【課題を解決するための手段】
【0009】
本目的は、独立項の主題によって達成される。
【0010】
しかしながら、本発明は、本導入部において言及された従来技術の欠点の全てを除外する態様に限定されるものではない。むしろ、本発明は、以下に説明する態様のための一般的な保護をも主張する。
【0011】
以下において、本発明が、噴霧体としてのベルカップを有する回転アトマイザーに対して具体的に説明されていることにも言及されるべきである。しかしながら、本発明はまた、他の噴霧体(例:回転ディスク)を伴う他の種類の回転アトマイザー(例:ディスクアトマイザー)に対しても好適である。本発明の記載は、それゆえに、噴霧体としてのベルカップを伴う回転アトマイザーに保護の範囲を限定するものではなく、一般的な他の種類の回転アトマイザーをも保護する。
【0012】
噴霧体は、ネジ接続部に加えて、または、ネジ接続部の代わりに、固定装置を有し、好ましくは解放可能に、噴霧体を噴霧体シャフトに実装することが可能である。具体的には、噴霧体が、ネジ接続部だけでなく、好ましくは解放可能に、噴霧体を噴霧体シャフトに実装する固定装置をも有することが可能である。
【0013】
噴霧体シャフトは、ネジ接続部に加えて、または、ネジ接続部の代わりに、固定装置を有し、好ましくは解放可能に、噴霧体を噴霧体シャフトに実装することが可能である。具体的には、噴霧体シャフトが、ネジ接続部だけでなく、好ましくは解放可能に、噴霧体を噴霧体シャフトに実装する固定装置をも有することが可能である。
【0014】
一態様においては、固定装置は、噴霧体のための飛び出し防
止部(飛び出し防止手段)を実現するように設けられる。
【0015】
本発明のある変形例においては、噴霧体(例:ベルカップ)を噴霧体シャフト(例:ベルカップシャフト)に留めるために、既に知られ、独国特許発明第19521755号明細書に記載されているような、いわゆる多角形クランプ技術が用いられ、本文献の内容は、多角形クランプ技術に関して、本明細書に全て取り込まれる。
【0016】
本変形例においては、それゆえに、本発明は、噴霧体と噴霧体シャフトとの間にクランプ接続を作るクランプ装置を伴う噴霧体シャフトを備え、クランプ装置が独国特許発明第19521755号明細書に記載されているように設計され得ることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る噴霧体シャフトは、それゆえに、中空の内側輪郭を有し、噴霧体を噴霧体シャフトに実装するために、噴霧体の実装シャフトがその中に軸方向に導入され得る。
【0018】
クランプ装置を用いることによって、噴霧体シャフトの内部輪郭は、機械的に応力のかかっていない中立ポジションと、機械的に応力のかかっている実装ポジションとの間で弾性的に変形可能である。機械的に応力のかかっている実装状態においては、噴霧体シャフトの内側輪郭は、噴霧体の実装シャフトの外側輪郭と略一致し、噴霧体の実装シャフトが噴霧体シャフトの内側輪郭に導入され得る。クランプ装置は、それゆえに、噴霧体シャフトの内側輪郭を変形するために、噴霧体の実装中に挿入され、ベルカップの実装シャフトが噴霧体シャフトに導入され得る。ベルカップの実装シャフトを導入した後、ついで、噴霧体シャフトがその中立状態に弾性的に跳ね返る結果として、クランプ装置は、噴霧体シャフトにおける変形力を解放し、その結果、噴霧体シャフトの内側輪郭と、噴霧体の実装シャフトとの間のそれに対応するクランプ接続に至る。
【0019】
概して、一方における噴霧体の実装シャフトの側面と、他方における噴霧体シャフトの内側輪郭との間に、直線的な接触が発生する。
【0020】
