(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1相関色温度で発光する第1LEDと、前記第1LEDに第1駆動電流を供給する第1駆動回路と、第2相関色温度で発光する第2LEDと、前記第2LEDに第2駆動電流を供給する第2駆動回路と、前記第1駆動回路および前記第2駆動回路を制御する駆動制御部とを備える照明装置であって、
前記第1駆動電流の電流値および前記第2駆動電流の電流値は、制御対象である前記第1LEDおよび前記第2LEDそれぞれの明るさおよび相関色温度に対応させて予め規定されてあり、
前記明るさおよび前記相関色温度が指定された場合に、
指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する前記第1駆動電流の電流値が、前記第1LEDの発光特性に基づいて安定した直流電流の下限値として予め特定された特定電流値より小さいとき、前記第1駆動回路は、前記特定電流値をHレベルとする直流電流にパルス幅変調を施して指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する前記第1駆動電流を生成して前記第1LEDに供給し、
指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する前記第1駆動電流の電流値が、前記特定電流値より大きいとき、前記第1駆動回路は、指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する直流電流の前記第1駆動電流を生成して前記第1LEDに供給し、
指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する前記第2駆動電流の電流値が、前記第2LEDの発光特性に基づいて安定した直流電流の下限値として予め特定された特定電流値より小さいとき、前記第2駆動回路は、前記特定電流値をHレベルとする直流電流にパルス幅変調を施して指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する前記第2駆動電流を生成して前記第2LEDに供給し、
指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する前記第2駆動電流の電流値が、前記特定電流値より大きいとき、前記第2駆動回路は、指定された前記明るさおよび前記相関色温度に対応する直流電流の前記第2駆動電流を生成して前記第2LEDに供給する構成とされていること
を特徴とする照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
<実施の形態1>
図1ないし
図3を参照して、本実施の形態に係る照明装置1について説明する。本実施の形態に係る照明装置1は、暖色を発光する第1LED11と寒色を発光する第2LED12との発光状態(駆動電流)の大小関係を変更することによって、暖色から寒色までの広い範囲での調色(相関色温度の調整)と、相関色温度を固定した状態での調光(明るさの調整)とが可能である。以下、詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明装置1の機能ブロックを示すブロック図である。
【0028】
本実施の形態に係る照明装置1は、第1相関色温度CT1(例えば、暖色系で相関色温度2700K(ケルビン))で発光する第1LED11と、第1LED11に第1駆動電流Idwを供給する第1駆動回路13と、第2相関色温度CT2(例えば、寒色系で相関色温度6500K(ケルビン))で発光する第2LED12と、第2LED12に第2駆動電流Idcを供給する第2駆動回路14と、第1駆動回路13および第2駆動回路14を制御する駆動制御部23とを備える。
【0029】
なお、第1LED11は、第1LED11としての同一仕様を有する複数のLEDが必要に応じた個数で直列あるいは並列に接続され(
図3参照)、第2LED12は、第2LED12としての同一仕様を有する複数のLEDが必要に応じた個数で直列あるいは並列に接続され(
図3参照)ている。つまり、第1LED11は、複数の同一仕様のLEDを含む第1LED群であり、第2LED12は、複数の同一仕様のLEDを含む第2LED群であることが好ましい。以下では、複数のLEDを含むLED群であっても、単に第1LED11、第2LED12として記載する。
【0030】
したがって、照明装置1は、第1LED11、第2LED12がそれぞれLED群とされていることから、大きな光出力が得られるので、従来の照明器具に対して置き換わることが可能となる。なお、以下では、第1LED11、第2LED12を単にLEDとすることがある。
【0031】
照明装置1では、第1駆動電流Idwの電流値および第2駆動電流Idcの電流値は、制御対象である明るさ(調光段数LCm(例えばm=1〜10の10段)。
図4参照)および相関色温度(調色段数DCn(例えばn=1〜10の10段)。
図4参照)に対応させて予め規定されてあり、第1LED11および第2LED12の発光によって定まる明るさおよび相関色温度が指定された場合に、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第1駆動電流Idwの電流値が、予め特定された特定電流値Iu(
図4、
図6参照)より小さいとき、第1駆動回路13は、特定電流値Iuに等しい直流電流にパルス幅変調(以下では、PWMとすることがある。)を施して指定された明るさおよび相関色温度に対応する第1駆動電流Idwを生成して第1LED11に供給する構成とされている。
【0032】
また、照明装置1では、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第1駆動電流Idwの電流値が、特定電流値Iuより大きいとき、第1駆動回路13は、指定された明るさおよび相関色温度に対応する直流電流の第1駆動電流Idwを生成して第1LED11に供給する。
【0033】
更に照明装置1では、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第2駆動電流Idcの電流値が、予め特定された特定電流値Iuより小さいとき、第2駆動回路14は、特定電流値Iuに等しい直流電流にパルス幅変調を施して指定された明るさおよび相関色温度に対応する第2駆動電流Idcを生成して第2LED12に供給し、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第2駆動電流Idcの電流値が、特定電流値Iuより大きいとき、第2駆動回路14は、指定された明るさおよび相関色温度に対応する直流電流の第2駆動電流Idcを生成して第2LED12に供給する構成とされている。
【0034】
