特許第5814314号(P5814314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジクラの特許一覧

特許5814314光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法
<>
  • 特許5814314-光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法 図000002
  • 特許5814314-光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法 図000003
  • 特許5814314-光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法 図000004
  • 特許5814314-光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法 図000005
  • 特許5814314-光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5814314
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月17日
(54)【発明の名称】光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20151029BHJP
   G02B 6/255 20060101ALI20151029BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20151029BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20151029BHJP
   B23K 26/064 20140101ALI20151029BHJP
【FI】
   G02B6/26
   G02B6/255
   H01S3/067
   H01S3/10 D
   B23K26/064 K
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-166863(P2013-166863)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-34942(P2015-34942A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2014年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(74)【代理人】
【識別番号】100129296
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 弘範
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−141073(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/038761(WO,A1)
【文献】 特許第5216151(JP,B2)
【文献】 特開2009−230080(JP,A)
【文献】 特開平09−218319(JP,A)
【文献】 特開平04−361204(JP,A)
【文献】 特開2012−129426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00− 6/54
H01S 3/00− 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力用光ファイバと、
出力用光ファイバと、
前記複数の入力用光ファイバ及び前記出力用光ファイバの間に設けられ、互いに光学的に結合される複数のブリッジファイバと
を備え、
前記複数のブリッジファイバは、それぞれ、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有するとともに、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部を有し、
前記複数のブリッジファイバそれぞれにおける前記クラッドの外径に対する前記コアの外径の比は、入力用光ファイバから離れて位置するブリッジファイバほど小さく、
前記複数のブリッジファイバのうち前記出力用光ファイバが結合されるブリッジファイバと、前記出力用光ファイバとは融着接続される
ことを特徴とする光コンバイナ。
【請求項2】
複数の入力用光ファイバと、
出力用光ファイバと、
前記複数の入力用光ファイバ及び前記出力用光ファイバの間に設けられ、互いに光学的に結合される複数のブリッジファイバと
を備え、
前記複数のブリッジファイバは、それぞれ、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部を有し、
前記複数のブリッジファイバのうち前記複数の入力用光ファイバが結合されるブリッジファイバは、その全体が光を伝搬するものとされ、当該ブリッジファイバ以外の2以上のブリッジファイバは、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有し、
前記2以上のブリッジファイバそれぞれにおける前記クラッドの外径に対する前記コアの外径の比は、入力用光ファイバから離れて位置するブリッジファイバほど小さく、
