(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
(本開示の一態様にかかる情報処理システムの実施形態の概要)
まず、
図1、
図2、
図5を参照しながら、本開示の一態様にかかる情報処理システムの実施形態の概要について説明する。
図1は、本開示の一態様にかかる情報処理システムのシステム構成例を示す図である。
図2は、本開示の一態様にかかる情報処理システムを構成する情報処理装置100の構成例を示す。
図5は、本開示の一態様にかかる情報処理システムの処理動作例を示す図である。
【0015】
本開示の一態様にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、情報処理装置100と、移動端末200と、を有して構成する。
【0016】
情報処理装置100は、
図2に示すように、スピーカ15と、記憶手段16と、制御手段14と、を有して構成する。記憶手段16は、移動端末200を特定するための端末情報を記憶する。制御手段14は、近距離無線通信で接続した移動端末200の端末情報が記憶手段16に記憶されている場合に、移動端末200から送信されてきた音声データをスピーカ15から出力する。
図2に示す情報処理装置100の構成においては、サブメモリ16が記憶手段として機能する。また、EC(Enbedded Controller)14が制御手段として機能する。
【0017】
本開示の一態様にかかる情報処理装置100は、近距離無線通信で接続した移動端末200の端末情報が記憶手段16に記憶されている場合に、移動端末200から送信されてきた音声データをスピーカ15から出力することになる。このため、移動端末200が情報処理装置100に近距離無線通信で接続したとしても、その移動端末200の端末情報が記憶手段16に記憶されていなければ、移動端末200から送信されてきた音声データをスピーカ15から出力することがない。その結果、情報処理装置100を現在利用している人にとって使い勝手の悪い状況の発生を抑制しつつ、情報処理装置100に搭載されたスピーカ15から音声データを出力することができる。以下、添付図面を参照しながら、本開示の一態様にかかる情報処理システムについて詳細に説明する。
【0018】
<情報処理システムのシステム構成例>
まず、
図1を参照しながら、本実施形態の情報処理システムのシステム構成例について説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムのシステム構成例を示す。
【0019】
本実施形態の情報処理システムは、情報処理装置100と、移動端末200と、を有して構成し、情報処理装置100と移動端末200との間でBluetooth(登録商標)規格に準拠した近距離無線通信が可能になっている。情報処理装置100は、PCなどの装置である。移動端末200は、携帯電話機、スマートフォンなどの装置である。
【0020】
本実施形態の情報処理システムは、情報処理装置100と移動端末200との間でBluetooth規格に準拠した近距離無線通信を行い、移動端末200で再生した音声データを近距離無線通信で情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、移動端末200から受信した音声データを情報処理装置100に実装されたスピーカから出力する。これにより、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100に実装されたスピーカから出力することができる。
【0021】
情報処理装置100と移動端末200との間で行う近距離無線通信は特に限定せず、任意の近距離無線通信方式を採用することが可能である。但し、近距離無線通信としては、Bluetoothを用いることが好ましい。Bluetoothは、2.4GHz帯(2.4000〜2.4835GHz)のISM(Industry Science Medical)バンドを用いて10m以内(最大100m)の無線通信を実現するものである。Bluetoothでは、スペクトラム拡散方式として周波数ホッピング方式(FHSS:Frequency Hopping Spread Spectrum)を用いている。また、最大1Mbpsの通信速度で、最大8台までの機器を時分割多重送信方式によって1つのグループ(ピコネット)を構成して通信を行うことができる。また、2.4GHz帯の周波数を周波数帯域幅1MHzの79個のチャネルに分け、通信チャネルを1秒間に1600回切り替えて通信を行う。このチャネルはランダムに選択されるため、特定の周波数に依存することなく、秘匿性に優れている。
【0022】
<情報処理装置100の内部構成例>
次に、
図2を参照しながら、本実施形態の情報処理装置100の内部構成例について説明する。
図2は、本実施形態の情報処理装置100の内部構成例を示す図である。
【0023】
本実施形態の情報処理装置100は、PCオーディオモジュール11、BTオーディオモジュール12、スイッチ13、EC(Enbedded Controller)14、スピーカ15、サブメモリ16、メインメモリ17、CPU(Central Processing Unit)18、表示部19、操作部20を有している。
【0024】
PCオーディオモジュール11は、メインメモリ17などに記憶されている音声データを再生する。PCオーディオモジュール11は、情報処理装置100のOS31が起動している状態で音声データの再生処理を実行することができる。
【0025】
