【実施例】
【0077】
実施例1−カカオ豆供給源および調製方法
収穫したカカオの実を開き、果肉を有する豆を凍結乾燥のために取り出した。凍結乾燥したカカオマスから、果肉を手作業で除去した。未発酵の凍結乾燥したカカオ豆から手作業で外皮を取り、TEKMARミルにより微細な粉末カカオマスに挽いた。次いで、溶媒として蒸留ヘキサンを用いたソックスレー抽出によって、得られたカカオマスを一晩脱脂した。周囲温度での真空によって、脱脂したカカオマスから残留溶媒を除去した。
【0078】
実施例2−脱脂したカカオマスからのカカオポリフェノールの抽出
Jalal and Collin (1977)により記載された方法の改良版を使用して、カカオポリフェノールを抽出した。実施例1からの脱脂したカカオマスの50グラムのバッチを、400mLの70%のアセトン/脱イオン水により二回抽出し、ジクロロメタン(CH
2Cl
2)により二回抽出した。溶媒相は廃棄した。次いで、水相を、500mLの酢酸エチルにより四回抽出した。得られたエマルジョンを、10℃で30分間に亘り2,000×gで動作したSorvall RC28S遠心分離機での遠心分離によって破壊した。混合酢酸エチル抽出物に、100から200mLの脱イオン水を加えた。部分真空下に保持したロータリー・エバポレータによる45℃での蒸発により、溶媒を除去した。得られた水相を、液体窒素(N
2)中で凍結させ、その後、LABCONCO Freeze Dry Systemにより凍結乾燥を行った。
【0079】
実施例3−高CP部分脱脂カカオ固形分の調製
約7から8質量%の初期含水量を有する市販のカカオ豆を皮むき機(scalperator)内で予備清浄した。予備清浄した豆をエアー流動床密度分離機(air fluidized bed density separator)中でさらに洗浄した。次いで、洗浄した豆を赤外線加熱装置に通した。装置の振動ベッドにおける豆の深さは、豆約2〜3個の深さであった。装置の表面温度を約165℃に設定し、それによって、1から1.5分の時間で約135℃の豆内部温度(IBT)になった。この処理により、外皮を迅速に乾燥させ、カカオニブから分離した。選り分け工程に先立ち、振動ふるいによって分離した割れた小片を製品の流れに再導入した。微粉化の後に得られた豆は、約3.9質量%の含水量を有する必要があった。そのような豆は約135℃のIBTで現れ、約3分間で約90℃の温度まで急冷して、さらなる水分損失を最小限にした。その後、豆を選り分けし、豆に亀裂を入れて外皮を弛め、ニブからそれより軽い外皮を分離し、一方で同時に外皮廃棄流と共に失われるニブの量を最小限にした。得られたカカオニブを、2つのスクリュープレスを用いてプレスして、カカオ固形分からカカオバターを抽出した。
【0080】
未発酵カカオ豆(発酵係数233)から上述したプロセスにしたがって製造したカカオ固形分のサンプルは、Adamson等の上記の方法にしたがって分析した場合、通常、脱脂カカオ粉末1g当り、約50から約75ミリグラム、好ましくは約60から約75ミリグラム、またはより好ましくは約75から約80ミリグラムの総カカオポリフェノールを有する。
【0081】
実施例4−高CP部分脱脂カカオ固形分からの高CPカカオ抽出物の調製
実施例3からのカカオ固形分を、0.5から3.5時間に亘り室温で水性有機溶媒と接触させた。この溶媒は、約75%のエタノール/25%の水(v/v)または約80%のアセトン/20%の水(v/v)であった。カカオ残留物からミセルを分離し、蒸発によって、30から50%の総固形分含有量まで濃縮した。次いで、濃縮した抽出物を噴霧乾燥した。
【0082】
実施例5−高CPチョコレートリカーの調製
7.4質量%の初期含水量、および233の発酵係数レベル(スレート色31%、紫色29%、紫褐色22%、および褐色17%)を有する標準平均品質(FAQ)のスラウェシ産のカカオ豆を出発材料として選択した。カカオ豆を、振動する赤外線加熱装置(Micronizer Company Ltd.(英国)により製造された)に通した。赤外線加熱器に通す豆の供給速度、および赤外線加熱器床角度(bed angle)により、豆が受ける熱処理の量を制御する。豆が赤外線加熱器中で費やした総時間(滞留時間)は、床角度および供給速度により決定される。マイクロナイザーの排出口で、豆のIBTを測定した。赤外線加熱器から排出される豆の表面温度は、IBTより高い。急速な表面冷却により、その表面温度を1分未満でIBTに近づける。研究室規模の加工処理設備を用いて、カカオ豆をチョコレートリカーにさらに加工処理した。割れた豆を、研究室規模の選分けシステムに通して、外皮とニブに分けた。次いで、カカオニブをMelange(英国のPascall Engineering Col, Ltd.社)内で粗いリカーに粉砕した。Melange内のリカーの通常の動作温度は約50℃であった。カカオニブを1時間に亘りMelange内で細砕した。
