(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5816381
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】複数SIM環境におけるCBSサービスを最適化するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 8/18 20090101AFI20151029BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20151029BHJP
【FI】
H04W8/18
H04W4/06
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-546039(P2014-546039)
(86)(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公表番号】特表2015-504274(P2015-504274A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(86)【国際出願番号】US2012068042
(87)【国際公開番号】WO2013086055
(87)【国際公開日】20130613
【審査請求日】2014年6月16日
(31)【優先権主張番号】61/569,056
(32)【優先日】2011年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/332,745
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ナヴィーン・クマール・ハンチャッテ
(72)【発明者】
【氏名】スドヘール・クラクチャーラ
【審査官】
遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02302973(EP,A1)
【文献】
3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Core Network and Terminals;Technical realization of Cell Broadcast Service (CBS)(Release 9),3GPP TS 23.041 V9.4.0 (2010-06),2010年 6月,p.7-8, 11, 17, 22-23, 32-34
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ受信のための方法であって、
通信デバイスにおける第1の加入者識別モジュール(SIM)と第2のSIMの両方が、同じパブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)で確立された通信を有するかどうかを判定するステップと、
前記第1のSIMと前記第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージ識別子(ID)リストを生成するステップと、
受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定するステップと、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの選択された1つに、前記CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するステップと、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの残りの1つに、前記CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するステップと
を含み、
前記CBSメッセージをモニタするように指示された前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記選択された1つが、主要なSIM、またはより良い不連続受信(DRX)パフォーマンスを有するSIMであり、
前記より良いDRXパフォーマンスを有するSIMが、前記CBSメッセージをモニタするように指示され、
前記方法が、
前記第1のSIMの第1のDRXパフォーマンスの第1の電力消費の第1の値を判定するステップと、
前記第2のSIMの第2のDRXパフォーマンスの第2の電力消費の第2の値を判定するステップと、
前記第1の値または前記第2の値のうち、どちらがより少ない電力を消費するかを判定するステップと
をさらに含み、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの識別された1つが、前記第1の値または前記第2の値のうち、より少ない電力を消費すると判定された値に対応する値を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のSIMが、第1の組のCBSメッセージをモニタするように設定され、前記第2のSIMが、第2の組のCBSメッセージをモニタするように設定され、前記組み合わされたCBSメッセージIDリストが、前記第1の組のCBSメッセージおよび前記第2の組のCBSメッセージからのCBSメッセージの任意の重複した識別子のうち、単一の識別子のみを含み、
前記受信したCBSメッセージが、前記組み合わされたCBSメッセージIDリストの中の識別子のうちの1つに一致する識別子を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組み合わされたCBSメッセージIDリストを生成するステップが、
前記第1の組のCBSメッセージおよび前記第2の組のCBSメッセージからのCBSメッセージに対応した、一意のメッセージ識別子および重複したメッセージ識別子を識別するステップと、
前記一意のメッセージ識別子の各々、および前記重複したメッセージ識別子のうちの単一のインスタンスのみを、前記組み合わされたCBSメッセージIDリストに加えるステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記受信したCBSメッセージの識別子が、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記選択された1つ、または前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記残りの1つによってモニタされることになるCBSメッセージに一致する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記残りの1つに、前記CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するステップが、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記残りの1つに対応したプロトコルスタックの物理層を指示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記判定された地理的範囲が、PLMN全体またはセル全体である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記より良いDRXパフォーマンスを有するSIMが、前記CBSメッセージをモニタするように指示され、
前記方法が、
前記第1のSIMの第1のDRXパフォーマンス中のウェイクアップ期間の間の第1のインターバルの第1の値を判定するステップと、
前記第2のSIMの第2のDRXパフォーマンス中のウェイクアップ期間の間の第2のインターバルの第2の値を判定するステップと、
前記第1の値または前記第2の値のうち、どちらがより大きいかを判定するステップと
