(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
キャリアテープから引き剥がされたカバーテープを収容し、収容したカバーテープを排出するための排出口が形成されたカバーテープ収容部と、前記排出口を開閉する排出口カバーと、を備えるテープフィーダから供給される部品を基板上の所定位置に装着する部品実装装置であって、
前記カバーテープ収容部内に充填されたカバーテープの弾発力により前記排出口カバーが閉状態から開く方向に押されたとき、その弾発力に抗して前記排出口カバーを閉じる方向に付勢し、前記排出口カバーを非全開となる開状態に止める付勢手段と、
前記排出口カバーが非全開となる開状態であることを、センサを用いて検出する開状態検出手段と、
前記開状態検出手段で前記排出口カバーが非全開となる開状態であることを検出したとき、作業者にこれを報知する報知手段と、を備えることを特徴とする部品実装装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、カバーテープは製造メーカによって材質や厚みが異なるため、カバーテープによってカバーテープ収容部内に収納可能な量が変わってしまう。上記特許文献2に記載の技術にあっては、カバーテープの材質や厚みにかかわらず、同じ計算で容量を算出しているため、算出結果が実際に収納されているカバーテープの容量と大きく異なってしまう場合がある。
【0007】
すると、満杯に近づいたことを検出できず、カバーテープが周辺に散乱してしまったり、まだ収納容量に余裕があるにもかかわらず満杯に近づいたと誤判断して、オペレータのカバーテープ回収作業を促してしまったりするといった問題が生じる。
そこで、本発明は、カバーテープの収納容量がカバーテープ収容部の収納可能容量に到達し、廃棄時期が訪れたことを正しく検出することができる部品実装装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る部品実装装置は、キャリアテープから引き剥がされたカバーテープを収容し、収容したカバーテープを排出するための排出口が形成されたカバーテープ収容部と、前記排出口を開閉する排出口カバーと、を備えるテープフィーダから供給される部品を基板上の所定位置に装着する部品実装装置であって、前記カバーテープ収容部内に充填されたカバーテープの弾発力により前記排出口カバーが閉状態から開く方向に押されたとき、その弾発力に抗して前記排出口カバーを閉じる方向に付勢し、前記排出口カバーを非全開となる開状態に止める付勢手段と、前記排出口カバーが非全開となる開状態であることを、センサを用いて検出する開状態検出手段と、前記開状態検出手段で前記排出口カバーが非全開となる開状態であることを検出したとき、作業者にこれを報知する報知手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
このように、カバーテープの収容容量過多となって排出口カバーが開いたときに、排出口カバーが全開となる位置まで開ききるのを防止することができる。そのため、カバーテープが排出口からこぼれ落ちるのを抑制することができる。また、カバーテープの収容容量過多となって排出口カバーが開いたとき、これをセンサで検出するので、カバーテープの材質や厚みの違いによらず適切にカバーテープの廃棄時期を検出し、オペレータに正しく警告することができる。
【0010】
さらに、上記において、前記開状態検出手段は、前記センサとして投光手段と受光手段とを備える光センサを用いるものであって、前記排出口カバーが閉状態であるときには、前記光センサの光軸上に前記排出口カバーが配置されず、前記排出口カバーが非全開となる開状態であるときに、前記光センサの光軸上に前記排出口カバーが配置されるように構成することを特徴としている。
【0011】
これにより、排出口カバーが閉状態であるときと開状態であるときとで、投光手段から光を受光する受光手段の出力を変化させることができる。そのため、受光手段の出力を監視することで、容易且つ適切に排出口カバーが開状態であることを検出することができる。さらに、センサ光軸の設置位置を調整することで、排出口カバーが開状態であると判断するタイミングを調整することができる。
【0012】
さらに、上記において、前記光センサは、前記投光手段と前記受光手段とを、前記排出口カバーを挟んで対向配置した透過型光センサであり、前記開状態検出手段は、前記投光手段から投射した光を前記受光手段で受光不可となる時間が所定時間継続したとき、前記排出口カバーが非全開となる開状態であると判断することを特徴としている。
