特許第5817305号(P5817305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5817305
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】電源装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/508 20150101AFI20151029BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20151029BHJP
【FI】
   F21V29/508
   F21V29/70
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-169926(P2011-169926)
(22)【出願日】2011年8月3日
(65)【公開番号】特開2013-33682(P2013-33682A)
(43)【公開日】2013年2月14日
【審査請求日】2014年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】大島 悠一
(72)【発明者】
【氏名】奥田 典明
【審査官】 米山 毅
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−032420(JP,U)
【文献】 特開2007−266315(JP,A)
【文献】 実開昭61−030254(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0133176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/00−29/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板が収容され、外側方向に突出した凸部が形成された側面部を有するベースケースと、
前記回路基板に実装され、前記側面部に沿って配置された電子部品と、
一対の挟持部及びこの一対の挟持部を連結する基部を有し、これらの挟持部で前記電子部品と前記側面部とを纏めて挟み込むことにより、前記電子部品と前記側面部とを接触させた状態で保持すると共に、外側の前記挟持部に形成された穴が前記凸部に勘合することで、前記ベースケースに装着されるクリップと、を備え、
前記クリップは、内側の前記挟持部に前記電子部品と接触するU字状又はV字状に曲げられた支点部を有し、
外側の前記挟持部に形成された前記穴が、前記支点部に対向する位置よりも先端部側、かつ、前記支点部を前記電子部品に当接させるとともに、外側の前記挟持部を前記ベースケースに当接させた状態で、外側の前記挟持部の当接部分を軸にして前記クリップを回動させたときに前記凸部が外側の前記挟持部に接触した点と外側の前記挟持部の先端部との間に形成されていることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記ベースケースにおける前記凸部の前記側面部表面からの突出量は、前記クリップの厚み以上であることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記ベースケースにおける前記凸部は、下部側面が前記ベースケースの側面部に対して略垂直に突出して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記ベースケースにおける前記凸部は、前記ベースケースの側面部から下方に傾斜して延在した板状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
【請求項5】
前記クリップは、前記ベースケースの側面部から外側方向に突出したエンボス形状の第1の凸部と、前記ベースケースの側面部から下方に傾斜して延在した板状に形成された第2の凸部とに勘合することで、前記ベースケースに装着されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
【請求項6】
前記クリップは、2種類以上の厚みの電子部品をそれぞれ挟持する2種類以上のクリップからなり、
前記ベースケースにおける前記凸部および前記クリップにおける前記穴は、前記電子部品の厚みに応じて、異なる数または大きさに形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の電源装置。
【請求項7】
前記ベースケースの上面を覆うカバーケースを備え、
前記カバーケースは、前記ベースケースの凸部と勘合する穴が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の電源装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の電源装置と、
