【課題を解決するための手段】
【0012】
有利な実施態様では、案内トラックは、縦軸に対して垂直であって、そして垂直セクションにおける案内ピースの相対運動中に薬物の用量を設定又は選択するように設計される少なくとも1つのさらなるセクションを含む。
【0013】
これには、用量送達段階に先立って薬物の用量を設定又は選択する段階が行い得るという利点がある。設定段階中のピストンロッドの意図していない動きは防止し得る。
【0014】
更なる有利な実施態様では、案内トラックは複数の傾斜セクション及び垂直セクションを含む。垂直セクションの各々は、案内トラックが連続線を形成するように2つの傾斜セクションの間に配置される。
【0015】
これには、多数回投与適用が薬物送達デバイスによって可能であるという利点がある。
【0016】
更なる有利な実施態様では、傾斜セクションは、ハウジングに対して駆動部材の動きを、例えば傾斜セクションにおいて案内ピースとピストンロッドの間の機械的相互作用により、軸方向運動に変換するように設計される。
【0017】
更なる有利な実施態様では、垂直セクションはピストンロッドの軸方向運動を防止するように設計される。
【0018】
更なる有利な実施態様では、さらなる駆動部材はハウジングに対して可動である。さらなる駆動部材は駆動アセンブリの一部であってよい。駆動部材はさらなる駆動部材と機械的協動を、例えば係合している。駆動部材は、さらなる駆動部材が駆動部材に対して変位するとき、ハウジングに対して可動である。付勢部材は、傾斜セクションの近位ファイナルエリアにおける傾斜セクションに対する案内ピースの動き中に軸方向においてさらなる駆動部材に力を及ぼすように設計される。
【0019】
これには、案内トラックの傾斜セクションの減少ピッチのために、用量送達段階の終わりに用量ボタン/さらなる駆動部材の高速度をもたらすことができる低射出力が、付勢部材によって補正され得るという利点がある。その結果として、効果的な射出力は1つの用量送達段階中に一定に維持され得る。その結果として、使用者は用量送達段階中更に癒されるように感じる。
【0020】
更なる有利な実施態様では、付勢部材は圧縮バネを含む。
【0021】
これには、付勢部材の単純形が使用し得るという利点がある。
【0022】
更なる実施態様によれば、さらなる駆動部材はハウジングに対して軸方向に可動である。駆動部材は、さらなる駆動部材が回転スリーブに対して軸方向に変位するとき、ハウジングに対して回転可能であるようにさらなる駆動部材と機械的協動関係にある回転スリーブである。
【0023】
回転スリーブは、さらなる駆動部材がさらなる駆動部材及び回転スリーブの機械的相互作用により遠位方向に又は近位方向に変位するとき、ハウジングに対して回転可能なように配置される。好ましくは、さらなる駆動部材は軸方向に案内される。例えば使用者によりさらなる駆動部材に加えられる軸力は、ハウジングに対して回転スリーブの回転運動に変換される。この力は、回転スリーブが第1の方向に回転しているときは、ハウジングに対してピストンロッドの遠位方向運動に変換し得る。
【0024】
これには、さらなる駆動部材に及ぼす軸力のハウジングに対する回転スリーブの回転運動への単純変換が可能であるという利点がある。更に、さらなる駆動部材の軸方向運動は非常に精密にコントロールし得る。従って、薬物の正確な投与が容易である。更に、その動作中に必要なさらなる駆動部材の回転運動がないことから、これは薬物送達デバイスの使用者にとって非常に便利になり得る。
【0025】
更なる実施態様によれば、回転スリーブが例えば薬物の用量を送達するためにハウジングに対して第1の方向に回転するとき、ピストンロッドはハウジングに対して遠位方向に可動であるように回転スリーブと機械的協動、例えば係合している。ピストンロッドは、回転スリーブが例えば薬物の用量を設定又は選択するために第1の方向と反対に第2の方向で回転するとき、ハウジングに対して軸方向で静止しているか又は本質的に静止しているように回転スリーブと機械的協動関係にある。
【0026】
ピストンロッドは、回転スリーブが第1の方向に回転しているとき、ハウジングに対して遠位方向に可動であり、そして回転スリーブが第1の方向と反対にハウジングに対して第2の方向で回転しているとき、ハウジングに対して軸方向で静止している。
【0027】
本駆動部材の利点は、ハウジングに対するピストンロッドの軸方向運動のために、回転スリーブに対してピストンロッドの非常に高い機械的安定性を達成することができる点である。その結果として、駆動アセンブリの非常に高い機械的安定性が達成され得る。
【0028】
更なる実施態様によれば、傾斜セクションは、第1の方向における回転スリーブの回転運動をピストンロッドの軸方向運動に変換するように設計される。
【0029】
更なる実施態様によれば、垂直セクションは、回転スリーブの回転運動を制限する縦軸に垂直な伸長を有する。
【0030】
更なる実施態様によれば、案内トラック及び案内ピースはスロット付き案内として協動するように設計される。
【0031】
これには、案内トラック及び案内ピースが、回転スリーブに対してピストンロッドの優れた案内を可能にするスロット付き案内として協動するように簡単に設計することができるという利点がある。
【0032】
更なる実施態様によれば、案内トラックはピストンロッドの外面にジグザグ様の線を形成する。ジグザグ様の線は軸方向に伸びる。
【0033】
第2の態様によれば、薬物送達デバイスは第1の態様による駆動アセンブリを含む。薬物送達デバイスは薬物含有カートリッジを含む。薬物含有カートリッジは薬物を投薬するようにピストンロッドに連結される。
【0034】
薬物(medication)と薬物(drug)は、この文脈においては等価表現として使われる。
【0035】
本明細書で使用する用語「薬物」又は「薬物」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0036】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0037】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0038】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2配列のペプチドを意味する。
【0039】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0040】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38 [Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0041】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0042】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0043】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1−C6アルキル基;場合により置換されるC2−C6アルケニル基;場合により置換されるC6−C10アリール基、又は場合により置換されるC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0044】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0045】
本発明の代表的実施態様が概略図を用いて下記で説明される。これらは次のとおりである: