(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
全体を通して同じ部分が同じ番号で示された添付図面を参照して説明する。
【0019】
概略
1つの態様において、本発明は、「ホーム」位置の外部でのローミングカバレージのサポートを与えることにより異なるキャリアへのユーザ装置アクセスを許す方法及び装置に向けられる。本発明の実施形態は、移動装置に記憶された複数のアクセスクライアント(例えば、エレクトロニックサブスクライバーアイデンティティモジュール又はeSIM)間を切り換えるものであり、各eSIMは、キャリアネットワークで移動装置を認証するように構成されたSIMを含む。より詳細には、1つの典型的な実施形態では、移動装置がローミング状態を検出し、それに応答して(又は先を見越して)その利用可能なeSIMを評価する。少なくとも1つのeSIMが現在ネットワークとの非ローミング動作に適している場合には、eSIMがロードされ、移動装置は、その新たなホームネットワークに登録する。
【0020】
より一般的には、本発明は、既存のローミングアクセスを使用するのではなく、現在ネットワークに一致するようにその現在アクセス制御クライアントを切り換えできるワイヤレス装置に係る。例えば、第1ネットワークに関連したeSIMをアクティブに保持して、第2ネットワークにおいてローミングする(従って、ある場合には、余計なローミング料金を発生する)のではなく、移動装置は、第1ネットワークに関連したeSIMをデアクチベートし、そして同時に又は先を見越して第2ネットワークに関連したeSIMをロードする。この「ハンドオフ」は、典型的な実施形態では、シームレスに遂行され、ユーザの経験に影響が及ばないようにする(即ち、「オンザフライ処理」)。
【0021】
本発明の種々の態様は、サービスのクオリティ及び効率の両方、並びにサービスカバレージを実質的に改善する。複数のアクセス制御クライアント間を柔軟に切り換えることにより、ユーザは、単一の装置で異なるネットワークサービスプロバイダーに対して複数のサービス契約を維持することができる。このような特徴は、ユーザに価値を付加する。というのは、(例えば、外国旅行の場合に)外国のネットワークサービスエリアのサービスプロバイダーでユーザアクセスデータを購入することにより国内のサービスエリアからローミングできるからである。更に、ユーザアクセスデータフォーマットは、特定の物理的カード(例えば、UICC、R−UIMカード、等)に限定されないので、複数のワイヤレスインターフェイス(例えば、GSM(登録商標)、CDMA等)でイネーブルされるユーザ装置は、ユーザが変化する信号強度で異なるRAN間を切り換えできるようにすることでサービスカバレージを向上させることができる。
【0022】
典型的な実施形態の詳細な説明
本発明の典型的な実施形態を以下に詳細に説明する。これら実施形態は、主として、GSM、GPRS/EDGE、UMTSセルラーネットワークのサブスクライバーアイデンティティモジュール(SIM)に関して説明するが、当業者であれば、本発明がこれらに限定されないことが明らかであろう。実際に、本発明の種々の態様は、アクセス制御クライアント支援ローミングから利益が得られる無線ネットワーク(セルラーであってもなくても)において有用である。
【0023】
また、「サブスクライバーアイデンティティモジュール(SIM)」はここでは、eSIMと称するが、これは、必ずしも、(i)加入者それ自体による使用(即ち、本発明は、加入者又は非加入者により実施される)、(ii)1人の個人のアイデンティティ(即ち、本発明は、家族のような個人のグループ、若しくは企業のような無形又は架空のエンティティのために実施される)、又は(iii)任意の有形の「モジュール」装置又はハードウェアを意味せず又は要求もしないことが理解されるであろう。
【0024】
従来のサブスクライバーアイデンティティモジュール(SIM)動作
典型的な従来のUMTSセルラーネットワークの状況において、ユーザ装置(UE)は、携帯装置及びユニバーサルサブスクライバーアイデンティティモジュール(USIM)を備えている。このUSIMは、記憶され且つ物理的ユニバーサル集積回路カード(UICC)から実行される論理的ソフトウェアエンティティである。加入者情報、無線ネットワークサービスを得るためにネットワークオペレータとの認証に使用されるキー及びアルゴリズムのような種々の情報がこのUSIMに記憶される。
【0025】
一般的に、UICCは、加入者への配布の前にUSIMでプログラムされ、再プログラミング又は「パーソナル化」は、各ネットワークオペレータ特有のものである。例えば、配備の前に、USIMは、インターナショナルモバイルサブスクライバーアイデンティファイア(IMSI)、固有の集積回路カード識別子(ICC−ID)、及び特定の認証キー(K)に関連付けられる。ネットワークオペレータは、その関連性を、ネットワーク認証センター(AuC)内に収容されたレジストリーに記憶する。パーソナル化の後に、UICCは、加入者へ配布することができる。
【0026】
図1には、上述した従来のUSIMを使用する1つの典型的な認証及びキー合意(AKA)手順100が詳細に示されている。通常の認証手順の間に、UE102は、USIM104からインターナショナルモバイルサブスクライバーアイデンティファイア(IMSI)を取得する。UEは、それを、ネットワークオペレータのサービングネットワーク(SN)106又は訪問先コアネットワークへ渡す。SNは、認証要求をホームネットワーク(HN)のAuC108へ転送する。HNは、受信したIMSIをAuCのレジストリーと比較し、そして適当なKを得る。HNは、ランダム番号(RAND)を発生し、そしてそれに、予想される応答(XRES)を生成するためのアルゴリズムを使用してKでサインする。HNは、更に、暗号化及び完全性保護に使用するための暗号キー(CK)及び完全性キー(IK)、並びに認証トークン(AUTN)を、種々のアルゴリズムを使用して発生する。HNは、RAND、XRES、CK及びAUTNより成る認証ベクトルをSNへ送信する。SNは、認証ベクトルを一回の認証プロセスのみに使用するために記憶する。SNは、RAND及びAUTNをUEへ渡す。
【0027】
UE102がRAND及びAUTNを受け取ると、USIM104は、受け取ったAUTNが有効であるかどうか検証する。もしそうであれば、UEは、受け取ったRANDを使用し、記憶されたK、及びXRESを発生した同じアルゴリズムを使用して、それ自身の応答(RES)を計算する。UEは、RESをSNへ返送する。SN106は、XRESを受け取ったRESと比較し、それらが一致する場合に、SNは、オペレータのワイヤレスネットワークサービスの利用についてUEを認証する。
【0028】
典型的な動作
本発明の典型的な実施形態の状況では、従来のように物理的なUICCを使用するのではなく、UICCは、例えば、UEのセキュアなエレメント(例えば、セキュアなマイクロプロセッサ又は記憶装置)内に収容されるソフトウェアアプリケーション、以下、電子ユニバーサル集積回路カード(eUICC)と称される、のような仮想又は電子的エンティティとしてエミュレートされる。eUICCは、以下、電子的サブスクライバーアイデンティティモジュール(eSIM)と称される複数のUSIMエレメントを記憶し管理することができる。各eSIMは、典型的なUSIMと同じ論理的エンティティを収容する。eUICCは、eSIMのICC−IDに基づいてeSIMを選択する。eUICCが望ましいeSIMを選択すると、UEは、認証手順を開始して、eSIMの対応するネットワークオペレータからワイヤレスネットワークサービスを得ることができる。
【0029】
図2には、本発明の種々の実施形態を説明するのに有用な1つの典型的なセルラーシステム200が示されている。この典型的なシステムは、3つのパブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)又は「ネットワークキャリア」、即ちUMTSキャリアA 202A、UMTSキャリアB 202B、及びCDMA2000キャリアC 202Cを備えている。2つのUMTS及び1つのCDMAキャリアが示されているが、本発明と矛盾しないように、他の形式及び数のエアインターフェイス(セルラー、その他)を使用できることも認識される。更に、本発明では、例えば、進行中のサービス或いはコール又はセッションをWLANからセルラー又はWiMAXネットワーク等へ転送するような異種のネットワークタイプも含まれることが意図される。
【0030】
図2において、セルラー装置204は、UMTSキャリアAネットワークに接続されるが、他の2つのネットワークのカバレージ内にある。この例では、セルラー装置は、UMTSキャリアAネットワークに永久的に登録され、従って、UMTSキャリアAネットワークは、セルラー装置の「ホームネットワーク」である。セルラー装置がUMTSキャリアBネットワークからサービスを受ける場合には、その第2のネットワークは、セルラー装置がキャリアBに永久的に登録されないので、「訪問先ネットワーク」である。CDMA2000キャリアCネットワークは、ローミングアクセスに対してサポートされても、されなくてもよく、即ち、異なる技術(例えば、UMTS、CDMA2000)間のローミングは、具現化特有のもので、例えば、二重モード電話の使用によるものである。
【0031】