BTオーティオモジュール12は、Bluetoothの通信規格に準拠した近距離無線通信を行い、移動端末200とBluetooth接続を行う。そして、移動端末200から送信された音声データを再生する。即ち、BTオーティオモジュール12は、BTモジュール(近距離無線通信機能)と、オーディオモジュール(音声データ再生機能)と、を有して構成している。BTオーティオモジュール12は、情報処理装置100のOS31が起動している状態でなくとも音声データの再生処理を実行することができる。
【0026】
スイッチ13は、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続したり、または、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続したりする。
【0027】
EC14は、サブマイコンであり、BTオーディオモジュール12やスイッチ13を制御する。また、CPU18と連携し、各種データ処理を行う。
【0028】
スピーカ15は、PCオーディオモジュール11で再生した音声データを出力したり、BTオーディオモジュール12で再生した音声データを出力したりする。
【0029】
サブメモリ16は、EC14が処理を実行する際に使用するメモリである。サブメモリ16には、移動端末200の端末IDが記憶されている。端末IDは、移動端末200を識別するための情報である。本実施形態では、サブメモリ16に登録されている端末IDに該当する移動端末200がBTオーディオモジュール12とBluetooth接続した場合に、その移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から出力することを可能にしている。
【0030】
メインメモリ17は、CPU18が処理を実行する際に使用するメモリである。メインメモリ17には、ドライバ30、OS(Operating System)31などが格納される。ドライバ30としては、PCオーディオモジュール11で音声データの再生処理を行う際に使用するドライバなどがあげられる。
【0031】
CPU18は、情報処理装置100を統括的に制御する。CPU18は、メインメモリ17に記憶されている内容を参照し、各種データ処理を行う。また、EC14と連携し、各種データ処理を行う。
【0032】
表示部19は、各種データを表示する。操作部20は、各種データを入力する。
【0033】
本実施形態の情報処理装置100は、OS31が起動していなくとも、EC14、BTオーディオモジュール12、サブメモリ16、スイッチ13、スピーカ15が機能している。このため、移動端末200とBTオーディオモジュール12とがBluetooth接続し、移動端末200から送信された音声データをBTオーディオモジュール12で再生し、スピーカ15から出力することができる。
【0034】
<移動端末200の内部構成例>
次に、
図3を参照しながら、本実施形態の移動端末200の内部構成例について説明する。
図3は、本実施形態の移動端末200の内部構成例を示す図である。
【0035】
移動端末200は、CPU201、メモリ202、表示部203、操作部204、BT接続部205を有して構成する。
【0036】
CPU201は、移動端末200を統括的に制御する。CPU201は、メモリ202に記憶されている内容を参照し、各種データ処理を行う。メモリ202は、CPU201が処理を実行する際に使用するメモリである。メモリ202には、音声データなどが記録されている。
【0037】
表示部203は、各種データを表示する。操作部204は、各種データを入力する。
【0038】
BT接続部205は、Bluetoothの通信規格に準拠した近距離無線通信を行い、情報処理装置100とBluetooth接続を行う。
【0039】
本実施形態の移動端末200は、BT接続部205と情報処理装置100とがBluetooth接続し、移動端末200のメモリ202に記録されている音声データを情報処理装置100に送信することができる。
【0040】
<情報処理システムの一連の処理動作例>
次に、
図4を参照しながら、本実施形態の情報処理システムの一連の処理動作例について説明する。
図4は、情報処理システムの一連の処理動作例を示す図である。
【0041】
まず、移動端末200の操作者は、移動端末200の操作部204を操作し、移動端末200と情報処理装置100との間でBluetooth規格に準拠した近距離無線通信を行い、移動端末200と情報処理装置100とをBluetooth接続する(ステップA1)。
【0042】
次に、移動端末200の操作者は、移動端末200の操作部204を操作し、移動端末200のメモリ202に記録されている音声データを再生し、音声データを情報処理装置100に送信する(ステップA2)。
【0043】
情報処理装置100は、移動端末200から送信されてくる音声データを、後述する
図5のフローに従って、スピーカ15から出力する(ステップA3)。
【0044】
これにより、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から出力し、移動端末200の操作者が高品質の音声データを聴取することができる。
【0045】
<情報処理装置100の処理動作例>
次に、
図2、
図5を参照しながら、本実施形態の情報処理装置100の処理動作例について説明する。
図5は、本実施形態の情報処理装置100の処理動作例を示す図である。
【0046】
