特許第5814821号(P5814821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5814821携帯端末装置、プログラムおよび画面制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5814821
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月17日
(54)【発明の名称】携帯端末装置、プログラムおよび画面制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20151029BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20151029BHJP
【FI】
   G06F3/048 655B
   H04M1/00 R
【請求項の数】10
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-36151(P2012-36151)
(22)【出願日】2012年2月22日
(65)【公開番号】特開2013-171505(P2013-171505A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2014年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】小林 広樹
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−165735(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/111112(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0199361(US,A1)
【文献】 特開平09−204288(JP,A)
【文献】 特開平09−152957(JP,A)
【文献】 特開2001−174271(JP,A)
【文献】 特開2007−318423(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示する表示処理部と、
前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出する検出処理部と、を備え、
前記検出処理部は、前記表示面に対するタッチ操作の入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動するタッチ操作を検出したときに、当該タッチ操作を前記所定の操作として検出し、
前記表示処理部は、前記検出処理部が前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
記表示処理部は、前記タッチ操作による入力位置の移動に伴って、前記タッチ操作に対応する方向に、前記境界を移動させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記検出処理部は、前記表示面に対するタッチ操作の開始位置が前記境界上にあるときに、当該タッチ操作を前記所定の操作として検出する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記表示処理部は、前記入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動した後に折り返されるタッチ操作が前記検出処理部によって検出されたとき、前記境界を折り返し位置に留める、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記検出処理部は、前記表示面に対するタッチ操作の開始位置が前記第1領域上にあるときに、当該タッチ操作を前記所定の操作として検出し、
前記表示処理部は、前記境界に直交する方向の前記第1領域の長さを当該タッチ操作の開始位置によって内分したときの内分比を保って前記第1領域が変化するように、前記境界を移動させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示する表示処理部と、
前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出する検出処理部と、
前記表示面に対する操作によって、前記第1実行画面をスクロールさせるスクロール処理部と、を備え、
前記検出処理部は、前記第1実行画面のスクロールが完遂された後、さらに当該スクロールを行うための操作が所定条件のもとで継続されたときに、当該スクロールのための操作を前記所定の操作として検出し、
前記表示処理部は、前記検出処理部が前記スクロールのための操作を前記所定の操作として検出したことに基づいて、前記境界を前記第2領域側に所定の距離移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行する
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯端末装置において、
前記表示処理部は、前記検出処理部が前記所定の操作を検出した場合、前記境界を強調するための表示を行うとともに、強調された前記境界に対する入力を前記検出処理部が検出したことに基づいて、前記境界を前記第2領域側に所定の距離移動させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
第1表示面を前記表示面の一部として有する第1筐体と、
前記第1表示面に隣接する第2表示面を前記表示面の一部として有する第2筐体と、を備え、
前記表示処理部は;
前記第1領域が割り当てられた前記第1表示面に前記第1実行画面を表示するとともに、前記第2領域が割り当てられた前記第2表示面に前記第2実行画面を表示し、さらに、
前記検出処理部が前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
表示面を有する携帯端末装置のコンピュータに、
表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示する機能と、
前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出する機能と、
前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する機能と、を実行させ
前記表示面に対するタッチ操作の入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動するタッチ操作が、前記所定の操作として検出される、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
表示面を有する携帯端末装置の画面制御方法であって、
表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示するステップと、
前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出するステップと、
前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行するステップと、を含
前記表示面に対するタッチ操作の入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動するタッチ操作が、前記所定の操作として検出される、