をさらに含み、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの識別された1つが、前記第1の値または前記第2の値のうち、より大きいと判定された値に対応する値を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のSIMと前記第2のSIMの両方が前記地理的範囲内に位置するわけではないとき、前記判定された地理的範囲において確立された通信を有する前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの判定された1つに、前記CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ受信のための装置であって、
第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを判定し、
前記第1のSIMと前記第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージ識別子(ID)リストを生成し、
受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定し、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの選択された1つに、前記CBSメッセージをモニタし、処理するように指示し、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの残りの1つに、前記CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するように
構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリと
を含み、
前記CBSメッセージをモニタするように指示された前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの1つが、主要なSIM、またはより良い不連続受信(DRX)パフォーマンスを有するSIMであり、
前記より良いDRXパフォーマンスを有するSIMが、前記CBSメッセージをモニタするように指示され、
前記プロセッサが、
前記第1のSIMの第1のDRXパフォーマンスの第1の電力消費の第1の値を判定し、
前記第2のSIMの第2のDRXパフォーマンスの第2の電力消費の第2の値を判定し、
前記第1の値または前記第2の値のうち、どちらがより少ない電力を消費するかを判定するように
さらに構成されており、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの識別された1つが、前記第1の値または前記第2の値のうち、より少ない電力を消費すると判定された値に対応する値を含む、装置。
【請求項10】
前記第1のSIMが、第1の組のCBSメッセージをモニタするように設定され、前記第2のSIMが、第2の組のCBSメッセージをモニタするように設定され、前記組み合わされたCBSメッセージIDリストが、前記第1の組のCBSメッセージおよび前記第2の組のCBSメッセージからのCBSメッセージの任意の重複した識別子のうち、単一の識別子のみを含み、
前記受信したCBSメッセージが、前記組み合わされたCBSメッセージIDリストの中の識別子のうちの1つに一致する識別子を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記組み合わされたCBSメッセージIDリストを生成するように構成された前記プロセッサが、
前記第1の組のCBSメッセージおよび前記第2の組のCBSメッセージからのCBSメッセージに対応した、一意のメッセージ識別子および重複したメッセージ識別子を識別し、
前記一意のメッセージ識別子の各々、および前記重複したメッセージ識別子のうちの単一のインスタンスのみを、前記組み合わされたCBSメッセージIDリストに加えるように
さらに構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記受信したCBSメッセージの識別子が、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記選択された1つ、または前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記残りの1つによってモニタされることになるCBSメッセージに一致する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記残りの1つに、前記CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するように構成された前記プロセッサが、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記残りの1つに対応したプロトコルスタックの物理層を指示するようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記判定された地理的範囲が、PLMN全体またはセル全体である、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記より良いDRXパフォーマンスを有するSIMが、前記CBSメッセージをモニタするように指示され、
前記プロセッサが、
前記第1のSIMの第1のDRXパフォーマンス中のウェイクアップ期間の間の第1のインターバルの第1の値を判定し、
前記第2のSIMの第2のDRXパフォーマンス中のウェイクアップ期間の間の第2のインターバルの第2の値を判定し、
前記第1の値または前記第2の値のうち、どちらがより大きいかを判定するように
さらに構成されており、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの識別された1つが、前記第1の値または前記第2の値のうち、より大きいと判定された値に対応する値を含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記第1のSIMと前記第2のSIMの両方が前記地理的範囲内に位置するわけではないとき、前記プロセッサが、前記判定された地理的範囲において確立された通信を有する前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの判定された1つに、前記CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するようにさらに構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
コンピュータ可読記録媒体であって、
通信デバイスにおける第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを、コンピュータに判定させるための第1の組の命令と、
前記第1のSIMと前記第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージIDリストを、前記コンピュータに生成させるための第2の組の命令と、
受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を、前記コンピュータに判定させるための第3の組の命令と、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの選択された1つに、前記CBSメッセージをモニタし、処理するように、前記コンピュータに指示させるための第4の組の命令と、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの残りの1つに、前記CBSメッセージをモニタせず、処理しないように、前記コンピュータに指示させるための第5の組の命令と
