【文献】
田村 裕治,遠隔地への交流ケーブル送電用静止型無効電力補償装置,東芝レビュー,日本,株式会社東芝,2008年 8月,Vol.63, No.8,48-52
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直列リアクトルがそのインダクタンスを調整するタップを備え、このタップが共振周波数を±5〜±30%変更できるように直列リアクトルのインダクタンスを調整するものであることを特徴とする請求項1の送電系統の高調波共振回避システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.第1実施形態]
第1実施形態を
図1〜
図7に従って、説明する。
【0016】
[1−1.構成]
図1に示すように、第1実施形態の交流送電系統は、電源1からの電力を電源送電線2を経由して、第1の変電所3の高圧側母線4で受電する。第1の変電所3では、受電した電力を主要変圧器5で降圧し、低圧側母線6から第1の架空送電線7により外部に送電する。
図1では、架空送電線7は2回線で示したが、最大では20回線に及ぶ変電所もある。
【0017】
第1の変電所3から送電される電力の一部は、第1の変電所3の低圧側母線6に接続された一定の特性を有する直列リアクトル15を経由して、第2の架空送電線8に送電され、この架空送電線8の第1の接続点9に接続されている電力ケーブル10に送られる。この電力ケーブル10は、例えば、離島へ送電するための長距離海底ケーブルである。電力ケーブル10を通過した電力は、第2の接続点11を経て、第2の変電所12において受電される。第2の変電所12で受電された電力は、その母線13から配電用変圧器14へと送電される。
【0018】
図2は、
図1の配電系統において、高調波共振に関して主要な電気的要素を示したものである。この配電系統は、電源1から電源系統のインダクタンス2L、主要変圧器のインダクタンス5L、直列リアクトル15のインダクタンス15L、第2の架空送電線のインダクタンス8L、電力ケーブルのインダクタンス10L、電力ケーブルの対地静電容量10C、第2の変電所12の変圧器のインダクタンス14Lへと、順次接続されている。実際には、架空送電線にも対地静電容量や抵抗があるが、共振現象に及ぼす影響が小さいので、図示は省略する。
【0019】
[1−2.作用]
以上のような構成を有する第1実施形態の簡略化した等価回路は、
図3のようになる。この回路の共振周波数は(式1)で表される。
【数1】
【0020】
一方、第1実施形態において、低圧側母線6に直列リアクトル15を接続しない回路の共振周波数は(式2)で表される。
【数2】
【0021】
以下、本実施形態の回路の共振周波数と、直列リアクトル15を接続しない回路の共振周波数を比較する。
【0022】
長距離ケーブル系統の共振周波数は、系統構成によっても変化する。本実施形態では、主要変圧器5及び電力ケーブル10に接続された送電線は、それぞれ2組で構成されているので、回路構成は
図4のとおり4つのケースが発生する。
【0023】
ケース(1) :全設備が運転している状態(2B+2L)
ケース(2) :変圧器1バンクが停止した状態(1B+2L)
ケース(3) :送電線1回線が停止した状態(2B+1L)
ケース(4) :変圧器1バンクと送電線1回線が停止した状態(1B+1L)
【0024】
これらの回路構成について、本実施形態の直列リアクトルを接続しない場合について、下記の解析条件1における系統の共振周波数の解析結果を、
図5に示す。この解析条件においては、ケーブル長を5〜100kmと変化させている。また、第1の変電所3は臨海地域にあることは少ないので、第2の架空送電線8の長さは5kmとした。
【0025】
(解析条件1)
(1)電源系統の電圧:220kV
(2)低圧側母線の電圧:66kV
(3)主要変圧器の定格容量:150MVA
(4)主要変圧器のバンク数:2バンク
(5)主要変圧器の1次/2次定格電圧:220/66kV
(6)主要変圧器の短絡インピーダンス:12%