移動端末200と情報処理装置100のBTオーディオモジュール12とがBluetooth接続し、BTオーディオモジュール12が接続検知信号をEC14に通知することで、EC14は、Bluetooth接続ありと判定する(ステップS1/Yes)。
【0047】
EC14は、Bluetooth接続ありと判定した場合は(ステップS1/Yes)、サブメモリ16を参照し、Bluetooth接続した移動端末200の端末IDがサブメモリ16に登録されているか否かを判定する(ステップS2)。サブメモリ16には、移動端末200を識別するための端末IDが登録されている。また、BTオーディオモジュール12は、Bluetooth接続した移動端末200から端末IDを取得し、その取得した端末IDをEC14に通知する。EC14は、BTオーディオモジュール12から通知された端末IDがサブメモリ16に登録されていない場合は(ステップS2/No)、音源切替を行わず、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続したままの状態にし(ステップS13)、処理を終了する(End)。この場合、EC14は、移動端末200の端末IDが情報処理装置100に登録されていない旨をBTオーディオモジュール12を介して移動端末200に通知し、BTオーディオモジュール12と移動端末200とのBluetooth接続を終了する。即ち、
図4のステップA1の処理で終了することになる。これにより、サブメモリ16に端末IDが予め登録されている移動端末200のみが情報処理装置100のスピーカ15から音声データを出力することができる。
【0048】
また、EC14は、ステップS2において端末IDがサブメモリ16に登録されている場合は(ステップS2/Yes)、情報処理装置100のOS31が起動状態か否かを判定する(ステップS3)。情報処理装置100のOS31が起動状態か否かは、EC14がCPU18やチップセット(図示せず)のGPIO(General Purpose Input/Output)に問い合わせることで、OS31が起動状態か否かを確認することができる。情報処理装置100のOS31が起動状態でない場合は(ステップS3/No)、EC14は、スイッチ13を制御し、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続する(ステップS4)。この場合、EC14は、音声データの再生要求をBTオーディオモジュール12を介して移動端末200に通知し、移動端末200から情報処理装置100に音声データを送信するように促す。これにより、
図4に示すステップA2のように、移動端末200から音声データが送信されてくるようにすることができる。BTオーディオモジュール12は、音声データの再生処理を行い、移動端末200から送信されてくる音声データをアナログに変換してスピーカ15から出力する(ステップS5)。
【0049】
EC14は、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続した状態で、Bluetooth接続が終了した場合は(ステップS6/Yes)、スイッチ13を制御し、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続し(ステップS7)、処理を終了する(End)。BTオーディオモジュール12は、移動端末200とのBluetooth接続を終了した場合は、接続終了信号をEC14に通知することで、EC14は、Bluetooth接続終了と判定する(ステップS6/Yes)。
【0050】
また、EC14は、ステップS3において情報処理装置100のOS31が起動状態である場合は(ステップS3/Yes)、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効になっているか否かを判定する(ステップS10)。
【0051】
例えば、PCオーディオモジュール11よりもBTオーディオモジュール12の優先度が高く設定されている場合は、EC14は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効になっていると判定する(ステップS10/Yes)。また、PCオーディオモジュール11よりもBTオーディオモジュール12の優先度が低く設定されている場合は、EC14は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が無効になっていると判定する(ステップS10/No)。上記優先度は、サブメモリ16やメインメモリ17に予め記録し、EC14は、サブメモリ16やメインメモリ17に記録した優先度を参照し、自動切替機能が有効になっているか否かを判定する。なお、自動切替機能の有効、無効をサブメモリ16やメインメモリ17に予め記録し、ECは、サブメモリ16やメインメモリ17に記録した自動切替機能の有効、無効を参照し、自動切替機能が有効になっているか否かを判定することも可能である。また、PCオーディオモジュール11が既に使用されている場合は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が無効になっていると判定することも可能である。
【0052】