前記電源装置と電気的に接続され、該電源装置から供給された電力により光源を点灯させる光源ユニットと、を備える照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置における発熱する電子部品の放熱構造およびこの電源装置を備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明器具等の電源装置における電子部品の放熱構造として、クリップを用いて基板収納ケースと電子部品を接触させて放熱を行う放熱構造がある。そして、このクリップの外れを防止する構造として、基板収納ケースを覆うカバーケースに凸部を設け、この凸部でクリップを上方から押さえ込むものがある(例えば、特許文献1参照)。また、クリップにエンボス加工で形成された凸部を設け、クリップを取り付けると、この凸部が電子部品および放熱用の板に設けられた穴または凹部に嵌るようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−266315号公報(請求項1、図1
【特許文献2】実開平3−53892号公報(請求項1、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の放熱構造では、クリップに目印となるものが設けられていないため、組立作業において作業者は本来の取り付け位置までクリップが押し込められているかを目視にて判断することが困難であった。そして、クリップの押し込みが足りなかった場合には後工程でカバーケースの取り付けができないおそれがあった。また、この状態でカバーケースを無理矢理取り付けた場合には、クリップの取り付け位置がずれてしまうおそれがあった。
【0005】
そして、カバーケースの取り付けができない場合には、クリップを取り付け直す作業が別途必要となり作業効率が悪くなる可能性があった。また、クリップがずれた状態で組み立てられた場合には、電子部品とカバーケースとの密着性が低下して十分な放熱効果が得られない可能性があった。
【0006】
一方、上記特許文献2の放熱構造では、クリップにエンボス加工で形成された凸部が設けられている。しかし、この凸部が嵌る穴または凹部は、クリップの取り付け時にクリップによって隠れてしまうため、上記特許文献1の放熱構造と同様に、作業者はクリップが本来の取り付け位置まで押し込められているかを目視にて判断することが困難であった。
【0007】
また、クリップに凸部を設けたものの場合、クリップの外れ防止を考慮して凸部の突出寸法を放熱用の板の板厚以上にすると、板の穴に嵌まったクリップの凸部が電子部品を押してしまい、電子部品と放熱用の板との密着性が低下して十分な放熱効果が得られないおそれがあった。そして、このような放熱構造で密着性を維持させるためには、クリップの凸部の突出寸法を放熱用の板の板厚よりも小さくする必要があるため、クリップの外れ防止という点で十分なものではなかった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、クリップの取り付け作業を行う作業者がクリップの取り付け状態を目視にて確認することができ、取り付けた後には、クリップによる電子部品と放熱用部材との密着性を十分に維持させると共にクリップが振動等で簡単に外れないようにすることができる電子部品の放熱構造を有する電源装置を提供することを目的とする。
また、第2の目的は、上記の電源装置を備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電源装置は、回路基板が収容され、外側方向に突出した凸部が形成された側面部を有するベースケースと、回路基板に実装され、側面部に沿って配置された電子部品と、一対の挟持部を有し、これらの挟持部で電子部品と側面部とを纏めて挟み込むことにより、電子部品と側面部とを接触させた状態で保持すると共に、外側の挟持部に形成された穴が凸部に勘合することで、ベースケースに装着されるクリップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベースケースの側面部に形成された凸部とクリップに形成された穴とに基づいてクリップが取り付けられるため、組立作業者がクリップの取り付け箇所やクリップが正しく取り付けられているかを把握することが可能であり、作業効率を向上させることができる。また、クリップは、クリップの穴がベースケースの凸部に勘合して取り付けられるため、クリップの外れを防止するための部品を別途設けなくとも振動などによるクリップの外れを防止することができ、電子部品とベースケースとの接触状態を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1に係る電源装置を示す図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る電源装置の斜視図である。
図3図1のA−A部の断面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係るクリップを示す図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る電源装置の組み立てを示す斜視図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る凸部寸法を示す図である。
図7】本発明の実施の形態1に係る凸部の位置関係を示す図である。
図8】本発明の実施の形態1に係るクリップの取り付け方法を示す図である。
図9】本発明の実施の形態1に係る電源装置にカバーケースを取り付けた状態を示す断面図である。
図10】本発明の実施の形態2に係る電源装置を示す図である。
図11】本発明の実施の形態3に係る電源装置の斜視図である。