本変形例の好ましい実施態様においては、クランプ装置は、クランプネジがねじ込まれ得るクランプ穴を有し、クランプネジがねじ込まれる時に、噴霧体シャフトの内側輪郭が、中立状態から実装状態に変形されることを特徴とする。クランプネジを収容するクランプ穴は、好ましくは噴霧体シャフトの回転面に、および/または、回転軸から離隔されるように延びる。
【0021】
本発明の本変形例における噴霧体シャフトの内側輪郭は、噴霧体の円筒形状の実装シャフトへの形状適合を実現するために、中立状態においては好ましくは多角形で、実装状態においては略円筒形であることにも言及されるべきである。
【0022】
さらに、本発明はまた、ベルカップ固定具の他の変形例をも備え、本変形例は、欧州特許出願公開第1674161号明細書に記載されているベルカップ固定具と部分的に一致することを特徴とし、本文献の内容は、本発明の本変形例の構造的構成に関して本明細書に全て取り込まれる。本発明の本変形例においては、それに加えて、噴霧体シャフトが、噴霧体の実装シャフトに、それに対応するように適合した外部スレッドがねじ込まれ得る内部スレッドを伴う中空の内側輪郭を有する。
【0023】
ネジ接続部を伴う従来のベルカップ固定具と対照的に、噴霧体シャフトの内部スレッドは、スレッドの長さにわたって、噴霧体に向かって拡がる。すなわち、噴霧体シャフトの内部スレッドは、ねじ込みの深さを増加させつつ狭まっていく。
【0024】
それゆえに、本変形例における噴霧体の実装シャフトは、軸方向に、または軸に対して所定の角度に伸びるいくつかのスリットを有し、それらは実装シャフトの前側を始点とし、その遠位末端において、実装シャフトをいくつかのシャフトセクターに分割し、噴霧体シャフトの円錐形状でテーパーを有する内部スレッドに適合するために、径方向に弾力性を有する。噴霧体の実装シャフトが噴霧体シャフトの円錐形状でテーパーを有する内部スレッドにねじ込まれる時、個々のシャフトセクターは径方向内側に押される。ここで、噴霧体の実装シャフト内の軸方向に延びるスリットによって、個々のシャフトセクターは径方向内側にずれることが可能となる。
【0025】
そのようなベルカップ固定具を伴うベルカップの運転中、運転中に作用する遠心力によって個々のシャフトセクターは径方向外側に押され、それゆえに、ネジ接続部における抵抗および/またはプリテンションを増加させ、そしてそれゆえに、力、モーメント、そしてそれゆえにネジ接続部を緩めるために必要な緩める向きへの仕事を増加させる。
【0026】
噴霧体シャフトにおける円錐形状のスレッド形態によって、スレッドの長さを増加させつつ、一方における噴霧体の実装シャフトの外部スレッドのスレッド外径と、他方における噴霧体シャフトの内部スレッドの外径との間に増大する間隔が生じる。これは、汚れが本間隔に向けて方向転換し得ることによって噴霧体のセンタリングへの影響はないという利点をもたらし、ベルカップ固定具の把持機能が損なわれないという利点をもたらす。
【0027】
本発明に係る噴霧体における隣接するシャフトセクター間のスリットが、本発明の本変形例においては、たとえばエラストマーのような、弾性を有する、および/または、振動減衰性を有する材料で好ましくは満たされることにも言及されるべきである。好ましくは、加硫プロセスによって、弾性を有する、および/または、振動減衰性を有する材料が、噴霧体の金属材料に固く付着されることによって、残余不均衡によって引き起こされる微少振動が弱められる。さらに、たとえば、スリットの中に、被覆材料または他の媒体の堆積が生じることを防ぐために、弾性を有する、および/または、振動減衰性を有する材料が設けられ得る。
【0028】
スリットを封止する環状体がシャフトセクターの内側に挿入されることが可能である。好ましくは、スリットに係合するリブは環状体に形成される。環状体は好ましくはゴム製の弾性材料で作られる。
【0029】