を含み、
前記CBSメッセージをモニタするように指示された前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記選択された1つが、主要なSIM、またはより良い不連続受信(DRX)パフォーマンスを有するSIMであり、
前記より良いDRXパフォーマンスを有するSIMが、前記CBSメッセージをモニタするように指示され、
前記コンピュータ可読記録媒体が、
前記第1のSIMの第1のDRXパフォーマンスの第1の電力消費の第1の値を判定するための命令と、
前記第2のSIMの第2のDRXパフォーマンスの第2の電力消費の第2の値を判定するための命令と、
前記第1の値または前記第2の値のうち、どちらがより少ない電力を消費するかを判定するための命令と
をさらに含み、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの識別された1つが、前記第1の値または前記第2の値のうち、より少ない電力を消費すると判定された値に対応する値を含む、コンピュータ可読記録媒体。
【請求項18】
装置であって、
通信デバイスにおける第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを判定するための手段と、
前記第1のSIMと前記第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージIDリストを生成するための手段と、
受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定するための手段と、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの選択された1つに、前記CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するための手段と、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの残りの1つに、前記CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するための手段と
を含み、
前記CBSメッセージをモニタするように指示された前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの前記選択された1つが、主要なSIM、またはより良い不連続受信(DRX)パフォーマンスを有するSIMであり、
前記より良いDRXパフォーマンスを有するSIMが、前記CBSメッセージをモニタするように指示され、
前記装置が、
前記第1のSIMの第1のDRXパフォーマンスの第1の電力消費の第1の値を判定するための手段と、
前記第2のSIMの第2のDRXパフォーマンスの第2の電力消費の第2の値を判定するための手段と、
前記第1の値または前記第2の値のうち、どちらがより少ない電力を消費するかを判定するための手段と
をさらに含み、
前記第1のSIMおよび前記第2のSIMのうちの識別された1つが、前記第1の値または前記第2の値のうち、より少ない電力を消費すると判定された値に対応する値を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
特許についての本出願は、「CBS Service for Dual SIM Capable UE」と題され、2011年12月9日に出願された米国仮出願第61/569,056号の優先権を主張するものであり、本出願の譲受人に譲渡され、これによって、参照により本明細書に明白に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ処理に関し、より詳細には、複数の加入者識別モジュール(SIM: subscriber identification module)を有するデバイスにおいて、CBSメッセージを効率的に処理することに関する。
【背景技術】
【0003】
セルブロードキャストサービス(CBS)は、セルオペレータが、特定の地域におけるユーザ機器(UE)または基地局(MS)に、メッセージをブロードキャストすることを可能にする。CBSメッセージは、交通、天気、一般広告、緊急関連メッセージ、その他に関する情報を収容することができる。CBSメッセージの地理的範囲は、パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)内の1つのセル、PLMNにおけるセルのグループ、またはそのPLMN全部であってよい。メッセージの地理的範囲に基づいて、CBCが、特定のエリアにおけるUE/MSに、CBSメッセージをブロードキャストする。デバイスユーザは、たとえば、天気、スポーツ、交通、その他のユーザが購読加入したいCBSメッセージのタイプを、関連付けられた識別コードを選択することによって、および/または、ユーザインターフェース(UI)を通して、選択することができる。Dual SIM Dual Standby UEなどの、デュアル加入者識別モジュール(SIM)カードを有するUE/MSでは、両方のSIMが同じオペレータからである場合、または2つのオペレータ間にローミング協定がある場合に、両方のSIMが同じCBSメッセージを受信することになる可能性がある。これは、電力消費の増加のみならず、不必要なメッセージの重複を生み出す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下では、1つまたは複数の態様の簡略化した概要を、そのような態様の基本的理解を提供するために提示する。この概要は、すべての企図される態様の幅広い全体像ではなく、すべての態様の主要なまたは重要な要素を識別することも、任意のまたはすべての態様の範囲を叙述することも意図していない。その唯一の目的は、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を、後述されるより詳細な説明への序文として、簡略化した形で提示することである。
【0005】
いくつかの態様によれば、セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ受信のための方法が、通信デバイスにおける第1の加入者識別モジュール(SIM)と第2のSIMの両方が、同じパブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)で確立された通信を有するかどうかを判定するステップと、第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、第1のSIMおよび第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージ識別子(ID)リストを生成するステップと、受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定するステップと、第1のSIMおよび第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの選択された1つに、CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するステップと、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの残りの1つに、CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するステップとを含む。
【0006】