図12】本発明の実施の形態3に係る電源装置のクリップ取付部の断面図である。
図13】本発明の実施の形態4に係る電源装置の斜視図である。
図14】本発明の実施の形態4に係る電源装置のクリップ取付部の断面図である。
図15】本発明の実施の形態5に係る電源装置の斜視図である。
図16】本発明の実施の形態5に係る電源装置のクリップ取付部の断面図である。
図17】本発明の実施の形態1〜5のいずれかに係る電源装置を照明器具に適用した構成図である。
図18図17の照明器具に用いられる電源装置の点灯回路の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る電源装置を示す図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図である。図2は実施の形態1に係る電源装置の斜視図であり、図2(a)は電源装置の全体図、図2(b)は図2(a)のB部の拡大図、図2(c)はクリップが取り付けられていない状態のB部の拡大図である。図3図1のA−A部の断面図である。
【0013】
図1〜3に示すように、実施の形態1の電源装置100は、箱形状のベースケース1と、ベースケース1内に収容され点灯回路が実装された回路基板2と、点灯回路を構成する回路部品として回路基板2上に配置された電子部品3と、ベースケース1と回路基板2の間に設けられた絶縁シート4と、電子部品3をベースケース1の側壁に接触させるクリップ10と、を備える。
【0014】
ベースケース1は、鉄やアルミ等の板金からなる箱形状をしており回路基板2を覆い保護している。ベースケース1の側壁には外側方向に突出した凸部5が形成されている。この凸部5は略丸型の押し出しのエンボス加工により形成されている。また、凸部5は、ベースケース1内に回路基板2を収容したときに、電子部品3が接近する箇所のベースケース1の側壁に形成されている。なお、図1図2のベースケース1は天面と側壁の1面が開口した箱形状であるが、天面のみを開口させた箱形状など、クリップ10を取り付けることができる側壁を有しているものであればよい。
【0015】
回路基板2に設けられた点灯回路は、商用電源などの交流電源から供給された交流電力の電圧を脈流の直流電圧(整流電圧ともいう)に変換する整流回路と、この整流回路に接続され、電源装置100に接続されるLEDなどのランプに定電流を供給する直流電源回路とを備えている。クリップ10に挟持される電子部品3は、このような点灯回路に使用されるトランジスタ、ダイオード、スイッチ素子などの発熱部品である。
【0016】
絶縁シート4は、回路基板2とベースケース1とを絶縁するために回路基板2とベースケース1の間に設けられており、ベースケース1の形状に合わせた箱形状をしている。絶縁シート4の材料には、例えばポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂が使われており、厚さは0.1mm〜0.2mm程のものである。なお、箱形状の絶縁シート4に、回路基板2の上方を覆う蓋部分を一体に形成させれば、回路基板2の上方側の絶縁も確保することができる。
【0017】
クリップ10は、電子部品3、絶縁シート4及びベースケース1を挟み込む略コの字型の形状をしている。クリップの材料には、例えばステンレス鋼などの弾性を有する金属が使われており、金属板からプレス加工や曲げ加工によって形成されている。クリップ10の材料として合成樹脂を使用してもよいが、熱伝導率の高い金属のほうが放熱効果を高めることができるので望ましい。
【0018】
図4は実施の形態1に係るクリップを示す図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
図4に示すように、クリップ10は、ベースケース1の側壁の外面と弾性的に接触する外側挟持部11と、外側挟持部11と対向するように形成され、電子部品3と弾性的に接触する内側挟持部12と、外側挟持部11と内側挟持部12との上端を連結する基部13とで構成されている。
【0019】
外側挟持部11は、基部13に対して略垂直に曲げて形成されており、ベースケース1の側壁に形成された凸部5と勘合する穴14を有する。内側挟持部12は、基部13との連結部から下方に向かって外側挟持部11に近づくように傾斜して形成されており、電子部品3をベースケース1の側壁に押さええ込むようにU字型又はV字型に曲げられた支点部10を有する。また、外側挟持部11と内側挟持部12の間にベースケース1の側壁と電子部品3とを導入するために、支持部10から下方に向かって外側挟持部11から離れるように傾斜して形成されている。
【0020】
次に、電源装置100の組立作業について説明する。図5は実施の形態1に係る電源装置の組み立てを示す斜視図である。
図5に示すように、電源装置100は、ベースケース1に絶縁シート4が収容され、絶縁シート4の上に、発熱する電子部品3を端部に配置した回路基板2が収容される。ベースケース1と回路基板2は、ネジ6やベースケース1に形成された切り起こし7等によって固定される。このとき、電子部品3はベースケース1の凸部5が形成されている箇所の側壁に接近するような位置関係となっている。その後、クリップ10が取り付けられることによって、電子部品3とベースケース1の側壁とが確実に接触した状態となり、クリップ10が本来の取り付け位置まで押し込められると、クリップ10の穴14がベースケース1の凸部5に勘合し、クリップ10の取り付けが完了する。