したがって、本実施の形態に係る照明装置1は、指定された明るさ(調光段数LCm)に基づいて調光制御をするとき、または、指定された相関色温度(調色段数DCn)に基づいて調色制御をするとき、LED(第1LED11および第2LED12)に供給する電流値(第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc)について、予め特定された特定電流値Iuを境界として特定電流値Iuより小さい電流を供給するときは、特定電流値Iuを有する直流電流にパルス幅変調を施して駆動電流(第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc)とし、特定電流値Iu以上の電流を供給するときは直流電流を供給することから、特定電流値Iuより小さい電流範囲での駆動においてもLEDの発光特性(ばらつき)による影響を抑制して明るさおよび相関色温度を安定的に調整することが可能となり、広い範囲での調光制御および調色制御を高精度にかつ効果的に行うことができる。つまり、深調光が可能となる。
【0035】
第1相関色温度CT1は例えば暖色系(第1相関色温度CT1=2600K)であり、第2相関色温度CT2は例えば寒色系(第2相関色温度CT2=6500K)であることが好ましい。この構成によって、照明装置1は、暖色から寒色までの広い範囲での調色を実行することができ、また、同一調色(同一相関色温度)を維持した状態での調光を実行することができるので幅広い調光制御および調色制御を違和感なく行うことができる。
【0036】
特定電流値Iuは、第1LED11、第2LED12を構成する個々のLEDが有する発光特性(素子特性:素子定数)のばらつきに対して予め特定(選定)される。例えば、同一の直流電流(順方向電流)を流したときに、直流電流が小さい低電流領域の範囲(特定電流値Iuより小さい範囲)では、発光特性のばらつきが直接的に発光状態として顕在化することから、LEDの発光状態のばらつきが視認できる状態となり、不安定な発光状態となることが知見された。つまり、例えば同一の順方向電流を流した場合であっても、発光状態が大きく異なり安定した照明装置を実現することが困難である。
【0037】
なお、特定電流値Iuとしては、最大定格電流(
図4で、調光率(あるいはPOWER)が例えば100%の場合での電流)に対して例えば2%ないし5%程度の電流を指定することができる。この程度の電流値になると、LEDの発光状態(素子特性)のばらつきがそのまま発光状態のばらつきとして表れる。
【0038】
本実施の形態では、特定電流値Iuを例えば2%ないし5%の範囲内として特定し、指定された調光段数LCm、第2駆動電流Idcの電流値として特定電流値Iuより小さい電流を流す必要があるときは、特定電流値Iuに対してPWMを施して特定電流値Iuより小さい電流値を実現すことから、LED(第1LED11、第2LED12)に対して供給される駆動電流(第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc)は、直流値のレベルで特定電流値Iuを確保することができる。
【0039】
つまり、どのように小さい第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcであっても、特定電流値Iuに対するPWMを施すことによって形成し、流される電流の直流レベル(ハイレベル(Hレベル))を特定電流値Iuとして確保し、安定した直流電流の下限値としての特定電流値Iuを供給するので、低電流領域での駆動であっても違和感の生じない安定した点灯状態を実現することができる。なお、特定電流値Iuの作用、効果については、実施の形態2(
図4以下)で更に説明する。
【0040】
上述したとおり、特定電流値Iuより小さい電流(第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc)は、特定電流値Iuと等しい直流電流をパルス幅変調することによって形成される。したがって、特定電流値Iuより小さい電流がLEDに供給される場合、LEDがオン状態(PWMでのハイレベル(H)に相当する周期)では、特定電流値Iuをそのまま確保していることから、LEDのばらつきによる影響を抑制することができ、LEDがオフ状態(PWMでのローレベル(L)に相当する周期)では、電流値は零であることから、LEDのばらつきによる影響は存在しない。したがって、特定電流値Iuより小さい電流で駆動する場合でも、実質的に特定電流値Iuより小さい電流が流れることは無いので、安定した点灯状態を確保することができる。
【0041】
上述したとおり、本実施の形態では、特定電流値Iuは、第1LED11の発光特性および第2LED12の発光特性に基づいて予め特定されている。すなわち、照明装置1は、第1LED11および第2LED12の発光特性に基づいて、特定電流値Iuが特定されていることから、特定電流値IuをHレベルとする直流電流に対するPWMを施した電流で第1LED11および第2LED12を駆動(制御)するので、第1LED11(複数の第1LED11)および第2LED12(複数の第2LED12)の発光特性が低電流領域(特定電流値Iuより小さい電流領域)でばらついている場合でも、安定した高精度の明るさ制御(調光制御)および相関色温度制御(調色制御)を実現して幅広い安定した調光、調色を行うことができる。
【0042】
明るさおよび相関色温度は、例えば、指定信号送信部としてのリモートコントローラ30からの指定信号入力部21に対する入力によって指定される。指定信号とは、明るさについては、調光段数LCm(m=1〜10)を指定する信号であり、相関色温度については、調色段数DCn(n=1〜10)を指定する信号である。本実施の形態では、m=1(調光段数LC1)のとき、例えば100%の調光状態となり、m=10(調光段数LC10)のとき、例えば10%の調光状態となる(
図4参照)。また、n=1(調色段数DC1)のとき、合成した相関色温度CCTは、例えば第1相関色温度CT1(2700K)であり、n=10(調色段数DC10)のとき、合成した相関色温度CCTは、例えば第2相関色温度CT2(6500K)である(
図4参照)。
【0043】
なお、リモートコントローラ30を介して指定信号を入力することを例示したが、直接指定信号入力部21に入力される形態であっても良い。
【0044】
リモートコントローラ30から指定信号入力部21に入力された指定信号は、転送先の指定信号判定部22で判定され、調光段数LCmの段数(mの値)、調色段数DCnの段数(nの値)が判定(抽出)される。駆動制御部23は、指定信号判定部22で判定された調光段数LCmおよび調色段数DCnに対応する第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcをデータ記憶部24から抽出する。
【0045】
データ記憶部24は、制御対象としての明るさ(調光段数LCm)および相関色温度(調色段数DCn)に対応させて予め規定された第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcを特性一覧表(
図4参照)として記憶している。つまり、データ記憶部24は、指定信号(調光段数LCm、調色段数DCn)対電流データ(第1駆動電流Idwの電流値、第2駆動電流Idcの電流値)の関係を特性一覧表として保有している。