前記2以上のブリッジファイバのうち前記出力用光ファイバが結合されるブリッジファイバと、前記出力用光ファイバとは融着接続される
ことを特徴とする光コンバイナ。
【請求項3】
前記コアと前記クラッドとの屈折率差は前記入力用光ファイバから離れて位置するブリッジファイバほど大きい
ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の光コンバイナ。
【請求項4】
前記出力用光ファイバと融着接続されるブリッジファイバの出力端面のコア外径が、前記出力用光ファイバのコア外径よりも小さい
ことを特徴とする請求項1〜請求項いずれか1項に記載の光コンバイナ。
【請求項5】
請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光コンバイナと、
前記入力用光ファイバにレーザ光を照射するレーザ光源と
を備えることを特徴とするレーザ装置。
【請求項6】
複数の入力用光ファイバの出力端面と第1のブリッジファイバの入力端面とを融着する第1の融着工程と、
出力用光ファイバの入力端面と第2のブリッジファイバの出力端面とを融着する第2の融着工程と、
前記第1のブリッジファイバと前記第2のブリッジファイバとを光学的に結合する結合工程と
を備え、
前記第1のブリッジファイバ及び前記第2のブリッジファイバを少なくとも含む複数のブリッジファイバは、それぞれ、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有するとともに、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部を有し、
前記複数のブリッジファイバそれぞれにおける前記クラッドの外径に対する前記コアの外径の比は、入力用光ファイバから離れて位置するブリッジファイバほど小さい
ことを特徴とする光コンバイナの製造方法。
【請求項7】
複数の入力用光ファイバの出力端面と第1のブリッジファイバの入力端面とを融着する第1の融着工程と、
出力用光ファイバの入力端面と第2のブリッジファイバの出力端面とを融着する第2の融着工程と、
前記第1の融着工程を経た第1のブリッジファイバと、前記第2の融着工程を経た第2のブリッジファイバとを、1又は2以上の他のブリッジファイバを介して光学的に結合する結合工程と
を備え、
前記第1のブリッジファイバ前記第2のブリッジファイバ及び前記他のブリッジファイバは、それぞれ、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部を有し、
前記第1のブリッジファイバは、その全体が光を伝搬するものとされ、前記第2のブリッジファイバ及び前記他のブリッジファイバは、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有し
前記第2のブリッジファイバにおける前記クラッドの外径に対する前記コアの外径の比は、前記他のブリッジファイバにおける前記クラッドの外径に対する前記コアの外径の比よりも小さい
ことを特徴とする光コンバイナの製造方法。
【請求項8】
前記結合工程では、前記第1のブリッジファイバと前記第2のブリッジファイバとが直接結合される
ことを特徴とする請求項に記載の光コンバイナの製造方法。
【請求項9】
前記結合工程では、前記第1のブリッジファイバと前記第2のブリッジファイバとが、前記コア及び前記クラッドを有する1又は2以上の他のブリッジファイバを介して結合される
ことを特徴とする請求項に記載の光コンバイナの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のレーザ光源から出射される光を1本の光ファイバに結合させる光コンバイナとして、例えば下記特許文献1が提案されている。
【0003】
この特許文献1のマルチポートカプラでは、中心の信号用ファイバ5とその周囲に配された複数本の励起用ファイバ4とが一体化され且つ先端側が縮径されている。そして、中心に位置する信号用ファイバ5のコア6周辺に同心円状に該コア6よりも大きな外径を有し、クラッド8よりも屈折率が高くコア6よりも屈折率が小さい放射光閉じ込め導波路部7が設けられている。
【0004】
この放射光閉じ込め導波路部7は、縮径側の端部に接続されるクラッドポンプファイバ3との接続部分において、そのクラッドポンプファイバ3のコアから漏れる戻り光を閉じ込めることで、当該戻り光に起因する励起光源の破損を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5089950号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記励起用ファイバ4及び信号用ファイバ5を束ねるマルチポートカプラの出力端に接続される光ファイバにおいては、一般的に、機械特性に優れた構造とするためクラッドを一定以上の外径とした上で、シングルモードの条件を充足させるためにコアの外径を小さくする必要がある。したがって、マルチポートカプラにおける非縮径側端面の外径が大きくなる傾向にある。
【0007】
一方、マルチポートカプラの縮径側端面の外径においては、ビーム密度の高いレーザ光を出力することが要求されるため小さくなる傾向にある。
【0008】
このように、上記特許文献1のマルチポートカプラでは非縮径側と縮径側の径差が大きくなる傾向にあり、当該径差が大きくなるほどマルチポートカプラの縮径部が歪み易くなる等の問題が生じる傾向が高くなり、信頼性が懸念される。
【0009】
