(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による半導体集積回路装置の構成例を示す説明図、
図2は、
図1の半導体集積回路装置におけるDVFS、および電源遮断による動作モードの一例を示す説明図、
図3は、
図1の半導体集積回路装置における回路ブロックに設けられたレベルシフタの構成、およびレイアウトの一例を示す説明図、
図4は、
図1の半導体集積回路装置における送信側レベルシフト部、および受信側レベルシフト部の回路例を示す回路図、
図5は、
図4のA−B−C−Dで示すデバイスのレイアウト例を示す平面図、
図6は、
図5のA−B−C−D断面の一例を示す断面図、
図7は、
図4の送信側レベルシフト部、および受信側レベルシフト部における配線の接続例を示す説明図、
図8は、
図4の送信側レベルシフト部、および受信側レベルシフト部における配線の他の接続例を示す説明図である。
【0029】
本実施の形態1において、半導体集積回路装置1には、
図1に示すように、複数の回路ブロック2〜4が設けられている。回路ブロック2(第1の回路ブロック)は、電源VDDが供給される領域である。
【0030】
また、回路ブロック3,4(第2の回路ブロック)は、DVFS(第2の低消費電力制御)によって電源電圧が動的に可変にされる電源VDD2が供給される領域である。
【0031】
可変電圧である電源VDD2は、
図3に示す回路ブロック18に設けられたPMU(Power Management Unit)5によって制御される。この回路ブロック18には電源VDDが供給されており、電源スイッチ部は設けられていない。回路ブロック18は電源遮断が行われない領域いわゆる常時ON領域である。
【0032】
電源スイッチ制御部、および周波数/電源制御部を構成するPMU5は、半導体集積回路装置1に接続される周波数/電源制御部を構成する電源IC6に対し電圧変更命令(制御信号)を与え、該電源IC6は、その命令に基づいて、任意の電源VDD2を生成する。なお、この電源IC6は、
図1のように半導体集積回路装置1の外部に設けられるものに限られず、半導体集積回路装置1内に設けてもよい。
【0033】
回路ブロック2,3,4には、それぞれNチャネルMOSトランジスタを並列接続して構成した電源スイッチ部7(第1の電源スイッチ部),8(第2の電源スイッチ部),9(第2の電源スイッチ部)が接続されている。これら電源スイッチ部を構成するNチャネルMOSトランジスタのゲート絶縁膜は、他の領域で使用されるMOSトランジスタのゲート絶縁膜よりも厚く形成されており、ゲート絶縁膜の耐圧を高めることができる構造となっている。
【0034】
電源スイッチ部7は、回路ブロック2と電源VSSとの間に接続されており、この接続ノードが仮想電源VSSM1となる。電源スイッチ部8は、回路ブロック3と電源VSSとの間に接続されており、この接続ノードが仮想電源VSSM2となる。
【0035】
また、電源スイッチ部9は、回路ブロック4と電源VSSとの間に接続されており、この接続ノードが、仮想電源VSSM3となる(後述の
図4参照)。
【0036】
電源スイッチ部7〜9には、電源スイッチコントローラ10〜12(PSWC、電源スイッチ制御部)がそれぞれ接続されている。電源スイッチ部7〜9は、電源スイッチコントローラ10〜12によって、ON/OFF制御がそれぞれ行われる。それにより、回路ブロック2〜4は、電源遮断(第1の低消費電力制御、第1の電力制御状態)がそれぞれ独立して行われる。
【0037】
電源スイッチコントローラ10〜12は、PMU5から出力される命令を受けて、電源スイッチ部7〜9に制御信号を出力し、電源スイッチ部7〜9を制御する。ここで、電源スイッチ部7〜9を構成するトランジスタのゲート絶縁膜は、コア領域で用いられるNチャネルMOSトランジスタのゲート絶縁膜と同一の膜厚でもよい。但し、この場合は電源スイッチコントローラ10〜12の電源がVDDとなる。
【0038】
また、回路ブロック2〜4には、レベルシフタ13〜15がそれぞれ設けられている。これらレベルシフタ13〜15は、回路ブロック2と回路ブロック3との間、または回路ブロック2と回路ブロック4との間で信号を送受信する際に信号の電圧レベルを変換する回路である。
【0039】
その他に、半導体集積回路装置1には、各I/O端子毎にレベルシフタ16が設けられている。レベルシフタ16は、外部から入出力される信号の電圧レベルを変換(電源VCC振幅から電源VDD振幅)して、各I/O部に入出力する。これらI/O部は、たとえば、外部供給される電源VCCQ、および電源VSSQによって動作を行う。
【0040】
また、半導体集積回路装置1には、PMU5から電源IC6に対して出力される制御信号の信号電圧レベルを変換するレベルシフタ17、およびPMU5から電源スイッチコントローラ10〜12に出力される命令の電圧レベルを変換するレベルシフタ17aが設けられている。
【0041】
図2は、DVFS、および電源スイッチ部7〜9での電源遮断による動作モードの一例を示す説明図である。
【0042】
半導体集積回路装置1には、
