(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記洗浄ユニットによって基板が洗浄される前および洗浄された後の少なくとも一方で前記基板の汚染状態を測定する汚染状態測定手段をさらに含む、請求項8に記載の基板処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置では、基板の周縁部(ベベル部)にリング状の汚染パターンが形成される場合があり、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式の基板処理装置では、基板の表面または裏面を横切る複数の線によって構成された汚染パターンが形成される場合がある。基板処理装置の洗浄能力は、実際の処理基板に形成される汚染パターンに近い汚染パターンが形成されたサンプルで評価されることが好ましい。しかしながら、特許文献1に係る製造方法は、微粒子が分散した液体をピペットから基板に滴下するので、任意の汚染パターンを基板上に形成することができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、任意の汚染パターンを基板上に形成できる評価用サンプル製造装置、評価用サンプル製造方法、および基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板処理装置の洗浄能力を評価するための評価用サンプルを製造する評価用サンプル製造装置であって、基板(W)を保持する基板保持手段(6)と、汚染物質を含む汚染液を保持可能で基板よりも柔らかい塗布部材(7)と、前記塗布部材を移動させることにより、前記基板保持手段に保持されている基板内の任意の位置に前記塗布部材を接触させる移動手段(9)とを含む、評価用サンプル製造装置(1)である。
【0007】
この構成によれば、汚染液を保持している塗布部材が、移動手段によって、基板保持手段に保持されている基板に押し付けられる。塗布部材が基板よりも柔らかいので、塗布部材が基板に押し付けられると、塗布部材が基板に密着し、塗布部材に保持されている汚染液が基板の一部に塗布される。移動手段は、基板内の任意の位置に塗布部材を接触させることができる。したがって、評価用サンプル製造装置は、基板ごとに汚染位置を変更できる。さらに、移動手段は、塗布部材を基板に接触させた状態で塗布部材を基板に沿って移動させることができる。したがって、評価用サンプル製造装置は、任意の汚染パターンを基板上に形成できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記基板保持手段に保持されている基板に対する前記塗布部材の押付圧を変更する押付圧変更手段(10)をさらに含む、請求項1に記載の評価用サンプル製造装置である。この構成によれば、基板に対する塗布部材の押付圧が、押付圧変更手段によって変更される。塗布部材に保持されている汚染液は、塗布部材と基板とに挟まれて、基板に押し付けられる。押付圧が強いと、基板に対する汚染液の付着力が強くなり、押付圧が弱いと、基板に対する汚染液の付着力が弱くなる。したがって、押付圧変更手段は、押付圧を変更することにより、基板に対する汚染液の付着力を変更できる。
【0009】
前記塗布部材は、請求項3に記載の発明のように、汚染液を保持可能で基板よりも柔らかいブラシ(16)を含んでいてもよいし、請求項4に記載の発明のように、汚染液を保持可能で基板よりも柔らかいスポンジ(17)を含んでいてもよい。いずれの場合においても、前記塗布部材は、請求項5に記載の発明のように、前記基板保持手段に保持されている基板に押し付けられる平坦な先端部(14A、14C)を含んでいてもよいし、請求項6に記載の発明のように、前記基板保持手段に保持されている基板に押し付けられる先細りの先端部(14B)を含んでいてもよい。
【0010】