そこで、本発明は、信頼性を向上し得る光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明の光コンバイナは、複数の入力用光ファイバと、出力用光ファイバと、前記複数の入力用光ファイバ及び前記出力用光ファイバの間に設けられ、互いに光学的に結合される複数のブリッジファイバとを備え、前記複数のブリッジファイバは、それぞれ、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有するとともに、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部を有し、前記複数のブリッジファイバそれぞれにおける前記クラッドの外径に対する前記コアの外径の比は、入力用光ファイバから離れて位置するブリッジファイバほど小さいことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の光コンバイナは、複数の入力用光ファイバと、出力用光ファイバと、前記複数の入力用光ファイバ及び前記出力用光ファイバの間に設けられ、互いに光学的に結合される複数のブリッジファイバとを備え、前記複数のブリッジファイバは、それぞれ、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部を有し、前記複数のブリッジファイバのうち前記複数の入力用光ファイバが結合されるブリッジファイバは、その全体が光を伝搬するものとされ、当該ブリッジファイバ以外の1又は2以上のブリッジファイバは、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有することを特徴とする。
【0012】
このような光コンバイナでは、クラッドの外径に対するコアの外径の比が同じ状態の1つのブリッジファイバを上記複数のブリッジファイバに代えて用いる場合に比べて、複数の入力用光ファイバが結合されるブリッジファイバの入力端面と、出力用光ファイバが結合されるブリッジファイバの出力端面との径差を低減することができる。このため、ブリッジファイバのテーパ部の歪みを低減することができる。
また、クラッドの外径に対するコアの外径の比が同じ状態の1つのブリッジファイバを上記複数のブリッジファイバに代えて用いる場合に比べて、出力用光ファイバと結合されるブリッジファイバの出力端面でのクラッドの外径に対するコアの外径の比を小さくすることができる。このため、ブリッジファイバと出力用光ファイバとをより強固に結合することができる。
こうして、光コンバイナの信頼性を向上することが実現される。
【0013】
また、前記複数の入力用光ファイバが結合されるブリッジファイバ以外のブリッジファイバは、2以上であり、前記2以上のブリッジファイバそれぞれにおける前記クラッドの外径に対する前記コアの外径の比は、入力用光ファイバから離れて位置するブリッジファイバほど小さいことが好ましい。
【0014】
このようにした場合、複数の入力用光ファイバが結合されるブリッジファイバ以外のブリッジファイバが1つである場合に比べて、出力用光ファイバと結合されるブリッジファイバの出力端面でのクラッドの外径に対するコアの外径の比を、より一段と小さくできる。このため、ブリッジファイバと出力用光ファイバとの結合をより一段と強化することができる。
【0015】
また、前記コアと前記クラッドとの屈折率差は前記入力用光ファイバから離れて位置するブリッジファイバほど大きいことが好ましい。
【0016】
このようにした場合、ブリッジファイバを伝搬する光のモード数を、入力用光ファイバ側から離れるほど大きくすることができるため、隣接するブリッジファイバの接続部分からの光の漏れをより一段と抑制することができる。
【0017】
また、前記複数のブリッジファイバにおいて隣接するブリッジファイバでは、入力用光ファイバ側に位置するブリッジファイバの出力端面のコア外径が、出力用光ファイバ側に位置するブリッジファイバの入力端面のコア外径よりも小さいことが好ましい。
【0018】
このようにした場合、隣接するブリッジファイバの接続部分からの光の漏れをより一段と抑制することができる。
【0019】
また、本発明のレーザ装置は、上記いずれかに記載の光コンバイナと、前記入力用光ファイバにレーザ光を照射するレーザ光源とを備えることを特徴とする。
【0020】
このようなレーザ装置によれば、上述したように信頼性を向上し得る光コンバイナが備えられている。このため、レーザ装置の信頼性を向上することが実現される。
【0021】
また、本発明の光コンバイナの製造方法は、複数の入力用光ファイバの出力端面と第1のブリッジファイバの入力端面とを融着する第1の融着工程と、出力用光ファイバの入力端面と第2のブリッジファイバの出力端面とを融着する第2の融着工程と、前記第1のブリッジファイバと前記第2のブリッジファイバとを光学的に結合する結合工程とを備え、前記第1のブリッジファイバ及び前記第2のブリッジファイバは、それぞれ、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の光コンバイナの製造方法は、複数の入力用光ファイバの出力端面と第1のブリッジファイバの入力端面とを融着する第1の融着工程と、出力用光ファイバの入力端面と第2のブリッジファイバの出力端面とを融着する第2の融着工程と、前記第1のブリッジファイバと前記第2のブリッジファイバとを光学的に結合する結合工程とを備え、前記第1のブリッジファイバ及び前記第2のブリッジファイバは、それぞれ、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部を有し、前記第1のブリッジファイバは、その全体が光を伝搬するものとされ、前記第2のブリッジファイバは、コア及び前記コアの外周面を囲うクラッドを有することを特徴とする。
