(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5816756
(24)【登録日】2015年10月2日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】グラフェン欠陥検出
(51)【国際特許分類】
G01N 23/223 20060101AFI20151029BHJP
G01N 23/203 20060101ALI20151029BHJP
C01B 31/02 20060101ALN20151029BHJP
【FI】
G01N23/223
G01N23/203
!C01B31/02 101Z
【請求項の数】36
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-529667(P2014-529667)
(86)(22)【出願日】2011年9月16日
(65)【公表番号】特表2014-526683(P2014-526683A)
(43)【公表日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】US2011051876
(87)【国際公開番号】WO2013039507
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,セス
【審査官】
比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−239148(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0048181(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00−37/00
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの欠陥を検出する方法であって、前記サンプルがグラフェンを含み、
サンプルを受け取ることであって、前記サンプルが少なくともいくらかのグラフェンと前記グラフェン中の少なくともいくつかの欠陥とを含む、受け取ることと、
充分な反応条件の下で前記サンプルをガスに曝することでマーク付きサンプルを生成することであって、前記マーク付きサンプルが前記グラフェン中の前記欠陥のうちの少なくともいくつかに結合したマークを含む、生成することと、
前記マーク付きサンプルから前記ガスを少なくとも部分的に除去することと、
前記マーク付きサンプルを検出器システムに置くことと、
前記マーク付きサンプルの欠陥に結合した前記マークのうちの少なくともいくつかを前記検出器システムで検出することによって前記欠陥を検出することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、分子を含むガスに前記サンプルを曝すことをさらに含み、前記分子が、約40よりも大きい原子量を有する少なくとも1つの原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
充分な反応条件の下で前記マーク付きサンプルを液体またはガスに曝して、前記マーク付きサンプルの前記欠陥から前記マークを少なくとも部分的に除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
充分な反応条件の下で前記マーク付きサンプルを熱に曝して、前記マーク付きサンプルの前記欠陥から前記マークを少なくとも部分的に除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マーク付きサンプルを摂氏約100度から摂氏約200度の範囲の温度で約0.5ミリトルから約10ミリトルの圧力に曝して、前記マーク付きサンプルの前記欠陥から前記マークを少なくとも部分的に除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、分子を含む前記ガスに前記サンプルを曝すことをさらに含み、前記分子がヨウ素原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、分子を含む前記ガスに前記サンプルを曝すことをさらに含み、前記分子が、ヨウ素、ヨウ化チオニル、ヨウ化有機アミン、ヨウ化水素、またはジヨウドエタンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、分子を含む前記ガスに前記サンプルを曝すことをさらに含み、前記分子が、セレン(Se)、テルル(Te)、またはスズ(Sn)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、分子を含む前記ガスに前記サンプルを曝すことをさらに含み、前記分子が、三ヨウ化ホウ素(BI3)、三ヨウ化アルミニウム(AlI3)、三臭化ホウ素(BBr3)、テルル化水素(H2Te)、セレン化水素(H2Se)、塩化スズ(SnCl2)、SnBr2、SnBr4、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム、テルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)、またはテルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、分子を含む前記ガスに前記サンプルを曝すことをさらに含み、前記分子が、三ヨウ化ホウ素BI3とヨードアニリンとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、分子を含む前記ガスに前記サンプルを曝すことをさらに含み、前記分子が、ジヨウドエタンおよびヨウ化チオニル、ジヨウドエタンおよび三ヨウ化ホウ素、またはヨウ素および三ヨウ化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記マーク付きサンプルに関連する前記マークのうちの少なくともいくつかを検出することが、前記マークのうちの少なくともいくつかを全X線蛍光システムで検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記マーク付きサンプルに関連する前記マークのうちの少なくともいくつかを検出することが、前記マーク付きサンプルに関連する前記マークのうちの少なくともいくつかを後方散乱電子画像システムで検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記マーク付きサンプルに関連する前記マークのうちの少なくともいくつかを検出することが、前記欠陥に結合したいくつかの原子を示す出力を生成するために、前記マーク付きサンプルに関連する前記マークのうちの少なくともいくつかを前記検出器システムで検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記マーク付きサンプルに関連する前記マークのうちの少なくともいくつかを検出することが、前記マーク付きサンプルに関連する前記欠陥のマップに関連するデータを生成するために、前記マーク付きサンプルに関連する前記マークのうちの少なくともいくつかを前記検出器システムで検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記サンプルを前記ガスに曝すことが、前記サンプルを前記ガスに曝す間、摂氏約100度から摂氏約200度の範囲の温度に前記サンプルを加熱することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
サンプルの欠陥を検出するのに有効なシステムであって、前記サンプルがグラフェンを含み、
サンプルを受け取るのに有効であるように構成されたチャンバであって、前記サンプルが少なくともいくらかのグラフェンと前記グラフェン中の少なくともいくつかの欠陥とを含み、前記チャンバが、マーク付きサンプルを生成するために充分な反応条件の下で前記サンプルをガスに曝するのに有効であり、前記マーク付きサンプルがグラフェンと、前記サンプルに関連する前記欠陥のうちの少なくともいくつかに結合したマークとを含む、チャンバであって、前記チャンバが前記マーク付きサンプルから前記ガスを少なくとも部分的に除去するのにさらに有効である、チャンバと、
前記チャンバと関係して動作するように構成される検出器システムであって、前記マーク付きサンプルを受け取るのに有効であり、かつ前記マーク付きサンプルの欠陥に結合した前記マークのうちの少なくともいくつかを検出するのに有効であるように構成される、検出器システムと
を含む、システム。
【請求項18】
前記ガスが分子を含み、前記分子が、約40よりも大きい原子量を有する少なくとも1つの原子を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記チャンバが第1のチャンバであり、前記システムが、
前記検出器システムと関係して動作するように構成される第2のチャンバであって、前記マーク付きサンプルの前記欠陥から前記マークを少なくとも部分的に除去するために充分な反応条件の下で前記マーク付きサンプルを液体またはガスに曝するのに有効であるように構成される、第2のチャンバ
をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記チャンバが第1のチャンバであり、前記システムが、
前記検出器システムと関係して動作するように構成される第2のチャンバであって、前記マーク付きサンプルの前記欠陥から前記マークを少なくとも部分的に除去するために充分な反応条件の下で前記マーク付きサンプルを熱に曝するのに有効であるように構成される、第2のチャンバ
をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記ガスがヨウ素分子を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記ガスが、ヨウ素、ヨウ化チオニル、ヨウ化有機アミン、ヨウ化水素、またはジヨウドエタン分子のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記ガスが、セレン(Se)、テルル(Te)、またはスズ(Sn)分子のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
前記ガスが、三ヨウ化ホウ素(BI3)、三ヨウ化アルミニウム(AlI3)、三臭化ホウ素(BBr3)、テルル化水素(H2Te)、セレン化水素(H2Se)、塩化スズ(SnCl2)、SnBr2、SnBr4、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム、テルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)、またはテルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)分子のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項25】
前記ガスが、三ヨウ化ホウ素BI3とヨードアニリンとを含む分子を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項26】
前記ガスが、ジヨウドエタンおよびヨウ化チオニル、ジヨウドエタンおよび三ヨウ化ホウ素、またはヨウ素および三ヨウ化ホウ素のうちの少なくとも1つを含む分子を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項27】
前記検出器システムが全X線蛍光システムを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項28】
前記検出器システムが後方散乱システムを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項29】
前記チャンバと関係して動作するように構成されるヒータをさらに含み、前記ヒータは、前記チャンバが前記サンプルを前記ガスに曝すのに有効であるように構成される場合、摂氏約100度から摂氏約200度の範囲の温度に前記サンプルを加熱するのに有効である、請求項17に記載のシステム。
【請求項30】
サンプルであって、
少なくともいくらかのグラフェンと、
前記グラフェン中の少なくとも1つの欠陥と、
前記欠陥のうちの少なくとも1つに結合した少なくとも1つマークであって、前記マークが分子を含み、前記分子が、約40よりも大きい原子量を有する少なくとも1つの原子を含み、前記マークが前記欠陥の検出を容易にするのに有効である、少なくとも1つのマークと
