特許第5816656号(P5816656)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5816656プリント装置、登録処理装置およびプリント装置の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5816656
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】プリント装置、登録処理装置およびプリント装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20151029BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20151029BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20151029BHJP
【FI】
   G07G1/06 B
   B41J29/12 C
   B41J29/38 Z
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-135387(P2013-135387)
(22)【出願日】2013年6月27日
(65)【公開番号】特開2015-11462(P2015-11462A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2014年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】山本 雅也
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−48264(JP,A)
【文献】 特開昭60−83194(JP,A)
【文献】 特開昭60−72095(JP,A)
【文献】 特開平10−188139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
B41J 29/13
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシート紙に対して印字するレシートプリンタと、
ロール紙に対して印字するジャーナルプリンタと、
商取引を管理するための情報の登録処理に関する履歴情報を印字するよう前記ジャーナルプリンタを制御する第1の制御手段と、
開閉可能であり、閉状態において前記ロール紙の取り外しを抑止するカバーと、
前記閉状態を検知するカバーセンサと、
前記ロール紙を検知する紙センサと、
前記カバーセンサにより前記閉状態が検知されておらず、かつ前記紙センサにより前記ロール紙が検知されなくなったことに応じて、前記ロール紙に印字された履歴情報を管理するための管理情報を前記レシート紙に印字するよう前記レシートプリンタを制御する第2の制御手段とを具備したことを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記ロール紙の残量が規定量以下であるエンプティ状態を検知する紙センサと、
前記エンプティ状態が前記紙センサにより検知されたことに応じて、前記履歴情報の印字を禁止する禁止手段と、
前記エンプティ状態が前記紙センサにより検知されたことに応じて、前記管理情報を前記ロール紙に印字するよう前記ジャーナルプリンタを制御する第3の制御手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記管理情報は、前記ロール紙が装着された日付または日時、法的な保存期間、前記ロール紙に対して前記履歴情報の印字を行った期間、あるいは前記登録処理を行った装置の識別情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のプリント装置。
【請求項4】
商取引を管理するための情報の登録処理を実行する処理手段と、
レシート紙に対して印字するレシートプリンタと、
ロール紙に対して印字するジャーナルプリンタと、
前記処理手段により実行された前記登録処理に関する履歴情報を印字するよう前記ジャーナルプリンタを制御する第1の制御手段と、
開閉可能であり、閉状態において前記ロール紙の取り外しを抑止するカバーと、
前記閉状態を検知するカバーセンサと、
前記ロール紙を検知する紙センサと、
前記カバーセンサにより前記閉状態が検知されておらず、かつ前記紙センサにより前記ロール紙が検知されなくなったことに応じて、前記ロール紙に印字された履歴情報を管理するための管理情報を前記レシート紙に印字するよう前記レシートプリンタを制御する第2の制御手段とを具備したことを特徴とする登録処理装置。
【請求項5】
前記管理情報は、前記ロール紙が装着された日付または日時、法的な保存期間、前記ロール紙に対して前記履歴情報の印字を行った期間、あるいは前記登録処理を行った装置の識別情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4に記載の登録処理装置。
