス後、樹脂材料の乾燥を行い、ケーブル保護部17を形成する。樹脂材料としてUV硬化樹脂を用いた場合は、UV照射により乾燥を行う。また、熱硬化樹脂を用いた場合は、ベーク炉やホットプレートなどで加熱を行うことにより乾燥を行う。また、常温硬化樹脂の場合は、常温で所定時間放置することで乾燥を行う。
【0088】
[表示モジュールの動作]
以下、図8を参照して、本実施の形態1におけるDM100の動作について説明する。
表示すべき情報が外部の制御回路等から表示制御部40に入力されると、表示制御部40は、その表示すべき情報に応じてアノードドライバ41にアノード駆動信号を供給する。すると、LMD3の第1行目に含まれる発光素子2の各々についての発光データがアノードドライバ41内のシフトレジスタに順次格納される。シフトレジスタに格納された発光データは、このシフトレジスタによりパラレルな発光データに変換された後、アノードドライバ41内のラッチ回路に格納される。このラッチ回路の出力と出力イネーブル信号により、定電流回路から所望の電流が、アノード配線33を経由して各発光素子2に供給される。
【0089】
この時、表示制御部40から供給されるカソード駆動信号が、カソードドライバ42a,42bに入力されると、カソードドライバ42a,42b内のセレクト回路により、LMD3の第1行目のカソード配線36が選択される。これにより、LMD3の第1行目のアノード配線33から第1行目に含まれる発光素子2に駆動電流が供給され、第1行目に含まれる発光素子2の各々が発光データに応じて発光動作し、光が放射される。このような発光動作がカソード配線36の数(すなわち、発光素子2の行数分)だけ複数回繰り返され、表示すべき情報を含む1画面分の画像の光が放射される。これらの各発光素子2から放射された光は、LMD保護部5aを介して外部へ出射される。
【0090】
[作用]
以下、本実施の形態1におけるDM100の作用について説明する。
LMD3は、LMD保護部5aによって覆われているため、湿度や、ダメージ、汚染から保護される。
【0091】
基板1上に形成された、複数の配線、複数のパッド、異方性導電膜12,13、ドライバICチップ10、およびフラット型ケーブル11の端部は、外周保護部16により、湿度や、汚染、ダメージから保護される。さらに、外周保護部16には、基板1とドライバICチップ10およびフラット型ケーブル11との固定強度を高める作用がある。
【0092】
異方性導電膜13およびフラット型ケーブル11の配線パターンは、フラット型ケーブルの裏面と基板1の側面との間に形成されたケーブル保護部17により、湿度や、汚染、ダメージから保護される。さらに、ケーブル保護部17には、基板1とフラット型ケーブル11との固定強度を高める作用がある。
【0093】
ポッティング工程S6において、表示領域4の外周部をパッケージする際に、バンク構造およびトレンチ構造により、樹脂材料の表示領域4への進入が防止される。
【0094】
[効果]
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(11)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、基板上に、表示領域の外周縁から所定の距離だけ隔てられた位置に、表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲むバンクを設け、バンク上およびバンクの外周領域をポッティングにより封止する。このため、本実施の形態によれば、表示領域へのポッティング材料の進入を防止しつつ、表示領域の外周領域をポッティングにより封止することができる。
【0095】
これにより、例えば、表示モジュールのサイズ(チップサイズ)を増大させることなく、外周領域にのみポッティングを行うことができる。具体的には、ポッティング材料の表示領域への進入を防止するための別の手法として、表示領域の外周領域(額縁領域)を十分に大きくすることが考えられるが、この手法では、表示モジュールのサイズが増大してしまう。これに対し、本実施の形態によれば、表示モジュールのサイズを増大させることなく、外周領域にのみポッティングを行うことができる。