ことを特徴とする画面制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末等の携帯端末装置および当該携帯端末装置に用いて好適なプログラムと画面制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のアプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」と呼ぶ。)に基づく実行画面を表示面に同時に表示可能な帯端末装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−044592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように複数の画像が同時に表示されると、各画像の表示領域が狭くなる。通常、各画像の表示領域は、予め配置が固定されているため、ユーザは、各画像の表示領域の大きさを変更できない。このため、ユーザにとっては、画像が閲覧しにくく、また、画像に対する操作が難しい等の問題が生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、アプリケーションに基づく実行画面が表示面に複数表示されている場合に、ユーザが、実行画面の表示領域を所望のサイズに変更できる携帯端末装置、プログラムおよび画面制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は携帯端末装置に関する。本態様に係る携帯端末装置は、表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示する表示処理部と、前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出する検出処理部と、を備える。ここで、前記検出処理部は、前記表示面に対するタッチ操作の入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動するタッチ操作を検出したときに、当該タッチ操作を前記所定の操作として検出する。前記表示処理部は、前記検出処理部が前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行する。
【0007】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示処理部は、前記タッチ操作による入力位置の移動に伴って、前記タッチ操作に対応する方向に、前記境界を移動させるよう構成され得る
【0008】
本態様に係る携帯端末装置において、前記検出処理部は、前記表示面に対するタッチ操作の開始位置が前記境界上にあるときに、当該タッチ操作を前記所定の操作として検出するよう構成され得る。
【0009】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示処理部は、前記入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動した後に折り返されるタッチ操作が前記検出処理部によって検出されたとき、前記境界を折り返し位置に留めるよう構成され得る
【0010】
本態様に係る携帯端末装置において、前記検出処理部は、前記表示面に対するタッチ操作の開始位置が前記第1領域上にあるときに、当該タッチ操作を前記所定の操作として検出するよう構成され得る。この場合、前記表示処理部は、前記境界に直交する方向の前記第1領域の長さを当該タッチ操作の開始位置によって内分したときの内分比を保って前記第1領域が変化するように、前記境界を移動させる。
【0011】
本発明の第2の態様は、携帯端末装置に関する。本態様に係る携帯端末装置は、表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示する表示処理部と、前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出する検出処理部と、前記表示面に対する操作によって、前記第1実行画面をスクロールさせるスクロール処理部と、を備えるここで、前記検出処理部は、前記第1実行画面のスクロールが完遂された後、さらに当該スクロールを行うための操作が所定条件のもとで継続されたときに、当該スクロールのための操作を前記所定の操作として検出する。さらに、前記表示処理部は、前記検出処理部が前記スクロールのための操作を前記所定の操作として検出したことに基づいて、前記境界を前記第2領域側に所定の距離移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行する
【0012】
本態様に係る携帯端末装置において、前記表示処理部は、前記検出処理部が前記所定の操作を検出した場合、前記境界を強調するための表示を行うよう構成され得る。この場合、前記表示処理部は、強調された前記境界に対する入力を前記検出処理部が検出したことに基づいて、前記境界を前記第2領域側に所定の距離移動させる。
【0013】
第1および第2の態様に係る携帯端末装置は、第1表示面を前記表示面の一部として有する第1筐体と、前記第1表示面に隣接する第2表示面を前記表示面の一部として有する第2筐体と、を備え得る。この場合、前記表示処理部は、前記第1領域が割り当てられた前記第1表示面に前記第1実行画面を表示するとともに、前記第2領域が割り当てられた前記第2表示面に前記第2実行画面を表示する。さらに、前記表示処理部は、前記検出処理部が前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行する。
【0014】
本発明の第3の態様は、プログラムに関する。本態様に係るプログラムは、表示面を有する携帯端末装置のコンピュータに、表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示する機能と、前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出する機能と、前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する機能と、を実行させるここで、前記表示面に対するタッチ操作の入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動するタッチ操作が、前記所定の操作として検出される。
【0015】
本発明の第4の態様は、表示面を有する携帯端末装置の画面制御方法に関する。本態様に係る画面制御方法は、表示面上に割り当てられた第1領域に第1アプリケーションプログラムに基づく第1実行画面を表示するとともに、前記表示面上に割り当てられた、前記第1領域に隣接する第2領域に第2アプリケーションプログラムに基づく第2実行画面を表示するステップと、前記表示面に対する、前記第1領域と前記第2領域との境界を移動させるための所定の操作を検出するステップと、前記所定の操作を検出したことに基づいて、前記所定の操作に対応する方向へ前記境界を移動させるとともに、前記第1領域と前記第2領域の領域サイズを変化させ、前記第1実行画面と前記第2実行画面の表示を更新する制御を実行するステップと、を含む。ここで、前記表示面に対するタッチ操作の入力位置が、前記第1領域内から前記第2領域へと移動するタッチ操作が、前記所定の操作として検出される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アプリケーションに基づく実行画面が表示面に複数表示されている場合に、ユーザが、実行画面の表示領域を所望のサイズに変更できる携帯端末装置、プログラムおよび画面制御方法を提供できる。
【0017】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】携帯電話機1の外観構成を示す正面図である。
図2】携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
図3】本実施の形態に係る、画面制御処理を示すフローチャートと、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
図4】本実施の形態に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の遷移例を示す図である。
図5】本実施の形態に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の遷移例を示す図である。
図6】変更例1に係る、画面制御処理を示すフローチャートと、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