【0023】
このような光コンバイナの製造方法では、複数の入力用光ファイバに第1のブリッジファイバが融着され、出力用光ファイバに第2のブリッジファイバが融着された後、当該第1のブリッジファイバと第2のブリッジファイバとが光学的に結合される。このため、第1のブリッジファイバ及び第2のブリッジファイバに触れることなく、当該ブリッジファイバに融着される入力用光ファイバ又は出力用光ファイバを持ってブリッジファイバ同士の光軸を調整することができる。
したがって、ブリッジファイバに傷や汚れがつくことを防止することができる。また、入力用光ファイバ又は出力用光ファイバに対して、第1のブリッジファイバと第2のブリッジファイバとを順次融着していく場合に比べると、特別な治具がなくても、テーパ部がブリッジファイバの長さ方向全体にわたって有していたとしても、ブリッジファイバ同士の接続部における角度折れを生じ難することが可能となる。
こうして、光コンバイナの信頼性を向上し得る光コンバイナの製造方法が実現される。
【0024】
また、前記結合工程では、前記第1のブリッジファイバと前記第2のブリッジファイバとが直接結合されるようにすることができる。また、前記結合工程では、前記第1のブリッジファイバと前記第2のブリッジファイバとが、前記コア及び前記クラッドを有する1又は2以上の他のブリッジファイバを介して結合されるようにすることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明によれば、信頼性を向上し得る光コンバイナ、及び、それを用いたレーザ装置、並びに、光コンバイナの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態におけるレーザ装置を示す図である。
図2】第1実施形態における光コンバイナの断面の様子を示す図である。
図3】光コンバイナの製造方法を示すフローチャートである。
図4】光コンバイナの製造方法における融着工程の様子を示す図である。
図5】第2実施形態における光コンバイナを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しながらそれぞれ詳細に説明する。
【0028】
(1)第1実施形態
図1は、第1実施形態におけるレーザ装置1を示す図である。図1に示すように、本実施形態におけるレーザ装置1は、複数のレーザ光源2と、光コンバイナ3とを主な構成要素として備える。
【0029】
レーザ光源2は、レーザ光を出射するものであり、例えば、レーザダイオード、あるいは、ファブリペロー型やファイバリング型のファイバレーザとされる。
【0030】
光コンバイナ3は、複数の入力用光ファイバ10と、出力用光ファイバ20と、第1のブリッジファイバ(以下第1ブリッジファイバという)40と、第2のブリッジファイバ(以下第2ブリッジファイバという)50とを主な構成要素として備える。
【0031】
図2は、第1実施形態における光コンバイナ3の断面の様子を示す図である。図2に示すように、入力用光ファイバ10は、レーザ光源2から出射されるレーザ光を第1ブリッジファイバ40に入力するための光ファイバであり、レーザ光源の数と同じ数とされる。各入力用光ファイバ10は、コア11と、当該コア11の外周面を囲うクラッド12と、当該クラッド12を被覆する被覆層13とを有する。
【0032】
コア11の屈折率はクラッド12の屈折率よりも高くされる。例えば、純粋な石英でコア11が構成され、屈折率を低下させるフッ素等のドーパントが添加された石英でクラッド12が構成される。
【0033】
出力用光ファイバ20は、第2ブリッジファイバ50から出射されるレーザ光を後段に出力するための光ファイバであり、コア21と、当該コア21の外周面を囲うクラッド22と、当該クラッド22を被覆する被覆層23とを有する。
【0034】
コア21の屈折率はクラッド22の屈折率よりも高くされる。例えば、純粋な石英でコア21が構成され、屈折率を低下させるフッ素等のドーパントが添加された石英でクラッド22が構成される。
【0035】
第1ブリッジファイバ40及び第2ブリッジファイバ50は、複数の入力用光ファイバ10と出力用光ファイバ20との間に設けられ、互いに光学的に結合される。また、入力用光ファイバ10側に位置する前段の第1ブリッジファイバ40は、各入力用光ファイバ10と光学的に結合され、出力用光ファイバ20側に位置する後段の第2ブリッジファイバ50は、当該出力用光ファイバ20と光学的に結合される。
【0036】
第1ブリッジファイバ40はコア−クラッド構造を有しておらず、当該ブリッジファイバ40全体が光を伝搬する部位とされる。
【0037】
第1ブリッジファイバ40の屈折率は、特に限定されるものではないが、入力用光ファイバ10から入射する光の反射を低減する観点では、当該入力用光ファイバ10におけるコア11の屈折率と同程度とであることが好ましい。例えば、純粋な石英で第1ブリッジファイバ40が構成される。
【0038】
また第1ブリッジファイバ40は、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部40Aを有する。本実施形態における第1ブリッジファイバ40では、入力端と出力端との間の途中位置から出力端にわたる部分がテーパ部40Aとされ、当該入力端から途中位置にわたる部分が、ブリッジファイバ40の長さ方向に沿って外径が一定の径一定部40Bとされる。
【0039】