【0083】
総カカオポリフェノール含有量を、上述したAdeamson等の方法を用いて測定した。42秒間に亘り107℃のIBTで加熱したときに、脱脂したカカオリカーの総カカオポリフェノール含有量は、39,690マイクログラムであった。126℃のIBTおよび82秒の滞留時間では、総カカオポリフェノール含有量は28,815マイクログラムであり、148℃のIBTおよび156秒の滞留時間では、23,937マイクログラムであった。
【0084】
実施例6−粉砕した高CPカカオ抽出物の調製
実施例4におけるように調製した噴霧乾燥したカカオ抽出物を、空気ジェットミル(Fluid Energy Aljet Roto-Jet)を用いて粉砕した。これらの抽出物を、110psi(約759kPa)の粉砕空気が用いられるミルに手作業で供給した。細かく粉砕された抽出物を分離するために、5,000および10,000rpmの分離速度を用いた。
【0085】
代表的なサンプルを、Beckman Coulter Particle Size Analyzer内で分析した。
【0086】
図1は、粉砕していない噴霧乾燥した抽出物の粒径分布を示している。未粉砕抽出物の平均粒径および中央粒径は、それぞれ、45.4マイクロメートルおよび28.83マイクロメートルであった。粒子の90体積%は64.9マイクロメートル未満(D
90)であり、粒子の75体積%は44.86マイクロメートル未満(D
75)であり、粒子の50体積%は28.83マイクロメートル未満(D
50)であり、粒子の25体積%は16.34マイクロメートル未満(D
25)であり、粒子の10体積%は8.112マイクロメートル未満(D
10)であった。未粉砕抽出物の総カカオポリフェノール含有量は、未粉砕抽出物1グラム当たり468.5ミリグラムであった。
【0087】
図2は、5,000rpmの分離速度を用いて空気ジェット粉砕した噴霧乾燥したカカオ抽出物の粒径分布を示している。粉砕抽出物の平均粒径および中央粒径は、それぞれ、7.49マイクロメートルおよび6.517マイクロメートルであった。粒子の90体積%は15.26マイクロメートル未満(D
90)であり、粒子の75体積%は11.21マイクロメートル未満(D
75)であり、粒子の50体積%は6.517マイクロメートル未満(D
50)であり、粒子の25体積%は2.889マイクロメートル未満(D
25)であり、粒子の10体積%は1.35マイクロメートル未満(D
10)であった。粉砕抽出物の総カカオポリフェノール含有量は、粉砕抽出物1グラム当たり477.9ミリグラムであった。
【0088】
図3は、10,000rpmの分離速度を用いて空気ジェット粉砕した噴霧乾燥したカカオ抽出物の粒径分布を示している。粉砕抽出物の平均粒径および中央粒径は、それぞれ、3.71マイクロメートルおよび3.452マイクロメートルであった。粒子の90体積%は6.755マイクロメートル未満(D
90)であり、粒子の75体積%は5.192マイクロメートル未満(D
75)であり、粒子の50体積%は3.452マイクロメートル未満(D
50)であり、粒子の25体積%は1.913マイクロメートル未満(D
25)であり、粒子の10体積%は1.057マイクロメートル未満(D
10)であった。この粉砕抽出物の総カカオポリフェノール含有量は、515.3mg/gであった。未粉砕抽出物と粉砕抽出物との間の総カカオポリフェノール含有量の差は、それほど大きくなく、これらの分析について典型的に見られる差の範囲内である。
【0089】
図4は、
図2および3の粉砕した高CPカカオ抽出物の重なりを示している。
【0090】