図7】変更例1に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の遷移例を示す図である。
図8】変更例2に係る、画面制御処理を示すフローチャートと、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の遷移例を示す図である。
図9】変更例3に係る、画面制御処理を示すフローチャートと、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
図10】変更例3に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の遷移例を示す図である。
図11】変更例4に係る、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
図12】変更例4に係る、画面制御処理を示すフローチャートと、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
図13】変更例4に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の遷移例を示す図である。
図14】変更例5に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の遷移例を示す図である。
図15】その他の変更例に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の例を示す図である。
図16】その他の変更例に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の例を示す図である。
図17】その他の変更例に係る、画面制御処理の実行時における、表示面に表示される画面の例を示す図である。
図18】その他の変更例に係る、携帯電話機の外観構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、携帯電話機1の外観構成を示す正面図である。携帯電話機1は、キャビネット2と、表示面3と、マイクロフォン4と、スピーカ5と、キー操作部6と、を備える。
【0021】
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。携帯電話機1は、制御部1
1と、記憶部12と、表示部13と、操作入力部14と、音声入力部15と、音声出力部16と、音声処理部17と、キー操作入力部18と、通信部19と、を備える。
【0022】
表示面3は、キャビネット2の正面に配されている。表示面3は、表示部13の表示面である。表示面3には画面が表示される。
【0023】
マイクロフォン4は、入力した音に応じた電気信号を生成する。生成された電気信号は、音声処理部17へ出力される。スピーカ5は、音声処理部17から入力する電気信号に応じた音を出力する。
【0024】
キー操作部6は、キャビネット2に設けられている。キー操作部6は、ソフトキー、ハードキー等のキーから構成されている。キー操作部6を構成する各キーには、実行中のプログラム等に応じた各種の機能が、割り当てられる。
【0025】
記憶部12は、ROM、RAM等から構成される。記憶部12には、各種のプログラムが記憶されている。記憶部12に記憶されるプログラムは、携帯電話機1の各部を制御するための制御プログラムの他、各種(たとえば、電話、電子メール、地図、テレビ電話、SMS(ショートメッセージサービス)、ウェブブラウザ、電子文書閲覧、ゲーム、カメラ、スケジュール管理)のアプリケーション等である。記憶部12は、後述される表示処理部31と検出処理部32の機能を実行するためのプログラムも記憶する。
【0026】
記憶部12は、プログラムの実行の際、一時的に利用または生成されるデータを記憶する、ワーキング領域としても使用される。
【0027】
制御部11は、CPU等から構成されている。制御部11は、プログラムに従って、携帯電話機1を構成する各部(記憶部12、表示部13、操作入力部14、音声入力部15、音声出力部16、音声処理部17、キー操作入力部18、通信部19等)を、制御する。
【0028】
表示部13は、液晶ディスプレイ等から構成される。表示部13は、制御部11からの制御信号と画像信号とに基づき、表示面3に画面を表示する。表示部13は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等、他の表示装置から構成されてもよい。
【0029】
操作入力部14は、指、タッチペン等(簡単のため、以下、単に「指」と言う。)の表示面3への接触を検出するタッチセンサ等から構成されている。タッチセンサは、上記の液晶ディスプレイと一体的に形成されることにより、タッチパネルを構成している。タッチセンサは、透明なシート状に形成され、表示面3上を覆うように配されている。操作入力部14を構成するタッチセンサは、静電容量式、超音波式、感圧式、抵抗膜式、光検知式等、各種のタッチセンサであってよい。
【0030】
操作入力部14は、指の接触による表示面3に対する操作の入力を受け付ける。操作入力部14は、指が触れた表示面3上の位置を入力位置として検出し、検出した入力位置に応じた位置信号を制御部11へ出力する。
【0031】
ユーザは、表示面3に指を触れさせることによりタッチ操作を行える。タッチ操作は、タップ操作、スライド操作、フリック操作等の、表示面3に指を触れさせる各種の操作である。タップ操作は、表示面3に指を接触させた後、リリース(離す)する操作である。フリック操作は、表示面3に指を接触させて弾く操作(指を接触させた後、所定速度で移動させて離す操作)である。スライド操作は、表示面3に指を接触させたまま所定距離移動させた後、タッチパネル上より指を離す操作である。
【0032】
制御部11は、操作入力部14からのタッチ操作の入力位置に応じた位置信号に基づき、タッチ操作の入力位置および当該入力位置の移動、タッチ操作の開始および終了のタイミング、タッチ操作の種類(タップ操作、スライド操作、フリック操作等)等を特定する。
【0033】
音声入力部15は、マイクロフォン4等から構成される。音声入力部15は、マイクロフォン4からの電気信号を、音声処理部17へ出力する。
【0034】
音声出力部16は、スピーカ5等から構成される。音声出力部16は、音声処理部17からの電気信号を入力し、スピーカ5から音声を出力する。
【0035】
音声処理部17は、音声入力部15からの電気信号にA/D変換等を施し、変換後のデジタルの音声信号を制御部11へ出力する。音声処理部17は、制御部11からのデジタルの音声信号にデコード処理およびD/A変換等を施し、変換後の電気信号を音声出力部16に出力する。
【0036】
キー操作入力部18は、キー操作部6の各キーが押下されたときに、押下されたキーに応じた信号を制御部11へ出力する。
【0037】
通信部19は、通話や通信のための、信号を変換するための回路、電波を送受信するアンテナ等を備える。通信部19は、制御部11から入力される通話や通信のための信号を無線信号に変換し、変換された無線信号を、アンテナを介して、基地局や他の通信装置等の通信先へ送信する。また、通信部19は、アンテナを介して受信した無線信号を制御部11が利用できる形式の信号へ変換し、変換された信号を制御部11へ出力する。
【0038】
携帯電話機1は、複数のアプリケーションを実行できる、マルチタスクの機能を備える。携帯電話機1は、さらに、起動されたアプリケーションの複数の実行画面を同時に表示面3に表示する機能を備える。
【0039】
制御部11は、以下に説明する画面制御処理(図3(a))の実行のため、表示処理部31と検出処理部32を備える。画面制御処理は、表示面3に対する所定の条件を満たす操作(画面変更操作)を検出処理部32が検出することに基づき、表示処理部31がアプリケーションの実行画面の配置を変更するための処理である。
【0040】
図3(a)は、本実施の形態に係る画面制御処理を示すフローチャートである。図4(a)および図4(b)は、画面制御処理の実行時における、表示面3に表示される画面の遷移例を示す図である。図3に示す画面制御処理は、ユーザによる所定の操作に基づきアプリケーションが起動され、図4(a)に示すようなアプリケーションに基づく複数(2つ)の実行画面が、表示面3に表示されるときに実行される。
