特許第5817313号(P5817313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5817313
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】光源装置及びプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20151029BHJP
   G03B 21/16 20060101ALI20151029BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20151029BHJP
   F21S 2/00 20060101ALI20151029BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20151029BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20151029BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20151029BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20151029BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/16
   F21V29/74
   F21S2/00 250
   F21V19/00 150
   F21V19/00 170
   F21V19/00 450
   G02F1/1333
   G02F1/13 505
   F21Y101:02
【請求項の数】6
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2011-173735(P2011-173735)
(22)【出願日】2011年8月9日
(65)【公開番号】特開2013-37216(P2013-37216A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】座光寺 誠
(72)【発明者】
【氏名】長谷 要
(72)【発明者】
【氏名】和田 将
【審査官】 田井 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−283038(JP,A)
【文献】 特開2011−133778(JP,A)
【文献】 特開2011−076781(JP,A)
【文献】 特開2011−141561(JP,A)
【文献】 特開2007−324137(JP,A)
【文献】 特開2007−317438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−19/00
G03B 21/00−21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固体光源と、
前記複数の固体光源が設けられベース部材と
基板と、を備え、
それぞれの前記固体光源は、
発光素子が設けられステムと、
前記発光素子と接続され端子とを備え、
前記ベース部材は、
前記端子が挿入され孔部と、
前記ステムと接触している平面部と
前記平面部側とは反対側の面に位置し、前記基板が配置された溝部と、を有し、
前記基板は、前記孔部を挿通した前記端子と電気的に接触してい
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記ベース部材における前記平面部側とは反対側の面に熱伝導可能に接続され、前記ベース部材から伝導された熱を放熱する放熱部材を備える
ことを特徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光源装置において、
前記平面部は、前記ステムにおける前記発光素子が設けられ側とは反対側の面と接触してい
ことを特徴とする光源装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光源装置において、
前記ベース部材に取り付けられ、それぞれの前記固体光源を位置決めする位置決め部を有する位置決め部材を備える
ことを特徴とする光源装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光源装置において、
前記複数の固体光源は、一方向に沿って配列され、
前記端子は、前記ステムにおける前記発光素子が設けられ面とは反対側の面に設けられる第1端子及び第2端子を含み、
前記第1端子と前記第2端子とを結ぶ方向は、前記一方向に沿う方向であり、
前記基板の長手方向は、前記一方向に沿う方向である
ことを特徴とする光源装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光束を変調する光変調装置と、
変調された前記光束を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及びプロジェクターに関し、特に、固体光源を有する光源装置及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置と、当該光源装置から出射された光を変調して、画像情報に応じた画像を形成する光変調装置と、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクターが知られている。
このような光源装置として、超高圧水銀ランプ等の放電光源ランプを有する光源装置が採用されてきたが、近年、省電力化の要請から、固体光源を有する光源装置が採用され始めた。このような光源装置として、LED(Light Emitting Diode)及びLD(Laser Diode)等の固体光源を有する光源装置が採用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の光源装置は、プリント基板と、プリント基板に実装される半導体レーザーと、当該半導体レーザーを保持するベースと、コリメーターレンズと、アパーチャ形成部材とを有する。これらのうち、半導体レーザーは、ベースの表裏を貫通するように形成された段付きの嵌合孔にベースの裏面側から圧入固定され、当該ベースは、プリント基板にねじ固定される。また、コリメーターレンズは、嵌合孔の前面側に配置され、コリメーターレンズを介して半導体レーザーから出射されるレーザー光を整形するアパーチャ形成部材が、当該コリメーターレンズを覆うように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−246657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の光源装置では、半導体レーザーで生じた熱は、当該半導体レーザーが嵌合される嵌合孔の内側面を介してベースに伝導されて、放熱される。このような構成では、半導体レーザーに応じてベースを設ける必要があるので、プリント基板上に半導体レーザーを密に実装することが困難であるという問題がある。また、ベースを設けずに半導体レーザーをプリント基板に実装した場合には、当該半導体レーザーとプリント基板とが離間しているため、半導体レーザーで生じた熱の放出が適切に行われなくなり、当該半導体レーザーの冷却効率が低下するという問題がある。
このような問題から、半導体レーザーを密に配置した場合でも、各半導体レーザーを効率よく冷却できる構成が要望されてきた。
【0006】
本発明は、固体光源を効果的に冷却できる光源装置及びプロジェクターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するために、本発明の光源装置は、複数の固体光源と、前記複数の固体光源が設けられベース部材と、基板と、を備え、それぞれの前記固体光源は、発光素子が設けられステムと、前記発光素子と接続され端子とを備え、前記ベース部材は、前記端子が挿入され孔部と、前記ステムと接触している平面部と、前記平面部側とは反対側の面に位置し、前記基板が配置された溝部と、を有し、前記基板は、前記孔部を挿通した前記端子と電気的に接触していることを特徴とする。
【0008】
このような固体光源としては、LD及びLEDを例示できる。
本発明によれば、複数の固体光源が設けられるベース部材は、各固体光源のステムと接触する平面部を有する。これによれば、各固体光源からベース部材への熱の伝導経路を確保でき、当該各固体光源で生じた熱を1つのベース部材にて放熱することができる。従って、ベース部材上に固体光源を密に配置した場合でも、当該各固体光源を効果的に冷却できる。
【0009】
本発明では、前記ベース部材における前記平面部とは反対側に位置し、前記孔部を挿通した前記端子と電気的に接触する基板を有する。
ここで、固体光源の端子と接触する基板が、ステムが位置する平面部側に配置される場合には、当該基板を配置するスペースを確保する必要があるため、当該ステムの底面と平面部との接触面積が小さくなる。