EC14は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効になっている場合は(ステップS10/Yes)、ステップS4に移行し、スイッチ13を制御し、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続する(ステップS4)。また、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が無効になっている場合は(ステップS10/No)、BTオーディオモジュール12への切替を移動端末200の操作者に問い合わせる(ステップS11)。BTオーディオモジュール12への切替をユーザに問い合わせる方法としては、例えば、問い合わせ要求をEC14がBTオーディオモジュール12を介して移動端末200に送信し、移動端末200の表示部203に問い合わせ情報を表示する方法がある。また、EC14が情報処理装置100の表示部19に問い合わせ情報を表示する方法がある。これにより、EC14は、BTオーディオモジュール12への切替をユーザに問い合わせることができる。
【0053】
移動端末200の操作者は、BTオーディオモジュール12への切替を行う場合は、例えば、移動端末200の操作部204を操作し、BTオーディオモジュール12への切替要求を情報処理装置100に送信する。また、情報処理装置100の操作部20を操作し、BTオーディオモジュール12への切替要求を行う。これにより、EC14は、切替要求があると判定することができる。
【0054】
EC14は、BTオーディオモジュール12への切替要求があるか否かを判定し(ステップS12)、切替要求がある場合は(ステップS12/Yes)、ステップS4に移行し、スイッチ13を制御し、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続する(ステップS4)。また、切替要求がない場合は(ステップS12/No)、音源切替を行わず、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続したままの状態にし(ステップS13)、処理を終了する(End)。この場合、EC14は、BTオーディオモジュール12と移動端末200とのBluetooth接続を終了する。即ち、
図4のステップA1の処理で終了することになる。
【0055】
なお、ステップS12において切替要求がないと判定する場合は、例えば、ステップS11において、BTオーディオモジュール12への切替をユーザに問い合わせを行ってから所定時間が経過しても切替要求をEC14が受け付けなかった場合に、切替要求がないと判定する。また、ユーザが移動端末200の操作部204を操作し、BTオーディオモジュール12への切替を行わない旨の要求を情報処理装置100に送信する。また、情報処理装置100の操作部20を操作し、BTオーディオモジュール12への切替を行わない旨の要求を行う。これにより、ステップS12において切替要求がないと判定することができる。
【0056】
<本実施形態の情報処理システムの作用・効果>
本実施形態の情報処理システムは、移動端末200と情報処理装置100とがBluetooth接続した場合に(ステップS1/Yes)、移動端末200の端末IDが情報処理装置100のサブメモリ16に記録されており(ステップS2/Yes)、情報処理装置100のOS31が起動していない場合に(ステップS3/No)、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から自動的に出力することができる(ステップS5)。
【0057】
これにより、情報処理装置100のOS31が起動していない状態の場合は、特定の移動端末200のみが情報処理装置100のスピーカ15から音声データを自動的に出力することができる。その結果、移動端末200が情報処理装置100にBluetooth接続したとしても、その移動端末200の端末IDがサブメモリ16に記憶されていなければ、移動端末200から送信されてきた音声データをスピーカ15から出力することがない。従って、情報処理装置100を現在利用しているユーザにとって使い勝手の悪い状況の発生を抑制しつつ、情報処理装置100に搭載されたスピーカ15から音声データを出力することができる。また、情報処理装置100のメモリ容量を割くことなく、情報処理装置100に搭載されたスピーカ15から音声データを効率的に出力することができる。
【0058】
また、情報処理装置100のOS31が起動している場合は(ステップS3/Yes)、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効の場合(ステップS10/Yes)、または、ユーザからBTオーディオモジュール12への切替要求があった場合に(ステップS12/Yes)、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から出力することができる(ステップS5)。
【0059】
これにより、情報処理装置100のOS31が起動している状態の場合は、所定の条件を満足した場合に、特定の移動端末200のみが情報処理装置100のスピーカ15から音声データを自動的に出力することができる。従って、情報処理装置100を現在利用しているユーザにとって使い勝手の悪い状況の発生を抑制しつつ、情報処理装置100に搭載されたスピーカ15から音声データを出力することができる。また、情報処理装置100のメモリ容量を割くことなく、情報処理装置100に搭載されたスピーカ15から音声データを効率的に出力することができる。なお、所定の条件とは、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効の場合、または、ユーザからBTオーディオモジュール12への切替要求があった場合を意味する。
【0060】