実施例7−カカオバター中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および平均粒径3.71マイクロメートルとなるまで粉砕された高CPカカオ抽出物を、40℃で暖めたカカオバター中に分散させた。この混合物は、1.5質量%のカカオ抽出物および98.5質量%のカカオバターを含有していた。味わったときに、粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するカカオバターは、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有するカカオバターよりも、苦味と渋味が著しく弱いことが分かった。
【0091】
実施例8−無水乳脂中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および平均粒径3.71マイクロメートルとなるまで粉砕された高CPカカオ抽出物を、40℃で暖めた無水乳脂中に分散させた。この混合物は、1.5質量%の高CPカカオ抽出物および98.5質量%の無水乳脂を含有していた。味わったときに、粉砕した高CPカカオ抽出物を含有する無水乳脂は、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有する無水乳脂よりも、苦味と渋味が著しく弱いことが分かった。
【0092】
実施例9−コーンシロップ中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および平均粒径3.71マイクロメートルとなるまで粉砕された高CPカカオ抽出物を、40℃で暖めた63DEのコーンシロップ中に分散させた。この混合物は、1.5質量%の高CPカカオ抽出物および98.5質量%のコーンシロップを含有していた。味わったときに、粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するコーンシロップは、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有するコーンシロップよりも、苦味と渋味が著しく弱いことが分かった。
【0093】
実施例10−ミルクチョコレート中の高CPカカオ抽出物の分散
約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物および粉砕された高CPカカオ抽出物(3.7マイクロメートルの平均粒径)を、40℃で暖めたミルクチョコレート中に分散させた。この高CPチョコレート混合物は、1.03質量%の高CPカカオ抽出物および98.97質量%のミルクチョコレートを含有していた。粉砕した高CPミルクチョコレートは、別々に調温し、8グラムの固体チョコレート片に成形した。
【0094】
これらのミルクチョコレートの苦味と渋味を、先に記載した手法を用いて、1から15の尺度でチョコレートを評価した訓練された官能パネルにより評価した。各パネリストは、1食40グラム中に合計で150ミリグラムのカカオポリフェノールを食べた。チョコレート片はそれぞれ8グラムであり、各食において5片が食べられた。比較のために、カカオ抽出物を含有しないミルクチョコレートが含まれた。
【0095】
粉砕した高CPカカオ抽出物(約3.7マイクロメートルの平均粒径)を含有するテスト用ミルクチョコレートは、未粉砕の高CPカカオ抽出物(約45マイクロメートルの平均粒径)を含有する対照ミルクチョコレートよりも、苦味と渋味が著しく弱かった。粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するテスト用ミルクチョコレートは、未粉砕の高CPカカオ抽出物を含有する対照ミルクチョコレートよりも、不快な後味が弱かった。
【0096】
比較のチョコレートは、高CPカカオ抽出物を含有しないミルクチョコレートであり、テスト用チョコレートは、約3.7マイクロメートルの平均粒径を有する粉砕した高CPカカオ抽出物を含有するミルクチョコレートであり、対照チョコレートは、約45マイクロメートルの平均粒径を有する未粉砕の高CPカカオ抽出物を同量含有するミルクチョコレートである。
【0097】
カカオ抽出物をミルクチョコレートに添加する影響が
図9に示されている。
【0098】
実施例11−高CP部分脱脂カカオケーキの粒径の減少(比較例)
この実施例は、高CPの部分脱脂したカカオケーキを粉砕して、苦味/渋味が減少せず、総カカオポリフェノールが相当損失した製品が得られることを示している。