【0021】
このように、クリップ10に形成された穴14とベースケース1の側壁に形成された凸部5とに基づいてクリップ10が取り付けられるため、組立作業者は、ベースケース1の凸部5を目印として、クリップ10の取り付け箇所を把握することができる。また、クリップ10を取り付けた後には、凸部5と穴14の位置関係からクリップ10が本来の位置で取り付けられているかを目視にて確認することができる。さらに、クリップ10が本来の位置に取り付けられると、クリップ10の穴14が凸部5に勘合されるので、クリップ10の外れを防止するための部品を別途設けなくとも振動等によってクリップ10が簡易に外れることを防止することができる。
【0022】
次に、クリップ10とベースケース1の凸部5との関係について説明する。
図6は実施の形態1に係る凸部寸法の説明を示す断面図である。図7は実施の形態1に係る凸部の位置関係を示す図である。図6中のCはベースケース1の側壁の外面から凸部5の先端部まで寸法、すなわち凸部5の突出寸法を表し、Dはクリップ10の厚みを表している。なお、図6、7は図3と同じく図1のA−A部の断面図であり、図3に示した構成と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
図6に示すように、クリップ10が本来の位置に取り付けられた状態において、ベースケース1の凸部5の突出寸法Cがクリップ10の厚みD以上の寸法(C≧D)になるように形成されている。このようにクリップ10を取り付けた状態でクリップ10から凸部5が突き出るようにすることで、クリップ10の取り付け作業時に、作業者はこの突き出た凸部5を手で確認してクリップ10が本来の位置に取り付けられているかを判断することが可能となり作業効率を向上させることができる。また、凸部5の突出寸法をクリップ10の厚み以上にすることで、振動等によってクリップ10が簡易に外れることを防止することができる。
【0024】
また、図7に示すように、クリップ10が本来の位置に取り付けられた状態において、ベースケース1の凸部5が、図7中に矢印で示すようにクリップ10の支点部15より下側に位置するように形成されている。回路基板2の修理等でクリップ10の取り外し作業、例えばクリップ10のクリップ端部16を工具等で外側方向に広げ凸部5を乗り上げてクリップ10を取り外す作業において、凸部5の位置が支点部15よりも下側にあるほど、少ない広げ量で凸部5への乗り上げが可能となるので、クリップ10の取り外しがしやすくなり作業効率を向上させることができる。
【0025】
次に、クリップ10のカバーケース1への取り付け方法について説明する。図8は実施の形態1に係るクリップの取り付け方法を示す図である。図8中のEは、クリップ10を取り付ける際に外側挟持部11がベースケース1の側壁の上端部と接触する箇所を表している。なお、図3に示した構成と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
図8に示すように、まずクリップ10の支点部15から下方に向かって傾斜して形成されている部分を電子部品3に接触させ、クリップ10の外側挟持部11とベースケース1の側壁とをE部で接触させる。このとき電子部品3はベースケース1の側壁側へ押さえ込まれた状態になっている。その後、E部を回転中心として、クリップ端部16がベースケース1の側壁側に向かう方向にクリップ10を回転させる。最後に、クリップ10を下方向に押し込んで穴14を凸部5に勘合させて取り付けが完了する。このように、簡易に電子部品3とベースケース1とを挟み込んだ状態でクリップ10を取り付けることができる。
【0027】
ここで、図8中に矢印で示すように、取り付ける時に回転中心となるE部からクリップ端部16までの長さが、同じくE部から凸部5の上端部までの長さよりも長くなるように外側挟持部11が形成されている。この寸法にすることで、クリップ10の取り付け作業でクリップ10をベースケース1の側壁に接触するまで回転させたときに、凸部5が外側挟持部11の内面に接触することになる。すなわち、クリップ10の取り付け作業で最後に行われるクリップ10を押し込む作業において、クリップ端部16が凸部5に引っかかることがなくなるので、取り付け作業の作業効率をより改善することができる。
【0028】
次に、回路基板2の上方側を保護するためにベースケース1にベースケース1の上方を覆うカバーを取り付けた場合について説明する。図9は実施の形態1に係る電源装置にカバーケースを取り付けた状態を示す断面図である。なお、図3に示した構成と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0029】
カバーケース8は亜鉛メッキ鋼板(PCM)やアルミ等の板金からなる箱形状をしており、カバーケース8の側壁の内側にベースケース1の側壁が収まるようにして取り付けられ、回路基板2の上方側を保護している。図9に示すように、カバーケース8の側壁には、ベースケース1の側壁に設けられた凸部5と勘合する穴9が設けられている。この穴9を設けることにより、カバーケース8にベースケース1と勘合させるための爪などの勘合構造やネジなどによる固定構造を別途設ける必要がなく、凸部5を利用してカバーケース8をベースケース1に簡易に取り付けることができる。
【0030】
実施の形態2.
