特許第5817457号(P5817457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5817457
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20151029BHJP
【FI】
   H01R13/64
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-252666(P2011-252666)
(22)【出願日】2011年11月18日
(65)【公開番号】特開2013-109897(P2013-109897A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2014年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 寛樹
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−170936(JP,A)
【文献】 特開平07−142122(JP,A)
【文献】 特開平10−041018(JP,A)
【文献】 特開平08−153553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の検知端子を備えた第1ハウジングと、
前記第1ハウジングと嵌合可能な第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに形成され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合過程では弾性撓みし、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが正規嵌合すると弾性復帰する弾性撓み部と、
前記第2ハウジングに設けられ、一対の中継端子と短絡端子とを備えた検知ユニットと、
前記一対の中継端子に個別に形成され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合過程で前記一対の検知端子と擦れ合い且つ前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが正規嵌合したときに前記一対の検知端子に導通可能に接続される一対の接続部と、
前記一対の中継端子に個別に形成された一対の固定側接点部と、
前記短絡端子に形成され、前記弾性撓み部の弾性撓みと弾性復帰に連動して弾性変位する一対の弾性アーム部と、
前記一対の弾性アーム部に形成された一対の可動側接点と、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが離脱した状態において、前記固定側接点部と前記可動側接点部における異物の噛み込みを規制する噛み込み規制手段とを備え、
前記弾性撓み部の弾性撓みに伴って前記一対の可動側接点部と前記一対の固定側接点部が離間してオフ状態になると、前記一対の接続部の短絡が解除されるとともに前記一対の検知端子の短絡が解除され、
前記弾性撓み部の弾性復帰に連動して前記一対の可動側接点部と前記一対の固定側接点部が接触してオン状態になると、前記一対の検知端子が、前記一対の中継端子と前記短絡端子を介して短絡されるようになっていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが離脱した状態では、前記一対の可動側接点部と前記一対の固定側接点部をオン状態に維持することで、前記噛み込み規制手段が構成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検知回路を構成する一対の検知端子が短絡しているか否かに基づいて嵌合状態を検知するコネクタが開示されている。このコネクタは、一対の検知端子を備えた第1ハウジングと、第1ハウジングと嵌合可能な第2ハウジングと、第2ハウジングに形成され、両ハウジングの嵌合過程では弾性撓みし、両ハウジングが正規嵌合すると弾性復帰するロックアームと、第2ハウジングに設けられた短絡端子とを備える。短絡端子は、ロックアームの弾性撓み及び弾性復帰に連動して、両ハウジングの嵌合方向と交差する方向へ弾性撓みする弾性アーム部を有する。弾性アーム部は、一対の検知端子から離間して両検知端子の短絡を解除する状態と、一対の検知端子に当接して両検知端子を短絡させる状態との間で変位する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2974121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のコネクタでは、両ハウジングの嵌合時に、検知端子が第2ハウジングの内部へ進入して弾性アーム部と接触するようになっており、両ハウジングが嵌合する前は、検知端子が細長く突出した形態となっている。