【請求項6】
レシート紙に対して印字するレシートプリンタと、
ロール紙に対して印字するジャーナルプリンタと、
開閉可能であり、閉状態において前記ロール紙の取り外しを抑止するカバーと、
前記閉状態を検知するカバーセンサと、
前記ロール紙を検知する紙センサと、
コンピュータとを備えるプリント装置の制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
商取引を管理するための情報の登録処理に関する履歴情報を印字するよう前記ジャーナルプリンタを制御する第1の制御手段と、
前記カバーセンサにより前記閉状態が検知されておらず、かつ前記紙センサにより前記ロール紙が検知されなくなったことに応じて、前記ロール紙に印字された履歴情報を管理するための管理情報を前記レシート紙に印字するよう前記レシートプリンタを制御する第2の制御手段として機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プリント装置、登録処理装置およびプリント装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子キャッシュレジスタなどでは、商取引の登録処理に関する履歴情報を内蔵または外付けのプリンタ装置を用いてロール紙に対して印字することによりジャーナルが作成される。そしてジャーナルは、税法上の規定に従って保管される。
【0003】
保管されたジャーナルの管理を容易とするためには、ユーザが管理上で必要な情報を手書きしたメモをジャーナルに貼り付けることが行われていた。
【0004】
メモを作成する作業はユーザの負担となるとともに、ジャーナルの管理のために有用な情報が適正にメモに記述されるとは限らなかった。
【0005】
このような事情から、ジャーナルの管理を容易とすることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−188139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ジャーナルの管理を容易とすることができるプリント装置、登録処理装置およびプリント装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態のプリント装置は、レシートプリンタ、ジャーナルプリンタ、第1の制御手段、カバー、カバーセンサ、紙センサおよび第2の制御手段を含む。レシートプリンタは、レシート紙に対して印字する。ジャーナルプリンタは、ロール紙に対して印字する。第1の制御手段は、商取引を管理するための情報の登録処理に関する履歴情報を印字するようジャーナルプリンタを制御する。カバーは、開閉可能であり、閉状態においてロール紙の取り外しを抑止する。カバーセンサは、閉状態を検知する。紙センサは、ロール紙を検知する。第2の制御手段は、カバーセンサにより閉状態が検知されておらず、かつ紙センサによりロール紙が検知されなくなったことに応じて、ロール紙に印字された履歴情報を管理するための管理情報をレシート紙に印字するようレシートプリンタを制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る電子キャッシュレジスタのブロック図。
図2】一実施形態に係る電子キャッシュレジスタ外観の斜視図。
図3】ジャーナル作成処理のフローチャート。
図4】レシート用紙に印字された管理情報の一例を示す図。
図5】ロール紙に対する履歴情報および管理情報の印字状況の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、本願のプリント装置を内蔵する登録処理装置として電子キャッシュレジスタ(以降においては、「レジスタ」と略記する)を例に説明する。
【0011】
図1は本実施形態に係るレジスタ100のブロック図である。図2はレジスタ100の外観の斜視図である。なお、図1および図2においては、同一の要素については同一の符号を付している。
【0012】
レジスタ100は、CPU(central processing unit)1、ROM(read-only memory)2、RAM(random-access memory)3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、入出力ポート(I/O)6、通信インタフェース(通信I/F)7,8,9,10,11、キーボード12、メイン表示器13、サブ表示器14、レシートプリンタ15、ジャーナルプリンタ16およびバスライン17を含む。そして、CPU1、ROM2、RAM3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、入出力ポート6および通信インタフェース7〜11は、バスライン17にそれぞれ接続されている。
【0013】
