特許第5816092号(P5816092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

特許5816092インターベンショナルMRIに対するRFセーフ伝送回線に挿入されたトランスフォーマーの連続機械的同調
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5816092
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】インターベンショナルMRIに対するRFセーフ伝送回線に挿入されたトランスフォーマーの連続機械的同調
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20151029BHJP
【FI】
   A61B5/05 355
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-542932(P2011-542932)
(86)(22)【出願日】2009年11月23日
(65)【公表番号】特表2012-513791(P2012-513791A)
(43)【公表日】2012年6月21日
(86)【国際出願番号】IB2009055300
(87)【国際公開番号】WO2010076684
(87)【国際公開日】20100708
【審査請求日】2012年11月20日
(31)【優先権主張番号】61/141,947
(32)【優先日】2008年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,ザッシャ
【審査官】 島田 保
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−537490(JP,A)
【文献】 特表2008−529588(JP,A)
【文献】 特表2007−533392(JP,A)
【文献】 AXEL KRAFFT,B1 FIELD-INSENSITIVE TRANSFORMERS FOR RF-SAFE TRANSMISSION LINES,BIOLOGY AND MEDICINE,英国,CHAPMAN AND HALL,2006年11月18日,V19 N5,P257-266
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターベンショナル器具に使用するためのトランスフォーマー・ラインであり:
前記インターベンショナル器具内に配置された伝送回線区分を、誘導的に結合させる少なくとも1対のトランスフォーマー巻線;及び
該トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つの形状を機械的に調節するように構成された、該トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つの隣に配置された少なくとも1つの同調カム;
を含む、トランスフォーマー・ライン。
【請求項2】
前記少なくとも1つの同調カムは、前記トランスフォーマー巻線のうちの少なくとも1つに関して機械的に動くことから、該同調カムは可動であり、前記トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つを変形させるように構成されている、請求項1に記載のトランスフォーマー・ライン。
【請求項3】
前記少なくとも1つの同調カムを動かすように挿入される同調ツールを受け取るように適合された、インターベンショナル器具を通して定められるアクセス・ポートであり、該アクセス・ポートは、前記少なくとも1つの同調カムを覆うように密封可能である、アクセス・ポート、をさらに含む請求項2に記載のトランスフォーマー・ライン。
【請求項4】
前記の可動の少なくとも1つの同調カムから延び、前記インターベンショナル器具の外部へと延びているシャフト;をさらに含む、請求項2に記載のトランスフォーマー・ライン。
【請求項5】
前記少なくとも1つの同調カムは、前記トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つの中に回転可能なように配置される、請求項2、3及び4に記載のトランスフォーマー・ライン。
【請求項6】
前記トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つは、前記少なくとも1つの同調カムによる変形の方向とは反対の方向に、該トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つに物理的な力を加える弾力剤で生成される又は該弾力剤とともに取り付けられる、請求項2乃至5のうちいずれか1項に記載のトランスフォーマー・ライン。
【請求項7】
前記伝送回線区分、前記トランスフォーマー巻線及び前記少なくとも1つの同調カムは、組み立てられるように構成され、前記インターベンショナル器具の製造後に作動周波数に同調される、請求項1乃至6に記載のトランスフォーマー・ライン。
【請求項8】
