特許第5816240号(P5816240)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5816240
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】発光素子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/44 20100101AFI20151029BHJP
【FI】
   H01L33/00 300
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-207935(P2013-207935)
(22)【出願日】2013年10月3日
(62)【分割の表示】特願2010-522799(P2010-522799)の分割
【原出願日】2008年8月26日
(65)【公開番号】特開2014-17520(P2014-17520A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2013年11月1日
(31)【優先権主張番号】10-2007-0087764
(32)【優先日】2007年8月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンキュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒュンキョン
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−150675(JP,A)
【文献】 特開2007−207981(JP,A)
【文献】 特開2004−266240(JP,A)
【文献】 特開2005−259832(JP,A)
【文献】 特表2006−523957(JP,A)
【文献】 特開2007−035967(JP,A)
【文献】 特開2006−295188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基板と、
前記導電性基板上に配置された反射層と、
前記反射層上に配置された透明電極層と、
前記透明電極層上に配置された第2導電型半導体層と、
前記第2導電型半導体層上に配置された活性層と、
前記活性層上に配置された第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体層上に配置された非伝導性半導体層と、
前記非伝導性半導体層上に配置された光抽出層と、
前記非伝導性半導体層および前記第1導電型半導体層の一部を選択的に除去した領域に配置された第1電極層と、
前記光抽出層上に配置されたフォトニック結晶と、を含み、
前記フォトニック結晶は、複数のホール構造を含み、
前記光抽出層は、前記非伝導性半導体層上に第1屈折率を有する第1光抽出層と、前記第1光抽出層に前記第1屈折率より低い第2屈折率を有する第2光抽出層とを含み、
前記第1光抽出層は、前記非伝導性半導体層の屈折率より大きい屈折率を有し、
前記フォトニック結晶は、前記第1及び第2光抽出層に形成されることを特徴とする発光素子。
【請求項2】
前記第1導電型半導体層はn-型半導体層を含み、前記第2導電型半導体層はp-型半導体層を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記n-型半導体層は前記p-型半導体層の厚さより厚い厚さを有することを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第2導電型半導体層の厚さは、前記活性層から放出された光の波長より小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】
前記光抽出層は非伝導性材質を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子。
【請求項6】
前記フォトニック結晶の単位パターンは四角格子形態、三角格子形態、アルキメデス格子形態、擬似ランダム形態、ランダム形態中の少なくともいずれか一つの形態で配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光素子。
【請求項7】
前記第1光抽出層は、前記非伝導性半導体層の上面に接触することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1および第2光抽出層は、相互異なる物質で形成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発光素子。
【請求項9】
前記第1光抽出層はTiOまたはSiNを含み、前記第2光抽出層はSiOを含むことを特徴とする請求項1または8に記載の発光素子。
【請求項10】
前記第1および第2光抽出層のいずれか一つは、TiO、SiNおよびSiO中の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の発光素子。