これに対し、本発明では、当該基板は、平面部側とは反対側に配置される。これによれば、ステムの底面と平面部との接触が基板の配置によって妨げられることがないので、当該基板がステム側に位置する場合に比べ、ステムの底面と平面部との接触面積を大きくすることができる。従って、ステムからベース部材への熱伝導を効率よく行うことができ、固体光源を一層効果的に冷却できる。
【0010】
本発明では、前記ベース部材における前記平面部側とは反対側の面には、前記基板が配置される溝部が形成されている。
本発明によれば、ベース部材に形成された溝部内に基板が配置されるので、当該基板を安定して配置できる。
また、ベース部材において、ステムの底面が接触する平面部側とは反対側の面に、ヒートシンク等の放熱部材が接触する場合、溝部が形成されていない場合には、当該反対側の面と放熱部材との接触が基板によって妨げられる。
これに対し、基板が配置される溝部がベース部材におけるステム側とは反対側の面に形成されていることにより、当該反対側の面と放熱部材とを確実に接触させることができる他、これらの接触面積を拡大できる。従って、ベース部材に伝導された固体光源の熱を放熱部材に効率よく伝導できるので、当該固体光源をより一層効果的に冷却できる。
【0011】
本発明では、前記ベース部材における前記平面部側とは反対側の面に熱伝導可能に接続され、前記ベース部材から伝導された熱を放熱する放熱部材を備えることが好ましい。
本発明では、前記平面部は、前記ステムにおける前記発光素子が設けられ側とは反対側の面と接触していることが好ましい。
ここで、発光素子が設けられ面とは反対側の面は、固体光源において比較的面積が大きい。このため、当該反対側の面と平面部とが接触することにより、前述の特許文献1に記載の構成のように、ステムの外周面と平面部とが接触する場合に比べ、ベース部材への固体光源の熱伝導効率を向上できる。従って、各固体光源をより効果的に冷却できる。
また、ステム上に前述の発光素子と、当該発光素子を側面で支持するポストが偏心して設けられる場合には、当該ステムの底面においては、ポストに応じた位置の温度が最も高いこととなる。これに対し、ステムの底面が平面部と接触することにより、当該ポストを介して発光素子から伝導される熱を効果的にベース部材に伝導できる。従って、固体光源をより効果的に冷却できる。
更に、ステムの底面が平面部と接触することにより、ベース部材上に配置された各固体光源の向きを揃えやすくすることができる。これによれば、各固体光源から出射される光の向きを調整しやすくすることができる。従って、各固体光源からの光を光学部品(例えば、平行化レンズ)を介して出射する場合、当該光学部品の光軸方向の向きを微調整する手間を省くことができる。
【0012】
本発明では、前記ベース部材に取り付けられ、それぞれの前記固体光源を位置決めする位置決め部を有する位置決め部材を備えることが好ましい。
本発明によれば、位置決め部材の位置決め部により各固体光源がベース部材上に位置決めされるので、当該各固体光源の位置精度を向上できる。
また、位置決め部材が熱伝導性を有する場合には、ステムの底面から平面部を介して伝導される熱の経路の他に、ステムの周面から位置決め部を介して位置決め部に伝導される熱の経路を確保できる。従って、固体光源の冷却をより効果的に行うことができる。
【0013】
本発明では、前記複数の固体光源は、一方向に沿って配列され、前記端子は、前記ステムにおける前記発光素子が設けられ面とは反対側の面に設けられる第1端子及び第2端子を含み、前記第1端子と前記第2端子とを結ぶ方向は、前記一方向に沿う方向であり、前記基板の長手方向は、前記一方向に沿う方向であることが好ましい。
ここで、基板の長手方向と、2つの端子を結ぶ方向が直交している場合には、少なくとも当該2つの端子を結ぶ寸法より大きい幅寸法(基板を平面視した際の長手方向に直交する方向の寸法)を基板に確保しなければならない。
これに対し、本発明では、基板の長手方向と、2つの端子を結ぶ方向とが同一方向となるので、当該基板の幅寸法を小さくすることができる。そして、当該2つの端子を結ぶ方向は、各固体光源で略同一方向であるので、当該方向に沿って基板を形成することで、当該基板をより小さく形成できる。従って、基板の小型化を図ることができ、当該基板の製造コストを低減できる。この他、ベース部材において当該基板により覆われる面積を小さくすることができるので、当該ベース部材に伝導される固体光源の熱を効果的に冷却できる。
【0014】
また、本発明のプロジェクターは、前述の光源装置と、前記光源装置から出射された光束を変調する光変調装置と、変調された前記光束を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の光源装置と同様の効果を奏することができる。また、これにより、光源装置の長寿命化を図ることができるので、光源装置の交換等、プロジェクターのメンテナンスの手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
図2】前記第1実施形態における第1光源装置を示す模式図。
図3】前記第1実施形態における光源部を示す分解斜視図。
図4】前記第1実施形態における固体光源を示す斜視図。
図5】前記第1実施形態における光源部の一部を示す平面図。
図6】前記第1実施形態における光源部の一部を示す断面図。
図7】前記第1実施形態の変形である光源部の一部を示す平面図。
図8】本発明の第2実施形態に係るプロジェクターの押圧部材を示す平面図。
図9】本発明の第3実施形態に係るプロジェクターの押圧部材を示す平面図。
図10】前記第3実施形態の変形である押圧部材を示す平面図。
図11】本発明の第4実施形態に係るプロジェクターの押圧部材を示す平面図。
図12】前記第4実施形態の変形である押圧部材を示す平面図。
図13】本発明の第5実施形態に係るプロジェクターの光源部を示す斜視図。
図14】本発明の第6実施形態に係るプロジェクターの光源部を示す分解斜視図。
図15】前記第6実施形態における光源部の一部を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔プロジェクターの全体構成〕
本実施形態に係るプロジェクター1は、内部に設けられた光源装置から出射された光束を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射するものである。このようなプロジェクター1は、図1に示すように、金属製又は合成樹脂製の筐体2と、当該筐体2内に収納される光学装置3とを有する。この他、図示を省略したが、プロジェクター1は、当該プロジェクター1の動作を制御する制御装置、当該プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置、及び、光源装置等の冷却対象を冷却する冷却装置等を有する。
【0017】
〔光学装置の構成〕
光学装置3は、前述の制御装置から入力される画像信号に応じた画像を形成して、当該画像を投射する。この光学装置3は、第1光源装置4、第2光源装置5、均一照明装置31、色分離装置32、リレー装置33、光変調装置34、色合成装置35及び投射光学装置36を有する。
【0018】
第1光源装置4は、均一照明装置31を構成するダイクロイックミラー312に向けて緑色光及び赤色光を含む光を出射する。なお、第1光源装置4の構成については、後に詳述する。
第2光源装置5は、均一照明装置31を構成する全反射ミラー311に向けて青色光を出射する。この第2光源装置5には、詳しい図示を省略するが、青色光を出射する複数のLD(Laser Diode)又はLED(Light Emitting Diode)が配列されている。
【0019】
均一照明装置31は、第1光源装置4及び第2光源装置5から入射される光を合成し、当該合成された光により、後述する各光変調装置34を略均一に照明する。この均一照明装置31は、全反射ミラー311、ダイクロイックミラー312、一対のレンズアレイ313,314、偏光変換素子315及び重畳レンズ316を備える。
全反射ミラー311は、第2光源装置5から入射される青色光をダイクロイックミラー312に向けて反射させる。
ダイクロイックミラー312は、第1光源装置4から入射される緑色光及び赤色光を含む光を透過してレンズアレイ313に導くとともに、全反射ミラー311を介して第2光源装置5から入射される青色光をレンズアレイ313に向けて反射させる。
【0020】
レンズアレイ313は、図示を省略するが、ダイクロイックミラー312から入射される光束を、複数の部分光束に分割する小レンズを有する。
レンズアレイ314は、レンズアレイ313の小レンズに対応する小レンズを有し、重畳レンズ316とともに、レンズアレイ313から入射される各部分光束を光変調装置34に重畳させる。
偏光変換素子315は、レンズアレイ314と重畳レンズ316との間に配置され、当該レンズアレイ314からの光を1種類の直線偏光に変換する。
【0021】
