(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも2つの測定ユニットを備え、それぞれが、1つまたは複数のRFコネクタを介して前記校正/制御ユニットに接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記校正/制御ユニットが、前記校正/制御ユニットに機械的強度および電磁耐性が提供されるRFカバーを有するハウジング内にエンクローズされていることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の装置。
前記校正負荷を特徴付ける前記データが、温度、湿度、加速および機械的撹拌のうちの少なくとも1つを含む環境条件への前記校正負荷の前記RF反射係数の依存性を示すデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記校正/制御ユニットを特徴付ける前記データが、温度、湿度、加速、機械的撹拌のうちの少なくとも1つを含む環境条件への前記校正/制御ユニットのRF応答の依存性を示すデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
前記測定ユニットを特徴付ける前記データが、温度、湿度、加速、機械的撹拌のうちの少なくとも1つを含む環境条件への前記測定ユニットのRF応答の依存性を示すデータを含むことを特徴とする請求項7に記載の装置。
前記メモリユーティリティが、前記測定装置の識別データ、前記測定装置が測定に使用された時間、前記測定装置によって実行された測定回数、前記校正/制御ユニットによって行われた校正シーケンス数、前記測定装置から前記アナライザユニットへの実行済みの接続回数のうちの少なくとも1つを示すデータを記憶することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
前記測定ユニット内の少なくとも1つのセンサのRF応答を決定することによって前記測定ユニットの前記RF応答の追加の補正を行うステップを含むことを特徴とする請求項15または16のいずれか一項に記載の方法。
前記校正/制御ユニットを介して前記測定ユニットを前記アナライザユニットに接続したとき、前記校正/制御ユニットの前記メモリユーティリティから前記アナライザユニットの中に前記校正/制御ユニットの前記RF伝達係数を取り出すステップを含むことを特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
RF信号経路を、前記アナライザユニット内のネットワークアナライザユーティリティから前記校正/制御ユニット内の各前記端子へ選択的に向けるように、前記校正/制御ユニット内の前記スイッチを動作させると同時に、前記ネットワークアナライザによって各前記端子の反射係数を測定するステップと、測定されたデータを前記アナライザユニットに記憶するステップとを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
前記測定ユニットの識別データ、前記測定ユニットが測定に使用された時間、前記測定ユニットによって実行された測定回数、前記校正/制御ユニットによって行われた校正シーケンス数、前記測定ユニットから前記アナライザへの実行済みの接続回数、のうちの少なくとも1つを決定するステップと、
決定されたデータを分析し、前記データの少なくとも1つの予め定められた条件の存在を識別すると前記測定ユニットの前記再校正を選択的に実施するステップと、
を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当技術分野において、一方では、より高精度の校正プロセスを可能にし、他方では、校正装置とDUT(測定装置)の間の置き換えの必要を解消するまたは少なくともかなり減らすように、RF校正手順を容易にする必要がある。後者の特色は、様々な応用例、例えば、測定装置を頻繁に切断できない応用例、および/または測定装置に手が届かない(access to)応用例にとってとても大切である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、信号送受信面から測定装置の入力面(すなわち、測定装置への接続面)へ直ちに移すことを可能にし、ことによっては測定装置の入力面からセンサ測定面またはセンサ支援回路測定面(sensor support circuit measurement plane)へさらに移すことも可能にする新規なRF校正方法およびシステムを提供することによって上記課題を解決する。これは、知られている反射係数、すなわち知られている(予め試験済みの)負荷の負荷または端子を有する校正装置を使用し、そのような校正装置を測定装置に一体化することによって実現される。
【0008】
本発明は、校正を受けることになる測定ユニットのアレイ、すなわち2つ以上の測定ユニット(一般には、少なくとも2つのそのような測定ユニット)を含む測定装置で使用できる。これに関連して、本発明は、測定中に測定ユニット同士間(プローブアレイ中)のクロストークの影響を考慮に入れることもできる。
【0009】
