特許第5814014号(P5814014)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5814014
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月17日
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20151029BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20151029BHJP
【FI】
   G01C21/36
   G06F3/048 620
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-149489(P2011-149489)
(22)【出願日】2011年7月5日
(65)【公開番号】特開2013-15461(P2013-15461A)
(43)【公開日】2013年1月24日
【審査請求日】2014年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 進一
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−362429(JP,A)
【文献】 特開2010−026605(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/064389(WO,A1)
【文献】 特開平03−074215(JP,A)
【文献】 特開2012−118575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/36
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3軸方向の振動量および振動量の変化を検知し出力する振動検知手段と、
接触を検出して受け付ける接触受付手段と、
入力情報を受け付ける入力受付手段と、
前記振動検知手段が振動を検知すると、前記接触受付手段にて受け付けた接触の一部を除外して入力情報として前記入力受付手段に受け渡す入力前処理手段と、
を備え
前記入力前処理手段は、
前記振動検知手段が検知した振動量が所定の振動量以上であって、かつ、前記振動量の変化が所定の閾値以上である場合に、前記接触の一部を除外して入力情報として前記入力受付手段に受け渡し、さらに、
前記振動量の変化が所定の期間以上継続されている場合には、前記振動量の変化についての前記所定の閾値を継続時間に応じてより高く設定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、タッチパネル等による入力受付技術が用いられている。特許文献1には、このような情報処理装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−167825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような情報処理装置では、振動が起きやすい状況で入力操作を行う場合には、長押しまたは短押しのいずれが行われたのかを判別しやすくなると考えられるものの、長押しまたは短押しに限らないその他の複雑な入力操作においては、意図しない入力を行ってしまう場合があり、依然として誤操作が発生しやすい。
【0005】
本発明の目的は、より簡易な方法で、誤操作の発生をより少なくする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、3軸方向の振動量および振動量の変化を検知し出力する振動検知手段と、接触を検出して受け付ける接触受付手段と、入力情報を受け付ける入力受付手段と、前記振動検知手段が振動を検知すると、前記接触受付手段にて受け付けた接触の一部を除外して入力情報として前記入力受付手段に受け渡す入力前処理手段と、を備え、前記入力前処理手段は、前記振動検知手段が検知した振動量が所定の振動量以上であって、かつ、前記振動量の変化が所定の閾値以上である場合に、前記接触の一部を除外して入力情報として前記入力受付手段に受け渡し、さらに、前記振動量の変化が所定の期間以上継続されている場合には、前記振動量の変化についての前記所定の閾値を継続時間に応じてより高く設定する、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ナビゲーション装置の概略構成図である。
図2】ナビゲーション装置の入力受付に関する構成図である。
図3】ナビゲーション装置の使用状況を示す説明図である。
図4】リンクテーブルの構成を示す図である。
図5】キャンセル動作テーブルの構成を示す図である。
図6】演算処理部の機能構成図である。
図7】入力前処理のフロー図である。
図8】変化量閾値設定処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、互いに直交する3軸の振動を検知する振動センサ12と、を備えている。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7、8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0012】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、現在地あるいはユーザから指示された出発地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