なお、上記処理動作では、BTオーディオモジュール12で再生した音声データをスピーカ15から出力する場合は、デフォルトの音量値、音質値で音声データを出力する。しかし、BTオーディオモジュール12とBluetooth接続した移動端末200に応じた音量値、音質値で音声データをスピーカ15から出力することも可能である。この場合は、例えば、
図6に示すように、サブメモリ16に、端末IDと関連付けて音量値、音質値などの値を予め設定しておく。
図6は、サブメモリ16に記憶されている情報例を示し、端末IDと関連付けて音量値、音質値が記憶されている例を示している。音量値、音質値は、音声データをスピーカ15から出力する際の指標となる音声情報である。
【0061】
EC14は、サブメモリ16を参照し、BTオーディオモジュール12とBluetooth接続した移動端末の端末IDに関連付けられた音量値、音質値を取得し、その取得した音量値、音質値で音声データを再生するようにBTオーディオモジュール12を制御する。これにより、EC14は、BTオーディオモジュール12とBluetooth接続した移動端末200に応じた音量値、音質値に音声データを調整してスピーカ15から出力することができる。
【0062】
また、上記処理動作において、情報処理装置100のOS31が起動した状態で、BTオーディオモジュール12で再生した音声データをスピーカ15から出力している場合は、情報処理装置100のコントロールパネルの各種情報(例えば、音量値)を移動端末200から設定することも可能である。情報処理装置100のOS31が起動している場合は、情報処理装置100の操作部20をユーザが操作して情報処理装置100のコントロールパネルの各種情報を設定することができる。このため、移動端末200から送信されてくる設定情報をEC14がCPU18に通知し、CPU18がコントロールパネルの各種情報を設定することで、情報処理装置100のコントロールパネルの各種情報(例えば、音量値)を移動端末200から設定することが可能になる。
【0063】
また、上記実施形態では、移動端末200と情報処理装置100とがBluetooth接続した場合に(ステップS1/Yes)、移動端末200の端末IDが情報処理装置100のサブメモリ16に記録されており(ステップS2/Yes)、情報処理装置100のOS31が起動していない場合に(ステップS3/No)、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から自動的に出力することにしている(ステップS5)。しかし、移動端末200の端末IDが情報処理装置100のサブメモリ16に記録されていても、情報処理装置100を現在使用しているユーザが情報処理装置100とBluetooth接続した移動端末200と関係のあるユーザである場合に、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から自動的に出力するようにすることも可能である。例えば、
図7に示すように、サブメモリ16に、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から出力可能なユーザのユーザ情報と端末IDとを関連付けて記憶する。ユーザ情報は、情報処理装置100においてユーザを一意に特定することが可能な情報であれば、任意の情報が適用可能である。EC14は、サブメモリ16を参照し、BTオーディオモジュール12とBluetooth接続した移動端末の端末IDに関連付けられたユーザ情報を取得する。そして、その取得したユーザ情報が、情報処理装置100を現在使用しているユーザ情報に該当するか否かを判定する。情報処理装置100を現在使用しているユーザ情報は、情報処理装置100にログインし、情報処理装置100を使用しているユーザ情報である。このユーザ情報は、EC14がドライバ30経由でOS31内に問い合わせることで確認することができる。EC14は、移動端末の端末IDに関連付けられたユーザ情報が、情報処理装置100を現在使用しているユーザ情報である場合は、音源切替を行い、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から自動的に出力する。また、移動端末の端末IDに関連付けられたユーザ情報が、情報処理装置100を現在使用しているユーザ情報でない場合は、音源切替を行わず、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から出力しないようにする。例えば、情報処理装置100にBluetooth接続した移動端末200の端末IDが端末ID Aと仮定する。この場合、サブメモリ16には、
図7に示すように、端末ID Aと関連付けてユーザ情報A、ユーザ情報Bが記憶されている。このため、情報処理装置100を現在使用しているユーザ情報がユーザ情報A、ユーザ情報Bである場合に、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から出力するように制御する。また、情報処理装置100を現在使用しているユーザ情報がユーザ情報A、ユーザ情報Bでない場合は、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から出力しないように制御する。これにより、情報処理装置100を現在使用しているユーザが情報処理装置100とBluetooth接続した移動端末200と関係のあるユーザである場合に、移動端末200で再生した音声データを情報処理装置100のスピーカ15から自動的に出力することができる。その結果、情報処理装置100を現在利用しているユーザにとって使い勝手の悪い状況の発生を抑制しつつ、情報処理装置100に搭載されたスピーカ15から音声データを出力することができる。