図2(a)に示すように、動作モードとして「オーバドライブ」モード、「標準」モード、および「アンダドライブ」モードがあり、スタンバイモードとして、「クロックストップ」モード、「遮断1」モードおよび「遮断2」モードがある。
【0043】
また、
図2(b)は、各モードにおける電源VDD2の電圧レベル、仮想基準電源VSSMの電圧レベル、および動作クロックの周波数値をそれぞれグラフ化したものである。
【0044】
まず、動作モードにおいて、「オーバドライブ」モードでは、電源VDD2は、例えば通常の電圧値である1.2V程度から1.3V程度に上げられ、動作クロック信号の周波数は、例えば800MHz程度となる。このモードの場合、消費電力と動作周波数がともに最大となる。
【0045】
また、「標準」モードでは、電源VDD2の電圧が例えば1.2V程度、動作クロック信号の周波数は例えば600MHz程度となる。
【0046】
「アンダドライブ」モードは、電源VDD2の電圧が例えば1.0V程度まで下げられ、動作クロック信号の周波数は、例えば200MHz程度と小さくなる。このモードにおいて消費電力、ならびに動作周波数が各動作モードのなかで最も小さくなる。
【0047】
このように、高い周波数で動作させる必要がある場合は、クロック信号の周波数、および電源VDDの電圧レベルを上げ、一方、低い周波数で動作させる場合は、クロック信号の周波数、ならびに電源VDDの電圧レベルを下げる。
【0048】
これによって、動作時の消費電力を効率的に低減することができる。
【0049】
続いて、スタンバイモードにおいて、「クロックストップ」モードでは、クロック信号がストップ状態となり、例えば1.2V程度の電圧の電源VDD2が供給され、電源スイッチ部8,9による電源遮断は行われない状態となる。
【0050】
また、「遮断1」モードでは、同様に、クロック信号がストップ状態となり、例えば1.2V程度の電圧の電源VDD2が供給されているが、電源スイッチ部8,9による電源遮断が行われる状態となる。
【0051】
さらに、「遮断2」モードにおいては、クロック信号がストップ状態となり、電源VDD2の電圧が例えば1.0V程度まで下げられ、電源スイッチ部8,9による電源遮断が行われる状態となる。
【0052】
スタンバイモードにおいては、クロック信号を停止するのみでは、リーク電流が問題となる。電源スイッチ部8,9による電源遮断を行い、スタンバイ時に電源遮断を行うことによって、クロック信号を停止する「クロックストップ」モードよりも、スタンバイ電流をより下げることができる。このとき、電源電圧を下げることによって、よりスタンバイ電流の削減効果があり、「遮断2」モードでは、電源VDD2の電圧レベルを下げているので、リーク電流削減の効果をより大きくすることができる。
【0053】
図3は、回路ブロック2に設けられたレベルシフタ13、および回路ブロック3に設けられたレベルシフタ14の構成とレイアウトの一例を示す説明図である。
【0054】
回路ブロック2に設けられたレベルシフタ13は、送信側レベルシフト部13a(第1の送信側レベルシフタ)と受信側レベルシフト部13b(
第1の受信側レベルシフタ)とから構成されている。同様に、回路ブロック3に設けられたレベルシフタ14は、送信側レベルシフト部14a(第2の送信側レベルシフタ)と受信側レベルシフト部14b(
第2の受信側レベルシフタ)とから構成されている。
【0055】
回路ブロック2から出力される信号
は、
送信側レベルシフト部13aにより差動信号に変換
されて受信側レベルシフト部14bに出力
される。回路ブロック3から出力される信号
は、
送信側レベルシフト部14aにより差動信号に変換
されて受信側レベルシフト部13bに出力
される。
【0056】
受信側レベルシフト部13bは、入力された差動信号を電源VDDの振幅にレベル変換し、受信側レベルシフト部14bは、入力された差動信号を電源VDD2の振幅にレベル変換する。なお、
図3では示していないが、回路ブロック4においても、送信側レベルシフト部、および受信側レベルシフト部がそれぞれ設けられた構成となっている。
【0057】
また、回路ブロック2、ならびに電源VDDが供給される常時ON領域である回路ブロック18は、
図3に示すように、WELL分離領域であるDEEP−NWELL領域19に形成されている。回路ブロック3,4は、電源VDD2が供給されるDEEP−NWELL領域20に形成されている。これらのDEEP−NWELL領域19および20はそれぞれ独立して配置されている。
【0058】
図4は、送信側レベルシフト部13a、および受信側レベルシフト部14bの回路構成の一例を示す回路図である。レベルシフタは、異なる2種の電源電圧を変換する回路である。電源VDDは送信側のレベルシフタに使用され、電源VDD2は受信側のレベルシフタおよび後段の出力バッファリング部に使用される。このような構成の回路が1つのセルとして構成される。
【0059】
送信側レベルシフト部13aは、トランジスタT1〜T4から構成されており、受信側レベルシフト部14bは、トランジスタT6,T7,T9〜T14から構成されている。また、トランジスタT5は、電源スイッチ部7を構成するトランジスタであり、トランジスタT8は、電源スイッチ部8を構成するトランジスタである。