前記少なくとも1つの同調カムは、前記トランスフォーマー巻線の間で間隔を機械的に調節するように及び/又は該トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つの半径を機械的に調節するように構成されている、請求項1に記載のトランスフォーマー・ライン。
【請求項9】
先端部に隣り合って配置されたコイル;
請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の、前記コイルから前記カテーテルを通り、付属する電子機器に接続された地点へと延びる、トランスフォーマー・ライン;
を含むカテーテル。
【請求項10】
検査領域において静磁場を生成する磁石;
該検査領域において被検者内に磁気共鳴を誘導し操作するように及び/又は、該検査領域から磁気共鳴データを取得するように構成された、ラジオ周波数伝送コイル;及び
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のトランスフォーマー・ラインを含むインターベンショナル器具;
を含む、磁気共鳴システム。
【請求項11】
前記インターベンショナル器具は:
前記トランスフォーマー・ラインに接続されたインターベンショナル器具コイルを含み、該トランスフォーマー・ラインは、ラジオ周波数伝送器及びラジオ周波数受信器のうち少なくとも1つに電気的に接続されている、請求項10に記載の磁気共鳴システム。
【請求項12】
トランスフォーマー・ラインを使用する方法であり、前記トランスフォーマー・ラインは伝送回線区分を誘導的に結合する少なくとも1対のトランスフォーマー巻線を含み、前記方法は:
カテーテルなどのインターベンショナル器具内に前記トランスフォーマー・ラインを取り付けるステップ;
前記トランスフォーマー・ラインを同調させるために、前記トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つの隣に配置された少なくとも1つの同調カムにより前記トランスフォーマー巻線の形状を機械的に調節するステップ;
を含む方法。
【請求項13】
前記トランスフォーマー巻線の形状を調節するステップは:
該トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つが回転させられるとき、該トランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つを機械的に変形する、前記同調カムを回転させるステップ;
を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記同調カムは、前記インターベンショナル器具において内部に配置され、アクセス・ポートは、該インターベンショナル器具を通して定められ、前記方法は:
前記ポートを通して同調ツールを挿入し、前記トランスフォーマー巻線を機械的に変形させるために、前記少なくとも1つの同調カムを動かすステップ;
前記同調ツールを除去するステップ;及び
前記アクセス・ポートを密封するステップ;
を含む請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、MRイメージングの間に患者又は他の物体の検査中に使用することを目的としたアクティブ・インターベンショナル装置が備えられた核磁気共鳴装置に関する。それは、安全性、特に伝送回線における改善において適用されることが分かっている。
【背景技術】
【0002】
MRイメージング・システムは、患者の検査及び治療にしばしば使用される。そのようなシステムによって、検査される体内組織の核スピンは、主要な静磁場B0によって整列し、ラジオ周波数帯域において振動している横磁場B1によって励起される。結果としてもたらされる緩和信号は、結果として得られる共鳴を局所化するように傾斜磁場にさらされる。その緩和信号は、従来の方法において単一又は複数の寸法画像を形成するために受信される。
【0003】
慣用の2種類のMRシステムは、「オープン」MRシステム(垂直システム)及び「ボア・タイプ」システムである。前者において、患者は、Cの形状をしたユニットによって接続された2つの磁極間に配置された検査ゾーンの中へと導入される。その患者は、検査又は治療の間に、実質的に全ての側からアクセス可能である。後者は、患者が中に導入される円筒形検査空間(軸方向システム)を含む。
【0004】
RFコイル・システムは、RF信号の伝送及び共鳴信号の受信を供給する。画像装置に中に永久的に内蔵されたRFコイル・システムに加えて、例えば、検査される特定の領域の周りの又はその領域におけるスリーブ又はパッドとして、柔軟に配置することができる表面コイルも使用される。
【0005】
さらに、例えば、患者が画像装置の中にいる間に、組織サンプルを摂取するため又は外科活動を実施するために、その患者の中に導入されるアクティブ・インターベンショナル装置が使用される。そのインターベンショナル装置(interventional device)は、一般的に、形成された画像における局所化又はイメージングの目的で、その遠位端で少なくとも1つのコイル素子を有する。