本発明の本変形例の一態様においては、噴霧体シャフトの内部スレッドが、歯先にわたって測定された公称直径を有し、それがスレッドの長さにわたって略一定である一方、歯底にわたって測定されたコア直径は、スレッドの長さにわたって、噴霧体に向かって増加する。これは、噴霧体シャフトの内部スレッドの歯先の連結ラインが、噴霧体シャフトの内部スレッドの歯底の連結ラインと平行ではないことを意味する。むしろ、本態様における2つの連結ラインは、たとえば、0.5°〜2°の範囲であり得る角度を包含する。
【0030】
本変形例の他の態様においては、噴霧体シャフトの内部スレッドの公称直径およびコア直径が、噴霧体に対して等しく増加する。これは、噴霧体シャフトの内部スレッドの歯先の連結ラインが、噴霧体シャフトの内部スレッドの歯底の連結ラインと平行である、ことを意味する。ここにおいて、噴霧体シャフトの内部スレッドの公称直径は、スレッドの全長にわたって、0.5°〜1.5°の角度で、噴霧体に対して常に増加し得る。
【0031】
スレッドは、好ましくは、たとえば、汚れ/塗料の残余を収容することができるために遊びを増加させてきた特別なスレッドであり、および/または、スレッドから押し出された塗料が収容され得るようにスリットが形状される。
【0032】
本発明の他の変形例においては、ベルカップ固定具は、いわゆる遠心力クランププライヤー手段を有する。本変形例においてもまた、噴霧体シャフトは、噴霧体を噴霧体シャフトに実装するために、噴霧体の実装シャフトが軸方向に挿入され得る中空の内側輪郭を有する。
【0033】
本発明の好ましい態様においては、ここで開示されるように、たとえば、回転アトマイザー、好ましくは噴霧体に用いる、噴霧体の飛び出し防
止(飛び出しに対して噴霧体を固定するため)のために、飛び出し防
止要素が設けられる。飛び出し防
止要素は、具体的には、取り付け手段だけでなく、好ましくは解放可能に、飛び出し防
止要素を、噴霧体、固定装置に実装し得る固定装置を有し得る。
【0034】
飛び出し防
止要素および/または噴霧体の固定装置は少なくとも1つの固定または抵抗要素を有し、少なくとも1つの、ここに開示されているような好ましくは回転可能な噴霧体シャフトの内側輪郭の補完的な固定または抵抗要素、具体的には噴霧体が解放可能に実装可能な回転アトマイザーのベルカップシャフトを伴い、運転中に起こる遠心力によって、運転中に生まれる、および/または、強められる固定または抵抗接続部を形成し得る。
【0035】
不完全な飛び出し防
止要素は噴霧体の完全な置き換えを求めるだけではなく飛び出し防
止要素の置き換えも求めているので、噴霧体に解放可能に実装可能な飛び出し防
止要素はとりわけ有利であり、たとえばベルカップのような噴霧体と比較すると、それは極めて費用に対する効果に優れて製造され得る。噴霧体および飛び出し防
止要素が、異なる要求を満たし得る異なる材料で作られ得ることもまた利点である。
【0036】
飛び出し防
止要素は噴霧体に一体化して形成され得る。
【0037】
具体的には、少なくとも1つの、噴霧体および/または飛び出し防
止要素の固定または抵抗要素が、少なくとも1つの弾性を有する舌部を備え、および/または、少なくとも1つの弾性を有する舌部として形成されることが可能である。
【0038】
少なくとも1つの固定または抵抗要素が、少なくとも1つの弾性を有する舌部、好ましくは、少なくとも1つの舌部の自由端または自由端の少なくとも近傍に設けられ、および/または、径方向外側に突出することが、特に好ましい。
【0039】
好ましくは、少なくとも1つの弾性を有する舌部が弾性的に跳ね返る舌部である。
【0040】
好ましい態様においては、いくつか、好ましくは3つまたは6つの舌部、および/または、いくつか、好ましくは3つまたは6つの固定または抵抗要素が設けられ、舌部のそれぞれが、1つの固定または抵抗要素を有することを特徴とする。