CPU1は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU1は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、レジスタ100としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0014】
ROM2は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM2は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM2は、CPU1が各種の処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0015】
RAM3は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM3は、CPU1が各種の処理を実行する上で必要なデータを必要に応じて記憶する。またRAM3は、CPU1が各種の処理を行う際のワークエリアとしても利用される。
【0016】
補助記憶ユニット4は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット4は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、ハードディスクドライブ、あるいはSSD(solid state drive)などである。補助記憶ユニット4は、CPU1が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU1での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット4は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0017】
ROM2または補助記憶ユニット4が保存するアプリケーションプログラムには、後述するジャーナル作成処理について記述したジャーナル作成処理プログラムが含まれる。このレジスタ100の譲渡は一般に、このジャーナル作成処理プログラムがROM2または補助記憶ユニット4に記憶された状態にて行われる。しかし、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡されたジャーナル作成処理プログラムがユーザなどの操作に応じて書き込まれても良い。ジャーナル作成処理プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。上記の記憶媒体は、上記のコンピュータ装置に内蔵または接続された読取装置によって読み取り可能であれば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなど、その形態は問わない。なお、ジャーナル作成処理プログラムを補助記憶ユニット4が保存する場合、ジャーナル作成処理を実行する必要がある期間において一時的にジャーナル作成処理プログラムが補助記憶ユニット4に保存されても良い。
【0018】
時計ユニット5は、定常的に計時動作を行い、日付および時刻を表した日時情報を生成する。時計ユニット5としては、例えばTOD(time of day)時計が利用できる。
【0019】
入出力ポート6は、CPU1からドロワ開放が指示されたことに応じてドロワ200を駆動するための駆動信号をドロワ200に対して出力する。ドロワ200は、紙幣や硬貨を収容する。ドロワ200は、駆動信号を受けて自動的に開放する。
【0020】
通信インタフェース7〜11には、キーボード12、メイン表示器13、サブ表示器14、レシートプリンタ15およびジャーナルプリンタ16がそれぞれ接続される。通信インタフェース7〜11は、これら接続されたデバイスとCPU1との通信をインタフェースする。通信インタフェースとしては、例えばRS(recommended standard)−232C、PS/2、USB(universal serial bus)、LVDS(low voltage differential signaling)、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1284(いわゆるセントロニクス仕様)などの周知の規格に準拠したデバイスを適宜に利用できる。典型的には、通信インタフェース7にはPS/2またはUSBが、通信インタフェース8,9にはLVDS、RS−232CまたはUSBが、通信インタフェース10,11にはIEEE1284またはUSBが適用される。
【0021】
キーボード12は、オペレータによる操作の内容を表したコマンドを出力する。
【0022】
メイン表示器13は、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。メイン表示器13は、通常は、オペレータに対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0023】
