【文献】
「プロサッカークラブをつくろう!ONLINE」STOのシステムに迫る!,[online],2015年 5月26日,公開日:2007年4月24日,URL,http://dengekionline.com/pr/sto/system.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
[1.ゲーム装置のハードウェア構成]
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば、家庭用・業務用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機(スマートフォン)、携帯情報端末(タブレット型端末)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。
【0026】
表示部32及び音声出力部34は、家庭用ゲーム機11に接続される。表示部32は、例えば、家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどである。音声出力部34は、例えば、家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどである。
【0027】
家庭用ゲーム機11は、公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0028】
制御部14は、一又は複数の制御部(例えば、CPU等)を含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する処理や情報処理を実行する。
【0029】
主記憶16は、例えば、RAMを含む。光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータは、主記憶16に書き込まれる。主記憶16は、制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12は、アドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0030】
画像処理部18は、VRAMを含む。画像処理部18は、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面は、ビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0031】
入出力処理部20は、制御部14が、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。
【0032】
音声処理部22は、サウンドバッファを含む。音声処理部22は、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを、音声出力部34から出力する。
【0033】
通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに、家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0034】
光ディスク再生部24は、光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。本実施形態においては、プログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために、光ディスク36が用いられる場合を説明するが、メモリカード等の他の情報記憶媒体が用いられて、プログラムやデータが家庭用ゲーム機11に対して供給されるようにしてもよい。他にも例えば、通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータが家庭用ゲーム機11に供給されるようにしてもよい。
【0035】
ハードディスク26は、一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、本実施形態において光ディスク36に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、ハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0036】
コントローラ30は、ユーザによる各種ゲーム操作を受け付けるための汎用操作手段である。家庭用ゲーム機11には、一又は複数のコントローラ30が有線又は無線接続される。入出力処理部20は、一定周期毎(例えば、1/60秒毎)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンする。このスキャン結果を表す操作信号は、バス12を介して制御部14に入力される。制御部14は、操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を特定する。
【0037】
[2.ゲーム装置において実行されるゲーム]
ゲーム装置10は、光ディスク36から読み出したゲームプログラムを実行することによって、ユーザが対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)と対戦する対戦ゲームを実行する。例えば、ゲーム空間において、ユーザの動作対象(例えば、キャラクタ)と対戦相手の動作対象とが対戦するゲームが実行される。
【0038】
本実施形態では、ユーザが操作するチーム(以降、「ユーザチーム」という。)と、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するチーム(以降、「対戦相手チーム」という。)と、の間でサッカーの試合を行うサッカーゲームを例に挙げて説明する。当該サッカーゲームでは、ユーザ及び対戦相手は、ボールを移動目標位置(例えば、ゴール)に移動させることを目指す。サッカーゲームが開始されると、ゲーム空間が主記憶16に構築される。
【0039】
図2は、ゲーム空間の一例を示す図である。
図2に示すゲーム空間40は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間である。
図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42(他のオブジェクトが配置される平面)が配置される。
【0040】
フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール44が配置され、2本のゴールライン46及び2本のタッチライン48が表されている。ゴールライン46及びタッチライン48によって囲まれたピッチ50及び当該ピッチ50の周囲(ゴールライン46又はタッチライン48に接するピッチ50外の所定領域)において、試合が行われる。
【0041】
また、フィールド42上には、サッカーボール(移動物体)を表すオブジェクトであるボール52と、ユーザチームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトであるキャラクタ54と、対戦相手チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトであるキャラクタ56と、が配置される。各オブジェクトの位置は、例えば、ワールド座標系(Xw−Yw−Zw座標系)の3次元座標で特定される。
【0042】
また、ゲーム空間40には、仮想カメラ58(視点)が設定される。ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子を表すゲーム画面が、表示部32に表示される。ゲーム画面は、ゲーム空間40に配置された各オブジェクトの頂点座標が、所定の座標変換演算を用いてワールド座標系からスクリーン座標系に座標変換されることによって生成される。