そのため、両ハウジングを嵌合する前に、検知端子に異物が付着していると、その異物が検知端子と弾性アーム部との間に挟み込まれる虞がある。この場合、両ハウジングが正規の嵌合状態になったとしても、一対の検知端子が短絡しないため、半嵌合状態であると誤った検知がなされることになる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、嵌合検知機能の信頼性向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、一対の検知端子を備えた第1ハウジングと、前記第1ハウジングと嵌合可能な第2ハウジングと、前記第2ハウジングに形成され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合過程では弾性撓みし、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが正規嵌合すると弾性復帰する弾性撓み部と、前記第2ハウジングに設けられ、一対の中継端子と短絡端子とを備えた検知ユニットと、前記一対の中継端子に個別に形成され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合過程で前記一対の検知端子と擦れ合い且つ前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが正規嵌合したときに前記一対の検知端子に導通可能に接続される一対の接続部と、前記一対の中継端子に個別に形成された一対の固定側接点部と、前記短絡端子に形成され、前記弾性撓み部の弾性撓みと弾性復帰に連動して弾性変位する一対の弾性アーム部と、前記一対の弾性アーム部に形成された一対の可動側接点と、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが離脱した状態において、前記固定側接点部と前記可動側接点部における異物の噛み込みを規制する噛み込み規制手段とを備え、前記弾性撓み部の弾性撓みに伴って前記一対の可動側接点部と前記一対の固定側接点部が離間してオフ状態になると、前記一対の接続部の短絡が解除されるとともに前記一対の検知端子の短絡が解除され、前記弾性撓み部の弾性復帰に連動して前記一対の可動側接点部と前記一対の固定側接点部が接触してオン状態になると、前記一対の検知端子が、前記一対の中継端子と前記短絡端子を介して短絡されるようになっているところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが離脱した状態では、前記一対の可動側接点部と前記一対の固定側接点部をオン状態に維持することで、前記噛み込み規制手段が構成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明
第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合過程では、対応する検知端子と接続部が導通するが、弾性撓み部が弾性撓みすることにより、一対の接続部同士の間は短絡が解除されるので、一対の検知端子は短絡しない。そして、両ハウジングが正規の嵌合状態に至ると、弾性撓み部が弾性復帰することによって一対の接続部が短絡状態となるので、一対の検知端子も短絡する。一対の検知端子が短絡されているか否かに基づいて、両ハウジングが正規嵌合されたか否かが検知される。
【0009】
第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合過程では、一対の検知端子と一対の接続部が擦れ合うので、両ハウジングの嵌合前に検知端子や接続部に異物が付着していたとしても、その異物は検知端子と接続部との擦れ合いによって除去される。また、可動側接点部と固定側接点部との間においては、両ハウジングが離脱した状態では噛み込み規制手段によって異物の噛み込みを規制されている。したがって、本発明によれば、一方の検知端子から可動側接点部と固定側接点部を介して他方の検知端子に至る回路においては、異物の噛み込みが発生しないので、嵌合検知機能の信頼性に優れている。
【0010】
<請求項2の発明>
第1ハウジングと第2ハウジングが離脱した状態では、一対の可動側接点部と一対の固定側接点部が接触してオン状態に維持され、可動側接点部と固定側接点部との間には隙間が空かない。また、一対の可動側接点部と一対の固定側接点部が離間してオフ状態になるのは、両ハウジングの嵌合過程における一瞬だけである。したがって、本発明によれば、可動側接点部と固定側接点部との間における異物の噛み込みを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1においてレバーが嵌合位置へ回動した状態をあらわす第2ハウジングの正面図
図2図1のA−A線断面図
図3】一対の中継端子と短絡端子の配置をあらわす水平断面図
図4】両ハウジングの嵌合開始時をあらわす部分拡大断面図