【請求項11】
導電性基板と、
前記導電性基板上に配置された反射層と、
前記反射層上に配置された透明電極層と、
前記透明電極層上に配置された第2導電型半導体層と、
前記第2導電型半導体層上に配置された活性層と、
前記活性層上に配置された第1導電型半導体層と、
前記第1導電型半導体層上に配置された非伝導性半導体層と、
前記非伝導性半導体層上に配置された光抽出層と、
前記非伝導性半導体層および前記第1導電型半導体層の一部を選択的に除去した領域に配置された第1電極層と、
前記光抽出層上に配置されたフォトニック結晶と、を含み、
前記フォトニック結晶は、複数のホール構造を含み、
前記光抽出層は、屈折率が相互異なる三種類以上の光抽出層を含み、
前記フォトニック結晶は、前記相互異なる三種類以上の光抽出層に形成され、
前記光抽出層は、前記非伝導性半導体層の屈折率より大きい屈折率を有することを特徴とする発光素子。
【請求項12】
前記第1導電型半導体層はn-型半導体層を含み、前記第2導電型半導体層はp-型半導体層を含むことを特徴とする請求項11に記載の発光素子。
【請求項13】
前記n-型半導体層は前記p-型半導体層の厚さより厚い厚さを有することを特徴とする請求項12に記載の発光素子。
【請求項14】
前記第2導電型半導体層の厚さは、前記活性層から放出された光の波長より小さいことを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の発光素子。
【請求項15】
前記光抽出層は非伝導性材質を含むことを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の発光素子。
【請求項16】
前記非伝導性半導体層は500nm〜2000nmの厚さを有することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の発光素子。
【請求項17】
前記ホールの深さは450nm〜900nmであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の発光素子。
【請求項18】
前記ホールの深さは、前記非伝導性半導体層の厚さより小さいことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の発光素子。
【請求項19】
前記フォトニック結晶のホールの半径は0.325a〜0.40a(ここで、aは前記ホールのパターン周期)であることを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は電流を光に変換させる半導体発光素子である。
【0003】
このようなLEDにより放出される光の波長は、LEDの製造に使われる半導体材料に
よって決定される。これは、放出される光の波長が、価電子帯の電子と伝導帯の電子の間
のエネルギーの差である半導体材料のバンドギャップに関係するからである。
【0004】
最近、発光ダイオードは、輝度の増加によりディスプレイ用の光源、自動車用の光源及
び照明用の光源として使われており、蛍光物質を用いたり様々な色のLEDを組み合わせ
ることで、優れた効率の白色光を発光するLEDの具現も可能である。
【0005】
一方、発光ダイオードの輝度は活性層の構造、光を外部に効果的に抽出できる光抽出構
造、チップの大きさ、発光ダイオードを囲むモールディング部材の種類等と様々な条件に
よって左右される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新しい構造を有する発光素子及びその製造方法を提供する。
【0007】
本発明は、光抽出効率が向上された発光素子及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発光素子は第2導電型半導体層と、前記第2導電型半導体層の上に活性層と、
前記活性層の上に第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層の上に光抽出構造を含
む非伝導性半導体層と、が含まれる。
【0009】
また、本発明の発光素子は第2導電型半導体層と、前記第2導電型半導体層の上に活性
層と、前記活性層の上に第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層の上に非伝導性
半導体層と、前記非伝導性半導体層の上に光抽出構造を含む光抽出層と、が含まれる。
【0010】
本発明の発光素子の製造方法は基板の上に非伝導性半導体層を形成する段階と、前記非
伝導性半導体層の上に第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を形成する段
階と、前記第2導電型半導体層の上に第2電極層を形成する段階と、前記基板を除去する