このように、透過型光センサを用いるので、複雑な制御や検出手段を設けることなく比較的簡易に排出口カバーの開状態を検出することができる。また、投光手段から投射した光を受光手段で受光できない状態が所定時間継続したときに、排出口カバーが開状態であると判断するので、オペレータが誤ってセンサ光軸を遮ってしまったときに排出口カバーが開いていると誤判断してしまうのを防止することができる。
【0013】
さらにまた、上記において、前記光センサは、前記投光手段と前記受光手段とを、前記排出口カバーに対して同一側に配置した反射型光センサであり、前記排出口カバーの前記投光手段及び前記受光手段に対向する面に反射板を設け、前記開状態検出手段は、前記投光手段から投射した光の反射光を前記受光手段で受光している時間が所定時間継続したとき、前記排出口カバーが非全開となる開状態であると判断することを特徴としている。
【0014】
このように、反射型光センサを用いるので、複雑な制御や検出手段を設けることなく比較的簡易に排出口カバーの開状態を検出することができる。また、投光手段から投射した光の反射光を受光手段で受光している状態が所定時間継続したときに、排出口カバーが開状態であると判断するので、誤って何らかの反射物をセンサ光軸に入れてしまったときに排出口カバーが開いていると誤判断してしまうのを防止することができる。
【0015】
さらに、投光手段から光を投射してから受光手段でその反射光を受光するまでの時間に基づいて、投光手段から反射物までの距離を求めることができるので、投光手段の光を反射させたテープフィーダ(排出口カバーが開いているテープフィーダ)を特定することができる。そのため、オペレータが目視により排出口カバーが開いているテープフィーダを特定する場合と比較して、作業効率を向上させることができる。
【0016】
また、上記において、前記テープフィーダは、幅方向に複数並列配置されており、前記開状態検出手段は、前記光センサの光軸が前記テープフィーダの幅方向に一致するように、前記投光手段と前記受光手段と配置していることを特徴としている。
これにより、光センサが透過型光センサの場合には、投光手段と受光手段とを複数のテープフィーダを挟んで対向配置することで、1つの光センサで複数のテープフィーダの排出口カバーを監視することができる。また、光センサが反射型光センサの場合にも、投光手段と受光手段とをテープフィーダの幅方向における一方の側に配置することで、1つの光センサで複数のテープフィーダの排出口カバーを監視することができる。
したがって、複数のテープフィーダの各々にセンサを設ける必要がなく、装置全体としてコストを削減することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カバーテープの収容容量過多により排出口カバーが開き始めたことを、センサを用いて検出し、これをオペレータに報知するので、カバーテープの材質や厚みの違いによらず適切な廃棄時期を警告することができる。そのため、排出口カバーが予期せず全開となってカバーテープが隣接した他の装置に絡まったり、飛び出したカバーテープが床に散乱して作業の邪魔となったりすることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明に係る部品実装装置を示す正面図である。
図中、符号1は部品実装装置である。この部品実装装置1は本体部2を備え、本体部2のセット位置Sに電子部品を供給するための部品供給装置が分離・連結可能に構成されている。部品供給装置は、一括交換台車を用いて、部品実装装置1の本体部2に後述する複数のテープフィーダ3を装着するものである。
【0020】
本体部2には、外側を覆うケースCの内部に、部品供給装置から供給される電子部品を保持し基板上の所定の搭載位置で解放する搭載ヘッドや、この搭載ヘッドをX−Y方向に移送する移送装置、並びに基板を実装位置まで搬送し実装終了後に搬出する基板搬送装置などが設けられている。これらの概略構成は、
図2に示すようになっている。
すなわち、部品実装装置1は、基台20の上面にX方向に延在する一対の搬送レール21を備える。この搬送レール21は、回路基板25の両側辺部を支持し、搬送用モータ(図示せず)により駆動されることで回路基板25をX方向に搬送する。
【0021】