【0060】
トランジスタT1,T3は、PチャネルMOSからなり、トランジスタT2,T4,T5は、NチャネルMOSからなる。また、トランジスタT6,T9,T10,T11,T13は、PチャネルMOSからなり、トランジスタT7,T8,T12,T14は、NチャネルMOSからなる。
【0061】
トランジスタT1,T2は、電源VDDと仮想電源VSSM1との間に直列接続されたインバータ構成となっており、該インバータの入力部に回路ブロック2から出力される信号が入力されるように接続されている。
【0062】
また、トランジスタT3,T4も、電源VDDと仮想電源VSSM1との間に直列接続されたインバータ構成となっており、トランジスタT1,T2によって構成されるインバータの出力部が、トランジスタT3,T4で構成されるインバータの入力部に接続されている。
【0063】
トランジスタT5の一方の接続部(ドレイン)には、仮想電源VSSM1が接続されており、該トランジスタT5の他方の接続部(ソース)には、電源VSSが接続されている。
【0064】
トランジスタT9,T10の一方の接続部(ソース)には、電源VDD2が接続されており、該トランジスタT9の他方の接続部(ドレイン)と仮想電源VSSM2との間には、トランジスタT6,T7が直列接続されてインバータを構成している。
【0065】
同様に、該トランジスタT10の他方の接続部(ドレイン)と仮想電源VSSM2との間には、トランジスタT11,T12が直列接続されてインバータを構成している。トランジスタT8の一方の接続部(ドレイン)には、仮想電源VSSM2が接続されており、該トランジスタT8の他方の接続部(ソース)には、電源VSSが接続されている。
【0066】
さらに、トランジスタT13,T14は、電源VDD2と仮想電源VSSM2との間に直列接続されたインバータ構成となっている。
【0067】
トランジスタT10のゲートには、トランジスタT6,T7で構成されるインバータの出力部が接続されており、トランジスタT9のゲートには、トランジスタT11,T12で構成されるインバータの出力部が接続されている。
【0068】
トランジスタT6,T7で構成されるインバータの入力部には、トランジスタT3,T4で構成されるインバータから出力される信号が、ならびにトランジスタT11,T12で構成されるインバータの入力部には、トランジスタT1,T2で構成されるインバータから出力される信号が差動信号としてそれぞれ入力されるように接続されている。
【0069】
また、トランジスタT6,T7で構成されるインバータの出力部には、トランジスタT13,T14で構成されるインバータの入力部が接続されており、該インバータの出力部が受信側レベルシフト部14bの出力部となる。
【0070】
図5は、
図4のA−B−C−Dで示すデバイスのレイアウトの一例を示す平面図である。
【0071】
まず、
図5の左側に示す送信側レベルシフト部13aにおいて、左上方には、トランジスタT3がレイアウトされており、その下方には、トランジスタT4がレイアウトされている。
【0072】
そして、トランジスタT4の右側には、電源スイッチ部7を構成するトランジスタT5がレイアウトされている。
【0073】
図5の右側に示す受信側レベルシフト部14bにおいては、左下方に電源スイッチ部8を構成するトランジスタT8がレイアウトされており、その右側には、トランジスタT7がレイアウトされ、該トランジスタT7の上方には、トランジスタT6がレイアウトされている。
【0074】
この場合、
図5に示すように、トランジスタT3は、DEEP−NWELL領域19上に形成されたNWELL領域21に形成されている。他のトランジスタT4,T5は、DEEP−NWELL領域19上に形成されたPWELL領域22a、およびPWELL領域22に形成されている。
【0075】
また、トランジスタT6は、DEEP−NWELL領域19とは異なるDEEP−NWELL領域20上に形成されたNWELL領域23に形成されている。他のトランジスタT7,T8は、DEEP−NWELL領域20上に形成されたPWELL領域24a、およびPWELL領域24に形成されている。
【0076】
図6は、
図5のA−B−C−Dの断面の一例を示す図である。
【0077】
P型半導体基板25には、
図6の左側、および右側に独立したDEEP−NWELL領域19とDEEP−NWELL領域20とがそれぞれ形成されている。DEEP−NWELL領域19の上方には、左から右にかけて、NWELL領域21の間にPWELL領域22aとPWELL領域22とが形成されている。
【0078】
NWELL領域21内に形成されたP型半導体領域26およびP型半導体領域27は、それぞれトランジスタT3のソースおよびドレインとして機能する。P型半導体領域26,27の上方には、酸化膜28を介してゲート29が形成されている。
【0079】