【0043】
なお、
図2では省略されているが、フィールド42上には、ユーザチームに所属する11体のキャラクタ54と、対戦相手チームに所属する11体のキャラクタ56と、が配置される。
【0044】
本実施形態では、ユーザチームに所属するキャラクタ54のうちの何れかが、ユーザの操作対象に設定される。ユーザの操作対象に設定されたキャラクタ54は、ユーザの操作に基づいてゲーム空間40内で動作する。ユーザチームに所属するキャラクタ54のうち、ユーザの操作対象以外のキャラクタ54は、例えば、ユーザチームに設定された作戦やフォーメーションに基づいて自律的に動作する。また、対戦相手チームに所属するキャラクタ56は、例えば、対戦相手チームに設定された作戦やフォーメーションに基づいて自律的に動作する。なお、対戦相手がコンピュータではなく対戦相手ユーザである場合には、対戦相手チームのキャラクタ56の何れかが当該対戦相手ユーザの操作対象に設定される。キャラクタ54(56)がボール52を移動させ、ゴール44内にボール52が移動すると、得点イベントが発生する。ユーザ及び対戦相手は、得点イベントを発生させた回数を競うともいえる。
【0045】
ここでは、複数種類の作戦やフォーメーションが用意されており、作戦やフォーメーション毎にキャラクタ54(56)の行動パターンが定められている。各キャラクタ54(56)は、所属チームの作戦やフォーメーションに紐づいた行動パターンに基づいて動作することになる。
【0046】
本実施形態では、ゲームの開始前又は一時停止中(例えば、試合のハーフタイム中や、試合中にユーザが所与の操作を行った場合)において、ユーザが戦術(例えば、作戦やフォーメーション等)を設定するための戦術設定画面が表示部32に表示される。
【0047】
図3は、戦術設定画面の一例を示す図である。
図3に示すように、戦術設定画面60には、作戦ボタン62及びフォーメーションボタン64が表示される。ユーザは、作戦ボタン62を選択することで、複数種類の作戦のうちからユーザチームに設定する作戦を選択する。また、ユーザは、フォーメーションボタン64を選択することで、複数種類のフォーメーションのうちからユーザチームに設定するフォーメーションを選択する。
【0048】
ユーザが選択したフォーメーションは、ピッチ画像66Aに反映される。ピッチ画像66Aは、ピッチ50を模式的に示した画像であり、ピッチ画像66A上には、出場メンバー画像68Aが配置される。出場メンバー画像68Aは、試合に出場するキャラクタ54を示す。出場メンバー画像68Aの表示位置は、ユーザが選択したフォーメーションに基づいて決定される。例えば、各出場メンバー画像68Aの位置関係が、ユーザが選択したフォーメーションに対応するように、ピッチ画像66A上で出場メンバー画像68Aが表示される。
【0049】
また、戦術設定画面60には、ゲームの開始時点又は再開時点では試合に出場しないキャラクタ54を示す控えメンバー画像70Aが表示される。なお、控えメンバー画像70Aが示すキャラクタ54は、ユーザが所与の操作を行うことで途中出場することができる。
【0050】
戦術設定画面60では、ユーザが所与の入れ替え操作を行うことによって、試合に出場するキャラクタ54を入れ替えることができる。例えば、ユーザが出場メンバー画像68A及び控えメンバー画像70Aを選択すると、試合に出場するキャラクタ54が入れ替わる。この場合、ユーザが出場メンバー画像68Aの何れかを選択した後に、控えメンバー画像70Aの何れかを選択するようにしてもよいし、逆に、ユーザが控えメンバー画像70Aの何れかを選択した後に、出場メンバー画像68Aの何れかを選択するようにしてもよい。ユーザが選択した出場メンバー画像68Aが示すキャラクタ54が控えメンバーとなり、このキャラクタ54を示す控えメンバー画像70Aが表示される。また、ユーザが選択した控えメンバー画像70Aが示すキャラクタ54が出場メンバーとなり、このキャラクタ54を示す出場メンバー画像68Aが表示される。更に、この場合、ユーザが所与の確定操作を行うことで、試合に出場するキャラクタ54の入れ替えが確定するようにしてもよいし、ユーザが所与のキャンセル操作を行った場合は、キャラクタ54の入れ替えがキャンセルされるようにしてもよい。
【0051】
なお、
図3に示すように、対戦相手チームの作戦及びフォーメーションが戦術設定画面60に表示されるようにしてもよい。また、対戦相手チームのフォーメーション及び試合に出場するキャラクタ56を示す出場メンバー画像68Bが、ピッチ画像66B上に表示され、ゲームの開始時点又は再開時点では試合に出場しないキャラクタ56を示す控えメンバー画像70Bが表示されるようにしてもよい。
【0052】
本実施形態では、戦術設定画面60には、シミュレーションボタン72が表示される。ユーザがシミュレーションボタン72を選択すると、実際に試合を開始又は再開する前に、現在の作戦、フォーメーション、及び出場メンバーに基づいて試合の簡易シミュレーションが実行され、シミュレーション結果が戦術設定画面60に表示される。
【0053】
図4は、シミュレーション結果が表示された戦術設定画面60の一例を示す図である。
図4に示すように、シミュレーション結果画像74には、シミュレーションで得られた試合の勝敗、得点差、及び試合のハイライト情報が表示される。ハイライト情報は、シミュレーションでの試合内容を示し、例えば、キャラクタ54(56)の動作内容やシミュレーションにおける戦況変化が表示される。
【0054】
ユーザは、シミュレーション結果画像74の内容を分析し、作戦やフォーメーションの変更を行ったり、出場メンバーを入れ替えたりする。例えば、シミュレーションの試合でユーザチームの失点が多ければ、ユーザは、守備的な作戦やフォーメーションに変更する。また例えば、シミュレーションの試合において、対戦相手チームの特定のキャラクタ56に得点を決められている場合には、当該キャラクタ56と相性のよいキャラクタ54を出場メンバーに追加する。その後、ユーザは、再度のシミュレーションを実行することもできる。ユーザが完了ボタン76を選択すると、その時点での設定内容に基づいて試合が開始される。
【0055】
上記のように、本実施形態のゲーム装置10は、作戦、フォーメーション、及び出場メンバーの入れ替えと、シミュレーションの実行と、を試合の開始前又は再開前に行うことによって、対戦ゲームの設定情報の適否を事前にユーザが判断しやすくなる構成になっている。以下、本技術について、詳細に説明する。
【0056】
[3.ゲーム装置において実現される機能]
図5は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、ゲーム装置10は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームデータ記憶部100、設定情報取得部102、シミュレート実行部104、シミュレート結果通知部106、設定内容変更部108、及び対戦実行部110を実現する。ゲームデータ記憶部100は、主記憶16及び光ディスク36を主として実現され、他の各機能は、制御部14を主として実現される。
【0057】
[3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部100は、ゲームを実現するために必要な各種データを記憶する。ここでは、ゲームデータ記憶部100に記憶されるデータとして、実行中のゲームの状況を示すゲーム状況データを説明する。ここでは、ゲーム状況データは、実行中の対戦ゲームの設定情報を含む。
【0058】
図6は、設定情報の一例を示す図である。
図6に示すように、設定情報は、対戦ゲームにおけるユーザチームの作戦、フォーメーション、及び出場メンバーのキャラクタ54を識別する情報を含む。例えば、設定情報に含まれる各項目の値が変化すると対戦ゲームにおいてユーザが有利又は不利になる。なお、設定情報に含まれる項目は、
図6の例に限られない。他にも例えば、ユーザチームの控えメンバーのキャラクタ54を識別する情報や、対戦相手チームの戦術を識別する情報が格納されているようにしてもよい。
【0059】
他にも例えば、ゲーム状況データは、ゲーム空間40の現在の状況(例えば、ボール52及びキャラクタ54(56)の位置や移動方向、仮想カメラ58の状態等)や実行中の試合の各種状況(例えば、試合の経過時間や、両チームの得点、シュートやパスの回数、ボール支配率等)が、ゲーム状況データに含まれる。
【0060】
なお、ゲームデータ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。ゲームを実行するために必要なデータが、ゲームデータ記憶部100に記憶されていればよい。例えば、試合又はシミュレーションで用いられるキャラクタ54(56)の行動パターンを示すデータ(行動アルゴリズム)が戦術毎に記憶されていてもよいし、各フォーメーションの基本位置が記憶されていてもよい。また例えば、戦術設定画面60に表示される作戦及びフォーメーションの選択肢が記憶されていてもよい。他にも例えば、ユーザチーム及び対戦相手チームに関する各種データ(例えば、各キャラクタ54(56)の名称や能力値等)が記憶されていてもよい。
【0061】
[3−2.設定情報取得部]
設定情報取得部102は、対戦ゲームの開始前又は再開前において、対戦ゲームの仮の設定情報(例えば、仮の戦術等)を取得する。仮の設定情報とは、対戦ゲームの開始前又は再開前の時点での設定情報であり、シミュレーションで用いられる設定情報である。
【0062】
本実施形態では、ユーザが完了ボタン76を選択する前の設定情報を「仮の設定情報」と記載し、ユーザが完了ボタン76を選択した後の設定情報を単に「設定情報」と記載して、両者を区別する。即ち、「仮の設定情報」と記載した場合は、シミュレーションで用いられる設定情報を示し、単に「設定情報」と記載した場合は、実際の対戦で用いられる設定情報を示す。
【0063】
[3−3.シミュレート実行部]
シミュレート実行部104は、設定情報取得部102により取得された仮の設定情報(例えば、仮の戦術等)に基づいて、対戦ゲームの開始前又は再開前に対戦結果をシミュレートする。例えば、シミュレート実行部104は、ゲーム空間40における、ユーザの動作対象(例えば、ユーザチームのキャラクタ54)及び対戦相手の動作対象(対戦相手チームのキャラクタ56)の動作をシミュレートする。
【0064】
シミュレート実行部104は、予め用意されたシミュレーションアルゴリズム(例えば、シミュレーションにおけるキャラクタ54(56)の行動アルゴリズム)に基づいて、対戦結果をシミュレートする。シミュレーションアルゴリズムは、シミュレーションにおける対戦結果を得るための数式を含み、シミュレート実行部104は、仮の設定情報の各項目の値を、当該数式に代入することによって、対戦結果をシミュレートする。
【0065】
本実施形態のシミュレーションアルゴリズムには、シミュレーションにおける各キャラクタ54(56)の行動パターンが定義されている。例えば、シミュレート実行部104は、仮の設定情報に基づいて、一試合におけるキャラクタ54(56)の動作やボール52の動きをシミュレートすることになる。即ち、シミュレーションアルゴリズムは、試合におけるキャラクタ54(56)の動作を算出するための数式を含む。シミュレート実行部104は、仮の設定情報の各項目の値を、当該数式に代入することによって、試合におけるキャラクタ54(56)の動作を計算する。別の言い方をすれば、シミュレート実行部104は、仮の設定情報及びシミュレーションアルゴリズムに基づいて、各キャラクタ54(56)をピッチ50上で動作させることにより、対戦結果を計算する。
【0066】
本実施形態では、シミュレート実行部104は、通常のゲームとは異なり、乱数を用いずに対戦結果をシミュレートする。即ち、シミュレート実行部104は、シミュレーションアルゴリズムが示す数式に乱数を代入せずに、対戦結果をシミュレートする。このため、シミュレート実行部104は、同じ設定情報に基づいて試合をシミュレートした場合、同じ対戦結果を得ることになる。例えば、乱数を使用してシミュレーションを行うと、原則としてシミュレーションのたびに乱数が異なるため、シミュレーションで得られる対戦結果が異なるが、乱数を用いずにシミュレーションを行うと、同一のユーザが異なるタイミングでシミュレートしても、異なるユーザがシミュレートしても、シミュレートで使用される設定情報が同じであれば、同じ対戦結果が得られることになる。このため、ユーザが戦略や戦術を検討する際の判断基準となる情報が同一となり、ユーザ間での公平さを担保できる。
【0067】
[3−4.シミュレート結果通知部]
シミュレート結果通知部106は、シミュレート実行部104によるシミュレート結果(例えば、得点差、ボール支配率、試合のハイライト)を、ユーザに通知する。シミュレート結果とは、シミュレートにおける対戦の勝敗に関する情報や、シミュレートにおける対戦の戦況に関する情報である。シミュレート結果通知部106は、シミュレート結果を示すシミュレーション結果画像74を表示部32に表示させたり、シミュレート結果を示す音声を音声出力部34から出力させたりすることによって、シミュレート結果をユーザに通知する。
【0068】
本実施形態では、シミュレート結果通知部106は、シミュレート実行部104によりシミュレートされた、ユーザの動作対象(例えば、ユーザチームのキャラクタ54)及び対戦相手の動作対象(例えば、対戦相手チームのキャラクタ56)の動作内容の少なくとも一方を、ユーザに通知する。即ち、シミュレート結果通知部106は、シミュレートにおいて計算したキャラクタ54(56)の動作内容を通知する。本実施形態では、シミュレート結果通知部106は、シミュレーション結果画像74にシミュレーションの試合のハイライト情報を含めることで、キャラクタ54(56)の動作内容を通知する。
【0069】
本実施形態では、シミュレート結果通知部106は、シミュレート実行部104が乱数を用いずにシミュレートした対戦ゲームのシミュレート結果を、ユーザに通知することになる。同じ設定情報であれば同じシミュレート結果が得られるため、シミュレート結果通知部106は、同じシミュレート結果を通知することになる。
【0070】
[3−5.設定内容変更部]
設定内容変更部108は、シミュレート通知部106によるシミュレート結果の通知後に、ユーザによる設定操作に基づいて、設定情報(仮の設定情報)の設定内容(例えば、戦術)を変更する。設定内容変更部108は、ユーザによる設定操作(例えば、作戦ボタン62の操作)に基づいて、設定情報(仮の設定情報)の各項目の値を変更する。
【0071】
[3−6.対戦実行部]
対戦実行部110は、設定内容変更部108により変更された設定内容(例えば、戦術)に基づいて、対戦ゲームを開始又は再開させる。対戦実行部110は、設定情報に基づいて、開始又は再開させた対戦ゲームを実行する。例えば、対戦実行部110は、設定情報と、所与の行動アルゴリズムと、に基づいてキャラクタ54を動作させる。より具体的には、対戦実行部110は、設定情報の各項目が示す各値を行動アルゴリズムの数式に代入することによって、キャラクタ54の動作を計算する。
【0072】
本実施形態では、対戦実行部110は、対戦ゲームの開始後又は再開後に乱数を取得する。対戦実行部110は、当該取得された乱数と、設定内容変更部108により変更された設定内容と、に基づいて、対戦ゲームを実行する。例えば、対戦実行部110は、乱数の値に応じて対戦結果を異ならせる。より具体的には、対戦実行部110は、行動アルゴリズムが示す数式に、乱数と設定情報の各項目の値とを代入することによって、キャラクタ54の動作を計算する。当該計算されるキャラクタ54の動作は、乱数の値に応じて異なる。
【0073】