従って、本発明の1つの典型的な実施形態では、移動装置204は、ローミングではなく、現在eSIMパーソナリティを変化させる。より詳細には、移動装置は、複数のeSIMパーソナリティをセキュアなeUICC内に記憶している(又はオンザフライで得ている)。第1ネットワークに関連したeSIMをアクティブに保持して第2ネットワークをローミングするのではなく、移動装置は、第1ネットワーク202Aに関連したそのeSIMをデアクチベートし、そして第2ネットワーク202C(この場合はキャリアC)に関連したeSIMをロードする。その後、移動装置は、新たなホームネットワークとして第2ネットワークに接続する。上述したように、これは、典型的な実施形態において、ユーザに対してできるだけシームレスに遷移するように、多数の異なるシーケンスで行われる。従って、本発明は、以前のホームキャリアに対するeSIMがデアクチベート又は破壊される前にサービスが「新たな」ホームキャリアで少なくとも部分的に開始される「メーク・ビフォア・ブレーク(make before break)」パラダイムを含む種々のモデルを意図している。別のモデルでは、「ブレーク・ビフォア・メーク」ロジックが使用される。
【0032】
図3には、複数のセルラーネットワークを横切ってサービスを受けるための1つの典型的な方法が示されている。ステップ302において、ユーザ装置(UE)は、利用可能なeSIMの目録を識別する。ここで使用する「利用可能な(available)」という語は、現在利用可能な又は条件に応じて利用可能な(例えば、将来の時間に、別のベースステーションの範囲内に入るような事象の発生時に、等々)アクセスクライアント又はeSIMを含むが、これに限定されない。ステップ304において、UEは、利用可能なeSIMに対応するネットワークに対してスキャンする。例えば、典型的なセルラーシステム200では、UE204は、3つのネットワークキャリア、即ち(i)UMTSキャリアA 202A、UMTSキャリアB 202B、及びCDMA2000キャリアC 202Cを識別するが、UEは、キャリアA及びキャリアCに対してeSIMデータしか有していない。
【0033】
ステップ306では、UEは、利用可能なネットワークの1つを選択する。例えば、UEは、グラフィックユーザインターフェイス(GUI)を経てユーザにネットワークオプションのリストを提示し、ユーザは、望ましいネットワークを選択する。この例では、ユーザは、その既存のキャリア(キャリアA)からキャリアCへの切り換えを選択する。或いは又、例えば、(i)コストの事柄、(ii)装置/互換性の事柄、及び/又は(iii)ユーザの好みを含む1つ以上の選択ルールに基づき適当なキャリアを選択する選択ロジックがユーザ装置(又はネットワーク内のリモートエンティティ)内で使用されてもよい。
【0034】
ステップ308において、UEは、選択されたキャリアに対するeSIMをセキュアなエレメントから検索してロードする。例えば、UEは、UMTSキャリアBに対してUSIMをエミュレートするeSIMをデアクチベートし、そして例えば、同時に又は先を見越して、CDMA2000キャリアCに対応するeSIMをロードする。
【0035】
ステップ310(上述したように、同時に又は先を見越して遂行される)において、UEは、選択されたネットワークを認証する。UEは、CDMA2000モデムを始動し、キャリアCに登録する。
【0036】
上述した例は、本発明の幾つかの顕著な効果を示している。第1に、物理的なSIMカードとは異なり、本発明の移動装置は、eUICC内に複数のeSIMを記憶する。従って、本発明の種々の態様は、装置接続カバレージを著しく改善することができる。各eSIMは、典型的な実施形態では、異なるネットワークキャリアに関連しているので、加入者は、複数のホームネットワークを有する。加入者は、そのホームネットワークのいずれにおいても登録されたユーザとして動作することができる(例えば、ローミング料金、等を負うことなく)。更に、上述した典型的な実施形態は、異なる無線アクセスネットワーク及びそれに関連したeSIMタイプをサポートすることができる。
【0037】
第2に、本発明の移動装置は、物理的なSIMカードをもたないので、カードフォームファクタに関連したオーバーヘッド(例えば、2つ又は3つ又は4つの個別のSIMカードスロット)を要求することなく複数の無線アクセス技術をサポートすることができる。この移動装置は、カードソケットを必要とせず、ユーザは、複数のカードを個人で携帯する必要はない。更に、eSIMの交換は、GUIによって支援されるか、又は移動装置の内部で自動的に遂行されるので、本発明の種々の実施形態は、ユーザのエラーを防止する上で助けとなる。例えば、ユーザは、偶発的にSIMカードを家に忘れたり、誤ったSIMカードを差し込んだり、又はSIMカードを誤って差し込んだり、等々がない。
【0038】
本発明の1つ以上の態様を具現化するための一般化された方法及び装置の典型的な実施形態を以下に説明する。
【0039】
方法
図4を参照して、装置が複数のワイヤレスネットワークを横切ってワイヤレスサービスを移行するための一般化された方法の一実施形態を図示して説明する。