PWELL領域22a内に形成されたN型半導体領域30およびN型半導体領域31は、それぞれトランジスタT4のドレインおよびソースとして機能する。そして、N型半導体領域30,31の上方には、酸化膜32を介してゲート33が形成されている。
【0080】
PWELL領域22内に形成されたN型半導体領域34,35は、それぞれトランジスタT5のソースおよびドレインとして機能する。N型半導体領域34,35の上方には、酸化膜36を介してゲート37が形成されている。
【0081】
PWELL領域24内に形成されたN型半導体領域38,39は、それぞれトランジスタT8のソースおよびドレインとして機能する。N型半導体領域38,39の上方には、酸化膜40を介してゲート41が形成されている。
【0082】
PWELL領域24a内に形成されたN型半導体領域42,43は、それぞれトランジスタT7のソースおよびドレインとして機能する。N型半導体領域42,43の上方には、酸化膜44を介してゲート45が形成されている。
【0083】
NWELL領域23内に形成されたP型半導体領域47,46は、それぞれトランジスタT6のソースおよびドレインとして機能する。P型半導体領域46,47の上方には、酸化膜48を介してゲート49が形成されている。
【0084】
このように、DEEP−NWELL領域19とDEEP−NWELL領域20とが分離し独立して形成されていることによって、電圧レベルの異なる電源VDDと電源VDD2とがDEEP−NWELL領域を介して短絡することを防止することができる。
【0085】
また、各DEEP−NWELL領域上では、送信側レベルシフト部と受信側レベルシフト部がそれぞれ1電源のみを持つ構成となるので、他のスタンダードセルと同様に配置することが可能となり、レイアウトの自由度が高く、スタンダードセルとの親和性を良好にすることができる。
【0086】
図7は、送信側レベルシフト部13aおよび受信側レベルシフト部14b(または受信側レベルシフト部13b、および送信側レベルシフト部14a)間の接続配線の一例を示す説明図である。
【0087】
送信側レベルシフト部13aと受信側レベルシフト部14bとの接続配線は、
図7に示すように、差動信号となるTrue配線50、Bar配線51、ならびに電源VDD供給用(または電源VSS供給用)の電源配線52からなる。
【0088】
この場合、True配線50、ならびにBar配線51は、略等長配線になるように形成されている(貫通電流値が半導体集積回路装置1に影響しない程度の値となる程度で遅延を許容する範囲で略等長となることが望ましい)。
【0089】
これにより、差動信号の遅延時間などを大幅に低減することができ、受信側レベルシフト部14bの貫通電流などを軽減することができる。
【0090】
さらに、True配線50、およびBar配線51の間に電源配線52を配線するシールド構造とすることによって、True配線50とBar配線51とのクロスカップルによるクロストークノイズなどを軽減することができる。
【0091】
図8は、送信側レベルシフト部14aおよび受信側レベルシフト部14bの配置の他の例を示す説明図である。
【0092】
図7では、True配線50とBar配線51とによって電源VDD供給用(または電源VSS供給用)の電源配線52を挟むように配線したが、
図8に示すように、True配線50とBar配線51との間に電源VDD供給用の電源配線52と電源VSS供給用の配線53との2本の電源用配線を配線するようにしてもよい。
【0093】
本実施の形態1においては、
図5、
図6に示すように、DEEP−NWELL領域19とDEEP−NWELL領域20とを独立して形成し、送信側レベルシフト部13aと受信側レベルシフト部14bとをそれぞれDEEP−NWELL領域19とDEEP−NWELL領域20内に配置することが大きな特徴の一つとなっている。前述したように、本発明者らが検討した
図27の構造においては、DEEP−NWELL領域103を介しての電源VDDとVDD2の短絡が問題となる。これに対し、本実施の形態1においては、DEEP−NWELL領域19とDEEP−NWELL領域20とを分離し独立して形成することによって、電源VDDとVDD2の短絡を防いでいる。
【0094】
DEEP−NWELL領域を分割して複数個所に形成すると、各DEEP−NWELL領域間のスペースを確保する必要があるために、単一のDEEP−NWELL領域を形成する場合に比べて平面積が拡大し、チップ平面積の拡大につながってしまう。よって、通常はDEEP−NWELL領域を分割することは欠点があると考えられるが、本発明者らは電源VDDと電源VDD2の短絡という課題を発見したことにより、敢えてDEEP−NWELL領域19とDEEP−NWELL領域20を分離して独立して形成したのである。これによって、電源遮断技術に加えDVFSを併用することを初めて可能にしたのである。
【0095】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2による回路ブロックに設けられたレベルシフタの構成、およびレイアウトの一例を示す説明図、
図10は、
図9のレベルシフタを構成する送信側レベルシフト部、および受信側レベルシフト部の回路例を示す回路図、
