(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フォトニック結晶の単位パターンは四角格子形態、三角格子形態、アルキメデス格子形態、擬似ランダム形態、ランダム形態中の少なくともいずれか一つの形態で配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光素子。
前記フォトニック結晶のホールの半径は0.325a〜0.40a(ここで、aは前記ホールのパターン周期)であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の発光素子。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明が、多様な修正及び変形が可能である一方、その特定実施例が図面に例示されな
がら、以下において詳述されることになる。本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の思想と合致する全ての修正
、均等及び代用を含む。なお、同一参照番号は図面の説明により同一要素を現わす。図面
における各層及び領域の寸法は、説明の明確性を図り誇張して図示されている。
【0015】
また、層、領域または基板等の要素が他の構成要素の“上/上部"または”下/下部“に
存在すると記述される場合は、他の構成要素の上または下に直接、または他の要素が介在
して間接的に存在することを皆含む。例えば、表面のような構成要素の一部が“内部”と
表現される場合は、その要素の他の部分に比べて素子の外側から離れていることを意味す
ることと理解されるべきである。また、各要素の方向の説明は図面を基準とするものであ
る。まあ、“直接/directly”という用語は間に介在される要素が素材しないことを意味
する。また、“及び/または”という用語は記述される関連項目中の1つまたはそれ以上
のいずれかの組合せ及び全ての組合せを含む。
【0016】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明の実施例による発光素子及びその製造方法
を説明する。
【0017】
図1は第1実施例による水平型発光素子の説明図で、
図2は第2実施例による垂直型発
光素子の説明図である。
【0018】
図1に示すように、水平型発光素子は基板10と、前記基板10の上に形成された非ド
ープ(アンドープド;un-doped)GaN層24と、前記非ドープGaN層24の上に形成
された発光半導体層20と、前記発光半導体層20の上に形成されたオーミック接触層3
0が含まれる。
【0019】
前記発光半導体層20は第1導電型半導体層23、活性層22及び第2導電型半導体層
21が含まれる。前記発光半導体層20はGaN系の物質からなることができる。
【0020】
ここで、前記第1導電型半導体層23がn−半導体層である場合、前記第2導電型半導
体層21はp−半導体層にすることができ、また前記第1導電型半導体層23がp−半導
体層である場合、前記第2導電型半導体層21はn−半導体層にすることができる。
【0021】
また、前記第1導電型半導体層23の上には第1電極層110を形成することができ、
前記オーミック接触層30の上には第2電極層120を形成することができる。
【0022】
前記非ドープGaN層24及び発光半導体層20を含むGaN系の物質層は前記基板1
0の上で成長されるが、例えば、前記基板10はGaN系の物質層より相対的に屈折率が
低いサファイア基板を用いることができる。前記GaN系の物質層は約5μmの厚さを有
するので、多様な高次モードが存在する導波管(waveguide)にみなすことができる。
【0023】
前記のような水平型発光素子では、前記活性層22の全体領域に均一に電流を供給し、
前記第2電極層120と前記第2導電型半導体層21の間の抵抗を減少させるために、オ
ーミック接触層30が前記第2導電型半導体層21の上に形成される。例えば、前記オー
ミック接触層30はITOのような透明電極層からなることができる。
【0024】
一方、水平型発光素子で、ホール構造または柱構造を形成してフォトニック結晶(phot
onic crystal)40を導入する際、エッチング可能な最大深さは前記オーミック接触層3
0及び第2導電型半導体層21の厚さの和の値となる。
【0025】