【0006】
伝送回線又は経路は、カテーテル、ニードル、ステント、イメージング・コイル、ガイドワイヤ、及び特にパワーサプライ、受信/送信装置、制御ユニット及び類似物などのアクティブ・ユニットを持つ類似物など、インターベンショナル装置における遠位端及び/又は他の要素を接続するために供給される。そのアクティブ・インターベンショナル装置は、一般的に、MRシステムの場合、RFコイル・システムによって送信されるRFパルスの形で生成されるB1磁場を含むMR磁場を通してガイドされなければいけない。そのようなRF磁場は、伝送回線において及び周辺の体内組織において、共通モード信号(電流)を誘導し得る。そのような共通モード信号は、大きな電界をもたらし得る。これらの電流は、付属装置及び/又はアクティブ・ユニットの妨害又は破壊の危険を生成するだけでなく、それらは、とりわけ隣り合う組織の実質的な加熱をもたらし、場合によっては、患者の内部組織の深刻な熱傷又は血液組織の凝固をもたらす。
【0007】
これらの問題を対処するために、セーフ・トランスフォーマー・ライン(STL)が提案されている。伝送回線を短い区分に分割し、それらの区分を、トランスフォーマーを使用して誘導的に結合させ、インダクタンス/キャパシタンスを適切に同調させることによって、その伝送回線は、共鳴しないように同調させることができ、従って、共鳴している間は問題のある共通モード電流に対して非導電性であり、実際のMR信号を生成する異なるモード電流に対して非常に導電性である。それらのトランスフォーマーは、伝送回線信号を誘導的に伝送し、一方で、危険な局所的な加熱を生成しRF電流を詰まらせ、サイズが大きく、製造に費用がかかり得る並列共鳴回路を使用する必要なしで、その伝送回線において誘導されたRF電流を弱める。
【0008】
実際に、そのセーフ・トランスフォーマー・ラインは、望ましい作動周波数に実験室において最初に調整されている。STLは、次に、インターベンショナル装置の中に一体化される。その同調は、カテーテル構造の効果及び体内組織、空気、骨、血液、及び信号の室に影響を与え得る装置における他の電子要素の効果などの様々な環境的条件を予測しない。また、その伝送回線区分及びその伝送回線のトランスフォーまは、例えば、構成要素の耐性によって、設計されているように調整されないかも知れず、適用をさらに悪化させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願は、上記の問題及びその他を克服する完全な装置アセンブリに続いて特定の環境に同調され得る新規且つ改善されたセーフ・トランスフォーマー・ラインを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様に従って、伝送回線が、多様なカテーテル又はインターベンショナル器具のいずれかにおける使用に対して供給される。伝送回線区分を誘導的に結合させる少なくとも1対のトランスフォーマー巻線が、そのインターベンショナル器具において配置されている。少なくとも1つの同調素子が、そのトランスフォーマー巻線のうち少なくとも1つの隣に配置され、そのトランスフォーマー巻線の形状を調節するように構成される。
【0011】
もう1つの態様に従って、方法が、伝送回線区分を誘導的に結合される少なくとも1対のトランスフォーマー巻線を含むトランスフォーマー・ラインを使用するために供給される。そのトランスフォーマー・ラインは、カテーテルなどのインターベンショナル器具に搭載されている。その少なくとも1つの伝送巻線の隣のインターベンショナル器具において配置された少なくとも1つの同調素子は、そのトランスフォーマー巻線の形状を調節するために使用される。
【0012】
1つの利点は、製造後のインターベンショナル装置に対する調節を可能にすることである。
【0013】
もう1つの利点は、その設計が、インターベンショナル装置の中に一体化される複数の並列線を可能にすることである。
【0014】
さらなる利点は、改善したイメージング、可視化及び局所化にある。
【0015】
本発明のさらなる利点は、当業者が以下の詳細な記載を読み、理解した上で明らかになるはずである。
【0016】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置の形及び様々なステップ及びステップの配置の形を取ってよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】連続的に同調可能なトランスフォーマー・ラインを持つインターベンショナル器具と共にMR装置の部分的な区分の側面を示す概略図である。
図2図2A及び2Bは、連続的に同調可能なトランスフォーマー・ラインの周波数応答の実施を示す図である。
図3】カテーテル又はガイドワイヤなどのインターベンショナル器具の内部に変形可能なまきを持つトランスフォーマー・ラインの概略図である。
図4図4A及び4Bは、トランスフォーマー巻線の形状を調節するために、一体化された同調拡張器を持つトランスフォーマー・ラインの概略図である。