なお、対戦実行部110が乱数を発生させる方法自体は、公知の種々の乱数発生方法を適用可能である。例えば、対戦実行部110は、時間関数に基づいて乱数を発生させるようにしてもよい。この場合、対戦実行部110は、現在時刻を所与の数式に代入することにより得られる値を、乱数として取得するようにしてもよい。
【0074】
[4.ゲーム装置において実行される処理]
図7は、ゲーム装置10が実行する処理を示すフロー図である。制御部14は、戦術設定画面60を表示させる場合に、光ディスク36に記憶されたプログラムに従って、
図7に示す処理を実行する。下記に説明する処理が実行されることにより、
図5に示す機能ブロックが実現される。
【0075】
まず、
図7に示すように、制御部14は、戦術設定画面60を表示部32に表示させる(S1)。S1においては、制御部14は、予め定められた作戦、フォーメーション、及び出場メンバーに基づいて、仮の設定情報を設定して戦術設定画面60を表示させる。なお、ユーザが前回ゲームをプレイしたときの設定情報をハードディスク26等に記録しておき、当該設定情報に基づいて戦術設定画面60が表示されるようにしてもよい。
【0076】
制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、戦術設定画面60に表示された作戦ボタン62が選択されたか否かを判定する(S2)。作戦ボタン62が選択されたと判定された場合(S2;Y)、制御部14は、ユーザが指定した作戦を仮設定する(S3)。S3においては、制御部14は、予め用意された複数種類の作戦のうちからユーザが選択したものを、主記憶16に一時的に記憶させ、作戦ボタン62の表示を更新する。
【0077】
制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、戦術設定画面60に表示されたフォーメーションボタン64が選択されたか否かを判定する(S4)。フォーメーションボタン64が選択されたと判定された場合(S4;Y)、制御部14は、ユーザが指定したフォーメーションを仮設定する(S5)。S5においては、制御部14は、予め用意された複数種類のフォーメーションのうちからユーザが選択したものを、主記憶16に一時的に記憶させる。そして、制御部14は、フォーメーションボタン64の表示、及び、ピッチ画像66上の出場メンバー画像68の配置を更新する。
【0078】
制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、出場メンバーの入れ替え操作が行われたか否かを判定する(S6)。出場メンバーの入れ替え操作が行われたと判定された場合(S6;Y)、制御部14は、当該入れ替え操作に基づいて、出場メンバーを仮設定する(S7)。S7においては、制御部14は、ユーザが指定したキャラクタ54に基づいて、出場メンバーを示す情報を更新し、かつ、出場メンバー画像68及び控えメンバー画像70の表示を更新する。
【0079】
制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、シミュレーションボタン72が選択されたか否かを判定する(S8)。シミュレーションボタン72が選択されたと判定された場合(S8;Y)、制御部14は、現時点の仮の設定情報に基づいて、試合のシミュレーションを実行する(S9)。S9においては、制御部14は、現時点の仮の設定情報と、対戦相手の設定情報と、に基づいてシミュレーションを実行する。ここでは、制御部14は、乱数を考慮せずに一試合を仮想的に実行して(ゲーム空間40でキャラクタ54(56)を動作させて)対戦結果を算出する。
【0080】
制御部14は、S9の実行結果に基づいて、シミュレーション結果画像74を戦術設定画面60に表示させる(S10)。S10においては、制御部14は、シミュレーションの試合における各チームの得点、ボール支配率、キャラクタ54(56)の動作に関する情報を含むシミュレーション結果画像74を生成して、戦術設定画面60に表示させる。なお、ボール支配率は、例えば、キャラクタ54(56)がボール52を保持した時間を計測することにより算出される。
【0081】
制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、完了ボタン76が選択されたか否かを判定する(S11)。完了ボタン76が選択されたと判定されない場合(S11;N)、S2の処理に戻る。この場合、ユーザは、作戦、フォーメーション、及び出場メンバーの変更操作をすることになる。また、ユーザがシミュレーションボタン72を選択した場合には、変更後の仮の設定情報に基づいて、再度のシミュレーションが行われることになる。
【0082】
一方、完了ボタン76が選択されたと判定された場合(S11;Y)、制御部14は、試合を開始又は再開させ(S12)、本処理は終了する。制御部14は、ユーザが仮設定した作戦、フォーメーション、及び出場メンバーをゲーム状況データに格納する。以降、当該ゲーム状況データに格納された作戦、フォーメーション、及び出場メンバーに基づいて、試合が実行される。
【0083】
以上説明したゲーム装置10によれば、ユーザがシミュレーションボタン72を選択すると、現在の仮の設定情報に基づいて試合をシミュレーションし、得られた結果をシミュレーション結果画像74として表示させる。このため、実際に試合を開始又は再開する前に、ユーザは、現在の仮の設定情報の適否を把握することができる。特に、実施形態のように、ゲーム空間40内でキャラクタ54(56)が動作するゲームでは、キャラクタ54(56)がどのような動作を行うかを事前に予測することが難しく、設定情報の適否を判断しにくいため、キャラクタ54(56)の動作をシミュレーションしておくことで、設定情報を設定する際のユーザ支援を効果的に行うことができる。
【0084】
また、シミュレーションの試合は、実際の試合とは異なり乱数を考慮せずに行われるので、事前に試合結果が詳細に予測できることによる興趣性の低下を防止することができる。特に、実施形態のように、ゲーム空間40内でキャラクタ54(56)が動作するゲームでは、シミュレーションでのキャラクタ54(56)の動作がそのまま実際の試合でも表れてしまうと興趣性が著しく低下してしまうが、実際の試合ではランダム要素を考慮することで、シミュレーションでは想定できないような結果が得られるため、シミュレーションによるゲームの興趣性低下を軽減することができる。また、乱数を用いずにシミュレーションを実行することから、設定情報が同じであれば原則として同じ対戦結果が得られるため、ユーザが戦略や戦術を検討する際の判断基準となる情報が同一となり、ユーザ間での公平さを担保できる。
【0085】
また、シミュレーションの試合でのキャラクタ54(56)の動作内容をシミュレーション結果画像74として表示させることができる。特に、実施形態のようにゲーム空間40内でキャラクタ54(56)が動作するゲームでは、ポイントとなるキャラクタ54や注意すべきキャラクタ56を把握しておくことが重要になるので、ユーザは、戦術等を設定する段階で、これらの情報を把握することができる。
【0086】
なお、シミュレーションの試合でキャラクタ54(56)の動作内容は、ゲームの実行中に通知されるようにしてもよい。例えば、ゲーム中に、シミュレーションの試合において得点をする状況と類似の状況になったときに、シミュレーションにおいてシュートを行ったキャラクタの動作に関する情報をユーザに報知することにより、ユーザはキャラクタに所定の動作を行えばチャンスになることを認識でき、効果的なキャラクタ操作やボール操作を行うことができる。また例えば、守備側の場合であれば、シミュレーションの試合において対戦相手から得点された状況と類似の状況になったときに、ユーザに対して相手キャラクタのシュートやパスに対する警戒をさせることができる。
【0087】