塗布部材と基板との接触面積は、基板に対する塗布部材の押付圧に伴って変化する。ブラシは、スポンジよりも広がり易いので、塗布部材がブラシを含む場合には、塗布部材と基板との接触面積、すなわち、塗布面積を容易に変化させることができる。また、スポンジは、ブラシよりも吸水性が高いので、塗布部材がスポンジを含む場合には、より多くの汚染液を保持できる。また、塗布部材の先端部が平坦である場合には、塗布部材の先端部が先細りである場合よりも広い面積に汚染液を一度で塗布できる。一方、塗布部材の先端部が先細りである場合には、塗布部材の先端部が平坦である場合よりも精密に汚染液を基板に塗布できる。
【0011】
請求項7に記載の発明は、基板処理装置の洗浄能力を評価するための評価用サンプルを製造する評価用サンプル製造方法であって、基板保持手段によって基板を保持する基板保持工程と、前記基板保持工程と並行して、汚染物質を含む汚染液を保持可能で基板よりも柔らかい塗布部材を移動手段によって移動させることにより、前記基板保持手段に保持されている基板内の任意の位置に前記塗布部材を接触させる接触工程とを含む、評価用サンプル製造方法である。この方法によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の評価用サンプル製造装置と、前記評価用サンプル製造装置によって製造された評価用サンプルとしての基板を洗浄する洗浄ユニット(208)とを含む、基板処理装置(203)である。この構成によれば、評価用サンプル製造装置によって製造された評価用サンプルとしての基板が、洗浄ユニットによって洗浄される。したがって、評価用サンプルの製造と評価用サンプルの洗浄とを同一の装置内で実行できる。
【0013】
請求項9に記載の発明は、前記洗浄ユニットによって基板が洗浄される前および洗浄された後の少なくとも一方で前記基板の汚染状態を測定する汚染状態測定手段(2)をさらに含む、請求項8に記載の基板処理装置である。この構成によれば、洗浄ユニットによって基板が洗浄される前および洗浄された後の少なくとも一方で、基板の汚染状態が汚染状態測定手段によって測定される。したがって、評価用サンプルの製造と評価用サンプルの洗浄と基板の汚染状態の測定とを同一の装置内で実行できる。そのため、評価サンプルの製造と基板処理装置の洗浄能力の評価とを同一の装置内で実行できる。
【0014】
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る評価用サンプル製造装置1、汚染状態測定装置2、および基板処理装置3の模式図である。
図2A、
図2B、および
図2Cは、塗布部材7の模式的な側面図である。
図3A、
図3B、および
図3Cは、汚染液によって基板Wに描かれた汚染パターンの一例を示す模式図である。
図4は、評価用サンプルを製造し、基板処理装置3の洗浄能力を評価するときのフローの一例を示す工程図である。以下の説明における塗布部材7の形状および大きさは、特に断りがない限り、自由状態での形状および大きさである。
【0017】
図1に示すように、評価用サンプル製造装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wに汚染物質を含む汚染液を塗布して、基板処理装置3の洗浄能力を評価するための評価サンプルを一枚ずつ製造する枚葉式の装置である。基板処理装置3は、枚葉式の装置であってもよいし、バッチ式の装置であってもよい。
図1に示すように、評価用サンプル製造装置1は、装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置4と、箱形の隔壁を含むチャンバー5と、チャンバー5内で基板Wを水平に保持して基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線A1まわりに回転させるスピンチャック6とを含む。評価用サンプル製造装置1は、さらに、基板Wを汚染させる汚染液を保持可能で基板Wよりも柔らかい塗布部材7と、塗布部材7に汚染液を供給する供給装置8と、塗布部材7を移動させることにより、基板W内の任意の位置に塗布部材7を接触させる移動装置9と、基板Wに対する塗布部材7の押付圧を変更する押付圧変更装置10と、基板Wを乾燥させる乾燥装置11とを含む。