また、演算処理部1は、振動センサ12から振動の情報を取得して、所定の種類の振動が検知された場合には、その前後において入力装置5から受け付けた入力に関する情報を入力の種類に応じて調整する。すなわち、演算処理部1は、入力装置5からの入力を受け付ける際に振動が発生した場合には、当該入力のすべてまたは一部をキャンセルし、あるいは当該入力前の操作状態に戻したりすることで、意図しない入力が採用されにくいように調整する。
【0014】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0015】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0016】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0017】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200、キャンセル動作テーブル300等が記憶されている。
【0018】
図4は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0019】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の路線番号を示す路線番号227、リンクの渋滞度を特定する渋滞度228、などを含んでいる。
【0020】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0021】
図5は、キャンセル動作テーブル300の構成を示す図である。キャンセル動作テーブル300は、振動前後の変化を特定する情報である振動前後の変化321と、振動前後の変化321に応じて入力のキャンセルを行うか否かを特定する情報であるキャンセル実施322と、キャンセルの実施内容を特定する情報であるキャンセル実施内容323と、当該入力の状況を示す情報である状況例324と、の列についての情報を含む。また、本実施形態においては、あらかじめこれらの列に対応する情報を含むレコード301〜309が格納されている。
【0022】
例えば、本実施形態におけるキャンセル動作テーブル300には、下記の情報を備えるレコードが含まれる。なお、下記においては、それぞれのレコードの内容について、振動前後の変化321、キャンセル実施322、キャンセル実施内容323、状況例324の情報をその順に表示している。
【0023】
レコード301においては、「接触無状態から定位置への接触検知」、「Yes」、「接触検知イベントと接触断イベントとを無視」、「ボタン捜索中の誤押下」を特定する情報が格納されている。レコード302においては、「接触無状態から定位置への接触検知、そして接触無状態」、「Yes」、「接触検知イベントと接触断イベントとを無視」、「ボタン捜索中の誤押下」を特定する情報が格納されている。レコード303においては、「定位置への接触検知状態から接触無状態」、「Yes」、「接触断イベントを無視」、「ドラッグ操作中の誤解放」を特定する情報が格納されている。レコード304においては、「接触無状態から位置が変化する接触(ドラッグ)検知」、「Yes」、「振動前後の位置変化イベントを無視」、「ドラッグ操作中の誤スクロール」を特定する情報が格納されている。
【0024】
また、レコード305においては、「定位置への接触から位置が変化する接触検知」、「Yes」、「位置変化イベントを無視」、「押下操作中の誤スクロール」を特定する情報が格納されている。レコード306においては、「位置が変化する接触検知中」、「Yes」、「振動後の位置変化イベントを無視」、「スクロール中の誤スクロール」を特定する情報が格納されている。レコード307においては、「位置が変化する接触状態から接触無状態検知」、「Yes」、「接触断イベントを無視」、「スクロール中の誤解放」を特定する情報が格納されている。レコード308においては、「接触無状態から長時間の定位置への接触検知」、「Yes」、「接触検知イベントと接触断イベントとを無視」、「ボタン捜索中の誤押下」を特定する情報が格納されている。レコード309においては、「長時間の定位置への接触検知状態から接触無状態検知」、「No」、「−(キャンセル実施しない)」、「正常解放」を特定する情報が格納されている。
【0025】
すなわち、キャンセル動作テーブル300は、振動を検知した前後のタッチ位置やタッチの種類に応じて、キャンセルすべきイベントを定義しているといえる。例えば、振動により選択を意図したボタンと異なるボタンをタッチ(接触検知イベントと接触断イベントとが発生)した場合等には、当該タッチに係る接触検知イベントと接触断イベントを、無視することで、タッチ操作を入力として受け付けないよう定義しているといえる。
【0026】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0027】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0028】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0029】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。また、タッチパネル51は、タッチされたことの検知と、タッチされている位置が変化したことの検知と、タッチされていた状態からタッチされていない状態へ変化したことの検知と、を行うことが可能であり、それぞれの検知に応じて、接触検知イベント、位置変化イベント、接触断イベント等を発生させる。後述する図2に示すが、発生した各イベントは、演算処理部1に設けられた入力前処理部104により検出されることで、演算処理部1へ受け渡される。
