(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る告知放送受信機の各実施の形態を詳細に説明する。最初にこの告知放送受信機の構成について説明し、次に告知放送受信機の動作について説明し、最後に各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、各実施の形態に係る告知放送受信機の設置対象や適用対象は任意であるが、以下では、住戸の屋内に設置された告知放送受信機に適用した場合を例として説明を行う。
【0022】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1について説明する。この形態は、電界強度測定手段の測定結果に基づいて電源遮断制御を行う形態である。
【0023】
(構成)
最初に、告知放送受信機の構成について説明する。
図1は実施の形態1に係る告知放送受信機の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、告知放送受信機1は、告知放送系統10と、ラジオ放送系統20と、切替部30a、30bと、スピーカ40と、操作部50と、制御部60とを備えている。
【0024】
(構成−告知放送系統)
告知放送系統10は、告知放送信号に対して受信処理及び出力処理を含む所定処理を行う放送系統である。
図1に示すように、この告知放送系統10は、入力端子11と、バンドパスフィルタ(以下、BPF)12と、アンプ13a、13bと、自動利得回路(以下、AGC)14と、ミキサ15と、発振器16と、ディテクタ(以下、DET)17とを図示のように接続して構成されている。
【0025】
入力端子11は、図示しない伝送線路を介して受信した告知放送信号及びラジオ放送信号の入力を受け付ける入力手段である。
BPF12は、入力端子11に入力された告知放送信号及びラジオ放送信号のうち、所定帯域の信号のみを出力する濾過手段である。
アンプ13aは、BPF12から出力された信号を増幅する増幅手段である。
AGC14は、アンプ13aにて増幅された信号の自動利得調整を行う自動利得調整手段である。
アンプ13bは、AGC14にて利得調整された信号を増幅する増幅手段である。
ミキサ15は、アンプ13bにて増幅された信号を信号処理が容易な所定の中間周波数信号に変換するもので、告知放送信号と発振器16からの発信信号を入力し、その差の周波数の中間周波数信号を生成する。
発振器16は、図示しない発振子を使用して基準発振周波数を制御するものである。
DET17は、ミキサ15にて生成された中間周波数信号の電界強度(例えばRSSI(Received Signal Strength Indicator)レベル等)を測定する電界強度測定手段であり、告知放送系統10に含まれる部品のうち最も下段側に設けられている。
【0026】
(構成−ラジオ放送系統)
ラジオ放送系統20は、ラジオ放送信号に対して受信処理及び出力処理を含む所定処理を行う放送系統である。
図1に示すように、このラジオ放送系統20は、入力端子21と、BPF22と、FMチューナ23とを図示のように接続して構成されている。
【0027】
入力端子21は、図示しないアンテナから受信されたFMラジオ等のラジオ放送信号の入力を受け付ける入力手段である。
BPF22は、入力端子21に入力されたラジオ放送信号のうち、所定帯域の信号のみを出力する濾過手段である。
FMチューナ23は、BPF22から出力された信号又はアンプ13aにて増幅された信号のうち所定周波数の信号を選択するための同調回路である。
【0028】
(構成−切替部)
切替部30a、30bは、告知放送系統10又はラジオ放送系統20のいずれか一方を後述するスピーカ40に対して選択的に切り替える切替手段である。
具体的には、
図1に示すように、切替部30aは、アンプ13a及びBPF22よりも下段であり、且つFMチューナー23よりも上段に設けられており、DET17にて測定された中間周波数信号の電界強度に基づいて、アンプ13a又はBPF22のいずれか一方をFMチューナー23に対して選択的に切り替える。
また、切替部30bは、DET17及びFMチューナ23よりも下段であり、且つ後述するスピーカ40よりも上段に設けられており、DET17にて測定された中間周波数信号の電界強度又は後述する操作部50の所定操作に基づいて、DET17又はFMチューナ23のいずれか一方を後述するスピーカ40に対して選択的に切り替える。
以上のことから、これら切替部30a、30bの切り替え動作によって、DET17から出力された中間周波数信号又はFMチューナ23から出力された所定周波数の信号とのうちいずれか一方を選択的にスピーカ40に出力させることができる。
【0029】
(構成−スピーカ)
スピーカ40は、後述する制御部60の制御に基づいて各種の音声を出力する音声出力手段である。このスピーカ40より出力される音声の具体的な出力態様は任意であり、例えば、告知放送信号に緊急放送が含まれている場合には、音声の種類や音量等を変えてもよい(具体的には、緊急放送を行う際に、スピーカ40は、当該緊急放送をユーザに確実に報知するために、最大音量で出力する等)。
また、
図1に示すように、このスピーカ40の前段には、DET17から出力された中間周波数信号又はFMチューナ23から出力された所定周波数の信号を増幅するためのアンプ41が設けられている。
【0030】
(構成−操作部)
操作部50は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部50の具体的な構成は任意であり、例えば、押しボタン、回転操作手段、あるいは、リモートコントローラの如き遠隔操作手段を用いて操作部50を構成することができる。
【0031】
(構成−制御部)
制御部60は、告知放送受信機1の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU(例えばマイコン)、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種の制御データを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0032】
また、
図1に示すように、制御部60は、機能概念的には、電源遮断制御部61を備えて構成されている。この電源遮断制御部61は、告知放送系統10に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源を遮断する電源遮断制御を行う電源遮断制御手段である。ここで、「告知放送系統に含まれる複数の部品の少なくとも一部」とは、告知放送系統10に含まれる複数の部品の一部であって、電源遮断制御部61によって電源遮断制御の対象となる部品を意味し、具体的には、実施の形態1では、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17が該当する。なお、この電源遮断制御部61によって実行される制御の詳細については後述する。
【0033】
(告知放送受信機の動作)
次に、このように構成された告知放送受信機1の動作について説明する。この告知放送受信機1の動作としては、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作と、告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作と、告知放送ができない場合の動作との3つの動作を取り得る。なお、この告知放送受信機1においては、常時、告知放送信号及びラジオ放送信号が入力端子11から図示しない伝送線路を介して入力されていると共に、ラジオ放送信号が入力端子21から入力される。また、告知放送受信機1の電源が投入されると、当該告知放送受信機1に含まれるすべての部品の電源がONされる。