本発明の広範な一態様によれば、少なくとも1つのRFポート接続を介してアナライザユニットに接続可能であるように構成される測定装置であって、少なくとも1つの測定ユニットと、この少なくとも1つの測定ユニットに接続および一体化された少なくとも1つの校正/制御ユニットとを備え、校正/制御ユニットが、少なくとも1つのRFコネクタを介して各少なくとも1つの測定ユニットをアナライザユニットに接続することを可能にするように構成され、校正/制御ユニットが、知られているRF反射係数の複数の校正負荷にそれぞれ関連したいくつかの端子を備えると共に、RF反射係数を示す記録データおよび校正/制御ユニットのRF伝達係数を示す記録データを保持するメモリユーティリティを備え、それによって校正/制御ユニットに一体化されたままでありつつ各少なくとも1つの測定ユニットのRF応答の計算を可能にする測定装置が提供される。
【0010】
校正/制御ユニットが、測定ユニットに一体化されるので、測定ユニットの(RF応答の)校正プロセスは、必要なときいつでも、例えば連続的または周期的に実行できる。
【0011】
校正ユニットは、制御器ユーティリティ(controller utility)と、上記端子の各1つおよび上記少なくとも1つの測定ユニットをアナライザユニット(そのネットワークアナライザ)に選択的に接続することを可能にする制御可能に動作可能なスイッチとを備える。校正/制御ユニットの制御器ユーティリティは、アナライザユニットの制御器に接続可能である。
【0012】
測定装置は、2個以上の測定ユニットを備えてもよく、それぞれが、1つまたは複数のRFコネクタを介して校正/制御(CPC)ユニットに接続され、ならびに測定装置は、2つ以上のCPCユニットを備えてもよい。後者の場合には、各CPCユニットは、RFポート接続のうちの対応する1つに関連している。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、CPCユニットは、RFカバーを有するハウジング内に囲まれる。これにより、機械的強度および電磁耐性をCPCユニットに与える。
【0014】
CPCユニットは、複数の校正負荷を与えるように動作可能な2つ以上のスイッチを備えてもよい。メモリユーティリティは、複数の校正負荷を特徴付けるデータを記憶してもよい。校正負荷を特徴付けるデータは、1つまたは複数の環境条件への校正負荷の値の依存性を示すデータを含んでもよい。メモリユーティリティは、CPCユニットを特徴付けるデータを記憶してもよく、このデータは、環境条件への校正/制御ユニットの応答の依存性を示すデータを同様に含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、メモリユーティリティは、測定ユニットを特徴付けるデータを(やはり)記憶してもよく、このデータは、CPCユニットと測定ユニットの間のRF信号伝搬についてのRF校正データを含んでもよく、1つまたは複数の環境条件への測定ユニットの応答の依存性を示すデータを含むこともできる。
【0015】
したがって、環境条件を感知するための1つまたは複数のセンサが、測定装置中に設けられてもよい。
【0016】
CPCユニットは、測定ユニットのポジションを決定するための1つまたは複数のポジションセンサを備えてもよい。
【0017】
好ましくは、CPCユニットのメモリユーティリティは、測定装置の識別データ、測定装置が測定に使用された時間、測定装置によって実行された測定回数、校正/制御ユニットによって行われた校正シーケンス数、測定装置からアナライザへの実行済みの接続回数、のうちの1つまたは複数を示すデータを記憶する。これにより、これらデータを制御し、少なくとも1つの予め定められた条件を識別すると、測定ユニットの再校正を呼び出すことを可能にする。再構成プロセスは、1つまたは複数の環境条件の変化を識別することによって呼び出され得る。
【0018】
本発明の別の広範な態様によれば、RF信号の伝送可能なコネクタによってアナライザユニットと少なくとも1つの測定ユニットの間で相互接続され、データ送信コネクタを介してこのアナライザユニットに接続されるように構成される校正/制御ユニットであって、RF反射係数がそれぞれ知られているいくつかの端子と、上記端子のRF反射係数を示す記録データおよび校正/制御ユニットのRF伝達係数を示す記録データを含むメモリユーティリティとを備える校正/制御ユニットが提供される。
【0019】
本発明のさらに別の広範な態様によれば、1つまたは複数のRF接続を介して少なくとも1つの測定ユニットをアナライザユニットに接続することによって少なくとも1つの測定ユニットを校正するのに用いられる方法であって、
- 校正/制御ユニットを用意するステップであって、RF反射係数がそれぞれ知られているいくつかの端子、ならびにこのRF反射係数を示す記録データおよび校正/制御ユニットのRF伝達係数を示す記録データを保持するメモリユーティリティを備える校正/制御ユニットを用意するステップと、
- 校正/制御ユニットを介して少なくとも1つの測定ユニットをアナライザユニットに接続することを可能にするように校正/制御ユニットを少なくとも1つの測定ユニットに一体化するステップと、
- 校正/制御ユニットに一体化されたままでありつつ少なくとも1つの測定ユニットのRF応答を決定するために、上記知られているRF反射係数および校正/制御ユニットのRF伝達係数を利用することによって少なくとも1つの測定ユニットを校正するステップと
を含む方法が提供される。
【0020】
RF反射係数を示す記録データおよび校正/制御ユニットのRF伝達係数を示す記録データは、校正/制御ユニットを測定装置内に一体化する前に事前校正手順(フェーズ1校正)を実行することによって与えられる。