【0030】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0031】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0032】
車速センサ7、ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。
【0033】
車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。
【0034】
ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。
【0035】
GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0036】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0037】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0038】
振動センサ12は、振動を検出し、出力する。本実施形態における振動センサ12は、図3に示すように、ナビゲーション装置100が取り付けられた車両500の左右方向であるX方向511と、上下方向であるY方向513と、前後方向であるZ方向512との3軸について、振動の発生および当該方向における振動の大きさを、加速度等により検出する。なお、図3に示すように、車両500には、ステアリング501と、ディスプレイ2と、が搭載されており、ディスプレイ2は運転者が接触操作することができる位置に配置されている。図3に示す配置状態において、振動センサ12から出力される情報は、カーブ等で左右に操舵する場合には、X方向511への振動が相対的に大きくなり、加減速時にはZ方向512への振動が相対的に大きくなり、路面状況変化時にはY方向513への振動が相対的に大きくなる傾向となる。
【0039】
図2は、ナビゲーション装置100における入力に関する構成を示す図である。振動センサ12により検出された振動を特定する情報は、演算処理部1の振動検出部105に出力され、振動検出部105から当該振動に係る情報が入力前処理部104へ出力される。入力前処理部104は、タッチパネル51から受け付けた入力に関する情報、すなわちイベントの情報を受け付けて、振動検出部105から受け付けた振動の情報に応じてイベントのキャンセル処理等を行い、有効な入力に関する情報を演算処理部1の入力受付部102へ出力する。なお、入力前処理部104は、有効でないと判定したイベントについては、入力受付部102に対する出力を行わない。
【0040】
図6は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、入力前処理部104と、振動検出部105と、を有する。
【0041】
基本制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地と車両の正面が向いている方向である車両方位を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、基本制御部101は、各処理部からの要求に応じて、計時開始、計時停止、計時初期化を行い、計時開始からの経過時間をタイマー値として出力する。また、現在地またはユーザから指示された出発地と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索し、推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0042】
入力受付部102は、入力前処理部104またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容を基本制御部101へ送信する。
【0043】
出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0044】
入力前処理部104は、タッチパネル51から受け付けた入力に関する情報、すなわちイベントの情報を受け付けて、振動検出部105から受け付けた振動の情報に応じてイベントの除外(キャンセル)処理等を行い、有効な入力に関する情報を演算処理部1の入力受付部102へ出力する。
【0045】
振動検出部105は、振動センサ12により検出された振動を特定する情報の出力を受け付け、当該振動に係る情報を入力前処理部104へ出力する。具体的には、振動検出部105は、振動検出部105により検出したX軸、Y軸、Z軸方向のそれぞれについての振動を特定する情報である加速度の情報を受け付けて、入力前処理部104に対して振動量を特定する情報を出力するとともに、当該振動量の変化を特定する情報、例えば加速度を時間微分した値を特定して、振動検出部105へ出力する。なお、以降、本実施形態においては、振動検出部105が出力する加速度の情報を振動量といい、加速度を時間微分した情報を振動変化量というものとする。