色分離装置32は、均一照明装置31から入射される光から、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色光を分離する。この色分離装置32は、青色光を透過させ、緑色光及び赤色光を反射させるダイクロイックミラー321と、緑色光を緑色光用の光変調装置34(34G)に向けて反射させ、赤色光を透過させるダイクロイックミラー322と、入射される青色光を反射させて、青色光用の光変調装置34(34B)に導く反射ミラー323とを備える。
【0022】
リレー装置33は、ダイクロイックミラー322を透過した赤色光を、赤色光用の光変調装置34(34R)に導くものであり、入射側レンズ331、リレーレンズ333及び全反射ミラー332,334を備える。このリレー装置33は、拡散等による赤色光の利用効率の低下を防止するためのものであるが、赤色光に代えて他の色光(例えば、青色光)を通す構成としてもよい。
【0023】
光変調装置34(赤色光用、緑色光用及び青色光用の光変調装置をそれぞれ34R,34G,34Bとする)は、それぞれ、入射された光束を変調して、制御装置から入力される画像信号に応じた画像を形成する。これら光変調装置34は、詳しい図示を省略するが、当該画像信号に応じて駆動する液晶パネルと、当該液晶パネルを挟む一対の偏光板とを備える液晶ライトバルブとして構成されている。
色合成装置35は、クロスダイクロイックプリズムにより構成されている。この色合成装置35は、各光変調装置34から入射される色光毎の変調光(画像)を合成してフルカラーの画像光を形成する
投射光学装置36は、色合成装置35により合成された画像を被投射面上に拡大投射する。この投射光学装置36は、詳しい図示を省略するが、鏡筒と、当該鏡筒内に配置される複数のレンズとを有する組レンズとして構成されている。
【0024】
〔第1光源装置の構成〕
図2は、第1光源装置4の構成を示す模式図である。
第1光源装置4は、本発明の光源装置に相当し、前述のように、緑色光及び赤色光を含む光をダイクロイックミラー312に出射する。この第1光源装置4は、図2に示すように、光源部41、反射ミラー42、集光レンズ43、筐体44、平行化レンズ45、均一化装置46、ダイクロイックプリズム47、ピックアップレンズ48及び波長変換装置49を有する。
【0025】
光源部41は、複数の固体光源411と、各固体光源411に応じて設けられる複数の平行化レンズ418とを有し、当該各固体光源411から出射された光を、平行化レンズ418を介して反射ミラー42に入射させる。なお、本実施形態では、各固体光源411は、所定波長の色光(例えば、紫外領域の色光や青色光)を出射するLDにより構成されている。このような光源部41の構成については、後に詳述する。
【0026】
反射ミラー42は、それぞれ正面視長方形状に形成され、固体光源411の列に応じて設けられている。これら反射ミラー42は、固体光源411から平行化レンズ418を介して入射される平行光を、集光レンズ43に向けて互いに略平行に反射させる。なお、本実施形態では、固体光源411の列ごとに設けられるとしたが、これに限らず、それぞれの固体光源411に応じて反射ミラー42を設ける構成としてもよい。
集光レンズ43は、それぞれの反射ミラー42から入射される光を集光して光束とし、平行化レンズ45に向けて出射する。
筐体44は、金属又は合成樹脂により形成され、内部に各反射ミラー42及び集光レンズ43を保持するとともに、光源部41が取り付けられる。
【0027】
平行化レンズ45は、入射される光束を、当該光束の中心軸に沿う平行光に変換して、均一化装置46に出射する。
均一化装置46は、平行化レンズ45から入射される光束の面内照度(当該光束の中心軸に直交する面内における照度)を均一化する。この均一化装置46は、前述のレンズアレイ313,314と同様の構成を有する第1レンズアレイ461及び第2レンズアレイ462と、保持部材463とを有する。
【0028】
ダイクロイックプリズム47は、所定波長未満の光を反射し、当該所定波長以上の光を透過する分離層471を有する。この分離層471は、本実施形態では、均一化装置46から入射される紫外領域の光をピックアップレンズ48に向けて反射させ、当該光の光路を略90度屈曲させる。また、当該分離層471は、ピックアップレンズ48を介して入射される光(波長変換装置49で波長変換された光)を透過させる。この分離層471を透過した光は、前述のダイクロイックミラー312に入射される。
【0029】
ピックアップレンズ48は、ダイクロイックプリズム47を介して入射される各部分光束を波長変換装置49の蛍光層4911の所定部位に重畳させる。この他、ピックアップレンズ48は、当該波長変換装置49により波長変換された光を平行化し、ダイクロイックプリズム47を介して、ダイクロイックミラー312に入射させる。
【0030】
波長変換装置49は、入射された光の波長を変換して、当該変換された光を出射する。この波長変換装置49は、ホイール491及び回転手段492とを有する。
これらのうち、回転手段492は、ホイール491の中心軸を回転軸として回転させるホイールモーターにより構成されている。この回転手段492によってホイール491が回転されることにより、当該ホイール491が冷却される。
【0031】
ホイール491は、ピックアップレンズ48に対向する表面に銀蒸着等により形成された反射層4912と、当該反射層4912に積層された蛍光層4911とを有する。このような蛍光層4911には、ピックアップレンズ48から入射される光を吸収して励起されることにより、全方位に所定波長の光を出射する蛍光体が含まれる。なお、本実施形態では、当該蛍光体は、紫外領域の光を吸収して、緑色光及び赤色光を含む光を出射する。このような蛍光体によって波長変換された光は、ピックアップレンズ48に直接入射される他、反射層4912により反射されてピックアップレンズ48に入射され、当該ピックアップレンズ48及びダイクロイックプリズム47を透過して、ダイクロイックミラー312に入射される。
【0032】
〔光源部の構成〕
図3は、光源部41を示す分解斜視図である。なお、以降の説明及び図においては、ベース部材412を正面視した際に、互いに直交する方向をX方向及びY方向とし、更に、ベース部材412の正面部412Aに直交し、かつ、当該正面部412Aから離れる方向をZ方向とする。なお、本実施形態では、X方向は、正面部412Aの長手方向に沿う方向としている。
光源部41は、前述のように、各固体光源411から光を出射し、当該光を平行化レンズ418を介して各反射ミラー42に入射させる。このような光源部41は、当該各固体光源411及び各平行化レンズ418の他、図3に示すように、ベース部材412、スペーサー413、押圧部材414、固定部材415、基板416及び放熱部材417(図2参照)を有する。
【0033】
これらのうち、放熱部材417は、ベース部材412の背面部412Bと熱伝導可能に接続され、当該ベース部材412から伝導された熱を放熱するヒートシンクである。このような放熱部材417は、複数のフィンを有し、これらフィン間には、前述の冷却装置から送風された冷却空気が流通する。これにより、放熱部材417、ひいては、ベース部材412及び固体光源411が冷却される。
【0034】
〔固体光源の構成〕
図4は、固体光源411を示す斜視図である。
固体光源411は、図4に示すように、ステム4111と、当該ステム4111の上面4111Aに配置されるポスト及び発光素子(ともに図示省略)と、キャップ4114と、一対の端子4116とを有する。
ステム4111は、平面視略円形状の板状体である。このステム4111の側面には、互いに反対側となる位置に一対の第1凹部4112と、当該一対の第1凹部4112の中間の位置に第2凹部4113とが形成されている。これらのうち、第2凹部4113には、後述するスペーサー413の凸部4132が挿入される。
【0035】
ポストは、詳しい図示を省略するが、半円柱状に形成されており、当該ポストの側面に発光素子が設けられる。この発光素子は、上面4111Aに対向する位置から見た際に、当該上面4111Aの略中央に位置している。このため、ポストは、当該上面4111Aにおいて偏心して配置されている。このようなポストは、発光素子にて生じた熱を、ステム4111に伝導する機能を有する。
【0036】
キャップ4114は、ポスト及び発光素子を覆うように上面4111Aに設けられる。このキャップ4114には、発光素子から出射された光が透過する平面視略円形状の開口部4115が形成されている。
一対の端子4116は、ステム4111の底面4111Bからそれぞれ略同じ寸法で延出している。この一対の端子4116のうち、一方の端子4116が本発明の第1端子に相当し、他方の端子4116が本発明の第2端子に相当する。なお、以下の説明で、一対の端子4116を結ぶ方向とは、固体光源411をキャップ4114側から平面視した際に、当該一対の端子4116を結ぶ方向であり、A方向として記載及び図示する。
【0037】
〔ベース部材の構成〕