いくつかの態様によれば、セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ受信のための装置が、第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを判定し、第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、第1のSIMおよび第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージ識別子(ID)リストを生成し、受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定し、第1のSIMおよび第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの選択された1つに、CBSメッセージをモニタし、処理するように指示し、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの残りの1つに、CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを含む。
【0007】
いくつかの態様によれば、コンピュータプログラム製品が、通信デバイスにおける第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを、コンピュータに判定させるための第1の組の命令と、第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、第1のSIMおよび第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージIDリストを、コンピュータに生成させるための第2の組の命令と、受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を、コンピュータに判定させるための第3の組の命令と、第1のSIMおよび第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの選択された1つに、CBSメッセージをモニタし、処理するように、コンピュータに指示させるための第4の組の命令と、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの残りの1つに、CBSメッセージをモニタせず、処理しないように、コンピュータに指示させるための第5の組の命令とを含むコンピュータ可読記録媒体を含む。
【0008】
いくつかの態様によれば、装置が、通信デバイスにおける第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを判定するための手段と、第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、第1のSIMおよび第2のSIMからのメッセージ識別子を含む、組み合わされたCBSメッセージIDリストを生成するための手段と、受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定するための手段と、第1のSIMおよび第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの選択された1つに、CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するための手段と、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの残りの1つに、CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するための手段とを含む。
【0009】
上述の、および関連した目的を達成するために、1つまたは複数の態様は、以下で十分に説明され、特許請求の範囲において特に指摘される特徴を含む。次の説明および付属の図面は、1つまたは複数の態様の、ある説明のための特徴を詳細に明記する。しかしながら、これらの特徴は、様々な態様の原理が用いられてよい様々なやり方のうちのいくつかだけを示しており、本説明は、すべてのそのような態様およびその均等物を含むことを意図している。
【0010】
開示された態様は、開示された態様を限定するのではなく、例証するための提供される添付の図面を併用して以下で説明され、図面において、同様の呼称は、同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】いくつかの態様に従った、例示的なセルブロードキャストサービスネットワークを示す図である。
【
図2】いくつかの態様に従った、通信デバイスを示す図である。
【
図3】いくつかの態様に従った、セルブロードキャストメッセージ処理を示す流れ図である。
【
図4】いくつかの態様に従った、セルブロードキャストメッセージ処理についての一使用事例を示す流れ図である。
【
図5】いくつかの態様に従った、セルブロードキャストメッセージを処理するための装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、図面を参照して様々な態様が説明される。次の説明では、解説の目的のために、多くの固有の詳細が、1つまたは複数の態様の完全な理解を提供するために明記される。しかしながら、これらの固有の詳細なしに、そのような態様を実践できることが明らかであってよい。
【0013】
本明細書で説明される装置および方法は、CBSメッセージの受信を最適化することによって、電力消費の節約を提供し、複数SIMのデバイスにおけるCBSメッセージの重複を削減する。すべてのSIMが同じエリアにおける通信にある限り、1つのデバイスにおけるすべてのSIMのために、CBSメッセージ識別子の組み合わされた組を生み出すことができ、そのデバイスにおける複数のSIMのうちの1つが選択されて、すべてのCBSメッセージを受信することができる。さらに、そのデバイスにおける他のSIMは、CBSメッセージをリスンすること、および/または復号化することを停止するように指示されてよい。したがって、消費される電力はより少なく、同じデバイスにおける複数のSIM上で重複したCBSメッセージは受信されず、処理されない。
【0014】
図1は、本明細書で開示される様々な態様を実装することができる例示的なセルブロードキャストシステム100を図示する。セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ、CBSメッセージ101および103などは、交通、天気、一般広告、緊急関連メッセージ、その他のうちの1つまたは複数に関する情報を収容することができる。CBSメッセージ101、103は、1つまたは複数のセルブロードキャストエンティティ(CBE)102から発生することができ、CBE102は、セルブロードキャストセンタ(CBC)104に接続されている。各CBSメッセージ101、103は、メッセージの距離を示す、メッセージに関連付けられた地理的範囲を有することができる。CBSメッセージの地理的範囲は、たとえば、PLMN内の1つのセル、PLMNにおけるセルのグループ、またはそのPLMN全部であってよい。CBC104は、メッセージのそれぞれの地理的範囲に従って、基地局コントローラ(BSC)106および1つまたは複数の基地局トランシーバ(BTS)108を介して、1つまたは複数の通信デバイス120にCBSメッセージ101、103をブロードキャストする。BSC106、BTS108、および通信デバイス120は、セル110およびセル112などの1つまたは複数のセルを有するパブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)114内に位置していてよい。通信デバイス120は、PLMNにおけるアクティブなセルに登録することによってネットワークエンティティのうちの1つまたは複数と通信し、したがって、通信デバイス120は、CBSメッセージ101、103のうちの1つまたは複数を受信することができる。