【0021】
本発明のさらなる態様によれば、少なくとも1つのRFポート接続を介して測定ユニットをアナライザユニットに接続することによって測定ユニットをRF校正するのに用いられる方法であって、校正/制御ユニットを測定ユニットに、校正/制御ユニットを介して測定ユニットをアナライザユニットに接続することを可能にするように、一体化するステップを含み、校正/制御ユニットが、それぞれ知られているRF反射係数のいくつかの端子を備えると共に、校正/制御ユニットが測定ユニットに一体化される前に、RF反射係数を示すデータおよび校正/制御ユニットのRF伝達係数を示すデータが与えられ、記憶されるメモリユーティリティを備え、それによって測定ユニットと校正/制御ユニットを切り離すことを必要とせずに必要なときに測定ユニットのRF校正を可能にする方法が提供される。
【0022】
本発明が有用であり得る応用例には、例えば海洋中、遠隔位置における環境モニタリング、地球物理学上の、例えばボアホール内センシング、採石所におけるセンシング、産業上の、例えば製造ラインのモニタリング、処理プラントにおけるモニタリング、医療上の、植込み型装置、無菌環境における使用が含まれる。本発明の使用が有利であり得る条件には、センサポジションがコンソールに対して可変であること、センサ位置に手が届かないこと、センサが使い捨てであること、センサが危険な環境で動作すること、センサが無菌であること、センサが様々な温度で動作することが含まれる。
【0023】
本発明を理解し、本発明が実際にどのように実施できるか分かるために、ここで、添付図面を参照して非限定の例だけによって実施形態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、本発明により構成され動作可能な測定システムが、構成図によって示されており、全体的に10と呼ばれる。システム10は、アナライザ16に接続可能な測定装置12を備える。本発明の測定装置12は、測定ユニット(プローブ)12Aと、校正/プローブ制御(CPC)ユニット12Bとを備える。アナライザ16は、ネットワークアナライザ14を備え、CPCユニット12Bとのデジタル信号および/またはアナログ通信を取り扱うための適切な通信ユニット(図示せず)も備える。
【0026】
ネットワークアナライザ14は、任意の知られている適切なタイプのものであってもよく、したがって詳細に説明するまでもないが、ただし、ネットワークアナライザ14が、RF信号を送受信するように構成され動作可能であることに留意されたい。ネットワークアナライザ14は、RF信号の相対的な振幅と位相の両方を記録するためのベクトルネットワークアナライザ(VNA)として構成され動作可能であってもよい。
【0027】
ネットワークアナライザ14は、以下のことを実行するように構成されており、すなわち、その信号ポートを介してRF信号を送受信し、受信した信号を分析して校正負荷との信号相互作用を示すRF信号の振幅および適宜位相を決定し、校正補正パラメータを引き渡す。ネットワークアナライザ14は、この校正補正パラメータを用いて測定装置12のRF応答を測定するようにも構成される。
【0028】
アナライザ16は、追加の特色を有し得るものであり、例えば、以下にさらに説明されるように、測定装置12の再使用、またはシステム内での他の認証されていない測定装置の取り付けを防ぐために、セキュリティ問題への責任を負っていてもよい。アナライザ16は、以下の機能、すなわち、電力供給、測定装置12とのデジタル信号および/またはアナログ通信を処理する手段、真空/圧力通信(vacuum/pressure communication)19、液体分配ライン、光信号通信、超音波信号通信のうちの少なくとも1つを測定装置12にもたらすこともできると共に、このアナライザ16は、測定装置12内のアブレーション/切断用装置/器具への制御および電力、ユーザおよび/または機械の入力および/または出力、ならびに測定装置12に用いられる他のタイプのプローブの制御を与えることもできる。
【0029】
測定システム10の構成についての特定の例であるが、それに限定されない例を示す
図2Aおよび2Bの参照を行う。測定装置12は、プローブ12Aと、このプローブ12Aに一体化されたCPC 12Bとを含み、プローブ12AおよびCPC 12Bは、共通のハウジング12Cに収容される。プローブ12Aは、センサ11を、その支援回路13と共に備え、適切なコネクタ付のケーブルを介してCPC 12Bに接続される。
【0030】
図2Aの例では、アナライザ16と測定装置12の間にただ1つのRF信号接続(RFポート接続)がある。このRF接続は、例えば、限定されるものではないが、プローブセンサ11が反射モードでの動作を対象としたものであるときに使用され得る。また、
図2Aに例示されるように、光信号ケーブル15は、プローブ12A内のセンサ11まで光信号を送信、および/またはそのセンサ11から光信号を送信するために適宜設けられる。
【0031】
図2Bの例では、アナライザ16と測定装置12の間に2つのRF信号接続(RFポート接続)がある。2つのRF信号接続は、例えば、限定されるものではないが、プローブ12Aに用いられるセンサ11が、反射モードと伝送モード(transmission mode)の両方での動作のために構成されるとき、または例えば、センサ11が、2つの反射モードの信号を用いた動作のために構成されるときに使用され得る。