【0064】
また、上記実施形態では、BTオーディオモジュール12が移動端末200とBluetooth接続しており、1つのBTモジュールのみを情報処理装置100に搭載している場合について説明している。しかし、
図8に示すように、複数のBTモジュールを情報処理装置100に搭載することも可能である。
図8では、BTモジュール40を有しており、情報処理装置100は、2つのBTモジュール40、12を有している。BTモジュール40は、Bluetoothの通信規格に準拠した近距離無線通信を行う。BTオーディオモジュール12は、BTモジュール(近距離無線通信機能)と、オーディオモジュール(音声データ再生機能)と、を有して構成する。情報処理装置100が1つのBTモジュールを有する場合は、情報処理装置100は1つのBT端末とBluetooth接続できる。BT端末とは、Bluetooth規格に準拠した近距離無線通信が可能な端末を意味する。しかし、情報処理装置100が複数のBTモジュールを有する場合は、情報処理装置100は複数のBT端末とBluetooth接続できる。
図8の場合は、情報処理装置100は2つのBT端末とBluetooth接続できる。このため、
図8の場合は、情報処理装置100は、移動端末200以外のBT端末とBluetooth接続でき、情報処理装置100を中継装置として使用することも可能である。即ち、情報処理装置100は、BTオーディオモジュール12を介して移動端末200から受信した音声データをBTモジュール40から他のBT端末に転送することも可能である。
【0065】
なお、
図8に示す構成の場合は、BTモジュール40が移動端末200とBluetooth接続する場合もある。この場合は、
図9に示す処理動作を行う。
【0066】
まず、移動端末200と情報処理装置100のBTモジュール40とがBluetooth接続し、BTモジュール40が接続検知信号をEC14に通知することで、EC14は、Bluetooth接続ありと判定する(ステップB1/Yes)。
【0067】
EC14は、Bluetooth接続ありと判定した場合は(ステップB1/Yes)、サブメモリ16を参照し、Bluetooth接続した移動端末200の端末IDがサブメモリ16に登録されているか否かを判定する(ステップB2)。EC14は、BTモジュール40から通知された端末IDがサブメモリ16に登録されていない場合は(ステップB2/No)、音源切替を行わず、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続したままの状態にし(ステップB13)、処理を終了する(End)。この場合、EC14は、移動端末200の端末IDが情報処理装置100に登録されていない旨をBTモジュール40を介して移動端末200に通知し、BTモジュール40と移動端末200とのBluetooth接続を終了する。
【0068】
また、EC14は、ステップB2において端末IDがサブメモリ16に登録されている場合は(ステップB2/Yes)、情報処理装置100のOS31が起動状態か否かを判定する(ステップB3)。情報処理装置100のOS31が起動状態でない場合は(ステップB3/No)、BTオーディオモジュール12の機能が有効か否かを判定する(ステップB4)。BTオーディオモジュール12の機能を有効に設定しておくことで、BTオーディオモジュール12の機能が有効になる。また、BTオーディオモジュール12の機能を無効に設定しておくことで、BTオーディオモジュール12の機能が無効になる。
【0069】
EC14は、BTオーディオモジュール12の機能が有効の場合は(ステップB4/Yes)、スイッチ13を制御し、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続する(ステップB5)。この場合、EC14は、音声データの再生要求をBTモジュール40を介して移動端末200に通知し、移動端末200から情報処理装置100に音声データを送信するように促す。これにより、移動端末200から音声データが送信されてくるようにすることができる。EC14は、移動端末200から送信されてくる音声データをBTオーディオモジュール12を使用してスピーカ15から出力する(ステップB6)。
【0070】
EC14は、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続した状態で、Bluetooth接続が終了した場合は(ステップB7/Yes)、スイッチ13を制御し、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続し(ステップB8)、処理を終了する(End)。BTモジュール40は、移動端末200とのBluetooth接続を終了した場合は、接続終了信号をEC14に通知することで、EC14は、Bluetooth接続終了と判定する(ステップB7/Yes)。
【0071】
また、EC14は、ステップB3において情報処理装置100のOS31が起動状態である場合は(ステップB3/Yes)、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効になっているか否かを判定する(ステップB10)。
【0072】