図5】両ハウジングの嵌合過程において、検知端子と中継端子が非接触であり、且つ中継端子と短絡端子が非接触の状態をあらわす部分拡大断面図
図6】両ハウジングの嵌合過程において、検知端子と中継端子が接続され、且つ中継端子と短絡端子が非接触の状態をあらわす部分拡大断面図
図7】両ハウジングが正規嵌合した状態をあらわす部分拡大断面図
図8】中継端子の平面図
図9】中継端子の正面図
図10】中継端子の背面図
図11】短絡端子の平面図
図12】短絡端子の正面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1図12を参照して説明する。本実施形態1のコネクタは、検知回路(図示省略)を構成する一対の検知端子13が短絡しているか否かに基づいて嵌合状態を検知する嵌合検知機能を備えている。また、コネクタは、第1ハウジング10と、第2ハウジング20と、レバー30と、一対の検知端子13と、検知ユニット40と、噛み込み規制手段51とを備えて構成されている。尚、以下の説明において、第1ハウジング10と第2ハウジング20の嵌合・離脱方向と略平行な方向を、前後方向という。
【0013】
第1ハウジング10は、絶縁性材料からなり、図4〜7に示すように、端子保持部11と、端子保持部11の外周縁から前方へ筒状に延出するフード部12とを有する。端子保持部11には、前後方向に細長く延びた形態の左右対称なタブ状をなす一対の検知端子13が、互いに絶縁した状態で取り付けられている。この一対の検知端子13は、左右方向(両ハウジング10,20の嵌合方向と交差する方向)に並ぶように配置されている。また、検知端子13の長さ方向は、両ハウジング10,20の嵌合方向と略平行な方向である。
【0014】
両検知端子13の前端部は、端子保持部11の前面から前方へ突出し、フード部12によって包囲された状態となっている。両ハウジング10,20が嵌合する前の状態(両ハウジング10,20が離脱した状態)では、一対の検知端子13の前端部が端子保持部11の前面から露出するため、この検知端子13には異物が付着し得る。フード部12には、両ハウジング10,20が正規嵌合したときにロック突起34と係止する突起状の係止部14が形成されている。
【0015】
検知回路は、一対の検知端子13が短絡(導通)しているか否かに基づいて両ハウジング10,20が正規嵌合しているか否かを検出する。つまり、検知回路においては、一対の検知端子13が短絡したことを検出すると、両ハウジング10,20が正規嵌合したと判定され、一対の検知端子13が短絡していない状態では、両ハウジング10,20が未嵌合(離脱)状態、又は、半嵌合(嵌合途中であって正規嵌合に至っていない)状態であると判定される。
【0016】
第2ハウジング20は、絶縁性材料からなる。図4〜7に示すように、第2ハウジング20の内部には端子収容室21が形成されている。図3に示すように、端子収容室21は、第2ハウジング20の前端側領域に配された一対の前部収容室22と、第2ハウジング20の後端側領域に配された単一の後部収容室23とから構成されている。一対の前部収容室22の並び方向は、一対の検知端子13と同じく左右方向(両ハウジング10,20の嵌合方向と交差する方向)である。図4〜7に示すように、各前部収容室22の前端は、接続口24として第2ハウジング20の前面に開口されている。
【0017】
図2,7に示すように、両ハウジング10,20が正規嵌合した状態では、一対の検知端子13が、夫々、接続口24に進入して対応する前部収容室22内に進入するようになっている。図3〜7に示すように、一対の前部収容室22の後端は、後部収容室23の前端と連通している。端子収容室21の後端は、端子挿入口として第2ハウジング20の後面に開口している。
【0018】
第2ハウジング20には、図5,6に示すように、第1ハウジング10との嵌合過程で弾性撓みする弾性撓み部25が形成されている。図4〜7に示すように、弾性撓み部25は、端子収容室21の上壁部を構成しており、端子収容室21に臨んだ状態で後方へ片持ち状に延出した形態である。弾性撓み部25の後端部には、上方へ突出した形態の突起部26が形成されている。弾性撓み部25の下面は、後述する検知ユニット40を動作させるための押圧面となっている。
【0019】
弾性撓み部25は、常には、図4,7に示すように、待機位置に保たれているが、上から押圧力を受けると、図5,6に示すように、弾性撓み部25の前端部(基端部)を支点として姿勢を斜めに変化させながら下方の作動位置へ変位し得るようになっている。作動位置へ変位したとき、弾性撓み部25の後端部は、端子収容室21内に進出する。第2ハウジング20には、レバー30を収容するための収容空間27が、端子収容室21の上方に位置するように形成されている。この収容空間27には弾性撓み部25の上面(突起部26)が、直接、臨んでいる。
【0020】