【0046】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、入力前処理部104、振動検出部105は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0047】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0048】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0049】
[動作の説明]次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図7は、入力前処理のフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働を開始すると、開始される。
【0050】
まず、入力前処理部104は、ディスプレイ2に搭載されたタッチパネル51から、入力信号を取得する(ステップS001)。
【0051】
そして、入力前処理部104は、入力動作を特定し、イベントを発生させる(ステップS002)。具体的には、入力前処理部104は、ステップS001にて取得した信号に基づいて、あらかじめ定められた信号のパターンに応じてイベントを発生させる。例えば、入力前処理部104は、接触検知イベント、位置変化イベント、接触断イベント等のイベントを発生させる。
【0052】
そして、振動検出部105は、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれの方向について、振動量を特定する(ステップS003)。具体的には、振動検出部105は、振動センサ12からの出力信号(出力電圧)を受信して、出力電圧に応じた所定の対応付けに従い、X方向、Y方向、Z方向の振動量を示す加速度(G)の値を特定する。
【0053】
そして、入力前処理部104は、いずれかの方向の振動は所定以上であるか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、入力前処理部104は、ステップS003にて特定されたX方向、Y方向、Z方向の各振動量のうち、各方向のいずれかにあらかじめ設定された所定の閾値以上の振動量があるか否かを判定する。いずれの方向の振動量も所定の閾値以上でない場合には、入力前処理部104は、後述するステップS009へ制御を進める。
【0054】
いずれかの方向の振動量が所定の閾値以上である場合(ステップS004にて「Yes」の場合)には、入力前処理部104は、振動変化量を特定する(ステップS005)。具体的には、入力前処理部104は、振動検出部105から出力されるX方向、Y方向、Z方向のそれぞれの方向についての振動変化量を取得する。なお、上述の通り、当該振動変化量は、振動量の時間微分値等である。すなわち、振動変化量の値が所定以上である場合は、振動の変化が激しい状態であるといえる。
【0055】
そして、入力前処理部104は、いずれかの方向の振動変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS006)。具体的には、入力前処理部104は、ステップS004にて取得した振動変化量のうち、各方向のいずれかにあらかじめ設定された所定の閾値以上の振動変化量があるか否かを判定する。いずれの方向の振動変化量も所定の閾値以上でない場合には、入力前処理部104は、後述するステップS009へ制御を進める。
【0056】
いずれかの方向の振動変化量が所定の閾値以上である場合(ステップS006にて「Yes」の場合)には、入力前処理部104は、イベントの組み合わせに応じてイベントキャンセルを実施する(ステップS007)。具体的には、入力前処理部104は、ステップS002にて発生したイベントの組み合わせに応じて、キャンセル動作テーブル300の振動前後の変化321に該当するレコードを特定し、当該レコードのキャンセル実施内容323で特定されるイベントを放棄する(キャンセルする)。
【0057】
そして、入力前処理部104は、未キャンセルのイベントがあるか否かを判定する(ステップS008)。具体的には、入力前処理部104は、ステップS002にて発生したイベントのうち、ステップS007で放棄されなかったイベントが残存するか否かを判定する。未キャンセルイベントが残存しない場合には、入力前処理部104は、ステップS001に制御を戻す。
【0058】
未キャンセルイベントが残存する場合(ステップS008にて「Yes」の場合)には、入力受付部102は、残存するイベントの入力を受け付ける(ステップS009)。具体的には、入力受付部102は、ステップS002にて発生したイベントのうち、ステップS007によりキャンセルされなかったイベントを入力前処理部104から受け取り、入力情報として有効に取り扱う。そして、入力前処理部104は、ステップS001へ制御を戻す。
【0059】
以上が、入力前処理の処理フローである。入力前処理によれば、振動発生時においてタッチパネル51への入力情報を、入力の種類に応じて適切にキャンセルすることができる。そのため、より簡易な方法で、誤操作の発生をより少なくすることができるといえる。
【0060】
図8は、入力前処理にて用いる振動変化量の閾値を設定する変化量閾値設定処理の処理フローを示す図である。入力前処理では、振動量が所定以上である場合に、振動量の時間についての変化量を求め、当該変化量が閾値以上である場合に、入力イベントのキャンセルを行っている。当該閾値を設定するのが、変化量閾値設定処理である。変化量閾値設定処理は、ナビゲーション装置100が起動すると開始される。
【0061】