例えば、PCオーディオモジュール11よりもBTオーディオモジュール12の優先度が高く設定されている場合は、EC14は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効になっていると判定する(ステップB10/Yes)。また、PCオーディオモジュール11よりもBTオーディオモジュール12の優先度が低く設定されている場合は、EC14は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が無効になっていると判定する(ステップB10/No)。上記優先度は、サブメモリ16やメインメモリ17に予め記録し、EC14は、サブメモリ16やメインメモリ17に記録した優先度を参照し、自動切替機能が有効になっているか否かを判定する。なお、自動切替機能の有効、無効をサブメモリ16やメインメモリ17に予め記録し、ECは、サブメモリ16やメインメモリ17に記録した自動切替機能の有効、無効を参照し、自動切替機能が有効になっているか否かを判定することも可能である。また、PCオーディオモジュール11が使用されている場合は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が無効になっていると判定することも可能である。
【0073】
EC14は、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が有効になっている場合は(ステップB10/Yes)、BTオーディオモジュール12の機能が有効か否かを判定する(ステップB20)。
【0074】
EC14は、BTオーディオモジュール12の機能が有効の場合は(ステップB20/Yes)、ステップB5に移行し、スイッチ13を制御し、BTオーディオモジュール12とスピーカ15とを接続する(ステップB5)。
【0075】
また、BTオーディオモジュール12の機能が無効の場合は(ステップB20/No)、音源切替を行わず、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続したままの状態にし、PCオーディオモジュール11を使用してスピーカ15から音声データを出力する(ステップB21)。PC100のOS31が起動状態の場合は、PCオーディオモジュール11は、音声データの再生処理を実行することができる。このため、BTオーディオモジュール12の機能が無効であっても、PCオーディオモジュール11を使用してスピーカ15から音声データを出力することができる。Bluetooth接続が終了した場合は(ステップB22/Yes)、処理を終了する(End)。
【0076】
また、ステップB10において、BTオーディオモジュール12への自動切替機能が無効になっている場合は(ステップB10/No)、BTオーディオモジュール12への切替を移動端末200の操作者に問い合わせる(ステップB11)。
【0077】
EC14は、BTオーディオモジュール12への切替要求があるか否かを判定し(ステップB12)、切替要求がある場合は(ステップB12/Yes)、ステップB20に移行し、BTオーディオモジュール12の機能が有効か否かを判定する(ステップB20)。また、切替要求がない場合は(ステップB12/No)、音源切替を行わず、PCオーディオモジュール11とスピーカ15とを接続したままの状態にし(ステップS13)、処理を終了する(End)。
【0078】
このように、BTモジュール40が移動端末200とBluetooth接続する場合も、BTオーディオモジュール12やPCオーディオモジュール11を使用して音声データをスピーカ15から出力することができる。特に、情報処理装置100のOS31が起動している状態の場合は(ステップB3/Yes)、PCオーディオモジュール11は、音声データの再生処理を実行することができるため、BTオーディオモジュール12の機能が無効になっている場合は(ステップB20/No)、PCオーディオモジュール11を使用して音声データをスピーカ15から出力することができる。
【0079】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0080】
例えば、PCオーディオモジュール11は、スピーカ15から音声データを出力することを例に説明した。しかし、PCオーディオモジュール11は、表示部と一体型に実装されたスピーカから音声データを出力することも可能である。
【0081】
また、上記実施形態の情報処理システムを構成する各装置における制御動作は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0082】
なお、ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。
【0083】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。リムーバブル記録媒体は、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種記録媒体があげられる。
【0084】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトからコンピュータに無線転送することになる。また、ネットワークを介してコンピュータに有線で転送することになる。
【0085】
また、上記実施形態の情報処理システムを構成する各装置は、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に処理を実行するだけに限定するものでない。例えば、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に処理を実行するように構築することも可能である。