【0099】
未粉砕のカカオケーキは、脱脂ケーキ1グラム当たり約72ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有した。このカカオケーキの粒径は、空気分級ミル(ACM)内で様々な速度での粉砕によって減少させた。空気流量および供給量は、粉砕プロセス中ずっと一定に維持した。この分級機とロータの速度は、所望の粒径分布を達成するために変更した。粉砕結果が以下に示されている。
【表1】
【0100】
上述したHammerstone等の方法を用いて、総カカオポリフェノール含有量を測定した。未粉砕のカカオケーキは、ケーキ1グラム当たり71.45ミリグラムの総カカオポリフェノールを含有した。81.00マイクロメートルの粒径まで粉砕されたサンプル番号4は、脱脂粉末1グラム当たり72.56ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量を有した。13.50マイクロメートルの平均粒径に粉砕されたサンプル番号1は、脱脂粉末1グラム当たりたった50.80ミリグラムの総カカオポリフェノール含有量しか有さなかった。それゆえ、微細に細砕されたサンプルの総カカオポリフェノール含有量は、71.45から50.80mg/gまで減少した。粉砕された製品に風味の改善が見られなかったことはより重要である。粉砕製品をチョコレートチューにおいて評価したときに、苦味/渋味およびザラザラ感(grittiness)/脆さ(chalkiness)に著しい差はなかった。
【0101】
実施例12−高CPカカオ抽出物の細砕(比較例)
この実施例は、乾式粉砕よりむしろ、高CPカカオ抽出物を細砕することにより、噴霧乾燥した高CPカカオ抽出物の粒径が減少しなかったことを示している。細砕のために使用したブレンダは、特許文献4(Kealey等)の実施例12に用いられた液体ブレンダと同じタイプの10速のOsterizer Blend Master(登録商標)(モデル50200MP)であった。実施例12に用いられたブレンダは、Hamilton Beach Blendmaster液体ブレンダ(モデル#50100、タイプB12)であった。粒子の約90%が約82マイクロメートル未満である、約26マイクロメートルの平均粒径を有する噴霧乾燥したカカオ抽出物を、1分間および6分間に亘り高速でOsterizerブレンダ内で細砕した。合計で300グラムの噴霧乾燥したカカオ抽出物を、Osterizerブレンダの5つのカップ型ガラス容器内に入れた(それゆえ、13/4の印まで満たされた)。ブレンダを液化に設定し、サンプルを1分間、次いで、6分間に亘り細砕した。細砕の間に粉末を撹拌した。代表的なサンプルを、Beckman Coulter Particle Size Analyzerを用いて分析した。
【0102】
細砕した噴霧乾燥のカカオ抽出物は、未細砕の噴霧乾燥したカカオ抽出物とほとんど同じ粒径分布を有した。未細砕の噴霧乾燥したカカオ抽出物の粒径分布を示す
図5および1分間および追加に5分間(合計で6分間)に亘り細砕した噴霧乾燥したカカオ抽出物についての粒径分布を示す
図6および7を参照のこと。
図8は、細砕カカオ抽出物および未細砕のカカオ抽出物に関する粒径分布の重なりを示しており、粒径が減少されなかったことを示している。
【0103】
実施例13−高CPカカオ粉末および粉砕高CPカカオ抽出物を有するシリアル製品
【表2】
【0104】
カカオ粉末およびカカオ抽出物を除いて、全成分を小さなリボンブレンダ内で混ぜ合わせ、3分間に亘りブレンドした。ブレンド工程の終わりに、全ての素材を、カカオ粉末および粉砕された高CPカカオ抽出物と共に、40kg/hrでAccurate Feederに空気圧搬送し、これをWerner−Pfleierer Twin Screw Extruder(弾丸型チップを有するモデルZSK57)に6.18kg/hrでK−tron Feederを通して供給する。水を1.2l/hrの流量で加える。標準作動手法を用いて、押出機を始動させる。乾燥ブレンドおよび水の供給量は、目標値に調節される。スクリューのrpmを200に設定する。カカオ供給機を標的値に調節し、シリアルチューブを収集する。外皮のシリアルチューブをローラ機械に供給し、2フィート(約60cm)の長さで収集する。潰された端で折ることによって、別個のピロー形の製品を製造する。