【0034】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合に告知放送を行う動作)
最初に、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作について説明する。
まず、告知放送受信機1の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いて告知放送に切り替える操作を行うと、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続され、切替部30bによってDET17とスピーカ40とが接続される。
次に、入力端子11に入力された告知放送信号は、BPF12によって所定帯域の信号のみ出力され、アンプ13aによって増幅された後、AGC14によって利得調整される。
次いで、この利得調整された信号は、アンプ13bによって増幅された後、ミキサ15によって中間周波数信号に変換されて、DET17に向けて出力される。
続いて、DET17から出力された中間周波数信号は、アンプ41によって増幅されて、スピーカ40によって出力される。
【0035】
また、この動作において、入力端子11に入力された告知放送信号は、DET17によって検波される。そして、この検波された信号は、制御部60に向けて出力される。
ここで、電源遮断制御部61は、DET17にて検波された信号の電磁強度を監視しており、DET17にて検波された信号の電磁強度が所定値以上であった場合には、告知放送受信機1は告知放送を行うことができるので、告知放送受信機1に含まれるすべての部品の電源をON状態に維持する。
【0036】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作)
次に、告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作について説明する。
まず、告知放送受信機1の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いてラジオ放送に切り替える操作を行うと、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続され、切替部30bによってFMチューナ23とスピーカ40とが接続される。
次に、入力端子11に入力されたラジオ放送信号は、BPF12によって所定帯域の信号のみ出力され、アンプ13aによって増幅される。
続いて、FMチューナ23によって、この増幅された信号のうち、所定周波数の信号のみが選択された後、この選択された所定周波数の信号は、アンプ41によって増幅されて、スピーカ40によって出力される。
【0037】
また、この動作において、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61による電磁強度の監視が行われ、告知放送受信機1に含まれるすべての部品の電源がON状態に維持される。
【0038】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができない場合の動作)
最後に、告知放送ができない場合の動作について説明する。なお、この動作は、告知放送受信機1の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いて告知放送(あるいは、ラジオ放送)に切り替える操作を行うことで、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続され、切替部30bによってDET17(あるいは、ラジオ放送の場合には、FMチューナ23)とスピーカ40とが接続される場合に、適用される動作である。
【0039】
この動作において、告知放送受信機1の電源が投入されると、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61による電磁強度の監視が行われる。
ここで、DET17にて検波された信号の電磁強度が所定値より下回った場合には、告知放送受信機1は告知放送を行うことができないので、告知放送受信機1の消費電力を低減し、且つ、DET17にて検波された信号の電磁強度を監視可能にするために、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源を断続的に遮断する(例えば、1msec間ごとに断続的に遮断する)。そして、これに伴って、電源遮断制御部61は、切替部30aによってBPF22をFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってFMチューナ23をスピーカ40に対して接続させる。
次に、入力端子21に入力されたラジオ放送信号は、BPF22によって所定帯域の信号のみ出力される。
続いて、FMチューナ23によって、この所定帯域の信号のうち、所定周波数の信号のみが選択され後、この選択された所定周波数の信号は、アンプ41によって増幅されて、スピーカ40によって出力される。
【0040】
その後、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源が断続的に遮断されている場合において、DET17の電源がON状態時に検波された信号の電界強度が所定値以上となった場合には、告知放送受信機1は告知放送を行うことができるので、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源をON状態に復帰させる。そして、これに伴って、告知放送受信機1の動作を、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作に移行させるために、電源遮断制御部61は、切替部30aによってアンプ13aをFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってDET17をスピーカ40に対して接続させる。
次に、入力端子11に入力された告知放送信号は、BPF12によって所定帯域の信号のみ出力され、アンプ13aによって増幅された後、AGC14によって利得調整される。
次いで、この利得調整された信号は、アンプ13bによって増幅された後、ミキサ15によって中間周波数信号に変換されて、DET17に向けて出力される。
続いて、DET17から出力された中間周波数信号は、アンプ41によって増幅されて、スピーカ40によって出力される。
【0041】
(効果)
このように実施の形態1によれば、電源遮断制御を行うための所定条件が充足したか否かを、告知放送系統10にて受信された告知放送信号に基づいて判定し、当該所定条件が充足した場合に電源遮断制御を行う電源遮断制御部61を備えたので、告知放送信号に応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、告知放送系統10に含まれる複数の部品に対して電力が常時供給されている場合に比べて、消費電力を低減することができる。特に、停電時において電源遮断制御を行うことで、図示しない告知放送受信機1のバックアップ電源(具体的には、乾電池等)の待機時間を長くすることができる。
【0042】