図3に戻り、ベース部材412は、熱伝導性を有する金属(例えば、アルミニウム)により全体略直方体形状に形成されている。このベース部材412における正面部412Aは、各固体光源411のステム4111が配置される面であり、平面状に形成されている。すなわち、正面部412Aとステム4111の底面4111Bとは面接触する。このような正面部412Aは、本発明の平面部及び配置面として機能する。
このベース部材412には、正面部412Aから背面部412Bに向かって当該ベース部材412を貫通する複数の孔部4121が形成されている。これら孔部4121は、平面視長円形状を有し、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に形成されており、これにより、固体光源411は、正面部412Aにおいて、当該複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に配列される。なお、本実施形態では、4行及び4列の計16個の孔部4121が形成されている。
これら孔部4121には、一対の端子4116が挿入される。このような孔部4121の長径方向はX方向であり、当該孔部4121内に端子4116が挿入された際には、一対の端子4116を結ぶ方向(A方向)はX方向と一致する。
【0038】
この他、正面部412Aには、ベース部材412にスペーサー413、押圧部材414及び固定部材415を固定するためのねじ(図示省略)が螺合するねじ孔や、ベース部材412を他の部材に固定するための孔が複数形成されている。
ベース部材412の背面部412Bには、X方向に沿う複数の溝部4122が、当該孔部4121の各行に応じてそれぞれ形成されている。換言すると、各溝部4122は、X方向に沿って隣り合う孔部4121の位置に応じて形成されている。これら溝部4122内には、基板416がそれぞれ配置される。
【0039】
〔基板の構成〕
基板416は、孔部4121に挿入された端子4116と、背面部412B側で電気的に接続される。これら基板416は、長手方向がX方向となる平面視長方形状に形成されており、換言すると、孔部4121に挿入された一対の端子4116を結ぶ方向であるA方向に沿う細長形状を有する。このような基板416には、当該各端子4116が挿入される孔部4161が形成されている。
【0040】
〔スペーサーの構成〕
スペーサー413は、平面視略矩形状の金属製部材であり、熱伝導性を有する。スペーサー413は、後述する押圧部材414及び固定部材415とともに、ねじ(図示省略)によりベース部材412に固定される。このスペーサー413は、本発明の位置決め部材に相当し、当該スペーサー413には、孔部4121に対応する位置に、スペーサー413を厚さ方向(Z方向)に貫通する略円形状の開口部4131が形成されている。すなわち、これら開口部4131は、X方向及びY方向に沿って複数行及び複数列をなすように、マトリクス状に形成されている。
なお、スペーサー413の厚さ寸法は、後述する固体光源411のステム4111の厚さ寸法より小さい値に設定されている。
【0041】
図5は、光源部41の一部を拡大して示す平面図である。
開口部4131内には、図5に示すように、固体光源411が配置される。これら開口部4131の端縁には、固体光源411に係合する係合部としての凸部4132が形成されている。詳述すると、当該凸部4132は、ステム4111の第2凹部4113に挿入され、これにより、開口部4131内に固体光源411が位置決めされる。すなわち、開口部4131及び凸部4132は、位置決め部として機能する。
【0042】
〔押圧部材の構成〕
図3に戻り、押圧部材414は、端子4116が孔部4121に挿入された固体光源411を正面部412Aに押圧し、これにより、当該固体光源411を正面部412Aに固定する。この押圧部材414は、当該正面部412Aに取り付けられる際には、スペーサー413を覆うように設けられる。このような押圧部材414は、平面視でスペーサー413と略同じ寸法を有するシート状の弾性部材により形成されており、例えば、比較的薄い金属板にプレス加工を施すことにより形成される。
【0043】
押圧部材414には、スペーサー413の開口部4131に対応する位置に、平面視略菱形状の開口部4141が、当該押圧部材414を厚さ方向(Z方向)に貫通するように複数形成されている。すなわち、開口部4141は、スペーサー413により位置決めされる固体光源411に応じて、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に形成されている。これら開口部4141は、固体光源411から出射された光を透過させるための開口部である。
【0044】
これら開口部4141の端縁において互いに反対側となる位置には、当該端縁から開口部4141の内側に向かって突出する押圧部としての一対の突起4142が形成されている。これら突起4142は、押圧部材414がベース部材412に取り付けられた際に、ステム4111の上面4111Aに当接して、固体光源411を正面部412Aに向けて押圧固定する板ばねとして機能する。
【0045】
なお、開口部4141端縁からの突起4142の突出方向は、当該各開口部4141において同じであるが、この方向は、固体光源411の行方向であるX方向及び列方向であるY方向に対してそれぞれ傾斜している。この傾斜角は、本実施形態では、X方向及びY方向に対して45度に設定されている。このような構成により、固体光源411間の隙間に各突起4142を位置させることができるので、固体光源411が密に配置されていても、当該固体光源411に突起4142を確実に当接させることができる。従って、正面部412Aへの押圧力を固体光源411に確実に作用させることができる。
【0046】
ここで、各突起4142は、押圧部材414が弾性部材により形成されていることから、ステム4111を押圧する際に弾性変形する。しかしながら、本実施形態では、突起4142は、弾性域ではなく塑性域を用いてステム4111を押圧している。これは、以下の理由による。
1つ目の理由は、弾性域を用いた場合、固体光源411を押圧固定するために押圧力(ばね力)を確保しようとすると、突起4142の突出寸法を大きくする必要があるためである。これに対し、ばね力が小さい弾性域ではなく、ばね力が大きい塑性域を利用することで、当該突出寸法を小さくでき、開口部4141、ひいては、固体光源411を密に配置できる。
【0047】
2つ目の理由は、塑性域では、突起4142が変形してしまうものの、当該突起4142の変位量に対してステム4111に加わるばね力の変化が小さいためである。すなわち、固体光源411の個体差により、ステム4111の厚さ方向の寸法(Z方向の寸法)にばらつきが生じると、上面4111Aに当接する突起4142の変位量にばらつきが生じる。しかしながら、当該突起4142の変位量にばらつきが生じても、ステム4111に加わるばね力の変化は小さいので、各固体光源411に対するばね力(押圧力)を略均一化できる。なお、突起4142が塑性変形しても、ベース部材412に対する押圧部材414の着脱は頻繁には行われないので、当該突起4142の変形が残ったとしても、大きな問題は生じない。
【0048】
なお、このような突起4142は、開口部4141の端縁から当該開口部4141の内側に向かうに従って幅寸法が小さくなる平面視略台形状に形成されている。換言すると、各突起4142は、開口部4141の端縁側の幅寸法が大きく、当該端縁から開口部4141の中心に向かうに従って幅寸法が小さくなるように形成されている。このため、突起4142が固体光源411を押圧する際に、突起4142において開口部4141端縁近傍の領域かかる大きな負荷を分散させることができる。従って、当該突起4142が破損することを抑制できる。
【0049】
〔固定部材の構成〕
固定部材415は、剛性を有する金属により、スペーサー413及び押圧部材414と平面視で略同じ寸法を有する矩形状に形成されている。この固定部材415は、正面部412Aとの間にスペーサー413及び押圧部材414を挟んだ状態で、当該正面部412Aにねじ固定されることにより、当該スペーサー413及び押圧部材414を、正面部412Aに固定する。
このような固定部材415は、開口部4131及び開口部4141に応じた位置に、平面視菱形状の開口部4151を複数有する。すなわち、これら開口部4151は、固体光源411の配置に応じて、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に形成されている。これら開口部4151を介して、ベース部材412上に配置された固体光源411からの光が、光源部41外に出射される。
【0050】
〔固体光源の固定〕
図6は、光源部41を示す断面図である。
ここで、ベース部材412への固体光源411の固定について説明する。