段階と、前記非伝導性半導体層に光抽出構造を形成する段階と、が含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、新しい構造を有する発光素子及びその製造方法を提供することができる。
【0012】
本発明は、光抽出効率が向上された発光素子及びその製造方法を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施例による水平型発光素子の説明図。
図2】第2実施例による垂直型発光素子の説明図。
図3】ホール構造または柱構造に形成された単位パターンが平面上に配置された形 態を例示的に示す図面。
図4】ホール構造または柱構造に形成された単位パターンが平面上に配置された形 態を例示的に示す図面。
図5】ホール構造または柱構造に形成された単位パターンが平面上に配置された形 態を例示的に示す図面。
図6】ホール構造または柱構造に形成された単位パターンが平面上に配置された形 態を例示的に示す図面。
図7】ホール構造または柱構造に形成された単位パターンが平面上に配置された形 態を例示的に示す図面。
図8図2の垂直型発光素子に対して構造因子を変化させて、光抽出効率に対する シミュレーションを行った結果を示す図面。
図9図2の垂直型発光素子に対して構造因子を変化させて、光抽出効率に対する シミュレーションを行った結果を示す図面。
図10図2の垂直型発光素子に対して構造因子を変化させて、光抽出効率に対す るシミュレーションを行った結果を示す図面。
図11】第3実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
図12】第3実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
図13】第3実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
図14】第3実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
図15】第4実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
図16】第4実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
図17】第5実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
図18】第5実施例による発光素子及びその製造方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明が、多様な修正及び変形が可能である一方、その特定実施例が図面に例示されな
がら、以下において詳述されることになる。本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の思想と合致する全ての修正
、均等及び代用を含む。なお、同一参照番号は図面の説明により同一要素を現わす。図面
における各層及び領域の寸法は、説明の明確性を図り誇張して図示されている。
【0015】
また、層、領域または基板等の要素が他の構成要素の“上/上部"または”下/下部“に
存在すると記述される場合は、他の構成要素の上または下に直接、または他の要素が介在
して間接的に存在することを皆含む。例えば、表面のような構成要素の一部が“内部”と
表現される場合は、その要素の他の部分に比べて素子の外側から離れていることを意味す
ることと理解されるべきである。また、各要素の方向の説明は図面を基準とするものであ
る。まあ、“直接/directly”という用語は間に介在される要素が素材しないことを意味
する。また、“及び/または”という用語は記述される関連項目中の1つまたはそれ以上
のいずれかの組合せ及び全ての組合せを含む。
【0016】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明の実施例による発光素子及びその製造方法
を説明する。
【0017】
図1は第1実施例による水平型発光素子の説明図で、図2は第2実施例による垂直型発
光素子の説明図である。
【0018】
図1に示すように、水平型発光素子は基板10と、前記基板10の上に形成された非ド
ープ(アンドープド;un-doped)GaN層24と、前記非ドープGaN層24の上に形成
された発光半導体層20と、前記発光半導体層20の上に形成されたオーミック接触層3
0が含まれる。
【0019】
前記発光半導体層20は第1導電型半導体層23、活性層22及び第2導電型半導体層
21が含まれる。前記発光半導体層20はGaN系の物質からなることができる。
【0020】
ここで、前記第1導電型半導体層23がn−半導体層である場合、前記第2導電型半導
体層21はp−半導体層にすることができ、また前記第1導電型半導体層23がp−半導
体層である場合、前記第2導電型半導体層21はn−半導体層にすることができる。
【0021】
また、前記第1導電型半導体層23の上には第1電極層110を形成することができ、