【0096】
(2)バンクによって、表示領域とその外周領域とを互いに異なる樹脂材料を用いてパッケージすることが可能となる。
【0097】
(3)表示領域の外周領域をポッティングにより封止することにより、基板上の表示領域の外周領域に設けられた要素(例えば、配線、パッド、異方性導電膜、駆動回路、ケーブルなど)を、湿度や、汚染、ダメージなどから保護することができる。
【0098】
(4)表示領域は、平面視で略矩形状であり、バンクは、表示領域の互いに隣接する2辺と対向する2つの対向部と、当該2つの対向部を連結する連結部とを有し、連結部は、2つの対向部を滑らかに連結するように構成されている。本態様によれば、ポッティングの際に、ポッティング材料の連結部(バンクの隅部)からの進入をより確実に防止することができる。
【0099】
(5)基板にカバーを取り付けて表示領域の外周領域を保護する場合、カバーの取り付けの際に表示モジュールにダメージが及ぶ場合がある。これに対し、本実施の形態では、表示領域の外周領域をポッティングにより保護するので、上記のようなダメージを与えることがない。
【0100】
(6)表示領域上に保護部を形成するので、表示領域を湿度や、汚染、ダメージなどから保護することができる。
【0101】
(7)表示領域の保護にDFRを用いることにより、面内の厚みの均一性が高い保護部を形成できる。このため、表示される像が歪むなどの現象が発生しにくい。
【0102】
(8)表示領域上に形成される保護部が表示領域の外周領域まで延在するので、表示領域の端部が異常に光る現象を防止することができる。
【0103】
(9)カバーを用いることなく表示領域を(DFRで)保護するので、基板にカバーを取り付けて表示領域を保護する場合と比較して、表示モジュールの厚みを薄くすることができる。
【0104】
(10)カバーを用いることなく表示領域を(DFRで)保護するので、基板にカバーを取り付けて表示領域を保護する場合と比較して、額縁領域のサイズを抑えることができる。
【0105】
(11)基板の裏面側に直接的にヒートシンクや筐体などの放熱体を設けることができるため、発光素子や駆動回路などの基板上の熱源から放熱体までの熱抵抗を低くすることができる。これにより、熱源で発生した熱を効率よく放熱体に伝熱させて放熱させることができる。
【0106】
実施の形態2.
図17は、実施の形態2におけるDM200の全体を示す外観の斜視図である。図18は、図17における破線X−X’の断面図である。このDM200は、実施の形態1におけるDM100に対し、バンクの構成が異なっており、その他の部分については略同様である。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
【0107】
図17および図18に示されるように、実施の形態1と同様に、DM200は、基板1を有し、基板1には、複数の発光素子2により構成されるLMD3、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、ドライバICチップ10、フラット型ケーブル11、各種の配線、各種のパッド(例えばカソードパッド15)、および外周保護部16が設けられている。
【0108】
本実施の形態では、基板1の表面上において、ダミーLMD保護部5bとバンク6との間であって両者から所定の距離だけ隔てられた位置に、ダミーLMD保護部5bの外周縁の少なくとも一部を囲む第2のバンク201が設けられている。ダミーLMD保護部5bと第2のバンク201との間には、第2のトレンチ202が形成されており、第2のバンク201とバンク6との間には、トレンチ7が形成されている。すなわち、ダミーLMD保護部5bの外周には、第2の境界溝となる第2のトレンチ202と第2のバンク201とが形成され、さらに外周に第1の境界溝となるトレンチ7が形成され、このトレンチ7を境界としてさらに外周には、バンク6が形成されている。バンク6上およびバンク6の外周領域、すなわちトレンチ7の外周領域には、外周保護部16が形成されている。
【0109】