図2Bの例にやはり示されるように、真空/圧力通信ライン(vacuum/pressure communication line)が、真空/圧力通信19をプローブ12Aにもたらすために使用される。
【0032】
本発明の実施形態は、アナライザ16と測定装置12の間に3つ以上のRF信号接続を利用してもよいことを理解されたい。一般的には、nを1以上の整数とすると、アナライザユニットと測定装置の間にn個のそのようなRF信号接続(RFポート接続)があってもよい。
【0033】
図2Aは、アナライザ16から測定装置12へのインタフェースをより詳細に示す。図示するように、ケーブルC
1およびC
2が設けられており、ケーブルC
1は、RF信号伝送用のケーブルとして構成され、例えば同軸ケーブルであり、ケーブルC
2は、ユニット12とユニット16の間にデータ転送および制御のために構成され、USBケーブル、同軸ケーブル、RS232プロトコルデータの送信用ケーブル、GFSKプロトコルデータの送信用ケーブル、またはデジタル通信および/またはアナログ通信を支援するのに使用できるような当技術分野で知られた任意の他のケーブルであり得る。ケーブルC
2は、測定装置12への電力供給を支援することもできる。CPCユニット12Bは、RFグレードコネクタC
3(例えば、雄形SMA)を介してケーブルC
1に接続され、コネクタC
4(例えばSMAまたはUSB)を介してケーブルC
2に接続され、このようにして測定装置12とアナライザ16の間のRF接続およびデータ接続を可能にする。プローブ12A側では、CPCユニット12Bは、RFグレードコネクタC
5(例えばSMA)を介してプローブに接続される。
【0034】
RFグレードコネクタは、校正面を定めることができるインタフェースを提供し、反復可能な測定結果を与えるように適切に選択される。RFグレードコネクタは、測定装置12とアナライザ16の間、およびCPC 12Bとプローブ12Aの間の全てのRF信号伝送経路(ポート)の接続に使用される。RFグレードコネクタの例には、N-タイプ、BNC、SMA、SMB、MCX、MMCX、U.FLが含まれる。
【0035】
好ましくは、(プリント回路基板として実装される)CPCユニット12Bは、機械的強度および電磁耐性をCPCユニット12Bに与えるためのRFカバーを有するハウジング内に囲まれる。ハウジングの機械的強度は、例えばCPCユニットの機械的応力または環境変化により生じ得る幾何学的歪みを解消することによってより良い校正を可能にする。この歪みにより、CPCユニット内でRF信号の伝搬が変化することになり、校正性能の劣化をもたらし得る。ハウジングの電磁耐性は、CPCユニット12Bとプローブ12AのRF干渉を低減し、外部RF源とCPCユニット12BのRF干渉を低減することによってより良い校正を可能にする。CPCユニット12Bのコネクタは、ハウジングの中に組み込まれ得る。ハウジングは、様々な環境条件において測定装置12の動作を可能にし、放射線および/または気体を使用することによる測定装置の殺菌を可能にするために構築され得る。
【0036】
特に図示しないが、適宜、測定装置12は、出力(例えばLED表示器)要素および/または入力(例えば制御ボタン)要素を備えてもよいことに留意されたい。これら要素は、プローブ12Aに関連しており、プローブ12Aの動作を制御するのに使用される。
【0037】
測定装置は、共通のCPCユニット12Bに関連した2つ以上のセンサ11(一般には2つ以上の測定ユニット)を含んでもよいことにも留意されたい。例えば、
図2B中のRFコネクタC
5は、(特に図示しないが)CPCユニットを2つのセンサに接続するために使用されてもよい。
【0038】
同じ測定ユニットまたは異なる測定ユニットに関連した2つ以上のRF線路C
5が存在しているときは、異なるC
5線路中を伝搬するRF信号同士の間のクロストークが存在する可能性がある。すなわち、これら線路同士の間にいくらかの信号漏れ(結合)があり得る。好ましくは、そのようなクロストークの影響は、補正されるべきである。この補正は、以下の3つの段階で実現できる。
【0039】
第1の段階では、線路C
5同士の間のRF伝達係数が決定される。上述のように、これは、測定装置の組み立て前にオフラインで行われる。RF伝達係数の決定は、例えば、以下の方法を用いて行うことができる。
(1)(測定ユニット12Aのn個の測定ユニット/センサ11に関連した)n本の線路C
5の全てをネットワークアナライザに接続する。
(2)知られている負荷をn個のセンサのうちの特定のセンサ(測定ユニット)にかけ、一方、他の(n-1)個のセンサを(例えばオープン負荷として)負荷のない状態に保つ。
(3)各線路C
5でRF伝達係数を測定し、このようにして、隣接する線路間の伝送の大きさおよび位相(すなわち、SC
ij、ただしi、j=1〜n、i≠j)を生成する。
【0040】
やはりオフラインで行われる第2の段階では、これらRF伝達係数は、メモリユーティリティ24に記憶される。
【0041】
適宜、上記のSCパラメータデータは、フィッティングされてもよく、フィッティングパラメータは、メモリユーティリティ24に記憶される。このフィッティングは、メモリの記憶領域の使用をより少なくすることを可能にする。
【0042】
クロストークの補正の第3の段階は、オンラインで実行され、以下の通りであり得る。