【0046】
また、データ記憶部24は、併せて特定電流値Iuの値も記憶している。データ記憶部24は、例えばフラッシュメモリで形成されている。また、電流値は、適宜の代替信号に置き換えて記憶されても良い。
【0047】
上述したとおり、照明装置1では、明るさ(調光段数LCm)および相関色温度(調色段数DCn)に対応させて予め規定されている第1駆動電流Idwの電流値および第2駆動電流Idcの電流値は、特性一覧表としてデータ記憶部24に記憶されている。
【0048】
したがって、照明装置1は、明るさおよび相関色温度に対応する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcの値を特性一覧表(特性データ)としてデータ記憶部24に記憶されていることから、容易にかつ高精度に調光制御および調色制御を行うことができる。
【0049】
また、例えばCPU(中央演算処理装置)で構成される制御部20は、リモートコントローラ30との連携を行う。また、制御部20は、バス20bを介して指定信号入力部21、指定信号判定部22、駆動制御部23、データ記憶部24の動作を制御する。指定信号入力部21、指定信号判定部22、駆動制御部23、データ記憶部24に求められる動作が予めプログラムとして書き込まれており、制御部20は、書き込まれたプログラムに基づいて指定信号入力部21、指定信号判定部22、駆動制御部23、データ記憶部24を制御する。
【0050】
図2は、
図1に示した照明装置1における基本的な動作フローを示すフロー図である。
【0051】
照明装置1は、指定信号(調光段数LCm、調色段数DCn)が入力されたとき、指定信号の内容を判定し、指定信号に応じた第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcに対応する電流値データをデータ記憶部24から読み出す(抽出する)。次いで、読み出した第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcの電流値が特定電流値Iuより大きいか否かを判断する。第1駆動電流Idw、あるいは第2駆動電流Idcが特定電流値Iuより小さい電流である場合は、第1LED11および第2LED12に対する直流電流による駆動をPWMによる駆動に変更して第1LED11または第2LED12を駆動する。具体的には、以上の動作を、次のステップS2からステップS12によって実行する。
【0052】
ステップS2:
指定信号入力部21は、リモートコントローラ30からの指定信号(明るさについての調光段数LCm、相関色温度についての調色段数DCn)の入力状況に基づいて指定の有無を判定する。
【0053】
指定がある場合(ステップS2:YES)は、ステップS4へ移行する。指定が無い場合(ステップS2:NO)は、元へ戻る。
【0054】
ステップS4:
指定信号判定部22は、指定内容(指定段数、つまり、調光段数LCm、調色段数DCn)を判定する。すなわち、調光段数LCmでのmの値、調色段数DCnでのnの値を判定(抽出)する。調光段数LCmおよび調色段数DCnについての判定結果(mの値、nの値)は、駆動制御部23に伝達される。
【0055】
ステップS6:
駆動制御部23は、ステップS4における判定結果に基づいて、指定信号対電流データに関する特性一覧表(データ記憶部24)から、指定信号(調光段数LCmでのm、調色段数DCnでのn)に対応する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcの電流値データを抽出する(
図4参照)。
【0056】
つまり、駆動制御部23は、調光段数LCm、調色段数DCnに対応する第1駆動電流Idwの電流値および第2駆動電流Idcの電流値をデータ記憶部24から読み出す。
【0057】
ステップS8:
駆動制御部23は、抽出した第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcが特定電流値Iuより小さいか否かを判定する。
【0058】
第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcの電流値が特定電流値Iuより小さい場合(ステップS8:YES)は、ステップS10へ移行する。また、特定電流値Iuより大きい場合(ステップS8:NO)は、ステップS12へ移行する。
【0059】
ステップS10:
駆動制御部23は、特定電流値Iuより小さい第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcについて、特定電流値Iuに等しい直流電流にパルス幅変調を施し対応する第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcを生成する。なお、第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcの生成は、駆動制御部23からの信号(指示)に基づいて第1駆動回路13または第2駆動回路14によって実行される。
【0060】
つまり、特定電流値Iuに対してPWMを施すことによって、第1LED11または第2LED12に供給される電流の直流値(デューティー比が100%のときの電流値。つまり、Hレベル(ハイレベル)での電流値)は特定電流値Iuを保持するので第1LED11または第2LED12は実質上正常な動作を確保することができることから、安定した点灯状態を維持する。また、予め規定された第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcは、特定電流値Iuに対するPWMのデューティー比によって特定電流値Iuより小さい値に等しく制御される。
【0061】
例えば、特定電流値Iuが5mAであると特定した場合、第1駆動電流Idwとして4mAが規定されていたとき、PWMは、(5mA×80%)/100%=4mAであるから、直流電流としての値が5mA(デューティー比100%での電流値)であり、デューティー比は80%として駆動される。具体例については、実施の形態2(
図4)で更に説明する。
【0062】
PMWを施された第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcは、第1駆動回路13または第2駆動回路14から対応する第1LED11または第2LED12へ供給される。
【0063】
ステップS12:
駆動制御部23は、第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcに対応する直流電流を生成する。なお、直流電流としての第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcの生成は、駆動制御部23からの信号(指示)に基づいて第1駆動回路13または第2駆動回路14によって実行される。第1駆動回路13および第2駆動回路14の回路動作については、
図3で更に説明する。
【0064】