表示領域4は、実施の形態1と同様に、平面視で略矩形状であり、右辺S1、左辺S2、下辺S3、および上辺S4を有する。そして、第2のバンク201は、表示領域4(またはダミーLMD保護部5b)の4辺のうち所定の辺(上辺S4)を除く3辺S1〜S3を囲むように設けられている。具体的には、第2のバンク201は、3辺S1〜S3のうち互いに対向する2辺S1,S2と対向する対向部201a,201bと、表示領域4の上辺S4の反対側の下辺S3と対向する対向部201cと、対向部201aと対向部201cとを連結する連結部201dと、対向部201bと対向部201cとを連結する連結部201eとを有する。図17の例では、対向部201a,201b,201cは直線状であり、連結部201d,201eはそれぞれ2つの対向部を滑らかに連結するように構成されている。具体的には、連結部201d,201eは、平面視で外側に凸となるように円弧状に形成されている。すなわち、第2のバンク201は、平面視で隅部が丸くなるように形成されている。
【0110】
本実施の形態におけるDM200の製造方法は、実施の形態1におけるDM100の製造方法と同様の工程を有する。本実施の形態の特徴的な構造である第2のバンク201および第2のトレンチ202は、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、およびトレンチ7と同一の工程で形成することができる。例えば、本実施の形態では、バンク形成工程S2において、LMD3が形成された形成基板61上にDFRを転写し、当該DFRにフォトリソグラフィーを施しパターニングを行うことにより、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、トレンチ7、第2のバンク201、および第2のトレンチ202を形成する。
【0111】
本実施の形態におけるDM200の動作および作用は、実施の形態1におけるDM100と同様であるが、本実施の形態では、さらに以下の作用が追加される。
【0112】
ポッティング工程S6において、バンク6およびトレンチ7を乗り越えて表示領域4側に樹脂材料が進入した場合であっても、第2のバンク201および第2のトレンチ202が樹脂材料の表示領域4への進入を防ぐ。
【0113】
本実施の形態によれば、上記実施の形態1の効果の他に、以下の効果が得られ得る。
本実施の形態では、基板上に、表示領域とバンクとの間であって両者から所定の距離だけ隔てられた位置に、表示領域の外周縁の少なくとも一部を囲む第2のバンクを設ける。これにより、表示領域へのポッティング材料の進入の防止効果を増強することができる。
【0114】
また、第2のバンクをバンクと同一の工程で形成することができ、工程を増やすことなく、表示領域へのポッティング材料の進入の防止効果を増強することができる。
実施の形態3.
【0115】
図19は、実施の形態3におけるDM300の全体を示す外観の斜視図である。このDM300は、実施の形態1におけるDM100に対し、バンクの構成が異なっており、その他の部分については略同様である。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
【0116】
図19に示されるように、実施の形態1と同様に、DM300は、基板1を有し、基板1には、複数の発光素子2により構成されるLMD3、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、ドライバICチップ10、フラット型ケーブル11、各種の配線、各種のパッド、および外周保護部16が設けられている。
【0117】
本実施の形態では、基板1の表面上において、ダミーLMD保護部5bとバンク6との間であって両者から所定の距離だけ隔てられた位置に、ダミーLMD保護部5bの外周縁の少なくとも一部を囲む第2のバンク301が設けられている。ダミーLMD保護部5bと第2のバンク301との間には、第2のトレンチ302が形成されており、第2のバンク301とバンク6との間には、トレンチ7が形成されている。すなわち、ダミーLMD保護部107の外周には、第2の境界溝となる第2のトレンチ302と第2のバンク301とが形成され、さらに外周に第1の境界溝となるトレンチ7が形成され、このトレンチ7を境界としてさらに外周には、バンク6が形成されている。バンク6上およびバンク6の外周領域、すなわちトレンチ7の外周領域には、外周保護部16が形成されている。