テーパ部40Aと径一定部40Bとは一体に成形されており、当該テーパ部40Aの大径側端面の外径と径一定部40Bの外径とは一致している。すなわち、ブリッジファイバ40の入力端面の外径はテーパ部40Aの大径側端面の外径と一致し、当該ブリッジファイバ40において最も大きい。一方、ブリッジファイバ40の出力端面はテーパ部40Aの小径側端面であり、その出力端面の外径はブリッジファイバ40において最も小さい。
【0040】
このような第1ブリッジファイバ40における入力端面は、各入力用光ファイバ10の出力端面におけるコア11及びクラッド12と融着される。
【0041】
第2ブリッジファイバ50は、コア51と、当該コア51を被覆するクラッド52とを有する。すなわち、第2ブリッジファイバ50では、当該第2ブリッジファイバ50の芯層であるコア51が光を伝搬する部位とされる。
【0042】
コア51の屈折率はクラッド52の屈折率よりも高くされる。例えば、純粋な石英でコア51が構成され、屈折率を低下させるフッ素等のドーパントが添加された石英でクラッド52が構成される。なお、コア51の屈折率は、第1ブリッジファイバ40から入射する光の反射を抑制する観点では、当該第1ブリッジファイバ40の屈折率と同程度とされることが好ましい。例えば、純粋な石英でコア51が構成される。
【0043】
この第2ブリッジファイバ50は、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部50Aを有する。本実施形態における第2ブリッジファイバ50では、第1ブリッジファイバ40と同様に、入力端と出力端との間の途中位置から出力端にわたる部分がテーパ部50Aとされ、当該入力端から途中位置にわたる部分が径一定部50Bとされる。
【0044】
この第2ブリッジファイバ50における入力端面の外径はテーパ部50Aの大径側端面の外径(クラッド外径)と一致しており、当該入力端面におけるコア外径は第1ブリッジファイバ40における出力端面(テーパ部40Aの小径側端面)の外径よりも大きくされる。
【0045】
このような第2ブリッジファイバ50における入力端面のコア51は第1ブリッジファイバ40における出力端面を含む状態で、当該入力端面と出力端面とが融着される。
【0046】
一方、第2ブリッジファイバ50における出力端面はテーパ部50Aの小径側端面であり、当該出力端面におけるコア外径は、出力用光ファイバ20の入力端面におけるコア外径よりも小さくされる。
【0047】
このような第2ブリッジファイバ50における出力端面のコア51は出力用光ファイバ20の入力端面におけるコア21に含まれる状態で、当該出力端面と入力端面とが融着される。
【0048】
なお、各入力用光ファイバ10において第1ブリッジファイバ40と融着される一端部分の被覆層13は剥離され、出力用光ファイバ20において第2ブリッジファイバ50と融着される一端部分の被覆層23は剥離される。
【0049】
次に、上述の光コンバイナ3の製造方法に関して図3及び図4を用いて説明する。図3は、光コンバイナ3の製造方法を示すフローチャートである。図4は、光コンバイナ3の製造方法における融着工程の様子を示す図である。
【0050】
図3に示すように、光コンバイナ3の製造方法は、準備工程P1、第1融着工程P2、第2融着工程P3及び結合工程P4を主な工程として備える。
【0051】
準備工程P1は、光コンバイナ3の構成要素である複数の入力用光ファイバ10と、出力用光ファイバ20と、第1ブリッジファイバ40と、第2ブリッジファイバ50とを準備する工程である。
【0052】
なお、第1ブリッジファイバ40は、例えば、ロッド状のガラス体を加熱し、当該ガラス体の一端を延伸することで得ることができる。また、第2ブリッジファイバ50は、例えば、コア及びコアの外周面を囲うロッド状の光ファイバを加熱し、当該光ファイバの一端を延伸することで得ることができる。
【0053】
第1融着工程P2は、図4の(A)に示すように、複数の入力用光ファイバ10の出力端面と第1ブリッジファイバ40の入力端面とを融着する工程である。
【0054】
この第1融着工程P2では、第1ブリッジファイバ40の入力端面において互いに隣接する入力用光ファイバ10のコア間の距離が同程度となる状態で、当該入力用光ファイバ10の出力端面と第1ブリッジファイバ40の入力端面とを融着することが好ましい。
【0055】
第2融着工程P3は、図4の(B)に示すように、出力用光ファイバ20の入力端面と第2ブリッジファイバ50の出力端面とを融着する工程である。
【0056】
この第2融着工程P3では、出力用光ファイバ20の入力端面におけるコア21に第2ブリッジファイバ50の出力端面におけるコア51が含まれる状態で、当該出力端面と入力端面とが融着される。なお、図4の(B)における一点鎖線で示すように、第2ブリッジファイバ50のコア51と、出力用光ファイバ20のコア21との光軸が一致していることが好ましい。
【0057】
本実施形態では第1融着工程P2が最初に行われた後に第2融着工程P3が行われているが、当該第2融着工程P3が最初に行われた後に第1融着工程P2が行われていても良い。
【0058】
結合工程P4は、第1融着工程P2を経た第1ブリッジファイバ40と、第2融着工程P3を経た第2ブリッジファイバ50とを光学的に結合する工程である。
【0059】
本実施形態の場合、この結合工程P4では、第1ブリッジファイバ40と第2ブリッジファイバ50とが直接融着される。すなわち、第2ブリッジファイバ50の入力端面に第1ブリッジファイバ40における出力端面(テーパ部40Aの小径側端面)が含まれる状態で、当該出力端面と入力端面とが融着される。なお、図4の(A)における一点鎖線で示す第1ブリッジファイバ40の光軸と、図4の(B)における一点鎖線で示す第2ブリッジファイバ50のコア51の光軸とが一致していることが好ましい。