【0015】
図1に示すように、通信デバイス120は、第1のSIM(SIM1)122および第2のSIM(SIM2)124などの、複数の加入者識別モジュール(SIM)カードを含むことができる。通信デバイス120は、2つのSIMを有して示されているが、追加のSIMが含まれてもよい。各SIMカードは、PLMN内の特定のセル上で登録することができる。いくつかの態様においては、両方のSIMが同じセルに接続されてよく、一方他の態様においては、各SIMが異なるセルに接続してもよい。また、いくつかの態様において、各SIMは、異なるネットワークキャリアに関連付けられてもよい。他の態様において、各SIMは、同じネットワークキャリアに関連付けられてもよく、しかし異なる目的のために使用されてもよい。たとえば、第1のSIMがビジネスのために使用されてよく、一方第2のSIMが個人的な通信のために使用される。
【0016】
図2は、通信デバイス120をさらに詳細に図示する。通信デバイス120は、1つまたは複数のコンポーネントに関連付けられた機能、および本明細書で説明される機能の処理を行うためのプロセッサ202を含むことができる。プロセッサ202は、単一のプロセッサもしくは複数組のプロセッサ、またはマルチコアプロセッサを含むことができる。さらに、プロセッサ202は、統合処理システムおよび/または分散処理システムとして実装されてもよい。
【0017】
通信デバイス120は、本明細書で使用されるデータ、および/またはプロセッサ202によって実行されているアプリケーションのローカルバージョンを記憶するためなどの、メモリ204をさらに含む。メモリ204は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、テープ、磁気ディスク、光学ディスク、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、およびそれらの任意の組合せなどの、コンピュータによって使用可能な任意のタイプのメモリを含むことができる。アプリケーションは、たとえば、1つまたは複数のコンテキスト固有のパターンに一致するアプリケーションを含むことができる。
【0018】
さらに、通信デバイス120は、本発明で説明されるようなハードウェア、ソフトウェア、およびサービスを利用する、1つまたは複数のパーティとの通信の確立および維持を提供する通信コンポーネント206を含むことができる。通信コンポーネント206は、通信デバイス120上のコンポーネント間の通信、ならびに、通信デバイス120と、(通信ネットワークにわたって位置するデバイス、および/または通信デバイス120に直列にもしくはローカルに接続されたデバイスなどの)外部デバイスとの間の通信を搬送することができる。たとえば、通信コンポーネント206は、1つまたは複数のバスを含むことができ、外部デバイスとのインターフェースを取るために動作可能な、送信機および受信機にそれぞれ関連付けられた、送信チェーンコンポーネントおよび受信チェーンコンポーネントをさらに含むことができる。通信コンポーネント206はまた、SIM122、124などの、デバイスにおけるSIMと対話するように構成されてよい。
【0019】
加えて、通信デバイス120は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の好適な組合せであってよいデータストア208をさらに含むことができ、データストア208は、本明細書で説明される態様に関連して用いられる情報、データベース、およびプログラムのマスストレージを提供する。たとえば、データストア208は、プロセッサ202によって現在実行されていないアプリケーションのためのデータレポジトリであってよい。
【0020】
通信デバイス120は、通信デバイス120のユーザからの入力を受信するよう動作可能な、さらにユーザに提示するための出力を生成するよう動作可能な、ユーザインターフェースコンポーネント210を追加的に含むことができる。ユーザインターフェースコンポーネント210は、キーボード、テンキー、マウス、タッチセンサー式ディスプレイ、ナビゲーションキー、ファンクションキー、マイクロフォン、音声認識コンポーネント、静止カメラ、ビデオカメラ、オーディオレコーダ、および/もしくは入力を受信することが可能な任意の他のメカニズム、またはそれらの任意の組合せを含むがそれらに限定はしない、1つまたは複数の入力デバイスを含むことができる。さらに、ユーザインターフェースコンポーネント210は、ディスプレイ、スピーカ、触覚フィードバックメカニズム、プリンタ、出力を提示することが可能な任意の他のメカニズム、またはそれらの任意の組合せを含むがそれらに限定はしない、1つまたは複数の出力デバイスを含むことができる。
【0021】
加えて、いくつかの態様において、通信デバイス120は、SIM1 122およびSIM2 124などの複数のSIMを有するデバイスであってよい。2つのみのSIMが示されているが、これは例示的にすぎない。追加のSIMもまた含まれてよい。各SIM122、124は、受信されることになるメッセージ/メッセージのタイプを示すCBSメッセージリスト211、213を維持することができる。各SIM122、124はまた、それぞれのSIMに指定されたメッセージを受信する、および/または処理するためのCBSメッセージモニタリングモジュール215、217を含むことができる。
【0022】
通信デバイス120はまた、受信したCBSメッセージをどのように管理するかを判定するための処理を実施するように構成されたCBSメッセージング処理モジュール216を含むことができる。たとえば、一態様において、CBSメッセージング処理モジュール216は、通信デバイス120上のワイヤレスメッセージング層の一部であってもよく、ワイヤレスメッセージング層と通信していてもよい。初期処理は、たとえば、ワイヤレスデバイスにおける第1のSIMと第2のSIMの両方が、判定された地理的範囲において確立された通信を有するかどうかを判定すること、および個々のSIM CBSメッセージリストから組み合わされたCBSメッセージリストを生成することを含むことができる。一態様において、たとえば、CBSメッセージング処理モジュール216は、第1のSIMと第2のSIMの両方の通信範囲を判定し、両方が同じ範囲を有する場合に、組み合わされたCBSメッセージリストを生成するように構成されてよい。CBSメッセージング処理モジュール216は、すべてのSIMが受信したCBSメッセージの判定された地理的範囲内にあるとき、SIMのうちの1つに、組み合わされたリストに対応したすべてのCBSメッセージをモニタするように指示し、他のSIMには、CBSメッセージをモニタしないように指示するよう、さらに構成されてよい。一態様において、CBSメッセージング処理モジュール216は、1つのSIMを、デバイスにおける主要なSIMとして、そのステータスに基づいて選択することができる。他の態様において、CBSメッセージング処理モジュール216は、1つのSIMを、その不連続受信(DRX: discontinuous reception)パフォーマンスに基づいて選択することができる。たとえば、選択されたSIMは、ウェイクアップ期間の間のインターバルが最も大きいSIM、または消費する電力が最も少ないSIMであってよい。加えて、CBSメッセージング処理モジュール216は、たとえば、CBSメッセージを受信すると、メッセージヘッダに示された地理的範囲を判定するなどの追加の処理を実施して、それがSIMの地理的範囲と一致する場合に、そのCBSメッセージを、処理のために選択された1つのSIMに転送することができる。
【0023】