また、部品実装装置1は搭載ヘッド22を備える。この搭載ヘッド22は、下部に電子部品を吸着する複数の吸着ノズルを備え、X軸ガントリ23及びY軸ガントリ24により、基台20上をXY方向に水平移動可能に構成されている。
この部品実装装置1には、搬送レール21のY方向両側に、テープフィーダ3により電子部品を供給する部品供給装置が装着される。そして、テープフィーダ3から供給された電子部品は、搭載ヘッド22の吸着ノズルによって真空吸着され、回路基板25上に実装搭載される。
さらに、部品実装装置1には、吸着する部品のサイズや形状に応じて、吸着ノズルを交換するためのノズル交換機26が設けられている。このノズル交換機26内には複数種のノズルが保管、管理されている。
【0022】
また、部品供給装置(テープフィーダ3)と回路基板25との間には、CCDカメラからなる認識カメラ27を配置する。この認識カメラ27は、電子部品の吸着位置ずれ(吸着ノズルの中心位置と吸着した部品の中心位置とのずれ)や、吸着角度ずれ(傾き)を検出するために、吸着ノズルで吸着した電子部品を撮像するものである。
さらに、搭載ヘッド22には、距離センサ28が取り付けられている。この距離センサ28は、センサ光により吸着ノズルと回路基板25とのZ方向の距離(高さ)を測定する。
【0023】
また、部品実装装置1の本体部2には、
図1に示すように、投光器(投光手段)41と、受光器(受光手段)42とが設置されている。投光器41と受光器42とは、透過型センサを構成するものであり、本体部2のセット位置SにおいてX方向に対向配置されている。すなわち、透過型センサの光軸は、テープフィーダ3の幅方向に一致している。
図3は、テープフィーダ3と透過型センサの光軸との位置関係を示す図である。この
図3は、テープフィーダ3を部品実装装置1の本体部2に連結固定した状態を示している。
【0024】
受光器42は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等の光電変換素子を含んで構成されており、投光器41からの光を受光し、その受光量に応じた検出電流を出力する。受光器42の出力信号は演算部43に入力される。演算部43は、受光器42の出力の変化を監視し、投光器41と受光器42との間の光軸(以下、センサ光軸という)を物体が遮ったことを検出する。この演算部43で実行する監視処理については、後で詳述する。
【0025】
この
図3に示すように、透過型センサの光軸は、通常はテープフィーダ3の後方(Y方向における部品取出し位置Pとは反対側)で、テープフィーダ3と干渉しない位置に設けられている。すなわち、通常は、受光器42は、投光器41からの光を受光可能な状態となっている。
なお、ここではテープフィーダ3を1つしか図示していないが、透過型センサは、並列配置された複数のテープフィーダ3に対して1セット設けるものとする。
【0026】
テープフィーダ3は、
図4に示すテープリール30を用いて電子部品の供給を行うものである。このテープリール30は、ベーステープ31aとカバーテープ31bとからなって一定間隔おきに多数の電子部品を収容したキャリアテープ31を、筒状の巻芯に巻回した状態で保持する。
キャリアテープ31がテープリール30から導出されてテープフィーダ3前方の部品取出し位置Pに導かれると、部品取出し位置Pにおいて、カバーテープ31bがベーステープ31aから剥がされて電子部品の取り出し(吸着ノズルによる部品の吸着)が可能な状態となる。
【0027】
部品が吸着された後は、所定の繰り出し機構により、キャリアテープ31が一定量ずつ繰り出される。ここでは、特に図示しないが、繰り出し機構としてスプロケット等の回転体を用いる。具体的には、テープフィーダ3における部品取出し位置Pの下方に、テープに係合するスプロケットを配置し、電動モータによりスプロケットを回転させて、キャリアテープ31を一定量ずつ繰り出す。
【0028】
また、ベーステープ31aから引き剥がされたカバーテープ31bは、
図5に示すように、対向する一対の回収ローラ32によって部品の搬送方向Hとは逆方向の回収方向Kに牽引され、導入口33aからカバーテープ収容部33内に収容される。回収ローラ32は、プルモータ34を動力源として回転する。
カバーテープ収容部33には、導入口33aとは反対側の端面に排出口33bが形成されている。そして、この排出口33bには、排出口カバー35が付設される。
【0029】