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0088】
図8は、変形例の機能ブロック図である。
図8に示すように、以降説明する変形例では、実施形態の機能に加えて、提案部112、対戦相手設定変更部114、対戦相手過去情報取得部116、ユーザ過去情報取得部118、ゲームデータ選出部120、ゲームデータ通知部122、状況比較部124、評価情報通知部126、及び結果評価部128が実現される。これら各機能は、制御部14を主として実現される。なお、ゲーム装置10において、下記に説明する機能は省略するようにしてもよい。
【0089】
(1)例えば、現在、表示されている仮の設定情報以外の仮の設定情報を予めシミュレートしておき、対戦設定画面60において、他の設定内容をユーザに提案するようにしてもよい。この場合、現在の仮の設定情報よりも良い対戦結果が得られると予測される設定内容を、ユーザに提案するようにしてもよい。
【0090】
本変形例の設定情報取得部102は、対戦ゲームの開始前又は再開前において、複数種類の仮の設定情報(例えば、現在の仮の設定情報とは異なる内容の仮の設定情報)を取得する。複数種類の仮の設定情報は、ゲーム制作者等が予め設定したものがゲームデータ記憶部100に記憶されているようにしてもよいし、設定情報取得部102が任意のタイミングで生成するようにしてもよい。
【0091】
例えば、設定情報取得部102は、現時点の仮の設定情報に基づいて、他の仮の設定情報を複数生成するようにしてもよい。この場合、設定情報取得部102は、現時点の仮の設定情報の各項目の値を、予め定められた方法で変化させることによって、複数の仮の設定情報を生成することになる。例えば、設定情報取得部102は、現時点の仮の設定情報の各項目(例えば、作戦、フォーメーション、出場メンバー等)のうち、所定項目の値を所定値だけ変化させることで、複数の仮の設定情報を生成するようにしてもよい。更に、値を変化させる項目や各項目の値の変化量は、ランダムに決定されるようにしてもよいし、対戦相手の設定情報に基づいて決定されるようにしてもよいし、ユーザの過去の傾向や対戦相手の過去の傾向に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0092】
例えば、設定情報取得部102は、対戦相手チームの設定情報の各項目の値に基づいて、複数種類の仮の設定情報を生成するようにしてもよい。この場合、例えば、対戦相手チームの設定情報の各項目の値と、複数種類の仮の設定情報と、の関連付け(例えば、数式形式のデータ)がゲームデータ記憶部100に記憶されており、設定情報取得部102は、対戦相手チームの設定情報の各項目の値と、当該関連付けと、に基づいて、複数種類の仮の設定情報を生成する。
【0093】
また例えば、設定情報取得部102は、ユーザ又は対戦相手のゲームプレイの履歴を示す情報をゲームデータ記憶部100に記憶しておき、設定情報取得部102は、当該情報に基づいて、複数種類の仮の設定情報を生成するようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザ又は対戦相手のゲームプレイの履歴と、複数種類の仮の設定情報と、の関連付け(例えば、数式形式のデータ)がゲームデータ記憶部100に記憶されており、設定情報取得部102は、ユーザ又は対戦相手のゲームプレイの履歴を示す情報と、当該関連付けと、に基づいて、複数種類の仮の設定情報を生成する。
【0094】
シミュレート実行部104は、複数種類の仮の設定情報ごとに、対戦結果をシミュレートする。シミュレート方法自体は、実施形態と同様であり、シミュレート実行部104は、仮の設定情報ごとに、シミュレート結果を算出する。なお、当該シミュレートは、ユーザがシミュレーションボタン72を選択した場合に実行されるようにしてもよいし、シミュレーションボタン72の選択前に事前に実行されているようにしてもよい。
【0095】
本変形例のゲーム装置10は、提案部112を含む。提案部112は、複数種類の仮の設定情報の各々のシミュレート結果に基づいて、複数種類の仮の設定情報のうちの少なくとも一つをユーザに提案する。提案部112は、仮の設定情報を示す画像を表示部32に表示させたり、仮の設定情報を示す音声を音声出力部34から出力させたりすることによって、ユーザに対する提案を行う。
【0096】
図9は、変形例(1)の戦術設定画面60の一例を示す図である。
図9に示すように、例えば、シミュレーション結果画像74において、他の設定情報をユーザに提案するための提案画像78が表示される。提案画像78は、他の設定内容、及び、当該設定内容に基づいて行われたシミュレート結果が表示される。なお、提案画像78は、一つのみ表示されるようにしてもよいし、複数表示されるようにしてもよい。即ち、設定情報が一つのみ提案されるようにしてもよいし、複数の設定情報が提案されるようにしてもよい。なお、提案画像78が表示される条件として、ユーザが実行したシミュレーションの対戦結果が、ユーザチームの敗戦又は引き分けを示していた場合に限定してもよい。そして、この場合、提案画像78で提案される内容は、シミュレート結果としてユーザチームが勝利となるものが選択されるようにしてもよい。また、提案画像78は、ユーザが設定した設定情報のうちのできるだけ多くの情報を維持したままで、ユーザチームが勝利となる設定を提案するものであってもよい。例えば、作戦、出場メンバーはユーザの設定をそのまま生かし、フォーメーションだけを変えることで、シミュレーション結果が敗戦から勝利に変わる設定があれば、それをユーザに提案するようにしてもよい。この構成によれば、ユーザは自分が想定している戦略や戦術の一部を変更するだけで、より望ましい結果になることを認識できるので、全く異なる設定情報が提示されるよりも、対戦のコツや自分の作戦の弱点等を効果的に学習することができ、よりゲームに対する興味が喚起される。
【0097】
設定内容変更部108は、提案部112による提案後に行われるユーザによる設定操作に基づいて、設定情報の設定内容を変更する。ユーザは、提案画像78を確認したうえで、作戦、フォーメーション、及び出場メンバーを変更することになる。例えば、ユーザが提案画像78を選択することで、当該選択された提案画像78が示す設定情報の内容が設定されるようにしてもよい。なお、その後、ユーザがシミュレーションボタン72を再度選択した場合には、その時の設定内容に基づいてシミュレーションが実行される点は実施形態と同様である。また、この場合に、更に別の設定内容がユーザに提案されるようにしてもよい。
【0098】
変形例(1)によれば、ユーザに設定内容を提案することができるため、設定情報の設定に関するユーザ支援を効果的に行うことができる。特に、実施形態のように、ユーザが設定すべき項目が複数あるゲームについては、設定内容を提案することで、より効果的なユーザ支援を行うことができる。
【0099】
なお、変形例(1)では、シミュレーション結果画像74において、他の設定情報が提案される場合を説明したが、ユーザがシミュレーションボタン72を選択する前に、予め他の設定情報が提案されるようにしてもよい。また、シミュレーション結果画像74の表示が消去された後に、他の設定情報が提案されるようにしてもよい。
【0100】
(2)また例えば、戦術設定画面60において、ユーザが対戦相手の仮の設定内容を変更したうえでシミュレーションを実行するようにしてもよい。即ち、対戦相手チームの仮の作戦やフォーメーションをユーザが指定しつつ、シミュレーションを行えるようにしてもよい。
【0101】
変形例(2)では、設定情報は、ユーザの対戦に関する設定内容を示すユーザ設定情報と、対戦相手の対戦に関する設定内容を示す対戦相手設定情報と、を含む。設定情報取得部102は、対戦ゲームの開始前又は再開前において、仮のユーザ設定情報及び仮の対戦相手設定情報を取得することになる。
【0102】