【0018】
図1に示すように、スピンチャック6は、基板Wを水平に保持している状態で回転軸線A1まわりに回転可能な円盤状のスピンベース12と、スピンベース12を回転軸線A1まわりに回転させるスピンモータ13とを含む。スピンチャック6は、基板Wの周縁部を挟んで当該基板Wを水平に保持する挟持式のチャックであってもよいし、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)を吸着することにより当該基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。
図1では、スピンチャック6がバキューム式のチャックである場合が示されている。制御装置4は、スピンモータ13を制御することにより、基板Wを回転軸線A1まわりに回転させる。
【0019】
図1に示すように、塗布部材7は、先端部14が下に向けられた状態でホルダ15に支持されている。ホルダ15は、移動装置9および押付圧変更装置10に支持されている。塗布部材7の先端部14は、移動装置9および押付圧変更装置10によって基板Wの上面に押し付けられる。移動装置9は、基板W内の任意の位置に塗布部材7を接触させることができると共に、塗布部材7を基板Wに接触させた状態で塗布部材7を基板Wに沿って移動させることができる。移動装置9は、モータやシリンダなどのアクチュエータを含む装置である。基板Wに対する塗布部材7の押付圧は、押付圧変更装置10によって変更される。押付圧変更装置10は、基板Wに対する塗布部材7の押付圧を所定の範囲内で連続的にまたは段階的に変更可能であると共に、基板Wに対する塗布部材7の押付圧を一定に維持可能である。押付圧変更装置10は、たとえば、塗布部材7を付勢するバネなどの弾性体と、弾性体の弾性変形量を変更するアクチュエータとを含む装置である。
【0020】
塗布部材7は、基板Wよりも小さい。すなわち、基板Wの主面に垂直な方向から見たときの塗布部材7の先端部14の面積は、基板Wの主面の面積よりも小さい。塗布部材7が基板Wに押し付けられると、塗布部材7が撓んで基板Wに密着し、塗布部材7が基板Wから離れると、塗布部材7が元の形状に復元する。塗布部材7は、
図1、
図2A、および
図2Bに示すような筆や刷毛などの合成樹脂製の複数の繊維によって構成されたブラシ16であってもよいし、
図2Cに示すような合成樹脂製のスポンジ17であってもよい。塗布部材7がブラシ16である場合、塗布部材7は、
図1に示すような先端が平坦な先端部14Aを有していてもよいし、
図2Aに示すような先細りの先端部14Bを有していてもよい。また、塗布部材7がブラシ16である場合、
図2Bに示すように、塗布部材7は、先端部14が平坦で、塗布部材7の幅W1(基板Wの上面と平行な方向への長さ)が塗布部材7の高さH1(基板Wの上面に垂直な方向への長さ)よりも長い先端部14Cを有していてもよい。塗布部材7がスポンジ17である場合も同様に、塗布部材7は、先端が平坦な先端部14を有していてもよいし、先細りの先端部14を有していてもよい。
【0021】
図1に示すように、供給装置8は、汚染物質と溶媒とを含む汚染液を溜める上向きに開いたタンク18を含む。タンク18は、チャンバー5内に配置されている。タンク18内の汚染液は、タンク18に供給される前に調合されたものであってもよいし、タンク18内で調合されたものであってもよい。
図1では、汚染液がタンク18内で調合される場合が示されている。この場合、供給装置8は、汚染物質を溶解させる溶媒をタンク18内に供給する溶媒供給配管19と、溶媒供給配管19に介装された溶媒バルブ20と、タンク18内の液体を撹拌する撹拌装置21とを含む。汚染物質は、タンク18内に供給され、溶媒は、溶媒供給配管19を介してタンク18内に供給される。汚染物質は、パーティクル(たとえば、SiO
2の粉末)であってもよいし、金属汚染物質の一例である硫酸銅であってもよいし、有機汚染物質であってもよい。また、溶媒は、純水(脱イオン水:Deionzied Water)であってもよいし、アルコールであってもよいし、これら以外の液体であってもよい。汚染物質および溶媒は、タンク18内で撹拌装置21によって撹拌される。これにより、汚染物質および溶媒が所定の比率で混合された汚染液が調合される。