また、告知放送系統10にて受信された告知放送信号に基づいて、告知放送系統10又はラジオ放送系統20のいずれか一方をスピーカ40に対して選択的に切り替える切替部30a、30bを備えたので、告知放送信号に応じて告知放送系統10又はラジオ放送系統20の切り替えを自動的に行うことができ、使用性を向上させることができる。
【0043】
また、告知放送系統10は、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びミキサ15よりも下段側においてDET17を有し、電源遮断制御部61は、DET17にて検波された信号の電界強度が所定値よりも下回った場合に、電源遮断制御を断続的に行うので、中間周波数信号の電界強度に応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、消費電力を効果的に低減することができる。
また、電源遮断制御部61によってアンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源が断続的に遮断されている場合において、DET17にて検波された中間周波数信号の電界強度が所定値以上となった場合に、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源を常時供給状態に復帰させるので、DET17による信号の電界強度の測定を継続させながら、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源を復帰させるための特別な部品を設けることなく、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源を復帰させることができ、製造コストを低減することできる。
【0044】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、検知手段の検知結果に基づいて電源遮断制御を行う形態である。なお、特に説明なき構造については、実施の形態1の構造と同様であり、実施の形態1と略同様の構成要素、及び動作については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0045】
(構成)
図2は実施の形態2に係る告知放送受信機の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、実施の形態2に係る告知放送受信機101は、実施の形態1の告知放送受信機1の構成要素に対して、さらに検知部70を加え、DET17を省略して構成されている。
ここで、切替部30aは、検知部70の検知結果(より具体的には、後述するように、告知放送受信機101に対して図示しない伝送線路の取り付け操作又は取り外し操作がなされたか否かの検知結果)に基づいて、アンプ13a又はBPF22のいずれか一方をFMチューナ23に対して選択的に切り替える。
また、切替部30bは、検知部70の検知結果又は操作部50の所定操作に基づいて、DET17又はFMチューナ23のいずれか一方をスピーカ40に対して選択的に切り替える。
【0046】
(構成−検知部)
検知部70は、告知放送受信機101と図示しない伝送線路とが接続状態であるか否かを検知する検知手段である。例えば、告知放送受信機101と図示しない伝送線路との接続構造が、告知放送受信機101に設けられた入力端子11をピンジャックとして構成されており、図示しない伝送線路の端部に図示しないピンジャック端子が設けられている場合には、検知部70は、この図示しないピンジャック端子が入力端子11に対して接続されているか否かを検知する。
【0047】
(告知放送受信機の動作)
次に、このように構成された告知放送受信機101の動作について説明する。
【0048】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合に告知放送を行う動作)
最初に、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作について説明する。
この動作において、実施の形態1の告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、告知放送受信機101の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いて告知放送に切り替える操作を行うと、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続されると共に、切替部30bによってミキサ15を介してアンプ13bとスピーカ40とが接続される。これにより、入力端子11に入力された告知放送信号は、ミキサ15、アンプ41を介してスピーカ40によって出力される。
【0049】
また、この動作において、告知放送受信機101の電源が投入されると、電源遮断制御部61は、検知部70にて図示しないピンジャック端子が入力端子11に対して接続されているか否かを監視する。
ここで、検知部70にて図示しないピンジャック端子が入力端子11に対して接続されていると検知された場合には、電源遮断制御部61は、告知放送受信機101に含まれるすべての部品の電源をON状態に維持する。
【0050】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作)
次に、告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作について説明する。
この動作において、実施の形態1の告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作で説明したのと同様に、告知放送受信機101の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いてラジオ放送に切り替える操作を行うと、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続され、切替部30bによってFMチューナ23とスピーカ40とが接続される。これにより、入力端子11に入力されたラジオ放送信号は、FMチューナ23を介してスピーカ40によって出力される。
【0051】
また、この動作において、実施の形態2の告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61による入力端子11の監視が行われ、告知放送受信機101に含まれるすべての部品の電源がON状態に維持される。
【0052】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができない場合の動作)
最後に、告知放送ができない場合の動作について説明する。なお、この動作は、実施の形態1の告知放送ができない場合の動作と同様に、告知放送受信機101の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いて告知放送(あるいは、ラジオ放送)に切り替える操作を行い、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続され、切替部30bによってアンプ13b、ミキサ15(あるいは、ラジオ放送の場合には、FMチューナ23)とスピーカ40とが接続される場合に、適用される動作である。
【0053】
この動作において、告知放送受信機101の電源が投入されると、実施の形態2の告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61による入力端子11の監視が行われる。