排出口カバー35は、その下端部に設けられた支点軸36を中心に回転開閉可能となっている。すなわち、排出口カバー35の下端部にはカム形状とした支点部37が形成されており、この支点部37が支点軸36に回転可能に支持されることで、排出口カバー35が支点軸36を中心に回転可能となっている。
支点部37はカム形状をしており、この支点部37は、板ばね38によって押さえられている。このように、排出口カバー35は、板ばね38によって閉じる方向に付勢されている。ここで、支点部37のカム形状及び板ばね38の付勢力は、カバーテープ31bがカバーテープ収容部33の収容可能な容量以上に収容されたときに、カバーテープ31bの弾発力で排出口カバー35が開く程度に設定する。
【0030】
すなわち、カバーテープ31bがカバーテープ収容部33の収容可能な容量以上に収容された場合には、排出口カバー35は、カバーテープ31bの弾発力によって板ばね38の付勢力に抗して回転し、開状態となる。このとき、カム形状の支点部37とそれを押さえる板ばね38とによって、排出口カバー35が全開状態となるのが防止される。さらにカバーテープ収容部33内のカバーテープ31bの容量が増加すると、当該容量の増加に伴って、排出口カバー35は開状態から全開状態へ徐々に移行する。
【0031】
また、排出口カバー35には、テープフィーダ3後方に突出する把持部35aが形成されており、オペレータは、この把持部35aを手で持って排出口カバー35を開閉することが可能となっている。
そして、透過型センサの光軸は、排出口カバー35が閉状態にあるとき、
図5の符号Lで示すように、排出口カバー35の把持部35aよりもテープフィーダ3前方側で、且つ排出口カバー35とは干渉しない位置に設けられている。また、この透過型センサの光軸Lは、
図6に示すように、排出口カバー35が非全開となる開状態となったとき、排出口カバー35と干渉する位置に設けられている。
【0032】
このような構成により、排出口カバー35が閉状態から開状態となると、受光器42で投光器41からの光を受光できている状態から、投光器41からの光が遮光されて受光器42で投光器41からの光を受光できない状態となり、受光器42の出力が変化する。演算部43は、受光器42の出力変化に基づいて、テープフィーダ3の排出口カバー35が開状態となったことを検出し、これをオペレータに報知する監視処理を行う。
【0033】
図7は、演算部43で実行する監視処理手順を示すフローチャートである。この監視処理は、部品実装装置1が部品搭載動作を開始したときに実行開始し、先ずステップS1で、演算部43は検出待ち時間Tを設定する。検出待ち時間Tは、センサ光軸Lが何らかの物体によって遮られたとき、それが排出口カバー35による光軸遮断であると判断するための判断時間であり、オペレータが任意に設定可能である。ここでは、検出待ち時間Tを、排出口カバー35が
図5に示す閉状態を維持している時間よりも短い時間とし、例えば5[sec]〜30[sec]の範囲内で設定する。
【0034】
次にステップS2で、演算部43はセンサ受光動作を行う。ここでは、受光器42の検出電流を取得し、受光器42の検出電流が予め設定した判定閾値以下であるか否かを判断する。そして、当該検出電流が判定閾値以下であることをもって、センサ光軸が何らかの物体により遮られたと判断する。
次にステップS3で、演算部43は、センサ光軸が、前記ステップS1で設定した検出待ち時間Tの間、継続して物体により遮られているか否かを判定する。そして、センサ光軸が遮られていないか、センサ光軸が遮られている場合であっても、その継続時間が検出待ち時間Tに達していない場合にはステップS4に移行する。
ステップS4では、演算部43は、部品実装装置1による部品搭載動作が終了したか否かを判定し、部品搭載動作が終了していない場合には前記ステップS2に移行し、部品搭載動作が終了している場合にはそのまま監視処理も終了する。
【0035】
また、前記ステップS3で、センサ光軸が遮られている時間が検出待ち時間Tに達していると判断した場合には、センサ光軸を遮っている物体がテープフィーダ3の排出口カバー35であると判断してステップS5に移行する。
ステップS5では、演算部43は、部品実装装置1の本体部2に設置されたモニタMに、カバーテープ収容部33内に充填されたカバーテープ31bの収容量がカバーテープ収容部33の収容限界に達しており、所定時間後に排出口カバー35が全開状態となってカバーテープ31bが排出口33bからこぼれ落ちるおそれがあることを予告する画面を表示する。