【0105】
実施例14−高CPカカオ抽出物で製造された調理済みバニラプディング
【表3】
【0106】
ドライプディングミックスに5%のカカオ抽出物を加え、針金製泡立て器を用いて混ぜ合わせることによって、プディングを調理する。Magna Liteソースパン内のプディングミックスに2カップの全乳を加える。乾燥混合物および全乳を、この混合物が完全に沸騰するまで、HOTPOINT(モデルRS744G0N1BG)の中火で針金製泡立て器を用いて、絶えず撹拌しながら調理する。プディングを熱から離し、貯蔵容器内に注ぎ入れ、冷蔵庫内に貯蔵する。
【0107】
実施例15−粉砕した高CPカカオ抽出物を有するブラウニー
以下の配合にしたがって高CPカカオ抽出物を用いて、ブラウニーを作った。
【表4】
【0108】
Kitchen Aid K45ボウルにカカオ成分およびショートニングを入れる。次いで、ボウルを、345グラムの沸騰(100℃)水が入ったMAGNA Liteソースパン(4 1/4.5 qt.)の上面に配置する。次いで、この二重の煮沸器をHOTPOINTストーブ上で弱火で加熱する。混合物が溶融したときに、これを熱から離す。砂糖、卵、およびバニラを、溶融した混合物中に混合する。残りの乾燥成分を混ぜ合わせ、その生地を、油を塗った13インチ×9インチ×2インチ(約33cm×23cm×5cm)のパン焼き皿に広げる。ブラウニーが焼き皿の側面から離れるまで、ブラウニーを約30分間に亘りHOTPOINTオーブン内で350°F(約177℃)で焼く。
【0109】
実施例16−高CPカカオ抽出物で作ったチョコレートクッキー
以下に示す成分を用いて、チョコレートクッキーを作る。
【表5】
【0110】
オーブンを325°F(約163℃)に予熱する。バターと砂糖の1/4を約2分間でKitchen Aidミキサでクリームにする。残りの成分を加え、約3分間混ぜる。生地を小さなボールに成形し、油の塗ってないクッキーシート上に置き、15〜17分間に亘り325°F(約163℃)で焼く。
【0111】
実施例17−粉砕した高CPカカオ抽出物を含む米およびチーズソースミックス
以下の配合を用いてミックスを調製する。
【表6】
【0112】
21/4カップの水および小さじ1から2のバターの入ったソースパンで成分を混ぜ合わせる。その混合物を沸騰させ、次いで、ほとんどの水が吸収されるまで、約10分間に亘り煮立てる。次いで、そのミックスを約5分間放置して、チーズソースを濃くする。
【0113】
実施例18−粉砕した高CPカカオ抽出物で調製した押出エネルギーバー
以下の配合を用いてバーを調製する。
【表7】
【0114】
50℃に設定されたJH Day50ガロンジャケット付きステンレス鋼製双腕型シグマブレードミキサ内で成分を混合する。炭水化物シロップ、脂肪、および果物/果物調製品をミキサ内で混ぜ合わせ、均一になるまで50rpmで混合する(約5分間)。ミキサを運転しながら、残りの成分を以下の順序で徐々に加え、均一になるまでブレンドする:微量栄養素、香味料、カカオ成分、単糖、マルトデキストリン、タンパク質粉末、およびパリパリしたライス/ライス。得られた塊を、40℃に維持したジャケット付き押出機のホッパーに移して、その塊を軟らかく、成形しやすく維持する。この塊を、ノズルブロックに通して、細長い片を調理トンネルに搬送するコンベヤベルト上に押し出す。15〜20℃で調理トンネルを出るときに、ギロチンを用いてバーに切断する。
【0115】
実施例19−粉砕した高CPカカオ抽出物で作った硬いキャンディー
Lees & Jackson, 1
st Edition, Sugar Confectionery and Chocolate Manufacture, pages 176-186 (1995)に記載された方法によって、以下の配合を用いて、成形され、被着したタイプの硬いキャンディーを調製する。
【表8】
【0116】
実施例20−粉砕した高CPカカオ抽出物で作ったフルーツおよびゼラチンペストリーバー
以下の配合を用いて、ストロベリーフルーツフィリングを作る。
【表9】
【0117】