前記オーミック接触層30及び第2導電型半導体層21の厚さの和の値は100〜30
0nmで、よってエッチング可能深さが100〜300nmに制限されるので、優れる光
抽出効率を有するフォトニック結晶40の形成には限界がある。
【0026】
図2に示すように、垂直型発光素子は第2電極層50と、前記第2電極層50の上に形
成された発光半導体層20が含まれる。
【0027】
前記発光半導体層20は第1導電型半導体層23、活性層22及び第2導電型半導体層
21が含まれる。図示されないが、前記第1導電型半導体層23の上には前記第2電極層
50と前記活性層22に電源を提供するための第1電極層を形成することができる。
【0028】
前記垂直型発光素子では、基板の上にGaN系の物質層を形成した後基板をレーザー吸
収法により除去する。そして、前記第2導電型半導体層21に、反射層と電極の役割を同
時に担うことができる多層金属薄膜からなる第2電極層50を形成する。
【0029】
例えば、前記第2電極層50はオーミック接触層、反射層、導電性基板の多層構造から
なることができ、NiまたはAgのような金属を含むことができる。
【0030】
前記垂直型発光素子は、前記水平型発光素子と比べて、基板を除去して前記第2電極層
50を形成する。
【0031】
よって、垂直型発光素子では電流が垂直方向に流れるので、電流が前記活性層22に到
達する可能性が高く、前記第2電極層50を介在して熱の排出が容易である長所がある。
【0032】
また、前記垂直型発光素子は、前記活性層22の上側に第1導電型半導体層23が配置
されるので、光抽出効率を高めることができるフォトニック結晶40の導入が容易である
長所がある。
【0033】
即ち、前記活性層22の上に形成されるn-GaN層はp−GaN層より厚く形成され
るので、前記フォトニック結晶40の導入の際、エッチング可能な最大深さが大きい。
【0034】
前記フォトニック結晶40で、光抽出効率は、飽和の前まではエッチング深さに比例す
る場合が多いので、エッチング可能な最大深さが大きいということは、効果的なフォトニ
ック結晶40の形成において制約が少ないという長所がある。
【0035】
また、垂直型発光素子は、活性層22と第2電極層50の間の距離が前記活性層22よ
り放出される光の波長より短いという特徴がある。即ち、垂直型発光素子は、前記第2導
電型半導体層21の厚さが光の波長より小さいという特徴がある。
【0036】
前記活性層22が前記電極層50と近い位置に配置されるので、前記第2電極層50の
反射特性を利用して放射パターンを調節でき、光抽出効率を高めることも可能である。
【0037】
一方、光抽出効率は回折効率と密接に関連する。例えば、ホール構造または柱構造のフ
ォトニック結晶40での単位パターンの周期(lattice constant)、例えば直径のような単
位パターンの大きさ、単位パターンの深さまたは高さ、単位パターンが平面上に配置され
た形態等の構造因子によって、前記回折効率が変化する。
【0038】
図3〜
図7は、ホール構造または柱構造に形成された単位パターンが平面上に配置され
た形態を例示的に示す図面である。
【0039】
図3には複数の単位パターン41が四角格子形態に配置されているのが図示され、
図4
には複数の単位パターン41が三角格子形態に配置されているのが図示され、
図5には複
数の単位パターン41がアルキメデス格子形態に配置されているのが図示され、
図6には
複数の単位パターン41の平均距離が一定である擬似ランダム形態に配置されているのが
図示され、
図7には複数の単位パターン41がランダム形態に配置されているのが図示さ
れている。
【0040】
図3〜
図7に図示されているような単位パターン41が平面上に配置された形態は、前
記回折効率に影響を与え、それにより光抽出効率が変化する。
【0041】
図8〜
図10は、
図2の垂直型発光素子に対して構造因子を変化させて、光抽出効率に
対するシミュレーションを行った結果を示している。
【0042】
図8に示すように、半径が250nm、エッチング深さが225nmのホールを単位パ
ターン41として、前記単位パターン41の間の間隔、即ちパターン周期(lattice const
ant)を変化させた場合、略周期が800nmの付近で最大光抽出効率が得られることが分
かる。この時、光抽出効率の相対的増大比は約2倍となる。
【0043】