(7)定格周波数:60Hz
(8)第2の架空送電線の電圧および長さ:66kV、5km
(9)長距離ケーブルの電圧および長さ:66kV、5〜100km
(10)長距離ケーブルの種別:架橋ポリエチレンケーブル、150mm
2、3心、海底ケーブル
(11)第2の架空送電線と長距離ケーブルの回線数:2回線
(12)架空送電線の寸法および材料諸元:一般的な66kV送電線モデルとした。
(13)主要変圧器のバンク数と架空送電線・ケーブル回線数の組合せ:
図4のとおり4ケース
【0026】
図5に示した解析結果において、横軸はケーブル長を、縦軸は共振周波数を示している。4本の曲線は、4ケースの回路構成における共振周波数を示している。
図5から、ケーブル長が5km程度では、系統の共振周波数は第17次(1020Hz)以上であることが分かる。しかし、このような高調波電圧が系統に存在することは少ないので、あまり問題になることはない。
【0027】
一方、ケーブル長が10km程度では、回路構成のケースによって第11次〜第17次(660〜1020Hz)に共振する。第11次〜第17次は系統にある程度存在するので問題になる場合もある。ケーブルが長くなり、30〜70kmの範囲では、共振周波数は第5次〜第9次(300〜540Hz)となり、これらの次数の高調波は、高調波の中では系統に多く存在するので問題が発生しやすい。さらにケーブル長が長くなり、100kmになると第3次、すなわち180Hzに共振する場合が出てくる。この次数の高調波も系統に多く存在するので問題が発生しやすい。
【0028】
以上のことから、長さ10km以上のケーブル系統では、高調波共振対策が必要になる可能性が大きくなる。
【0029】
ところで、計画段階の設備と実設備との間には、種々の誤差が生じる。具体的には、ケーブルや架空送電線の長さには敷設誤差があり、また、製造上の誤差によるインダクタンスや静電容量の誤差がある。変電所に設置される主要変圧器にも、製造上の誤差やタップ切換えに伴うインダクタンスの変化がある。さらに、各設備に関する定数などを解析する際の計算誤差もある。高調波による共振を回避する対策を立てる場合には、これらの誤差を考慮する必要がある。
【0030】
そこで、計算結果に±10%の幅を考慮する。前記の解析条件1において、ケーブル長を50km、すなわち、下記の解析条件2のとおりとし、計画時設備と実設備との誤差を考慮した場合の共振周波数の解析結果を
図6及び
図7に示す。
図6は、直列リアクトル15を接続しない場合、
図7は直列リアクトルを接続した場合の解析結果である。
【0031】
この解析条件2において、ケーブル長を50kmとする理由は、
図5の説明で述べたとおり、30〜70kmが第5次〜第9次に共振しやすく、50kmはその中心の長さであるからである。
【0032】
(解析条件2)
(1)解析条件1において、(9)のケーブル長:50km
(2)他の条件は、解析条件1と同じとする。
【0033】
図6において、横軸は回路構成のケース(1) 〜(4) を、縦軸は共振周波数を示している。各ケースの共振周波数には前記のとおり±10%の幅を持たせている。高調波共振は、共振周波数に完全に一致しなくても発生するので、奇数次高調波±15Hzを共振領域とした。
【0034】
直列リアクトルを接続しない場合の解析結果によれば、ケース(1) (2) および(4) は300Hzすなわち第5次高調波に、ケース(3) は420Hzすなわち第7次高調波に共振する。したがって、直列リアクトルを接続しない場合には、共振を回避するための対策が必要である。
【0035】
前記のように直列リアクトルを接続しない構成では、
図6で説明したように、第5次および第7次高調波に共振する。これに対して、本実施形態では、直列リアクトル15のインダクタンスL
sを加えることにより、前記(式2)のf
rを(式1)のf
rsのように変更できる。具体的な例を下記の解析条件3の場合について述べる。
【0036】
(解析条件3)
(1)直列リアクトルのインダクタンス:Ls=29.0mH
(2)他の条件は、解析条件2と同じとする。