【0041】
以下、簡潔に説明するため、2つのアプリケーション(A1、A2)の実行画面が表示面3において互いに隣接するよう表示される場合における画面制御処理の実行例について説明する。説明は省略するが、3つ以上の実行画面が表示面3に表示される場合には、境界を挟んで隣接する実行画面を対象とする画面制御処理の実行が可能である。
【0042】
図3(a)に示す画面制御処理が実行開始されると、表示処理部31は、初期表示処理(S101)を実行する。表示処理部31は、表示面3上において、第1領域R1に第1実行画面41を表示するとともに、第1領域R1に境界Bを挟んで隣接する第2領域R2に第2実行画面42を表示する。第1実行画面41と第2実行画面42は、それぞれ、起
動されたアプリケーションA1、A2の実行画面である。第1実行画面41と第2実行画面42は、境界Bを挟んで互いに隣接する。
【0043】
表示処理部31は、境界Bに沿った線の画像等、境界Bを示す画像を表示面に表示する。
【0044】
表示処理部31は、第1領域R1と第2領域R2との境界Bの位置を、パラメータVに基づいて定める。パラメータVは、境界BのY座標を示し、初期表示処理に先立ち予め所定の初期値に設定される。
【0045】
ここで、表示面3上の座標は、図4(a)に示されるX軸(水平方向)とY軸(垂直方向)により定められる。X軸座標とY軸座標の各単位は、たとえばピクセルである。原点(0、0)は、表示面3の左上の角に対応し、表示面3上での境界Bの左端の位置に対応する座標は(0、V)である。
【0046】
表示処理部31は、境界Bに基づき、第1領域R1と第2領域R2とを定義する。第1領域R1はY座標がV未満の領域である。第2領域R2は、Y座標がV以上の領域である。
【0047】
パラメータVの変更が、境界Bの移動に応じてなされるとともに、当該移動に伴い第1領域R1と第2領域R2が変化する。パラメータVを増加させる変更は、境界Bの下方向(Y軸正方向)への移動に対応する。当該移動に伴い第1領域R1は拡大し、第2領域R2は縮小する。逆に、パラメータVを減少させる変更は、境界Bの上方向(Y軸負方向)への移動に対応する。当該移動に伴い第1領域R1は縮小し、第2領域R2は拡大する。変化後の第1領域R1と第2領域R2は、移動後の領域Bを挟んで互いに隣接する。
【0048】
初期表示処理(S101)の実行後、制御部11が操作入力部14からの位置信号に基づき表示面3に対するタッチ操作を検出した場合(S102:YES)、検出処理部32が検出処理(S103)を実行する。
【0049】
図3(b)は、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。検出処理ルーチンは、ステップS103の検出処理の内容を示す。検出処理は、画面変更操作を検出するための処理である。検出処理部32は、タッチ操作の初期の入力位置(開始位置)が境界B上にある場合、画面変更操作が検出されたとして、フラグFに「1」を設定し(S110)、検出処理ルーチンを終了する。検出処理部32は、タッチ操作の初期の入力位置が境界B上にない場合、画面変更操作が検出されないとして、フラグFに「0」を設定し(S110)、検出処理ルーチンを終了する。
【0050】
ここで、タッチ操作の初期の入力位置(開始位置)とは、ステップS102において検出されたタッチ操作の入力位置を指す。初期の入力位置のY座標が、上記パラメータVに略等しい場合、フラグFに「1」が設定される(F=1。S110)。タッチ操作の入力位置のY座標は、操作入力部14からの位置信号に基づき取得される。初期の入力位置のY座標が、パラメータVに略等しくない場合、フラグFに「0」が設定される(F=0。S111)。
【0051】
画面制御処理において、フラグFの設定を行う検出処理(S103)は、タッチ操作が開始(S102:YES)されてから終了(S107:NO)までの間、1回限り実行される。このため、一連のタッチ操作が継続する間、フラグFは、一度「0」または「1」に設定された後には変更されない。
【0052】
F=0の場合(S104:NO)には、ステップS107の処理が実行される。ステップS107において、制御部11は、タッチ操作が継続しているか否かを判定する処理を実行する。ステップS107においてNOと判定された場合には、再びステップS104の判定処理が実行される。画面変更操作とみなされないタッチ操作(F=0)が継続する間、ステップS104とS107の処理が繰り返し実行され、後述の境界Bの移動(S105)および画面(第1実行画面41、第2実行画面42)の更新(S106)のための処理は実行されない。つまり、画面変更操作として検出されていないタッチ操作(F=0)が継続する間、境界Bの位置は固定される。
【0053】
F=1の場合、すなわち検出処理部32によって画面変更操作が検出された場合(S104:YES)、表示処理部31は、ステップS105〜S107の処理を実行する。
【0054】
たとえば図4(a)に示すように、ユーザがタッチ操作を表示面3に対して行い(S102:YES)、且つ、当該タッチ操作の初期の入力位置が境界B上にある場合(S109:YES)、フラグFが「1」に設定さる(S110→S104:YES)。この場合、表示処理部31は、ステップS105〜S107の処理を実行する。
【0055】
ステップS105の処理は、取得されるタッチ操作の入力位置のY座標が増減することに対応して、境界Bを上下に移動させるための処理である。タッチ操作の入力位置のY座標の増加および減少は、それぞれ、境界Bの下方向および上方向への移動に対応する。
【0056】
表示処理部31は、ステップS0105において、パラメータVをタッチ操作の現在の入力位置のY座標Y1に設定する。上記の通り、設定されたパラメータVに基づき、境界Bが移動される。表示処理部31は、ステップS106において、境界Bの移動に伴い変化した第1領域R1と第2領域R2にそれぞれ適合するよう、第1実行画面41と第2実行画面42を更新する。
【0057】
表示処理部31は、制御部11がステップS102において検出されたタッチ操作が継続していると判定した場合(S107:YES)、ステップS104〜S106の処理を再び実行する。すなわち、ユーザによりなされているタッチ操作が終了する(指が表示面3からリリースされる)ことに基づきステップS107においてNOと判定されるまで、表示処理部31は、ステップS104〜S106の処理を繰り返し実行する。
【0058】
上記の実行画面(41、42)の更新は、たとえば、実行画面の領域(R1、R2)の広さの変化に応じた画像の拡大または縮小による更新、レイアウトの更新等である。領域が拡大または縮小することに対応して、実行画面に表示されていた情報の、さらなる詳細情報または概略情報が表示されるよう、実行画面が更新されてもよい。
【0059】
図4(a)に示されるように、タッチ操作の入力位置が、初期の入力位置Pから左下を向く矢印の方向へ移動するとき、入力位置のY座標Y1は、徐々に増加する。パラメータVが、徐々に増加するY座標Y1に設定されるため(S105)、境界Bが徐々に下方向へ移動される。境界Bの移動に伴い、第1領域R1と第2領域R2は、移動する境界Bで隣接するよう変化する。表示処理部31は、変化する第1領域R1と第2領域R2にそれぞれ適合するよう、第1実行画面41と第2実行画面42とが更新される。タッチ操作が継続することによって現在の入力位置が検出される間、第1実行画面41と第2実行画面42は、現在の入力位置を通る境界Bにおいて隣接するよう、継続的に更新される。
【0060】
タッチ操作の入力位置がユーザにより所望の位置まで移動された後、図4(a)に示す現在の入力位置Qが操作入力部14により検出されたとき、図4(b)に示すように、パラメータVは、現在の入力位置QのY座標Y1に設定される(S105)。境界Bは、現
在の入力位置Qへ移動される。そして、移動後の境界Bを挟んで隣接するように、第1実行画面41と第2実行画面42が表示面3に表示される。
【0061】