前記オーミック接触層30の上には第2電極層120を形成することができる。
【0022】
前記非ドープGaN層24及び発光半導体層20を含むGaN系の物質層は前記基板1
0の上で成長されるが、例えば、前記基板10はGaN系の物質層より相対的に屈折率が
低いサファイア基板を用いることができる。前記GaN系の物質層は約5μmの厚さを有
するので、多様な高次モードが存在する導波管(waveguide)にみなすことができる。
【0023】
前記のような水平型発光素子では、前記活性層22の全体領域に均一に電流を供給し、
前記第2電極層120と前記第2導電型半導体層21の間の抵抗を減少させるために、オ
ーミック接触層30が前記第2導電型半導体層21の上に形成される。例えば、前記オー
ミック接触層30はITOのような透明電極層からなることができる。
【0024】
一方、水平型発光素子で、ホール構造または柱構造を形成してフォトニック結晶(phot
onic crystal)40を導入する際、エッチング可能な最大深さは前記オーミック接触層3
0及び第2導電型半導体層21の厚さの和の値となる。
【0025】
前記オーミック接触層30及び第2導電型半導体層21の厚さの和の値は100〜30
0nmで、よってエッチング可能深さが100〜300nmに制限されるので、優れる光
抽出効率を有するフォトニック結晶40の形成には限界がある。
【0026】
図2に示すように、垂直型発光素子は第2電極層50と、前記第2電極層50の上に形
成された発光半導体層20が含まれる。
【0027】
前記発光半導体層20は第1導電型半導体層23、活性層22及び第2導電型半導体層
21が含まれる。図示されないが、前記第1導電型半導体層23の上には前記第2電極層
50と前記活性層22に電源を提供するための第1電極層を形成することができる。
【0028】
前記垂直型発光素子では、基板の上にGaN系の物質層を形成した後基板をレーザー吸
収法により除去する。そして、前記第2導電型半導体層21に、反射層と電極の役割を同
時に担うことができる多層金属薄膜からなる第2電極層50を形成する。
【0029】
例えば、前記第2電極層50はオーミック接触層、反射層、導電性基板の多層構造から
なることができ、NiまたはAgのような金属を含むことができる。
【0030】
前記垂直型発光素子は、前記水平型発光素子と比べて、基板を除去して前記第2電極層
50を形成する。
【0031】
よって、垂直型発光素子では電流が垂直方向に流れるので、電流が前記活性層22に到
達する可能性が高く、前記第2電極層50を介在して熱の排出が容易である長所がある。
【0032】
また、前記垂直型発光素子は、前記活性層22の上側に第1導電型半導体層23が配置
されるので、光抽出効率を高めることができるフォトニック結晶40の導入が容易である
長所がある。
【0033】
即ち、前記活性層22の上に形成されるn-GaN層はp−GaN層より厚く形成され
るので、前記フォトニック結晶40の導入の際、エッチング可能な最大深さが大きい。
【0034】
前記フォトニック結晶40で、光抽出効率は、飽和の前まではエッチング深さに比例す
る場合が多いので、エッチング可能な最大深さが大きいということは、効果的なフォトニ
ック結晶40の形成において制約が少ないという長所がある。
【0035】
また、垂直型発光素子は、活性層22と第2電極層50の間の距離が前記活性層22よ
り放出される光の波長より短いという特徴がある。即ち、垂直型発光素子は、前記第2導
電型半導体層21の厚さが光の波長より小さいという特徴がある。
【0036】
前記活性層22が前記電極層50と近い位置に配置されるので、前記第2電極層50の
反射特性を利用して放射パターンを調節でき、光抽出効率を高めることも可能である。
【0037】
一方、光抽出効率は回折効率と密接に関連する。例えば、ホール構造または柱構造のフ
ォトニック結晶40での単位パターンの周期(lattice constant)、例えば直径のような単
位パターンの大きさ、単位パターンの深さまたは高さ、単位パターンが平面上に配置され
た形態等の構造因子によって、前記回折効率が変化する。
【0038】
図3図7は、ホール構造または柱構造に形成された単位パターンが平面上に配置され
た形態を例示的に示す図面である。
【0039】
図3には複数の単位パターン41が四角格子形態に配置されているのが図示され、図4
には複数の単位パターン41が三角格子形態に配置されているのが図示され、図5には複
数の単位パターン41がアルキメデス格子形態に配置されているのが図示され、図6には
複数の単位パターン41の平均距離が一定である擬似ランダム形態に配置されているのが
図示され、図7には複数の単位パターン41がランダム形態に配置されているのが図示さ
れている。
【0040】
図3図7に図示されているような単位パターン41が平面上に配置された形態は、前
記回折効率に影響を与え、それにより光抽出効率が変化する。
【0041】
