【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、底面を有する器状の筐体と、前記底面に接して設けられたフレキシブルプリント配線板と、前記筐体に取り付けられ、太陽光を集光するレンズ要素が複数個並んで形成された1次集光部と、を備えた集光型太陽光発電モジュールであって、前記フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有する絶縁基材及び導電性のパターンを有し、柔軟性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に、前記レンズ要素の各々と対応して複数個設けられ、相互に前記パターンを介して電気的に接続された発電素子とを備えてい
る。
【0007】
上記のように構成された集光型太陽光発電モジュールにおいては、製作しやすい適当な寸法のフレキシブル基板上に発電素子を設けることによって、集光型太陽光発電の機能を搭載したフレキシブルプリント配線板を、容易に製造することができる。また、フレキシブルプリント配線板は、所望の大きさ(面積)に張り巡らすことができるので、大型な集光型太陽光発電モジュールに好適である。
【0008】
また、フレキシブルプリント配線板は薄く、軽量であるため、集光型太陽光発電モジュール全体も軽量となり、取り扱いが容易になる。しかも、フレキシブルプリント配線板は薄く、柔軟性があるので、筐体の底面へ密着させた取り付けが容易である。さらに、密着と薄さとによって、発電素子その他フレキシブルプリント配線板の熱を、確実に筐体に放熱させることができる。
【0009】
(2)また、上記(1)の集光型太陽光発電モジュールにおいて、フレキシブルプリント配線板は、例えば、リボン状のフレキシブル基板が底面に並べられることにより構成されているものである。
この場合、フレキシブルプリント配線板の面積を必要最小限に抑制しつつ、所望の大きさに張り巡らすことができる。
【0010】
(3)また、上記(1)又は(2)の集光型太陽光発電モジュールにおいて、フレキシブルプリント配線板は、所定の電圧を発生することが可能な複数の発電用配線板と、当該発電用配線板を電気的に相互に接続する接続用配線板とを含むものであってもよい。
この場合、接続用配線板によって、複数の発電用配線板を、相互に、容易に接続することができる。
【0011】
(4)また、上記(3)の集光型太陽光発電モジュールにおいて、発電用配線板は、底面上で直線状に延びる形状又は、底面の中央から端部へ直線状に延びて中央へ戻る形状であってもよい。
この場合、発電用配線板の長さを十分に確保することができるので、所望の電圧を得るべく、発電素子を必要数配置して相互に直列に接続することが容易である。
【0012】
(5)また、上記(1)〜(4)のいずれかの集光型太陽光発電モジュールにおいて、絶縁基材の厚さは、10〜100μmであることが好ましい。
この場合、耐電圧性能と、放熱性とを、両立させることができる。すなわち、10μm未満では耐電圧性能が不足する。100μmを超えると、筐体への放熱性が悪くなる。
【0013】
(6)また、上記(1)〜(5)のいずれかの集光型太陽光発電モジュールにおいて、発電素子が取り付けられる面とは反対側の、絶縁基材の下面に、当該絶縁基材を補強する補強板が設けられていてもよい。
この場合、補強板による補強により、柔軟性を失わせない程度に、フレキシブルプリント配線板に若干の固さを確保し、製造時の取り扱いを容易にすることができるほか、変形防止効果も得られる。また、補強板を例えばアルミニウム製とすることで、筐体の底面への熱伝導性(放熱性)を向上させることができる。
【0014】
(7)また、上記(1)〜(6)のいずれかの集光型太陽光発電モジュールにおいて、底面及びフレキシブル基板には、位置決め用に、互いに嵌り合う部位が形成されてい
てもよい。
この場合、フレキシブルプリント配線板を筐体の底面に取り付ける際の位置決めが、容易、かつ、確実になる。
【0015】
(8)また、上記(3)の集光型太陽光発電モジュールにおいて、接続用配線板は、筐体の内側面に設けることも可能である。
すなわち、発電素子を有しない接続用配線板は、光の当たりにくい内側面にも取り付けることができる。これにより、筐体の内側面をも有効活用することができる。
【0016】
(9)また、上記(1)〜(8)のいずれかの集光型太陽光発電モジュールにおいて、筐体は金属製であることが好ましい。
この場合、筐体が良好な熱伝導性を有するので、フレキシブルプリント配線板からの放熱性が特に良い。
(10)また、上記(9)の集光型太陽光発電モジュールにおいて、筐体はアルミニウム製であることが好ましい。
この場合、筐体が軽量であり、集光型太陽光発電モジュール全体としても軽量となる。
【0017】
(11)また、上記(1)〜(8)のいずれかの集光型太陽光発電モジュールにおいて、筐体は樹脂製であってもよい。
この場合、筐体が特に軽量であり、集光型太陽光発電モジュール全体としても特に軽量となる。なお、樹脂であっても熱伝導性はあるので、一定の放熱性は得られる。特に、高熱伝導性を有する絶縁性フィラー(例えば、アルミナ、シリカ、炭化珪素、酸化マグネシウム等)を添加した樹脂は、熱伝導性に優れ、放熱性が向上するので、好適である。
【0018】
(12)また、上記(1)〜(11)のいずれかの集光型太陽光発電モジュールにおいては、フレキシブル基板上に設けられ、レンズ要素の各々から入射された太陽光を前記発電素子上に集める2次集光部を設けてもよい。
この場合、2次集光部も、フレキシブルプリント配線板に含めて搭載することができる。
【0019】
(13)また、上記(1)〜(12)のいずれかの集光型太陽光発電モジュールを複数個集合させて、集光型太陽光発電パネルを構成することができる。
この場合、発電パネルとして所望の出力(定格出力)を確保することができる。
【0020】
(14)一方、本発明の集光型太陽光発電モジュール用フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有する絶縁基材及び導電性のパターンを有し、柔軟性を有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に複数個並べて設けられ、相互に前記パターンを介して電気的に接続された発電素子とを備えている。
【0021】
上記のように構成された集光型太陽光発電モジュール用フレキシブルプリント配線板では、製作しやすい適当な寸法のフレキシブル基板上に発電素子及び集光部を設けることによって、集光型太陽光発電の機能を搭載したフレキシブルプリント配線板を、容易に製造することができる。また、フレキシブルプリント配線板は、所望の大きさ(面積)に張り巡らすことができるので、大型な集光型太陽光発電モジュール用の基板として好適である。
なお、フレキシブル基板の絶縁基材としては、例えば、耐熱性に優れたポリイミドが好適である。
【0022】
(15)また、上記(14)の集光型太陽光発電モジュール用フレキシブルプリント配線板においては、フレキシブル基板上に設けられ、入射された太陽光を発電素子上に集める集光部を設けてもよい。
この場合、集光部も、フレキシブルプリント配線板に含めて搭載することができる。