サブ表示器14は、例えばLCDまたは蛍光管表示器であり、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。サブ表示器14は、通常は、顧客に対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0024】
レシートプリンタ15は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシートなどの伝票を印刷する。
【0025】
ジャーナルプリンタ16は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レジスタ100での登録処理に関する履歴情報をロール紙に対して印字する。これによりジャーナルプリンタ16は、多数の登録処理に関する履歴情報が印字されたロール紙としてのジャーナルを作成する。
【0026】
ジャーナルプリンタ16は、紙センサ16aおよびカバーセンサ16bを含む。
【0027】
紙センサ16aは、ジャーナルプリンタ16へのロール紙のセットの有無や、セットされたロール紙の残量を検知する。残量とは、ロール紙のうちの新たな印字に使用できる領域の量のことである。
【0028】
カバーセンサ16bは、開閉可能であり、閉状態においてロール紙の取り外しを抑止するカバー18(図2を参照)が上記の閉状態にあることを検知する。
【0029】
次に以上のように構成されたレジスタ100の動作について説明する。
【0030】
CPU1は、ユーザによるキーボード12の操作に応じて、例えば売上登録などのための登録処理を実行する。またCPU1は、登録処理に伴って、客へと渡すためのレシートを発行するためのレシート発行処理を実行する。これら登録処理およびレシート発行処理は、例えば既存の電子キャッシュレジスタにより行われているのと同様な処理であって良い。CPU1は、登録処理およびレシート発行処理を、ROM2または補助記憶ユニット4に記憶された単一また個別のプログラムに基づいて実行する。なおレシートの発行のためのレシート用紙への印字は、CPU1の指示の下にレシートプリンタ15により行われる。
【0031】
一方でCPU1は、起動後、レジスタ100の動作中においては図3に示すジャーナル作成処理をROM2または補助記憶ユニット4に記憶されたジャーナル作成プログラムに従って実行する。CPU1は、登録処理およびレシート発行処理とは別タスクによりジャーナル作成処理を実行することにより、ジャーナル作成処理を登録処理およびレシート発行処理と並行して実行する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0032】
Act1においてCPU1は、ジャーナルプリンタ16にロール紙がセットされているか否かを、紙センサ16aでの検知結果を参照することで確認する。ジャーナルプリンタ16にロール紙がセットされていない状況においてジャーナル作成処理を開始した場合には、CPU1はまずAct1においてNOと判定することとなる。そしてこの場合にCPU1は、Act2へと進む。
【0033】
Act2においてCPU1は、ジャーナルプリンタ16にロール紙がセットされたか否かを、紙センサ16aでの検知結果を参照することで確認する。そして、ロール紙がセットされていないためにNOと判定したならばCPU1は、Act2を繰り返す。つまりAct2においてCPU1は、ジャーナルプリンタ16にロール紙が新たにセットされるのを待ち受ける。そしてロール紙がセットされたためにAct2にてYESと判定できたならばCPU1は、Act3へと進む。
【0034】
Act3においてCPU1は、時計ユニット5から日時情報を取得し、それをロール紙の装着日時の情報として補助記憶ユニット4に記録する。
【0035】
Act4においてCPU1は、フラグをセットする。このフラグは、例えばRAM3または補助記憶ユニット4に記憶される1ビットのデータであり、セット状態である場合に、ジャーナルプリンタ16にセットされているロール紙が新たにセットされたものであることを表す。そしてこののちにCPU1は、Act5へと進む。
【0036】
ところで、ジャーナル作成処理の開始時点において既にジャーナルプリンタ16にロール紙がセットされていた場合には、CPU1はAct1にてYESと判定し、Act2〜4を実行することなしにAct5へと進む。
【0037】
Act5においてCPU1は、カバーセンサ16bでの検知結果を参照することで、カバー18が閉状態であるか否かを確認する。そしてカバーセンサ16bが閉状態を検知していないためにNOと判定したならばCPU1は、Act1に戻る。かくしてジャーナルプリンタ16にロール紙がセットされていて、かつカバー18が閉じられていない状況においてCPU1は、Act1およびAct5において、ロール紙が取り外されるか、あるいはカバー18が閉じられるのを待ち受ける。そして、ロール紙が取り外されたことに応じて紙センサ16aがロール紙を検知しなくなったならばCPU1は、前述のようにAct2〜4を実行する。しかしながら、ロール紙がセットされた状態のままでカバー18が閉じられたならば、CPU1はAct5にてYESと判定してAct6へと進む。