ここで、ユーザによって図示しない伝送線路が告知放送受信機101から取り外されたことで、検知部70にて図示しないピンジャック端子が入力端子11に対して接続されていないと検知された場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源を遮断する。そして、これに伴って、実施の形態1の告知放送ができない場合の動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61は、切替部30aによってBPF22をFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってFMチューナ23をスピーカ40に対して接続させる。これにより、入力端子21に入力されたラジオ信号は、FMチューナ23を介してスピーカ40によって出力される。
【0054】
その後、ユーザによって図示しない伝送線路が告知放送受信機101に再び取り付けられることで、検知部70にて図示しないピンジャック端子が入力端子11に対して接続されていると検知された場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源をON状態に復帰させる。そして、これに伴って、実施の形態1の告知放送ができない場合の動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61は、切替部30aによってアンプ13aをFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってミキサ15を介してアンプ13bをスピーカ40に対して接続させる。これにより、入力端子11に入力された告知放送信号は、アンプ13b、41を介してスピーカ40によって出力される。
【0055】
(効果)
このように実施の形態2によれば、電源遮断制御を行うための所定条件が充足したか否かを、告知放送系統10に関する所定操作に基づいて判定し、当該所定条件が充足した場合に電源遮断制御を行う電源遮断制御部61を備えたので、告知放送系統10に関する所定操作に応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、告知放送系統10に含まれる複数の部品に対して電力が常時供給されている場合に比べて、消費電力を低減することができる。
【0056】
また、告知放送系統10に関する所定操作に基づいて、告知放送系統10又はラジオ放送系統20のいずれか一方をスピーカ40に対して選択的に切り替える切替部30a、30bを備えたので、告知放送系統10に関する所定操作に応じて告知放送系統10又はラジオ放送系統20の切り替えを自動的に行うことができ、使用性を向上させることができる。
【0057】
また、電源遮断制御部61は、検知部70により告知放送受信機101と図示しない伝送線路とが接続状態でないと検知された場合に、電源遮断制御を行うので、検知部70の検知結果に応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、図示しない伝送線路が告知放送受信機101から取り外されている間は消費電力を効果的に低減することができる。
【0058】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、電源切替手段の切り替え操作に基づいて電源遮断制御を行う形態である。なお、特に説明なき構造については、実施の形態1の構造と同様であり、実施の形態1と略同様の構成要素、及び動作については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0059】
(構成)
図3は実施の形態3に係る告知放送受信機の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、実施の形態3に係る告知放送受信機201は、実施の形態1の告知放送受信機1の構成要素に対して、さらに操作部50に電源切替部51を加え、DET17を省略して構成されている。
ここで、切替部30aは、電源切替部51の切り替え操作に基づいて、アンプ13a又はBPF22のいずれか一方をFMチューナ23に対して選択的に切り替える。
また、切替部30bは、電源切替部51の切り替え操作又は操作部50の所定操作に基づいて、ミキサ15又はFMチューナ23のいずれか一方をスピーカ40に対して選択的に切り替える。
また、電源遮断制御部61は、告知放送系統10に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源、又はラジオ放送系統20に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源を遮断する電源遮断制御を行う。なお、「ラジオ放送系統に含まれる複数の部品の少なくとも一部」とは、ラジオ放送系統20に含まれる複数の部品の一部であって、電源遮断制御部61によって電源遮断制御の対象となる部品を意味し、具体的には、実施の形態3では、FMチューナ23が該当する。
【0060】
(構成−電源切替部)
電源切替部51は、ラジオ放送系統20の電源のみをON、告知放送系統10の電源のみをON、又は、告知放送系統10とラジオ放送系統20との電源をONに切り替える電源切替手段である。
ここで、「ラジオ放送系統の電源のみをONに切り替える」とは、ラジオ放送系統20に含まれる複数の部品のすべての電源がONされ、告知放送系統10に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源が遮断されるように、電源切替部51を切り替えることを意味する。具体的には、実施の形態3では、FMチューナ23の電源がONにされ、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源が遮断される。
また、「告知放送系統の電源のみをONに切り替える」とは、告知放送系統10に含まれる複数の部品のすべての電源がONされ、ラジオ放送系統20に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源が遮断されるように、電源切替部51を切り替えることを意味する。具体的には、実施の形態3では、FMチューナ23の電源が遮断され、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源がONされる。
また、「告知放送系統とラジオ放送系統との電源をONに切り替える」とは、告知放送系統10及びラジオ放送系統20に含まれる複数の部品のすべての電源がONされるように、電源切替部51を切り替えることを意味する。具体的には、実施の形態3では、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源、並びに、FMチューナ23の電源がONされる。
【0061】
また、この電源切替部51の具体的な構成は任意であり、例えば、上述した3つの段階に切り替え可能な押しボタン型のスイッチ、あるいは回転操作型のスイッチを用いて電源切替部51を構成することができる。
【0062】
(告知放送受信機の動作)
次に、このように構成された告知放送受信機201の動作について説明する。
【0063】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合に告知放送を行う動作)
最初に、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作について説明する。