を含む、サンプル。
【請求項31】
前記分子がヨウ素原子を含む、請求項30に記載のサンプル。
【請求項32】
前記分子が、ヨウ素、ヨウ化チオニル、ヨウ化有機アミン、ヨウ化水素、またはジヨウドエタンのうちの少なくとも1つを含む、請求項30に記載のサンプル。
【請求項33】
前記分子が、セレン(Se)、テルル(Te)、またはスズ(Sn)のうちの少なくとも1つを含む、請求項30に記載のサンプル。
【請求項34】
前記分子が、三ヨウ化ホウ素(BI3)、三ヨウ化アルミニウム(AlI3)、三臭化ホウ素(BBr3)、テルル化水素(H2Te)、セレン化水素(H2Se)、塩化スズ(SnCl2)、SnBr2、SnBr4、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム、テルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)、またはテルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)のうちの少なくとも1つを含む、請求項30に記載のサンプル。
【請求項35】
前記分子が、三ヨウ化ホウ素BI3とヨードアニリンとを含む、請求項30に記載のサンプル。
【請求項36】
前記分子が、ジヨウドエタンとヨウ化チオニルとを含む、請求項30に記載のサンプル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は以下の列挙した出願、すなわち、現在同時継続中であり、年、月、日に出願され、Seth Millerを発明者として表示された「GRAPHENE DEFECT ALTERATION」という名称のPCT特許出願第PCT/US2011/xxxxx号(代理人整理番号1574−0040)、および現在同時継続中であり、年、月、日に出願され、Seth MillerおよびThomas Yagerを発明者として表示された「ALTERATION OF GRAPHENE DEFECTS」という名称のPCT特許出願第PCT/US2011/xxxxx号(代理人整理番号1574−0042)に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において特に明記しない限り、この節で説明する材料は本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、この節に含まれることによって先行技術であるとは認められない。
【0003】
グラフェンは、一般に、結合した炭素原子の1原子分の厚さの層を含むことができる材料である。グラフェンは、銅などの別の材料の上に炭素原子を成長させることによって形成することができる。銅を石英管に挿入し、加熱し、アニールすることができる。次に、CH
4およびH
2の混合ガスを管に流し込むことができ、次に、流れるH
2で銅を冷却して、グラフェンを形成することができる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施例では、サンプルの欠陥を検出する方法が一般的に説明される。この方法はサンプルを受け取ることを含むことができ、サンプルは少なくともいくらかのグラフェンとグラフェン中の少なくともいくつかの欠陥とを含むことができる。この方法は、マーク付きサンプルを生成するために充分な反応条件の下でサンプルをガスに曝することをさらに含むことができ、マーク付きサンプルは、欠陥のうちの少なくともいくつかに結合したマークを含むことができる。この方法は、マーク付きサンプルを検出器システムに置くことをさらに含むことができる。この方法は、マークのうちの少なくともいくつかを検出器システムで検出することをさらに含むことができる。
【0005】
いくつかの実施例では、サンプルの欠陥を検出するのに有効なシステムが一般的に説明される。システムは、チャンバと、チャンバと関係して動作するように構成される検出器システムとを含むことができる。チャンバは、サンプルを受け取るのに有効であるように構成することができ、サンプルは少なくともいくらかのグラフェンとグラフェン中の少なくともいくつかの欠陥とを含むことができる。チャンバは、マーク付きサンプルを生成するために充分な反応条件の下でサンプルをガスに曝するのに有効であるように構成することができ、マーク付きサンプルは、欠陥のうちの少なくともいくつかに結合したマークを含むことができる。検出器システムは、マーク付きサンプルを受け取り、マークのうちの少なくともいくつかを検出するのに有効であるように構成することができる。
【0006】
いくつかの実施例では、サンプルが一般的に説明され、サンプルは少なくともいくらかのグラフェンとグラフェン中の少なくとも1つの欠陥とを含むことができる。サンプルは、欠陥のうちの少なくとも1つに結合した少なくとも1つマークを含むことができる。マークは分子を含むことができ、分子は、約40よりも大きい原子量を有する少なくとも1つの原子を含むことができる。
【0007】
上記の概要は単なる例示であり、決して限定することを意図していない。前述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0008】
本開示の上記および他の特徴は、添付図面を併せて用いた以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は本開示によるいくつかの実施形態のみを示し、それ故に、本発明の範囲を限定すると見なされるべきでないことを理解して、本開示は、添付図面の使用を通して追加の特定性および詳細とともに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態に従って構成される、グラフェン欠陥検出を実施するために利用することができる例示のシステムを示す図である。
【
図2】本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態に従って構成される、グラフェン欠陥検出を実施するための例示のプロセスの流れ図である。
【
図3】本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態に従って構成される、グラフェン欠陥検出を実施するために利用することができるコンピュータプログラム製品を示す図である。
【