つまり、直流電流の第1駆動電流Idwまたは第2駆動電流Idcは、第1駆動回路13または第2駆動回路14から対応する第1LED11または第2LED12へ供給される。
【0065】
図3を参照して駆動制御部23、第1駆動回路13、第2駆動回路14の動作について説明する。
【0066】
図3は、
図1に示した照明装置1における第1駆動回路13、第2駆動回路14、第1LED11、第2LED12の相互関係を具体的に示す回路図である。
【0067】
なお、第1駆動回路13および第2駆動回路14は、駆動制御部23によって制御されるので、併せて駆動制御部23についても更に説明する。
【0068】
第1LED11および第2LED12は、直流電源PS1と基準電位線BSとの間に並列に接続され、第1LED11には第1駆動電流Idwを流すように第1駆動回路13が直列に接続され、第2LED12には第2駆動電流Idcを流すように第2駆動回路14が直列に接続されている。
【0069】
第1LED11および第2LED12は、それぞれ同一仕様の複数のLEDが直列接続されている。また、更に並列接続されても良い。例えば、第1LED11、第2LED12は、それぞれ同一仕様のLEDを20直列×4並列(合計で80個のLEDを実装)の接続状態とされることがある。つまり、上述したとおり、第1LED11は、複数の同一仕様のLEDを含む第1LED群であり、第2LED12は、複数の同一仕様のLEDを含む第2LED群である。
【0070】
第1駆動回路13は、第1参照電圧Vref1を生成する第1参照電圧源VS1と、第1参照電圧Vref1が入力される第1非反転入力端子Tin1を有する第1演算増幅器OP1と、第1演算増幅器OP1の出力によってオンオフ制御される第1スイッチング素子Q11と、第1スイッチング素子Q11と基準電位線BSとの間に接続された第1電流検出素子R1とを備え、第1電流検出素子R1と第1スイッチング素子Q11との接続点の電位は第1演算増幅器OP1の第1反転入力端子Tin2に入力されている。この構成によって、第1駆動回路13は、第1参照電圧Vref1に応じた定電流(第1駆動電流Idw)を第1スイッチング素子Q11に流すことが可能となり、第1LED11を定電流で駆動する。
【0071】
第2駆動回路14は、第2参照電圧Vref2を生成する第2参照電圧源VS2と、第2参照電圧Vref2が入力される第2非反転入力端子Tin3を有する第2演算増幅器OP2と、第2演算増幅器OP2の出力によってオンオフ制御される第2スイッチング素子Q21と、第2スイッチング素子Q21と基準電位線BSとの間に接続された第2電流検出素子R2とを備え、第2電流検出素子R2と第2スイッチング素子Q21との接続点の電位は第2演算増幅器OP2の第2反転入力端子Tin4に入力されている。この構成によって、第2駆動回路14は、第2参照電圧Vref2に応じた定電流(第2駆動電流Idc)を第2スイッチング素子Q21に流すことが可能となり、第2LED12を定電流で駆動する。
【0072】
第1スイッチング素子Q11、第2スイッチング素子Q21は、MOSFETで構成され、第1電流検出素子R1、第2電流検出素子R2は、抵抗で構成されている。
【0073】
上述したとおり、照明装置1では、第1LED11および第2LED12は、直流電源PS1と基準電位線BSとの間に並列に接続されている。
【0074】
また、照明装置1では、第1駆動回路13は、一端が基準電位線BSに接続された第1電流検出素子R1と、第1電流検出素子R1の他端と第1LED11との間に接続された第1スイッチング素子Q11と、第1非反転入力端子Tin1と第1反転入力端子Tin2を有して第1スイッチング素子Q11のオンオフを制御する第1演算増幅器OP1と、第1非反転入力端子Tin1に第1参照電圧Vref1を入力する第1参照電圧源VS1とを備え、第1電流検出素子R1と第1スイッチング素子Q11との接続点の電位は第1演算増幅器OP1の第1反転入力端子Tin2に入力されている。
【0075】
また、照明装置1では、第2駆動回路14は、一端が基準電位線BSに接続された第2電流検出素子R2と、第2電流検出素子R2の他端と第2LED12との間に接続された第2スイッチング素子Q21と、第2非反転入力端子Tin3と第2反転入力端子Tin4を有して第2スイッチング素子Q21のオンオフを制御する第2演算増幅器OP2と、第2非反転入力端子Tin3に第2参照電圧Vref2を入力する第2参照電圧源VS2とを備え、第2電流検出素子R2と第2スイッチング素子Q21との接続点の電位は第2演算増幅器OP2の第2反転入力端子Tin4に入力されている。
【0076】
したがって、照明装置1は、第1参照電圧Vref1に応じた定電流(第1駆動電流Idw)を第1駆動回路13から第1LED11に供給し、第2参照電圧Vref2に応じた定電流(第2駆動電流Idc)を第2駆動回路14から第2LED12に供給することから、第1駆動回路13および第2駆動回路14を定電流回路として機能させるので、第1LED11および第2LED12に対する調光制御および調色制御を高精度に実現できる。
【0077】
なお、駆動制御部23(
図1参照)は、第1LED11に供給する第1駆動電流Idwに対応させて第1参照電圧源VS1の第1参照電圧Vref1を制御し、第2LED12に供給する第2駆動電流Idcに対応させて第2参照電圧源VS2の第2参照電圧Vref2を制御する。
【0078】
つまり、照明装置1は、駆動制御部23によって第1駆動電流Idwに対応させて第1参照電圧Vref1を調整し、駆動制御部23によって第2駆動電流Idcに対応させて第2参照電圧Vref2を調整することから、調光制御(調光段数LCm)および調色制御(調色段数DCn)に応じた第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcを容易に発生し、また、特定電流値Iuに対応する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcを容易に発生することができる。
【0079】
なお、第1参照電圧Vref1は、第1電流検出素子R1での電圧降下に等しいことから、第1参照電圧Vref1=(第1電流検出素子R1の抵抗値r1)×第1駆動電流Idwとなるので、第1参照電圧Vref1を調整することによって、第1駆動電流Idwを調整することができる、また、第2参照電圧Vref2と第2電流検出素子R2の抵抗値r2、第2駆動電流Idcとの関係も同様であり、第2参照電圧Vref2を調整することによって第2駆動電流Idcを調整することができる。
【0080】
第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcに対するPWMを施すために、第1駆動回路13には、第3スイッチング素子Q12が接続され、第2駆動回路14には、第4スイッチング素子Q22が接続されている。つまり、基準電位線BSと第1非反転入力端子Tin1(第1演算増幅器OP1)との間に第3スイッチング素子Q12が接続され、基準電位線BSと第2非反転入力端子Tin3(第2演算増幅器OP2)との間に第4スイッチング素子Q22が接続されている。