【0022】
図1に示すように、制御装置4は、移動装置9を制御することにより、塗布部材7の先端部14をタンク18内の汚染液に浸漬させる(
図4のステップS1参照)。これにより、汚染液が、塗布部材7の内部に染み込んで、塗布部材7の内部と塗布部材7の外表面とに保持される。制御装置4は、塗布部材7の先端部14を汚染液に浸漬させた後、移動装置9および押付圧変更装置10を制御することにより、基板Wに対する塗布部材7の押付圧を押付圧変更装置10によって調整しながら、塗布部材7の先端部14を基板Wの上面に接触させる。これにより、汚染液が基板Wの上面に塗布される(
図4のステップS2参照)。塗布部材7が基板Wよりも柔らかいので、塗布部材7が基板Wに押し付けられると、塗布部材7が撓んで、塗布部材7内の汚染液が外に染み出る。そのため、押付圧に応じた量の汚染液が基板Wに塗布される。さらに、塗布部材7が撓むので、塗布部材7は、押付圧に応じた接触面積で基板Wに接触する。そのため、汚染液が塗布される基板W内の領域(塗布領域)の面積は、押付圧に応じて変化する。
【0023】
制御装置4は、たとえば、塗布部材7の先端部14を基板Wの上面に接触させた状態で、塗布部材7を基板Wに沿って移動させる。このとき、制御装置4は、移動装置9によって塗布部材7の高さを調整することにより、塗布部材7と基板Wとの接触面積を変更してもよいし、押付圧変更装置10によって押付圧を変更してもよい。制御装置4は、このようにして汚染液を保持した状態の塗布部材7を基板Wに接触させて、任意の汚染パターンを基板Wに描く。汚染液が塗布される基板W内の領域(塗布領域)は、
図3Aに示すように、基板Wの上面周縁部の全域であってもよいし、
図3Bに示すように、基板Wの上面内の複数の領域であってもよいし、
図3Cに示すように、基板Wの上面内の帯状の領域であってもよい。当然、これら以外の汚染パターンが汚染液によって基板Wに描かれてもよい。たとえば、回転軸線A1上に中心を有する複数の同心円が、汚染液によって基板Wに描かれてもよいし、基板Wの上面を横切る複数の線が、汚染液によって基板Wに描かれてもよい。
【0024】
塗布領域が、基板Wの上面周縁部の全域である場合、制御装置4は、基板Wの回転を停止させた状態で基板Wの上面周縁部に沿って塗布部材7を移動させてもよいし、塗布部材7を基板Wの上面周縁部に接触させると共に、スピンチャック6によって基板Wを回転させてもよい。さらにこの場合、先端部14が平坦で、その幅が塗布領域の幅(任意の円周上での径方向への長さ)と等しい塗布部材7(たとえば、
図3Aに示す塗布部材7)が用いられてもよい。
【0025】
また、塗布領域が、基板Wの上面内の複数の領域である場合、制御装置4は、基板Wの回転を停止させた状態で塗布部材7を複数の領域に接触させてもよいし、塗布部材7が基板Wから離れているときに基板Wを回転させることにより、塗布部材7の移動距離を短縮してもよい。さらに、塗布領域が、基板Wの上面内の複数の領域であり、各領域の面積が狭い場合には、先端部14が先細りの塗布部材7(たとえば、
図3Bに示す塗布部材7)が用いられることが好ましい。
【0026】
また、塗布領域が、基板Wの上面内の帯状の領域である場合、制御装置4は、基板Wの回転を停止させた状態で基板Wの上面に沿って塗布部材7を移動させてもよい。さらに、塗布領域が、基板Wの上面内の帯状の領域であり、塗布領域の面積が広い場合、先端部14が平坦な塗布部材7(たとえば、
図1、
図2B、および
図2Cに示す塗布部材7)が用いられることが好ましい。特に、先端部14が平坦で、かつ塗布部材7の幅が塗布部材7の高さより長い塗布部材7(たとえば、
図3Cに示す塗布部材7)が用いられることが好ましい。
【0027】
制御装置4は、汚染液を基板Wに塗布した後、基板Wを乾燥させる(