図4】本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態に従って構成される、グラフェン欠陥検出を実施するように構成された例示のコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面が参照される。図面において、文脈がそうでないことを示さない限り、同様の記号は、一般に、同様の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は限定することは意図されていない。本明細書で提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の改変を行うことができる。本明細書で一般的に説明され、図に示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で、配置し、置換し、組み合わせ、分離し、設計することができ、これらのすべてが本明細書で明確に企図されることが容易に理解されよう。
【0011】
本開示は、一般的に、とりわけ、グラフェン欠陥検出に関係するシステム、方法、材料、および装置に対して作成される。
【0012】
簡単に言えば、グラフェンを含むサンプルの欠陥を検出するのに有効であるように構成された方法およびシステムのための技術が一般的に説明される。例示の方法はサンプルを受け取ることを含むことができ、サンプルは少なくともいくらかのグラフェンとグラフェン中の少なくともいくつかの欠陥とを含むことができる。この方法は、マーク付きサンプルを生成するために充分な反応条件の下でサンプルをガスに曝することをさらに含むことができ、マーク付きサンプルは、欠陥のうちの少なくともいくつかに結合したマークを含むことができる。この方法は、マーク付きサンプルを検出器システムに置くことをさらに含むことができる。この方法は、マークのうちの少なくともいくつかを検出器システムで検出することをさらに含むことができる。
【0013】
構造的に、組成的に、および/または機能的に関連する化合物、材料、または基板の群に属するとして、明確にまたは暗黙に明細書で開示され、かつ/または請求項に記載される任意の化合物、材料、または基板は、群の個々の典型例およびそれらのすべての組合せを含むことがさらに理解されよう。
【0014】
図1は、本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態に従ってグラフェン欠陥検出を実施するのに利用することができる例示のシステムを示す。例示のグラフェン欠陥検出システム100は、チャンバ112、検出器システム131、および/またはチャンバ144を含むことができ、すべては互いに関係して動作するように構成される。欠陥検出システム100の要素のうちの少なくともいくつかは、通信リンク156を通してプロセッサ154と通信するように構成することができる。いくつかの例では、プロセッサ154はメモリ158と通信するように構成することができ、メモリ158はその中に記憶された命令160を含むことができる。プロセッサ154は、命令160などによって、以下で説明する操作/動作/機能のうちの少なくともいくつかを制御するように構成することができる。
【0015】
以下でより詳細に説明するように、1つまたは複数の欠陥104、106、108、および/または110を含むことがあるサンプル102を、手動または機械などによってチャンバ112に置くことができる。以下でより詳細に説明するように、チャンバ112は、マーク付きサンプル105生成するために、サンプル102をガス120に曝するのに有効であるように構成することができる。マーク付きサンプル105は、欠陥104、106、108、および/または110に結合したマーク122、124、126、および/または128を含むことができる。マーク122、124、126、および/または128をもつサンプル105は、手動または機械などによって、光源130および/または検出器132を含む検出器システム131に置くことができる。検出器システム131は、マーク122、124、126、および/または128を検出するのに有効であるように構成することができる。その後、サンプル105は、別のチャンバ144に送り込まれ、別のガス136、液体138、または熱に曝されて、マーク122、124、126、および/または128を少なくとも部分的に除去することができる。
【0016】
一例では、サンプル102は、グラフェン103と、1つまたは複数の欠陥104、106、108、および/または110を含むことができる。例えば、グラフェン形成中の化学的不純物は欠陥104、106、108、および/または110を形成することがある。欠陥の他の例示の発生源は、炭素原子が気体で基板に堆積される化学気相堆積プロセス中のグラフェン形成の結果であることがある。いくつかの炭素核が基板の表面で解離して、グラフェン核の結晶間に間隙または境界を残すことがある。欠陥の他の例には、炭素原子が、6つの原子の代わりに5つの原子または7つの原子などの異なる数の原子の環の状態で結合される共有結合欠陥またはStone−Walesタイプ欠陥が含まれる。そのような例では、構造は、そのような欠陥のないグラフェンとわずかに異なる電子特性を有することがある。グラフェンが成長される基板は、欠陥104、106、108、および/または110を形成することがあるトポロジー歪みを有することがある。欠陥のさらなる他の例には、エポキシド、ケトン、アルコール、および/またはカルボン酸などの炭素原子に結合した他のタイプの化学的形態が含まれる。
【0017】
図示のように、グラフェン103と欠陥104、106、108、および/または110とを含むサンプル102をチャンバ112に置くことができる。チャンバ112は、ポート114、116、ポンプ170、および/またはヒータ174を含むことができる。コンテナ118は、チャンバ112と流体連通して構成することができる。コンテナ118はガス120を含むことができる。コンテナ118および/またはチャンバ112と流体連通するバルブ182をプロセッサ154によって選択的に作動させて、チャンバ112の環境をコンテナ118からのガス120で浸すことができる。ガス120は、少なくとも1つの比較的重い原子をもつ分子を含むことができる。例えば、ガス120の少なくとも1つの原子は約40よりも大きい原子量を有することができる。いくつかの例では、ガス120の少なくとも1つの原子は金属とすることができる。一例では、ガス120は、少なくとも1つの原子がセレン(Se)、テルル(Te)、および/またはスズ(Sn)を含むことができる分子を含むことができる。