【0038】
Act6においてCPU1は、セットされているロール紙の残量を、紙センサ16aでの検知結果を参照することで確認し、その残量が規定量以下であるか否かを確認する。そしてCPU1は、残量が規定量以下まで減少してはいないためにNOと判定したならば、Act7へと進む。なお規定量は、例えばレジスタ100の設計者によって任意に定められる。
【0039】
Act7においてCPU1は、カバーセンサ16bでの検知結果を参照することで、カバー18が開かれたか否かを確認する。そしてカバーセンサ16bが閉状態を検知したままであるならば、CPU1はNOと判定してAct8へと進む。
【0040】
Act8においてCPU1は、履歴情報の印字が例えば登録処理によって要求されたか否かを確認する。そして、当該印字要求がなされていないためにNOと判定したならば、CPU1はAct7に戻る。
【0041】
かくしてAct7,8においてCPU1は、カバー18が開かれるか、あるいは印字要求がなされるのを待ち受ける。そして印字要求がなされたためにAct8にてYESと判定したならば、CPU1はAct9へと進む。
【0042】
Act9においてCPU1は、商取引の登録処理に関する履歴情報をロール紙に印字するべくジャーナルプリンタ16を制御する。なお、履歴情報は、登録処理によって決定され、登録処理からジャーナル作成処理に受け渡される。
【0043】
Act10においてCPU1は、フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてフラグがセット状態であるためにYESと判定したならば、CPU1はAct11へ進む。
【0044】
Act11においてCPU1は、時計ユニット5から日時情報を取得し、それをロール紙への履歴情報の印字を開始した開始日時の情報として補助記憶ユニット4に記録する。
【0045】
Act12においてCPU1は、フラグをリセットする。こののちにCPU1は、Act13へと進む。
【0046】
なお、フラグがリセット状態であるためにAct10にてNOと判定したならば、CPU1はAct11,12をパスしてAct13へと進む。かくして、新たにロール紙がセットされた後に最初に履歴情報を印字した際にのみ開始日時が記録され、2回目以降の履歴情報の印字に際しては開始日時は記録されない。
【0047】
Act13においてCPU1は、時計ユニット5から日時情報を取得し、それをロール紙への履歴情報の印字を終了した終了日時の情報として補助記憶ユニット4に記録する。ただし、後述するように同じロール紙への履歴情報の印字がこの後にも繰り返されることがあり、ここでの終了日時の記録は暫定的なものである。そして終了日時を記録し終えたならば、CPU1はAct6に戻る。
【0048】
これにより、ロール紙の残量が規定量以下とはならず、かつカバーが開かれないならば、印字要求が生じる度に履歴情報がロール紙へと印字されて行く。そして、その都度、終了日時が更新されて行く。この状態は、通常の動作状態である。
【0049】
さて、上記のような通常の動作状態にあるときに、カバー18が開かれ、カバーセンサ16bが閉状態を検知しなくなると、CPU1はAct7にてYESと判定することとなる。そしてこの場合にCPU1は、Act14へと進む。
【0050】
Act14においてCPU1は、上記のように一旦開かれたカバー18が閉じられたか否かを確認する。そして、カバーセンサ16bが閉状態を検知しないままであるならば、CPU1はNOと判定し、Act15へと進む。
【0051】
Act15においてCPU1は、ジャーナルプリンタ16にセットされていたロール紙が取り外されたか否かを確認する。そして、紙センサ16aがロール紙を検知したままであるならば、CPU1はNOと判定し、Act14に戻る。
【0052】
かくしてAct14,15においてCPU1は、カバー18が閉じられるか、あるいはロール紙が取り外されるのを待ち受ける。そしてロール紙が取り外されたことによって、紙センサ16aがロール紙を検知しなくなったならば、CPU1はAct15にてYESと判定し、Act16へと進む。
【0053】
Act16においてCPU1は、管理情報を生成し、この管理情報をレシート用紙に印字するべくレシートプリンタ15を制御する。
【0054】
管理情報は、取り外されたロール紙に印字された履歴情報を管理するための情報であって、その内容は任意であって良い。ここでは、管理情報に、レジ番号、装着日時、開始日時、終了日時、保管日時および保管期限を含むものとする。
【0055】
レジ番号は、レジスタ100を他の電子キャッシュレジスタと識別するために予め定められた番号である。装着日時、開始日時、終了日時は、上述したように補助記憶ユニット4に記録した情報である。保管日時は、現時点において時計ユニット5から得られる日時情報である。保管期限は、保管日時に税法上の規定を満たすように予め定められた保管期間を加えた日付として求める。