実施の形態1では、クリップ10を用いて電子部品3とベースケース1とを接触させ、電子部品3の放熱を行う電源装置について説明をした。しかし、一つの回路基板上に複数の厚さの電子部品が設けられることがあり、この場合、電子部品の厚さに応じた複数種類のクリップを用いればよいが、クリップは小さめの部品であることから、各クリップがどの電子部品に対応したものであるかを見分けることが難しく作業効率が悪化するおそれがあった。
【0031】
そこで、実施の形態2に係る電源装置では、2種類以上の厚みのある電子部品のそれぞれの厚さに対応した2種類以上のクリップを備え、クリップの種類によってクリップに形成された穴の数や大きさを異なるものとし、その穴が勘合するようにベースケースに凸部を形成した。
【0032】
実施の形態2では、このような構成のクリップを用いることにより、回路基板上に2種類以上の厚さの電子部品が設けられた場合において、それぞれの電子部品に対応した2種類以上のクリップのそれぞれがどの電子部品に対応したものであるのかを目視にて確認することができる。以下、この複数の厚さの電子部品に対応させたクリップを備えた電源装置について説明する。
【0033】
図10は実施の形態2に係る電源装置を示す図である。図10(a)はクリップの取り付け箇所を拡大した平面図、図10(b)はクリップの取り付け箇所を拡大した背面図である。なお、図1に示した構成と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0034】
図10に示すように、実施の形態2の電源装置200は、点灯回路を構成する回路部品として回路基板2上に配置された厚さの異なる電子部品3a、3bと、電子部品3aをベースケース1の側壁に接触させるクリップ20aと、電子部品3bをベースケース1の側壁に接触させるクリップ20bとを備える。なお、電源装置200は実施の形態1と同様に、ベースケース1と回路基板2の間に絶縁シート4(図示せず)を設けて組み立てられている。
【0035】
クリップ20aは電子部品3bよりも厚みのある電子部品3aをベースケース1に接触させるもので、2つの穴21a、21cが形成されている。一方、クリップ20bは比較的厚さの薄い電子部品3bをベースケース1に接触させるもので、1つの穴21bが形成されている。そして、ベースケース1の側壁には、クリップ20a、20bを取り付けた後に穴21a〜21cのそれぞれが勘合する凸部22a〜22cが形成されている。なお、クリップ20a、20bのその他の基本構造、取り付け方法などは図4図6図8で説明したものと同じであり説明は省略する。
【0036】
このように、厚みがある電子部品3aに対して使用するクリップ20aは勘合箇所を多く設けることで、挟み方向の幅寸法が長いクリップ20aを外れにくくしている。つまり、挟み方向の幅寸法が長いクリップほど撓みやすく振動などによって外れるおそれがあるため、厚みがある電子部品に対して取り付けられるクリップほど勘合箇所を多く設けることで外れをより防止することができる。
【0037】
また、組立作業者はクリップに形成された穴の数や大きさ、又はベースケースに形成された凸部の数や大きさを目で確認することで、それぞれの取り付け箇所に対応したクリップを簡易に見分けることが可能となり、作業効率を向上させると共にクリップの誤装着を防止することができる。なお、図10では穴21c(凸部22c)は穴21a(凸部22a)よりも小さく形成されているが、同等または大きく形成してもよく、例えば、2種類以上の大きさのクリップに一つずつしか勘合用の穴を形成することができない場合などには、クリップの種類毎に穴の大きさを変えることでクリップの識別がしやすくなり効果的である。
【0038】
なお、実施の形態2では、2種類の厚さの電子部品が設けられた場合について説明をしたが、当然3種類、4種類と複数種類の厚さの電子部品が設けられることがあり、その場合には、穴と凸部の数や大きさをクリップの種類ごとに変えることでクリップの識別は可能である。
【0039】
実施の形態3.