【0037】
本実施形態における共振周波数の解析結果を、
図7に示す。図中では、直列リアクトルを入れない場合を格子模様の破線の棒グラフで示し、入れた場合を波線模様の実線の棒グラフで示している。前記のように直列リアクトル15を入れない場合は、
図6のように第5次または第7次高調波に共振していたが、直列リアクトル15を入れることによって、回路構成のケース(1) 〜(4) のいずれも共振が回避できていることが、
図7から分かる。
【0038】
[1−3.効果]
本実施形態によれば、主要変圧器のインダクタンスを大きくする必要がないので、他の送電系統に電圧変動をもたらさずに長距離ケーブル送電系統の高調波共振を回避することができる。また、インダクタンスを大きくした離島送電専用の変圧器を必要としないので、一般的な送電系統に離島への長距離ケーブル系統を接続することが可能となる。そのため、本実施形態は、従来技術に比べ、経済性、変電所のスペースや建設期間などの面でも優れている。
【0039】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について、
図8に従って、説明する。
【0040】
[2−1.構成]
第2実施形態は、前記直列リアクトル15に、
図8のとおり、一定の性能を有するタップ15aを付加したものである。この場合、直列リアクトルのタップ調整は、実系統に設置した後、高調波に共振しないタップを選定する。また、タップの切換方式は、無電圧タップ切換または負荷時タップ切換のいずれでも良い。
【0041】
本実施形態において、タップ15aを付加する理由は、次の通りである。
(1)長距離ケーブルのインダクタンスおよび静電容量は、計画時の設備と実設備とでは誤差が生じる。
(2)架空送電線の長さにも同様に誤差が生じる。
(3)変圧器のインダクタンスは設計値に対して製作誤差がある。
(4)電源回路のインダクタンスは系統構成が変われば変動する。
(5)主要変圧器のインダクタンスはタップ切換により変化する。
(6)解析値には誤差が含まれる。
【0042】
本実施形態では、前記(1)〜(6)などの定数の変動を考慮して、直列リアクトル15にタップ15aを設ける。特に、これらの定数の変動に起因する共振周波数の変動は、系統によって異なるので、±5%〜±30%の共振周波数調整を考慮する。すなわち、ある系統では±5%の調整ができれば良いし、また、別の系統では、±30%の調整が必要な場合もある。この調整幅は、系統定数の変動幅の推定値によって変化させる。
【0043】
[2−2.作用]
以上のような構成を有する第2実施形態によれば、定数の差異や変動があった場合にも確実に高調波共振を回避できる。その点を、前記の解析条件3の場合を例にして説明する。
前記の解析条件3において、直列リアクトルのインダクタンスを29.0mHとすることにより、ケース(1) 〜(4) すべてにおいて共振を回避できることを説明した。
【0044】
しかし、前記(1)〜(6)の誤差に起因する定数の変動がある場合には、直列リアクトルのインダクタンスを29.0mHに固定しただけでは、ケース(1) 〜(4) すべてにおいて共振を回避できない場合も生じる。
【0045】
例えば、海底ケーブル長は計画段階では±3%程度の敷設誤差を見込むべきであり、製造時の誤差などもあるので、その静電容量の設計値と実際値とでは±数%程度の差異が生じると想定するのが適当である。架空送電線の長さについても誤差があるし、相間寸法の誤差によりインダクタンスに誤差が生じるので、±数%程度の誤差を見込むべきである。
【0046】
電源系統のインダクタンスは系統構成によって変動するので、±30%程度の変動と見る必要がある。主要変圧器についても、タップ変化に伴いインダクタンスの変動は±数%程度とすべきである。また、設計・製作誤差によるインダクタンスの差異も規格では±7.5%〜±15%の裕度が認められている。総合すると、計画時設備と実設備の共振周波数とでは、小さい場合は±5%、大きい場合は±30%程度の差が生じる可能性がある。
【0047】