この動作において、告知放送受信機201の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いて告知放送に切り替える操作を行うと、電源遮断制御部61は、電源切替部51の切り替え状態を監視する。
ここで、ユーザの電源切替部51の操作によって、「告知放送系統10の電源のみがON」となるように切り替えられた場合には、告知放送受信機201はラジオ放送を行う必要がないので、ラジオ放送系統20の消費電力を低減するために、電源遮断制御部61は、FMチューナ23の電源を遮断する。そして、これに伴って、電源遮断制御部61は、切替部30aによってアンプ13aをFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってミキサ15をスピーカ40に対して接続させる。これにより、入力端子11に入力された告知放送信号は、ミキサ15を介してスピーカ40によって出力される。
【0064】
また、ユーザの電源切替部51の操作によって、「告知放送系統10とラジオ放送系統20との電源がON」となるように切り替えられた場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源、並びに、FMチューナ23の電源をONする。そして、これに伴って、上述した「告知放送系統10の電源のみがON」となるように切り替えられた場合と同様に、電源遮断制御部61は、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とを接続させると共に、切替部30bによってミキサ15とスピーカ40とを接続させる。これにより、入力端子11に入力された告知放送信号は、ミキサ15を介してスピーカ40によって出力される。
【0065】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作)
次に、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作について説明する。
この動作において、告知放送受信機201の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いてラジオ放送に切り替える操作を行うと、電源遮断制御部61は、電源切替部51の切り替え状態を監視する。
ここで、ユーザの電源切替部51の操作によって、「告知放送系統10とラジオ放送系統20との電源がON」となるように切り替えられた場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源、並びに、FMチューナ23の電源をONする。そして、これに伴って、電源遮断制御部61は、切替部30aによってアンプ13aをFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってFMチューナ23をスピーカ40に対して接続させる。これにより、入力端子11に入力されたラジオ放送信号は、FMチューナ23を介してスピーカ40によって出力される。
【0066】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができない場合の動作)
最後に、告知放送ができない場合の動作について説明する。
この動作において、告知放送受信機201の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いてラジオ放送に切り替える操作を行うと、電源遮断制御部61は、電源切替部51の切り替え状態を監視する。
ここで、ユーザの電源切替部51の操作によって、「ラジオ放送系統20の電源のみがON」となるように切り替えられた場合には、告知放送受信機201は告知放送を行う必要がないので、告知放送系統10の消費電力を低減するために、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源を遮断する。そして、これに伴って、電源遮断制御部61は、切替部30aによってBPF22をFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってFMチューナ23をスピーカ40に対して接続させる。これにより、入力端子21に入力されたラジオ放送信号は、FMチューナ23を介してスピーカ40によって出力される。
【0067】
(効果)
このように実施の形態3によれば、告知放送系統10又はラジオ放送系統20に関する所定操作に基づいて、告知放送系統10又はラジオ放送系統20のいずれか一方をスピーカ40に対して選択的に切り替える切替部30a、30bを備えたので、告知放送系統10又はラジオ放送系統20に関する所定操作に応じて告知放送系統10又はラジオ放送系統20の切り替えを自動的に行うことができ、使用性を向上させることができる。
【0068】
また、電源遮断制御部61は、電源切替部51によってラジオ放送系統20の電源のみがONに切り替えられた場合に、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源を遮断し、電源切替部51によって告知放送系統10の電源のみがONに切り替えられた場合に、FMチューナ23の電源を遮断するので、電源切替部51の切り替え操作に基づいてアンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源、又は、FMチューナ23の電源を遮断でき、ユーザのニーズに応じた電源遮断制御を行うことができる。
【0069】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、レベル測定手段の測定結果に基づいて電源遮断制御を行う形態である。なお、特に説明なき構造については、実施の形態1の構造と同様であり、実施の形態1と略同様の構成要素、及び動作については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0070】
(構成)
図4は実施の形態4に係る告知放送受信機の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、実施の形態4に係る告知放送受信機301は、実施の形態1の告知放送受信機1の構成要素に対して、さらにレベル測定部80を加え、DET17を省略して構成されている。
ここで、切替部30aは、レベル測定部80にて測定された信号のレベルに基づいて、アンプ13a又はBPF22のいずれか一方をFMチューナー23に対して選択的に切り替える。
また、切替部30bは、レベル測定部80にて測定された信号のレベル又は操作部50の所定操作に基づいて、アンプ13b又はFMチューナ23のいずれか一方をスピーカ40に対して選択的に切り替える。
【0071】
(構成−レベル測定部)
レベル測定部80は、告知放送信号のレベルを測定するレベル測定手段であり、告知放送系統10の部品の一部である。具体的には、
図4に示すように、レベル測定部80は、BPF12近傍において、BPF12とアンプ13aとの相互間に設けられた図示しない分岐器によって分岐された告知放送信号のレベルを測定する。このレベル測定部80の具体的な構成は任意であり、例えば、公知の検波器を用いてレベル測定部80を構成することができる(後述する実施の形態5のレベル測定部80についても同様)。
【0072】
(告知放送受信機の動作)
次に、このように構成された告知放送受信機301の動作について説明する。
【0073】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合に告知放送を行う動作)