ユーザ設定情報及び対戦相手設定情報に含まれる各項目は同じであり、例えば、作戦、フォーメーション、及び出場メンバーが格納される。対戦相手設定情報は、対戦相手が指定した設定内容又は所与の方法で自動的に決定された設定内容が含まれる。例えば、対戦相手設定情報は、対戦相手の過去の傾向に基づいて設定されるようにしてもよいし(例えば、過去に対戦相手が選択した設定のうちで最も使用された設定)、ユーザの過去の傾向に基づいて設定されるようにしてもよい。また、対戦相手設定情報は、過去に対戦相手が選択した設定のうちで共通する設定が比較的少ない場合は、設定内容がランダムに決定されるようにしてもよい。
【0103】
本変形例のゲーム装置10は、対戦相手設定変更部114を含む。対戦相手設定変更部114は、シミュレート実行部104によるシミュレート前において、ユーザによる設定操作に基づいて、仮の対戦相手設定情報の設定内容を変更する。
【0104】
図10は、変形例(2)の戦術設定画面60の一例を示す図である。
図10に示すように、ここでは、対戦相手チームの仮の作戦を変更するための作戦ボタン80と、対戦相手チームの仮のフォーメーションを変更するためのフォーメーションボタン82と、が表示される。ユーザは、作戦ボタン80を選択することで、シミュレーションにおける対戦相手チームの仮の作戦を変更する。また、ユーザは、フォーメーションボタン82を選択することで、シミュレーションにおける対戦相手チームの仮のフォーメーションを変更する。
【0105】
また、ユーザは、対戦相手チームの入れ替え操作を行うことで、シミュレーションにおける対戦相手チームの出場メンバーを変更することもできる。例えば、ユーザは、対戦相手チームの出場メンバー画像68B及び控えメンバー画像70Bを選択することで、対戦相手チームの出場メンバーを変更する。なお、ここでは、対戦相手チームの作戦、フォーメーション、及び出場メンバーは、実際に変更されるわけではなく、あくまで、シミュレーションで使用されるものが変更されるだけである。
【0106】
シミュレート実行部104は、設定情報取得部102により取得された仮のユーザ設定情報と、対戦相手過去情報取得部116により変更された仮の対戦相手設定情報と、に基づいて、対戦結果をシミュレートする。シミュレート実行部104によるシミュレーション方法自体は、実施形態と同様であり、例えば、仮のユーザ設定情報及び仮の対戦相手設定情報の各項目の値を、シミュレーションアルゴリズムの数式に代入することによって、対戦結果をシミュレートする。
【0107】
変形例(2)によれば、ユーザが対戦相手の仮の設定内容を変更したうえでシミュレーションを実行することができる。即ち、ユーザが、対戦相手チームの戦術等を予想してシミュレーションを行うことができるため、事前に多様な分析を行いつつ、ユーザチームの作戦やフォーメーション等を設定することができる。特に、実施形態のように、対戦相手設定情報に複数の項目があるゲームについては、対戦相手がとるであろう戦術等をユーザに考慮させたうえでシミュレーションを行うことができるので、より効果的なユーザ支援を行うことができる。
【0108】
(3)また例えば、シミュレーションにおいて、対戦相手の過去の傾向を考慮するようにしてもよい。即ち、例えば、対戦相手がユーザである場合に、当該対戦相手ユーザの過去のプレイスタイルを考慮したうえでシミュレーションが実行されるようにしてもよい。
【0109】
本変形例のゲーム装置10は、対戦相手過去情報取得部116を含む。対戦相手過去情報取得部116は、対戦ゲームにおける対戦相手の過去の対戦内容に関する対戦相手過去情報を記憶する手段の記憶内容を取得する。対戦相手過去情報は、過去の対戦における対戦相手のプレイ内容(例えば、コンピュータ又は対戦相手ユーザの操作履歴)に関する情報であり、例えば、対戦相手チームのキャラクタ56の過去の動作(動作履歴)に関する情報である。即ち、対戦相手過去情報は、過去の対戦における対戦相手のプレイ類型を示す情報といえる。
【0110】
シミュレート実行部104は、対戦相手過去情報に基づいて対戦結果をシミュレートする。例えば、シミュレート実行部104は、対戦相手過去情報が示す値を、シミュレーションアルゴリズムの数式に代入することによって、対戦結果をシミュレートする。ここでは、シミュレート実行部104は、対戦相手過去情報に基づいて、シミュレーションの試合におけるキャラクタ56の動作を計算することになる。即ち、シミュレート実行部104は、対戦相手のプレイ類型に基づいて定まる動作を、対戦相手チームのキャラクタ56に行わせる。
【0111】
変形例(3)によれば、対戦相手の過去の傾向を考慮したうえで、シミュレーションを行うことができるので、より正確なシミュレーション結果を得ることができる。特に、実施形態のようにゲーム空間40でキャラクタ54(56)が動作するゲームでは、対戦相手によってプレイスタイルが大きく異なる。このため、対戦相手の傾向を考慮したうえでシミュレーションを行うことで、より効果的なユーザ支援を行うことができる。
【0112】
(4)例えば、シミュレーションにおいて、ユーザの過去の傾向を考慮してもよい。即ち、ユーザのプレイスタイルを考慮してシミュレーションを実行するようにしてもよい。
【0113】
本変形例のゲーム装置10は、ユーザ過去情報取得部118を含む。ユーザ過去情報取得部118は、対戦ゲームにおけるユーザの過去の対戦内容に関するユーザ過去情報を記憶する手段の記憶内容を取得する。ユーザ過去情報は、過去の対戦におけるユーザのプレイ内容(過去のユーザの操作内容の履歴)に関する情報であり、例えば、ユーザチームのキャラクタ56の動作(例えば、ユーザの操作対象の動作履歴)に関する情報である。即ち、ユーザ過去情報は、過去の対戦におけるユーザのプレイ類型を示す情報といえる。
【0114】
シミュレート実行部104は、ユーザ過去情報に基づいて対戦結果をシミュレートする。シミュレート実行部104は、ユーザ過去情報が示す値を、シミュレーションアルゴリズムの数式に代入することによって、対戦結果をシミュレートする。ここでは、シミュレート実行部104は、ユーザ過去情報に基づいて、シミュレーションの試合におけるキャラクタ54の動作を決定することになる。即ち、シミュレート実行部104は、ユーザのプレイ類型に基づいて定まる動作を、ユーザチームのキャラクタ54に行わせる。
【0115】
変形例(4)によれば、ユーザの過去の傾向を考慮したうえで、シミュレーションを行うことができるので、より正確なシミュレーション結果を得ることができる。特に、実施形態のようにゲーム空間40でキャラクタ54(56)が動作するゲームでは、ユーザによってプレイスタイルが大きく異なる。このため、ユーザのプレイ傾向や操作の癖を考慮したうえでシミュレーションを行うことで、より効果的なユーザ支援を行うことができる。
【0116】
(5)また例えば、シミュレーション結果に基づいて選出されるキャラクタ54(56)を、実際の対戦中に強調表示するようにしてもよい。例えば、シミュレーションの試合において活躍したり得点をあげたりしたキャラクタ54(56)を、対戦中に強調表示するようにしてもよい。
【0117】
対戦実行部110は、設定情報と、ユーザの対戦に関わる複数のゲームデータ(例えば、ユーザチームのキャラクタ54)と、対戦相手の対戦に関わる複数のゲームデータ(例えば、対戦相手チームのキャラクタ56)と、に基づいて対戦ゲームを実行する。ゲームデータとは、対戦で使用されるデータ(使用対象データ)であり、例えば、ゲームキャラクタデータ、ゲームカードデータ、及びゲームアイテムデータの少なくとも一つである。
【0118】
本変形例のゲーム装置は、ゲームデータ選出部120及びゲームデータ通知部122を含む。ゲームデータ選出部120は、シミュレート実行部104によるシミュレート結果に基づいて、ユーザの対戦に関わる複数のゲームデータ(例えば、ユーザチームのキャラクタ54)及び対戦相手の対戦に関わる複数のゲームデータ(例えば、対戦相手チームのキャラクタ56)のうちから少なくとも一つを選出する。