図9に示すように、エッチング深さが225nm、パターン周期aが800nmのホー
ルを単位パターン41として、前記単位パターン41のホール半径を変化させた場合、ホ
ールの半径が0.325a〜0.40aである時優れる光抽出効率を現わし、ホールの半径
が0.35aである時光抽出効率が最大となることが分かる。この時、光抽出効率の相対
的増大比は約2.4倍となる。
【0044】
図10に示すように、半径が0.25aのホールを単位パターン41としてホールのエ
ッチング深さとパターン周期aを変化させた場合、パターン周期aが600nmではエッ
チング深さとはほとんど関係なく光抽出効率が優れているが、パターン周期aが1400
nmではエッチング深さが450nm〜900nmの場合光抽出効率が優れていることが
分かる。
【0045】
図1で説明した水平型発光素子の場合エッチング深さが100〜300nmに制限され
るので、パターン周期が1000nm以上になる場合光抽出効率が減少することがある。
しかし、
図2で説明した垂直型発光素子の場合、ホールのエッチング深さを450nm以
上にできるので、パターン周期aが変化しても光抽出効率がほとんど減少しない。
【0046】
上述のようなシミュレーション結果は、様々な構造を有する垂直型発光素子でも類似の
結果を示している。
【0047】
図11〜
図14は、第3実施例による発光素子及びその製造方法の説明図である。
図1
1に示すように、基板10の上に非伝導性半導体層24、発光半導体層20、第2電極層
50を形成する。
【0048】
前記発光半導体層20は第1導電型半導体層23、活性層22及び第2導電型半導体層
21が含まれる。
【0049】
そして、前記第2電極層50はオーミック接触層51、反射層52及び導電性基板53
を含む。例えば、前記導電性基板53はチタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、
アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、及びタングステン(W)中の少なくともいず
れか1つからなることができ、前記反射層52は光反射率が高い銀(Ag)、アルミニウム
(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)中の少なくともいずれか1つを含む金属からなること
ができ、前記オーミック接触層51は透明電極層からなることができ、例えば、ITO、
ZnO、RuO
x、TiO
x、IrO
x中の少なくともいずれか1つからなることができ
る。
【0050】
前記非伝導性半導体層24は、前記第1導電型半導体層23及び第2導電型半導体層2
1より電気伝導性が著しく低い物質から形成された半導体層を指し、例えば、前記非伝導
性半導体層24は非ドープGaN層にすることができる。
【0051】
図12に示すように、前記基板10を前記非伝導性半導体層24から除去する。例えば
、前記基板10はレーザー吸収法により除去することができる。
【0052】
そして、
図13に示すように、前記非伝導性半導体層24及び第1導電型半導体層23
を選択的に除去して、前記第1導電型半導体層23の一部が上側方向に露出されるように
し、前記第1導電型半導体層23の上に第1電極層60を形成する。
【0053】
そして、前記非伝導性半導体層24の上面にフォトニック結晶40を形成する。ここで
、フォトニック結晶40は光抽出効率を高めることができる多様な形態のパターンを含む
光抽出構造である。
【0054】
前記フォトニック結晶40は前記非伝導性半導体層24の上面をホールまたは柱の形態
に選択的にエッチングして形成する。
【0055】
この時、前記ホールまたは柱を形成する時前記非伝導性半導体層24をλ/n以上の深
さにエッチングする場合、光抽出効率がより向上される。ここで、nは前記非伝導性半導
体層24の屈折率であり、λは前記活性層22より放出される光の波長である。ここで、
前記エッチング深さは、本発明の他の実施例にも適用することができる。
【0056】
本発明の第3実施例では、第1導電型半導体層23と基板10の間に配置された前記非
伝導性半導体層24を除去せず、前記非伝導性半導体層24の上にフォトニック結晶40
を形成する。
【0057】
前記非伝導性半導体層24は500nm〜2000nmの厚さに形成されるので、多様