【0040】
ここで使用する「アクセス制御クライアント」という語は、一般的に、ハードウェア又はソフトウェアで実施されて、ワイヤレスネットワーク及び通信ネットワークのリソースへのアクセスを可能にするソフトウェアクライアントを指す。1つの典型的な実施形態では、アクセス制御クライアントは、eUICCで実行されるeSIMである。1つの変形例において、eSIMは、ユニバーサルサブスクライバーアイデンティティモジュール(USIM)、IPマルチメディアサービスアイデンティティモジュール(ISIM)、CDMAサブスクライバーアイデンティティモジュール(CSIM)のうちの少なくとも1つで動作するように構成される。
【0041】
ステップ402において、他のアクセス制御クライアントオプションが評価される。1つの典型的な実施形態では、アクセス制御クライアントを評価するプロセスは、ワイヤレス装置により自動的にトリガーされる。例えば、UEが複数のワイヤレス無線技術インターフェイス(例えば、GSM、CDMA)を具現化する場合に、ユーザは、その現在アクティブな無線において信号強度の低下(又は全く信号なし)を経験することがある。それに応答して、ワイヤレス装置は、ローミングを回避するためにその利用可能なアクセス制御クライアントをチェックする。
【0042】
別の実施形態では、アクセス制御クライアントを更新するプロセスは、ユーザによって手動でトリガーされる。例えば、ユーザは、ユーザがサービス契約を維持する異なるネットワークプロバイダー間に変化する音声及びデータ計画レートを有することができる。ユーザは、望ましいワイヤレスネットワークサービス(例えば、音声及びデータ)に対して最も費用効果のあるレートを得るために異なるネットワークプロバイダーへの接続を手動で選択することを希望してもよい。或いは又、ユーザは、異なる個人的状況において異なるサービスプロバイダーの使用を希望してもよく、例えば、個人的な使用で1つ、そして仕事の使用で1つのサービスプロバイダーの使用を希望してもよい。
【0043】
別の実施形態では、アクセス制御クライアントを更新するためのトリガーは、利用可能なネットワークの状況特有の使用(例えば、費用効果、信号強度)により駆動されてもよい。例えば、ユーザは、複数のキャリアに対するeSIMデータをUEに有してもよく、各eSIMは、それら自身の使用レートを伴う。あるキャリアは、UEが夕方に費用効果の良い対応ネットワークを選択するよう促す夕方レートを提供するのが良い。
【0044】
1つの具現化において、アクセス制御クライアントを更新するトリガーは、時間及び/又は地理的位置の制約により駆動される。例えば、ユーザは、個人的アカウント及び仕事用アカウントに対するeSIMデータを有する。ワイヤレス装置は、その装置が通常の仕事時間中にユーザの職場に配置されることを決定し、それ故、仕事用アカウントに対するeSIMデータに関連したネットワークを選択する。或いは又、装置が仕事の時間でなく及び/又は職場(例えば、主たる住居)にないと決定した場合に、装置は、個人的アカウントに対するeSIMデータに関連したネットワークを選択する。
【0045】
更に、種々の入力(例えば、時間及び/又は地理的状況)を予報的に入力することもできる。例えば、第1のキャリアについては経歴的に非常に悪い受信状態を示すが第2のキャリアについてはそうでないエリアを通してのユーザ駆動は、アクセス制御クライアントに対する更新を自動的にトリガーすることができる。ある実施形態では、経歴的分析は、装置自身の経歴に基づく(例えば、以前の動作に基づく)ものでもよいし、又は「クラウドソース化」されてもよく、即ち多数の他の装置から収集された経歴に基づくものでもよい(使用中の装置と同様のタイプ/能力であるか、異なるか、又はそれらの異種混合であるかに関わらず)。あるケースでは、この情報は、ユーザにより(例えば、アプリケーションソフトウェア又は更新を経て)装置へダウンロードされるか、又はネットワークにより(自動的又はその他で)装置に与えられてもよい。
【0046】
更に、ネットワークキャリアは、次第に効率が低下するネットワークリソースで装置をサポートし及び/又はユーザの経験に悪影響するのではなく、装置が「良好な」キャリアへ予見的に切り換えることを好む。例えば、キャリアAは、名うての弱いカバレージエリアではキャリアBへシームレスにハンドオーバーすることを望む。というのは、キャリアAに悪く反映するスポット的なサービス中断よりもこのシームレスなハンドオーバー(たとえ別のキャリアでも)及びサービスの持続性が好ましいからである。あるケースでは、ユーザは、ハンドオーバーに気付かないこともあり、従って、これは、その時点でサービスを提供しなくてもキャリアAに積極的に反映することになる。
【0047】