【0041】
固定接続部は好ましくは確実な固定接続部である。
【0042】
さらに、本発明によれば、回転アトマイザー用の噴霧体、具体的にはベルカップが設けられ、噴霧体が、好ましくは、回転アトマイザーの回転可能な噴霧体シャフトに、好ましくはここに開示されているように、具体的にはベルカップシャフトに、解放可能に実装可能であることを特徴とする。噴霧体は具体的には飛び出し防
止要素を解放可能に実装するように設けられる。噴霧体は、噴霧体を噴霧体シャフトに実装する第1の取り付け構造に加えて、飛び出し防
止要素を好ましくは解放可能に実装する第2の取り付け構造を有し得る。本発明はまた、飛び出し防
止要素が解放可能に第2の取り付け構造に実装される、または、噴霧体に解放不可能におよび/または一体化して設けられる態様をも含む。
【0043】
たとえば、もし、噴霧体シャフトと噴霧体との間の取り付け機構、具体的にはネジ接続部、がうまく機能しない、または、意図せずに緩くなる場合に、固定装置、および/または、運転中に起こる遠心力によって起こるおよび/または増加する固定または抵抗接続部は、好ましくは、噴霧体用の飛び出し防
止要素としてのみ機能する、および/または、好ましくは、運転中の噴霧体の飛び出しを防ぐようにのみ設けられる。
【0044】
運転中に起こる遠心力によって、運転中にのみ、固定または抵抗接続部が作られ、および/または、強められる一方、回転アトマイザー、噴霧体および/または飛び出し
防止要素がそれぞれ静止状態にあり、回転しない時には、好ましくは固定または抵抗接続部がないことが可能である。
【0045】
さらに、噴霧体シャフトの内側輪郭、噴霧体の実装シャフトおよび飛び出し防
止要素が、それぞれ補完的な固定要素を有し、実装状態において、および/または、遠心力の効果によってのみ、噴霧体シャフトと、噴霧体および/または飛び出し防
止要素との間の確実な固定接続部を形成する。
【0046】
噴霧体シャフトの内側輪郭の固定または抵抗要素は、たとえば、少なくとも2つのポケットまたは好ましくは円弧状の溝を備え得る。具体的には、2つの、好ましくは3つのポケットまたは溝が設けられ得る。好ましくは、運転中に、噴霧体または飛び出し防止保証要素の2つの舌部または2つの固定または抵抗要素がそれぞれ、1つのポケットまたは溝にそれぞれ入り、固定または抵抗接続部を形成するように、ポケットまたは溝が配置される。他の態様においては、噴霧体シャフトの内側輪郭の固定または抵抗要素は周状の溝であり得る。
【0047】
噴霧体シャフトの内側輪郭の固定または抵抗要素が、具体的には、噴霧体の実装シャフト、または、噴霧体の飛び出し防
止用の飛び出し防
止要素に配置された少なくとも1つの補完的な固定または抵抗要素の背後で係合するように設けられた、くさび状のセクションを備えることが可能である。
【0048】
本発明の範囲内において、固定要素の代わりに、抵抗接続部を形成する抵抗要素も設けられ得て、抵抗要素が運転中に起こる遠心力によって強められることを特徴とする。しかしながら、簡潔性の目的のため、ときに固定要素のみが以下に述べられる。
【0049】
本発明の本変形例においてもまた、噴霧体シャフトが内部スレッドを有し、噴霧体の実装シャフトのそれに対応するように適合した外部スレッドとのネジ接続部を形成し、ベルカップ取り付け部は、ネジ接続部と固定接続部との両方を有し得る。ここにおいてもまた、固定接続部は、運転中に起こる遠心力の効果によってのみ作られ得る。
【0050】
噴霧体および/または飛び出し防
止要素および噴霧体シャフトがお互いに対して、軸方向のある固定ポジションにある時、一方における噴霧体および/または飛び出し防
止要素の補完的な固定要素と、他方における噴霧体シャフトの補完的な固定要素との間の固定接続部のみが固定するように、固定接続部がここに好ましくは形成される。噴霧体と噴霧体シャフトとの間のネジ接続部によって、噴霧体および/または飛び出し防
止要素に印加されなければならない軸方向の押力なしで、噴霧体および/または飛び出し防
止要素が固定ポジションに向けて軸方向に動くことが可能になる。このためには、実装された飛び出し防
止要素によって適用可能な噴霧体を噴霧体シャフトにねじ込むことだけが必要であり、ネジ接続部のスレッドピッチによって、おそらく実装される飛び出し防
止要素とともに、噴霧体が固定ポジションに向けて軸方向に自動的に動くことを特徴とする。
【0051】
そのようなベルカップ取り付け部の運転中、遠心力によって、および/または、それらに内在する弾性によって、噴霧体および/または飛び出し防
止要素の固定要素は、ある程度の径方向の押力によって、噴霧要素の内側輪郭の補完的な固定要素に対して外側に押される。ここで、固定接続部が、構造的に、軸方向の引力に向かう固定接続部の配置によって、この径方向に作用する押力が変換され、それは噴霧体および/または飛び出し防
止要素を噴霧体シャフトに対して軸方向に固定し、および/または、それに対応して形成された補完的な内側輪郭による固定突出部への遠心力の効果によって、軸方向の確実な固定が実現されるように設計され得る。たとえば、本エリアにおける内側輪郭が噴霧体に対してテーパーを有するように、固定接続のエリアにおける噴霧体シャフトの内側輪郭が形成され得る。もし噴霧体および/または飛び出し防
止要素の固定要素が、噴霧体シャフトのこの傾いた内側輪郭に対して、ここで押圧するのであれば、内側輪郭の傾きはそれに対応する軸方向の引力を生む。内側輪郭の傾きが0°の場合、軸方向の力は生じず、確実な固定が生まれる。
【0052】
本発明の本変形例の好ましい実施態様においては、少なくとも1つの固定要素、好ましくは噴霧体および/または飛び出し防
止要素の固定要素は、少なくとも1つの弾性を有する舌部として、具体的には弾性を有して跳ね返る固定舌部または固定舌部として形成される。噴霧体の固定舌部は、噴霧体の実装シャフトのアトマイザー側の前側から軸方向に突出する。噴霧体の個々の固定舌部は、好ましくは、噴霧体の実装シャフトの外周周辺に分配され、および、軸方向に伸びるまたは軸に対して所定の角度で伸びるスリットによって離隔され、運転中に起こる遠心力によって、運転中に、噴霧体の個々の固定舌部が径方向外側に押される。
【0053】
好ましくは、噴霧体の実装シャフトが、第1の取り付け構造および/または第2の取り付け構造を有し、第1の取り付け構造が第1のスレッドであり得て、第2の取り付け構造が第2のスレッドであり得ることを特徴とし、それらは好ましくはお互いに同軸に配置される。具体的には、第1のスレッドが外部スレッドであり、噴霧体シャフトの中空の内側輪郭に、それに対応するように適合した内部スレッドを伴うネジ接続部を形成し得る。さらに、第2のスレッドもまた具体的には外部スレッドであり、飛び出し防
止要素に、それに対応するように適合した内部スレッドを伴うネジ接続部を形成し得る。
【0054】
ここで述べられた解放可能な接続のための接続機構は好ましくはスレッドタイプ接続であるが、たとえば、固定、スナップインおよび/またはクランプ接続または他の解放可能な接続機構のような他の接続機構が用いられ、噴霧体、噴霧体シャフトおよび/または飛び出し防
止要素をお互いに解放可能に実装することが可能である。
【0055】
具体的には、飛び出し防
止要素の取り付け手段および噴霧体の第2の取り付け構造が、好ましくはネジ接続部を用いることによって、お互いに解放可能に実装可能であるように設けられる。好ましくは、取り付け手段は内部スレッドであり、第2の取り付け構造は外部スレッドである。
【0056】
飛び出し防
止要素の少なくとも1つの舌部が、飛び出し防
止要素の基部の前側から略軸方向に突出することがあり得る。具体的には、舌部が基部の外周周辺に配置され得て、および/または、中間スペースまたはスリットによってお互いから離隔され得る。
【0057】
一態様においては、飛び出し防
止要素の舌部間の中間スペースまたはスリットは、たとえば加硫処理され得て、具体的にはたとえばエラストマーなどの弾性を有する、および/または、振動減衰性を有する材料で満たされ得る。好ましくは、加硫処理プロセスによって、弾性を有する、および/または、振動減衰性を有する材料は、飛び出し防
止要素に、具体的には舌部に固く接続され得る。
【0058】
運転中に起こる遠心力によって、運転中に、少なくとも1つの舌部が好ましくは径方向外側に押され得る。
【0059】
減少する遠心力に伴って固定または抵抗接続部が解放される、および/または、たとえば、回転アトマイザー、噴霧体および/または噴霧体シャフトがそれぞれ静止状態および/または回転していない時のように、遠心力がない状態で固定または抵抗接続部が解放されることがとりわけ好ましい。
【0060】
具体的には、静止状態において、および/または、遠心力がない状態において、噴霧体および/または飛び出し防
止要素の少なくとも1つの舌部および/または固定要素が、噴霧体シャフトの内側輪郭の補完的な固定要素に向けて突出しないことと、具体的には、噴霧体および/または飛び出し防
止要素の舌部および/または固定要素と噴霧体シャフトとが、具体的には噴霧体シャフトの内側輪郭の補完的な固定要素が、お互いに接触しないことが可能である。
【0061】
有利な態様において、とりわけ、静止状態、および/または、遠心力がない状態においては、噴霧体シャフト、具体的には内側輪郭それ自体と、飛び出し防
止要素との間には、機械的接続もなく、および/または、接触的なコンタクトもない。
【0062】
少なくとも1つの舌部が、その自由端またはその自由端の少なくとも近傍に、径方向内側および/または周方向に向けて配列された突出部を有し、遠心力の影響が運転中に増大され得る結果として、自由端のエリアにおける荷重を増加させることが可能である。
【0063】
好ましくは、基部は環状部であり、たとえば、いくつかの舌部をお互いに接続し得る。
【0064】
飛び出し防
止要素の取り付け手段が、基部から略軸方向に突出する周状の突出部に、または、基部の外周周辺に分配された、いくつかの突出部に設けられ、中間スペースによってお互いから離隔される可能性がある。好ましくは、飛び出し防
止要素の少なくとも1つの舌部および少なくとも1つの突出部が、基部から反対方向に延びる。
【0065】
少なくとも1つの舌部が、好ましくは径方向外側に突出する固定または抵抗要素を有し、好ましくは舌部の自由端または自由端の少なくとも近傍に配置され、具体的には、軸方向および/または周方向に係止部を形成することができることがあり得る。
【0066】
言及されたように、噴霧体シャフトの内側輪郭の固定または抵抗要素は、好ましくは、2つまたはそれ以上、好ましくは3つのポケットの形態に設計され、より具体的には、非周状の円弧状の溝の形態に設計される。ポケットまたは溝は、好ましくは、噴霧体または飛び出し防
止要素の少なくとも1つの補完的な固定または抵抗要素用の補完的な係止部を、軸方向および/または周方向に形成するように設けられる。
【0067】
具体的には、少なくとも1つの舌部および/または少なくとも1つの固定または抵抗要素が、好ましくは、回転可能な噴霧体シャフトの内側輪郭の少なくとも1つの補完的な固定または抵抗要素の背後で係合するように設けられたくさび状のセクションを備えることが可能である。
【0068】
好ましくは、飛び出し防
止要素は略チューブ状に形成され得て、および/または、略円周状の側面を有し得る。
【0069】