現在の入力位置Qが検出されているときにタッチ操作が検出されなくなった場合(S107:NO)、上述の通り、制御部11はステップS108の処理へ進む。ステップS108において、制御部11は、アプリケーションA1またはアプリケーションA2が終了したか否かを判定する。2つのアプリケーションA1、A2がともに終了していない場合(S108:NO)、表示面3に対するタッチ操作を再び検出すべくステップS102の処理が実行される。
【0062】
アプリケーションA1またはアプリケーションA2が終了した場合(S108:YES)、図3(a)に示される画面制御処理は終了する。一方のアプリケーション(A1またはA2)が終了していない場合、画面制御処理の終了後、当該アプリケーションに対応する実行画面(41または42)が表示面3全体に表示される。両方のアプリケーションA1、A2が終了している場合、所定の画面(ホーム画面等)が表示面3に表示される。
【0063】
図5(a)と図5(b)は、画面制御処理の実行時における、表示面3に表示される画面の遷移例を示す図である。図4(a)、(b)を用いて説明されたタッチ操作とは逆に、入力位置のY座標が減少するような、スライド操作等のタッチ操作が検出される場合、図5(a)、(b)に示すように境界Bは上方向へ移動される。
【0064】
たとえば図5(a)に示すように、初期の入力位置Pから現在の入力位置Qへ入力位置が上方向へ移動するタッチ操作が検出され得る。図5(a)の場合、初期の入力位置Pは境界B上にあるため、検出処理部32は、当該タッチ操作を画面変更操作として検出する。この結果、表示処理部31は、境界Bを現在の入力位置Qへ移動させる。
【0065】
以上、本実施の形態によれば、ユーザによる画面変更操作に対応する方向へ境界Bが移動されるとともに、境界Bの移動に伴い領域サイズが変化した第1領域R1と第2領域R2にそれぞれ適合させて、第1実行画面41と第2実行画面42が、移動後の境界Bを挟んで隣接するよう更新される。
【0066】
ユーザは、画面変更操作によって表示面3に触れる指の位置を移動させることにより、移動の方向に対応した方向に境界Bを移動させることができる。たとえば、ユーザは、所望の実行画面の表示領域を拡大することにより、当該実行画面の閲覧や操作の利便性が向上する。ユーザが行う画面変更操作としてのタッチ操作は、設定画面を開く、メニュー画面において所望の項目を選択する等の手順を必要としない。
【0067】
したがって、本実施の形態によれば、アプリケーションに基づく実行画面が表示面に複数表示されている場合に、ユーザが、実行画面の表示領域を、所望のサイズに変更できる。
【0068】
さらに、本実施の形態において、検出処理部32により検出される画面変更操作は、スライド操作、フリック操作等の、入力位置を移動させるタッチ操作である。境界Bが移動される方向は、入力位置の移動の境界Bに直交する成分の向きに対応している。そのため、ユーザは、タッチ操作に伴う境界Bの移動を直感的に認識することができる。
【0069】
さらに、本実施の形態において、タッチ操作の初期の入力位置、すなわちタッチ操作の開始位置が境界B上にあるときに、当該タッチ操作が画面変更操作として検出される。ユーザは、実行画面の表示領域の大きさを変更したいときには、表示面3上に表示された境界Bを指で触れてその指先を移動させるだけで、第1実行画面41と第2実行画面42の
配置を変更できるため、操作が簡易である。
【0070】
<変更例1>
本変更例1の構成によれば、タッチ操作の入力位置が、一方の領域から境界Bを越えて他方の領域へ移動するときに、タッチ操作に対応する方向に境界Bが移動される。
【0071】
図6(a)は、本変更例に係る画面制御処理を示すフローチャートである。図6(b)は、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。図3(b)に示される検出処理ルーチンは、図6(a)に示されるステップS103の検出処理の内容を示す。
【0072】
図6(a)のフローチャートでは、図3(a)におけるステップS107(タッチ操作の継続状態を判定する処理)においてNOと判定された場合、ステップS104ではなく、ステップS103が実行される。すなわち、上記実施の形態では、検出処理が1回のタッチ操作につき1回実行されていたのに対し、本変更例では、タッチ操作が継続する間、検出処理が繰り返し実行される。
【0073】
タッチ操作が継続する間に検出処理が繰り返し実行される結果、後述するように、検出処理部32は、1回のタッチ操作がなされている間、当該タッチ操作を画面変更操作として検出するときと、画面変更操作として検出しないときがあり得る。
【0074】
図6(b)のフローチャートでは、図3(b)におけるステップS109の処理が、ステップS121とS122の処理に置き換えられる。
【0075】
本変更例に係る検出処理ルーチン(図6(b))について、以下に説明する。
【0076】
ステップS121において、検出処理部32は、タッチ操作の初期の入力位置が、第1領域R1と第2領域R2のうち一方の領域内にあるか否かを判定する。
【0077】
ステップS121においてYESと判定された場合、検出処理部32は、現在のタッチ操作の入力位置が、上記一方の領域とは異なる他方の領域上にあるか否かを判定する。検出処理部32は、検出処理部32は、ステップS121においてもYESと判定した場合、ユーザにより画面変更操作がなされているとして、フラグFに「1」を設定し(F=1。S110)、検出処理ルーチンを終了する。
【0078】
ステップS121、S122の処理は、タッチ操作の入力位置のY座標とパラメータVとの大小関係に基づき実行される。
【0079】
検出処理部32は、ステップS121またはS122においてNOと判定した場合、ユーザにより画面変更操作がなされていないとして、フラグFに「0」を設定し(F=0。S111)、検出処理ルーチンを終了する。
【0080】
図7(a)〜図7(c)は、画面制御処理の実行時における、表示面3に表示される画面の遷移例を示す図である。図7(a)によれば、タッチ操作の初期の入力位置Pは、第1領域R1内にある。検出処理部32は、ステップS121の判定処理においては、入力位置が第1領域R1内にあるとしてYESと判定するため、ステップS122の判定処理が実行される。
【0081】
ユーザの指の表示面3への接触位置が初期の入力位置Pに留まる場合、検出処理部32は、現在の入力位置(P)は、第2領域R2(他方の領域)上にないとして、ステップS122においてNOと判定する。このとき、検出処理部32は、画面変更操作を検出しな
い(F=0)。
【0082】
この後、図7(a)に示す現在の入力位置P1が検出された場合、検出処理部32は、現在の入力位置P1が他方の領域上にあるため(S122:YES)、画面変更操作を検出する(F=1。S110)。
【0083】
画面制御処理において、F=1であることが検出された場合、表示処理部31は、パラメータVを、タッチ操作の現在の入力位置P1のY座標Y1に設定する(S105)。図7(b)に示すように、境界Bが現在の入力位置P1へ移動される。タッチ操作が画面変更操作として検出されているときには、境界Bは、現在の入力位置に追随して連続的に移動される。境界Bの移動に伴い、アプリケーションA1の実行画面が拡大するとともに、アプリケーションA2の実行画面が縮小される。
【0084】
現在の入力位置P1が、図7(c)に示す新たな現在の入力位置Qへ移動し得る。この場合、現在の入力位置Qは、初期の入力位置Pが属する第1領域R1(一方の領域)内にある。この場合、画面制御処理と検出処理ルーチンに基づき、境界Bは、図7(b)に示される位置に留まる。
【0085】
つまり、現在の入力位置Qは他方の領域(第2領域R2)上にない(S122:NO)ため、検出処理部32は、画面変更操作を検出しない(F=0)。この場合、パラメータVを設定する処理が実行されないためにパラメータVは、図7(c)に示すように、図7(b)に示される状態のときに設定された値に保たれる。よって、境界Bは、図7(b)に示される位置に留まる。
【0086】
図7(a)〜(c)に示す通り、ユーザは、境界Bを、第1領域R1の側から押し下げるように移動させることができる。
【0087】
ユーザは、第2領域R2内を初期のタッチ位置とするようタッチ操作を行い、第2領域R側から押し上げるように境界Bを移動させることによって、第1領域R1を縮小させることができる。