まず、正面部412A上にスペーサー413を配置し、孔部4121に一対の端子4116が挿入されるようにして、スペーサー413の各開口部4131内に固体光源411をそれぞれ配置する。この際、ステム4111の第2凹部4113内に、凸部4132が挿入されるように、各固体光源411を配置する。これにより、固体光源411が正面部412Aに位置決めされる。この状態では、各孔部4121の行方向であり、当該孔部4121の長径方向でもあるX方向と、一対の端子4116を結ぶ方向であるA方向とは、それぞれ一致する。
【0051】
次に、スペーサー413を覆うように、押圧部材414を配置する。この状態では、押圧部材414の各開口部4141端縁に形成された突起4142は、ステム4111の上面4111Aにおいて、第1凹部4112及び第2凹部4113が形成されていない領域に当接される。
そして、押圧部材414を更に覆うように、固定部材415を配置した後、スペーサー413、押圧部材414及び固定部材415を貫通するねじをベース部材412に固定する。これにより、図6に示すように、ベース部材412に、固体光源411、スペーサー413、押圧部材414及び固定部材415が固定される。この状態では、押圧部材414の突起4142により、各固体光源411は、平面状の正面部412Aに向かって押圧され、ステム4111の底面4111Bと正面部412Aとが面接触する。
この後、背面部412B側に露出した端子4116と、各基板416とを接続し、当該各基板416を溝部4122内に収納する。更に、当該背面部412Bに放熱部材417を取り付ける。このような手順により、光源部41が組み立てられる。
【0052】
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
ベース部材412は、各固体光源411におけるステム4111に面接触する平面状の正面部412Aを有する。これによれば、各固体光源411からベース部材412への熱の伝導経路を確保でき、複数の固体光源411で生じた熱を1つのベース部材412により放熱できる。従って、ベース部材412上に固体光源411を密に配置した場合でも、当該各固体光源411を効果的に冷却できる。
【0053】
ここで、ステム4111において、発光素子が設けられる面とは反対側の面である底面4111Bは、固体光源411において比較的面積が大きい。このため、当該底面4111Aと正面部412Aとが面接触することにより、ステム4111の外周面(側面)と正面部412Aとが接触する場合に比べ、ベース部材412への固体光源411の熱伝導効率を向上できる。従って、各固体光源411をより効果的に冷却できる。
また、ステム4111の上面4111Aにおいては、発光素子を側面で支持するポストが偏心して設けられており、当該ステム4111の底面4111Bにおいては、ポストに応じた位置が最も高温の位置となる。これに対し、当該底面4111Bが、平面状の正面部412Aと面接触することにより、ポストを介して発光素子から伝導される熱を効果的にベース部材412に伝導できる。従って、固体光源411をより効果的に冷却できる。
更に、底面4111Bが正面部412Aと面接触することにより、ベース部材412上に配置された各固体光源411の向きを揃えやすくすることができる。これによれば、各固体光源411から出射される光の向きを調整しやすくすることができる。従って、各固体光源411からの光の中心軸に対して、平行化レンズ418の光軸方向を微調整する手間を省くことができる。
【0054】
スペーサー413の開口部4131及び凸部4132により、各固体光源411がベース部材412上に位置決めされるので、当該各固体光源411の位置精度を向上できる。
また、スペーサー413は熱伝導性を有するので、ステム4111の底面4111Bから正面部412Aを介して伝導される熱の経路の他に、当該ステム4111の周面(側面)からスペーサー413に伝導される熱の経路を確保できる。従って、固体光源411で生じた熱をより効果的に伝導でき、当該固体光源411をより効果的に冷却できる。
【0055】
固体光源411の端子4116と電気的に接触する基板416は、ベース部材412においてステム4111が位置する正面部412A側とは反対側の背面部412Bに設けられる。これによれば、ステム4111の底面4111Aと正面部412Aとの接触が基板416の配置によって妨げられることがない。このため、当該基板416がステム4111が位置する正面部412A側に位置する場合に比べ、底面4111Aと正面部412Aとの接触面積を大きくすることができる。従って、ステム4111からベース部材412への熱伝導を効率よく行うことができ、固体光源411を一層効果的に冷却できる。
【0056】
ここで、ベース部材412に基板416を取り付けた際に、基板416の長手方向であるX方向と、2つの端子4116を結ぶ方向であるA方向とが直交する場合には、少なくとも当該2つの端子4116を結ぶ寸法より大きい幅寸法を基板416に確保しなければならない。
これに対し、ベース部材412の孔部4121に当該2つの端子4116を挿入した場合、X方向とA方向とは同一方向となるので、基板416の幅寸法を小さくできる。そして、当該2つの端子4116を結ぶA方向は、X方向に沿って配列された各固体光源411で同一方向となるので、当該基板416をより小さく形成できる。従って、基板416の小型化を図ることができ、当該基板416の製造コストを低減できる。この他、ベース部材412において基板416により覆われる面積を小さくできるので、当該ベース部材412に伝導された熱の放熱面積を大きくでき、固体光源411を効果的に冷却できる。
【0057】
基板416は、背面部412Bに形成された溝部4122内に配置される。これによれば、当該基板416を安定して配置できる。
この他、背面部412Bには放熱部材417が接触するが、基板416が溝部4122内に配置されることから、当該背面部412Bと放熱部材417との接触が基板によって妨げられることがない。これによれば、背面部412Bと放熱部材417とを確実に接触させることができる他、これらの接触面積を拡大できる。従って、ベース部材412に伝導された固体光源411の熱を放熱部材417に効率よく伝導でき、ひいては、固体光源411をより一層効果的に冷却できる。
【0058】
[第1実施形態の変形]
図7は、本実施形態に係る押圧部材414の変形を示す図である。
本実施形態では、押圧部材414の各突起4142は、開口部4141の中央に向かうに従って幅寸法が小さくなる平面視略台形状に形成されているとした。しかしながら、当該押圧部材414に代えて、各突起6112が平面視矩形状に形成された押圧部材611を採用してもよい。
この押圧部材611は、図7に示すように、平面視台形状の突起4142に代えて平面視矩形状の突起6112を有する他は、前述の押圧部材414と同様の構成及び機能を有する。すなわち、押圧部材611は、開口部4141と同様の開口部6111と、当該開口部6111の端縁に形成された平面視矩形状の一対の突起6112とを有する。
【0059】
これら突起6112は、スペーサー413及び押圧部材611が固定部材415及びねじにより正面部412Aに取り付けられた際に、開口部4131内に位置するステム4111の上面4111Aに当接して、固体光源411を正面部412Aに押圧固定する。
このような押圧部材611を採用した場合でも、前述のプロジェクター1が奏する効果と同様の効果を奏することができる。更に、このような平面視矩形状の突起6112は加工が比較的容易であることから、平面視台形状の突起4142を有する押圧部材414に比べて、押圧部材611の製造を容易に行うことができ、押圧部材611、ひいては、第1光源装置4の製造コストを低減できる。
【0060】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態のプロジェクターは、前述のプロジェクター1と同様の構成及び機能を備えるが、各固体光源411がそれぞれ1つの押圧部材によりベース部材412に押圧固定される点で、当該プロジェクター1と相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
図8は、本実施形態に係るプロジェクターの押圧部材612を示す平面図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、押圧部材414及び固定部材415に代えて複数の押圧部材612を有する他は、プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
これら押圧部材612は、図8に示すように、平面視略U字状を有し、円弧状の両端にスペーサー413に取り付けられるねじ等の取付部材が挿通する孔部6121がそれぞれ形成されている。また、押圧部材612には、各孔部6121の内側に、当該押圧部材612により押圧される固体光源411から出射される光の光路を確保する開口部6122が形成され、更に、当該開口部6122の端縁における互いに向き合う位置に押圧部としての一対の突起6123が形成されている。
【0062】