一態様においては、固定または抵抗要素、および/または、少なくとも1つの舌部は、その自由端またはその自由端の少なくとも近傍において、飛び出し防
止要素の円周状の側面にわたって外側に突出し得る。
【0070】
少なくとも1つの舌部が、飛び出し防
止要素の周方向に、および/または、円弧状に実質的に延び得る。
【0071】
飛び出し防
止要素の周方向における少なくとも1つの舌部の範囲は、好ましくは、飛び出し防
止要素の軸方向におけるよりも大きい。
【0072】
少なくとも1つの舌部および/または少なくとも1つの固定または抵抗要素が、飛び出し防
止要素の中心軸に対して略垂直な平面に延びることも可能である。
【0073】
少なくとも1つの舌部が、ある所定の角度に、または、飛び出し防
止要素の円周状の側面に向けて突出することも可能である。
【0074】
中心軸、軸方向および/または周方向は、噴霧体、噴霧体シャフトおよび/または飛び出し防
止要素に関連する。通常、噴霧体、噴霧体シャフトおよび/または飛び出し防
止要素は、中心軸、軸方向および/または周方向がお互いに対応する、または、お互いに同軸となるように、お互いに同軸に配置される。
【0075】
さらに、少なくとも1つの舌部は、少なくとも部分的には、好ましくはその長軸方向の略全長にわたって、飛び出し防
止要素の円周状の側面に向けて延び得る、および/または、少なくとも部分的には、飛び出し防
止要素の円周状の側面によって収容され得る一方、少なくとも1つの固定または抵抗要素は、好ましくは径方向に、円周状の側面にわたって外側に突出し得る。
【0076】
少なくとも1つの舌部が、飛び出し防
止要素の円周状の側面のスリットによって形成され得る。
【0077】
スリットは、円周状の側面に略U字状に配置され得る。
【0078】
好ましくは、少なくとも1つの舌部が、中心軸に対して略垂直な平面において自由端および支持端を備える。具体的には、支持端および自由端は、飛び出し防
止要素の周方向に向けてお互いから離隔される。
【0079】
支持端が飛び出し防
止要素の軸方向にわたって延びる飛び出し防
止要素の円周状の側面の一セクションであり、たとえば、それは、おおよそ、直線状、曲線状または略U字形状であり得ることが可能である。
【0080】
少なくとも1つの舌部および/または少なくとも1つの固定または抵抗要素は、運転中に起こる遠心力によって、運転中に、飛び出し防
止要素の側面から好ましくは径方向外側に向かう略らせん形状および/または略円弧状に動かされ、および/または、このように突出するように設けられ得る。
【0081】
好ましくは、舌部は飛び出し防
止要素の円周状の側面によってお互いから離隔され、および/または、飛び出し防
止要素の円周状の側面にある凹部に収容される。
【0082】
舌部および/または固定または抵抗要素は、好ましくは、飛び出し防
止要素の外周にわたって配置され、および/または、飛び出し防
止要素の中心軸に対して略垂直な平面に配置される。
【0083】
飛び出し防
止要素は、端のエリアまたは端のエリア近傍において、好ましくは径方向外側に突出する周状のカラーを有してもよく、具体的には、それが、破損した舌部または破損した固定または抵抗要素のための係止部として機能するように設けられることによって、たとえば、それらが回転部位、具体的には、閉塞または他の望ましくない影響に至り得る、お互い(たとえば、塗料チューブ、噴霧体およびタービンシャフトのそれぞれ)に対して回転する部位と接触することを防ぐことができる。
【0084】
飛び出し防
止要素が、飛び出し防
止要素の内側に配置され、破損した舌部または破損した固定または抵抗要素のための係止部として機能するように設けられた環状体を備えることによって、たとえば、それらが閉塞または他の望ましくない影響に至り得る回転部位(たとえば、噴霧体、噴霧体シャフトおよびタービンシャフトのそれぞれ)と接触することを防ぎ得ることも可能である。