【0018】
例えば、ガス120は、少なくとも1つの原子がヨウ素(I)を含む分子を含むことができる。例えば、ガス120は、ヨウ素、ヨウ化チオニル、4−ヨードアニリンなどのヨウ化有機アミン、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、ヨウ化水素、および/またはジヨウドエタンなどのヨウ素分子を含むことができる。これらの例では、ヨウ素原子がサンプル103の欠陥104、106、108、および/または110に化学的に結合してマーク付きサンプル105を生成することができるので、マーク122、124、126、および/または128がサンプル103に生成されうる。その後、マーク122、124、126、および/または128は、検出器システム131で検出することができる。
【0019】
例えば、ガス120は三ヨウ化ホウ素(BI
3)、三ヨウ化アルミニウム(AlI
3)、三臭化ホウ素(BBr
3)、テルル化水素(H
2Te)、セレン化水素(H
2Se)、塩化スズ(SnCl
2)、SnBr
2、SnBr
4などを含むことができる。他の例には、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム、テルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)、テルトブチリミド・トリス(エチルメチルアミノ)タンタル(V)などのような重原子をもつ揮発性金属が含まれる。
【0020】
マーク付きサンプル105は、手動または機械などによって検出器システム131に置くことができる。一例では、光源130は、X線源などの分光光源を含むことができる。光源130および検出器132は、組み合わせて、X線蛍光(XRF)または全X線蛍光(TXRF)システムを形成することができる。TXRFシステムでは、マーク付きサンプル105をX線ビームにさらすことができ、マーク122、124、126、および/または128の重原子は、X線を吸収し蛍光を発することができる。そのような蛍光は検出器132で検出することができる。検出器132の出力は、マーク付きサンプル105の表面の原子のタイプの濃度を示すことができる。例えば、マーク付きサンプル105の表面の原子の強度は、検出器132で検出することができる。いくつかの例では、製造プロセス中のサンプルのインラインモニタリングを検出器132で行うことができる。検出器システム131の出力は、マーク122、124、126、および/または128を生成する、ガス120からの原子の量など、サンプル102のグラフェン103の品質レベルを示すメトリックとなることができる。
【0021】
いくつかの例では、検出器システム131は、後方散乱走査電子顕微鏡(SEM)システムまたは他のタイプの後方散乱電子画像(BEI)システムを含むことができる。検出器システム131の出力は、マーク付きサンプル105に関連する欠陥のマップに関連するデータを含むことができる。例示のマップは、X、Y座標と、サンプル102の指定のX−Y座標での欠陥に関連する強度/濃度レベルを含むデータとで構成することができる。いくつかの例では、検出器システム131は、マーク付きサンプル105中のヨウ素などの重原子の量を定量化するのに有効であるように構成することができる。
【0022】
いくつかの例では、ガス120は、サンプル102中の特定の欠陥に関係するマークを生成するのに有効であるように、サンプル102と反応するように選択し、マーク付きサンプル105をもたらすことができる。いくつかの例では、ガス120は多数の別個のタイプの欠陥にマークを付けるために使用することができる。例えば、塩化スズ原子をもつガスはサンプル102のフェノール欠陥にマークを付けるのに有効であり、ヨウ素原子をもつガスはサンプル102のアルコール欠陥にマークを付けるのに有効でありうる。
【0023】
いくつかの例では、三ヨウ化ホウ素(BI
3)分子をもつガスはサンプル102中のいくつかの特異な酸素欠陥にマークを付けるのに有効でありうる。BI
3は、エーテル、ケトン、アルコール、酸、エポキシドなどを含む大部分の酸素基に強い親和性を有することができる。BI
3は比較的強い電子受容体であるので、BI
3はStone−Wales欠陥などの電子豊富欠陥に比較的高い親和性を有することができる。一例では、ガス120は、BI
3をもつ分子とヨードアニリンをもつ分子とを含むことができる。この特定の例では、グラフェンを含むサンプルの普通の化学的、トポロジー的、および/またはトポグラフィー的欠陥の多くを検出することができる。
【0024】
ジヨウドエタン分子をもつガスは、サンプル102中のフェノールタイプ欠陥にマークを付けるのに有効でありうる。ヨウ化チオニル分子を含むガスはカルボキシレート基と反応してアシルヨージドを形成することができ、サンプル102中のカルボキシレート基タイプ欠陥にマークを付けるのに有効でありうる。ガス120は、本明細書に列挙する1つを超える例示の原子を含むことができる。例えば、ガス120は、ジヨウドエタンを含む分子およびヨウ化チオニルを含む分子、ジヨウドエタンおよび三ヨウ化ホウ素を含む分子、またはヨウ素および三ヨウ化ホウ素を含む分子などを含むことができる。
【0025】
ガス120が塩化スズ(Sn
4Cl)分子を含む一例では、チャンバ112は、ヒータ174などによって摂氏約100度から摂氏約200度の範囲の温度に加熱することができる。チャンバ112の圧力は、ポンプ170などによって約0.5ミリトルから約10ミリトルの範囲に調整することができる。ガス120は、約2分から約10分の時間間隔の間コンテナ118からチャンバ112に適用することができる。気体の分子120はサンプル103上に堆積し、サンプル103に関連する欠陥場所でマーク122、124、126、および/または128を生成するのに有効であるように、サンプル102と反応し、マーク付きサンプル105がもたらされる。ガス120は、その後、ポンプ170の制御下で真空またはガス一掃などによってチャンバ112から除去することができる。チャンバ112に残っているガス120からの原子は、欠陥場所104、106、108、および/または110に結合してマーク122、124、126、および/または128を生成する原子である。マーク付きサンプル105のマーク122、124、126、および/または128は、本明細書で説明するような検出器システム131で検出することができる。