図3を参照すると、セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ受信のための方法300の一態様が示されている。たとえば、方法300は、通信デバイス120および/またはCBS処理モジュール216によって実行されてよい。302で図示するように、第1のSIMおよび第2のSIMが同じPLMNで確立された通信を有するかどうかに関して、判定がなされてよい。304で示すように、第1のSIMおよび第2のSIMが同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、第1のSIMと第2のSIMの両方から組み合わされたCBSメッセージIDリストが生成されてよい。306で示すように、次いで受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲が、判定されてよい。308で示すように、第1のSIMおよび第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの選択された1つが、CBSメッセージをモニタし、処理するように指示されてよい。310で示すように、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの残りの1つが、CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示されてよい。
【0024】
ここで
図4を参照すると、CBSメッセージプロセス400についての特定の使用事例の一態様を図示する流れ図が、さらに詳細に表現されている。たとえば、プロセス400は、通信デバイス120および/またはCBS処理モジュール216によって実行されてよい。プロセス400は、402で示すように、通信デバイスにおける第1のSIM、SIM1および第2のSIM、SIM2が、同じPLMNにキャンプされているかどうかを判定することによって開始される。同じPLMNにキャンプされていない場合、416で示すように、SIM1およびSIM2は、引き続き別々にCBSメッセージを受信する。SIM1およびSIM2が同じPLMNにキャンプされている場合、404で示すように、プロセスは、SIM1とSIM2の両方のために購読加入されたCBSメッセージ識別子の組み合わされたリストを形成することができる。これは、たとえば、SIM1およびSIM2からのいずれかの重複したメッセージ識別子のうち、単一の識別子のみを含むことを含んでよい。
図406で示すように、プロセスは、SIM1およびSIM2が同じセル上にあるかどうかをさらに判定する。上で説明したように、PLMNは複数のセルを含むことができ、各SIMは、同じセルに、または異なるセルに接続することができる。SIM1およびSIM2が同じセル上にある場合、408で図示するように、プロセスは、受信したCBSメッセージの地理的範囲が、セル全体であるか、またはPLMN全体であるかを判定することができる。いくつかの態様に従って、CBSメッセージング処理モジュール216(
図2)などの、ワイヤレスメッセージ層におけるモニタリングコンポーネントが、メッセージヘッダを調べることによって地理的範囲を判定する。たとえば、メッセージヘッダは、メッセージの範囲が、PLMN全体であるか、セル全体であるか、またはセルのグループをカバーしているかを示すことができる。
【0025】
したがって、同じPLMNおよび/または同じセル上にキャンプされたSIMについて、それぞれのPLMNおよび/またはセルに宛てられたCBSメッセージを、SIMのうちの1つのみで受信し、処理することによって、通信リソースを温存することができる。410で図示するように、プロセスは、SIM1およびSIM2のうちの1つに、組み合わされたリストに対応したすべてのCBSメッセージをモニタし、処理するように指示することを含む。これは、たとえば、購読加入されたCBSメッセージ識別子の組み合わされたリストを、選択されたSIMに提供することを含んでよい。いくつかの態様によれば、選択されたSIMは、ユーザによって主要なSIMに指定されているSIMである。たとえば、一態様において、主要なSIMは、他のSIMよりも、着信呼の受信において優先度を有する。他の態様において、選択されたSIMは、最も良い不連続受信(DRX)パフォーマンスを有するSIMであってよく、これは、たとえば、ウェイクアップ期間の間のインターバルがより長い、または電力消費がより低いSIMであってよい。
【0026】
412で示すように、選択されなかったSIMは、CBSメッセージについてモニタすることを停止するように指示されてよい。したがって、選択されなかったSIMは、ウェイクアップしてCBSメッセージのための制御チャネルをモニタすることをもはや要求されず、それにより、電力消費、および両方のSIM上で同じCBSメッセージを処理する可能性を削減する。406で判定されるとき、SIM1およびSIM2が同じセル内にない場合、414で示すように、受信したCBSメッセージの地理的範囲が、PLMN全体であるかどうかに関して判定がなされる。PLMN全体である場合、プロセスは、ステップ410およびステップ412に続く。地理的範囲がPLMN全体でない場合、416で示すように、SIM1およびSIM2は、引き続き別々にCBSメッセージを受信する。
【0027】
図5は、CBSメッセージを効率的に処理する装置500を図示する。装置500は、通信デバイス120内に、少なくとも部分的に常駐することができる。装置500は、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表現することができる、機能ブロックを含むものとして表現されていることを認識されたい。したがって、装置500は、連携して働くことができる電気コンポーネントの論理的なグループ化502を含む。たとえば、論理的なグループ化502は、第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを判定するための手段(ブロック504)を含むことができる。たとえば、一態様において、手段504は、CBS処理モジュール216および/またはプロセッサ202を含むことができる。さらに、論理的なグループ化502は、両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、第1のSIMと第2のSIMの両方から組み合わされたCBSメッセージIDリストを生成するための手段(ブロック506)を含むことができる。たとえば、一態様において、手段506は、CBS処理モジュール216および/またはプロセッサ202を含むことができる。論理的なグループ化502はまた、受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定するための手段(ブロック508)を含むことができる。また、論理的なグループ化502は、第1のSIMおよび第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの選択された1つに、CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するための手段(ブロック510)を含むことができる。たとえば、一態様において、手段510は、CBS処理モジュール216および/またはプロセッサ202を含むことができる。論理的なグループ化502はまた、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの残りの1つに、CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するための手段(ブロック512)を含むことができる。たとえば、一態様において、手段512は、CBS処理モジュール216および/またはプロセッサ202を含むことができる。
【0028】