【0088】
すなわち、画面制御処理は、境界Bを上方向(Y軸負方向)へ移動させるための画面変更操作も検出する。図7(a)に示す矢印の方向と逆方向へ移動するたち操作、つまり初期の入力位置がP1であり且つ現在の入力位置がPであるようなタッチ操作が検出された場合、検出処理部32は、画面変更操作を検出する(F=1)。この場合、境界Bは、Y座標がVであるような所定の位置から、現在の入力位置Pへ、上方向へ移動される。
【0089】
以上、本変更例によれば、表示面3に対して第1領域R1内から第2領域R2へと継続するタッチ操作がなされたときに、すなわち、タッチ操作が一方の領域内から始まり、且つ、境界Bを越えて他方の領域へと入るように継続するときに、検出処理部32は、当該タッチ操作を画面変更操作として検出する。一方の領域が第1領域R1であるとき、他方の領域は第2領域R2である。一方の領域が第2領域R2であるとき、他方の領域は第1領域R1である。
【0090】
本変更例に係る画面変更操作が検出されることによって、ユーザは、境界Bを、一方の領域の内側から押し広げるように移動させることができる。
【0091】
本変更例の構成は、上記実施の形態の構成と組み合わせることが可能である。この場合、タッチ操作の初期の入力位置が境界B上にあるときには、上記実施の形態にて説明された画面制御処理と検出処理ルーチンが実行され、さらに、タッチ操作の初期の入力位置が
第1領域R1内または第2領域R2内にあるときには、本変更例にて説明された画面制御処理と検出処理ルーチンが実行される。
【0092】
<変更例2>
図8(a)は、本変更例に係る画面制御処理を示すフローチャートである。図8(b)および図8(c)は、本変更例に係る、画面制御処理の実行時における、表示面3に表示される画面の遷移例を示す図である。
【0093】
本変更例における画面制御処理は、上記変更例1における画面制御処理に略同一である。ただし、本変更例における画面制御処理は、ステップS105の処理が図8(a)に示すようにステップS131の処理に置換されている点が、上記変更例1における画面制御処理と異なる。
【0094】
ステップS131の処理は、継続するタッチ操作に関して初めて当該処理が実行されるときの動作は、ステップS105の処理の動作と異なり、2回目以降の当該処理の動作は、ステップS105の処理と同一である。
【0095】
現在行われているタッチ操作に関して初めて当該ステップS131の処理が実行されるとき、表示処理部31は、パラメータVをV+ΔVまたはV−ΔVに設定する。ここで、ΔVは、正の所定値である。表示処理部31は、所定値ΔVに係る上記符号(+または−)を、タッチ操作に適合する方向へ境界Bが移動するよう決定する。
【0096】
すなわち、タッチ操作の入力位置が、図8(a)に示すように第1領域R1内(初期の入力位置P)から、図8(b)に示すように境界B(現在の入力位置P1)上へ初めて移動した場合、表示処理部31は、V=V+ΔVと設定する。パラメータVの値がΔVだけ増加することにより、図8(c)に示すように境界Bは、所定値ΔVに対応する所定の距離だけ不連続に下方向へ移動される。これに伴い、アプリケーションA1の実行画面が境界Bの移動距離に応じて拡大される。
【0097】
同様に、タッチ操作の入力位置が、第2領域R2内から境界Bへ初めて移動した場合、表示処理部31は、V=V−ΔVと設定する。この場合、境界Bは、所定値ΔVに対応する所定の距離だけ不連続に上方向へ移動される。
【0098】
継続するタッチ操作において2回目以降にステップS131の処理が実行される場合がある。この場合、タッチ操作が画面変更操作として検出されているとき、上記変更例1と同様に、表示処理部31は、境界Bをタッチ操作の入力位置に追随させるように連続的に移動させる。
【0099】
以上、本変更例においても、タッチ操作が一方の領域内から始まり、且つ、境界Bを越えて他方の領域R2へと入るように継続するときに、検出処理部32は、当該タッチ操作を画面変更操作として検出する。継続するタッチ操作において、初めて当該タッチ操作の入力位置が境界B上に位置するときには、画面変更操作として検出される当該タッチ操作の方向へ境界Bが所定距離だけ移動される。ユーザは、境界Bの移動先を精密に指定する操作を行うことなく、境界Bを、画面変更操作の方向に対応した方向へ、所定距離だけ移動させることができる。よって、操作が簡易となる。
【0100】
境界Bの不連続な移動の後、ユーザがさらに境界Bの位置を修正することを望む場合、さらにタッチ操作を継続することによって、上記変更例1と同様に境界Bを連続的に移動させることができる。
【0101】
ステップS131におけるパラメータVをΔV増減させる設定の実行は、初めてステップS131が実行されるときだけでなく、最初のN回(Nは所定の正整数)においてなされてもよい。
【0102】
本変更例の構成は、上記実施の形態の構成と組み合わせることが可能である。
【0103】
<変更例3>
本変更例では、ユーザが、拡大あるいは縮小したい表示領域(実行画面)内において、領域を拡げるようなタッチ操作あるいは縮めるようなタッチ操作を行ったときに、画面変更操作が検出され、タッチ操作の方向に対応した方向に境界Bが移動される。
【0104】
図9(a)は、本変更例に係る、本実施の形態に係る画面制御処理を示すフローチャートである。図9(b)は、本変更例に係る、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0105】
図9(a)に示すフローチャートでは、図3(a)に示すフローチャートのステップS104の後段にステップS141の処理が挿入され、さらにステップS105の処理がステップS142の処理に置き換えられる。図9(b)に示すフローチャートでは、図3(b)に示すフローチャートのステップS109の処理がステップS143の処理に置き換えられる。
【0106】
検出処理部32は、検出処理ルーチン(図9(b))において、タッチ操作の初期の入力位置が第1領域R1および第2領域R2のうち一方の領域上にある場合、画面変更操作を検出する(F=1)。
【0107】
図10(a)〜(c)は、本変更例に係る、画面制御処理の実行時における、表示面3に表示される画面の遷移例を示す図である。
【0108】
タッチ操作の初期の入力位置P(図10(a))が検出された場合、当該入力位置は第1領域R1(一方の領域)上にあるため、検出処理部32は、当該タッチ操作を画面変更操作として検出し、Fを「1」に設定する(S110)。
【0109】
F=1である場合(S104:YES)、表示処理部31は、ステップS141において、上記の初期の入力位置Pに基づく内分比αを取得する。
【0110】
ここで、内分比αは、タッチ操作の対象である第1領域R1の、境界Bに直交する方向に関する長さを、初期の入力位置によって内分したときの内分比を指す。具体的には、タッチ操作の初期の入力位置のY座標をY0とするとき、内分比αは、式α=(V−Y0)/Y0によって与えられる。表示処理部31は、当該式に基づき演算処理を実行することにより内分比αを取得する。
【0111】
当該内分比αは、初期の入力位置Pに基づき決定される値であるため、ステップS141が一度実行された後、当該タッチ操作が継続する間(S107:YES)は、ステップS141の処理はスキップされる。
【0112】
図10(a)の例と異なり、初期の入力位置Pが第2領域R2上にある場合には、内分比αは、式α=(Y0−V)/(H−Y0)で与えられる。ここで、Hは、第1領域R1と第2領域R2の境界Bの直交方向に関する長さを表す。
【0113】
初期の入力位置Pに基づく内分比αの取得の後(S141)、表示処理部31は、タッ
チ操作の現在の入力位置に基づく内分比が、上記内分比αに一致するよう、パラメータVを設定する。
【0114】
たとえば、図10(a)に矢印で示す方向にタッチ操作の入力位置が移動し、図10(b)に示すような現在の入力位置P1のY座標Y1が検出され得る。この場合、表示処理部31は、現在の入力位置P1に基づく内分比(V−Y1)/Y1がαに一致するようパラメータVを設定する。すなわち、パラメータVは、式V=(1+α)×Y1により与えられる。表示処理部31は、当該式に基づき演算処理を実行することによりパラメータVを設定する。