なエッチング深さを有する単位パターンを形成することができる。
【0058】
図14は
図13の構造を上から見た図面であり、前記フォトニック結晶40及び第1電
極層60が形成された形態が図示されている。
【0059】
図示されないが、前記非伝導性半導体層24の厚さが薄く形成される場合、前記非伝導
性半導体層24及び第1導電型半導体層23を選択的にエッチングして前記フォトニック
結晶40を形成することも可能である。
【0060】
図15と
図16は第4実施例による発光素子及びその製造方法の説明図である。第4実
施例の説明において、前記第3実施例と同様な部分に対しては、その詳しい説明を省略す
る。
【0061】
図15及び
図16に示す第4実施例による発光素子は、
図12で説明したように基板1
0を除去した後、前記非伝導性半導体層24の上に光抽出層25、26を形成する。
【0062】
そして、前記光抽出層25、26、非伝導性半導体層24及び第1導電型半導体層23
を選択的に除去し、第1電極層60を形成できるようにする。
【0063】
また、前記光抽出層25、26の上面を選択的にエッチングしてフォトニック結晶40
を形成する。前記光抽出層25、26は前記非伝導性半導体層24と屈折率が同一または
大きい物質からなることができる。例えば、前記光抽出層25、26はTiO
2またはS
i
3N
4からなることができる。
【0064】
前記光抽出層25、26の屈折率が前記非伝導性半導体層24より大きい場合、光抽出
効果はより向上され、前記光抽出層25、26は前記非伝導性半導体層24の上に形成さ
れるので、発光素子の電気的特性には影響を与えない。
【0065】
図15には前記フォトニック結晶40がホール形態に形成されたものが図示され、
図1
6には前記フォトニック結晶40が半球形態に形成されたものが図示されている。
【0066】
図示されないが、前記光抽出層25、26の厚さが薄く形成される場合、前記光抽出層
25、26及び前記非伝導性半導体層24を選択的にエッチングして前記フォトニック結
晶40を形成することも可能である。
【0067】
図17と
図18は第5実施例による発光素子及びその製造方法の説明図である。第5実
施例の説明において、前記第4実施例と同様な部分に対しては、その詳しい説明を省略す
る。
【0068】
図17に示す発光素子は、
図12で説明したように前記基板10を除去した後、前記非
伝導性半導体層24の上に第1光抽出層27及び第2光抽出層28を形成する。
【0069】
そして、前記第2光抽出層28、第1光抽出層27、非伝導性半導体層24及び第1導
電型半導体層23を選択的に除去し、第1電極層60を形成できるようにする。また、前
記第1光抽出層27及び第2光抽出層28を選択的にエッチングしてフォトニック結晶4
0を形成する。
【0070】
図18に示す発光素子は、前記基板10及び非伝導性半導体層24を除去した後、前記
第1導電型半導体層23の上に第1光抽出層27及び第2光抽出層28を形成する。
【0071】
そして、前記第2光抽出層28、第1光抽出層27及び第1導電型半導体層23を選択
的に除去し、第1電極層60を形成できるようにする。また、前記第1光抽出層27及び
第2光抽出層28を選択的にエッチングしてフォトニック結晶40を形成する。
【0072】
図17及び
図18に示す前記第1光抽出層27及び第2光抽出層28は非伝導性を有す
ることができる。そして、前記第1光抽出層27は第1屈折率を有し、前記第2光抽出層
28は前記第1屈折率より屈折率が低い第2屈折率を有する。
【0073】
前記第1光抽出層27の第1屈折率は、前記第1導電型半導体層23または前記非伝導
性半導体層24の屈折率より大きいまたは同一である。
【0074】
例えば、前記第1光抽出層27はTiO
2またはSi
3N
4からなることができ、前記
第2光抽出層28はSiO
2からなることができる。
【0075】
図17及び
図18では、屈折率が異なる2種類の光抽出層をエッチングしてフォトニッ
ク結晶40を形成した例が開示されているが、前記フォトニック結晶40は3種類または
それ以上の光抽出層を同時にエッチングして形成することもできる。
【0076】
本発明の第5実施例では、第1屈折率を有する第1光抽出層27と第2屈折率を有する
第2光抽出層28を前記第1導電型半導体層23の上に形成することで、光抽出効果をよ
り向上させることができる。