(1)SCパラメータデータが、メモリユーティリティ24から取り出される。
(2)校正段階のフェーズ2に続いて、各センサ11からの測定が行われる。
(3)SCパラメータデータを使用して各センサ11のクロストークを補正した本当の応答を抽出する。
【0043】
次に、アナライザ16と測定装置12の間にただ1つのRF信号接続(RFポート接続)がある、
図2Aの上記の例のシステム構成に用いられるのに適切なCPCユニット12Bの構成の非限定の例を示す
図3の参照を行う。この例では、測定装置12へのデータ通信と電力供給は共に、データ通信信号がDC電力供給電圧に「乗っている」(重畳されている)状態でコネクタC
4に接続された同軸ケーブルC
2を介して引き渡される。図示するように、CPCユニット12Bは、いくつかの端子に接続されたスイッチ20と、制御器/プロセッサ22と、コードおよびデータ記憶装置として使用されるメモリユーティリティ24と、電力変換/安定化ユニット26と、バイアスユーティリティ(bias utility)(バイアスTEE)28とを備える。バイアスユーティリティ28は、アナライザ16からのDC電圧供給とこのDCに乗っているデータ通信信号とを分離するために使用される。この電圧供給は、電力変換/安定化ユニット26によってフィルタ処理され、適切に調整される(例えば、5ボルトは、リニア電圧レギュレータ(LVR)によって3.3ボルト供給に変換される)。そのようなフィルタ処理および適切に調整された電圧供給は、スイッチ20、制御器/プロセッサ22、メモリ24、および動作するために電力を必要とする測定装置内の他の構成要素に動作電圧を供給する。
【0044】
測定装置12への電力/電圧供給(power/voltage supply)は、ケーブルC
2内の別個の電気的接続を用いて供給できることを理解されたい。この場合、バイアスユーティリティ28を使用する必要はない。
【0045】
測定装置12への電力/電圧供給は、電池などの測定装置12内の電力/電圧源によって供給されてもよいことも理解されたい。この場合、測定装置12への電力供給に対応するためのケーブルC
2の必要がない。
【0046】
スイッチ20は、CPC回路(プリント回路基板)にハンダ付けされ得る。このスイッチは、接続C
3およびC
5に関連した接続ポートJ1およびJ3を有し、複数の校正負荷にも接続される。本例では、スイッチ20は、ショート終端J2、オープン終端J4、およびロード終端J5を含む3つの校正負荷端子に関連している。他のタイプの校正負荷が、使用されてもよく、ならびに校正負荷の個数は、4個以上であってもよいことが理解されよう。校正負荷の個数および/またはタイプは、校正精度を高めるために選択され得る。スイッチ20は、4つのスイッチング状態以外を有してもよいことが理解されよう。加えて、複数の校正負荷を与えるように動作可能な2つ以上のスイッチがCPCユニット内にあってもよい。
【0047】
メモリユーティリティ24は、揮発性メモリタイプおよび/または不揮発性メモリタイプを含み得る。揮発性メモリタイプの例には、スタティックランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAMが含まれる。不揮発性メモリタイプの例には、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、リードオンリメモリが含まれる。
【0048】
いくつかの実施形態では、メモリ24は、複数の校正負荷を特徴付けるデータを記憶する。校正負荷を特徴付けるデータは、周波数依存性であり得る。校正負荷を特徴付けるデータは、環境パラメータ/条件(例えば、温度、湿度、加速、機械的撹拌)への校正負荷の値の依存性を示すデータも含み得る。
【0049】
メモリ24は、CPCユニット12Bを特徴付けるデータも記憶し、このデータは、周波数依存性であり得る。このデータは、CPCユニットのフル2ポート複素パラメータ(the full 2-port complex parameter)、伝達係数(S11、S22、S12およびS21)を含み得る。CPCユニットを特徴付けるデータは、環境パラメータ/条件(例えば、温度、湿度、加速、機械的撹拌)へのCPCユニットの応答の依存性を示すデータも含み得る。
【0050】
メモリ24は、プローブ12Aを特徴付けるデータを記憶することもできる。このデータは、コネクタC
5とセンサの間のRF信号伝搬についてのRF校正データを含むことができる。このデータは、センサ支援回路および/またはセンサの特定の応答に関する情報を含むこともできる。このデータは、環境パラメータ/条件(例えば、温度、湿度、加速、機械的撹拌)へのプローブの応答の依存性を示すデータを含み得る。
【0051】
CPCユニットは、環境パラメータ値を記録するためのセンサを含むこともできる。また、CPCユニットは、測定ユニット12、例えばGPS受信機の位置/ポジションを決定するためのセンサを含んでもよい。
【0052】