図8図10は、図2の垂直型発光素子に対して構造因子を変化させて、光抽出効率に
対するシミュレーションを行った結果を示している。
【0042】
図8に示すように、半径が250nm、エッチング深さが225nmのホールを単位パ
ターン41として、前記単位パターン41の間の間隔、即ちパターン周期(lattice const
ant)を変化させた場合、略周期が800nmの付近で最大光抽出効率が得られることが分
かる。この時、光抽出効率の相対的増大比は約2倍となる。
【0043】
図9に示すように、エッチング深さが225nm、パターン周期aが800nmのホー
ルを単位パターン41として、前記単位パターン41のホール半径を変化させた場合、ホ
ールの半径が0.325a〜0.40aである時優れる光抽出効率を現わし、ホールの半径
が0.35aである時光抽出効率が最大となることが分かる。この時、光抽出効率の相対
的増大比は約2.4倍となる。
【0044】
図10に示すように、半径が0.25aのホールを単位パターン41としてホールのエ
ッチング深さとパターン周期aを変化させた場合、パターン周期aが600nmではエッ
チング深さとはほとんど関係なく光抽出効率が優れているが、パターン周期aが1400
nmではエッチング深さが450nm〜900nmの場合光抽出効率が優れていることが
分かる。
【0045】
図1で説明した水平型発光素子の場合エッチング深さが100〜300nmに制限され
るので、パターン周期が1000nm以上になる場合光抽出効率が減少することがある。
しかし、図2で説明した垂直型発光素子の場合、ホールのエッチング深さを450nm以
上にできるので、パターン周期aが変化しても光抽出効率がほとんど減少しない。
【0046】
上述のようなシミュレーション結果は、様々な構造を有する垂直型発光素子でも類似の
結果を示している。
【0047】
図11図14は、第3実施例による発光素子及びその製造方法の説明図である。図1
1に示すように、基板10の上に非伝導性半導体層24、発光半導体層20、第2電極層
50を形成する。
【0048】
前記発光半導体層20は第1導電型半導体層23、活性層22及び第2導電型半導体層
21が含まれる。
【0049】
そして、前記第2電極層50はオーミック接触層51、反射層52及び導電性基板53
を含む。例えば、前記導電性基板53はチタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、
アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、及びタングステン(W)中の少なくともいず
れか1つからなることができ、前記反射層52は光反射率が高い銀(Ag)、アルミニウム
(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)中の少なくともいずれか1つを含む金属からなること
ができ、前記オーミック接触層51は透明電極層からなることができ、例えば、ITO、
ZnO、RuO、TiO、IrO中の少なくともいずれか1つからなることができ
る。
【0050】
前記非伝導性半導体層24は、前記第1導電型半導体層23及び第2導電型半導体層2
1より電気伝導性が著しく低い物質から形成された半導体層を指し、例えば、前記非伝導
性半導体層24は非ドープGaN層にすることができる。
【0051】
図12に示すように、前記基板10を前記非伝導性半導体層24から除去する。例えば
、前記基板10はレーザー吸収法により除去することができる。
【0052】
そして、図13に示すように、前記非伝導性半導体層24及び第1導電型半導体層23
を選択的に除去して、前記第1導電型半導体層23の一部が上側方向に露出されるように
し、前記第1導電型半導体層23の上に第1電極層60を形成する。
【0053】
そして、前記非伝導性半導体層24の上面にフォトニック結晶40を形成する。ここで
、フォトニック結晶40は光抽出効率を高めることができる多様な形態のパターンを含む
光抽出構造である。
【0054】
前記フォトニック結晶40は前記非伝導性半導体層24の上面をホールまたは柱の形態
に選択的にエッチングして形成する。
【0055】
この時、前記ホールまたは柱を形成する時前記非伝導性半導体層24をλ/n以上の深
さにエッチングする場合、光抽出効率がより向上される。ここで、nは前記非伝導性半導
体層24の屈折率であり、λは前記活性層22より放出される光の波長である。ここで、
前記エッチング深さは、本発明の他の実施例にも適用することができる。
【0056】
本発明の第3実施例では、第1導電型半導体層23と基板10の間に配置された前記非
伝導性半導体層24を除去せず、前記非伝導性半導体層24の上にフォトニック結晶40
を形成する。
【0057】
前記非伝導性半導体層24は500nm〜2000nmの厚さに形成されるので、多様
なエッチング深さを有する単位パターンを形成することができる。
【0058】