【0036】
次にステップS6では、演算部43は、オペレータが予告表示をリセットするための操作を行ったか否かを判定する。ここで、リセット操作とは、例えばモニタMをタッチパネルとし、オペレータが予告表示を確認したときにタッチパネル上のOKボタンをタッチする操作や、部品実装装置1の本体部2にリセットボタンを設置し、オペレータが予告表示を確認したときに当該リセットボタンを押下する操作である。
【0037】
このステップS6で、オペレータがリセット操作を行ったと判断した場合にはステップS7に移行し、モニタMの予告表示を消してから前記ステップS2に移行する。一方、ステップS6でオペレータがリセット操作を行っていないと判断した場合には、ステップS8に移行して、モニタMに予告表示を行ってから予め設定した所定時間が経過しているか否かを判定する。
ここで、上記所定時間は、排出口カバー35が
図6に示す開状態から全開状態となるまでの時間よりも短い時間に設定する。その際、カバーテープ31bの材質や厚み、1回のキャリアテープ31の送り量等の違いを考慮して余裕を持って設定することが望ましい。
【0038】
そして、所定時間が経過していない場合には前記ステップS6に移行し、所定時間が経過している場合には、排出口カバー35の全開状態間近であると判断してステップS9に移行する。
ステップS9では、演算部43は、全開状態間近であることをオペレータに報知するために、モニタMに警告を表示し、ステップS10に移行する。なお、当該警告は、画面表示に限定されるものではなく、例えば音や光を用いることもできる。
ステップS10では、演算部43は、オペレータが警告表示をリセットするための操作を行ったか否かを判定する。警告表示をリセットするための操作としては、上述した予告表示のリセット操作と同様に、モニタMをタッチする操作やリセットボタンを押下する操作がある。
【0039】
そして、このステップS10で、オペレータがリセット操作を行っていないと判断した場合は、そのままリセット操作が行われるまで待機し、オペレータがリセット操作を行ったと判断するとステップS11に移行する。
ステップS11では、演算部43は、モニタMの警告表示を消してから前記ステップS2に移行する。
なお、投光器41が投光手段に対応し、受光器42が受光手段に対応し、支点部37及び板ばね38が付勢手段に対応している。また、
図7のステップS3が開状態検出手段に対応し、ステップS5及びモニタMが報知手段に対応している。
【0040】
(動作)
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
部品実装装置1において、電子部品の搭載動作が作動すると、テープフィーダ3はキャリアテープ31を搬送方向Hに送り出し、部品吸着位置Pの手前でベーステープ31aからカバーテープ31bを引き剥がす。ベーステープ31aはそのまま搬送方向Hに送られ、部品吸着位置Pで搭載ヘッド22の吸着ノズルによって電子部品が吸着される。吸着された電子部品は、部品実装装置1に固定された回路基板25上の所定位置に装着される。
【0041】
一方、引き剥がされたカバーテープ31bは、回収ローラ32によって回収方向Kに牽引され、導入口33aからカバーテープ収容部33内に収容される。このとき、排出口カバー35は、支点部37が板ばね38によって押さえられることで、
図5に示すように閉じた状態が保持されている。
そのため、この時点では、排出口カバー35が投光器41と受光器42との間のセンサ光軸Lを遮ることはない。また、センサ光軸Lが把持部35aの内側に位置するように設定することで、オペレータが誤ってセンサ光軸Lを遮ってしまうのを抑制している。したがって、このとき演算部43は、受光器42の出力から受光器42が投光器41の光を受光できていること、即ちセンサ光軸Lが遮られていないことを確認し(
図7のステップS3でNo)、そのまま部品搭載動作を継続する(ステップS4でNo)。
【0042】
その後、カバーテープ収容部33内に送り込まれたカバーテープ31bは、カバーテープ収容部33の内面との接触やテープ相互の絡み合いなどにより腰折れを生じて撓み、やがて多量のカバーテープ31bが密集した塊状態となる。この塊は、カバーテープ31bを送る力によってカバーテープ収容33内を排出口33bの方向に移動し、排出口カバー35に達すると排出口カバー35の内面に対して弾発力を及ぼす。