【0119】
ゲームデータ選出部120は、シミュレート結果において所与の選出条件を満たしたキャラクタ54(56)を選出する。例えば、ゲームデータ選出部120は、シミュレーションの試合において所与の結果(所与のゲームイベント)が発生した場合に使用されたキャラクタ54(56)を選出する。より具体的には、ゲームデータ選出部120は、シミュレーションの試合において所与の動作をしたキャラクタ54(56)を選出する。所与の動作とは、キャラクタ54(56)が実行可能な複数種類の動作のうちの所定種類の動作であり、例えば、得点をあげること、得点をあげたキャラクタ54(56)を支援したこと(例えば、パスをすること。いわゆる、アシストをすること。)等である。
【0120】
ゲームデータ通知部122は、対戦ゲームの実行中において、ゲームデータ選出部120により選出された対戦に関わるゲームデータを通知する。ゲームデータ通知部122は、ゲームデータ選出部120が選出したキャラクタ54(56)を示す画像(キャラクタ54(56)に関連付けた画像)を表示部32に表示させたり、ゲームデータ選出部120が選出したキャラクタ54(56)を示す音声を音声出力部34から出力したりする。
【0121】
変形例(5)によれば、シミュレーションの試合において活躍したり得点をあげたりしたキャラクタ54(56)を、対戦中に強調表示するので、ユーザに対して注目すべきキャラクタ54(56)や試合運びを行う上で活用すべきキャラクタ54(56)を効果的に報知することができる。特に、実施形態のように、ゲーム空間40でキャラクタ54(56)が常に動作するゲームでは、特定のキャラクタ54(56)の動作次第で対戦結果が大きく変わることが多いので、シミュレーションにおいてポイントとなる動作をしたキャラクタ54(56)を通知することで、ユーザに注目をさせ、そのキャラクタの効果的な操作を促すことができるため、ユーザのゲームプレイを支援することができる。
【0122】
(6)また例えば、対戦中において、シミュレーションの試合に似た状況になった場合には、その旨をユーザに通知するようにしてもよい。特にシミュレーションの試合の中の特定の状況、例えば、得点シーンの直前の状況と、実行中の試合の状況と、が類似する場合には、得点の可能性がある旨をユーザに通知するようにしてもよい。
【0123】
本変形例では、シミュレート実行部104は、対戦ゲームのシミュレートを行う場合、当該シミュレートした対戦ゲームの状況を示すデータをゲームデータ記憶部100に記録する。例えば、シミュレート実行部104は、シミュレーションにおける対戦ゲームの複数の時点における状況を示すデータを、時系列的にゲームデータ記憶部100に記録する。当該データに含まれる項目は、ゲーム状況データと同様であってよい。
【0124】
本変形例のゲーム装置10は、状況比較部124及び評価情報通知部126を含む。状況比較部124は、対戦ゲームの実行中において、対戦ゲームの現在の状況と、シミュレート実行部104がシミュレートした対戦ゲームの状況と、を比較する。状況比較部124は、これらの状況が同一又は類似しているか否かを判定する。
【0125】
例えば、状況比較部124は、ゲーム状況データに格納された各項目の値と、シミュレーションにおける対戦ゲームの状況を示すデータに格納された各項目の値と、のずれが基準値以下であるか否かを判定する。この場合、状況比較部124は、両者の値の差を算出することによって、ずれを算出するようにしてもよいし、両者の各項目の値をn次元のベクトルとみなし、2つのベクトルの余弦(cosθ)を算出することによって、ずれを算出するようにしてもよい。当該算出されるずれは、状況の類似具合を表す類似度ともいえる。当該ずれが基準以下である場合、両者の状況が同一又は類似となる。
【0126】
例えば、状況比較部124は、シミュレート実行部104がシミュレートした対戦ゲームにおいて特定の状況(例えば、得点シーン)が発生した場合、当該シミュレートされた対戦ゲームにおける当該特定の状況よりも過去の状況と、実行中のゲームの現在の状況と、を比較するようにしてもよい。特定の状況とは、ゲーム状況データに格納された各項目の値が所与の値となる状況又は各項目の値が所与の変化をする状況であり、例えば、所与のゲームイベント(例えば、得点イベント)が発生する状況である。
【0127】
この場合、状況比較部124は、シミュレーションにおいて特定の状況が発生した時点よりも前の時点の状況と、実行中のゲームの状況と、を比較する。例えば、状況比較部124は、特定の状況が発生した時点よりも前の時点の状況及び更に前の時点の状況の組み合わせと、実行中のゲームの一時点(例えば、現時点)の状況及び当該時点よりも前の時点の状況の組み合わせと、を比較するようにしてもよい。また例えば、状況比較部124は、特定の状況が発生した時点に基づいて定まる期間(例えば、特定の状況が発生した時点の所定時間前から当該時点までの期間)内の状況変化と、現時点に基づいて定まる期間(例えば、現時点の一定時間前から現時点までの期間)内の状況変化と、を比較するようにしてもよい。これらの場合も、状況が同一又は類似かどうかを判定する方法は、上記説明した方法と同様である。
【0128】
評価情報通知部126は、対戦ゲームの実行中において、状況比較部124の比較結果に基づいて、対戦ゲームの状況に関する評価情報をユーザに通知する。評価情報通知部126は、ゲームの状況に関する評価を示す画像を表示部32に表示させたり、ゲームの状況に関する評価を示す音声を音声出力部34から出力させたりすることによって、評価情報を通知する。
【0129】
図11は、ゲームの実行中に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
図11に示すように、ゲーム画面84には、ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子を示す画像が表示される。シミュレーションにおける状況と同一又は類似した状況になったと判定された場合、評価情報通知部126は、ゲーム画面84に評価情報86を表示させる。評価情報86は、ゲームの状況を表すメッセージ(例えば、シミュレーションの得点シーンに類似していれば、「今がチャンス!」等のメッセージ)、又は、現時点の状況においてユーザがすべき操作を示すメッセージ等である。
【0130】
例えば、ゲームデータ記憶部100に、ゲームの状況と、通知すべき評価情報86(例えば、画像データや音声データ)と、の関連付けが記憶されているものとする。当該関連付けのデータは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。評価情報通知部126は、状況比較部124が同一又は類似すると判定したゲームの状況に関連付けられた評価情報86を通知することになる。
【0131】
例えば、評価情報通知部126は、対戦ゲームの実行中において、状況比較部124の比較結果に基づいて、シミュレートされた対戦ゲームにおける特定の状況に関する情報を、評価情報86としてユーザに通知するようにしてもよい。この場合、例えば、予め定められた複数種類の特定の状況の各々と、通知すべき評価情報86と、の関連付けがゲームデータ記憶部100に記憶されており、評価情報通知部126は、同一又は類似すると判定された特定の状況に関連付けられた評価情報86を通知することになる。この場合、評価情報86は、特定の状況(例えば、得点シーン)に関するものとなる。
【0132】
なお、評価情報86は、任意のタイミングで消去される。例えば、評価情報86が表示されて所定時間が経過した後に消去されるようにしてもよいし、ユーザが所与の操作を行った場合に消去されるようにしてもよい。また例えば、キャラクタ54(56)が所与の動作が発生した場合に消去されるようにしてもよいし、シミュレーションにおける状況と同じ状況(例えば、得点シーン)が発生した場合、逆に、シミュレーションにおける状況が達成されなかった場合(例えば、ゴール前でボールを取られた、シュートを外した等)に消去されるようにしてもよい。