【0026】
検出器システム131による検出の後、マーク付きサンプル105は、機械または手動などによってチャンバ144に置くことができる。チャンバ144は、ポート140、142、ポンプ172、および/またはヒータ176を含むことができる。コンテナ134は、チャンバ144と流体連通して構成することができる。コンテナ134は、ガス136、液体138、またはそれらの混合物を含むことができる。コンテナ134および/またはチャンバ144と流体連通するバルブ184をプロセッサ154によって選択的に作動させて、チャンバ144の環境をコンテナ134からのガス136および/または液体138で浸すことができる。コンテナ134は、水、水蒸気、水素ガス、ヒドラジン、アンモニアなどのガス136および/または液体138をマーク付きサンプル105に適用するのに有効であるように構成することができる。ヒータ176は、チャンバ144を摂氏約250度から摂氏約500度の範囲の温度に加熱するのに有効でありうる。液体138、ガス136、および/または熱は、マーク付きサンプル105からガス102の原子を除去して、欠陥104、106およびマーク126、128をもち、マーク122、124のないサンプル102を示す図で示されているように、マーク122、124、126、128が実質的にないサンプル102を再生成することができる。ガス120がヨウ素原子を含む例では、ヨウ素炭素結合は、摂氏250度を超えるなどの比較的高い温度で熱力学的に不安定になる傾向がある。そのような結合は、本明細書で説明するように熱を印加する際に壊れうる。
【0027】
他の可能性のある利点の中で、本開示により構成されたシステムは、サンプルを破壊することなく欠陥を検出するのに(すなわち、非破壊欠陥検出に)使用することができる。マークをサンプルに生成することができ、次に、マークを除去して、可逆プロセスをもたらすことができる。ウェハスケール検出システムのような高スループット、および/または高感度を備えるものなどの複数タイプの検出器システムを使用することができるので、比較的高いスループットおよび比較的高い感度システムを達成することができる。基板自体にマークを付けることができるので、システムは、グラフェンが基板上で不連続である区域を検出することが可能でありうる。
【0028】
例えば、サンプルは、約1分から約5分などの比較的短い時間間隔にわたって3−ヨードプロピルトリメトキシシランに曝すことができる。XRFが測定法として使用される一例では、典型的なデータ収集時間は約1分とすることができる。サンプルが加熱される例では、加熱は、さらに、比較的短くする、例えば、約30秒から約3分などとすることができる。その結果、全プロセスは数分で完了することができる。
【0029】
図2は、本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態に従って構成されたグラフェン欠陥検出を実施するための例示のプロセス200の流れ図である。
図2のプロセスは、例えば上述で説明したシステム100を使用して実施することができる。例示のプロセスは、ブロックS2、S4、S6、S8、および/またはS10のうちの1つまたは複数によって示されるような1つまたは複数の操作、動作、または機能を含むことができる。別々のブロックとして示されているが、様々なブロックは、所望の実施態様に応じて追加のブロックに分割する、より少ないブロックに組み合わせる、または除去することができる。
【0030】
プロセス200は、ブロックS2の「グラフェンと少なくともいくつかの欠陥とを含むサンプルを受け取る」で始まることができる。ブロックS2において、チャンバは、グラフェンとグラフェン中の少なくともいくつかの欠陥とを含むサンプルを受け取るのに有効であるように構成することができる。
【0031】
処理はブロックS2からブロックS4の「充分な反応条件の下でサンプルをガスに曝してマーク付きサンプルを生成する、ここで、マーク付きサンプルは、欠陥のうちの少なくともいくつかに結合したマークを含むことができる」に続くことができる。ブロックS4において、チャンバは、マーク付きサンプルを生成するために充分な反応条件の下でサンプルをガスに曝するのに有効であるように構成することができる。例えば、ガスは、約40よりも大きい分子量をもつ少なくとも1つの原子をもつ分子を含むことができる。一例では、ガスはヨウ素分子を含むことができる。一例では、ガスは、セレン(Se)、テルル(Te)、スズ(Sn)、三ヨウ化ホウ素(BI
3)、三ヨウ化アルミニウム(AlI
3)、三臭化ホウ素(BBr
3)、テルル化水素(H
2Te)、セレン化水素(H
2Se)、および/または塩化スズ(SnCl
2)を含むことができる。曝すことにより、サンプルにマークを含むマーク付きサンプルを生成することができる。
【0032】
処理は、ブロックS4からブロックS6の「マーク付きサンプルを検出器システムに置く」に続くことができる。ブロックS6において、マーク付きサンプルは検出器システムに置くことができる。例えば、検出器システムは、以前に説明したようなTXRFまたは後方散乱画像システムを含むことができる。
【0033】
処理は、ブロックS6からブロックS8の「マークのうちの少なくともいくつかを検出器システムで検出する」に続くことができる。ブロックS8において、検出器システムは、マーク付きサンプルに関連するマークのうちの少なくともいくつかを検出するのに有効であるように構成することができる。例えば、TXRFシステムは、マーク付きサンプルをX線に曝すのに使用することができ、マーク付きサンプルのマークはX線を吸収することができ、マークはそれに応じて蛍光を発することができる。マーク付きサンプルのマークに関連する蛍光は、検出器で検出することができる。
【0034】
処理は、ブロックS8からブロックS10の「マークのうちの少なくともいくつかを除去する」に続くことができる。ブロックS10において、マークのうちの少なくともいくつかをマーク付きサンプルから除去することができる。例えば、マークを少なくとも部分的に除去するために、水をマーク付きサンプルに適用することができる。
【0035】