図5】同調ツールと共に使用するためのアクセス・ポートを通して操作される一体化された同調拡張器を持つトランスフォーマー・ラインの概略図である。
図6】トランスフォーマー巻線を押す及び/又は引くためにアクセス・ポートを通して操作される一体化された制御ワイヤを持つトランスフォーマー・ラインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0018】
図1を参照すると、磁気共鳴画像システム10は、検査領域14を通して一時的に均一なB0磁場を生成する主要磁石を含む。その主な磁石は、環状又はボア・タイプ磁石、Cの形状のオープン磁石、他の設計のオープン磁石又はそのようなものであってよい。主要磁石の隣に配置された傾斜磁場コイル16は、B0磁場に関して選択された軸に沿って磁場傾斜を生成する役割を果たす。全身ラジオ周波数コイル18などのラジオ周波数コイルは、検査領域の隣に配置されている。任意に、局所又は表面RFコイル18’が、その全身RFコイル18に加えて又はその代わりに供給される。
【0019】
走査コントローラ20は、選択された磁気共鳴画像法又は分光シーケンスに適切であるように、傾斜磁場コイルがイメージング領域にわたって選択された傾斜磁場パルスを印加するようにする傾斜コントローラ22を制御する。その走査コントローラ20は、また、全身又は局所的RFコイルが、磁気共鳴励起及び走査B1パルスを生成するようにするRF伝送器24も制御する。走査コントローラは、また、全身又は局所的RFコイルに接続され、磁気共鳴信号をそこから受け取るRF受信器26も制御する。
【0020】
カテーテル30などのインターベンショナル器具は、外科医又は臨床医によって持たれる。様々な他の種類のインターベンショナル器具及びカテーテルが検討される。例えば、カテーテルは、ガイドワイヤ、ステント、注射器、造影剤又は他の流体を導入するための経路などを含んでもよい。示される実施形態におけるカテーテル又は他のインターベンショナル器具は、それの先端に配置されたコイル32を有する。任意に、追加のコイルが、そのカテーテルの長さに沿って配置されてもよい。任意に、増幅器、マッチング及び同調回路など他の電気機器が、コイル32の隣のカテーテルの先端に配置されてもよい。カテーテル、特にその中の導電体は、組み立てられたカテーテル又は他のインターベンショナル器具を同調させるために、一体化された変形可能なトランスフォーマー28を持つセーフ・トランスフォーマー・ラインを通してRF受信器26及び/又はRF伝送器24’に誘導的に結合されている。RF伝送器24’は、RF伝送器24と同じであり得る。その代わりに、図1に示されるように、RF伝送器24、24’は、かなり異なる送信パワーレベルを促進するために異なる伝送器であってよい。
【0021】
インターベンショナル器具コイル32は、様々な方法で使用することができる。1つの実施形態において、RF局所化信号は、RF伝送器24’及びコイル32によって適用される。その局所化信号は、周波数が位置を示すように、傾斜と同時に適用される。コイル32が、患者の外部における全身RFコイル18又は局所RFコイル18’によって隣の組織に誘導される共鳴信号を受信し、受信された共鳴信号は、RF受信器26に送信され、それは、受信される他の磁気共鳴信号に似たように処理されるように、デジタルであるのが望ましい。様々な他の局所化技術が知られている。いくつかの局所化技術において、コイル32は、共鳴と非共鳴配置との間で切り替えをするようにされる。傾斜磁場16は、探知器RF信号を別の局所化プロセスにおいて空間的に局所化するために印加され、又はコイルの局所化は、磁気共鳴信号の処理と同時に処理される。様々な他の電気機能も、インターベンショナル器具において実施することもできる。STLは、また、関連の機能に対して必要である如何なる種類の信号も伝送することができ、その器具のアクティブ部分にパワーを運ぶために使用することもできる。この目的で、その関連する信号は、受信器において、又は、例えばその装置における先端又は他の箇所にあるアクティブ素子で伝送前に周波数変調され、その後に復調されてもよい。これは、通常、低周波数信号でなされ、その他の場合は、誘導的結合に基づくSTLによって効率的に伝送されない。
【0022】
受信器26から受信されたデータは、データ・バッファ36において一時的に保存され、磁気共鳴データプロセッサ38によって処理される。その磁気共鳴データプロセッサは、従来技術で知られているように、様々な機能を実施することが出来、それは、画像再構築、磁気共鳴分光法、カテーテル又はインターベンショナル器具局所化及び類似のものを含む。再構築された磁気共鳴画像、分光読み出し、インターベンショナル器具位置情報、及び他のプロセスされたMRデータは、グラフィック・ユーザー・インターフェーズ40において表示される。そのグラフィック・ユーザー・インターフェース40も、臨床医が、シーケンス及びプロトコル及びその他の走査を選択するために走査コントローラ20を制御するために使用することができるユーザー入力装置も含む。
【0023】