CPCユニットは、その中のRF信号伝搬が、伝送線(TL)の形態であるように構築され得る。TLは、例えば、インピーダンス不整合の解消、放射の低減、CPCユニット内のクロストークの低減に役立つ。CPC回路基板上の構成要素の配置、およびCPC回路基板の設計は、CPCユニット内のRF信号伝搬の外乱を低減するようなものであり得る。これら外乱は、干渉、損失、クロストークおよびノイズに関連し得る。CPCユニットは、CPCユニットのサイズが、典型的には、CPCユニットを通じて伝搬するRF信号の波長の半分未満であるように構築され得る。例えば、約1GHzのRF信号については、CPCの最大寸法サイズが、10cm未満であるべきである。これは、CPCユニット内の空洞共振の解消に役立つ。CPCユニットは、CPCユニットのサイズが、相変化(phase change)に関連した誤差を最小にするのに十分小さいものであるように構築され得る。
【0053】
図4により詳細に例示されるように、スイッチ(例えば、Skyworks Solutionsから市販のAS204-80、またはHittite Microwave社から市販のHMC345LP3であり得る)のポートJ1およびJ3は、4700pFのコンデンサを介して(
図3中の)接続C3およびC5に接続される。やはり図に示されるように、ショート終端J2は、4700pFのコンデンサを介してグランドに短絡され、ロード終端J5は、抵抗器(50オームのSMT抵抗器)を介しおよび4700pFのコンデンサを介してグランドに短絡される。あるタイプのスイッチの使用時に生じるDC電圧を阻止するために、スイッチのポートは、4700pFのコンデンサに接続されることを理解されたい。オープン終端は、1つもコンデンサを必要とせず、ロード終端では、抵抗器の後にコンデンサを配置することが最良である。使用されるスイッチのタイプにより、そのポート(例えば、Texas Instrumentsから市販のTS3V330および/またはTS5A3359)で存在するDC電圧にならない場合、コンデンサを使用する必要はないことが理解されよう。
【0054】
図3に戻ると、校正プロセス中、終端J2、J4およびJ5の間の自動スイッチングが、CPCユニット12B上の制御スイッチ20を用いて実行される。CPCのSパラメータ、伝達係数(S11、S12、S21、S22)、および各校正終端経路(S11オープン、S11ショートおよびS11ロード)の反射係数は、メモリユーティリティ24に記憶される。メモリユーティリティ24の動作およびスイッチ20の動作は、マイクロコントローラ22によって制御される。適宜、この制御器22は、測定装置12内の出力(例えば、LED表示器)要素および/または入力(例えば、制御ボタン)要素の制御もする。マイクロコントローラ22は、アナライザ16と測定装置12の間でデータを伝達するための適切な整合回路を介してアナライザ16のマイクロコントローラ(CPU)と通信もし、データは、校正プロセスにさらに使用されることになる。加えて、以下にさらに説明するように、マイクロコントローラ22は、測定装置12を認証し、測定装置の再使用を無効にするように構成され動作可能であることが好ましい。
【0055】
本発明によれば、校正手順は、事前校正(フェーズ1)を含む2フェーズの手順であり、事前校正(フェーズ1)は、CPCユニット12Bを測定装置12に一体化する前に実行される。これにより、測定装置12AからCPCユニット12Bを分解することを必要とせずに、装置12の動作中に、さらなる「実際の」校正(フェーズ2)を可能にする。したがって、VNA出力から校正ユニットの入力コネクタへ測定面を移す校正手順で知られているものに加えて、本発明では、測定面は、測定装置内でアナライザ出力面から測定ユニットへの接続面(プローブ12AのC
5の面)へ直ちに/瞬時に移される。本発明のいくつかの実施形態では、RF反射信号の補正のさらなる段階が、入力面をセンサ面またはセンサ支援回路面(sensor support circuit plane)に移すために用いられる。
【0056】
本発明の校正方法の流れ図を例示する
図5Aおよび
図5Bの参照を行う。この例は、
図2Aのシステム構成に関する。しかし、n個のRF信号接続(ポート)が存在するとき、および/または校正負荷の個数が4つ以上であるときに、同じ手順を用いることができることを理解されたい。
【0057】
初めに、
図5Aに示すように、校正フェーズ1が、オフラインで、すなわち校正ユニットが測定装置に一体化する前に実行される。この校正フェーズ1では、校正負荷S11オープン、S11ショートおよびS11ロードの複素反射係数(S11)が、決定される(ステップ100)。次いで、CPCユニット12Bのフル2ポート複素パラメータ、伝達係数(S11、S22、S12およびS21)が、決定される(ステップ104)。ステップ104は、スイッチ20がポートJ3に向けられる、すなわちスイッチ内のRF信号経路がポートJ1からポートJ3になると実行される。反射係数S11オープンは、J4に接続されるときのJ1のS11に対応し、S11ショートは、J2に接続されるときのJ1のS11に対応し、S11ロードは、J5に接続されるときのJ1のS11に対応する。これら上記のSパラメータは、当技術分野で知られた標準的なやり方で得ることができる。
【0058】
この校正フェーズ1の第2の段階では、上記のSパラメータ、および校正負荷(S11オープン、S11ショートおよびS11ロード)の反射係数を示すデータは、メモリユーティリティ24に記憶される(ステップ102および106)。適宜、上記のSパラメータデータが、フィッティングされてもよく、フィッティングパラメータは、メモリユーティリティ24に記憶される。このフィッティングは、メモリユーティリティ24内のメモリの記憶領域の使用をより少なくすることを可能にする。
【0059】