任意のステップ403では、ワイヤレス装置は、利用可能なアクセス制御クライアントのリストをコンパイルする。1つの実施形態では、このリストは、現在記憶されたアクセス制御クライアントに基づく。1つの変形例において、このリストは、更に、外部で記憶されたアクセス制御クライアントを含む。例えば、先に取り上げた2010年10月28日に出願された“MANAGEMENT SYSTEMS FOR MULTIPLE ACCESS CONTROL ENTITIES”と題する米国プロビジョナル特許出願第61/407,861号に述べられたように、アクセス制御クライアントは、外部「ウオレット(wallet)」に記憶されるか、又はネットワークエンティティ内に「パークされる(parked)」。
【0048】
他の実施形態では、このリストは、まだ指定されておらず指定のために空いているアクセス制御クライアントを含む。例えば、1つの変形例では、このリストは、販売及びダウンロードのために広告されるアクセス制御クライアントを含む。
【0049】
図示されたように、ステップ404に関して、ワイヤレス装置は、利用可能なアクセス制御クライアントを選択する。1つの典型的な実施形態では、利用可能なアクセス制御クライアントの選択は、ユーザにより手動で行われる。例えば、ワイヤレス装置は、GUIを通して利用可能なアクセス制御クライアントのリストをユーザに提示する。
【0050】
別の実施形態では、アクセス制御クライアントの選択は、ユーザエリアの利用可能なネットワークをスキャンするワイヤレス装置によって自動的に行うことができる。1つの変形例では、アクセス制御クライアントの選択は、ワイヤレス装置(例えば、デフォールトネットワーク)の構成可能な設定によって決定される。例えば、複数の利用可能なネットワークオプションを有する移動装置は、最良の信号クオリティ、最高の帯域巾、最低の費用請求率、等、或いは複数のそれらのものの組み合わせ/最適化を与えるネットワークを選択することができる。
【0051】
別の典型的な実施形態では、ワイヤレス装置は、複数の無線アクセス技術インターフェイス(例えば、CDMA2000、GSM)を具現化して、その装置が各利用可能なインターフェイスのためのネットワークを選択できるようにする。1つの具現化において、あるワイヤレスインターフェイスは、音声サービスのためにネットワークを選択し、一方、他のワイヤレスインターフェイスは、データサービスのためのネットワークを選択する。又、性能(例えば、帯域巾)又はQoS或いはセキュリティを選択の基礎として使用してもよい(即ち、セキュアなトラフィックに対して1つのネットワーク、非セキュアなトラフィックに対して別のネットワーク)。
【0052】
適当なアクセス制御クライアントが選択されると、ワイヤレス装置は、その選択されたネットワークに関連したアクセス制御クライアントデータを検索する。本発明の1つの典型的な実施形態において、ユーザアクセスデータ(例えば、アクセス制御クライアント、それに関連した他のコンポーネント、等)は、ワイヤレス装置のセキュアなエレメントから検索される。例えば、セキュアなエレメントからのユーザアクセスデータのこのような検索を具現化する典型的な装置及び方法を記載した、先に取り上げた、2010年10月28日に出願された“METHODS AND APPARATUS FOR STORAGE AND EXECUTION OF ACCESS CONTROL CLIENTS”と題する共有で同時係属の米国仮特許出願第61/407,866号を参照されたい。
【0053】
別の実施形態では、その選択されたネットワークに関連したユーザアクセスデータがワイヤレス装置へダウンロードされる。例えば、ユーザアクセスデータのこのようなワイヤレスダウンロードを具現化するための典型的な方法を記載した、先に取り上げた、2010年10月28日に出願された“METHODS AND APPARATUS FOR DELIVERING ELECTRONIC IDENTIFICATION COMPONENTS OVER A WIRELESS NETWORK”と題する共有で同時係属の米国仮特許出願第61/407,862号を参照されたい。
【0054】
その後、アクセス制御クライアントは、ワイヤレス装置へロードされる。1つの典型的な実施形態において、検索されたユーザアクセスデータ(即ち、アクセス制御クライアント及びそれに関連した他のコンポーネント、等)は、ワイヤレス装置ソフトウェアへロードされる。1つの具現化において、ワイヤレス装置ソフトウェアは、希望のネットワークに接続することが要求されるワイヤレスインターフェイスが別の認証されたセッションに現在使用されているかどうか決定する。
【0055】