図2A及び2Bを参照すると、トランスフォーマー・ライン46は、変形可能なトランスフォーマー28によってお互いに誘導的に結合された伝送回線48の区分を含む。それらのトランスフォーマーは、直流電流、オフ共鳴(off-resonance)周波数の電流、及び共通モード共鳴の移送を妨害するために、4分の1の波長(共鳴周波数で)の間隔を超えない間隔で離されている。さらに具体的には、トランスフォーマー28が1つの変形状態(又は、非変形状態)にあるとき、信号は、64MHzのすぐ上で最小限に弱められるが、この周波数よりも下の周波数で弱められる。図2Bに概略的に示されるように変形を変えることによって、その作動周波数は、64MHzのすぐ下にシフトされる。この方法において、そのトランスフォーマー変形は、作動周波数が選択された周波数に動かされるまで調節可能なように実施することができる。
【0024】
図3を参照すると、伝送回線区分48を接続しているトランスフォーマー・コイルの対28は、如何なる複数の方向においても変形できるように構成されている。例えば、それらのコイルは、お互いに近くに動かされるか、又はさらにされる。もう1つの例として、コイルのうち1つは、他方に関して引き伸ばされてもよい。もう1つの例として、コイルは、横に変形することができる。そのトランスフォーマーの最小インピーダンス周波数を修正する様々な他の機械的変形が検討される。
【0025】
図4A及び図4Bの実施形態において、トランスフォーマー・ライン46は、カテーテル又は、トランスフォーマーの近辺における他のアクティブ要素又は材料によって伝送回線の周波数通過/減衰特性を変える他のインターベンショナル装置30において埋め込まれている。隣り合う各トランスフォーマー、回転可能な偏心カム50が、そのトランスフォーマーの隣のカテーテル30において埋め込まれている。そのカムは、この実施形態において、シャフト52に接続されており、それらのシャフトは、その代わりに、カム50を回転させるためのツールを受け取るための素子54に接続されている。カム50は、トランスフォーマー28に関して、例えば、図4Bに示されるようにカム50の回転が、トランスフォーマー28の形状及び/又は物理的特性、従って、コイルが通過できる周波数及びそれらが減衰する周波数を変えるように、そのトランスフォーマー28の巻線と同心に位置する。この方法において、カムの各々は、それぞれのコイルが選択された作動周波数に同調されるまで個別に同調される。通常、それらのトランスフォーマーは、遠位端に最も近いトランスフォーマーから始まって同調され、臨床医によって操作される端部に向かって逆方向に進み、周辺の電子機器に接続される。
【0026】
図5を参照すると、トランスフォーマー28の他の物理的特性を変えるための他の機械的機構もまた検討される。例えば、カテーテル又は他のインターベンショナル装置は、スクリュードライバーなどの回転ツール62が、トランスフォーマー28のうち1つに隣り合って位置する偏心カム64をかみ合わせるように伸びることが出来る開口部60を有することが出来る。その偏心カムは、機械的構造を含み、スクリュードライバーの場合は、スロットを、回転ツール62をかみ合わせるために含む。任意に、一度それらのカムが回転させられ、トランスフォーマーが適切に同調されると、穴が、カムを適所に固定し、さらなるアクセスを防止するシーリング剤で充填又は密封される。そのシーリング剤は、望ましくは、生体適合性を持ち、滅菌剤に耐性を持ち、流体密封を形成するのが望ましい。
【0027】
図6を参照すると、トランスフォーマー形状は、例えば、凸型形状を最初に有してよい各トランスフォーマーの遠位及び/又は近辺部分に付着した制御ワイヤ又はロッド68によって調節することができる。そうすることによって、一方の端部を他方の端部に関して押す又は引くことが、制御可能な変形(伸縮又はゆがみ)をもたらし、従ってそのトランスフォーマーの同調をもたらす。
【0028】
トランスフォーマーのインダクタンス及び周波数特性を変えるための他の機構もまた検討される。例えば、偏心カム64よりもむしろ、ポート60が、コイル巻線を拡張させる圧力下のシーリング剤で充填された空洞に接続することができる。一度、その望ましい周波数が得られると、そのシーリング剤は、トランスフォーマーが選択された変形度に保持されるように硬化される。
【0029】
もう1つの選択的な実施形態において、トランスフォーマー巻線を内方向にバイアスを掛けるバイアスが供給される。この方法では、カムを反対方向に回転させることによって、又は変形しているポリマーの圧力を低減することによって、トランスフォーマーは、反対に同調することができる。
【0030】
もう1つの実施形態において、トランスフォーマーの中空コアが、鉄又はニッケルナノ粒子などの材料で充填され、トランスフォーマーのインダクタンスを変化させる。
【0031】
本発明は、望ましい実施形態を参照して記載されている。改良形及び代替形は、前述の詳細な記載を読み、理解した上で思い浮かぶであろう。本発明は、添付の請求項の範囲又はそれらの均等物の範囲内にある限り、そのような改良形及び代替形を全て含むことを目的としている。
図1
図2A
図2B
図3
図4A-4B】
図5
図6