レバー30は、合成樹脂製であり、第2ハウジング20に上下方向の支持軸(図示省略)を中心として水平方向に回動し得るように取り付けられている。レバー30は、初期位置(図4を参照)と嵌合位置(図7を参照)との間で回動変位する。図4〜7に示すように、レバー30は、略水平な板状部31と、板状部31の後端部に形成した操作部32と、板状部31の前端から後方(操作部32側に向かって)片持ち状に延出するロックアーム33とを備えて構成されている。図4に示すように、レバー30が初期位置にあるとき、収容空間27内には、板状部31とロックアーム33の前端部のみが収容される。また、図7に示すように、レバー30が嵌合位置へ移動したときには、板状部31の全体とロックアーム33の全体が収容空間27内に収容される。
【0021】
ロックアーム33は、第1ハウジング10と正規嵌合したときに第1ハウジング10の係止部14と係止することで両ハウジング10,20を嵌合状態にロックするものである。ロックアーム33は、常には、図4,5,7に示すように、ロック位置に保たれているが、上から押圧力を受けると、図6に示すように、ロックアーム33の前端部(基端部)を支点として姿勢を斜めに変化させながら下方のロック解除位置へ弾性撓みし得るようになっている。ロックアーム33の上面には、ロック突起34が形成されている。
【0022】
また、板状部31の前端部の下面(弾性撓み部25の上面と対向する面)には、弾性撓み部25を介して後述する検知ユニット40を動作させるための突起状の第1押圧部35が形成されている。ロックアーム33の下面(弾性撓み部25の上面と対向する面)には、弾性撓み部25を介して後述する検知ユニット40を動作させるための突起状の第2押圧部36が形成されている。第2押圧部36の後端部には、上方へ退避するように凹ませた(切欠した)形態の逃がし部37が形成されている。
【0023】
コネクタの嵌合検知機能は、上記一対の検知端子13と、上記弾性撓み部25と、上記ロックアーム33と、後述する検知ユニット40とを備えて構成される。以下、検知ユニット40の構造を説明する。検知ユニット40は、図4〜7に示すように、左右一対の中継端子41と、単一部品からなる短絡端子46とから構成されている。
【0024】
中継端子41は、所定形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施し、全体として前後方向に長い形状に成形したものである。中継端子41の前端側部分は、両ハウジング10,20の嵌合過程で検知端子13と摺接する接続部42となっている。接続部42は、角筒部43と、角筒部43を構成する板部に繋がった状態で角筒部43材内に収容された弾性接触片44とを備えて構成されている。中継端子41の後端側部分は、角筒部43を構成する板部から後方へ片持ち状に延出した形態の固定側接点部45となっている。固定側接点部45は、短絡端子46との接触手段として機能する。
【0025】
図3に示すように、一対の中継端子41は、後方から第2ハウジング20に組み付けられて、端子収容室21内に収容されている。一対の中継端子41が組み付けられた状態では、一対の角筒部43が一対の前部収容室22内に個別に収容され、一対の固定側接点部45が、互いに非接触の状態で後部収容室23内に配置される。したがって、一対の検知端子13同士は、互いに、直接、接触しない状態に組み付けられている。
【0026】
短絡端子46は、所定形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施して成形したものである。短絡端子46は、本体部47と、左右対称な一対の弾性アーム部48とを一体に形成したものである。一対の弾性アーム部48は、本体部47の後端縁から延出して本体部47の上方へ折り返された形態である。各弾性アーム部48は、受圧部49と、可動側接点部50とを備えて構成されている。受圧部49は、弾性アーム部48の後端部(基端部)と前端部との間に形成され、上方へ山形に突出するように曲げ加工されている。可動側接点部50は、弾性アーム部48の前端部(延出端部)に形成され、上方へ突出するように曲げ加工されている。
【0027】
短絡端子46は、後方から第2ハウジング20に組み付けられて、後部収容室23内に収容されている。短絡端子46が組み付けられて両ハウジング10,20が未嵌合の状態(離脱状態)では、図4,7に示すように、一対の可動側接点部50が、一対の固定側接点部45に対し、個別に、且つ弾性アーム部48の弾性復元力により弾性的に当接する。したがって、一対の中継端子41(一対の接続部42)が、短絡端子46を介して互いに短絡した状態となる。このとき、一対の弾性アーム部48は短絡位置に位置することになる。また、図5,6に示すように、一対の弾性アーム部48が下方の短絡解除位置へ弾性撓みすると、一対の可動側接点部50が一対の固定側接点部45から離間するので、一対の中継端子41(一対の接続部42)が、短絡を解除された状態となる。この弾性アーム部48(可動側接点部50)の短絡位置と短絡解除位置との間の変位方向は、両ハウジング10,20の嵌合方向と交差する方向である。