図11は、
図10のA−B、C−D−E−F、G−Hで示すデバイスのレイアウト例を示す平面図、
図12は、
図10のA−B、C−D−E−F、G−H断面の一例を示す断面図である。
【0096】
本実施の形態2においては、送信側レベルシフト部13a、および受信側レベルシフト部14bを、
図9に示すように、DEEP−NWELL領域19とDEEP−NWELL領域20との間に存在するP型半導体基板25の常時ON領域に形成する。
【0097】
なお、
図9では、常時ON領域である回路ブロック18をDEEP−NWELL領域19に形成した例について示しているが、該回路ブロック18は、DEEP−NWELL領域19以外の領域に形成するようにしてもよい。
【0098】
図10は、送信側レベルシフト部13a、および受信側レベルシフト部14bの回路構成の一例を示す回路図である。
【0099】
送信側レベルシフト部13aは、
図4と同様に、トランジスタT1〜T4から構成されている。受信側レベルシフト部14bも、
図4と同様に、トランジスタT6,T7,T9〜T14から構成されている。
【0100】
送信側レベルシフト部13aにおいて、前記実施の形態1の
図4と異なるところは、トランジスタT5が、回路ブロック2の仮想電源VSSM1と電源VSSとの間に接続され、トランジスタT2,T4の他方の接続部が電源VSSに接続されている点である。
【0101】
同様に、受信側レベルシフト部14bでも、トランジスタT8が、回路ブロック3の仮想電源VSSM2と電源VSSとの間に接続され、トランジスタT7,T12,T14の他方の接続部が電源VSSに接続されている点が異なっている。また、その他の接続構成については、
図4と同様であるので、説明は省略する。
【0102】
図11は、
図10のA−B、C−D−E−F、G−Hで示すデバイスのレイアウト例を示す平面図である。
【0103】
図11の左側には、DEEP−NWELL領域19上に形成されたPWELL領域22にトランジスタT5が形成されている。このPWELL領域22は、NWELL領域21に囲まれるように形成されている。
【0104】
トランジスタT5の右側には、トランジスタT4が、P型半導体基板25(
図12)上に形成されており、該トランジスタT4の上方には、NWELL領域21a上にトランジスタT3が形成されている。
【0105】
トランジスタT3の右側には、NWELL領域23a上にトランジスタT6が形成されており、該トランジスタT6の下方には、トランジスタT7がP型半導体基板25上に形成されている。
【0106】
また、トランジスタT8は、DEEP−NWELL領域20上に形成されたPWELL領域24に形成されている。PWELL領域24は、NWELL領域23に囲まれるように形成されている。
【0107】
図12は、
図10のA−B、C−D−E−F、G−H断面の一例を示す断面図である。
【0108】
トランジスタT5においては、P型半導体基板25にDEEP−NWELL領域19が形成されており、該DEEP−NWELL領域19の上部には、PWELL領域22が形成されている。
【0109】
PWELL領域22には、ドレインとして機能するN型半導体領域54、およびソースとして機能するN型半導体領域55がそれぞれ形成されており、これらN型半導体領域54,55の上方には、酸化膜56を介してゲート57が形成されている。
【0110】
トランジスタT4は、P型半導体基板25にドレインとして機能するN型半導体領域59、およびソースとして機能するN型半導体領域58がそれぞれ形成されており、これらN型半導体領域58,59の上方には、酸化膜60を介してゲート61が形成されている。
【0111】
トランジスタT3は、P型半導体基板25上部にNWELL領域21aが形成されており、該NWELL領域21aにドレインとして機能するP型半導体領域62、およびソースとして機能するP型半導体領域63がそれぞれ形成されており、P型半導体領域62,63の上方には、酸化膜64を介してゲート65が形成されている。
【0112】
トランジスタT
6も同様に、P型半導体基板25上部にNWELL領域23aが形成されており、該NWELL領域23aには、ドレインとして機能するP型半導体領域67、およびソースとして機能するP型半導体領域66がそれぞれ形成されている。
【0113】
そして、P型半導体領域66,67の上方には、酸化膜68を介してゲート69が形成されている。また、トランジスタT
7,T8についても、トランジスタT4,T5と同様の構成となっている。
【0114】
それにより、本実施の形態2においては、送信側レベルシフト部13a、および受信側レベルシフト部14bの下部にDEEP−NWELL領域がないため、電源VDDと電源VDD2との短絡がなく、電源VSS遮断による消費電力の制御とDVFSとの共存を可能にすることができる。
【0115】
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3による半導体集積回路装置に設けられたパルスラッチ型シフタ回路の一例を示す説明図、
図14は、