各突起6123は、開口部6122の端縁から当該開口部6122の中心に向かって互いに向き合う方向に突出するように形成されている。これら突起6123は、押圧部材612がスペーサー413に取り付けられた際に、開口部4131内に配置された固体光源411の上面4111Aに当接し、当該固体光源411を正面部412Aに押圧固定する。
このような突起6123は、本実施形態では、開口部6122の端縁から突出するに従って幅寸法が小さくなる平面視略台形状に形成されている。このため、前述の突起4142と同様に、突出方向基端側の領域(開口部6122端縁近傍の領域)に加わる負荷が分散されるように構成されている。なお、突起6123は、前述の突起6112のように、平面視矩形状に形成されていてもよい。
【0063】
この押圧部材612がスペーサー413に取り付けられた際には、前述の一対の突起4142と同様に、開口部6122の端縁から突起6123の突出方向は、前述の行方向であるX方向、及び、列方向であるY方向とそれぞれ交差する。このため、当該固体光源411を正面部412Aに密に配置した場合でも、固体光源411間の隙間に押圧部材612を配置して、各突起6123により、固体光源411を正面部412Aに押圧固定できる。
【0064】
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、前述のプロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
すなわち、各固体光源411が、複数の押圧部材612によりそれぞれ個別に押圧固定されるので、これら固体光源411のいずれかに不具合が生じた場合に、当該不具合が生じた固体光源411を個別にベース部材412及びスペーサー413から取り外して交換できる。従って、固体光源411の交換作業を容易に行うことができる。
【0065】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、前述のプロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。ここで、当該プロジェクター1では、押圧部材414において開口部4141端縁からの突起4142の延出方向は、X方向及びY方向である行方向及び列方向に対して交差するとしたが、本実施形態に係るプロジェクターでは、当該延出方向は、行方向に対して平行である。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと、プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
図9は、本実施形態に係るプロジェクターの押圧部材613を示す平面図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、押圧部材414に代えて押圧部材613を有する他は、プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
押圧部材613は、図9に示すように、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に配列された平面視略菱形状の開口部6131を複数有する。また、これら開口部6131の端縁において、互いに反対側となる位置には、当該端縁から互いに近接する方向に延出する押さえ部としての突起6132が形成されている。
【0067】
これら突起6132は、前述の突起4142と同様に、ベース部材412の正面部412Aとの間にスペーサー413を挟んだ状態で、固定部材415及びねじ(図示省略)により当該正面部412Aに固定された際に、スペーサー413の開口部4131内に位置する固体光源411の上面4111Aに当接して押圧力(ばね力)を作用させ、当該固体光源411を正面部412Aに押圧固定する。これら突起6132は、開口部6131の中央に向かうに従って幅寸法が小さくなる平面視略台形状に形成されているが、前述の突起6112のように、平面視矩形状に形成されていてもよい。
なお、本実施形態においては、ベース部材412における孔部4121、並びに、スペーサー413及び固定部材415における開口部4131,4151は、押圧部材613の開口部6131の形成位置に応じて形成されている。
【0068】
このような突起6132の開口部6131端縁からの突出方向は、本実施形態では、固体光源411の配列方向のうち、行方向であるX方向である。このため、押圧部材613を採用した場合の固体光源411間のX方向におけるピッチは、図5に示したように、押圧部材414を採用した場合の当該ピッチより大きくなるものの、Y方向におけるピッチは、押圧部材414を採用した場合の当該Y方向のピッチより小さくなる。このため、押圧部材613を採用した場合には、押圧部材414を採用した場合に比べ、固体光源411をY方向に密に配置できる。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、前述のプロジェクター1と同様の効果を奏することができる。
【0069】
[第3実施形態の変形]
前述の押圧部材613には、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に開口部6131が形成されていたが、互いに隣接する開口部の2つの行において、一方の行を構成する開口部の中心位置と、他方の行を構成する開口部の中心位置とがずれていてもよい。すなわち、ある開口部に対してY方向に隣り合う開口部の中心位置が、当該ある開口部の中心を通り、かつ、Y方向に沿う直線上になくてもよい。
【0070】
図10は、本実施形態に係る押圧部材613の変形である押圧部材614を示す平面図である。
例えば、押圧部材613の変形である押圧部材614は、図10に示すように、前述の開口部6131が、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすように形成され、当該開口部6131の端縁には、一対の突起6132が形成されている。
これら開口部6131により構成される複数行のうち、隣り合う2行の一方の行と、他方の行とは、各開口部6131の中心位置がX方向に対してずれている。
詳述すると、当該各行におけるX方向に沿う開口部6131間のピッチは同じであるが、当該一方の行における隣り合う開口部6131の中間位置を通り、かつ、Y方向に沿う直線上の位置に、他方の行を構成する開口部6131がそれぞれ位置している。
このように開口部6131を配置することにより、Y方向に沿う開口部6131間のピッチを、前述の押圧部材613より短縮できる。従って、正面部412A上に固体光源411をより密に配置できる。
【0071】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、前述のプロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。ここで、当該プロジェクター1が備える押圧部材414は、一対の突起4142を有する構成であったのに対し、本実施形態に係るプロジェクターが備える押圧部材は、開口部端縁に等間隔に配置された3つの突起を有する。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと、プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
図11は、本実施形態に係るプロジェクターの押圧部材615を示す平面図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、押圧部材414に代えて押圧部材615を有する他は、前述のプロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
この押圧部材615は、図11に示すように、平面視略三角形状の開口部6151が、ベース部材412の孔部4121及びスペーサー413の開口部4131に応じた位置に複数形成されている。すなわち、開口部6151は、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすマトリクス状に配置されている。
【0073】
これら開口部6151は、X方向及びY方向に沿って、三角形の向きが互いに逆方向となるように形成されている。これにより、正面部412A上に固体光源411を密に配置できる。
なお、本実施形態で用いられるベース部材412の孔部4121、スペーサー413の開口部4131及び固定部材415の開口部4151は、当該開口部6151に応じた位置に形成されている。また、開口部4151は、対応する開口部6151と略同じ形状で形成されている。このため、開口部4151は、平面視略三角形状に形成されている。
【0074】