【0133】
変形例(6)によれば、対戦中において、シミュレーションの試合に似た状況になった場合に、試合の状況をユーザに通知することができる。例えば、シミュレーションの試合での得点シーンの直前の状況と、実行中の試合の状況と、が類似する場合には、得点の可能性をユーザに通知する(例えば、「今がチャンス」といった文字表示や音声ガイド等)ことで、実行中のゲームが得点チャンスであることをユーザが認識でき、効果的なキャラクタ操作やボール操作を行うことができる。
【0134】
なお、評価情報86は、シミュレーションと同一又は類似する状況が発生した時点、又は、この時点よりも後において表示されるようにすればよい。また例えば、上記とは逆に、シミュレーションの状況とのずれが基準以上である場合(即ち、シミュレーションの状況との類似が見られず、
図3等の戦術設定が有効に生かされていないと判断される場合)に、評価情報86を表示させるようにしてもよい。更に、この場合、評価情報86を頻繁に表示させるとユーザは煩わしさを感じる可能性があるので、例えば、上記のずれが基準以上となっている継続時間が閾値を超えた場合にのみ通知するようにしてもよい。この場合、実際のゲームの進行と、シミュレーションの内容と、の類似が少なく設定情報が有効に活用されていない場合に、その旨をユーザに報知することで、ユーザに戦術やキャラクタ操作の変更を促すことができる。
【0135】
また例えば、実行中のゲームにおいて、シミュレーションにおいて特定の状況が発生した時点よりも前の時点までの状況は同一又は類似であり、その後の状況が異なっている場合に、評価情報86を表示させるようにしてもよい。例えば、シミュレーションにおいて、「DFからボールを受けた選手」が「中央突破をした」から「得点を決めることができた」場合に、実際のゲームプレイが、「DFからボールを受けた選手」が「サイドの選手にパスをした」ために「ボールが奪われて得点できなかった」場合は、ボールが奪われた後に、「今のは中央突破をするといいよ!」のようなガイドを表示するようにしてもよい。
【0136】
(7)また例えば、シミュレート結果が非常に悪かったにも関らず、ユーザが試合で勝利を収めた場合には、ユーザをより高く評価するようにしてもよい。逆に、シミュレート結果が非常に良かったにも関らず、ユーザが試合で負けてしまった場合には、ユーザの評価を低くするようにしてもよい。
【0137】
本変形例のゲーム装置10は、結果評価部128を含む。結果評価部128は、対戦ゲームが開始又は再開された場合、対戦ゲームの実行結果と、対戦ゲームで用いられる設定情報に基づいて実行されたシミュレート結果と、に基づいて、ユーザを評価する。対戦ゲームで用いられる設定情報に基づいて実行されたシミュレート結果とは、完了ボタン76が選択される直前に表示されたシミュレーション結果画像74が示すシミュレート結果であり、実際の対戦ゲームで使用された設定情報と同じ設定内容に基づいて実行されたシミュレート結果である。
【0138】
例えば、結果評価部128は、シミュレート結果が示す対戦結果と、対戦ゲームの実際の対戦結果と、のずれに基づいてユーザを評価するようにしてもよい。当該ずれは、例えば、対戦結果に含まれる各項目の値(例えば、得点差やボール支配率)の差である。この場合、結果評価部128は、当該ずれの大きさに基づいて、ユーザの評価を決定するようにしてもよい。例えば、結果評価部128は、当該ずれが大きくなるほど、ユーザの評価を高く又は低くするようにしてもよい。より具体的には、結果評価部128は、シミュレート結果が示す対戦結果が不利であるほど、ユーザの評価を高くして、シミュレーション結果が示す対戦結果が有利であるほど、ユーザの評価を低くするようにしてもよい。
【0139】
変形例(7)によれば、シミュレート結果が非常に悪かったにも関らず、ユーザが試合で勝利を収めた場合に、ユーザをより高く評価することができ、逆に、シミュレート結果が非常に良かったにも関らず、ユーザが試合で負けてしまった場合に、ユーザの評価を低くすることができる。
【0140】
なお、ユーザに関するパラメータ(ポイントやランキング等)を変化させること、ユーザにゲームデータ(アイテム等)を付与すること、所与の画像や音声を出力すること、が評価に相当するようにしてもよい。例えば、ユーザがポイントやアイテムを獲得することで、次の対戦を有利に進めるようになる場合には、ユーザが、あえて不利なシミュレート結果の設定情報で対戦に挑戦することの動機付けを与えることができる。また例えば、ユーザが、あえて不利なシミュレート結果の設定情報を使って対戦に挑戦して勝利を収めた場合に、当該ユーザのランキングを上げることでも、ユーザが不利な条件で挑戦する動機付けを与えることができる。
【0141】
(8)また例えば、実施形態と上記変形例の二つ以上とを組み合わせるようにしてもよい。
【0142】
また例えば、対戦相手がコンピュータではなくユーザである場合に、対戦前におけるシミュレーションを延々と行うと対戦相手のユーザを待たせることになるので、これを回避するために、シミュレーションを実行可能な時間を制限したり(即ち、戦術設定の時間制限を設けたり)、シミュレーションを実行可能な回数に制限を加えるようにしてもよい。
【0143】
また例えば、仮の設定情報ごとに異なるシミュレーションアルゴリズムが用意されているようにしてもよい。この場合、シミュレート実行部104は、仮の設定情報に対応するシミュレーションアルゴリズムに基づいて、対戦結果をシミュレートすることになる。
【0144】
また例えば、設定情報に含まれる項目は、上記説明した例に限られない。設定情報に含まれる項目は、当該項目の値が変化すると対戦ゲームにおいてユーザが有利又は不利になるものであればよく、例えば、対戦ゲームの難易度や試合時間であってもよい。他にも例えば、ユーザが使用するチームが設定情報に含まれているようにしてもよい。
【0145】
また例えば、ゲーム装置10において必須の機能は、設定情報取得部102、シミュレート実行部104、シミュレート結果通知部106、設定内容変更部108、及び対戦実行部110であり、他の機能は省略するようにしてもよい。
【0146】
また例えば、ゲーム空間40を、
図2に示すような3次元空間として説明したが、本発明に係るゲーム空間は、キャラクタ54(56)やボール52の位置等が、2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
【0147】
また、上記においては、スタンドアロン型ゲームを例に挙げて説明したが、ソーシャルネットワークを利用したオンライン型ゲーム(例えば、いわゆるブラウザ型ゲームやネイティブアプリ型ゲームを含む)等の種々のゲームに本発明を適用するようにしてもよい。
【0148】
また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のゲームを実行するゲーム装置にも適用することができる。本発明は、設定情報に基づいて実行される対戦ゲームに適用できる。例えば、野球ゲームを実行するゲーム装置にも、本発明を適用してもよい。この場合も上記と同様に、例えば、ユーザの野球チームに設定される作戦やスターティングメンバーに基づいてシミュレーションが実行されることになる。
【0149】
他にも例えば、各種スポーツゲーム(例えば、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又は、アメリカンフットボールゲーム)、シューティングゲーム(例えば、FPS;First Person Shooting)やアクションゲーム、ロールプレイングゲーム等を実行するゲーム装置にも、本発明を適用することができる。