その後もカバーテープ31bの送り込みを継続すると、カバーテープ収容部33内でカバーテープ31bの密集度が増大し、排出口カバー35に対して及ぼす弾発力も増大する。そして、この弾発力が、板ばね38が排出口カバー35を閉じる力に打ち勝つと、排出口カバー35は支点軸36を中心に回転し、
図6に示すように開いた状態となる。
【0043】
ただし、この時点では、カム形状の支点部37とそれを押さえる板ばね38とによって、排出口カバー35は全開状態となる位置まで開ききることが防止される。すなわち、排出口カバー35は、僅かに開いた状態で停止する。
このとき、カバーテープ31bは、排出口33bからこぼれ落ちることなく、カバーテープ収容部33と排出口カバー35との間に保持される。このように、カバーテープ31bが排出口33bから飛び出すのを防止することができ、飛び出したカバーテープ31bが隣接した他の装置やオペレータに絡まるなどの二次災害の発生を防止することができる。
【0044】
このように、排出口カバー35が僅かに開いた状態では、
図6に示すように排出口カバー35がセンサ光軸Lを遮る。そのため、演算部43は、受光器42の出力から受光器42が投光器41の光を受光できていないこと、即ちセンサ光軸Lが遮られていることを確認する。そして、センサ光軸Lが遮られている時間が、オペレータが事前に設定した検出待ち時間Tに達すると(
図7のステップS3でYes)、演算部43はモニタMに排出口カバー35の収容限界に達したことを通知する予告画面を表示する(ステップS5)。
【0045】
本実施形態では、カバーテープ収容部33が収容限界に達して排出口カバー35が開状態となってから全開状態となるまでには時間的に余裕がある構成であるため、モニタMに予告表示をした後も、排出口カバー35が全開状態となるまでの期間は部品搭載動作を継続する。
この予告表示により、オペレータは、カバーテープ31bの回収が必要なテープフィーダ3が存在することを容易且つ適切に認識することができる。また、カバーテープ収容部33内に充填されたカバーテープ31bの収容量が限界に達したタイミングで排出口カバー35が開く構成であるため、オペレータは複数のテープフィーダ3のうち、どのテープフィーダ3のカバーテープ収容部33が収容限界に達しているのかを目視により認識することができる。
【0046】
さらに、センサ光軸Lが遮られている時間が事前に設定した検出待ち時間Tに達したタイミングで排出口カバー35が開いていると判断するものとし、瞬間的にセンサ光軸Lが遮られた場合には排出口カバー35が開いているとは判断しない。したがって、オペレータなどが誤ってセンサ光軸Lを遮ってしまった場合に、排出口カバー35が開いていると誤判断してしまうのを防止することができる。また、検出待ち時間Tをオペレータが任意に設定可能とするので、オペレータの使い勝手の違いに対応することができる。
そして、オペレータが収容限界に達しているテープフィーダ3からカバーテープ31bを回収し、予告表示のリセット操作を行うと(ステップS6でYes)、演算部43はモニタMの予告表示を消す(ステップS7)。
【0047】
一方、モニタMに予告表示がなされているにもかかわらず、オペレータが所定時間リセット操作を行わない場合には(ステップS8でYes)、演算部43はモニタMに警告を表示する(ステップS9)。これにより、オペレータのカバーテープ回収作業を促すことができる。したがって、オペレータによるカバーテープ31bの回収が行われないことに起因して、排出口カバー35が全開状態となるのを抑制することができる。
【0048】
(効果)
このように、第1の実施形態では、カバーテープ収容部内に充填されたカバーテープの弾発力により排出口カバーが閉状態から開状態となったとき、これを検出しオペレータに報知するので、カバーテープ収容部内に充填されたカバーテープの収容量が限界に達したことをオペレータに容易に認識させることができる。
【0049】
また、排出口カバー下端部に設けられたカム形状の支点部とそれを押さえる板ばねとによって、カバーテープ収容部内に充填されたカバーテープの弾発力により排出口カバーが閉状態から開く方向に押されたとき、その弾発力に抗して排出口カバーを閉じる方向に付勢する。したがって、排出口カバーが完全に閉まっている状態からカバーテープの収容容量過多により排出口カバーが開いたときに、排出口カバーが全開状態となるのを防止することができる。これにより、排出口カバーが開いたときにカバーテープが排出口から飛び出すのを防止することができる。その結果、カバーテープが隣接した他の装置に絡まったり、飛び出したカバーテープが床に散乱することによって作業の邪魔となったりすることを抑制することができる。