【0081】
第3スイッチング素子Q12、第4スイッチング素子Q22の入力端子には、駆動制御部23によってデューティー比を調整された変調パルスPm1、変調パルスPm2が入力され、第1演算増幅器OP1の第1非反転入力端子Tin1への入力である第1参照電圧Vref1のオンオフを行い、第2演算増幅器OP2の第2非反転入力端子Tin3への入力である第2参照電圧Vref2のオンオフを行う。また、第3スイッチング素子Q12、第4スイッチング素子Q22は、バイポーラトランジスタ(BPT)で構成される。
【0082】
第3スイッチング素子Q12および第4スイッチング素子Q22の動作によって、第1駆動電流Idwは、変調パルスPm1に応じたオンオフ制御(PWM)を施され、第2駆動電流Idcは、変調パルスPm2に応じたオンオフ制御(PWM)を施される。つまり、第3スイッチング素子Q12、第4スイッチング素子Q22は、第1参照電圧Vref1、第2参照電圧Vref2によって第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcの直流電流(Hレベルの電流値)を特定電流値Iuに維持した状態で、第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcに対するPWMを施す。第1駆動回路13、第2駆動回路14は、変調パルスPm1、変調パルスPm2のデューティー比を調整することによって、指定された第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcを生成して、第1LED11、第2LED12へ供給する。
【0083】
つまり、照明装置1(第1駆動回路13、第2駆動回路14)は、基準電位線BSと第1演算増幅器OP1の第1非反転入力端子Tin1との間に接続された第3スイッチング素子Q12と、基準電位線BSと第2演算増幅器OP2の第2非反転入力端子Tin3との間に接続された第4スイッチング素子Q22とを備える。
【0084】
したがって、第3スイッチング素子Q12をオンオフさせて第1演算増幅器OP1の第1非反転入力端子Tin1への入力をオンオフすることから、特定電流値Iuに対するパルス幅変調を容易にかつ確実に実行してパルス幅変調を施した第1駆動電流Idwを第1LED11に供給し、また、第4スイッチング素子Q22をオンオフさせて第2演算増幅器OP2の第2非反転入力端子Tin3への入力をオンオフすることから、特定電流値Iuに対するパルス幅変調を容易にかつ確実に実行してPWMを施した第2駆動電流Idcを第2LED12に供給する。
【0085】
つまり、Hレベルが特定電流値Iuを維持した状態で、PWMによって特定電流値Iuより小さい予め規定された電流値である第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcを第1LED11、第2LED12に供給することができる。
【0086】
第1参照電圧源VS1が発生する第1参照電圧Vref1は、第1駆動電流Idwが予め規定された電流値となるように駆動制御部23によって調整される。また、第2参照電圧源VS2が発生する第2参照電圧Vref2は、第2駆動電流Idcが予め規定された電流値となるように駆動制御部23によって調整される。
【0087】
なお、PWMを施すときは、第1参照電圧Vref1、第2参照電圧Vref2は、PWMによって得られる第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcの電流値の直流部分(Hレベルの電流値)が特定電流値Iuとなるように固定される。
【0088】
なお、第1LED11および第2LED12とも発光状態においては、それぞれの指向性があり、実際に照明装置として作用させるときは、第1LED11および第2LED12の前面に発光した光を混光するための光学的拡散部材を配置しておくことが好ましい。
【0089】
以上、本実施の形態に係る照明装置1について説明した。なお、照明装置1は、第1LED11および第2LED12が組み合わされる前の状態では、LED点灯装置に係る発明となる。具体的には次のとおりである。
【0090】
本発明に係るLED点灯装置は、第1相関色温度CT1で発光する第1LED11に第1駆動電流Idwを供給する第1駆動回路13と、第2相関色温度CT2で発光する第2LED12に第2駆動電流Idcを供給する第2駆動回路14と、第1駆動回路13および第2駆動回路14を制御する駆動制御部23とを備える。
【0091】
本発明に係るLED点灯装置においては、第1駆動電流Idwの電流値および第2駆動電流Idcの電流値は、制御対象である明るさおよび相関色温度に対応させて予め規定されてあり、明るさおよび相関色温度が指定された場合に、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第1駆動電流Idwの電流値が、予め特定された特定電流値Iuより小さいとき、第1駆動回路13は、特定電流値Iuに等しい直流電流にパルス幅変調を施して指定された明るさおよび相関色温度に対応する第1駆動電流Idwを生成して第1LED11に供給し、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第1駆動電流Idwの電流値が、特定電流値Iuより大きいとき、第1駆動回路13は、指定された明るさおよび相関色温度に対応する直流電流の第1駆動電流Idwを生成して第1LED11に供給し、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第2駆動電流Idcの電流値が、予め特定された特定電流値Iuより小さいとき、第2駆動回路14は、特定電流値Iuに等しい直流電流にパルス幅変調を施して指定された明るさおよび相関色温度に対応する第2駆動電流Idcを生成して第2LED12に供給し、指定された明るさおよび相関色温度に対応する第2駆動電流Idcの電流値が、特定電流値Iuより大きいとき、第2駆動回路14は、指定された明るさおよび相関色温度に対応する直流電流の第2駆動電流Idcを生成して第2LED12に供給する構成とされている。
【0092】
<実施の形態2>
図4ないし
図5F、
図6ないし
図7Dを参照して、本実施の形態に係る照明装置1の調光制御、調色制御による調光状態、調色状態、および作用効果について説明する。なお、本実施の形態に係る照明装置1は、実施の形態1に係る照明装置1であるので、適宜符号を援用し、主に追加の説明について記載する。また、上述したとおり、第1LED11が発光する相関色温度(第1相関色温度)は、2700K(ケルビン)であり、第2LED12が発光する相関色温度(第2相関色温度)は、6500K(ケルビン)である。また、特定電流値Iuは、第1LED11、第2LED12とも例えば2mAの場合について例示する。
【0093】