ワイヤレスインターフェイスが別の認証されたネットワークセッションに使用されていない場合には、ワイヤレス装置は、ステップ406で述べたように、アクセス制御を開始する。ワイヤレスインターフェイスが使用中である場合には、1つの実施形態において、ワイヤレスインターフェイスは、希望のネットワークへ接続できるようにワイヤレス装置ソフトウェアによりリセットされる。ワイヤレスインターフェイスのリセットの後に、ワイヤレス装置は、ステップ406で述べたように、アクセス制御を開始する。他の実施形態では、新たなホームネットワーク及び以前の訪問先ネットワークへの同時接続をサポートするために第2のワイヤレスインターフェイスが既存のワイヤレス接続と並列に開始される。
【0056】
本発明のある具現化において、ワイヤレス装置は、1つ以上のワイヤレスインターフェイスを収容する。1つの変形例では、2つ以上のワイヤレスインターフェイスが同時にアクティブとなって、ユーザアクセスデータを同時にロードできるようにする。例えば、UEの再スタート時に、CDMA2000ワイヤレスインターフェイス及びGSMワイヤレスインターフェイスのユーザアクセスデータが同時にロードされる。別の変形例では、UEは、あるワイヤレスインターフェイスから別のワイヤレスインターフェイスへ切り換える。
【0057】
ステップ406において、ワイヤレス装置は、アクセス制御手順を開始する。首尾良く行われた場合には、ワイヤレス装置は、選択されたネットワークからワイヤレスネットワークサービスを得ることができる。1つの実施形態では、アクセス制御手順は、ネットワークに対してワイヤレス装置を及びワイヤレス装置に対してネットワークを相互に認証するための挑戦・応答プロトコルである。そのような1つの実施形態では、アクセス制御手順は、認証及びキー合意(AKA)手順を含む(
図1及びそれに関連した説明を参照)。他の実施形態では、アクセス制御手順は、一方向性の認証を含み、例えば、セルラー装置又はセルラーネットワークのみが認証される。このような実施形態は、例えば、セルラー認証及び音声暗号(CAVE)ベースのアルゴリズムを含むが、他のアルゴリズムを同じ成功度で使用することもできる。
【0058】
本発明の種々の態様は、サービスのクオリティ及び効率の両方、並びにサービスカバレージを実質的に改善する。複数のユーザアクセスデータを記憶できるようにすることで、ユーザは、単一のUEにおいて異なるネットワークサービスプロバイダーに対する複数のサービス契約を維持することができる。このような特徴は、ユーザに価値を付加する。というのは、特に、(例えば、外国旅行の場合に)外国のネットワークサービスエリアのサービスプロバイダーでユーザアクセスデータを購入することにより国内のサービスエリアからローミングできるからである。更に、ユーザアクセスデータフォーマットは、特定の物理的カード(例えば、UICC、R−UIMカード、等)に限定されないので、複数のワイヤレスインターフェイス(例えば、GSM、CDMA、等)でイネーブルされるUEは、ユーザが変化する信号強度で異なるRAN間を切り換えできるようにすることでサービスカバレージを向上させることができる。
【0059】
1つの実施形態において、本発明は、アプリケーションベースのストア(例えば、オンラインストア)又はブローカーを通してワイヤレスネットワークのサービスプロバイダーに対してアクセス制御クライアントをユーザが購入して受け取れるようにすることに関連した収入又は利益の含蓄を考慮するものである。例えば、ユーザは、必須のユーザアクセスデータで新たな物理的カードを取得する必要なくワイヤレスサービスを得るという高い融通性をもつ。更に、アプリケーションベースのストアを通してのユーザアクセスデータのプロバイダーは、(例えば、短期間の外国旅行の場合)一時的なユーザアクセスデータに対して割増金を課すことができるが、これは、ユーザが国内のサービスプロバイダーでローミング料金又は国際サービスレートにおいて支払わねばならないものよりまだ安い。
【0060】
典型的な移動装置
図5には、本発明の方法を具現化するのに有用な典型的なユーザ又はクライアント移動装置500が示されている。
【0061】
図5の典型的UE装置は、デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は1つ以上の基板にマウントされた複数の処理コンポーネントのようなプロセッササブシステム502を伴うワイヤレス装置である。この処理サブシステムは、内部キャッシュメモリも含む。又、処理サブシステムは、例えば、SRAM、フラッシュ及びSDRAMコンポーネントを含むメモリを備えたメモリサブシステム504に接続される。このメモリサブシステムは、この技術でよく知られたように、データアクセスを容易にするために1つ以上のDMAタイプのハードウェアを具現化することができる。又、メモリサブシステムは、プロセッササブシステムにより実行できるコンピュータ実行可能なインストラクションを含む。
【0062】