【0056】
図4はレシート用紙に印字された管理情報の一例である。
【0057】
図4に示す管理情報は、上から順に、レジ番号、装着日時、開始日時、終了日時、保管日時および保管期限をそれぞれ示す。
【0058】
Act17においてCPU1は、ロール紙がジャーナルプリンタ16にセットされたか否かを確認する。そして、紙センサ16aがロール紙を検知していないならば、CPU1はNOと判定してAct17を繰り返す。従ってAct17においてCPU1は、ロール紙がジャーナルプリンタ16にセットされるのを待ち受ける。そして、紙センサ16aがロール紙を検知したならば、CPU1はYESと判定してAct18へと進む。
【0059】
Act18においてCPU1は、セットされたロール紙が新品であるか否かを確認する。この確認は、任意の方法でなされて良い。例えば、紙センサ16aが検知する残量が予め定められた量以上である場合に新品であると判定することができる。あるいは、新品のロール紙の端部に形成されたマークを図示しないセンサにより読み取れた場合に新品であると判定することができる。そして、新品であるためにYESと判定したならばCPU1は、Act3に戻り、それ以降の処理を前述と同様に実行する。しかしながら、新品ではないためにNOと判定したならば、CPU1はAct6に戻り、それ以降の処理を繰り返す。これは、紙詰まりの解消などのために一旦取り外されたロール紙が再装着されたものと考え、Act3,4を実行しないようにしているのである。
【0060】
さて、通常の動作状態において、ロール紙の残量が規定量以下となると、CPU1はAct6にてYESと判定し、Act19へと進む。
【0061】
Act19においてCPU1は、管理情報を生成し、この管理情報をロール紙に印字するべくジャーナルプリンタ16を制御する。
【0062】
管理情報は、Act16にてレシート用紙に印字するものと同様な内容のものとする。ただし、ロール紙に印字する管理情報の内容は任意であって良く、レシート用紙に印字する管理情報とは異ならせても良い。
【0063】
Act20においてCPU1は、ロール紙が取り外されたか否かを確認する。そして、紙センサ16aがロール紙を検知し続けているならば、CPU1はNOと判定してAct20を繰り返す。かくしてAct20においてCPU1は、ロール紙が取り外されるのを待ち受ける。そして、ロール紙が取り外されたことによって紙センサ16aがロール紙を検知しなくなったならば、CPU1はYESと判定し、Act21へと進む。
【0064】
Act21においてCPU1は、Act16と同様にして管理情報をレシート用紙に印字する。
【0065】
Act22においてCPU1は、ロール紙がセットされたか否かを確認する。そして、紙センサ16aがロール紙を検知していないならば、CPU1はNOと判定してAct22を繰り返す。かくしてAct22においてCPU1は、ロール紙がセットされるのを待ち受ける。そしてロール紙がセットされたことによって紙センサ16aがロール紙を検知するようになったならば、CPU1はYESと判定し、Act23へと進む。
【0066】
Act23においてCPU1は、セットされたロール紙が新品であるか否かをAct18と同様にして確認する。そして新品ではないためにNOと判定したならば、CPU1はAct24へと進む。
【0067】
Act24においてCPU1は、ロール紙が取り外されたか否かを確認する。そして、紙センサ16aがロール紙を検知し続けているならば、CPU1はNOと判定してAct24を繰り返す。かくしてAct24においてCPU1は、ロール紙が取り外されるのを待ち受ける。そして、ロール紙が取り外されたことによって紙センサ16aがロール紙を検知しなくなったならば、CPU1はYESと判定し、Act22へと戻る。
【0068】
このようにしてCPU1はAct22〜24において、新品のロール紙がセットされるのを待ち受ける。そしてセットされたロール紙が新品であるためにAct23でYESと判定したならば、CPU1はAct3に戻り、それ以降の処理を前述と同様に実行する。
【0069】
図5はロール紙に対する履歴情報および管理情報の印字状況の一例を示す図である。
【0070】
残量が規定量以下となったことに応じて取り外されたロール紙が直ぐにセットされてしまったとしても、そのロール紙に対する履歴情報の追加印字は行われない。従って、Act19における管理情報の印字は、図5に示すようにロール紙の末端部に行われることとなる。なお図5における領域51,52に示されるものがそれぞれ履歴情報であり、領域53に示されるものが管理情報である。
【0071】
以上のようにレジスタ100によれば、カバー18が開かれて、ロール紙が取り外されたことに応じて、当該取り外されたロール紙に印字された履歴情報を管理するための管理情報がレシート用紙に印字される。従って、このように管理情報が印字されたレシート用紙を、上記の取り外したロール紙に貼り付けるなどして共に保管しておくことにより、ロール紙に履歴情報を印字したものとして作成されたジャーナルの管理のためのユーザの手間を軽減することが可能である。