図13のパルスラッチ型シフタ回路に設けられたパルス生成部の一例を示す回路図、
図15は、
図13のパルスラッチ型シフタ回路に設けられたパルスラッチ部の一例を示す回路図、
図16は、
図13のパルスラッチ型シフタ回路の動作例を示すタイミングチャート、
図17は、
図13のパルスラッチ型シフタ回路のレイアウト例を示した説明図である。
【0116】
本実施の形態3では、前記実施の形態1,2に示した送信側レベルシフト部13a、および受信側レベルシフト部14bの代わりとして、
図13に示すように、パルスラッチ型シフタ回路70,74を用いた場合について説明する。
【0117】
パルスラッチ型シフタ回路70は、たとえば、回路ブロック2に設けられており、電源VDD2の振幅の信号を電源VDDの振幅の信号に変換してラッチする。パルスラッチ型シフタ回路74は、たとえば、回路ブロック3に設けられており、電源VDDの振幅の信号を電源VDD2の振幅の信号に変換してラッチする。
【0118】
パルスラッチ型シフタ回路70は、ドライバ71、パルス生成部72、および複数のパルスラッチ部73から構成されている。また、パルスラッチ型シフタ回路74の構成についても、パルスラッチ型シフタ回路70と同様の構成となっている。
【0119】
パルスラッチ部73は、受信側のみでレベルシフト動作が可能である。回路ブロック2に設けられるパルスラッチ型シフタ回路70は、DEEP−NWELL領域19に形成されている。回路ブロック3(,4)に設けられるパルスラッチ型シフタ回路74は、DEEP−NWELL領域20に形成されている。
【0120】
パルス生成部72は、
図14に示すように、論理積回路AND、インバータIv1〜Iv3、および否定論理積回路NANDから構成されている。論理積回路ANDの一方の入力部には、ドライバ71を介して出力されるクロック信号φが入力されるように接続されており、該論理積回路ANDの他方の入力部には、不定防止信号が入力されるように接続されている。
【0121】
論理積回路ANDの出力部には、直列接続されたインバータIv1〜Iv3が接続されている。インバータIv3の出力部には、否定論理積回路NANDの一方の入力部が接続されており、否定論理積回路NANDの他方の入力部には、論理積回路ANDの出力部が接続されている。
【0122】
そして、否定論理積回路NANDの出力部が、パルス生成部72の出力となる。パルス生成部72は、インバータにより遅延によるワンショットパルスP1(P2)を生成する。
【0123】
また、パルスラッチ部73は、
図15に示すように、PチャネルMOSからなるトランジスタTr1,Tr2、およびNチャネルMOSからなるトランジスタTr3,Tr4が電源VDDと基準電位との間に直列接続された構成からなるレベル変換部73aと、インバータIv4,Iv5からなるラッチ部73bとから構成されている。
【0124】
トランジスタTr2,Tr3のゲートには、入力信号が入力されるように接続されており、トランジスタTr4のゲートには、パルス生成部72が発生したワンショットパルスP1が入力され、トランジスタTr1のゲートには、ワンショットパルスP1の反転信号である反転ワンショットパルス/P1が入力されるように接続されている。
【0125】
このパルスラッチ部73においては、送信側の回路ブロックが電源遮断されている場合、入力が不定となるためにクロック信号CKがLoレベルとなる。
【0126】
図16は、パルスラッチ型シフタ回路70におけるタイミングチャートである。
【0127】
図16においては、クロック信号φ1、パルス生成部72から出力されるパルス信号P1、パルスラッチ部73に入力される信号D2、およびパルスラッチ部73から出力される信号D1の信号タイミングをそれぞれ示している。
【0128】
回路ブロック3からHigh信号が出力された後、パルス生成部72が発生したワンショットパルスP1、および反転ワンショットパルス/P1が、トランジスタTr4,Tr1のゲートにそれぞれ入力されることによって、電圧レベルが変換されたLo信号が、レベル変換部73aから出力される。
【0129】
レベル変換部73aから出力されたLow信号は、ラッチ部73bによってラッチされた後、反転信号のHigh信号となって回路ブロック2の入力信号となる信号D1として該ラッチ部73bから出力される。
【0130】
なお、回路ブロック3からLow信号が出力された際には、レベル変換部73aによってレベル変換されたHigh信号が出力される。
【0131】
図17は、パルスラッチ型シフタ回路70、およびパルスラッチ型シフタ回路74のレイアウトの一例を示したものである。図示するように、パルスラッチ型シフタ回路70,74は、1電源の供給のみで供給されるので、DEEP−NWELL領域での電源短絡が発生せず、該DEEP−NWELL領域であれば、自由にレイアウトが可能である。
【0132】
それにより、本実施の形態3では、パルスラッチ型シフタ回路70、およびパルスラッチ型シフタ回路74を用いた構成とすることにより、受信側の論理機能ブロックにのみに配置することによってレベルシフト動作が可能となり、電源VDDと電源VDD2との短絡を防止することができる。