【0115】
図10(a)に矢印で示すように、タッチ操作の入力位置が下方向へ移動する場合、入力位置のY座標は増大するため(Y1>Y0)、パラメータVは、上記式に基づき増加するよう設定される。
【0116】
表示処理部31は、内分比αを保つよう境界Bを移動させるため、たとえば、タッチ操作の初期の入力位置が、Y軸方向に関して第1領域R1の中央である場合には、現在の入力位置が常に変更後の第1領域R1の中央に位置するよう境界Bが移動される。別の例として、タッチ操作の初期の入力位置が境界B上にあった場合には、境界Bは、上記実施の形態と同様に、現在の入力位置へ移動される。
【0117】
図10(b)に矢印で示すようにタッチ操作の入力位置が上方向へ移動すると、図10(c)に示すようなタッチ操作の現在の入力位置P2のY座標Y2が取得され得る。上述と同様に、表示処理部31は、現在の入力位置に基づく内分比(V−Y2)/Y2が上記内分比αに一致するようパラメータVを設定する(S142)。この場合、パラメータVは減少するよう設定される。境界Bは、内分比αを保つように上方向に移動する。
【0118】
以上、本変更例によれば、初期の入力位置に基づく内分比を保つよう、境界Bが移動される。この構成により、ユーザは、最初に一方の領域(第1領域R1または第2領域)をタッチした場合、当該一方の領域における相対的な入力位置が固定される。ユーザは、境界Bに触れなくても、所望の領域(実行画面)内でタッチ操作を行うことにより、境界Bを移動させることができ、便利である。
【0119】
<変更例4>
図11は、本変更例に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。本変更例において、制御部11は、スクロール処理部33(後述)をさらに備える。
【0120】
図12(a)は、本変更例に係る、本実施の形態に係る、画面制御処理を示すフローチャートである。図12(b)は、本変更例に係る、検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0121】
図12(a)に示すフローチャートでは、図3(a)に示すフローチャートのステップS102の処理が削除され、さらにステップS105の処理がステップS151の処理に置き換えられる。図12(b)に示すフローチャートでは、図3(b)に示すフローチャートのステップS109の処理がステップS512〜S155の処理に置き換えられる。
【0122】
本変更例に係る画面制御処理は、アプリケーションA1またはアプリケーションA2の実行画面(41、42)が所定のスクロール操作を受け付け可能に表示面3に表示されるときに実行される。所定のスクロール操作は、対象の実行画面上において当該実行画面をスクロール表示させるための操作である。所定のスクロール操作は、たとえば、スクロール表示させる方向へのスライド操作やフリック操作である。
【0123】
以下では、簡単のため、図13(a)に示すようにアプリケーションA1の第1実行画面41が、所定のスクロール操作(たとえば、図13(a)に示す矢印の方向へのスライド操作)を受け付け可能に第1領域R1に表示されている場合における、画面制御処理について説明する。ただし、当該画面制御処理は、アプリケーションA2の第2実行画面42にも適用可能である。
【0124】
スクロール処理部33は、アプリケーションA1の実行に基づき、上下方向へのスライド操作等をスクロール表示のためのスクロール操作として検出する。スクロール処理部33は、アプリケーションA1の実行に基づき、第1実行画面41を、検出したスクロール操作に対応する方向(上下方向)にスクロール表示する。
【0125】
本変更例において説明に用いられる例では、実行画面は上下方向にスクロール表示される。本変更例の画面制御処理は、左右方向や、ななめ方向へのスクロール表示等、スクロールの方向に関係なく、適宜実行可能である。
【0126】
図13(a)において、第1実行画面41上の右下には、スクロールバー43が表示されている。スクロールバー43の垂直方向に関する位置は、スクロール表示によって表示されることができるコンテンツにおける第1実行画面41の位置を示す。スクロールバー43が第1領域R1の最下部に表示されていることが示す通り、第1実行画面41は、スクロール表示が完遂された状態にある。スクロールバー43が表示されない構成が採られてもよい。
【0127】
ここで、スクロール表示が完遂された状態とは、アプリケーションの実行により表示されるべき画像全体のうち、最上部分または最下部分が第1実行画面41として第1領域R1に表示されている状態を言う。たとえば、ウェブブラウザのアプリケーションの実行中に表示されている実行画面において、実行画面に係るコンテンツの最上部または最下部が表示されている状態が、スクロール表示が完遂された状態である。
【0128】
図13(a)に示すようなスクロール操作が検出された場合、第1実行画面41は、スクロール表示が完遂された状態にあるため、スクロール処理部33は、当該スクロール操作を受け付けず、スクロール処理部33はスクロール表示を実行しない。この例の場合、スクロール表示が完遂された状態にあることに起因して受け付けられないスクロール操作の方向(以下、単に「スクロール表示できない方向」と言う。)が上方向である。
【0129】
本変変更例に係る検出処理ルーチンについて説明する。
【0130】
ステップS152において、検出処理部32は、第1実行画面41が、スクロール表示が完遂された状態にある場合、YESと判定する。
【0131】
ステップS153において、検出処理部32は、第1領域R1に対して、スクロール表示できない方向へスクロール操作が検出された場合、YESと判定する。
【0132】
ステップS154において、検出処理部32は、ステップS153においてYESと判定されるような、スクロール表示できない方向へのスクロール操作が、所定条件(後述)の下で繰り返された場合、YESと判定する。
【0133】
検出処理部32は、ステップS152〜S153においてYESと判定した場合、当該スクロール操作を画面変更操作として検出する(F=1。S110)。検出処理部32は、ステップS152〜S153の何れかにおいてNOと判定した場合、画面変更操作を検
出しない(F=0。S111)。
【0134】
スクロール表示できない方向へのスクロール操作に関する上記所定条件は、たとえば、スクロール表示できない方向へのスクロール操作の頻度に関する条件である。より具体的には、たとえば、所定条件は、スライド操作が所定時間(たとえば数秒程度)内に所定回数(たとえば数回)以上なされることである。
【0135】
表示処理部32は、画面変更操作が検出された場合(F=1)、ユーザにより画面変更操作なされたとして、パラメータVをV+ΔWに設定する。ΔWは所定の正の閾値である。パラメータVがV+ΔWに設定された結果、図13(b)に示すように、境界BがΔWだけ下方向へ移動される。アプリケーションA1の実行画面41がΔWの分だけ拡大する。
【0136】
以上、本変更例によれば、検出処理部32は、第1実行画面41のスクロール表示が完遂された後、さらに、スクロール表示できない方向へスクロール操作が所定条件のもとで継続されたとき、当該スクロール操作を画面変更操作として検出する。たとえば、所定時間内に所定回数以上スクロール表示できない方向へのスクロール操作が検出された場合に、検出処理部32により画面変更操作が検出される。
【0137】
画面変更操作が検出されることにより、自動的に境界Bが第1領域R1を拡大する方向に移動される。
【0138】
表示内容の閲覧を快適に行うことができない場合に第1領域R1が拡大されるため、ユーザは、第1領域R1に表示された第1実行画面41を快適に閲覧できる。
【0139】
<変更例5>
図14(a)〜(c)は、本変更例に係る、画面制御処理の実行時における、表示面3に表示される画面の遷移例を示す図である。
【0140】
上記変更例4の画面制御処理に、境界Bの移動させる前に、ユーザへ当該境界Bの移動の実行を確認する確認処理がさらに付加されてもよい。
【0141】