【0050】
さらに、排出口カバーを挟んで対向配置した投光器と受光器とを備える透過型光センサを用いることで、排出口カバーが開状態となったことを比較的簡易な構成で検出することができる。このとき、受光器が投光器からの光を受光不可となってから所定の検出待ち時間が経過したときに、排出口カバーが開状態であると判断する。そのため、オペレータが誤ってセンサ光軸を遮ってしまった場合など、一時的に受光器が投光器からの光を受光不可となった場合には排出口カバーの開状態であると判断しないようにすることができる。したがって、誤検出による予告表示とそのリセット操作の煩わしさとを抑制することができる。
また、光センサの光軸をテープフィーダの幅方向に一致させ、複数のテープフィーダを挟んで投光器と受光器とを対向配置するので、1つの光センサで複数のテープフィーダの排出口カバーを監視することができる。したがって、複数のテープフィーダの各々にセンサを設ける必要がなく、装置全体としてコストを削減することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態において、投光器41と受光器42とで透過型センサを構成しているのに対し、投光器41と受光器42とで反射型光センサを構成するようにしたものである。
【0052】
(構成)
図8は、第2の実施形態におけるテープフィーダ3と反射型センサの光軸との位置関係を示す図である。この
図8は、テープフィーダ3を部品実装装置1の本体部2に連結固定した状態を示している。
この
図8に示すように、投光器41と受光器42とを、テープフィーダ3に対して同一側で近接配置し、投光器41から投射された光の反射光を受光器42で受光する構成とする。すなわち、この反射型センサの光軸は、
図5及び
図6の符号Lで示すように、排出口カバー35が全閉状態であるときには排出口カバー35と干渉せず、排出口カバー35が非全開となる開状態であるときには排出口カバー35と干渉する位置に設置されている。
【0053】
また、排出口カバー35の投光器41及び受光器42に対向する面には、
図9に示すように、反射板35bを配設する。
このような構成により、受光器42は、排出口カバー35が開状態であるときにのみ投光器41の反射光を受光することになる。したがって、演算部43は、受光器42の出力変化に基づいて、テープフィーダ3の排出口カバー35が開状態となったことを検出することができる。
【0054】
さらに、演算部43は、投光器41から光を投射してから、受光器42でその反射光を受光するまでの時間に基づいて、投光器41の設置位置から反射光を返した反射板35bまでの距離を演算する。そして、その演算した距離から、並列配置された複数のテープフィーダ3のうち、上記反射光を返した反射板35bが配設されたテープフィーダ3を特定する。
そして、演算部43は、上述した第1の実施形態と同様に
図7に示す監視処理を実行し、ステップS5でモニタMに予告表示を行う際に、特定したテープフィーダ3の情報(例えば配列番号等)を表示する。
【0055】
(動作)
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
排出口カバー35が
図5に示すように閉じた状態で保持されている場合、排出口カバー35が反射型センサの光軸Lを遮ることはない。そのため、投光器41からの光は、排出口カバー35に設けられた反射板35bによって反射されることはなく、受光器42は投光器41の反射光を受光しない。したがって、演算部43は、受光器42の出力から受光器42が投光器41の反射光を受光していないこと、即ちセンサ光軸Lが遮られていないことを確認し(
図7のステップS3でNo)、そのまま部品搭載動作を継続する(ステップS4でNo)。
【0056】
その後、部品実装装置1による部品搭載動作によって、カバーテープ31bが継続的にカバーテープ収容部33に送り込まれ、カバーテープ収容部33の収容限界に達すると、排出口カバー35は支点軸36を中心に回転し、
図6に示すように開いた状態となる。
このとき、
図6に示すように排出口カバー35がセンサ光軸Lを遮るため、投光器41からの光は、排出口カバー35に設けられた反射板35bによって反射され受光器42に入射される。このように、受光器42は投光器41の反射光を受光する。