これら開口部6151の端縁における三角形の頂点部分には、当該開口部6151の中心に向かって突出した突起6152がそれぞれ形成されている。すなわち、各突起6152は、開口部6151の端縁において等間隔に配置されている。そして、ベース部材412の正面部412Aとの間にスペーサー413を挟んだ状態で、固定部材415及びねじにより当該正面部412Aに押圧部材615が固定された際に、各突起6152は、スペーサー413の開口部4131内に位置決めされた固体光源411の上面4111Aに当接して、当該固体光源411を正面部412Aに押圧固定する。
【0075】
なお、本実施形態では、各突起6152は、開口部6151端縁から突出するに従って幅寸法が小さくなる平面視略台形状に形成されている。これにより、各突起6152における開口部6151端縁側の領域の負荷を分散させることができ、当該各突起6152の破損が抑制される。しかしながら、これに限らず、前述の突起6112のように、平面視略矩形状に形成されていてもよい。
【0076】
このような押圧部材615を有するプロジェクターによれば、前述のプロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
すなわち、正面部412Aに固体光源411を押圧する押圧力(ばね力)を、各突起6152で分散させて上面4111Aに作用させることができる。このため、各突起6152のそれぞれで作用させる押圧力が、一対の突起による場合に比べて小さくなるので、開口部6151端縁からの各突起6152の突出量を小さくできる。従って、固体光源411をより密に配置できる他、光源部41をより小型化できる。
また、各突起6152に加わる荷重を減少させることができるので、2つの突起が形成されている場合に比べ、当該各突起6152の破損を抑制できる。
更に、開口部6151端縁に等間隔に配置された突起6152により、固体光源411を押圧するので、2つの突起により押圧固定する場合に比べ、固体光源411をより安定して固定することができる。
【0077】
[第4実施形態の変形]
図12は、本実施形態に係る押圧部材615の変形である押圧部材616を示す平面図である。
固体光源411を正面部412Aに押圧固定する押圧部材の突起の数は、前述の押圧部材414のように2つでも、前述の押圧部材615のように3つでもよく、更には4つ以上でもよい。
例えば、図12に示す押圧部材616は、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に配置された平面視略矩形状の開口部6161を有する。これら開口部6161の端縁における頂点部分には、当該開口部6161の中心に向かって突出する押さえ部としての突起6162が計4つ形成されている。これら突起6162は、前述の突起6152と同様に、ベース部材412の正面部412Aとの間にスペーサー413を挟んだ状態で、固定部材415及びねじにより当該正面部412Aに押圧部材615が固定された際に、上面4111Aに当接して固体光源411を正面部412Aに押圧固定する。
【0078】
このような押圧部材616を採用した場合でも、押圧部材615を採用した場合と同様の効果を奏することができる。
なお、各突起6162は、突起6152と同様に、開口部6161端縁から突出するに従って幅寸法が小さくなる平面視略台形状に形成されていたが、これに限らず、平面視矩形状に形成されていてもよい。
【0079】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、前述のプロジェクター1と同様の構成及び機能を有するが、当該プロジェクター1の光源部41では、ベース部材412上にスペーサー413、押圧部材414及び固定部材415を積層した状態で、これら部材413〜415を貫通するねじにより、当該部材413〜415を正面部412Aに固定する構成であった。これに対し、本実施形態に係るプロジェクターの光源部では、押圧部材が正面部412Aに直接固定される。この点で、本実施形態に係るプロジェクターとプロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図13は、本実施形態に係るプロジェクターの光源部41Aを示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、光源部41に代えて光源部41Aを有する他は、プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
この光源部41Aは、光源部41と同様に、各反射ミラー42に向けて光を出射するものである。この光源部41Aは、図13に示すように、複数の固体光源411、ベース部材412及び押圧部材617と、図示を省略するが、基板416、放熱部材417及び平行化レンズ418を有する。
【0081】
押圧部材617は、押圧部材414と同様に、当該押圧部材617がベース部材412の正面部412Aに取り付けられた際に、当該正面部412A上に配置された各固体光源411を正面部412Aに押圧固定する。このような押圧部材617は、X方向及びY方向に沿う複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に配置された複数の開口部4141と、各開口部4141端縁から当該開口部4141の内側に向けて突出する押さえ部としての一対の突起4142とを有する。なお、各開口部4141は、前述のように、孔部4121に応じた位置に形成されている。
【0082】
この他、押圧部材617は、X方向の両端からZ方向とは反対方向に屈曲する一対の屈曲部6171と、当該各屈曲部6171の先端からX方向に沿い、かつ、互いに離間する方向に延出する一対の固定部6172とを有する。
これらのうち、各固定部6172には、図示を省略したが、押圧部材617を正面部412Aに固定するためのねじが挿通する孔部が形成されている。
【0083】
各屈曲部6171のZ方向の寸法は、前述のスペーサー413のZ方向の寸法と略同じである。換言すると、各屈曲部6171のZ方向の寸法は、固体光源411のステム4111の厚さ寸法より僅かに小さい。このため、各固定部6172により、押圧部材617が正面部412Aにねじ固定されると、突起4142が固体光源411の上面4111Aに当接した状態で弾性変形して、正面部412Aに向かって押し付ける押圧力(ばね力)を当該固体光源411に作用させる。これにより、各固体光源411が正面部412Aに押圧固定される。
このような押圧部材617を有するプロジェクターによれば、前述のプロジェクター1と同様の効果を奏することができる。この他、光源部41Aの部品点数は、光源部41に比べて少ないので、光源部41Aの製造コストを削減でき、ひいては、プロジェクターの製造コストを低減できる。
【0084】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、前述のプロジェクター1と同様の構成及び機能を有するが、当該プロジェクター1の光源部41では、ベース部材412上にスペーサー413が配置され、当該スペーサー413の開口部4131内に固体光源411が配置される構成であった。これに対し、本実施形態に係るプロジェクターの光源部には、ベース部材412及びスペーサー413に代えて、これらが一体的に構成されたベース部材が採用される。この点で、本実施形態に係るプロジェクターとプロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0085】
図14は、本実施形態に係るプロジェクターの光源部41Bを示す分解斜視図である。なお、図14では、図の見易さを考慮して一部の構成について符号を付すが、符号が付された構成と略同じ形状に図示された構成は、当該符号が付された構成と同じである。
本実施形態に係るプロジェクターは、光源部41に代えて光源部41Bを有する他は、プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
光源部41Bは、光源部41と同様に、各反射ミラー42に向けて光を出射するものでり、図14に示すように、ベース部材412及びスペーサー413に代えてベース部材419を有する他は、光源部41と同様の構成を有する。
【0086】
ベース部材419は、熱伝導性を有する金属により全体略直方体形状に形成され、ベース部材412及びスペーサー413のそれぞれの厚さ寸法(Z方向の寸法)を加算した程度の厚さ寸法を有する。このベース部材419の背面部419Bには、溝部4122が形成されている。また、当該ベース部材419には、押圧部材414、固定部材415及び基板416を固定するねじや、放熱部材417等を固定するねじが取り付けられる穴等を有する。
【0087】
この他、ベース部材419には、固体光源411が挿入される孔部6191が、複数行及び複数列をなすようにマトリクス状に形成されている。なお、本実施形態では、4行及び4列の計16個の孔部4191が形成されている。
これら孔部4191は、正面部419Aから背面部419Bに向かうに従って2段階に縮径する座ぐり穴様に形成されている。詳述すると、孔部4191は、正面部419A側に位置し、開口部4131と径寸法及び深さ寸法が略同じである平面視略円形状の第1孔部4192と、背面部419B側に位置し、孔部4121と径寸法及び深さ寸法が略同じである平面視長孔状の第2孔部4193とが組み合わされて形成されている。