最初に、告知放送ができる場合に告知放送を行う動作について説明する。
この動作において、実施の形態1の告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、告知放送受信機301の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いて告知放送に切り替える操作を行うと、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続されると共に、切替部30bによってミキサ15を介してアンプ13bとスピーカ40とが接続される。これにより、入力端子11に入力された告知放送信号は、アンプ13bを介してスピーカ40によって出力される。
【0074】
また、この動作において、告知放送受信機301の電源が投入されると、電源遮断制御部61は、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルを監視する。
ここで、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値以上である場合には、電源遮断制御部61は、告知放送受信機301に含まれるすべての部品の電源をON状態に維持する。
【0075】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作)
次に、告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作について説明する。
この動作において、実施の形態1の告知放送ができる場合にラジオ放送を行う動作で説明したのと同様に、告知放送受信機301の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いてラジオ放送に切り替える操作を行うと、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続され、切替部30bによってFMチューナ23とスピーカ40とが接続される。これにより、入力端子11に入力されたラジオ放送信号は、FMチューナ23を介してスピーカ40によって出力される。
【0076】
また、この動作において、実施の形態4の告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61によるレベルの監視が行われ、告知放送受信機301に含まれるすべての部品の電源がON状態に維持される。
【0077】
(告知放送受信機の動作−告知放送ができない場合の動作)
最後に、告知放送ができない場合の動作について説明する。なお、この動作は、実施の形態1の告知放送ができない場合の動作と同様に、告知放送受信機301の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いて告知放送(あるいは、ラジオ放送)に切り替える操作を行い、切替部30aによってアンプ13aとFMチューナ23とが接続され、切替部30bによってミキサ15を介してアンプ13b(あるいは、ラジオ放送の場合には、FMチューナ23)とスピーカ40とが接続される場合に、適用される動作である。
【0078】
この動作において、告知放送受信機301の電源が投入されると、実施の形態4の告知放送ができる場合に告知放送を行う動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61によるレベルの監視が行われる。
ここで、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値より下回った場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源を遮断する。そして、これに伴って、実施の形態1の告知放送ができない場合の動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61は、切替部30aによってBPF22をFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってFMチューナ23をスピーカ40に対して接続させる。これにより、入力端子21に入力されたラジオ信号は、FMチューナ23を介してスピーカ40によって出力される。
【0079】
その後、電源遮断制御部61によってアンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源が遮断されている場合であって、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値以上となった場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源をON状態に復帰させる。そして、これに伴って、実施の形態1の告知放送ができない場合の動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61は、切替部30aによってアンプ13aをFMチューナ23に対して接続させると共に、切替部30bによってミキサ15を介してアンプ13bをスピーカ40に対して接続させる。これにより、入力端子11に入力された告知放送信号は、アンプ13bを介してスピーカ40によって出力される。
【0080】
(効果)
このように実施の形態4によれば、告知放送系統10は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16よりも上段側においてレベル測定部80を有し、電源遮断制御部61は、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値よりも下回った場合に、電源遮断制御を行うので、レベル測定部80にて測定された信号のレベルに応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、消費電力を効果的に低減することができる。また、レベル測定部80による信号のレベル測定を継続することができるので、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値以上となった場合に、電源遮断制御の対象となる部品の電源をON状態に復帰させることができる。そのため、電源遮断制御の対象となる部品の電源を復帰させるための特別な部品を設ける必要がないので、製造コストを低減することできる。
〔実施の形態5〕
次に、実施の形態5について説明する。この形態は、告知放送信号の受信状態を表示する表示手段を備えた形態である。なお、特に説明なき構造については、実施の形態3の構造と同様であり、実施の形態3と略同様の構成要素、及び、動作については、必要に応じて、実施の形態3で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
【0081】
(構成)
図5は実施の形態5に係る告知放送受信機の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、実施の形態5に係る告知放送受信機401は、実施の形態3の告知放送受信機201の構成要素に対して、さらにレベル測定部80と、表示部90とを加えて構成されている。
ここで、切替部30aは、電源切替部51の切り替え操作に基づいて、アンプ13a又はBPF22のいずれか一方をFMチューナー23に対して選択的に切り替える。