【0133】
(実施の形態4)
図18は、本発明の実施の形態4による半導体集積回路装置に設けられたレベルシフタ、および同期化回路の一例を示す説明図、
図19は、
図18の同期化回路による信号の同期化の後、パスセレクタを設けた一例を示す回路図、
図20は、
図19に用いられる受信側レベルシフト部における一例を示す回路図、
図21は、
図19の動作の一例を示す説明図、
図22は、
図19の動作の他の例を示す説明図、
図23は、信号の送り側となる回路ブロックが電源遮断されている際の
図19に示す回路における動作の一例を示す説明図、
図24は、
図19の受信側レベルシフト部における他の例を示す回路図、
図25は、
図18の回路をクロック信号ラインに用いた際の一例を示す説明図である。
【0134】
本実施の形態4においては、
図18に示すように、送信側レベルシフト部13aから出力された信号を受信側レベルシフト部14bで受信し、該受信側レベルシフト部14bから出力されたレベル変換後の信号に対して同期化回路75によって、クロック信号CKBによって同期化して出力する例を示している。
【0135】
電源VDDと電源VDD2とでは、電圧レベルが異なるためにクロック信号のレイテンシがずれてしまうために上記の同期化回路75による同期化が必要となる。この場合、同期化回路75は、受信側レベルシフト部14bの後段に設けられ、DEEP−NWELL領域20(
図3)に形成される。
【0136】
また、
図19は、
図18の同期化回路75による信号の同期化の後、パスセレクタ76を設けた一例を示す回路図である。
【0137】
パスセレクタ76は、電源VDDと電源VDD2とが同じ電圧レベルの際に、回路ブロック2から出力される信号を、送信側レベルシフト部13a、ならびに受信側レベルシフト部14bを介さずに回路ブロック3の論理部に入力するようにするセレクタ回路である。
【0138】
パスセレクタ76は、インバータIv6,Iv7、およびトランジスタTr5〜Tr12から構成されている。トランジスタTr5〜Tr8は、電源VDD2と電源VSSとの間に直列接続されている。
【0139】
同様に、トランジスタTr9〜Tr12においても、電源VDD2と電源VSSとの間に直列接続されている。トランジスタTr5,Tr6,Tr9,Tr10は、PチャネルMOSからなり、トランジスタTr7,Tr8,Tr11,Tr12は、NチャネルMOSからなる。
【0140】
インバータIv6の入力部、およびトランジスタTr8,Tr9のゲートには、電圧設定用レジスタなどから出力されるセレクト信号PASSSELが入力される。
【0141】
トランジスタTr6,Tr7のゲートには、同期化回路75の出力部が接続されており、トランジスタTr5,Tr12のゲートには、インバータIv6の出力部がそれぞれ接続されている。
【0142】
また、トランジスタTr10,Tr11のゲートには、回路ブロック2から出力される信号が入力されるように接続されている。トランジスタTr6とトランジスタTr7との接続部、およびトランジスタTr10とトランジスタTr11との接続部には、インバータIv7の入力部が接続されている。該インバータIv7の出力部は、パスセレクタ76の出力部となり、回路ブロック3の論理部に接続されている。
【0143】
図20は、
図19に用いられる受信側レベルシフト部14bの一例を示す回路図である。
【0144】
図20に示すように、受信側レベルシフト部14bは、たとえば、PMU5から出力される出力イネーブル信号が入力される出力イネーブル端子Eを備えている。受信側レベルシフト部14bは、前記実施の形態2の
図10の構成に、トランジスタT15,T16が新たに設けられた構成となっている。
【0145】
トランジスタT15は、NチャネルMOSからなり、トランジスタT16は、PチャネルMOSからなる。トランジスタT15の一方の接続部には、トランジスタT7とトランジスタT12との接続部が接続されており、該トランジスタT15の他方の接続部には、電源VSSが接続されている。
【0146】
トランジスタT16の一方の接続部には、電源VDD2が接続されており、該トランジスタT16の他方の接続部には、トランジスタT6とトランジスタT7との接続部がそれぞれ接続されている。
【0147】
また、トランジスタT15のゲート、およびトランジスタT16のゲートには、出力イネーブル信号が入力される。出力イネーブル端子EにLowレベル信号を入力することによって、受信側レベルシフト部14bの出力がLowレベルに固定される。すなわちレベルシフト部14bがディスエーブル状態となる。その他の接続構成については、
図10と同様であるので、説明は省略する。
【0148】
電圧設定用レジスタなどから出力されるセレクト信号PASSSELは、電源VDDと電源VDD2とが同じ電圧レベルの場合には、Low信号となるように設定される。この時、
図21に示すように、トランジスタTr9,Tr12がONとなり、回路ブロック2から出力される信号(ノードAの信号)は、トランジスタTr9〜Tr12、およびインバータIv7を介して出力される。