【0118】
表示領域4は、実施の形態1と同様に、平面視で略矩形状であり、右辺S1、左辺S2、下辺S3、および上辺S4を有する。そして、第2のバンク301は、表示領域4(またはダミーLMD保護部5b)の4辺のうち所定の辺(上辺S4)を除く3辺S1〜S3を囲むように設けられている。具体的には、第2のバンク301は、3辺S1〜S3のうち互いに対向する2辺S1,S2と対向する対向部301a,301bと、表示領域4の上辺S4の反対側の下辺S3と対向する対向部301cと、対向部301aと対向部301cとを連結する連結部301dと、対向部301bと対向部301cとを連結する連結部301eとを有する。
【0119】
さらに、DM300の上辺領域には、それぞれ対向部301aおよび301bから延長された延長部301fおよび301gが配置されている。具体的には、第2のバンク301は、表示領域4の所定の辺(上辺S4)の外周領域310を囲むように、それぞれ対向部301aおよび301bから内側に曲げられるように延長された2つの延長部301fおよび301gを有する。延長部301fは、上辺S4と対向する対向部301hと、この対向部301hと対向部301aとを連結する連結部301iとを有する。延長部301gは、上辺S4と対向する対向部301jと、この対向部301jと対向部301bとを連結する連結部301kとを有する。
【0120】
図19の例では、対向部301a,301b,301c,301h,301jは直線状であり、連結部301d,301e,301i,301kはそれぞれ2つの対向部を滑らかに連結するように構成されている。具体的には、連結部301d,301e,301i,301kは、平面視で外側に凸となるように円弧状に形成されている。すなわち、第2のバンク301は、平面視で隅部が丸くなるように形成されている。
【0121】
本実施の形態におけるDM300の製造方法は、実施の形態1におけるDM100の製造方法と同様の工程を有する。本実施の形態の特徴的な構造である第2のバンク301および第2のトレンチ302は、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、およびトレンチ7と同一の工程で形成することができる。例えば、本実施の形態では、バンク形成工程S2において、LMD3が形成された形成基板61上にDFRを転写し、当該DFRにフォトリソグラフィーを施しパターニングを行うことにより、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、トレンチ7、第2のバンク301、および第2のトレンチ302を形成する。
【0122】
本実施の形態におけるDM300の動作および作用は、実施の形態1におけるDM100と同様であるが、本実施の形態では、さらに以下の作用が追加される。
【0123】
ポッティング工程S6において、バンク6およびトレンチ7を乗り越えて表示領域4側に樹脂材料が進入した場合であっても、第2のバンク301および第2のトレンチ302が樹脂材料の表示領域4への進入を防ぐ。
【0124】
さらに、ポッティング工程S6において、DM300の上辺側からの表示領域4への樹脂材料の進入が、第2のバンク301の延長部301f,301gにより防止される。
【0125】
本実施の形態によれば、上記実施の形態1の効果の他に、以下の効果が得られ得る。
本実施の形態では、基板上に、表示領域とバンクとの間であって両者から所定の距離だけ隔てられた位置に、表示領域の所定の辺を除く3辺を囲む第2のバンクを設ける。これにより、表示領域へのポッティング材料の進入の防止効果を増強することができる。
【0126】
また、第2のバンクは、表示領域の所定の辺の外側の領域を囲むように延長された2つの延長部を有する。これにより、所定の辺(例えば上辺S4)側からのポッティング材料の進入の防止効果を増強することができる。
【0127】
さらに、第2のバンクをバンクと同一の工程で形成することができ、工程を増やすことなく、表示領域へのポッティング材料の進入の防止効果を増強することができる。
【0128】
実施の形態4.