1つの典型的な実施形態において、装置は、1つ以上のワイヤレスネットワークに接続するようにされた1つ以上のワイヤレスインターフェイス(506)で構成される。これら複数のワイヤレスインターフェイスは、適当なアンテナ及びモデムサブシステムを具現化することにより、GSM、CDMA、UMTS、LTE/LTE−A、WiMAX、WLAN、ブルーツース、等の異なる無線技術をサポートすることができる。
【0063】
ユーザインターフェイスサブシステム508は、これに限定されないが、キーパッド、タッチスクリーン(例えば、マルチタッチインターフェイス)、LCDディスプレイ、バックライト、スピーカ及び/又はマイクロホンを含む多数の良く知られたI/Oを含む。しかしながら、あるアプリケーションでは、これらコンポーネントの1つ以上が除去されてもよいことが明らかである。例えば、PCMCIAカードタイプクライアントの実施形態では、ユーザインターフェイスが欠けてもよい(それらが物理的及び/又は電気的に結合されるホスト装置のユーザインターフェイスに便乗させることができるので)。
【0064】
ここに示す実施形態では、eUICCアプリケーションを含んでいてそれを動作するセキュアなエレメント510を装置が備えている。このeUICCは、ネットワークオペレータとの認証に使用される複数のアクセス制御クライアントを記憶しそしてそれにアクセスすることができる。セキュアなエレメントは、プロセッササブシステムの要求時にメモリサブシステムによりアクセスすることができる。1つの典型的な実施形態では、セキュアなエレメントは、少なくとも区画可能なメモリを備え、この区画可能なメモリは、1つ以上のアクセス制御クライアント及びそれに関連したパッチを含むようにされる。
【0065】
また、セキュアなエレメントは、セキュリティ技術で良く知られたタイプのいわゆる「セキュアなプロセッサ」又はSMを含むこともできる。更に、一実施形態では、セキュアなエレメントは、記憶されたアクセス制御クライアントのリスト又は目録を維持する。この目録は、記憶されたアクセス制御クライアントの現在状態に関する情報を含むことができる。このような情報は、利用性、完全さ、有効性、以前に経験したエラー、等を含む。この目録は、必要に応じて、ユーザインターフェイスに更にリンク又は結合され、利用可能なアクセス制御クライアントをユーザが選択できるようにする。
【0066】
更に、典型的な実施形態の種々の実現は、実行時に、ローミング状態を検出し、それに応答して、他のアクセス制御クライアントオプションを評価するインストラクションを含む。少なくとも1つの変形例では、前記のローミング検出は、自動的である。このような検出は、地理/時間を経て(例えば、GPS受信器、既知の位置又は装置(例えば、ベースステーション又はWLAN AP)との関連性、「外国」ネットワーク通信(例えば、WIMAX MOB_ADVメッセージのような広告メッセージ)の受信、等を経て)行うことができる。
【0067】
別の変形例では、ローミング状態の検出は、ユーザにより手動でトリガーされる。更に別の実施形態では、装置は、ローミング検出を行わずにアクセス制御クライアントを評価するためにトリガーすることができ、例えば、ユーザ入力、状況特有動作(例えば、ユーザにより「仕事」又は「個人的」又は「国際的」と分類された番号をコールする)、等によりトリガーすることができる。
【0068】
典型的な実施形態の更に別の実施形態は、アクセス制御クライアントを選択しロードするためのインストラクションを含む。例えば、ローミング状態が検出されると、ユーザ装置は、装置ソフトウェアへロードするためにユーザアクセスデータ(例えば、アクセス制御クライアント、それに関連した他のコンポーネント、等)を検索する。
【0069】
1つの具現化において、ワイヤレス装置は、現在接続をデアクチベートし、そして新たなホームネットワークへの新たな接続を再確立する。別の具現化では、ワイヤレス装置は、現在接続(ローミングであってもよい)を持続し、且つ新たな接続を確立する。例えば、本発明のある具現化において、ワイヤレス装置は、1つ以上のワイヤレスインターフェイスを含むことができる。1つのそのような変形例では、2つ以上のワイヤレスインターフェイスが同時にアクチベートされて、ユーザアクセスデータを同時にロードできるようにする。例えば、UEの再スタート時に、CDMA2000ワイヤレスインターフェイス及びGSMワイヤレスインターフェイスのためのユーザアクセスデータを同時にロードすることができる。
【0070】
ユーザ装置500の以上の実施形態は、主として移動電話(例えば、スマートホン)について説明したが、本発明は、電話装置に限定されないことが明らかであろう。例えば、前記の技術は、例えば、“4G”WiMAXのようなデータネットワーク、或いはハンドヘルド又はラップコンピュータのようなWLANイネーブル装置に直接適用することができる。
【0071】
典型的なネットワーク装置
図6には、本発明の方法を具現化するのに有用な典型的なネットワーク装置600が示されている。
【0072】