【0085】
環状体はプラスチックおよび/または弾性を有するおよび/または振動減衰性を有する材料で作られ得る。好ましくは、環状体は、飛び出し防
止要素のリング状の側面のスリットの内側に挿入される。
【0086】
噴霧体および/または飛び出し防
止要素の少なくとも1つの(補完的な)固定または抵抗要素と、噴霧体シャフトの内側輪郭の少なくとも1つの補完的な固定または抵抗要素とは、好ましくは確実な固定接続部を作ることができ、具体的には、それは軸方向および/または周方向に作用し得る。
【0087】
噴霧体シャフトの内側輪郭の固定または抵抗要素が周状の溝の形態で設けられる場合、周方向における係止部が除かれ、軸方向における係止部が残ることによって、固定接続部が軸方向においてのみ、もたらされ得る。
【0088】
本発明の好ましい態様においては、飛び出し防
止要素、具体的には少なくとも1つの舌部および/または少なくとも1つの固定または抵抗要素は、プラスチックまたは金属で作られる。残っている噴霧体の少なくとも一部および/または具体的にはベルカップのような噴霧体、または噴霧体の残っている部分の略全体は、好ましくは異なる金属(例:チタン)で作られ得る。
【0089】
飛び出し防
止要素および噴霧体は好ましくは異なる材料で作られ、異なる要求を満たす。一方、たとえば、ベルカップそれ自体が、金属、具体的にはチタンで作られることが有利である。しかしながら、舌部にとっては、チタンは、その低い強度のために不利となる傾向がある。
【0090】
最終的には、本発明はまた、噴霧体が噴霧体シャフトの中央クランプネジに取り付けられたベルカップ取り付け部の他の変形例をも備える。中央クランプネジはベルカップ内の中央穴を通過し、噴霧体シャフトの内部スレッドにねじ込まれる。本変形例において、本発明に係る噴霧体は、噴霧体を軸方向において噴霧体シャフトにクランプするようにクランプネジが支持され得る軸方向の係止部を有する。
【0091】
さらに、ベルカップ取り付け部の本変形例において、回転に対して固定されるように噴霧体を噴霧体シャフトに連結する回転固定部が好ましくは設けられる。回転固定部は、好ましくは、ある部位における軸方向に延びるピンによるピン接続および他の部位におけるピン用の軸方向に伸びる収容穴であり、実装状態において、ある部位におけるピンは他の部位における収容穴と係合し、回転を妨げることを特徴とする。好ましくは、いくつかのそのようなピン接続が、不均衡を防ぐために、回転対称となるように外周に沿って分配される。
【0092】
本明細書および/または請求項において言及されたスレッド(具体的には内部スレッドおよび外部スレッド)、ネジ式接続、ネジ接続等は、具体的には、独国特許出願第102010013414号明細書およびPCT/EP2010/002764号明細書に記載された特別な構造を伴うスレッドであってもよく、これらの文献の内容は、スレッド、ネジ式接続、ネジ接続等に関して、本明細書に全て包含される。
【0093】
本発明が、上述の噴霧体および、個々の構成要素としての上述の噴霧体シャフトにも飛び出し防
止要素にも限定されるものではないことにも言及されるべきである。むしろ、本発明は、そのような噴霧体および/またはそのような噴霧体シャフトを伴う、好ましくは解放可能に実装された飛び出し防
止要素および新しい回転アトマイザーをも包含する。
【0094】
最終的には、本発明は、少なくとも1つのそのような回転アトマイザーを伴う塗装機器をも備え、それは好ましくは多軸塗装ロボットによってガイドされる。
【0095】
本発明の他のさらなる有利な発展形が、図面を参照した本発明の好ましい態様の記載とともに、従属項において特徴づけられ、以下により詳細に説明される。