加えて、装置500は、ブロック504〜512に関連付けられた機能を実行するための命令を保持するメモリ514を含むことができる。ブロック504〜512のうちの1つまたは複数は、メモリ514の外部にあるように示されているが、メモリ514内に存在することもできることを理解されたい。一態様において、たとえば、メモリ514は、メモリ204またはデータストア208(
図2)と同じであっても、もしくは類似していてもよい。
【0029】
本主題の開示において、「例示的な(exemplary)」という単語は、例、具体例、または例証としての役割を果たすことを意味するように本明細書で使用される。「例示的な」として本明細書で説明される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましい、または有利であると解釈されるべきではない。むしろ、例示的という単語の使用は、具体的な様式で概念を提示することを意図している。
【0030】
本出願で使用されるとき、「コンポーネント」「モジュール」「システム」などという用語は、限定はしないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなどの、コンピュータに関連したエンティティを含むことを意図している。たとえば、コンポーネントは、それらであることに限定はしないが、プロセッサ上で動作しているプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよい。例証として、コンピューティングデバイス上で動作しているアプリケーションとコンピューティングデバイスの両方は、コンポーネントであってよい。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセス内および/または実行のスレッド内に常駐することができ、コンポーネントは、1つのコンピュータ上にローカライズされてもよく、および/または、2つ以上のコンピュータの間で分散されてもよい。加えて、これらのコンポーネントは、様々なデータ構造が記憶されている様々なコンピュータ可読記録媒体から実行することができる。コンポーネントは、ローカルシステム、分散システムにおいて別のコンポーネントと対話する1つのコンポーネントからのデータ、ならびに/あるいは、インターネットなどのネットワークにわたり信号を経由して他のシステムと対話する1つのコンポーネントからのデータなど、1つもしくは複数のデータパケットを有する信号に従ってなど、ローカルプロセスおよび/またはリモートプロセスを経由して通信することができる。
【0031】
さらに、様々な態様は、ワイヤード通信デバイスまたはワイヤレス通信デバイスであってよい通信デバイスに関連して本明細書で説明される。通信デバイスはまた、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイルデバイス、リモート局、リモート端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、通信デバイス、ユーザエージェント、ユーザデバイス、またはユーザ機器(UE)と呼ばれてもよい。ワイヤレス通信デバイスは、セルラー電話、サテライトフォン、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続能力を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイスであってよい。さらに、様々な態様は、基地局に関連して本明細書で説明される。基地局は、ワイヤレス端末と通信するために利用されてよく、アクセスポイント、Node B、または何らかの他の専門用語でやはり呼ばれてもよい。
【0032】
さらに、「または(or)」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味するように意図している。すなわち、別段明記しない限り、またはコンテキストから明らかでない限り、「XがAまたはBを利用する」という語句は、自然な包含的順列のいずれかを意味するように意図している。すなわち、「XがAまたはBを利用する」という語句は、次の具体例、XがAを利用する、XがBを利用する、またはXがAとBの両方を利用する、のいずれによっても満たされる。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲で使用されるときの冠詞「a」および「an」は、別途明記しない限り、または単数形を指すことがコンテキストから明らかでない限り、一般に「1つまたは複数の」を意味すると解釈すべきである。
【0033】
本明細書で説明される技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAおよび他のシステムなどの、様々なワイヤレス通信システムのために使用されてよい。「システム」および「ネットワーク」という用語は、しばしば区別なく使用される。CDMAシステムは、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA:Universal Terrestrial Radio Access)、cdma2000、その他などの無線技術を実装することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W-CDMA)およびCDMAの他の変形を含む。さらに、cdma2000は、IS-2000、IS-95、およびIS-856規格をカバーしている。TDMAシステムは、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標): Global System for Mobile Communications)などの無線技術を実装することができる。OFDMAシステムは、進化型UTRA(E-UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11 (Wi-Fi)、IEEE 802.16 (WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュOFDM、その他などの無線技術を実装することができる。UTRAおよびE-UTRAは、ユニバーサルモバイル電気通信システム(UMTS: Universal Mobile Telecommunication System)の一部である。3GPPロングタームエボリューション(LTE)は、ダウンリンクにOFDMAを利用し、アップリンクにSC-FDMAを利用する、E-UTRAを使用するUMTSのリリースである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、およびGSM(登録商標)については、「第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)と命名された組織からの文書に説明されている。加えて、cdma2000およびUMBについては、「第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)と命名された組織からの文書に説明されている。さらに、そのようなワイヤレス通信システムは、不対無認可スペクトル(unpaired unlicensed spectrum)、802.xx無線LAN、BLUETOOTH(登録商標)、および任意の他の短距離または長距離の無線通信技法をしばしば使用するピアツーピア(たとえばモバイル間同士)のアドホックネットワークシステムを追加的に含むことができる。
【0034】
様々な態様または特徴は、いくつかのデバイス、コンポーネント、モジュール、その他を含むことができるシステムに関して提示されることになる。様々なシステムは、追加のデバイス、コンポーネント、モジュール、その他を含んでもよく、および/または図面に関連して論じられたデバイス、コンポーネント、モジュール、その他のすべてを含まなくてもよいことを理解し、認識されたい。これらのアプローチの組合せもまた使用されてよい。