また、切替部30bは、電源切替部51の切り替え操作又は操作部50の所定操作に基づいて、アンプ13b又はFMチューナ23のいずれか一方をスピーカ40に対して選択的に切り替える。
なお、レベル測定部80は、上述した実施の形態4のレベル測定部80と同様のものであるので、このレベル測定部80の構成の説明を省略する。
【0082】
(構成−表示部)
表示部90は、告知放送信号の受信状態を表示する表示手段である。この表示部90の具体的な構成は任意であり、例えば公知のLEDランプ、蛍光ランプ等を用いて表示部90を構成することができる。
【0083】
(告知放送受信機の動作)
次に、このように構成された告知放送受信機401の動作について説明する。なお、この動作は、実施の形態3の告知放送ができない場合の動作に適用される動作である。
【0084】
この動作において、告知放送受信機401の電源が投入された後に、ユーザが操作部50を用いてラジオ放送に切り替える操作を行うと、電源遮断制御部61は、電源切替部51の切り替え状態を監視すると共に、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルを監視する。
ここで、ユーザの電源切替部51の操作によってラジオ放送系統20の電源のみがONに切り替えられた場合には、実施の形態3の告知放送ができない場合の動作で説明したのと同様に、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14及び発振器16の電源を遮断して、切替部30a、30bの切り替え制御を行った後に、スピーカ40によって、入力端子21に入力されたラジオ放送信号をFMチューナ23を介して出力させる。
またこのときに、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値よりも下回っていた場合には、ユーザに対して告知放送受信機401が告知放送信号を受信していないことを知らせるために、電源遮断制御部61は、表示部90によって、告知放送信号を受信していない旨を表示させる(具体的には、表示部90を消灯、又は点滅させる)。
【0085】
また一方で、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値以上であった場合には、ユーザに対して告知放送受信機401が告知放送信号を受信していることを知らせるために、電源遮断制御部61は、表示部90によって、告知放送信号を受信している旨を表示させる(具体的には、表示部90を点灯、又は告知放送信号を受信していない旨を表示する場合とは異なる間隔で点滅させる)。
【0086】
(効果)
このように実施の形態5によれば、電源遮断制御部61は、電源切替部51によってラジオ放送系統20の電源のみがONに切り替えられている場合において、レベル測定部80にて測定された告知放送信号のレベルが所定値以上となった場合に、表示部90によって、告知放送信号を受信している旨を表示させるので、ラジオ放送系統20の電源のみがONされている場合において、ユーザに対して告知放送信号を受信している旨を提示でき、緊急放送等の聞き逃しを防止することができる。
【0087】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0088】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0089】
(分散や統合について)
上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。
【0090】
(電源遮断制御の対象について)
各実施の形態では、告知放送系統10に含まれる複数の部品のうち、電源遮断制御の対象となるのは、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17であると説明したが、これに限られない。例えば、この電源遮断制御の対象をアンプ13a、13b、及びAGC14としてもよい。
【0091】
(告知放送受信機の構成について)
実施の形態1、2、4では、告知放送受信機は、ラジオ放送系統20を備えていると説明したが、例えばラジオ放送系統20を省略してもよい。この場合において、電源遮断制御の対象については、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17に限られず、例えば、上述した部品に加えて、アンプ41、及びスピーカ40も電源遮断制御の対象としてもよい。
【0092】
(各実施の形態の相互の組み合わせについて)
各実施の形態1から5の構成や制御を、相互に組み合わせてもよい。例えば、実施の形態4の告知放送受信機301に、実施の形態2における検知部70を組み合わせてもよい。
この場合において、電源遮断制御部61は、レベル測定部80にて測定された信号のレベルと、検知部70にて告知放送受信機1と図示しない伝送線路との接続状態とを監視しており、レベル測定部80にて測定された信号のレベルが所定値より下回った場合、又は、検知部70により告知放送受信機1と図示しない伝送線路とが接続状態でないと検知された場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源を遮断する。
また、電源遮断制御部61によってアンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源が遮断されている場合において、レベル測定部80にて測定された信号のレベルが所定値以上となり、且つ、検知部70により告知放送受信機1と図示しない伝送線路とが接続状態であると検知された場合には、電源遮断制御部61は、アンプ13a、13b、AGC14、発振器16、及びDET17の電源をON状態に復帰させる。
【0093】
(告知放送受信機の動作について)
実施の形態5の告知放送受信機401の動作において、レベル測定部80にて測定された信号のレベルが所定値以上となった場合に、電源遮断制御部61は、表示部90によって、告知放送信号を受信している旨を表示させると説明したが、例えば、スピーカ40によって、告知放送信号を受信している旨を示す音(具体的には、「ピーピー」というブザー音)を出力させてもよい。
(付記)
付記1の告知放送受信機は、告知放送信号を伝送線路を介して受信して放送する告知放送受信機であって、前記告知放送信号に対して受信処理及び出力処理を含む所定処理を行う告知放送系統と、前記告知放送系統に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源を遮断する電源遮断制御を行う電源遮断制御手段であって、前記電源遮断制御を行うための所定条件が充足したか否かを、前記告知放送系統にて受信された前記告知放送信号、又は、前記告知放送系統に関する所定操作に基づいて判定し、当該所定条件が充足した場合に前記電源遮断制御を行う電源遮断制御手段と、を備えている。
また、付記2の告知放送受信機は、付記1に記載の告知放送受信機において、前記告知放送信号及びラジオ放送信号を受信して放送する告知放送受信機であって、前記ラジオ放送信号に対して受信処理及び出力処理を含む所定処理を行うラジオ放送系統と、音声を出力する音声出力手段と、前記告知放送系統にて受信された前記告知放送信号、又は、前記告知放送系統若しくは前記ラジオ放送系統に関する所定操作に基づいて、前記告知放送系統又は前記ラジオ放送系統のいずれか一方を前記音声出力手段に対して選択的に切り替える切替手段と、を備えている。