実施の形態1、2では、ベースケースに形成された略丸型の凸部に、クリップに形成された略丸型の穴を勘合させて取り付けるものを示した。この勘合により、振動などによるクリップの外れを防止することができるが、仮にクリップに対してクリップが外れる方向に強い力が加わった場合に、クリップの穴の縁が略丸型の凸部表面に沿って移動して、クリップが凸部を乗り上がり外れてしまうおそれがあった。
【0040】
そこで、実施の形態3に係る電源装置では、これら略丸型の凸部と穴に変えて、三日月型の凸部をベースケースに形成し、半円型の穴をクリップに形成した。この形状にすることで、略丸型の凸部と穴による勘合よりもより外れにくくすることができる。以下、この三日月型の凸部が形成されたベースケースと、半円型の穴が形成されたクリップとを備えた電源装置について説明する。
【0041】
図11は実施の形態3に係る電源装置の斜視図であり、図11(a)はクリップを取り付けた状態のクリップ取付部の拡大図、図11(b)はクリップを取り付けていない状態のクリップ取付部の拡大図、図11(c)はクリップを示す図である。図12は実施の形態3に係る電源装置のクリップ取付部の断面図である。なお、電源装置のクリップ取付部以外の構成は図2に示した構成と同じであり説明は省略する。
【0042】
図11図12に示すように、実施の形態3のベースケース1の側壁には外側方向に突出した凸部32が形成されている。この凸部32は三日月型の押し出しのエンボス加工により形成されている。クリップ30には三日月型の凸部32と勘合する半円型の穴31が形成されている。
【0043】
凸部32を三日月型に形成することで、凸部32の下部側面がベースケース1の側壁に対して略垂直に突出して形成されることになる。そのため、クリップ30の取り付け後、仮にクリップ30に対してクリップ30が外れる方向(図12でいう上方向)に強い力が加わったとしても、クリップ30の穴31の縁は、その外れる方向に直交した凸部32の下部側面に接触するので、クリップ30には凸部32を乗り上がる方向(図12でいう右方向)には力が加わることがない。
【0044】
すなわち、略丸型の凸部の場合には、凸部の下部側面がベースケース1の側壁に対して傾斜しているため、クリップに対してクリップが外れる方向に力が加わったときに、クリップの穴が略丸型の凸部表面に沿って移動して凸部を乗り上がってしまうおそれがある。一方、三日月型の凸部32の場合には、凸部32の下部側面がベースケース1の側壁に対して略垂直に形成されているため、クリップ30に対してクリップ30が外れる方向に力が加わったときに、クリップ30の穴が凸部32の下部側面に接触するので、クリップ30には凸部32を乗り上がる方向には力が加わることがなく、クリップ30の凸部32への乗り上がりを防止することができる。よって、略丸型の凸部による勘合よりもクリップ30をより外れにくくすることができる。
【0045】
なお、実施の形態3では、半円型の穴31と三日月型の凸部32とによる勘合について説明をしたが、この形状に限定するものではなく、凸部の下部側面がベースケース1の側壁に対して垂直に突出して形成されていればよい。例えば、角柱状の凸部、円柱状の凸部などである。また、クリップの穴はこれら凸部に勘合することが可能な形状であればよい。
【0046】
実施の形態4.