図4のステップS3参照)。制御装置4は、基板Wに付着している汚染液を基板Wの周囲に振り切るために、スピンチャック6によって基板Wを高速回転させることにより基板Wを乾燥させてもよい。また、制御装置4は、赤外線ランプやヒータなどの乾燥装置11を用いることにより、基板Wを静止させた状態で基板Wを乾燥させてもよい。また、制御装置4は、基板Wを自然乾燥させてもよい。いずれの場合でも、評価用サンプルとしての基板Wは、乾燥後にチャンバー5から搬出される。その後、基板Wの汚染状態がパーティクルカウンターなどの汚染状態測定装置2によって測定される(
図4のステップS4参照)。次に、基板Wが、基板処理装置3によって洗浄され(
図4のステップS5参照)、その後、基板Wの汚染状態が、汚染状態測定装置2によって測定される(
図4のステップS6参照)。これにより、基板処理装置3の洗浄能力が評価される。
【0028】
以上のように第1実施形態では、汚染液を保持している塗布部材7が、移動装置9によって、スピンチャック6に保持されている基板Wに押し付けられる。塗布部材7が基板Wよりも柔らかいので、塗布部材7が基板Wに押し付けられると、塗布部材7が基板Wに密着し、塗布部材7に保持されている汚染液が基板Wの一部に塗布される。移動装置9は、基板W内の任意の位置に塗布部材7を接触させることができる。したがって、評価用サンプル製造装置1は、基板Wごとに汚染位置を変更できる。さらに、移動装置9は、塗布部材7を基板Wに接触させた状態で基板Wに沿って移動させることができる。したがって、評価用サンプル製造装置1は、任意の汚染パターンを基板W上に形成できる。
【0029】
さらに第1実施形態では、基板Wに対する塗布部材7の押付圧が、押付圧変更装置10によって変更される。塗布部材7に保持されている汚染液は、塗布部材7と基板Wとに挟まれて、基板Wに押し付けられる。押付圧が強いと、基板Wに対する汚染液の付着力が強くなり、押付圧が弱いと、基板Wに対する汚染液の付着力が弱くなる。したがって、押付圧変更装置10は、押付圧を変更することにより、基板Wに対する汚染液の付着力を変更できる。さらに、押付圧が強いと、塗布部材7から染み出る液量が増加し、押付圧が弱いと、塗布部材7から染み出る液量が減少する。したがって、押付圧変更装置10は、押付圧を変更することにより、基板Wに対する汚染液の塗布量を変更できる。
【0030】
図5は、本発明の第2実施形態に係る基板処理装置203の模式的な平面図である。この
図5において、前述の
図1〜
図4に示された各部と同等の構成部分については、
図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態に係る基板処理装置203は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置203は、基板Wが搬入されるインデクサブロックと、インデクサブロックに搬入された基板Wを処理する処理ブロックと、装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置4とを備えている。
【0031】
インデクサブロックは、キャリア保持部205と、インデクサロボットIRと、IR移動機構206とを備えている。キャリア保持部205は、複数枚の基板Wを収容できるキャリアCを保持する。複数のキャリアCは、水平なキャリア配列方向Uに配列された状態でキャリア保持部205に保持される。IR移動機構206は、キャリア配列方向UにインデクサロボットIRを移動させる。インデクサロボットIRは、キャリア保持部205に保持されたキャリアCに基板Wを搬入する搬入動作、および基板WをキャリアCから搬出する搬出動作を行う。基板Wは、インデクサロボットIRによって水平な姿勢で搬送される。
【0032】
一方、処理ブロックは、基板Wを処理する複数(たとえば、4つ以上)の処理ユニット207と、センターロボットCRとを備えている。複数の処理ユニット207は、平面視において、センターロボットCRを取り囲むように配置されている。複数の処理ユニット207は、評価サンプルを製造する評価用サンプル製造装置1と、基板Wの汚染状態を測定する汚染状態測定装置2と、基板Wの洗浄処理を行う洗浄ユニット208とを含む。洗浄ユニット208は、基板Wを一枚ずつ洗浄する枚葉式のユニットである。洗浄ユニット208は、スピンチャック6(