図14図13の構造を上から見た図面であり、前記フォトニック結晶40及び第1電
極層60が形成された形態が図示されている。
【0059】
図示されないが、前記非伝導性半導体層24の厚さが薄く形成される場合、前記非伝導
性半導体層24及び第1導電型半導体層23を選択的にエッチングして前記フォトニック
結晶40を形成することも可能である。
【0060】
図15図16は第4実施例による発光素子及びその製造方法の説明図である。第4実
施例の説明において、前記第3実施例と同様な部分に対しては、その詳しい説明を省略す
る。
【0061】
図15及び図16に示す第4実施例による発光素子は、図12で説明したように基板1
0を除去した後、前記非伝導性半導体層24の上に光抽出層25、26を形成する。
【0062】
そして、前記光抽出層25、26、非伝導性半導体層24及び第1導電型半導体層23
を選択的に除去し、第1電極層60を形成できるようにする。
【0063】
また、前記光抽出層25、26の上面を選択的にエッチングしてフォトニック結晶40
を形成する。前記光抽出層25、26は前記非伝導性半導体層24と屈折率が同一または
大きい物質からなることができる。例えば、前記光抽出層25、26はTiOまたはS
からなることができる。
【0064】
前記光抽出層25、26の屈折率が前記非伝導性半導体層24より大きい場合、光抽出
効果はより向上され、前記光抽出層25、26は前記非伝導性半導体層24の上に形成さ
れるので、発光素子の電気的特性には影響を与えない。
【0065】
図15には前記フォトニック結晶40がホール形態に形成されたものが図示され、図1
6には前記フォトニック結晶40が半球形態に形成されたものが図示されている。
【0066】
図示されないが、前記光抽出層25、26の厚さが薄く形成される場合、前記光抽出層
25、26及び前記非伝導性半導体層24を選択的にエッチングして前記フォトニック結
晶40を形成することも可能である。
【0067】
図17図18は第5実施例による発光素子及びその製造方法の説明図である。第5実
施例の説明において、前記第4実施例と同様な部分に対しては、その詳しい説明を省略す
る。
【0068】
図17に示す発光素子は、図12で説明したように前記基板10を除去した後、前記非
伝導性半導体層24の上に第1光抽出層27及び第2光抽出層28を形成する。
【0069】
そして、前記第2光抽出層28、第1光抽出層27、非伝導性半導体層24及び第1導
電型半導体層23を選択的に除去し、第1電極層60を形成できるようにする。また、前
記第1光抽出層27及び第2光抽出層28を選択的にエッチングしてフォトニック結晶4
0を形成する。
【0070】
図18に示す発光素子は、前記基板10及び非伝導性半導体層24を除去した後、前記
第1導電型半導体層23の上に第1光抽出層27及び第2光抽出層28を形成する。
【0071】
そして、前記第2光抽出層28、第1光抽出層27及び第1導電型半導体層23を選択
的に除去し、第1電極層60を形成できるようにする。また、前記第1光抽出層27及び
第2光抽出層28を選択的にエッチングしてフォトニック結晶40を形成する。
【0072】
図17及び図18に示す前記第1光抽出層27及び第2光抽出層28は非伝導性を有す
ることができる。そして、前記第1光抽出層27は第1屈折率を有し、前記第2光抽出層
28は前記第1屈折率より屈折率が低い第2屈折率を有する。
【0073】
前記第1光抽出層27の第1屈折率は、前記第1導電型半導体層23または前記非伝導
性半導体層24の屈折率より大きいまたは同一である。
【0074】
例えば、前記第1光抽出層27はTiOまたはSiからなることができ、前記
第2光抽出層28はSiOからなることができる。
【0075】
図17及び図18では、屈折率が異なる2種類の光抽出層をエッチングしてフォトニッ
ク結晶40を形成した例が開示されているが、前記フォトニック結晶40は3種類または
それ以上の光抽出層を同時にエッチングして形成することもできる。
【0076】
本発明の第5実施例では、第1屈折率を有する第1光抽出層27と第2屈折率を有する
第2光抽出層28を前記第1導電型半導体層23の上に形成することで、光抽出効果をよ
り向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の発光素子は、照明装置のみならず様々な電子機器の光源として用いることがで
きる。
【符号の説明】
【0078】
10 基板
20 発光半導体層
21 第2導電型半導体層
22 活性層
23 第1導電型半導体層
24 非ドープGaN層
25、26、27、28 光抽出層
30 オーミック接触層
40 フォトニック結晶
41 単位パターン
50 第2電極層
51 オーミック接触層
52 反射層
53 導電性基板
60 第1電極層
110 第1電極層
120 第2電極層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18