次いで、測定装置は、測定ユニット(プローブ)12AをCPCユニット12Bに一体化することによって組み立てられる。後者は、フェーズ1の校正中に測定された上記のSパラメータおよび校正負荷(S11オープン、S11ショートおよびS11ロード)を示すデータを、CPCユニット12Bのメモリユーティリティ24内に格納する。この段階以降、測定ユニット12Aおよび校正/制御ユニット12Bは、一体化した測定装置12として形成される。
【0060】
測定装置12の動作時に、アナライザ16に接続されると、測定装置内でアナライザ出力面からプローブ12Aへの接続面へ信号測定面を移すために、測定したRF信号の補正を計算するため、記憶したパラメータを利用したフェーズ2の校正が、オンラインで実行される。これは、
図5Bに例示される。測定した信号は、2つの段階で補正される。
【0061】
まず、測定装置12は、ケーブルC
1、C
2、およびより多くの信号ポートがある場合には追加のケーブルを介して、アナライザユニット16に接続され(ステップ200)、したがって、アナライザユニット16のネットワークアナライザユーティリティ(network analyzer utility)14に接続される。各ケーブルは、別個に接続されてもよい。適宜、全てのケーブルが、専用コネクタに中に組み込まれてもよく、この専用コネクタは、アナライザ16上の適合するコネクタに接続される。専用コネクタの使用は、それにより、より簡単な接続、より速い接続および取り外し、ならびに高品位のRF信号接続経路が実現されるので有利である。コネクタは、アナライザユニット16と測定装置12の間の他のケーブルおよび/または接続を組み込んでもよい。例えば、真空/圧力通信ライン、液体分配ライン、光信号ケーブル、超音波センサのケーブル、アブレーション/切断用装置/器具のケーブル、またはさらなるケーブルである。接続に続いて、CPCユニット内の各校正負荷の記憶した反射係数データ(S11)、およびCPCのフル2ポートパラメータ(S11、S22、S12、S21)が、CPCユニットのメモリ24からアナライザ16へ取り出される(ステップ202)。
【0062】
次いで、測定装置12が、測定位置に配置された後、スイッチ20が、ネットワークアナライザユーティリティ14からCPCユニット内の各校正負荷(J2、J4およびJ5)へRF信号経路を選択的に向けるように動作させられ、ネットワークアナライザユーティリティ14は、CPCユニット内の各校正負荷の反射係数を共に測定し、測定されたデータは、アナライザ16に記憶される(ステップ204)。測定したパラメータは、
オープンに向けられたスイッチに対応する測定した反射係数であるΓ1パラメータ、
ショートに向けられたスイッチに対応する測定した反射係数であるΓ2パラメータ、
ロードに向けられたスイッチに対応する測定した反射係数であるΓ3パラメータを含む。
【0063】
測定装置12が所定の位置にあるときにのみΓ1、Γ2およびΓ3を測定することにより、校正精度が、測定装置12とアナライザユニット16の相対的ポジションの空間的変動によって、および測定装置12およびアナライザユニット16を接続するケーブルのポジションの変化によって影響を受けることにならないことを確実にする。
【0064】
反射係数および伝達係数の解析により、
【0066】
が与えられ、ただし、Γmは、測定した反射係数であり、Γaは、実際の反射係数であり、Ed=S11は、指向性誤差であり、Ert=S21*S12は、反射トラッキング誤差であり、Es=S22は、ソースマッチ誤差である。
【0067】
線形システムを補正するとき、測定した反射係数と実際の反射係数の間の関係は、
【0070】
校正終端のうちの各校正終端からの反射(Γ1、Γ2、Γ3)を測定し、事前(フェーズ1)校正中に決定されたようなメモリから実際の反射(S1=S11オープン、S2=S11ショート、S3=S11ロード)を求めた後、3つの誤差は、以下の式、
【0072】
を用いて計算でき、ただし、Corr1は、RF信号反射の補正の第1の段階の結果であり、これは、ネットワークアナライザ出力面からCPCユニット(C
3)の入射面へ測定面を移すことを明らかにしている。
【0073】
この補正の後、スイッチがCPCユニット内の校正負荷に向けられたときに測定された信号(Γ1、Γ2、Γ3)は、追加の校正シーケンスが開始されるまでもはや使用されない。
【0074】
この時点以降、スイッチ20は、J3に向けられ、すなわち、スイッチ内のRF信号経路は、J1からJ3である。センサによる測定は、任意または自動的に行うことができる。
【0075】
センサによって行われる測定ごとに、CPCユニット内部の2ポートの応答に対する追加の補償が、メモリユーティリティから取り出されたCPCユニットのSパラメータ(S11、S22、およびS12S21)の使用によって行われ、すなわち、
【0077】
であり、ただし、Corr2は、RF信号反射の補正の第2の段階の結果であり、これは、CPC(C
3)の入射面からプローブ(C
5)の入力面へ測定面を移すものと考えられる。Corr2の補正したRF信号反射は、最終的な、十分校正された、反射についてのRF応答信号である。
【0078】
2つ以上のRFポート接続があるときは、複数の校正/プローブ制御(CPC)ユニット(校正/プローブ制御ユニット12Bなど)が、測定装置12内に組み込まれ、上記の校正プロセスの段階1および段階2が、RF信号ポート接続ごとに行われ、十分校正された、RFポートごとのRF応答信号を得ることになると理解されたい。