図1参照)と、スピンチャック6に保持されている基板Wに向けて洗浄液を吐出する洗浄液ノズル(図示せず)とを含み、洗浄液ノズルから洗浄液が基板Wに吐出されることにより、基板Wの洗浄処理が行われる。なお、洗浄ユニット208における処理は、洗浄液による洗浄に限らず、ブラシによる洗浄、ガスによる洗浄であってもよい。センターロボットCRは、処理ユニット207に基板Wを搬入する搬入動作、および基板Wを処理ユニット207から搬出する搬出動作を行う。さらに、センターロボットCRは、複数の処理ユニット207間で基板Wを搬送する。基板Wは、センターロボットCRによって水平な姿勢で搬送される。センターロボットCRは、インデクサロボットIRから基板Wを受け取ると共に、インデクサロボットIRに基板Wを渡す。
【0033】
制御装置4は、インデクサロボットIRおよびセンターロボットCRによって、キャリアC内の基板Wを評価用サンプル製造装置1内に搬入させる。その後、制御装置4は、評価用サンプル製造装置1によって、汚染液を基板Wに塗布させることにより、評価用サンプルを製造させる。次に、制御装置4は、センターロボットCRによって、評価用サンプル製造装置1内の基板Wを汚染状態測定装置2内に搬入させる。その後、制御装置4は、汚染状態測定装置2によって、洗浄ユニット208によって洗浄される前の基板Wの汚染状態を測定させる。次に、制御装置4は、センターロボットCRによって、汚染状態測定装置2内の基板Wを洗浄ユニット208内に搬入させる。その後、制御装置4は、洗浄ユニット208によって基板Wを洗浄させる。次に、制御装置4は、センターロボットCRによって、洗浄ユニット208内の基板Wを汚染状態測定装置2内に搬入させる。その後、制御装置4は、汚染状態測定装置2によって、洗浄ユニット208によって洗浄された後の基板Wの汚染状態を測定させる。次に、制御装置4は、インデクサロボットIRおよびセンターロボットCRによって、汚染状態測定装置2内の基板WをキャリアC内に搬入させる。制御装置4は、この一連の動作を繰り返し実行することにより、複数枚の基板Wを一枚ずつ処理する。このように、第2実施形態では、洗浄ユニット208によって基板Wが洗浄される前および洗浄された後に、基板Wの汚染状態が汚染状態測定装置2によって測定される。したがって、評価用サンプルの製造と洗浄ユニット208の洗浄能力の評価とを同一の装置203内で実行できる。
【0034】
本発明の第1および第2実施形態の説明は以上であるが、本発明は、第1および第2実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、第1および第2実施形態では、汚染液が、基板の上面に塗布される場合について説明したが、汚染液は、基板の下面および周端面に塗布されてもよい。すなわち、汚染液が塗布される領域は、基板の上面、下面、および周端面内のいずれの領域であってもよい。
【0035】
また、第1および第2実施形態では、評価用サンプル製造装置が、押付圧変更装置を備える場合について説明したが、評価用サンプル製造装置は、押付圧変更装置を備えていなくてもよい。
また、第2実施形態では、基板処理装置が汚染状態測定装置を備えている場合について説明したが、基板処理装置は、汚染状態測定装置を備えていなくてもよい。
【0036】
また、第1および第2実施形態では、基板がスピンチャックによって保持される場合について説明したが、基板は、スピンチャック以外の基板保持装置によって非回転状態で保持されてもよい。
また、第1および第2実施形態では、基板処理装置が、円板状の基板を処理する装置である場合について説明したが、基板処理装置は、液晶表示装置用基板などの多角形の基板を処理する装置であってもよい。
【0037】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。