まず、入力前処理部104は、所定以上の振動が継続している状況であるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、入力前処理部104は、直近の所定時間内(例えば、振動検出部105からの出力周期を10ミリ秒単位とした場合に、50ミリ秒内等)の振動検出部105から出力された振動量が、X方向、Y方向、Z方向のいずれかの方向が、所定以上の振動が継続している状態にあるか否かを判定する。いずれの方向も所定以上の振動が継続している状態にない場合、入力前処理部104は、ステップS101に制御を戻す。
【0062】
X方向、Y方向、Z方向のいずれかの方向について、所定以上の振動が継続している状態である場合(ステップS101にて「Yes」の場合)には、入力前処理部104は、タイマーを起動する(ステップS102)。具体的には、入力前処理部104は、基本制御部101に計時の開始を依頼する。
【0063】
そして、入力前処理部104は、変化量閾値をタイマー値に応じて設定する(ステップS103)。具体的には、入力前処理部104は、基本制御部101から経過時間であるタイマー値tを取得し、下式(1)により変化量閾値Y1を算出し、変化量閾値として入力前処理で使用できるよう設定する。
【0064】
変化量閾値Y1=係数p×タイマー値t+原変化量閾値Y0・・・式(1)
【0065】
なお、式(1)において、係数pおよび原変化量閾値Y0は、所定の定数であるものとし、係数pは0より大きい値であるものとする。
【0066】
すなわち、式(1)によると、変化量閾値Y1は、経過時間に応じて徐々に変化量の閾値が高く設定される。これは、すなわち、同じような振動が継続する場合に、操作者が慣れてキャンセルの必要性が下がることを想定しているためである。
【0067】
そして、入力前処理部104は、所定以上の振動が継続している状況であるか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、入力前処理部104は、直近の所定時間内(例えば、振動検出部105からの出力周期を10ミリ秒単位とした場合に、50ミリ秒内等)の振動検出部105から出力された振動量が、X方向、Y方向、Z方向のいずれかの方向が、所定以上の振動が継続している状態にあるか否かを判定する。いずれかの方向について、所定以上の振動が継続している状態である場合、入力前処理部104は、ステップS103に制御を戻す。
【0068】
X方向、Y方向、Z方向のいずれの方向も所定以上の振動が継続していない状態である場合(ステップS104にて「No」の場合)には、入力前処理部104は、タイマーを停止しリセットする(ステップS105)。具体的には、入力前処理部104は、基本制御部101に計時の停止および初期化を依頼する。
【0069】
そして、入力前処理部104は、変化量閾値Y1に原変化量閾値Y0を設定する(ステップS106)。すなわち、入力前処理部104は、経過時間に応じて高められた変化量閾値を基本の値に戻す。そして、入力前処理部104は、制御をステップS101へ戻す。
【0070】
以上が、変化量閾値設定処理の処理フローである。変化量閾値設定処理によれば、振動が続く場合に、経過時間に応じて徐々に変化量の閾値が高く設定することができる。
【0071】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。
【0072】
本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、より簡易な方法で、誤操作の発生をより少なくすることができる。より具体的には、ナビゲーション装置100は、より簡易な方法で、振動時の誤入力を回避することが可能である。
【0073】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記第一の実施形態の入力前処理においては、入力された情報から発生されたイベントを、発生したイベントの種類に応じてキャンセルする処理を行っているが、これに限られず、イベントを発生させずに、振動が発生した時点の前後の入力情報をキャンセルするようにしてもよい。このように変形すると、より演算処理量が少なく、応答性を高めることができるようになる。
【0074】
また、上記第一の実施形態においては、X方向、Y方向、Z方向の3つの方向について振動を検知しているが、これに限られない。すなわち、予測しにくい上下方向の振動に絞り込んで検知するようにしてもよい。このようにすることで、振動センサをより簡易なものとすることができる。
【0075】
また、上記第一の実施形態においては、イベントの発生と、イベントのキャンセルを一つの処理フロー内で実現しているが、これに限られず、例えば、複数の同期するプロセスや複数の同期するスレッドにより並列的に処理するようにしてもよい。
【0076】
さらに、上記第一の実施形態およびその変形として記載されたそれぞれの発明技術の全てあるいはいくつかを組み合わせてもよい。
【0077】
以上、本発明について、第一の実施形態に基づいて説明した。
【0078】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、振動環境下で使用される入力装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・振動センサ、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・入力前処理部、105・・・振動検出部、200・・・リンクテーブル、300・・・キャンセル動作テーブル
図1
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図8