【0060】
このように、光コンバイナ3の製造方法では、複数の入力用光ファイバ10に第1ブリッジファイバ40が融着され、出力用光ファイバ20に第2ブリッジファイバ50が融着された後に、当該第1ブリッジファイバ40と第2ブリッジファイバ50とが融着される。
【0061】
このため、第1ブリッジファイバ40及び第2ブリッジファイバ50に触れることなく、当該ブリッジファイバに融着される入力用光ファイバ10又は出力用光ファイバ20を持ってブリッジファイバ同士の光軸を調整することができる。
【0062】
したがって、第1ブリッジファイバ40及び第2ブリッジファイバ50に傷や汚れがつくことを防止しつつ、信頼性を向上し得る光コンバイナ3の提供が可能となる。更に、ブリッジファイバ同士を接続する際に、第1ブリッジファイバのテーパ部40A又は第2ブリッジファイバ50のテーパ部50Aを把持してブリッジファイバ同士の光軸を調整する必要がない。このため、入力用光ファイバ10又は出力用光ファイバ20に対して、第1ブリッジファイバ40と第2ブリッジファイバ50とを順次融着して行く場合に比べると、特別な治具がなくても、ブリッジファイバ同士の接続部における角度折れを生じ難くすることが可能となる。
【0063】
なお、テーパ部40Aが第1ブリッジファイバ40の長さ方向全体にわたって有しているとともに、テーパ部50Aが第2ブリッジファイバ50の長さ方向全体にわたって有していた場合、当該テーパ部40A及び50Aを持って光軸の調整がし難くなる。したがって、このような場合に入力用光ファイバ10又は出力用光ファイバ20を持ってブリッジファイバ同士の光軸を調整することができることは、ブリッジファイバ同士の接続部における角度折れを生じ難くする観点では特に有用となる。
【0064】
以上の製造方法によって図2に示したような光コンバイナ3が製造される。この光コンバイナ3では、複数の入力用光ファイバ10と出力用光ファイバ20との間に、互いに光学的に結合された第1ブリッジファイバ40及び第2ブリッジファイバ50が設けられることとなる。
【0065】
この第1ブリッジファイバ40におけるクラッド42の外径に対するコア41の外径の比は、第2ブリッジファイバ50におけるクラッド52の外径に対するコア51の外径の比よりも大きい。すなわち、クラッドの外径に対するコアの外径の比は、入力用光ファイバ10から離れて位置するブリッジファイバほど小さい。なお、クラッドの外径に対するコアの外径の比とは、コアの外径をAとしクラッドの外径をBとした場合、A/Bのことである。
【0066】
したがって、クラッドの外径に対するコアの外径の比が同じ状態の1つのブリッジファイバを第1ブリッジファイバ40及び第2ブリッジファイバ50に代えて用いる場合に比べて、複数の入力用光ファイバ10が結合される第1ブリッジファイバ40の入力端面と、出力用光ファイバ20が結合される第2ブリッジファイバ50の出力端面との径差を低減することができる。このため、第1ブリッジファイバ40のテーパ部40A及び第2ブリッジファイバ50のテーパ部50Aの歪みを低減することができる。
【0067】
また、クラッドの外径に対するコアの外径の比が同じ状態の1つのブリッジファイバを第1ブリッジファイバ40及び第2ブリッジファイバ50に代えて用いる場合に比べて、出力用光ファイバ20と結合される第2ブリッジファイバ50の出力端面でのクラッド52の外径に対するコア51の外径の比を小さくすることができる。このため、第2ブリッジファイバ50と出力用光ファイバ20とをより強固に結合することができる。
【0068】
さらに、クラッドの外径に対するコアの外径の比が同じ状態の1つのブリッジファイバを第1ブリッジファイバ40及び第2ブリッジファイバ50に代えて用いる場合に比べて、複数の入力用光ファイバ10が接続される第1ブリッジファイバ40でのクラッド42の外径に対するコア41の外径の比を大きくすることができる。このため、入力用光ファイバ10から第1ブリッジファイバ40に入射する光の漏れを抑制することができる。
【0069】
こうして、信頼性を向上し得る光コンバイナ3及び光コンバイナの製造方法が実現される。また、このような光コンバイナ3を備えているレーザ装置1の信頼性も向上することができる。
【0070】
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。ただし、第2実施形態の構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0071】
図5は、第2実施形態における光コンバイナを示す図である。図5に示すように、本実施形態の光コンバイナは、2段のブリッジファイバそれぞれをコア−クラッド構造とした点で、第1実施形態と異なる。
【0072】
すなわち、本実施形態の光コンバイナは、第1実施形態における第1ブリッジファイバ40に代えて、コア61及びそのコア61の外周面を囲うクラッド62を有する第1ブリッジファイバ60を備える。
【0073】
コア61の屈折率はクラッド62の屈折率よりも高くされる。コア61とクラッド62との屈折率差は、第2ブリッジファイバ50におけるコア51とクラッド52との屈折率差よりも小さくされる。
【0074】
また、この第1ブリッジファイバ60は、第1実施形態における第1ブリッジファイバ40と同様に、出力端に向かうにしたがって外径が縮まるテーパ部60Aと、第1ブリッジファイバ60の長さ方向に沿って外径が一定の径一定部60Bとで構成される。