図3は、本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態に従ってグラフェン欠陥検出を実施するのに利用することができるコンピュータプログラム製品を示す。プログラム製品300は信号担持媒体302を含むことができる。信号担持媒体302は、例えばプロセッサで実行されるとき、
図1〜2に関して上述した機能を行うことができる1つまたは複数の命令304を含むことができる。したがって、例えば、システム100を参照すると、プロセッサ154は、媒体302によってシステム100に伝えられる命令304に応答して
図3に示したブロックの1つまたは複数を行うことができる。
【0036】
いくつかの実施態様では、信号担持媒体302は、限定はしないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどのようなコンピュータ可読媒体306を包含することができる。いくつかの実施態様では、信号担持媒体302は、限定はしないが、メモリ、読取り/書込み(R/W)CD、R/W DVDなどのような記録可能媒体308を包含することができる。いくつかの実施態様では、信号担持媒体302は、限定はしないが、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)などの通信媒体310を包含することができる。したがって、例えば、プログラム製品300はRF信号担持媒体302によってシステム100の1つまたは複数のモジュールに伝えることができ、その場合、信号担持媒体302は無線通信媒体310(例えば、IEEE802.11標準に準拠する無線通信媒質)によって伝えられる。
【0037】
図4は、本明細書で説明する少なくともいくつかの実施形態によりグラフェン欠陥検出を実施するように構成された例示のコンピューティングデバイスを示すブロック図である。全くの基本構成402では、コンピューティングデバイス400は、一般に、1つまたは複数のプロセッサ404と、システムメモリ406とを含む。メモリバス408は、プロセッサ404とシステムメモリ406との間で通信するために使用することができる。
【0038】
所望の構成に応じて、プロセッサ404は、限定はしないが、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組合せを含む任意のタイプのものとすることができる。プロセッサ404は、レベル1キャッシュ410およびレベル2キャッシュ412などの1つまたは複数のレベルのキャッシングと、プロセッサコア414と、レジスタ416とを含むことができる。例示のプロセッサコア414は、演算論理ユニット(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。例示のメモリコントローラ418はプロセッサ404とともに使用することもでき、または、実施態様によっては、メモリコントローラ418はプロセッサ404の内部の一部とすることができる。
【0039】
所望の構成に応じて、システムメモリ406は、限定はしないが、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ、その他など)、またはそれらの任意の組合せを含む任意のタイプのものとすることができる。システムメモリ406はオペレーティングシステム420、1つまたは複数のアプリケーション422、およびプログラムデータ424を含むことができる。アプリケーション422は、少なくとも
図1〜3のシステム100に関して説明したものを含む本明細書で説明するような様々な機能/動作/操作を行うように構成されたグラフェン欠陥検出アルゴリズム426を含むことができる。プログラムデータ424は、本明細書で説明するようにグラフェン欠陥検出を実施するのに有用でありうるグラフェン欠陥検出データ428を含むことができる。いくつかの実施形態では、アプリケーション422は、グラフェン形成を行うことができるように、オペレーティングシステム420上でプログラムデータ424により操作するように構成することができる。この説明した基本構成402は、
図4において内側破線の内部の構成要素で示される。
【0040】
コンピューティングデバイス400は、基本構成402と任意の必要とされる装置およびインターフェースとの間の通信を容易にするために追加の特徴または機能、および追加のインターフェースを有することができる。例えば、バス/インターフェースコントローラ430を使用して、ストレージインターフェースバス434を介した、基本構成402と1つまたは複数のデータ記憶装置432との間の通信を容易にすることができる。データ記憶装置432は、取外し式記憶装置436、非取外し式記憶装置438、またはそれらの組合せとすることができる。取外し式記憶装置および非取外し式記憶装置の例には、2、3の例を挙げると、フレキシブルディスクドライバおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスク装置と、コンパクトディスク(CD)ドライバまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブと、ソリッドステートドライブ(SSD)と、テープドライブとが含まれる。例示のコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法または技術で実施される揮発性および不揮発性の取外し式および非取外し式の媒体を含むことができる。
【0041】
システムメモリ406、取外し式記憶装置436、および非取外し式記憶装置438はコンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体には、限定はしないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス400によってアクセスされうる任意の他の媒体が含まれる。任意のそのようなコンピュータ記憶媒体はコンピューティングデバイス400の一部とすることができる。
【0042】