本実施形態では、これらの変動があっても共振を回避するために、直列リアクトル15にタップ15aを付加し、インダクタンスの値を調整する。調整に当たっては、現地で実系統と直列リアクトル15とを組合せた状態とし、共振周波数を測定し、第3次・第5次・第7次などの奇数次高調波共振を避ける。直列リアクトルなしでは、前記の(式2)の共振周波数であったものを、直列リアクトルを設置することにより(式1)の共振周波数に変化させることができる。
【0048】
具体的な例として解析条件3の場合について説明する。共振周波数を±10%調整するための直列リアクトルは、中心値は29.0mH、最小値は17.1mH、最大値は44.7mHとなる。これを
図8のように9タップに分割すると、1タップについて2.5%ずつ共振周波数を調整することができる。
【0049】
この直列リアクトル15のインダクタンスは、中心値のインダクタンス29.0mHの±10%ではなく、共振周波数を(式1)により±10%調整できるように決定する。29.0mHの±10%、すなわち、26.1〜31.9mHとした場合について求めると、共振周波数は±3%しか調整できず、定数の差異や変動に対応できない。
【0050】
このように直列リアクトル15のインダクタンスが共振周波数に与える効果が緩慢になる理由は、直列リアクトルのインダクタンスが(式1)のとおり平方根の中にあり、かつ、系統のインダクタンスとの和になるためである。
【0051】
[2−3.効果]
以上のような本実施形態によれば、計画時の設備と実設備との定数の差異、ならびに、実設備の系統構成変化や変圧器タップ変化に伴う定数の変動を吸収できる。その結果、送電系統における高調波共振を、より確実に回避することができる。
【0052】
[3.第3実施形態]
第3実施形態を
図9〜
図12に従って、説明する。
【0053】
[3−1.構成]
本実施形態は、第2実施形態において、タップ15aが付加された直列リアクトル15にさらに、
図9のとおりタップ切換装置15bおよびタップ切換用の自動演算装置16を付加したものである。
【0054】
タップ切換用の自動演算装置16は、
図10のとおり、系統が
図4のケース(1) 〜(4) のどの構成であるかを検出する系統構成検出部16a、リアクトル15のタップ15aがどの位置にあるかを検出するタップ位置検出部16bを備えている。また、タップ切換用の自動演算装置16は、共振を回避するための適切なタップ位置を演算する演算部16c、および適切なタップ位置にタップを切り換えるための指令信号を出すタップ切換指令部16dを備えている。このタップ切換指令部16dからの指令信号は、
図9のタップ切換装置15bに与えられて、適切なタップ位置が選択される。
【0055】
[3−2.作用]
以上のような構成を有する本実施形態によれば、高調波共振を回避するための直列リアクトル15の適切なタップを自動的に選択し、かつ、直列リアクトルのインダクタンスを、タップを自動的に選択しない場合よりも小さくできる。以下に、このような本実施形態の作用について、
図11〜
図12を用いて説明する。
【0056】
図11は、
図10に示すタップ切換自動演算装置16の演算内容を示すフロー図である。送電系統の操作者からタップ15aの切換指令が演算装置16に入力されると、演算装置16の系統構成検出部16aは、
図4のケース(1) 〜(4) のいずれの系統構成かを検出する(ステップ1)。
【0057】
系統構成の検出は、各回線の遮断器および断路器の開閉状態や電圧の有無により判断される。また、タップ15aの切換指令は、操作者から入力されるものに必ずしも限定されない。特に指令を入力しなくても、系統の運転時に、常時あるいは一定時間ごとにステップ1の系統構成の検出を行うようにすることもできる。
【0058】
系統構成が検出された後は、検出された構成と既に演算装置16が記憶している以前の構成と比較し、構成が変化したか否かを検出する(ステップ2)。系統の構成が変化していない場合には(ステップ2のNo)、タップ15aの位置を変化する必要はないので、ステップ1の構成の変化の検出に戻り、次の切換指令を待つ。