たとえば、上記変更例4において説明した図13(a)と同様に、画像変更操作とみなすスクロール操作が検出処理部32により検出された場合、図14(a)に示すように、表示処理部31が境界Bを強調するための表示を行う。
【0142】
境界Bを強調するための表示は、境界Bを強調する視覚的効果を奏する各種の画像処理に基づく表示であり、たとえば、境界Bが光っているかのように見える表示、境界Bを点滅させる表示、境界Bの太さや色や柄を変更する表示等である。
【0143】
検出処理部32は、強調された境界Bに対する入力(タッチ操作)を待ち受ける。検出処理部32が図14(b)に示すような強調された境界Bに対する入力(タッチ操作)を検出した場合、表示処理部31は、境界Bを、図14(c)に示すように上記変更例3と同様に移動させる。
【0144】
検出処理部32は、境界Bを強調するための表示の開始後、所定時間以上境界Bに対する入力が検出されない場合には、当該強調表示を解除するとともに、境界Bに対する入力の待ち受けを停止する。
【0145】
検出処理部32が境界B以外の位置のタッチ操作を検出した場合にも、当該強調表を解
除する。
【0146】
以上、本変更例5によれば、画像変更操作としてのスクロール操作が検出処理部32により検出された場合、境界Bの移動に関する確認処理が実行される。確認処理は、境界Bを強調するための表示処理である。強調された境界Bに対する入力を検出処理部32が検出したことに基づいて、表示処理部31は、境界Bを第2領域R2の側へ所定の距離(ΔW)だけ移動させる。
【0147】
ユーザは、表示面3に表示されている実行画面(第1実行画面41、第2実行画面42)の閲覧を、妨害されることなく、境界Bの移動を実行するための境界Bの強調表示を認知できる。ユーザが望む場合、境界Bに対するタッチ操作を行うことにより、第1実行画面41の表示領域である第1領域R1を拡大させることができる。
【0148】
<その他>
以上、本発明の実施の形態および変更例について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0149】
上記実施の形態および変更例1〜5では、検出処理部32によってタッチ操作が画面変更操作として検出されている間、第1実行画面41と第2実行画面42は更新される(S106)。しかしながら、表示処理部31は、検出処理部32によって画面変更操作としてタッチ操作が検出されている間には第1実行画面41と第2実行画面42を更新しない構成が採られてもよい。たとえば、タッチ操作の終了後に、検出処理部32が当該タッチ操作を画面変更操作として検出したことに基づいて、境界Bの移動に伴い変化した第1領域R1と第2領域R2にそれぞれ適合するよう、第1実行画面41と第2実行画面42を更新するよう構成されてもよい。この場合、タッチ操作が画面変更操作として検出されている間、表示処理部31は、移動している境界Bの位置を通知するための境界Bを示す線などの画像を表示面3に表示してもよい。
【0150】
上記実施の形態および変更例1〜5では、一例として、境界Bが水平方向(X軸方向)を向くよう第1領域R1と第2領域R2が表示面3上に割り当てられる。第1領域R1と第2領域R2は、水平方向に限らず、図15(a)、(b)に示すような垂直方向(Y軸方向)を向く境界を挟んで隣接するよう、あるいは、ななめ方向を向く境界Bを挟んで隣接するよう、表示面3上に割り当てられてよい。携帯電話機1は、たとえば図15(a)、(b)に示すように、縦向きあるいは横向きの何れの姿勢で使用されてもかまわない。
【0151】
上記実施の形態および変更例1〜5では、一例として、第1領域R1と第2領域R2が表示面3全体を覆う場合について説明された。しかしながら、上記実施の形態および変更例1〜5の構成は、図16に示すように第1領域R1と第2領域R2が表示面3の一部分を覆う場合にも適用可能である。
【0152】
上記実施の形態および変更例1〜5では、一例として、第1実行画面41と第2実行画面42との2つの実行画面が表示面3に表示されている場合について説明された。しかしながら、3つ以上の実行画面が表示面3に表示されている場合にも上記実施の形態および変更例1〜5の構成は適用可能である。
【0153】
上記実施の形態および変更例1〜5の構成は、表示面3が個別の2つ以上の表示面から構成されている場合にも適用できる。たとえば、図17(a)に示すように、表示面3は、略隣接するように配置された2つの表示面3a、3bから構成されるものとしてもよい。通常、表示面3が、2つの表示面3a、3bから一体的に見えるよう構成される場合、
2つのアプリケーションA1、A2の各実行画面41、42は、図17(a)に示すように、表示面3a、3bの各々に表示される。つまり、第1領域R1と第2領域R2は、各表示面3a、3bにそれぞれ割り当てられる。この場合、第1領域R1と第2領域R2との境界Bは、各表示面3a、3b上の互いに隣接する辺となる。たとえば、タッチ操作の入力位置が、図17(a)に示す初期の入力位置Pから現在の入力位置Qへ移動することが検出された場合、上記実施の形態に係る画面制御処理の実行によって、図17(b)に示すように境界Bが現在の入力位置Qへ移動され、境界Bの移動に伴い2つのアプリケーションA1、A2の実行画面の大きさが変更される。上記実施の形態に限らず、変更例1〜5に係る画面制御処理が実行適用されてもよい。
【0154】
図17(a)、(b)の構成において、各実行画面41、42は、一体的に形成されたキャビネット2に配されてもよいし、図18(a)、(b)に示すようにそれぞれ個別のキャビネット2a、2bに配されてもよい。図18(a)、(b)の例において、携帯電話機1のキャビネット2は、第1キャビネット2aと第2キャビネット2bとを備え、表示面3は、各キャビネット2a、2bにそれぞれ配された第1表示面3aと第2表示面3bを有する。携帯電話機1は、図18(a)に示すように第1キャビネット2aが第2キャビネット2bの上に重ねられた閉状態と、図18(b)に示すように第1キャビネット2aと第2キャビネット2bが並べて配された状態と、を切換可能な構成が採られている。開状態において、2つの表示面3a、3bは略面一になり、一体的な表示面3を形成する。図17(a)、(b)を用いて説明されたように、画面制御処理に基づき、境界Bが移動されるとともに、表示面3(3a、3b)に表示されたアプリケーションA1、A2の実行画面41、42の大きさが変更される。
【0155】
画面変更操作は、上記実施の形態および変更例1〜5において説明された操作に限らず、各種の操作であってよい。たとえば、境界B上を所定時間(たとえば、数百ミリ秒〜数秒程度)以上タッチする操作(ロングタッチ)が、検出処理部32によって画面変更操作として検出されてよい。この構成によれば、画面変更操作と、画面をスクロールさせるための操作等、他のタッチ操作との間の競合の回避が可能である。また、検出処理部32による画面変更操作の誤検出が抑制される。
【0156】
上記実施の形態では、スマートフォン型の携帯電話機に本発明が適用されている。しかしながら、これに限らず、ストレート式、折りたたみ式、スライド式等、他のタイプの携帯電話機に本発明が適用されてもよい。
【0157】
さらに、本発明は、携帯電話機に限られず、PDA(Personal DigitalAssistant)、タブレットPC(Tablet PC)、電子書籍端末等の携帯端末装置を含む、各種の通信装置に適用可能である。
【0158】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0159】
1 携帯電話機 (携帯端末装置)
2a 第1キャビネット (第1筐体)
2b 第2キャビネット (第2筐体)
3 表示面
3a 第1表示面
3b 第2表示面
31 表示処理部
32 検出処理部
33 スクロール処理部
41 第1実行画面
42 第2実行画面
A1 アプリケーション (第1アプリケーションプログラム)
A2 アプリケーション (第2アプリケーションプログラム)
B 境界
R1 第1領域
R2 第2領域
α 内分比
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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