また、付記3の告知放送受信機は、付記2に記載の告知放送受信機において、前記ラジオ放送系統の電源のみをON、前記告知放送系統の電源のみをON、又は、前記告知放送系統と前記ラジオ放送系統との電源をONに切り替える電源切替手段を備え、前記電源遮断制御手段は、前記電源切替手段によって前記ラジオ放送系統の電源のみがONに切り替えられた場合に、前記電源遮断制御を行い、前記電源切替手段によって前記告知放送系統の電源のみがONに切り替えられた場合に、前記ラジオ放送系統に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源を遮断する。
また、付記4の告知放送受信機は、付記1又は2に記載の告知放送受信機において、前記告知放送系統は、前記告知放送系統に含まれる複数の部品の一部であって、前記電源遮断制御手段によって電源遮断制御の対象となる部品よりも上段側において前記告知放送信号のレベルを測定するレベル測定手段を有し、前記電源遮断制御手段は、前記レベル測定手段にて測定された前記告知放送信号のレベルが所定値よりも下回った場合に、前記電源遮断制御を行う。
また、付記5の告知放送受信機は、付記3及び4に記載の告知放送受信機において、前記告知放送系統は、前記告知放送信号の受信状態を表示する表示手段を有し、前記電源遮断制御手段は、前記電源切替手段によって前記ラジオ放送系統の電源のみがONに切り替えられている場合において、前記レベル測定手段にて測定された前記告知放送信号のレベルが所定値以上となった場合に、前記表示手段によって、前記告知放送信号を受信している旨を表示させる。
また、付記6の告知放送受信機は、付記1又は2に記載の告知放送受信機において、前記告知放送系統は、前記告知放送系統に含まれる複数の部品の一部であって、前記電源遮断制御手段によって電源遮断制御の対象となる部品よりも下段側において前記告知放送信号の電界強度を測定する電界強度測定手段を有し、前記電源遮断制御手段は、前記電界強度測定手段にて測定された前記告知放送信号の電界強度が所定値よりも下回った場合に、前記電源遮断制御を断続的に行い、当該電源遮断制御手段によって前記電源遮断制御の対象となる部品の電源が断続的に遮断されている場合において、前記電界強度測定手段にて測定された前記告知放送信号の電界強度が所定値よりも上回った場合に、当該電源遮断制御の対象となる部品の電源をON状態に復帰させる。
また、付記7の告知放送受信機は、付記1又は2に記載の告知放送受信機において、前記告知放送系統は、当該告知放送受信機と前記伝送線路とが接続状態であるか否かを検知する検知手段を有し、前記電源遮断制御手段は、前記検知手段により当該告知放送受信機と前記伝送線路とが接続状態でないと検知された場合に、前記電源遮断制御を行う。
(付記の効果)
付記1に記載の告知放送受信機によれば、電源遮断制御を行うための所定条件が充足したか否かを、告知放送系統にて受信された告知放送信号、又は、告知放送系統に関する所定操作に基づいて判定し、当該所定条件が充足した場合に電源遮断制御を行う電源遮断制御手段を備えたので、告知放送信号、又は告知放送系統に関する所定操作に応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、告知放送系統に含まれる複数の部品に対して電力が常時供給されている場合に比べて、消費電力を低減することができる。特に、停電時において電源遮断制御を行うことで、告知放送受信機のバックアップ電源の待機時間を長くすることができる。
また、付記2に記載の告知放送受信機によれば、告知放送系統にて受信された告知放送信号、又は、告知放送系統若しくはラジオ放送系統に関する所定操作に基づいて、告知放送系統又はラジオ放送系統のいずれか一方を音声出力手段に対して選択的に切り替える切替手段を備えたので、告知放送信号、又は、告知放送系統若しくはラジオ放送系統に関する所定操作に応じて告知放送系統又はラジオ放送系統の切り替えを自動的に行うことができ、使用性を向上させることができる。
また、付記3に記載の告知放送受信機によれば、電源遮断制御手段は、電源切替手段によってラジオ放送系統の電源のみがONに切り替えられた場合に、電源遮断制御を行い、電源切替手段によって告知放送系統の電源のみがONに切り替えられた場合に、ラジオ放送系統に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源を遮断するので、電源切替手段の切り替え操作に基づいて、告知放送系統に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源、又はラジオ放送系統に含まれる複数の部品の少なくとも一部の電源を遮断でき、ユーザのニーズに応じた電源遮断制御を行うことができる。
また、付記4に記載の告知放送受信機によれば、告知放送系統は、電源遮断制御手段によって電源遮断制御の対象となる部品よりも上段側において告知放送信号のレベルを測定するレベル測定手段を有し、電源遮断制御手段は、レベル測定手段にて測定された告知放送信号のレベルが所定値よりも下回った場合に、電源遮断制御を行うので、レベル測定手段にて測定された告知放送信号のレベルに応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、消費電力を効果的に低減することができる。また、レベル測定手段による告知放送信号のレベル測定を継続できるので、レベル測定手段にて測定された告知放送信号のレベルが所定値以上となった場合に、電源遮断制御の対象となる部品の電源をON状態に復帰させることができる。そのため、電源遮断制御の対象となる部品の電源を復帰させるための特別な部品を設ける必要がないので、製造コストを低減することできる。
また、付記5に記載の告知放送受信機によれば、電源遮断制御手段は、電源切替手段によってラジオ放送系統の電源のみがONに切り替えられている場合において、レベル測定手段にて測定された告知放送信号のレベルが所定値以上となった場合に、表示手段によって、告知放送信号を受信している旨を表示させるので、ラジオ放送系統の電源のみがONされている場合において、ユーザに対して告知放送信号を受信している旨を提示でき、緊急放送等の聞き逃しを防止することができる。
また、付記6に記載の告知放送受信機によれば、告知放送系統は、電源遮断制御手段によって電源遮断制御の対象となる部品よりも下段側において告知放送信号の電界強度を測定する電界強度測定手段を有し、電源遮断制御手段は、電界強度測定手段にて測定された告知放送信号の電界強度が所定値よりも下回った場合に、電源遮断制御を断続的に行うので、告知放送信号の電界強度に応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、消費電力を効果的に低減することができる。また、電源遮断制御手段によって電源遮断制御の対象となる部品の電源が断続的に遮断されている場合において、電界強度測定手段にて測定された告知放送信号の電界強度が所定値以上となった場合に、電源遮断制御の対象となる部品の電源をON状態に復帰させるので、電界強度測定手段による告知放送信号の電界強度の測定を継続させながら、電源遮断制御の対象となる部品の電源を復帰させるための特別な部品を設けることなく、電源遮断制御の対象となる部品の電源を復帰させることができ、製造コストを低減することできる。
また、付記7に記載の告知放送受信機によれば、電源遮断制御手段は、検知手段により告知放送受信機と伝送線路とが接続状態でないと検知された場合に、電源遮断制御を行うので、検知手段の検知結果に応じて電源遮断制御を自動的に行うことができ、伝送線路が告知放送受信機から取り外されている間は消費電力を効果的に低減することができる。