フルーツフィリングを作るために、ブレンダを用いて、冷水中でガムを水和させる。中火から強火を用いて、230°F(約110℃)で、コーンシロップ固形分、水、フルーツピューレ、およびグリセリンをストーブ上面で調理する。その混合物を熱から離し、冷ます。水和ゴムを混合物に加え、この混合物を216°F(約102℃)に加熱する。再度、混合物を熱から離し、少なくとも5分間に亘り冷ます。その混合物に高CPカカオ抽出物、酸、着色料、リンゴ粉末および溶けた脂肪を加える。その混合物をさらに2分間に亘り冷ます。十分に混合しながら、香味料を混合物に加える。
【0118】
以下の配合にしたがって、ペストリーラッパーを作る。
【表10】
【0119】
ペストリーラッパーを作るために、アラビアゴム、Kelite CM、重炭酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、塩、Kelco GSF、およびグリセリンを、ブレンダを用いて水中で水和する。溶融した脂肪中にレシチンを入れてかき混ぜる。残りの乾燥成分を混合ボウルに加える。速度2でKitchen Aidミキサを用いて、脂肪ブレンドを乾燥ブレンドに加える。ゴムブレンドを混合ボウルにゆっくりと加える。混合後、粘着性を減少させるために濡れたペーパータオルを被せて、生地を15分間に亘りねかせる。Rondo Sheeterを用いて、2.5mmの生地厚にする。生地を、33gの重さの4インチ×4インチ(約10cm×10cm)の正方形に切断する。絞り袋を用いて、19.5gのフルーツフィリングを正方形の各生地の上面に塗布する。生地を折り畳んでバーの形に作り、このバーの端部をクリンピングにより閉じる。ナイフを用いて、バーの上面に孔を開けて、熱が逃げるのを助け、バーが爆発するのを防ぐ。バーを357°F(約180℃)で6分半焼く。最終的な焼いたバーの質量は、45.5gになるはずである。
【0120】
実施例21−高CPカカオ抽出物を含む砂糖錠
【表11】
【0121】
ゼラチンを水に漬け、スクロースをカカオ成分と予混する。ゼラチンを水和された後、90℃まで加熱し、高剪断力でアラビアゴムを加える。この溶液を香料と共に、スクロース/カカオ混合物の1/4に混ぜ合わせ、残りのスクロース/カカオ混合物を、混合しながらゆっくりと加える(HobartまたはKitchen Aid Ultra Powerミキサ内で)。この配合物を10〜15分間に亘り混合し、所望の厚さ(約5mm)にする。乾燥と所望の形状(円盤状)の打ち抜き後、それらの小片を、約3〜6%の最終水分までさらに乾燥させる。
【0122】
実施例22−高CPファッジ・トッピングを有するグラノラバー
以下のレシピにしたがって、粉砕された高CPカカオ抽出物を用いたファッジ配合物を作る。
【表12】
【0123】
ファッジ・トッピングを作るために、乾燥成分を、Kitchen Aidミキサ内で低速で、約3〜4分間に亘り、またはよく混ざるまで、ブレンドした。硬化大豆油を電子レンジ内で55〜64℃で溶かす。大豆レシチンを、溶けた油中に分散させる。油/レシチン混合物を、低速で運転しているHobertミキサ内で混ぜられた乾燥成分中に注ぎ入れる。ミキサの速度を徐々に増し、水、グリセリン、および高フルクトースコーンシロップを加える。得られたファッジ・トッピングを2〜3分間に亘り、または完全に混ざるまで、混合する。
【0124】
以下の配合にしたがって、完成したバーを作る。
【表13】
【0125】
完成製品は、グラノラ成分を結合剤とブレンドし、パラフィン紙上で延べ棒により約15mmの高さに伸ばす。ファッジ・トッピングを、グラノラベース上に伸ばし、約1時間に亘り硬化させる。バーを以下の寸法に切断する。
【表14】
【0126】
次いで、切断したバーを、高CPチョコレートで被覆する。
【0127】
実施例23−高CPシナモンキャラメルを有する高CPミルクチョコレート
ミルクチョコレートを86°F(約30℃)で手で調温し、次いで、様々な形状の型内でシェルを作るのに使用する。約965グラムの標準的なキャラメルを55℃に暖め、20グラムの粉砕した高CPカカオ抽出物および15グラムのシナモンを、暖めたキャラメルに加え、よく混ぜる。キャラメルを冷ませ、次いで、チョコレートシェル中に絞り袋で入れる。次いで、シェルを、調温したチョコレートで蓋をし、型から取り出す。成形された小片は、6グラムのミルクチョコレートおよび4グラムのキャラメルからなるはずである。
【表15】
【0128】
実施例24−チョコレート風味のヌガーを有する高CPダークチョコレート