実施の形態3では、ベースケースに形成された三日月型の凸部に、クリップに形成された半円型の穴を勘合させるものを示した。この勘合によりクリップをより外れにくくすることができるが、この形状では、仮に電源装置の修理などでクリップを外す必要がある場合には、クリップを外すために工具等を使う必要があり、クリップが破損してしまうおそれがあった。
【0047】
そこで、実施の形態4に係る電源装置では、これら三日月型の凸部と半円型の穴に変えて、ベースケースの側壁から外側下方に傾斜して延在した板状の凸部と角型の穴を両部品にそれぞれ形成した。この形状にすることで、クリップを取り付けた状態においてクリップを外れにくくすると共に、クリップを修理などで外す場合には簡易に外すことが可能となる。以下、この切りかけ形状の凸部が形成されたベースケースと、角型の穴が形成されたクリップとを備えた電源装置について説明する。
【0048】
図13は実施の形態4に係る電源装置の斜視図であり、図13(a)はクリップを取り付けた状態のクリップ取付部の拡大図、図13(b)はクリップを取り付けていない状態のクリップ取付部の拡大図、図13(c)はクリップを示す図である。図14は実施の形態4に係る電源装置のクリップ取付部の断面図である。なお、電源装置のクリップ取付部以外の構成は図2に示した構成と同じであり説明は省略する。
【0049】
図13図14に示すように、実施の形態4のベースケース1の側壁には、側壁から外側下方に傾斜して延在した板状(以下、切りかけ形状)の凸部42が形成されている。クリップ40には凸部42と勘合する角型の穴41が形成されている。
【0050】
凸部42と穴41をこのような形状にすることで、クリップ40取り付け後、クリップ40が外れる方向(図14でいう上方向)に移動した場合には、穴41の縁は切りかけ形状の凸部42の内側に入り込むため、クリップ40が外れることを防止することができる。また、クリップ40を外す場合には、工具等で凸部42を内側方向に押すことで凸部42がベースケース1内に押し戻されるので、穴41の縁が凸部42に引っ掛かることなく簡易にクリップ40を取り外すことが可能となる。さらに、クリップ40を破損させることなく取り外しができるので、クリップ40を再利用することが可能である。
【0051】
なお、実施の形態4では、角型の穴41と切りかけ形状の凸部42とによる勘合について説明をしたが、この形状に限定するものではなく、クリップが外れる方向に移動したときに穴の縁が凸部の内側に入り込み、且つ凸部をベースケース内に押し戻すことのできる形状に凸部が形成されていればよい。例えば、略丸型の穴と切りかけ形状の凸部、半円型の穴と切りかけ形状の凸部などである。また、切りかけ形状に形成した別部品をベースケースの側壁に接着や溶接等で取り付け、クリップの穴が勘合する凸部としてもよい。
【0052】
実施の形態5.
実施の形態5に係る電源装置では、実施の形態1〜4に示した略丸型、三日月型、切りかけ形状などの形状の異なる凸部が複数個形成されたベースケースと、それぞれの凸部に対応した形状の穴が複数個形成されたクリップとを備えた電源装置について説明する。
【0053】
図15は実施の形態5に係る電源装置の斜視図であり、図15(a)はクリップを取り付けた状態のクリップ取付部の拡大図、図15(b)はクリップを取り付けていない状態のクリップ取付部の拡大図、図15(c)はクリップを示す図である。図16は実施の形態5に係る電源装置のクリップ取付部の断面図である。なお、電源装置のクリップ取付部以外の構成は図2に示した構成と同じであり説明は省略する。
【0054】
図15図16に示すように、実施の形態5のベースケース1の側壁には外側方向に突出した二つの凸部52a、52bが形成されている。凸部52aは略丸型の押し出しのエンボス加工により形成されており、凸部52bは切りかけ形状に形成されている。クリップ50には凸部52a、52bとそれぞれ勘合する略丸型の穴51aと角型の穴51bが形成されている。
【0055】
このように、略丸型の凸部52aの下方に切りかけ形状の凸部52bを形成すると、クリップ50を取り付けたときに、まず角型の穴51bが切りかけ形状の凸部52bに嵌り、その後クリップ50の挟みこむ力によって略丸型の穴51aの縁が略丸型の凸部52aの表面に沿ってガイドされてクリップ50全体が上方向に移動し、穴51aが凸部52aに勘合する。このとき、切りかけ形状の凸部52bに勘合した穴51bも上方向に移動するため、穴51bの縁が凸部52bの内側に入り込む。
【0056】
つまり、クリップ50の取り付けが完了したときに、切りかけ形状の凸部52bによってクリップ50をロックすると共に、略丸型の凸部52aによってクリップ50の移動を抑制することが可能となる。例えば、組立後にクリップを外すことのない電源装置などにおいては、この取り付け構造にすることでクリップの外れを確実に防止することができ、放熱効果を維持させることができるので効果的である。
【0057】
なお、実施の形態5では、略丸型の凸部52aと切りかけ形状の凸部52bの2つ凸部による勘合について説明をしたが、この凸部の形状、数または組合せに限定するものではなく、例えば、略丸型の凸部と三日月型の凸部の組合せ、略丸型の凸部2つと切りかけ形状の凸部の組合せなどでもよい。
【0058】
実施の形態6.