これらのうち、第1孔部4192の端縁における一部の領域には、凸部4132が形成されている。また、第2孔部4193は、第1孔部4192における平面状の底部4192Aの中央に形成されており、当該第2孔部4193の長径方向はX方向と一致する。
【0088】
図15は、光源部41Bの一部を示す断面図である。
光源部41Bを組み立てる際には、図15に示すように、まず、ベース部材419の孔部4191に固体光源411を挿入する。この際、固体光源411の端子4116を第2孔部4193に挿入するとともに、ステム4111の底面4111Bを平面状の底部6192Aに当接させ、更に、凸部4132を第2凹部4113(図4参照)に挿入するようにして、孔部4191に固体光源411を挿入する。
次に、押圧部材414を正面部419A上に配置する。この際、当該押圧部材414の開口部4141内に固体光源411のキャップ4114が位置し、当該開口部4141の端縁に形成された突起4142が、ステム4111の上面4111Aに当接するように、押圧部材414を配置する。
【0089】
そして、上面部419Aとの間に押圧部材414が位置するように、固定部材415をねじ等により上面部419Aに固定する。この際、固定部材415の開口部4151内にキャップ4114が位置するように配置する。これにより、開口部4151間の領域が押圧部材414を押圧することで、上面4111Aに当接された突起4142が撓み、上面部419Aに向かって押圧する押圧力が当該上面4111Aに作用され、固体光源411がベース部材419に押圧固定される。
【0090】
このようなベース部材419を有するプロジェクターによれば、前述のプロジェクター1と同様の効果を奏することができる。この他、光源部41Bの部品点数は、光源部41に比べて少ないので、光源部41Aの製造コストを削減でき、ひいては、プロジェクターの製造コストを低減できる。
なお、本実施形態では、ベース部材419に固体光源411を押圧固定する押圧部材として、押圧部材414を採用したが、これに限らず、前述の押圧部材611〜616のいずれかを採用してもよい。
【0091】
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、前述の各実施形態で挙げた構成を相互に組み合わせることで得られる構成も、本発明に含まれるものである。
前記第1実施形態では、ベース部材412上に配置される固体光源411は、1つの押圧部材414で押圧固定されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、複数の固体光源411を押圧する押圧部材414を複数設ける構成としてもよい。また、複数の押圧部材414を重ねて用いてもよい。
【0092】
前記各実施形態では、固体光源411は、X方向に沿う4行及びY方向に沿う4列をなすようにマトリクス状に配置されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、固体光源411の数及び配置は、適宜変更可能である。この場合、固体光源411の配置に応じて、ベース部材の孔部、並びに、スペーサー、押圧部材及び固定部材の各開口部の形成位置及び数を変更すればよい。
【0093】
前記第1〜第5実施形態では、固体光源411のステム4111が位置する正面部412Aは、平面状に形成されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、正面部412Aにおいて、ステム4111の底面4111Bが当接される領域が平面状であればよく、他の領域に凹凸が形成されていてもよい。ベース部材419の孔部4191における底部4192Aにおいても同様である。
【0094】
前記第1〜第4実施形態では、スペーサー413には、平面視略円形状の開口部4131と、当該開口部4131の端縁に形成され、ステム4111の第2凹部4113に挿入される凸部4132とが形成され、これらが位置決め部として機能するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、他の構成を有する位置決め部により固体光源411を位置決めしてもよく、凸部と凹部とが逆に設けられていてもよい。また、前述の第5実施形態で示した光源部41Aのように、スペーサー413は無くてもよい。
【0095】
前記各実施形態では、固体光源411のステム4111から延出する2つの端子4116を結ぶ方向であるA方向は、当該固体光源411がベース部材412上に配置された際には、当該ベース部材412の長手方向に沿うX方向と一致するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該A方向がY方向と一致するように、各固体光源411を配置してもよい。なお、この場合、背面部412Bに溝部4122をY方向に沿って形成し、当該溝部4122内に基板416を配置する構成とすれば、前述の各実施形態の場合と同様に、基板416の小型化等の効果を奏することができる。
【0096】
前記第1〜第3、第5及び第6実施形態では、開口部端縁に形成された押圧部としての突起の数は2であり、前記第4実施形態では、当該突起の数は3及び4であったが、本発明はこれに限らない。例えば、1つの固体光源を押圧する押圧部の数は、1つでもよく5以上でもよい。すなわち、当該押圧部の数は適宜設定できる。また、押圧部材に形成される開口部の形状も適宜変更可能である。
【0097】
前記各実施形態では、固体光源411におけるステム4111の底面4111B(ステム411における発光素子が設けられる側とは反対側の面)がベース部材412,419と熱伝導可能に接触するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、端子4116の突出方向等を考慮して、各固体光源411のステム4111における所定の部位と、ベース部材とが熱伝導可能に接触できればよい。
【0098】
前記各実施形態では、プロジェクターは、3つの光変調装置34(34R,34G,34B)を備えるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
前記各実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネルを有する光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを有する光変調装置を用いてもよい。
【0099】
前記各実施形態では、プロジェクターは、液晶パネルを有する光変調装置34を備える構成であったが、入射される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であれば、他の構成の光変調装置を採用してもよい。例えば、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いたプロジェクターにも、本発明を適用することも可能である。また、光学装置に採用される光学部品の種類及びレイアウト等も、前記実施形態にて示した種類及びレイアウトに限らず、適宜変更可能である。
【0100】
前記各実施形態では、第1光源装置4を、プロジェクターに採用したが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該第1光源装置4の構成を有する光源装置を、スタンド等の照明装置に採用することも可能である。
また、前記各実施形態では、第1光源装置4は、光源部41,41A,41Bの他に、反射ミラー42、集光レンズ43、筐体44、平行化レンズ45、均一化装置46、ダイクロイックプリズム47、ピックアップレンズ48及び波長変換装置49を有する構成であったが、本発明はこれに限らない。すなわち、光源部41,41A,41Bに対応する構成を備えた光源装置であればよい。更に、光源部に採用されるLDは、紫外領域の光を出射するLDに限らず、他の光(例えば、青色光)を出射するLDでもよく、LDに代えてLED等の他の固体光源でもよい。また、固体光源の端子数は3以上でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、光源装置に利用でき、プロジェクターの光源装置として好適に利用できる。
【符号の説明】
【0102】
1…プロジェクター、4…第1光源装置(光源装置)、34(34R,34G,34B)…光変調装置、36…投射光学装置、411…固体光源、412,419…ベース部材、413…スペーサー(位置決め部材)、416…基板、4111…ステム、4116…端子、4121…孔部、4122…溝部、412A,419A…正面部(平面部)、4111B…底面(反対側の面)、4131…開口部(位置決め部)、4132…凸部(位置決め部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15