図20は、実施の形態4におけるDM400の全体を示す外観の斜視図である。このDM400は、実施の形態1におけるDM100に対し、バンクの構成が異なっており、その他の部分については略同様である。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
【0129】
図20に示されるように、実施の形態1と同様に、DM400は、基板1を有し、基板1には、複数の発光素子2により構成されるLMD3、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、トレンチ7、ドライバICチップ10、フラット型ケーブル11、各種の配線、各種のパッド、および外周保護部16が設けられている。
【0130】
実施の形態1と同様に、表示領域4は、平面視で略矩形状であり、右辺S1、左辺S2、下辺S3、および上辺S4を有する。そして、バンク6は、対向部6a,6b,6cと、連結部6d,6eとを有する。
【0131】
本実施の形態では、DM400の上辺領域には、それぞれ対向部6aおよび6bから延長された延長部6fおよび6gが配置されている。具体的には、バンク6は、表示領域4の所定の辺(上辺S4)の外周領域410を囲むように、それぞれ対向部6aおよび6bから直線状に延長された2つの延長部6fおよび6gを有する。
【0132】
本実施の形態におけるDM400の製造方法は、実施の形態1におけるDM100の製造方法と同様の工程を有する。本実施の形態の特徴的な構造である延長部6f、6gは、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、バンク6、およびトレンチ7と同一の工程で形成することができる。例えば、本実施の形態では、バンク形成工程S2において、LMD3が形成された形成基板61上にDFRを転写し、当該DFRにフォトリソグラフィーを施しパターニングを行うことにより、LMD保護部5a、ダミーLMD保護部5b、延長部6f、6gを有するバンク6、およびトレンチ7を形成する。
【0133】
本実施の形態におけるDM400の動作および作用は、実施の形態1におけるDM100と同様であるが、本実施の形態では、さらに以下の作用が追加される。
【0134】
ポッティング工程S6において、DM400の上辺側からの表示領域4への樹脂材料の進入が、延長部6f,6gにより防止される。
【0135】
本実施の形態によれば、上記実施の形態1の効果の他に、以下の効果が得られ得る。
本実施の形態では、バンクは、表示領域の所定の辺の外周領域を囲むように直線状に延長された2つの延長部を有する。これにより、所定の辺(例えば上辺S4)側からのポッティング材料の進入の防止効果を増強することができる。
【0136】
また、延長部をバンクの他の部分と同一の工程で形成することができ、工程を増やすことなく、表示領域へのポッティング材料の進入の防止効果を増強することができる。
【0137】
実施の形態5.
[表示装置の構成]
図21は、実施の形態5における表示装置500の構成を示す概略構成図である。この表示装置500は、実施の形態1〜4のDMを用いた投射型の表示装置である。表示装置500は、例えば、HUDであり、車両、航空機等において、速度計、燃料計等の各種計器の表示情報、ナビゲーション装置の地図情報、撮影装置が取得した画像情報等の各種の情報を表示するものである。
【0138】
図21において、表示装置500は、実施の形態1〜4のいずれかのDMであるDM501と、このDM501からの出射光を所定箇所(ここではハーフミラー)へ投影して画像を表示させる光学系502とを有する。
【0139】
具体的には、表示装置500は、筐体511を有する。筐体511は、その上面に形成された窓511aを有し、例えば、車両内のインストルメントパネルの裏側に組み込まれている。筐体511内の下部には、DM501が配置されている。筐体511内において、DM501の上方には、DM501から出射された画像の光を投射する光学系502として、例えば、反射用平面鏡512および拡大用凹面鏡513が配置されている。平面鏡512は、DM501から出射された画像の光を所定方向(例えば、ほぼ水平方向)に反射するものであり、この平面鏡512の反射方向に凹面鏡513が配置されている。凹面鏡513は、平面鏡512からの反射光を拡大し、筐体511の窓511aを通して上方のハーフミラーであるウィンドシールドガラス(W/S)514へ結像するものである。
【0140】
[表示装置の動作]
表示装置500において、表示すべき情報がDM501中の表示制御部40に入力されると、この表示制御部40が、その表示すべき情報に応じて、アノード駆動信号をDM501中のアノードドライバ41に供給すると共に、カソード駆動信号をDM501中のカソードドライバ42a,42bに供給する(図8参照)。すると、DM501中の発光素子2が発光し、LMD保護部5aを通して、表示すべき情報を含む画像の光が出射される。
【0141】
図21に示されるように、DM501の発光によって出射された光は、平面鏡512で反射されて凹面鏡513によって拡大された後、ウィンドシールドガラス514に照射される。すると、運転者520の視線におけるウィンドシールドガラス514の前方に、DM501が発光した画像の虚像530が表示される。これにより、運転者520は、視線を前方からそらすことなく、DM501が発光した画像に含まれる各種の情報を視認することができる。
【0142】
[表示装置の製造方法]
表示装置500の製造方法は、DM501を製造する工程と、製造されたDM501からの出射光を所定箇所へ投影して画像を表示させる光学系502を設ける工程とを含む。DM501を製造する工程は、実施の形態1〜4におけるDMの製造工程と同様である。
【0143】
[効果]
本実施の形態における表示装置は、実施の形態1〜4の表示モジュールを使用している。当該表示モジュールは、自発光型の発光素子アレイによるものであるため、本実施の形態によれば、構造が簡単で、小型化が可能な投射型の表示装置(例えばHUD)を実現できる。
【0144】
実施の形態6.