【0072】
またレジスタ100によれば、ロール紙の残量が規定量以下である、いわゆるエンプティ状態となったならば、セットされているロール紙が別の新品のロール紙に交換されるまで履歴情報の新たな印字が禁止される。そして、管理情報がロール紙に印字される。こののちに、ロール紙が取り外されたことに応じてレシート用紙への管理情報の印字が行われ、当該レシート用紙により上述したようにジャーナルの管理を行うことは可能であるが、これに加えてロール紙に印字された管理情報によってもジャーナルの管理を行うことが可能である。従って、レシート用紙を紛失してしまった場合などにおいても、ジャーナルの管理を継続して行うことが可能となる。
【0073】
ところで、ユーザの事情等によってロール紙を使い切らずに新たなロール紙に交換されることはしばしば起こり得る。このような場合にレジスタ100では、ロール紙への管理情報の印字は行われない。このため、ジャーナルの管理はレシート用紙に印字された管理情報により行うことを原則とすべきであり、ロール紙に印字された管理情報の印字は、シート用紙に印字された管理情報に対する補助的なものとして取り扱われることが望ましい。
【0074】
以上のように本実施形態に依れば、ジャーナルの管理を容易とすることができる。
【0075】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0076】
ロール紙への管理情報の印字は行わなくても良い。
【0077】
カバー18のカバーセンサ16bが閉状態を検知しなくなったことに応じて、ロール紙への管理情報の印字を行っても良い。このようにすれば、ロール紙を使い切らずに新たなロール紙に交換される場合においても、取り外されたロール紙に最後に印字された履歴情報の後に管理情報を印字することが可能である。ただしこの場合には、ロール紙の交換が行われない場合においても管理情報を印字してしまうため、カバーを開いたものの、ロール紙を取り外さないでカバーを閉じた場合や、カバーを開いてロール紙を取り外したものの、同じロール紙を再セットしたような場合には、異なる2つの履歴情報の間に管理情報が印字されてしまうことが起こり得る。
【0078】
Act19におけるロール紙への管理情報の印字や、上記変形例のようなロール紙への管理情報の印字を行うか否かをユーザ設定に応じてCPU1が決めるようにすれば、レジスタ100はユーザニーズに応じた柔軟な運用が可能となる。
【0079】
セットされたロール紙が新品であるか否かの確認は、省略可能である。
【0080】
商取引を管理するための情報の登録処理を実行するものであり、レシートプリンタ15およびジャーナルプリンタ16にそれぞれ相当する2つのプリンタを搭載するものであれば、POS(point-of-sale)端末装置のような、電子キャッシュレジスタ以外の登録処理装置にも本願を上記実施形態と同様に適用することが可能である。
【0081】
レシートプリンタ15およびジャーナルプリンタ16にそれぞれ相当する2つのプリンタを搭載し、商取引を管理するための情報の登録処理を実行する機能を備えず、別個の登録処理装置に接続されるプリンタ装置として実現することも可能である。
【0082】
ジャーナル作成処理の実行主体はCPU1には限らず、プログラムに基づいた情報処理を実行する機能を備えた如何なるハードウェアであっても良い。
【0083】
ジャーナル作成処理によりCPU1が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組合わせて実現することも可能である。
【0084】
ジャーナル作成処理によりCPU11が実現する各機能を得るための処理の一部または全てを、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が実行しても良い。
【0085】
ジャーナル作成処理プログラムを記憶する記憶媒体は1つに限らず、ジャーナル作成処理プログラムが複数のプログラムモジュールに分割され、これら複数のプログラムモジュールが複数の記憶媒体に分散して記憶されていても良い。
【0086】
ジャーナル作成処理は、複数のCPUによる分散処理により実現されても良い。この場合、複数のCPUは、単一の装置に搭載されていても良いし、異なる複数の装置に搭載されていても良い。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…補助記憶ユニット、5…時計ユニット、6…入出力ポート、7〜11…通信インタフェース、12…キーボード、13…メイン表示器、14…サブ表示器、15…レシートプリンタ、16…ジャーナルプリンタ、16a…紙センサ、16b…カバーセンサ、17…バスライン、18…カバー、100…レジスタ、200…ドロワ。
図1
図2
図3
図4
図5