コンピューティングデバイス400は、様々なインターフェース装置(例えば、出力装置442、周辺インターフェース444、および通信装置446)から、バス/インターフェースコントローラ430を介して、基本構成402への通信を容易にするためのインターフェースバス440をさらに含むことができる。例示の出力装置442は、1つまたは複数のA/Vポート452を介してディスプレイまたはスピーカなどの様々な外部装置と通信するように構成することができるグラフィック処理ユニット448およびオーディオ処理ユニット450を含む。例示の周辺インターフェース444は、1つまたは複数のI/Oポート458を介して入力装置(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置など)または他の周辺機器(例えば、プリンタ、スキャナなど)などの外部装置と通信するように構成することができるシリアルインターフェースコントローラ454またはパラレルインターフェースコントローラ456を含む。例示の通信装置446は、1つまたは複数の通信ポート464を介したネットワーク通信リンクによる1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス462との通信を容易にするように構成することができるネットワークコントローラ460を含む。
【0043】
ネットワーク通信リンクは通信媒体の1つの例とすることができる。通信媒体は、一般に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の移送機構などの変調データ信号の他のデータで具現することができ、任意の情報配信媒体を含むことができる。「変調データ信号」は、情報を信号に符号化するように設定または変化された特性の1つまたは複数を有する信号とすることができる。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、高周波(RF)、マイクロ波、赤外(IR)、および他の無線媒体などの無線媒体とを含むことができる。本明細書で使用するコンピュータ可読媒体という用語は、記憶媒体および通信媒体の両方を含むことができる。
【0044】
コンピューティングデバイス400は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレーヤデバイス、無線ウェブウォッチデバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、特定用途向けデバイス、または上述の機能のいずれかを含むハイブリッドデバイスなどのスモールフォームファクタ携帯(または移動体)電子デバイスの一部として実施することができる。コンピューティングデバイス400は、さらに、ラップトップコンピュータ構成および非ラップトップコンピュータ構成の両方を含むパーソナルコンピュータとして実施することができる。
【0045】
本開示は、本明細書で説明される特定の実施形態によって限定されるべきではなく、特定の実施形態は様々な態様の例示として意図される。当業者には明らかであるように、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく多くの変形および変更を行うことができる。本明細書で列挙する方法および装置に加えて、本開示の範囲内の機能的に均等な方法および装置は、上記の説明から当業者には明らかであろう。そのような変形および変更は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。本開示は、そのような特許請求の範囲が権利化される均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲の文言によってのみ限定されるべきである。本開示は、当然変更することができる特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物系に限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される術語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図していないことも理解されるべきである。
【0046】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0047】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0048】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループの観点から説明される場合、本開示はそれによってマーカッシュグループの任意の個々のメンバまたはメンバのサブグループの観点からも説明されることが当業者には認識されよう。
【0049】
当業者には理解されるように、例えば、書面による明細の提供に関するなどのあらゆる目的のために、本明細書で開示されるすべての範囲はあらゆる可能な部分範囲およびその部分範囲の組合せも包含する。列挙されたいかなる範囲も、同じ範囲が少なくとも等しい2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されることを充分に説明し、それを可能にすると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明した各範囲は、下位3分の1、中位3分の1、および上位3分の1などに容易に分割することができる。さらに、当業者には理解されるように、「まで」、「少なくとも」、「よりも大きい」、「よりも小さい」などのすべての言語は列挙された数を含み、上述で説明したように部分範囲に後で分割することができる範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個々のメンバを含む。したがって、例えば、1〜3セルを有する群は、1つ、2つ、または3つのセルを有する群を指す。同様に、1〜5セルを有する群は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのセルを有する群を指し、以下同様である。
【0050】
様々な態様および実施形態が本明細書で開示されたが、他の態様および実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書で開示された様々な態様および実施形態は例示のためのものであり、限定することを意図しておらず、真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。