図22は、実施の形態6における表示装置600の構成を示す概略構成図である。この表示装置600は、実施の形態1〜4のDMを用いた前面投射型の表示装置であり、例えば前面投射型プロジェクタである。
【0145】
図22において、表示装置600は、実施の形態1〜4のいずれかのDMであるDM601と、このDM601からの出射光を所定箇所(ここではスクリーン603)へ投影して画像を表示させる光学系(ここでは投影レンズ602)とを有する。
【0146】
表示装置600では、DM601から出射された光が、投影レンズ602により拡大されて前面のスクリーン603上に表示される。
【0147】
本実施の形態6における表示装置600の製造方法は、実施の形態5とほぼ同様である。また、本実施の形態6によれば、実施の形態5とほぼ同様の効果が得られる。
実施の形態7.
図23は、実施の形態7における表示装置700の構成を示す概略構成図である。この表示装置700は、実施の形態1〜4のDMを用いた背面投射型の表示装置であり、例えば背面投射型プロジェクタである。
【0148】
図23において、表示装置700は、実施の形態1〜4のいずれかのDMであるDM701と、このDM701からの出射光を所定箇所(ここではスクリーン704)へ投影して画像を表示させる光学系(ここでは投影レンズ702および反射鏡703)とを有する。
【0149】
表示装置700では、DM701から出射された光が、投影レンズ702および反射鏡703により拡大されて反射され、背面からスクリーン704上に表示される。
【0150】
本実施の形態7における表示装置700の製造方法は、実施の形態5とほぼ同様である。また、本実施の形態7によれば、実施の形態5とほぼ同様の効果が得られる。
実施の形態8.
図24は、実施の形態8における表示装置800の構成を示す概略構成図である。この表示装置800は、実施の形態1〜4のDMを用いた表示装置であり、例えば、眼鏡に装着されるヘッドマウントディスプレイ(HMD)である。
【0151】
図24において、表示装置800は、実施の形態1〜4のいずれかのDMであるDM801と、このDM801からの出射光を所定箇所(ここではホログラム光学素子813)へ投影して画像を表示させる光学系(ここでは接眼光学系802)とを有する。
【0152】
具体的には、表示装置800は、ケース811と、このケース811に収容されたDM801とを有する。ケース811には、接眼光学系802が取り付けられている。接眼光学系802は、例えば、プリズム812を有し、このプリズム812の下端部に、シート状のホログラム光学素子813が装着されている。
【0153】
表示装置800では、DM801から出射された光が、プリズム812の内部で全反射されながら下端部に設けられたホログラム光学素子813へと導かれる。ホログラム光学素子813は、光を干渉させ、使用者の目820に虚像を結ばせる。これにより、使用者は、DM801から出射された画像を観察することができる。
【0154】
本実施の形態8における表示装置800の製造方法は、実施の形態5とほぼ同様である。また、本実施の形態8によれば、実施の形態5とほぼ同様の効果が得られる。
【0155】
[変形例]
上記実施の形態1〜8におけるDMや表示装置は、以下のように変形されてもよい。
<変形例1>
実施の形態1〜3において、バンク6は、表示領域4の外周縁の全体を囲むように形成されてもよい。例えば、実施の形態1〜3では、バンク6がDMの上辺部分には形成されていないが、バンク6は、DMの上辺部分でつながるように形成されてもよい。当該変形例においても、実施の形態1〜3と同様の効果が得られる。
【0156】
<変形例2>
実施の形態2,3において、第2のバンクは、表示領域4の外周縁の全体を囲むように形成されてもよい。例えば、実施の形態3では、延長部301fと延長部301gとが分離されているが、両者がつなげられ、表示領域4の外周縁の全体が第2のバンク301で囲まれるように構成されてもよい。当該変形例においても、実施の形態2,3と同様の効果が得られる。