【0057】
そのため、演算部43は、受光器42の出力から受光器42が投光器41の反射光を受光していること、即ちセンサ光軸Lが遮られていることを確認する。また、演算部43は、投光器41から投射した光が反射板35bで反射し、受光器42に戻ってくるまでの時間に基づいて、反射光を返した反射板35bが配設されたテープフィーダ3(排出口カバー35が開いているテープフィーダ3)を特定する。
そして、センサ光軸Lが遮られている時間が事前に設定した検出待ち時間Tに達すると(ステップS3でYes)、演算部43はモニタMに排出口カバー35の収容限界に達したことを通知する予告画面を表示する(ステップS5)。このとき、排出口カバー35が開いているテープフフィーダ3の情報も併せて表示する。
【0058】
(効果)
このように、第2の実施形態では、排出口カバーに対して同一側に配置した投光器と受光器とを備える反射型光センサを用いることで、排出口カバーが開状態となったことを比較的簡易な構成で検出することができる。このとき、受光器が投光器からの光を受光してから所定の検出待ち時間が経過したときに、排出口カバーが開状態であると判断する。そのため、オペレータが誤ってセンサ光軸を遮ってしまった場合など、一時的に受光器が投光器からの光を受光不可となった場合には排出口カバーの開状態であると判断しないようにすることができる。したがって、誤検出による予告表示とそのリセット操作の煩わしさとを抑制することができる。
【0059】
さらに、反射型光センサを用いることで、投光器から、当該投光器の光を反射させた反射板までの距離を求めることができる。すなわち、演算部で排出口カバーが開いているテープフィーダを特定し、その情報をオペレータに伝達することが可能となる。これにより、排出口カバーが僅かに開いた状態のテープフィーダをオペレータが目視により検出する作業を無くすことができ、カバーテープの回収作業の効率化を図ることができる。
また、光センサの光軸をテープフィーダの幅方向に一致させるので、上述した第1の実施形態と同様に、1つの光センサで複数のテープフィーダの排出口カバーを監視することができる。したがって、複数のテープフィーダの各々にセンサを設ける必要がなく、装置全体としてコストを削減することができる。
【0060】
(応用例)
なお、上記各実施形態においては、排出口カバー35の開状態を検出する光センサを構成する投光器41及び受光器42を、部品実装装置1の本体部2に設置する場合について説明したが、投光器41及び受光器42をテープフィーダ3の一括交換台車に設置することもできる。
また、上記各実施形態においては、
図5に示すように、排出口カバー35の閉状態におけるセンサ光軸Lを、排出口カバー35の把持部35aよりもテープフィーダ3前方側に位置する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0061】
例えば、排出口カバー35のセンサ光軸Lに直交する面に、センサ光軸Lが通る穴を形成するようにしてもよい。この場合、排出口カバー35の閉状態では当該穴にセンサ光軸Lを貫通させることで、排出口カバー35とセンサ光軸Lとが干渉しないようにし、排出口カバー35の開状態で排出口カバー35がセンサ光軸Lを遮るような構成とする。この場合にも、オペレータが誤ってセンサ光軸Lを遮ってしまうのを抑制することができる。
【0062】
さらに、上記各実施形態においては、光センサを用いて排出口カバー35の開状態を検出する場合について説明したが、排出口カバー35の開状態を検出するセンサはこれに限定されるものではない。例えば、排出口カバー35とカバーテープ収容部33の排出口33bとにそれぞれ接点を有するセンサを設け、排出口カバー35が開いたらスイッチがOFFするような構成のセンサを用いることもできる。この場合、複数のテープフィーダ3の各々にセンサを設けることになるため、複数のテープフィーダ3の排出口カバー35が開状態である場合でも、どの排出口カバー35が開状態にあるのかを正確に検出しオペレータに報知することができる。
また、上記各実施形態においては、オペレータが予告リセットの操作を行ったらモニタMの予告表示を消す場合について説明したが、センサによって開状態となっていた排出口カバー35が閉じられたことを検出したら自動的に予告表示を消すようにしてもよい。これにより、オペレータのリセット操作忘れに対応することができる。