実施の形態6では、実施の形態1〜5に係る電源装置を照明器具に適用した場合について説明する。
【0059】
図17は実施の形態1〜5のいずれかに係る電源装置を照明器具に適用した構成図である。図17に示すように、照明器具310は、ベースケースの側壁と発熱する電子部品とを挟持したクリップを有する電源装置300と、上面に電源装置300が取り付けられ、天井裏などにネジ等で固定される板金台301と、電源装置300を上方から覆うようにして取り付けられ、板金台301にネジ等で固定される箱形状の板金カバー302と、電源装置300と配線で電気的に接続され、電源装置300から供給された電力によってLEDなどの光源を発光させる光源ユニット303と、光源ユニット303の下部側面に設けられ、天井などに形成された取り付け穴に光源ユニット303を固定させる取り付けバネ304と、を備える。
【0060】
実施の形態1〜5で説明したように、クリップは、ベースケースに形成された凸部とクリップに形成された穴との勘合によって取り付けられているため、振動等で外れないようになっている。そのため、電源装置300の上面は開放状態となっており、クリップを押さえるカバーケースのような部品は取り付けられていない。板金カバー302は、電源装置300と配線類とを収容して埃等から保護するためのものでクリップを押さえ込むものではない。
【0061】
このように、電源装置300にはカバーケースのような部品がなくとも、クリップによって電子部品の放熱効果が維持され、板金カバー302によって埃等から保護されるので、電源装置300の上面にはカバーケースのような部品は必要なく、その分、部品コストを抑えることができる。また、電源装置300の修理が必要な場合には、板金カバー302を外すだけで電源装置300の回路基板を確認することができ、作業効率を向上させることができる。
【0062】
図18図17の照明器具に用いられる電源装置の点灯回路の例を示す回路図である。図18に示すように、点灯回路305は、交流電源ACが入力されノイズを除去するフィルタ回路LFと、このフィルタ回路LFに接続され、交流電源ACの交流電圧を脈流の直流電圧(整流電圧ともいう)に変換する整流回路DBと、この整流回路DBに接続され、接続される光源ユニット303に定電流を供給する直流電源回路306と、この直流電源回路306の出力に基づいて制御電源Vcc(制御電圧Vccともいう)を生成する制御電源回路307と、直流電源回路306を起動させる起動回路308と、光源ユニット303が接続されるコネクタCN1と、を備える。
【0063】
光源ユニット303は、光源回路309と、この光源回路309が接続され、電線付コネクタを介して点灯回路305に着脱可能に取り付けられるコネクタCN2と、を備える。なお、図18では光源回路として5個のLEDが直列に接続されている。この光源回路は、LEDが4個以下、または6個以上であってもよく、また、複数のLEDが直列接続されるLED群が並列に接続される直並列方式であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 ベースケース、2 回路基板、3、3a、3b 電子部品、4 絶縁シート、5 凸部(略丸型)、8 カバーケース、9 穴(カバーケース)、10 クリップ、11 外側挟持部、12 内側挟持部、13 基部、14 穴(略丸型)、15 支点部、16 クリップ端部、20a、20b クリップ、21a〜21c 穴(略丸型)、22a〜22c 凸部(略丸型)、30 クリップ、31 穴(半円型)、32 凸部(三日月型)、40 クリップ、41 穴(角型)、42 凸部(切りかけ形状)、50 クリップ、51a、51b 穴(略丸型、切りかけ形状)、52a、52b 凸部(略丸型、角型)、100 電源装置、200 電源装置、300 電源装置、301 板金台、302 板金カバー、303 光源ユニット、304 取り付けバネ、305 点灯回路、306 直流電源回路、307 制御電源回路、308 起動回路、309 光源回路、310 照明器具。
図1
図2
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図4
図5
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図7
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図18