また、第1LED11(第1LED群)および第2LED12(第2LED群)では、LEDの個数および発光効率が等しいとし、混光後の相関色温度CCTは、加重平均となることとして演算した。また、説明を簡単にするため、第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcの定格最大値を100mAとしている。
【0094】
図4は、本発明の実施の形態2に係る照明装置1での調光段数LCm、調色段数DCn、第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc、調色相関色温度CCTの相関を示す図表である。
【0095】
図表の縦方向に、調光段数LCm(調光段数LC1〜調光段数LC10の10段)、横方向に、調色段数DCn(調色段数DC1〜調色段数DC10の10段)を示し、調光段数LCmおよび調色段数DCnに対応させて第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcを規定している。
【0096】
本実施の形態では、調光段数LCmは、100%から0%までが例えば10%単位でリニアに制御されている。また、調色段数DCnは、調色段数DC1の第1相関色温度CT1(2700K)から調色段数DC10の第2相関色温度CT2(6500K)までをリニアに制御している。なお、調光制御の最小値は0%とされ、第1LED11または第2LED12のいずれか一方が完全に消灯される態様を含む制御形態となっている。
【0097】
調光段数LCmでは、調光率(%)、つまり、明るさが制御される。調光段数LC1の調光率は100%(最大定格の明るさ)、以下、10%ごとで減光させて、調光段数LC10の調光率は10%(最大定格の明るさの10%)となる。なお、供給電力POWER(任意単位)は、調光率に一致させてある。
【0098】
また、調色段数DCnでは、調色相関色温度CCT(K)、つまり、相関色温度が制御される。調色段数DC1の調色相関色温度CCTは、第1LED11のみの点灯であるから、調色相関色温度CCTは第1相関色温度CT1(2700K)であり、調色段数DC10の調色相関色温度CCTは、第2LED12のみの点灯であるから、調色相関色温度CCTは第2相関色温度CT2(6500K)である。
【0099】
調色段数DCnと調色相関色温度CCTとの関係を更に説明する。例えば、調色段数DC2の調色相関色温度CCTは、3122Kである。なお、調色段数DCnでの調色相関色温度CCT(混色相関色温度)は、第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcの加重平均で求められる。例えば、調光段数LC2、調色段数DC2では、第1駆動電流Idw=80mA、第2駆動電流Idc=10mAとされている。したがって、調色相関色温度CCTは、(2700×80+6500×10)/(80+10)=28100/90=3122Kとなる。つまり、調色相関色温度CCTは、第1駆動電流Idwと第2駆動電流Idcとの比率の制御によって制御されている。
【0100】
なお、データ記憶部24は、調光段数LCm、調色段数DCnに対応させて第1駆動電流Idw(電流値)、第2駆動電流Idc(電流値)を記憶している。したがって、調光段数LCmおよび調色段数DCnが指定されたとき、駆動制御部23は、データ記憶部24から対応する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcを読み出して第1駆動回路13および第2駆動回路14を制御する。
【0101】
本実施の形態では、例えば、調光段数LC10、調色段数DC2に対応する調光、調色が指定された場合、第1駆動電流Idw=8.89mA、第2駆動電流Idc=1.11mAが予め規定されている。第2駆動電流Idc(第2駆動電流Idcu)=1.11mAは、特定電流値Iu(2mA)より小さい。したがって、第2駆動電流Idcuを直流電流として第2LED12に供給すると発光状態が正常に制御できない状態となる。具体的には、調色相関色温度CCTが調色段数DC2での値3122Kに対して大きく変化するという現象が知見された。
【0102】
したがって、本実施の形態では、第2駆動電流Idcu(1.11mA)は、特定電流値Iu(2mA)に対するPWMを施すことによって供給される。具体的には、(1.11mA/2mA)×100(%)=55.5%のデューティー比を採用し、直流電流2mAに対して0.555のPWMを施した第2駆動電流Idcuを第2LED12に供給する。
【0103】
また、調色段数DC10、調色段数DC9に対応する調光、調色が指定された場合、第1駆動電流Idw=1.11mA、第2駆動電流Idc=8.89mAが予め規定されている。第1駆動電流Idw(第1駆動電流Idwu)=1.11mAは、特定電流値Iu(2mA)より小さい。したがって、第1駆動電流Idwuを直流電流として第1LED11に供給すると発光状態が正常に制御できない状態となる。具体的には、調色相関色温度CCTが調色段数DC9での値6078Kに対して大きく変化するという現象が知見された。
【0104】
したがって、本実施の形態では、第1駆動電流Idwu(1.11mA)は、特定電流値Iu(2mA)に対するPWMを施すことによって供給される。具体的には、(1.11mA/2mA)×100(%)=55.5%のデューティー比を採用し、直流電流2mAに対して0.555のPWMを施した第2駆動電流Idwuを第1LED11に供給する。
【0105】
なお、第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcは、次に示すとおり、調色段数DCn、調光段数LCmの双方向において、例えばリニアに変更されている。
【0106】
例えば、図表の横方向(調色段数DCn)において、第1駆動電流Idwは、調色段数DC1から調色段数DC10の間で9等分される。具体的には、次に示す調光段数LC2での値に典型的に表れている。
【0107】
調光段数LC2において、第1駆動電流Idwは、調色段数DC1では90mA、調色段数DC2では80mA、・・・、調色段数DC5では50mA、調色段数DC6では40mA、・・・、調色段数DC9では10mA、調色段数DC10では0mAがそれぞれ規定されている。また、第2駆動電流Idcは、第1駆動電流Idwと同様に9等分されるが、増減の推移状況は逆になる。つまり、第2駆動電流Idcは、調色段数DC1では0mA、調色段数DC2では10mA、・・・、調色段数DC5では40mA、調色段数DC6では50mA、・・・、調色段数DC9では80mA、調色段数DC10では90mAがそれぞれ規定されている。
【0108】
また、図表の縦方向(調光段数LCm)においても、第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idcの規定の仕方は、同様であるので説明は省略する。
【0109】
図5Aは、
図4に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC1での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0110】