【0075】
第1ブリッジファイバ60における入力端面の外径はテーパ部60Aの大径側端面の外径(クラッド外径)と一致し、当該入力端面におけるコア61は各入力用光ファイバ10の出力端面におけるコア11及びクラッド12と融着される。
【0076】
一方、第1ブリッジファイバ60における出力端面の外径はテーパ部60Aの小径側端面であり、当該出力端面におけるコア61のコア外径は第2ブリッジファイバ50の入力端面におけるコア51のコア外径よりも小さくされる。そして、第2ブリッジファイバ50の入力端面のコア51に第1ブリッジファイバ60の出力端面のコア61が含まれる状態で、当該入力端面と出力端面とが融着される。
【0077】
本実施形態における光コンバイナでは、第1ブリッジファイバ60におけるクラッド62の外径に対するコア61の外径の比は、第2ブリッジファイバ50におけるクラッド52の外径に対するコア51の外径の比よりも大きくされる。
【0078】
このような第2実施形態における光コンバイナは、上記第1実施形態で上述した準備工程P1、第1融着工程P2、第2融着工程P3及び結合工程P4を経て製造される。
【0079】
準備工程P1では、複数の入力用光ファイバ10と、出力用光ファイバ20と、第1ブリッジファイバ60と、第2ブリッジファイバ50とが準備される。
【0080】
なお、第1ブリッジファイバ60は、例えば第2ブリッジファイバ50と同様に、コア及びコアの外周面を囲うロッド状の光ファイバを加熱し、当該光ファイバの一端を延伸することで得ることができる。
【0081】
第1融着工程P2では、上記第1実施形態で上述した場合と同様にして複数の入力用光ファイバ10の出力端面と第1ブリッジファイバ60の入力端面とが融着される。また、第2融着工程P3では、上記第1実施形態で上述した場合と同様にして出力用光ファイバ20の入力端面と第2ブリッジファイバ50の出力端面とが融着される。
【0082】
そして、結合工程P4では第1融着工程P2を経た第1ブリッジファイバ60と、第2融着工程P3を経た第2ブリッジファイバ50とが光学的に結合される。本実施形態の場合、上記第1実施形態の場合と同様に、第1ブリッジファイバ60と第2ブリッジファイバ50とが接融着される。
【0083】
すなわち、第2ブリッジファイバ50の入力端面に第1ブリッジファイバ40における出力端面(テーパ部40Aの小径側端面)が含まれる状態で、当該出力端面と入力端面とが融着される。なお、第1ブリッジファイバ60と第2ブリッジファイバ50との光軸が一致していることが好ましい。
【0084】
このように、本実施形態の光コンバイナの製造方法では、複数の入力用光ファイバ10に第1ブリッジファイバ60が融着され、出力用光ファイバ20に第2ブリッジファイバ50が融着された後に、当該第1ブリッジファイバ60と第2ブリッジファイバ50とが融着される。
【0085】
したがって、上記第1実施形態の場合と同様に、第1ブリッジファイバ60及び第2ブリッジファイバ50に傷や汚れがつくことを防止することができる。また、入力用光ファイバ10又は出力用光ファイバ20に対して、第1ブリッジファイバ60と第2ブリッジファイバ50とを順次融着して行く場合に比べると、特別な治具がなくても、ブリッジファイバ同士の接続部における角度折れを生じ難くすることが可能となる。
【0086】
以上の製造方法によって図5に示したような光コンバイナが製造される。この光コンバイナでは、複数の入力用光ファイバ10と出力用光ファイバ20との間に、互いに光学的に結合された第1ブリッジファイバ60及び第2ブリッジファイバ50が設けられることとなる。
【0087】
したがって、上記第1実施形態の場合と同様に、クラッドの外径に対するコアの外径の比が同じ状態の1つのブリッジファイバを第1ブリッジファイバ60及び第2ブリッジファイバ50に代えて用いる場合に比べて、第1ブリッジファイバ60の入力端面と、第2ブリッジファイバ50の出力端面との径差を低減することができる。このため、第1ブリッジファイバ60のテーパ部60A及び第2ブリッジファイバ50のテーパ部50Aの歪みを低減することができる。
【0088】
また本実施形態の場合、入力用光ファイバ側に位置する第1ブリッジファイバ60におけるコア61とクラッド62との屈折率差は、出力用光ファイバ側に位置する第2ブリッジファイバ50におけるコア51とクラッド52との屈折率差よりも小さくされる。いいかえると、入力用光ファイバ10から離れて位置するブリッジファイバほど屈折率差が大きくされる。
【0089】
このため、第1ブリッジファイバ60を伝搬する光のモード数に比べて、第2ブリッジファイバ50を伝搬する光のモード数を大きくすることができる。したがって、隣接する第1ブリッジファイバ60と第2ブリッジファイバ50との接続部分からの光の漏れをより一段と抑制することができる。
【0090】
さらに本実施形態の場合、入力用光ファイバ側に位置する第1ブリッジファイバ60の出力端面のコア外径が、出力用光ファイバ側に位置する第2ブリッジファイバ50の入力端面のコア外径よりも小さくされる。このため、第1ブリッジファイバ60と第2ブリッジファイバ50との接続部分からの光の漏れをより一段と抑制することができる。
【0091】
(3)変形例
以上、第1実施形態及び第2実施形態が一例として説明された。しかしながら本発明は上記実施形態に限定されるものではない
【0092】
例えば、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、テーパ部と径一定部とで構成されるブリッジファイバが適用されたが、当該径一定部が省略されたブリッジファイバが適用されても良い。