図6の典型的なネットワーク装置は、サーバー600であり、これは、一般的に、通信ネットワークとインターフェイスするためのネットワークインターフェイス602と、プロセッサ604と、記憶装置606と、バックエンドインターフェイス608とを備えている。このバックエンドインターフェイス608は、UE500と直接通信するためのインターフェイスであるか、又はインターネットへのインターフェイスであって、UE500との通信を容易にするためのものである。更に、バックエンドインターフェイス608は、セルラーネットワークシステムと通信するためのインターフェイスである。他のインターフェイスを使用してもよく、以上のことは単なる例示に過ぎない。
【0073】
本発明の方法及び装置の以上の実施形態は、実質的にユーザ装置(例えば、UE)を中心とするものであるが、これら機能の幾つか又は全部をネットワークインフラストラクチャーにオフロードできることが明らかであろう。例えば、「ローミング」の検出に基づいて自動的にトリガーする上述した実施形態では、ユーザのアカウント、装置プロフィール、及び現在の/利用可能なアクセスクライアントを知っているサーバーのようなネットワークエンティティにより検出を行うことができる(又はそのネットワークエンティティに検出をシグナリングすることができる)。又、ネットワークエンティティは、信頼のあるアクセスクライアント(例えば、eSIM)プロバイダー又はブローカーと通信して、ローミングの検出又は他の基準に基づいて新たなeSIMのダウンロード(又はユーザ装置に既に存在するもののアクチベーション)を生じさせることができる。例えば、ユーザがサービスプロバイダーのネットワークの縁においてセルへハンドオフするか又はセルに関連付けするのを検出すると、エンティティは、第1のネットワークのカバレージを越えて延びる別のネットワークの新たなeSIMのダウンロード及び/又はアクチベーションを生じさせることができる。この形態で、ユーザ装置は、「より薄く」することができ、eSIM切り換え判断を行うための固有のロジック又はファシリティを必要としない。
【0074】
ネットワークエンティティは、サービスプロバイダーに関連付けられてもよいし(例えば、「古いホーム」又は「新しいホーム」ネットワークの一部分として)、或いは提携又は非提携の第三者サービス(例えば、特定のサービスプロバイダーと提携せずにクライアントに対するeSIMプロビジョニング/マネージメントをサービスとして提供するインターネットサービス)に関連付けられてもよい。又、ネットワークエンティティは、購入者にサービスを提供するようにユーザ装置(例えば、スマートホン)製造者により動作されてもよい。このため、ユーザは、そのようなネットワークエンティティとの通信及びローミング時のeSIMの効率的な選択を容易にする“app”(アプリケーション)を、自分の装置で使用するためにダウンロードすることもできる。
【0075】
また、本発明は、サービスプロバイダーとeSIM切り換えの呼び出しとの間の種々のビジネス関係も意図している。例えば、キャリアXがその現在「ホーム」ユーザの1つを、キャリアYに関連したeSIMへ切り換えることを決定したときに、キャリアXは、この事象をキャリアYへ報告し、そして既存の関係により、切り換えを生じさせるための支払又は他のタイプの事柄を得る(おそらくキャリアZへの切り換えを生じさせるのとは対照的に)。1つのそのようなモデルにおいて、キャリアX及びYは、単位時間当たり(例えば、毎月)他のキャリアにより生じるそれらネットワークへの切り換えの数に対する無形の「クレジット」と、どちらのキャリアがより多くの切り換えを生じたかに基づき適宜になされる支払とを互いに与える。当業者であれば、本開示が与えられると、種々の他のモデルが認識されよう。
【0076】
本発明の幾つかの態様を、方法ステップの特定のシーケンスに関して説明したが、これらの説明は、本発明の広い方法を例示するものに過ぎず、特定の用途により要求されるように変更できることが認識されよう。あるステップは、ある状況のもとでは、不要とされるか又は任意とされる。更に、ここに開示する実施形態にあるステップ又は機能を追加してもよいし、又は2つ以上のステップの実行順序を入れ替えてもよい。このような全ての変更は、ここに開示する本発明に包含されると考えられる。
【0077】
以上、種々の実施形態に適用された本発明の新規な特徴が図示され、説明され及び指摘されたが、当業者であれば、本発明から逸脱せずに、装置又はプロセスの形態及び細部に種々の省略、置き換え及び変更がなされ得ることが理解されよう。以上の説明は、本発明を実施するよう現在意図される最良の態様である。この説明は、何ら限定を意図しておらず、本発明の一般的な原理の例示と考えるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって限定される。