調光制御の最小値が0%であることから、調色段数DC1では、第2LED12が完全に消灯された状態である。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において第1相関色温度CT1(2700K)が維持されている。
【0111】
図5Bは、
図4に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC2での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0112】
調色段数DC2では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、3122Kとなる。
【0113】
調色段数DC2においては、調光率10%のとき、第2LED12に供給される第2駆動電流Idcは、特定電流値Iu(2mA)より小さい。しかし、特定電流値IuにPWMを施して第2駆動電流Idcu(1.11mA)を第2LED12に供給していることから、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=3122Kが維持されている。
【0114】
図5Cは、
図4に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC5での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0115】
調色段数DC5では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、4389Kとなる。
【0116】
調色段数DC5においては、調光率10%のとき、第1LED11に供給される第1駆動電流Idwは、5.56mAであり、第2LED12に供給される第2駆動電流Idcは、4.44mAである。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=4389Kが維持されている。
【0117】
図5Dは、
図4に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC6での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0118】
調色段数DC6では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、4811Kとなる。
【0119】
調色段数DC6においては、調光率10%のとき、第1LED11に供給される第1駆動電流Idwは、4.44mAであり、第2LED12に供給される第2駆動電流Idcは、5.56mAである。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=4811Kが維持されている。
【0120】
図5Eは、
図4に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC9での調光段数LCm対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0121】
調色段数DC9では、第1相関色温度CT1、第2相関色温度CT2に対する第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcの加重平均によって求められた調色相関色温度CCTは、6078Kとなる。
【0122】
調色段数DC9においては、調光率10%のとき、第1LED11に供給される第1駆動電流Idwは、特定電流値Iu(2mA)より小さい。しかし、特定電流値IuにPWMを施して第1駆動電流Idwu(1.11mA)を第1LED11に供給していることから、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において調色相関色温度CCT=6078Kが維持されている。
【0123】
図5Fは、
図4に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC10での調光段数LCm対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0124】
調光制御の最小値が0%であることから、調色段数DC10では、第1LED11が完全に消灯された状態である。したがって、調色相関色温度CCTは、調光段数LCmの全範囲(調光率100%ないし調光率10%)において第2相関色温度CT2(6500K)が維持されている。
【0125】
以上、
図4、および
図5Aないし
図5Fに示したとおり、、本実施の形態に係る照明装置1では、指定された明るさ(調光段数LCm)に基づいて調光制御をするとき、または、指定された相関色温度(調色段数DCn)に基づいて調色制御をするとき、LED(第1LEDおよび第2LED)に供給する電流値(第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc)について、予め特定された特定電流値Iuを境界として特定電流値Iuより小さい電流を供給するときは、特定電流値Iuを有する直流電流にパルス幅変調(PWM)を施して駆動電流(第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc)とし、特定電流値Iu以上の電流を供給するときは直流電流を供給することから、特定電流値Iuより小さい電流範囲での駆動においてもLEDの発光特性(ばらつき)による影響を抑制して明るさおよび相関色温度を安定的に調整することが可能となり、広い範囲での調光制御および調色制御を高精度にかつ効果的に行うことができる。つまり、本実施の形態に係る照明装置1によれば、明るさを制御した場合でも、相関色温度が変化することが無く、深調光が可能となる。
【0126】
次に比較例を
図6、
図7Aないし
図7Dに示す。本発明の実施の形態1に係る照明装置1に対して調光制御の最小値を例えば2%として設定した場合について、比較例として説明する。
【0127】
図6は、比較例として本発明の実施の形態1に係る照明装置1に対して調光制御の最小値を設定した場合における調光段数LCm、調色段数DCn、第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc、調色相関色温度CCTの相関を示す図表である。
【0128】
基本的な構成は、
図4で示したとおりであるので、主に異なる事項について説明する。
【0129】
図6では、調光制御の最小値は2%とされ、第1LED11または第2LED12のいずれか小さい状態とされたLEDが調色制御、調光制御の場合に最小値としての2%を確保して点灯される制御形態とされている。
【0130】
例えば、調色段数DC1において、
図4に示した場合は、調光段数LC1では、第1駆動電流Idw=100mAで、第2駆動電流Idc=0mAであった。これに対し、