図2Bに示すように、単一の制御線(C
2)が、複数の校正/プローブ制御(CPC)ユニット全ての動作を制御するために使用されてもよい。
【0079】
適宜、RF信号反射の補正の追加段階が、プローブ(C
5)の入力面からセンサ測定面またはセンサ支援回路測定面へ測定面を移すために、組み込まれてもよい。この補正は、Corr2の補正に形態が類似しており、この補正は、プローブケーブルおよび適宜プローブ支援回路の2ポートの応答を特徴付けるパラメータを使用する。これら2ポートの応答のパラメータは、事前測定され、CPCのメモリ24に記憶される。動作時に、これら2ポートの応答のパラメータは、アナライザユニット16によってメモリ24から取り出される。
【0080】
上述のように、追加の校正シーケンス(再校正)は、「いつでも」開始できる。
【0081】
再校正は、ユーザによって、(周期的に、またはある入力に基づいて)アナライザによって、および/または(周期的に、またはある入力に基づいて)測定装置12によって呼び出され得る。この再校正は、空間的条件、時間的条件、環境的条件、またはこれら条件の組み合わせが、変化してしまったときに有利である。これら変化は、RF信号の校正の劣化をもたらす可能性があり、したがって再校正は、測定したRF信号の精度レベルを保つ上で重要である。
【0082】
特に、校正は、各測定の前に行うことができ、すなわち、「オンザフライ校正(calibration on the fly)」である。
【0083】
再校正の手順は、校正プロセスのフェーズ2の段階3から「ピックアップ(pick-up)」する。すなわち、スイッチが、CPC内の各校正負荷に向かって選択的に向けられると、反射係数(S11)が再び測定され、アナライザ16に記憶される。次に、補正Corr1が、すでに上記詳述したように導出される。この補正に続いて、スイッチ20は、J3に向けられ、すなわち、スイッチ内のRF信号経路は、J1からJ3となる。センサによる測定は、任意または自動的に行うことができる。上述のように、センサによって行われる測定ごとに、追加の補正Corr2が実行される。詳細には、「オンザフライ校正」モードで働いているときは、センサによる各測定に続いて、再校正の手順が、再び開始される。
【0084】
すでに述べたように、再校正は、環境変化の感知により開始できる。RF信号伝搬経路に関連した構成要素のRF特性が、環境パラメータに依存し得るので、環境パラメータの変化は、校正に影響を及ぼし得る。これら変化は、RF信号の校正の劣化をもたらす可能性があり、したがって、再校正は、環境パラメータ値が変化するときに測定したRF信号の精度レベルを保つ上で重要である。
【0085】
環境パラメータの感知は、アナライザ16および/または測定装置12内の適切なセンサを用いることによって行うことができる。すでに詳述したように、環境パラメータ値への測定装置12の構成要素の依存性を特徴付けるデータは、メモリ24に記憶される。
図5A〜
図5Bを参照して説明される校正手順の全ての段階は、校正手順の精度を高めるために、環境パラメータ値への測定装置12の構成要素の依存性を特徴付けるデータを使用できる。
【0086】
環境パラメータの感知は、測定手順中に行うことができる。環境パラメータの変化を使用して再校正を作動させる(開始する)ことができる。環境パラメータの感知は、測定装置12によって自律的に行うことができる。再校正の作動は、環境パラメータの変化が、メモリ24に記憶された対応する閾値より高いときに、測定装置12によって開始される。環境パラメータの感知は、測定装置12内の適切なセンサから、および/またはアナライザ16内の適切なセンサから環境パラメータ値を記録することによって、アナライザ16によって行うことができる。再校正の作動は、環境パラメータの変化が、アナライザ16のデータベースに記憶された閾値より高いときに、アナライザ16によって開始される。
【0087】
適宜、環境パラメータ値は、メモリ24および/またはアナライザ16のデータベースに連続的または選択的に保存/記憶/記録される。
【0088】
上述のように、本発明は、望ましくない測定装置の再使用、またはシステム中への他の認証されていない測定装置の取り付けを防ぐことも実現する。そのために、メモリユーティリティ24は、適宜暗号化された形式で、特定の測定装置の識別(ID)データを記憶することもできる。各プローブ12Aおよび/または各CPCユニット12Bは、固有のIDデータに関連している。測定装置の製造中に、測定装置の固有のIDデータが、メモリ24に記憶される。動作時に、測定装置またはアナライザ16のマイクロコントローラは、メモリユーティリティ中の各IDデータにアクセスするように動作し、識別プロセスを実行し(例えば、プローブおよび/またはCPCユニットのIDを読み取り、IDデータの認証を行い、IDデータをアナライザ16内のデータベースと比較し、測定したデータをセンサの特定の応答と比較し)、その後にのみ、測定装置12の使用開始を可能にする。
【0089】
メモリ24は、適宜暗号化された形式で測定装置の利用データを記憶することもできる。例えば、使用時間、使用数、行われた校正シーケンス数、測定装置12からアナライザ16への実行済みの接続回数、行われた測定回数である。この測定装置の利用データを使用して、装置12が使用されるやり方を監視/「実施」/制限/制御することができる。