チョコレートを86°F〜88°F(約30℃〜31℃)で手で調温し、様々な形状の型内でシェルを作るのに使用する。チョコレート風味のヌガーの配合物を用いて、フラッペを作る。合計で5グラムの粉砕した高CPカカオ抽出物を104グラムのスラリーに加え、これを、92.40%のフラッペおよび7.6%のスラリーの比率でフラッペに軽く混ぜ入れる。次いで、完成したチョコレート風味のヌガーを、冷却テーブル上で伸ばし、成形済みのシェルに合うように切断する。次いで、シェルを、調温したチョコレートで蓋をし、型から取り出す。成形された小片は、22.5グラムのダークチョコレートおよび12.5グラムのチョコレート風味のヌガーからなる。
【表16】
【0129】
実施例25−粉砕したカカオ抽出物およびピーナッツを含有するチョコレート
10ポンドSigmaブレードミキサを用いて、以下に挙げる濃度範囲内で成分を一緒に混合する。
【表17】
【0130】
レシチンと脂肪を組み合わせ、均一になるまで10ポンドのSigmaブレードミキサを用いて混合する。得られた脂肪/レシチン混合物を、第2の10ポンドのSigmaブレードミキサ内で粒状スクロースに加える。スクロース、脂肪、およびレシチンを、均一になるまで約35℃から約90℃で混合する。チョコレートリカーおよび粉砕された高CPカカオ抽出物を含む残りの成分を加え、均一になるまで混合する。得られた混合物を、約20マイクロメートルの粒径となるまで精製し、コンキングし、標準化する。最終製品の約5〜30質量パーセントの量のピーナッツを加えて、カカオポリフェノールとL−アルギニンの量の多い製品を形成する。
【0131】
実施例26−ピーナッツバター食品
予め炒ったピーナッツを、ピーナッツバターを作るために、所望のように塩と砂糖と共に、挽く。この混合物に、混合しながら、カカオ粉末および粉砕された高CPカカオ抽出物を約2から3質量%および約0.5から3質量%の量で加える。この食品は、カカオポリフェノールとL−アルギニンを含有する。
【0132】
実施例27−ピーナッツを含有するダークチョコレート
以下の一般的なレシピを用いて、ダークチョコレートを調製する。
【表18】
【0133】
製品全体の約5〜30質量パーセントの量のピーナッツを加える。
【0134】
実施例28−高CPカカオ抽出物およびL−アルギニンを含有する乾燥飲料ミックス
以下の配合を用いて、カカオ粉末、高CPカカオ抽出物、およびL−アルギニンを含有する乾燥飲料ミックスを作る。
【表19】
【0135】
乾燥成分を上記の配合にしたがってバッチ配合し、速度2で針金製泡立て器を用いたKitchen Aid Professionalミキサ内で1時間に亘り混合する。Niro−Aeromatic Agglomerator内で使用する前に、レシチンが凝集する。
【0136】
実施例29−ステロールエステルを含有する高CPチョコレートチュー
例えば、Zブレードミキサ内で、ステロールエステル、カカオ固形分、粉砕した高CPカカオ抽出物、レシチン、およびダークチョコレートリカーまたはミルクチョコレートリカーを予混することによって、以下の示す成分から、チューを調製する。この混合物を、残りの成分を含有する調理シロップ(66℃に加熱されている)に含ませる。このシロップの含水量は約9%である。この混合物をゆっくりと冷却し、圧延し、巻く。最終的な混合物の含水量は約8.3〜8.7%であるはずである。
【表20-1】
【表20-2】
【0137】
チューを調製するのに用いられるキャノーラステロールエステルは、フィンランド国のRaisio Bebecol Ltd.社または米国のRaisio Staaco Inc.社により供給される。このエステルは、約30℃の融点を有し、完全な液化を確実にするために、約50〜60℃で加熱される。この混合物中に存在するフィトステロールは、B−シトステロール(50.6%)、カンペステロール(27.6%)、スティグマステロール(16.8%)、および他のステロール(5%)を含む。これらのステロールは、米国特許第5502045号明細書に記載されたエステル交換プロセスを用いてエステル化される。
【0138】
このように、本発明の好ましい実施の形態を詳細に記載してきたが、添付の特許
請求の範囲により定義される本発明は、その多くの明白な変更例が、本発明の精神すなわち範囲から逸脱せずに可能であるので、先の記載に述べられた任意の特定の詳細により制限されるものではないことが理解されよう。