図6では、調色段数DC1において、調光段数LC1では、第1駆動電流Idw=98mA、第2駆動電流Idc=2mA(調光制御の最小値)を維持している。
【0131】
したがって、調光制御、調色制御において、調光制御の最小値2%(2mA)による影響が生じる。具体的には、調色段数DC1において、調光段数LC1から調光段数LC10までの第1駆動電流Idw、第2駆動電流Idc、調色相関色温度CCTの変化は、次のようになり、調色相関色温度CCTを安定させることが困難となる。
【0132】
調色段数DC1において、調光段数LC1では、第1駆動電流Idw=98mA、第2駆動電流Idc=2mA(調光制御の最小値)であり、
図4と同様の加重平均によって、調色相関色温度CCT=2776Kとなる。調光段数LC2では、第1駆動電流Idw=88mA、第2駆動電流Idc=2mAであり、調色相関色温度CCT=2784Kとなる。調光段数LC3では、第1駆動電流Idw=78mA、第2駆動電流Idc=2mAであり、調色相関色温度CCT=2795Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1駆動電流Idw=8mA、第2駆動電流Idc=2mAであり、調色相関色温度CCT=3460Kとなる。
【0133】
つまり、調色段数DC1では、第2駆動電流Idc=2mAで固定することから、第1駆動電流Idwが98mA(調光段数LC1)から低減され第1駆動電流Idw=8mA(調光段数LC10)まで減少すると、第1LED11に対して第2LED12の点灯状態が無視できない状態となり、調色相関色温度CCTは、第2相関色温度CT2の側へ寄ることとなる。
【0134】
調色段数DC5において、調光段数LC1では、第1駆動電流Idw=55.33mA、第2駆動電流Idc=44.67mAであり、調色相関色温度CCT=4397Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1駆動電流Idw=5.33mA、第2駆動電流Idc=4.67mAであり、調色相関色温度CCT=4473Kとなる。
【0135】
つまり、調色段数DC5では、調光段数LC1の場合の調色相関色温度CCTが4397Kに対して調光段数LC10の場合の調色相関色温度CCTが4473Kとなり、調色相関色温度CCTを一定に確保することができない。2%として設定した調光制御の最小値による影響は、調光段数LCmが小さくなるほど大きくなり、調色相関色温度CCTは、第2相関色温度CT2の側へ寄ることとなる。
【0136】
調色段数DC10において、調光段数LC1では、第1駆動電流Idw=2mA(調光制御の最小値)、第2駆動電流Idc=98mAであり、
図4と同様の加重平均によって、調色相関色温度CCT=6424Kとなる。調光段数LC2では、第1駆動電流Idw=2mA、第2駆動電流Idc=88mAであり、調色相関色温度CCT=6416Kとなる。調光段数LC3では、第1駆動電流Idw=2mA、第2駆動電流Idc=78mAであり、調色相関色温度CCT=6405Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1駆動電流Idw=2mA、第2駆動電流Idc=8mAであり、調色相関色温度CCT=5740Kとなる。
【0137】
つまり、調色段数DC10では、第1駆動電流Idw=2mAで固定することから、第2駆動電流Idcが98mA(調光段数LC1)から低減され第2駆動電流Idc=8mA(調光段数LC10)まで減少すると、第2LED12に対して第1LED11の点灯状態が無視できない状態となり、調色相関色温度CCTは、第1相関色温度CT1の側へ寄ることとなる。
【0138】
調色段数DC6において、調光段数LC1では、第1駆動電流Idw=44.67mA、第2駆動電流Idc=55.33mAであり、調色相関色温度CCT=4803Kとなる。・・・。調光段数LC10では、第1駆動電流Idw=4.67mA、第2駆動電流Idc=5.33mAであり、調色相関色温度CCT=4727Kとなる。
【0139】
つまり、調色段数DC6では、調光段数LC1の場合の調色相関色温度CCTが4803Kに対して調光段数LC10の場合の調色相関色温度CCTが4727Kとなり、調色相関色温度CCTを一定に確保することができない。2%として設定した調光制御の最小値による影響は、調光段数LCmが小さくなるほど大きくなり、調色相関色温度CCTは、第1相関色温度CT1の側へ寄ることとなる。
【0140】
図7Aは、
図6に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC1での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0141】
上述したとおり、常時2%という最小値で点灯される第2LED12による影響を受け、調光率が100%から10%に低減されるに従って調色相関色温度CCTは、第2相関色温度CT2の側へ偏り、一定の調色相関色温度CCTを確保することができない。
【0142】
図7Bは、
図6に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC5での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0143】
図7Bの場合と同様に第2LED12による影響があるが、調色相関色温度CCTの変化の絶対値は小さくなる。
【0144】
図7Cは、
図6に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC6での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0145】
図7Bの場合とは逆に、第1LED11による影響があるが、調色相関色温度CCTの変化の絶対値は小さくなる。
【0146】
図7Dは、
図6に示した第1駆動電流Idwおよび第2駆動電流Idcによって調光制御および調色制御を施したときの調色段数DC10での調光率(調光段数LCm)対調色相関色温度CCTの状態を示すグラフである。
【0147】
上述したとおり、常時2%という最小値で点灯される第1LED11による影響を受け、調光率が100%から10%に低減されるに従って調色相関色温度CCTは、第1相関色温度CT1の側へ偏り、一定の調色相関色温度CCTを確保することができない。
【0148】
本比較例においても、調色段数DC1での第1駆動電流Idwを2mAではなく
図4の場合と同様に0mAとし、調色段数DC10第2駆動電流Idcを2mAではなく
図4の場合と同様に0mAとすれば調色相関色温度CCTは、調色段数DCnで相関色温度の変化を生じない状態にすることができる。しかしながら、実際に視認性についての検討を実施したところ、調色段数DC1から調色段数DC2へ移行するとき、相関色温度が飛びすぎるという問題が生じた。その改善策として比較例では、調色段数DC1、調色段数DC10において逆の相関色温度を有する側のLEDを小さい電流で駆動したものであり、このような制御によって違和感の生じない駆動が得られている。