【0093】
また上記第1実施形態では、最も入力用光ファイバ側に位置する第1ブリッジファイバ40は、その全体が光を伝搬するもの(コア−クラッド構造を有さないもの)とされた。また、この第1ブリッジファイバ40以外のブリッジファイバが、コア51及びクラッド52を有する1つの第2ブリッジファイバ50とされた。
しかしながら、第1ブリッジファイバ40以外のブリッジファイバとして2以上の第2ブリッジファイバ50が、第1ブリッジファイバ40と出力用光ファイバ20との間に設けられていても良い。このように第1ブリッジファイバ40と出力用光ファイバ20との間に2以上の第2ブリッジファイバ50を設ける場合、これら第2ブリッジファイバ50のコア−クラッド比は、上記第1実施形態と同様にすることが好ましい。
すなわち、2以上の第2ブリッジファイバ50それぞれにおけるクラッド52の外径に対するコア51の外径の比が、入力用光ファイバ10から離れて位置するブリッジファイバほど小さいことが好ましい。
このようにすれば、第2ブリッジファイバ50を1つとする場合に比べて、出力用光ファイバ20と結合される第2ブリッジファイバ50の出力端面でのクラッド52の外径に対するコア51の外径の比を、より一段と小さくできる。このため、第2ブリッジファイバ50と出力用光ファイバ20との結合をより一段と強化することができる。
また、2以上の第2ブリッジファイバ50におけるコア51とクラッド52との屈折率差は、入力用光ファイバ10から離れて位置するブリッジファイバほど大きいことが好ましい。
このようにすれば、入力用光ファイバ10から離れて位置する第2ブリッジファイバ50ほど、当該第2ブリッジファイバ50を伝搬する光のモード数を大きくすることができる。したがって、隣接する第2ブリッジファイバ50の接続部分からの光の漏れをより一段と抑制することができる。
さらに、2以上の第2ブリッジファイバ50において隣接する第2ブリッジファイバ50では、入力用光ファイバ側に位置する第2ブリッジファイバ50の出力端面のコア外径が、出力用光ファイバ側に位置する第2ブリッジファイバ50の入力端面のコア外径よりも小さいことが好ましい。
このようにすれば、隣接する第2ブリッジファイバ50の接続部分からの光の漏れをより一段と抑制することができる。
なお、第1ブリッジファイバ40と出力用光ファイバ20との間に2以上の第2ブリッジファイバ50を設けた光コンバイナを製造する場合、結合工程P4が変更される。すなわち、第1融着工程P2を経た第1ブリッジファイバ40と、第2融着工程P3を経た第2ブリッジファイバ50とが直接結合されるのではなく、1又は2以上の他のブリッジファイバ50を介して結合される。
【0094】
また上記第2実施形態では、入力用光ファイバ10と出力用光ファイバ20との間に、コア61及びクラッド62を有する第1ブリッジファイバ60と、コア51及びクラッド52を有する第2ブリッジファイバ50との2つのブリッジファイバが設けられた。
しかしながら、各ブリッジファイバにおけるクラッドの外径に対するコアの外径の比が、入力用光ファイバ10から離れて位置するブリッジファイバほど小さい限り、3つ以上のブリッジファイバが設けられていても良い。
このような3つ以上のブリッジファイバを入力用光ファイバ10と出力用光ファイバ20との間に設ける場合、当該ブリッジファイバにおけるコアとクラッドとの屈折率差は、上述したように、入力用光ファイバ10から離れて位置するブリッジファイバほど大きいことが好ましい。
また、3つ以上のブリッジファイバを入力用光ファイバ10と出力用光ファイバ20との間に設ける場合、上述したように、隣接するブリッジファイバでは、入力用光ファイバ側に位置するブリッジファイバの出力端面のコア外径が、出力用光ファイバ側に位置するブリッジファイバの入力端面のコア外径よりも小さいことが好ましい。
なお、3つ以上のブリッジファイバを入力用光ファイバ10と出力用光ファイバ20との間に設けた光コンバイナを製造する場合、上述したように結合工程P4が変更される。すなわち、第1融着工程P2を経た第1ブリッジファイバ60と、第2融着工程P3を経た第2ブリッジファイバ50とが直接結合されるのではなく、1又は2以上の他のブリッジファイバを介して結合される。
【0095】
また上記実施形態では、レーザ光源2の構成要素として特に示していないが、レーザ光を出射するものである限り様々な構成要素とすることができる。
【0096】
また上記実施形態では、複数のレーザ光源2と光コンバイナ3とを構成要素とするレーザ装置1が適用されたが、例えば、共振型のファイバレーザ装置、あるいは、MO−PA(Master Oscillator Power Amplifier)型のファイバレーザ装置が適用されても良く、その他のレーザ装置が適用されても良い。
【0097】
なお、レーザ装置1、及び、光コンバイナ3における各構成要素は、上記実施形態又は変形例に示された内容以外に、適宜、本願目的を逸脱しない範囲で組み合わせ、省略、変更、周知技術の付加などをすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、レーザ装置を用いる加工分野や医療分野等、あるいは、光ファイバコンバイナを用いる様々な分野において利用可能性がある。
【符号の説明】
【0099】
1・・・レーザ装置
2・・・レーザ光源
3・・・光コンバイナ
10・・・入力用光ファイバ
20・・・出力用光ファイバ
40,60・・・第1ブリッジファイバ
50・・・第2ブリッジファイバ
図1
図2
図3
図4
図5