【0157】
<変形例3>
上記変形例2において、さらに、バンク6が、表示領域4の外周縁の全体を囲むように形成されてもよい。すなわち、DMは、バンク6および第2のバンク301の両方が表示領域4の外周縁の全体を囲むように構成されてもよい。当該変形例においても、実施の形態2,3と同様の効果が得られる。
【0158】
<変形例4>
実施の形態4において、バンク6は、直線状に延長された2つの延長部6f、6gの代わりに、図25に示されるように、外側(表示領域4側と反対側)に曲げられるように延長された2つの延長部6h,6iを有するように構成されてもよい。すなわち、バンク6は、直線状ではなく、外側に曲がるように延長されてもよい。この場合、ポッティング材料を表示領域4から遠ざけることができ、表示領域4の上辺側からのポッティング材料の進入の防止効果をより増強することができる。
【0159】
また、実施の形態4において、バンク6は、直線状に延長された2つの延長部6f、6gの代わりに、内側(表示領域側)に曲げられるように延長された2つの延長部を有するように構成されてもよい。すなわち、バンク6は、直線状ではなく、内側に曲がるように延長されてもよい。
【0160】
<変形例5>
実施の形態2において、第2のバンク201は、実施の形態4のバンク6と同様に、表示領域4の所定の辺(例えば上辺S4)の外周領域を囲むように、それぞれ対向部201a,201bから直線状に延長された2つの延長部を有するように形成されてもよい。
【0161】
また、実施の形態2において、第2のバンク201は、上記変形例4のバンク6と同様に、表示領域4の所定の辺(例えば上辺S4)の外周領域を囲むように、それぞれ対向部201a,201bから外側に曲げられるように延長された2つの延長部を有するように形成されてもよい。
【0162】
<変形例6>
実施の形態4または上記変形例4におけるバンクは、実施の形態2またはその変形例におけるDMに適用されてもよい。すなわち、延長部を有するバンクと第2のバンクとを有するDMが構成されてもよい。この場合でも同様の効果が得られる。
【0163】
<変形例7>
実施の形態2,3において、第2のバンクは、2重以上に設けられてもよい。すなわち、表示領域4を囲むバンク構造は、3重以上の構造でもよい。例えば、実施の形態2において、ダミーLMD保護部5bと第2のバンク201との間であって両者から所定の距離だけ隔てられた位置に、さらに別の第2のバンクが設けられてもよい。
【0164】
<変形例8>
実施の形態1〜4において、LMD保護部5aおよびダミーLMD保護部5bの両方または一方は、省略されてもよい。
【0165】
<変形例9>
実施の形態1〜4において、LMD保護部5aの代わりに、複数の発光素子2上に位置決めされ、発光素子2ごとに分離された複数個のLMD保護部が形成されてもよい。すなわち、各画素の発光素子2上に、画素ごとに分割されたLMD保護部が形成されてもよい。
【0166】
この場合、LMD3の端部が異常に光る現象を防止する観点より、複数個のLMD保護部が形成された領域の外周領域には、少なくとも1個の分離されたダミーLMD保護部が形成されることが望ましい。ダミーLMD保護部の形状や材質は、LMD保護部と同じであることが望ましい。また、ダミーLMD保護部とLMD保護部またはダミーLMD保護部との配置間隔は、LMD保護部同士の配置間隔と同じであることが望ましい。さらに、ダミーLMD保護部は、複数個のLMD保護部の全体を囲むように配置されることが望ましい。例えば、LMD保護部がm行k列のマトリクス状に配置される場合、ダミーLMD保護部は、LMD保護部およびダミーLMD保護部により(m+2・m1)行(k+2・k1)列のマトリクスを構成するように配置される。ただし、m1およびk1は、1以上の整数である。
【0167】