【0059】
一方、構成が変化している場合には(ステップ2のYes)、演算部16cは、前記ステップ1において検出した系統構成に基づいて、前記(式1)によってあらかじめ分かっている系統定数から共振周波数を求め、系統が第3次・第5次・第7次などの奇数次高調波共振状態にあるか否かを演算する(ステップ3)。
【0060】
同時に、(式1)によって適切なリアクトルのインダクタンスLsとそれに対応するタップ位置を求める(ステップ4)。この場合、回路構成と適切なタップ位置の関係はあらかじめ決めておくこともできる。
【0061】
一方、タップ位置検出部16bは、直列リアクトルのタップ15aがどの位置にあるかを検出する(ステップ5)。ステップ4において、適切なタップ位置が決定された後、決定されたタップ位置と検出部16bによって検出された現在のタップ位置とを比較する。その結果、現在のタップ位置が適切な場合には(ステップ6のYes)、ステップ1に戻り、次の切替指令を待つ。
【0062】
一方、現在のタップ位置が、適切なタップ位置でない場合には(ステップ6のNo)、タップ切換指令部16dから適切なタップへの切換信号を出し、これをタップ切換装置15bで受け、タップ15aを切り換える(ステップ7)。この場合、タップ切換装置15bは、変圧器で使用されている負荷時タップ切換器を使用することができる。あるいは、タップ数に等しい複数の開閉器で構成することもできる。
【0063】
ところで、タップ位置すなわち直列リアクトルのインダクタンスの大きさの決定に当たっては、系統定数の変動を考慮することが望ましい。変動する定数としては、
図2の電源系統のインダクタンス2Lや主要変圧器のタップ変化によるインダクタンス5Lの変化がある。
【0064】
他方、計画時の変動要因であった電力ケーブル10の静電容量10Cやインダクタンス10Lおよび第2の架空送電線のインダクタンス8Lは、タップ位置の自動制御を実施する時点で確定している。そのため、定数や共振周波数を実測することによって、製作誤差を考慮する必要がない。従って、共振周波数の変動幅は小さくなる。
【0065】
図12は自動タップ制御を実施した結果の例を示している。横軸は系統構成の4つのケースを、縦軸は共振周波数を示している。タップ制御を実施しない場合を格子模様の破線の棒グラフで示し、自動制御した場合を波線模様の実線の棒グラフで示している。
【0066】
タップ制御を実施しない場合は、前述の
図6に示したとおりとなり、ケースによって第5次または第7次高調波共振状態になるが、自動制御することにより、共振を回避できる。
【0067】
ケース(1) (2) (4) では中心周波数を271Hzとし、上限は第5次高調波との共振を避けて15Hz低い285Hzに、下限は257Hzとする。上限・下限は271Hzの±5%とする。
【0068】
また、ケース(3) では中心周波数を332Hzとし、上限は349Hz、下限は第5次高調波との共振を避けて15Hz高い315Hzとする。上限・下限は332Hzの±5%とする。これによって、たとえ系統定数の変動があっても共振は回避できる。
【0069】
各ケースの直列リアクトルのインダクタンスは、ケース(1) では14.0mH、ケース(2) では4.3mH、ケース(3) では6.55mH、ケース(4) では16.0mHである。これらの値と第1実施形態の
図7、すなわち、タップ自動制御をしなかった場合のインダクタンス29.0mHを比較すると、ケース(1) は48%に、ケース(2) は15%に、ケース(3) は31%に、ケース(4) は55%に、それぞれ小さくなる。送電系統の電圧降下は、インダクタンスの大きさに比例するので、電圧降下を小さくできる。
【0070】
[3−3.効果]
以上のような本実施形態によれば、高調波共振を自動的に回避でき、かつ、直列リアクトルのインダクタンスを小さくすることで電圧降下を小さくできる。
【0071】
[4.他の実施形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。