【0149】
このとき、受信側レベルシフト部14bの出力イネーブル信号端子Eには、Lowレベルの信号を入力し、受信側レベルシフト部14bの出力を固定する。ここで、電源VDDとVDD2が同じ電圧であるためノードAの信号の振幅(トランジスタTr10とTr11のゲート電圧)の最大値は電源VDD2の電圧と等しくなる。よって、トランジスタTr9,Tr12が、導通状態である時でも、インバータを構成するトランジスタTr10とTr11が共に導通状態となることはないためTr9〜Tr12に貫通電流は流れない。
【0150】
また、電源VDDと電源VDD2とが同じ電圧レベルの場合には、信号の同期化が不要となるため、同期化回路75に入力されるクロック信号は停止される。
【0151】
一方、電源VDDと電源VDD2とが異なる電圧レベルの場合には、セレクト信号PASSSELがHigh信号となるように設定される。これにより、
図22に示すように、トランジスタTr5,Tr8がONとなり、回路ブロック2から出力される。
【0152】
信号は、送信側レベルシフト部13a、受信側レベルシフト部14b、同期化回路75、トランジスタTr5〜Tr8、およびインバータIv7を介して出力されることになる。
【0153】
ここでは、トランジスタTr9,Tr12をOFFとするため、
図22のnetAが電源VDD振幅であっても貫通電流は流れない。
【0154】
図23は、信号の送り側となる回路ブロック2が電源遮断されている際の一例を示す説明図である。
【0155】
信号の送り側となる回路ブロック2が電源遮断された場合、送信側レベルシフト部13aのTrue配線とBar配線との信号、および
図23のノードAが不定となる。
【0156】
このとき、出力イネーブル信号端子EにLowレベルの信号を入力し、セレクト信号PASSSELをHighレベルとすることにより、受信側レベルシフト部14bは、Low信号固定となり、トランジスタTr9,Tr12がそれぞれOFFとなるので、netAが電源VDD振幅となっても貫通電流が流れない。
【0157】
また、
図23では、受信側の回路ブロック3に設けられたパスセレクタ76によって、不定電位の処理を行っていたが、たとえば、
図24に示したように、常時ON領域である回路ブロック18などに不定電位処理回路77を設けて、不定電位の処理を行うようにしてもよい。
【0158】
不定電位処理回路77は、図示するように、インバータIv8、ならびにトランジスタT17〜T20から構成されている。トランジスタT17,T18は、PチャネルMOSからなり、トランジスタT19,T20は、NチャネルMOSからなる。
【0159】
インバータIv8の入力部には、回路ブロック2が電源遮断された際にPMU5から出力される電源遮断信号STOPが入力されるように接続されており、該インバータIv8の出力部には、トランジスタT17のゲート、およびトランジスタT20のゲートがそれぞれ接続されている。
【0160】
トランジスタT17〜T19は、電源VDDと電源VSSとの間に直列接続されており、トランジスタT18とトランジスタT19との接続部には、トランジスタT20の一方の接続部が接続されている。トランジスタT20の他方の接続部には、電源VSSが接続されている。
【0161】
さらに、トランジスタT18とトランジスタT19との接続部には、パスセレクタ76のトランジスタTr10,Tr11のゲートが接続されている。
【0162】
回路ブロック2が電源遮断された際、Lowレベルの電源遮断信号STOPが不定電位処理回路77に入力される。それにより、不定電位処理回路77からは、Loレベルに固定された信号が出力され、トランジスタTr9,Tr12もOFFとなるので貫通電流を防止することができる。
【0163】
また、本発明は、信号ラインだけではなく、たとえば、
図25に示すように、クロック信号CKAなどのクロックラインに適用することも可能である。
【0164】
この場合、
図25の構成は、
図19と同様であり、送受信される信号がクロック信号CKAである点が異なる。また、動作についても、
図19と同様であり、電源VDDと電源VDD2とが同じ電圧レベルの場合には、電圧レベルの変換が不要となるのでセレクト信号PASSSELがLowレベルとなり、送信側レベルシフト部13a、および受信側レベルシフト部14bを介さないパスが選択される。
【0165】
また、電源VDDと電源VDD2とが異なる電圧レベルの場合には、セレクト信号PASSSELがHighレベルとなり、送信側レベルシフト部13a、および受信側レベルシフト部14bを介するパスが選択される。
【0166】
これによって、送信側レベルシフト部13a、受信側レベルシフト部14b、ならびに同期化回路75を通ることによるクロック信号のレイテンシの増加を防止することができる。
【0167】
それにより、本実施の形態4では、信号を送受信する際の遅延などを小さくすることができるので、半導体集積回路装置1の信頼性を向上させることができる。
【0168】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。