当該変形例においても、バンクにより同様の作用効果が得られる。また、当該変形例によれば、LMD保護部やダミーLMD保護部による応力が緩和される。また、LMD保護部やダミーLMD保護部を分割しない場合と比較して、画素面積当たりの発光している面積が広くなり、ドット感の少ない表示モジュールを提供できる。
【0168】
<変形例10>
上記変形例9において、LMD保護部は、発光素子2から放出された光を収束するマイクロレンズであってもよい。例えば、画素ごとに、LMD保護部の形状を加工し、LMD保護部を当該画素に対して位置決めすることにより、複数のLMD保護部をマイクロレンズアレイとして構成してもよい。当該変形例においても、バンクにより同様の作用効果が得られる。また、発光素子上にマイクロレンズアレイが形成されると、出射光の利用効率を高める効果が得られる。
【0169】
<変形例11>
実施の形態1〜4において、ドライバICチップ10(すなわち駆動回路)は、基板1の外に設けられてもよい。この場合、基板1上のドライバICチップ10は無くなり、例えば、アノード配線およびカソード配線は、外部に設けられた駆動回路にフラット型ケーブルで接続される。駆動回路は、このフラット型ケーブルの途中に設けられて、チップオンフィルム(COF)構造をとってもよい。
【0170】
<変形例12>
実施の形態1〜4において、外周保護部16は、LMD保護部5aよりも外側に形成されていればよい。すなわち、LMD保護部5aにポッティング材料が進入しなければよい。例えば、外周保護部16は、トレンチ7を満たすように形成されてもよい。また、第2のバンクおよび第2のトレンチが設けられた構成では、外周保護部16は、第2のトレンチまで形成されてもよい。また、LMD保護部5aにポッティング材料が進入しなければ、DMの上辺部分(すなわちダミーLMD保護部5bの上辺の外周領域)に外周保護部16が形成されてもよい。
【0171】
<変形例13>
実施の形態1〜4において、DMの構成や製造方法は、図示以外のものに変更されてもよい。例えば、発光素子として、LED素子に代えて、有機系材料で形成されたEL素子や、無機系材料で形成されたEL素子等が用いられてもよい。この場合でも、実施の形態1〜4とほぼ同様の作用効果が得られる。
【0172】
<変形例14>
上記の説明では、1画素に発光素子2(例えばLED素子)が1個のみ設けられる構成が例示されているが、実施の形態1〜4において、1画素内に互いに直列に接続された複数個の発光素子2(例えばLED素子)が設けられてもよい。この場合、印加電圧は高くなるが、同程度の輝度を得るためのカソード配線を流れる電流値を小さくすることができる。
【0173】
<変形例15>
実施の形態1〜4のDMは、実施の形態5〜8の形態に限定されず、他の形態でも利用可能であり、例えば、投影光学系を用いない、いわゆる直視型表示装置にも適用が可能である。実施の形態1〜4のDMが適用された直視型表示装置は、自発光型の発光素子アレイによるディスプレイであることから、構造が簡単であり小型であるため、例えば、携帯機器に内蔵する際に自由なレイアウトが可能である。
【0174】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。例えば、上記実施の形態1〜4および変形例1〜15の構成は、上記以外の組み合わせで適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0175】
1 基板、 2 発光素子、 3 LEDマイクロディスプレイ(LMD)、 4 表示領域、 5a LMD保護部、 5b ダミーLMD保護部、 6 バンク、 6a,6b,6c 対向部、 6d,6e 連結部、 10 ドライバICチップ、 11 フラット型ケーブル、 16 外周保護部。
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