【0035】
本明細書で開示した実施形態に関連して説明される、様々な説明のための論理回路、論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスター論理回路、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または本明細書で説明した機能を実施するために設計された、それらの任意の組合せを用いて、実装または実施されてよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンであってもよい。プロセッサはまた、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアを併用した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成などの、コンピューティングデバイスの組合せとして実装されてもよい。加えて、少なくとも1つのプロセッサが、上記で説明したステップおよび/または措置のうちの1つまたは複数を実施するように動作可能な1つまたは複数のモジュールを含むことができる。
【0036】
さらに、本明細書で開示した態様に関連して説明される方法またはアルゴリズムのステップおよび/もしくは措置は、ハードウェアにおいて直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこの2つの組合せにおいて具体化されてよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当分野で知られる任意の他の形の記憶媒体に常駐することができる。例示的な記憶媒体がプロセッサに結合されてよく、その結果、プロセッサは、記憶媒体から情報を読み込み、記憶媒体に情報を書き込むことができる。代替として、記憶媒体はプロセッサに統合されてもよい。さらに、いくつかの態様において、プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに常駐することができる。加えて、ASICは、ユーザ端末に常駐することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとして、ユーザ端末に常駐することができる。加えて、いくつかの態様において、方法またはアルゴリズムのステップおよび/もしくは措置は、コードおよび/または命令のうちの1つ、またはそれらの任意の組合せ、またはそれらの組として、コンピュータプログラム製品の中に組み込まれてよいマシン可読記録媒体および/またはコンピュータ可読記録媒体に常駐することができる。
【0037】
1つまたは複数の態様において、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいて実装されてよい。ソフトウェアにおいて実装される場合、機能は、1つもしくは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読記録媒体に記憶または伝送されてよい。コンピュータ可読記録媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を促進する任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定はせずに例として、そのようなコンピュータ可読記録媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光学ディスク記憶デバイス、磁気ディスク記憶デバイスもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを搬送する、または記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むことができる。また、あらゆる接続がコンピュータ可読記録媒体と称されてもよい。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるとき、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD: compact disc)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光学ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(DVD: digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、およびブルーレイディスク(blu-ray disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、一方ディスク(disc)は通常、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せもまた、コンピュータ可読記録媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0038】
上述の開示は、説明のための態様および/または実施形態を論じたが、様々な変更形態および修正形態が、添付の特許請求の範囲によって定義されるような説明された態様および/または実施形態の範囲から逸脱することなく、本明細書において行われてよいことに留意されたい。さらに、説明された態様および/または実施形態の要素は、単数形において説明される、または特許請求されることがあるが、単数形への限定が明らかに述べられていない限り、複数形が企図されている。加えて、任意の態様および/または実施形態のすべてもしくは一部は、別段述べられていない限り、任意の他の態様および/または実施形態のすべてもしくは一部とともに利用されてもよい。
【符号の説明】
【0039】
100 セルブロードキャストシステム
101 セルブロードキャストサービス(CBS)メッセージ
102 セルブロードキャストエンティティ(CBE)
103 CBSメッセージ
104 セルブロードキャストセンタ(CBC)
106 基地局コントローラ(BSC)
108 基地局トランシーバ(BTS)
110 セル
112 セル
114 パブリックランドモバイルネットワーク(PLMN)
120 通信デバイス
122 第1の加入者識別モジュール(SIM1)
124 第2のSIM(SIM2)
202 プロセッサ
204 メモリ
206 通信コンポーネント
208 データストア
210 ユーザインターフェースコンポーネント
211 CBSメッセージリスト
213 CBSメッセージリスト
215 CBSメッセージモニタリングモジュール
216 CBSメッセージング処理モジュール
217 CBSメッセージモニタリングモジュール
500 装置
502 論理的なグループ化
504 第1のSIMと第2のSIMの両方が同じPLMNで確立された通信を有するかどうかを判定するための手段
506 両方が同じPLMNで確立された通信を有すると判定されると、第1のSIMと第2のSIMの両方から組み合わされたCBSメッセージIDリストを生成するための手段
508 受信したCBSメッセージに関連付けられた地理的範囲を判定するための手段
510 第1のSIMおよび第2のSIMが、判定された地理的範囲において確立された通信を有するとき、第1のSIMおよび第2のSIMのうちの選択された1つに、CBSメッセージをモニタし、処理するように指示するための手段
512 第1のSIMおよび第2のSIMのうちの残りの1つに、CBSメッセージをモニタせず、処理しないように指示するための手段
514 メモリ