【0028】
噛み込み規制手段51は、第1ハウジング10と第2ハウジング20が離脱した状態において、固定側接点部45と可動側接点部50との間に異物が噛み込むのを規制するためのものである。具体的には、第1ハウジング10と第2ハウジング20が離脱し、レバー30が初期位置にある状態では、図4に示すように、可動側接点部50が固定側接点部45に対して弾性的に当接し、両接点部45,50がオン状態に維持されているため、両接点部45,50の間に異物が噛み込む虞はない。この構成が噛み込み規制手段51として機能する。
【0029】
次に、本実施形態の作用を説明する。両ハウジング10,20を嵌合する前の状態では、レバー30が初期位置(図4を参照)に保持されている。この状態では、ロックアーム33が弾性撓み部25の後方へ退避しているため、弾性撓み部25は待機位置に保持され、一対の弾性アーム部48が短絡位置に保持される。したがって、可動側接点部50と固定側接点部45は、弾性的に当接したオン状態となり、一対の接続部42が短絡状態となっている。また、両接点部45,50が、直接、弾性的に当接しているので、両接点部45,50の間に異物が噛み込むことはない。
【0030】
離脱状態の両ハウジング10,20を浅く嵌合すると、図4に示すように、一対の検知端子13の先端部が接続口24内に進入するが、検知端子13と接続部42(中継端子41)とは、非接触(非導通)状態である。この状態から、レバー30を回動させると、レバー30に形成されているカム溝(図示省略)と第1ハウジング10に形成されているカムフォロア(図示省略)との係合により、両ハウジング10,20の嵌合が進んでいく。
【0031】
これに伴い、板状部31の前端部が収容空間27内に進入し、第1押圧部35が弾性撓み部25の突起部26を上から押圧するので、図5に示すように、弾性撓み部25が待機位置から下方の作動位置へ弾性変位し、弾性撓み部25の押圧面が、弾性アーム部48の受圧部49を上から押圧する。この押圧により、一対の弾性アーム部48が短絡位置から下方の短絡解除位置へ弾性変位し、一対の可動側接点部50が一対の固定側接点部45から離間する。これにより、両接点部45,50がオフ状態となり、一対の接続部42(一対の中継端子41)の短絡が解除される。この間、一対の検知端子13は、一対の中継端子41(一対の接続部42)とは非接触状態のままである。
【0032】
この状態から、レバー30を更に回動させると、両ハウジング10,20の嵌合が進み、一対の検知端子13は、夫々、対応する接続部42(弾性接触片44)と個別に接触するのであるが、一対の接続部42同士の間は短絡が解除されたままなので、一対の検知端子13同士の間も短絡解除状態のままである。また、収容空間27に対するレバー30の進入が進むので、板状部31の第1押圧部35は弾性撓み部25の突起部26を通過するが、引き続き、ロックアーム33の第2押圧部36が突起部26を押すので、弾性撓み部25は短絡解除位置に保持される。したがって、一対の検知端子13も一対の接続部42も、短絡は解除されたままである。
【0033】
この状態から、レバー30を更に回動して両ハウジング10,20の嵌合を進めると、図6に示すように、ロック突起34が係止部14と干渉してロックアーム33がロック位置から下方のロック解除位置へ弾性変位する。このとき、突起部26は、第2押圧部36のうち上方へ退避した形態の逃がし部37と対応するので、弾性アーム部48は、過度に撓まされることなく、短絡解除位置に保たれる。
【0034】
そして、レバー30が嵌合位置に到達して両ハウジング10,20が正規嵌合状態になると、図7に示すように、ロックアーム33がロック解除位置からロック位置へ弾性復帰して、ロック突起34が係止部14と係止し、両ハウジング10,20が正規嵌合状態にロックされる。また、ロックアーム33の弾性復帰に伴い、突起部26が、ロックアーム33の第2押圧部36による押圧から解放されるので、弾性撓み部25が、短絡解除位置から短絡位置へ弾性復帰する。これにより、可動側接点部50が固定側接点部45に弾性接触して、両接点部45,50がオン状態となり、一対の検知端子13同士が、一対の中継端子41と短絡端子46を介して短絡される。
【0035】
本実施形態のコネクタは、一対の検知端子13を備えた第1ハウジング10と、第1ハウジング10に嵌合される第2ハウジング20と、第2ハウジング20に形成され、両ハウジング10,20の嵌合過程で弾性撓みし、両ハウジング10,20が正規嵌合すると弾性復帰する弾性撓み部25と、第2ハウジング20に設けられた検知ユニット40とを備える。検知ユニット40は、両ハウジング10,20の嵌合過程で一対の検知端子13と擦れ合い且つ両ハウジング10,20が正規嵌合したときに一対の検知端子13に導通可能に接続される一対の接続部42と、弾性撓み部25の弾性撓みに伴ってオフ状態になることで一対の接続部42を短絡解除し且つ弾性撓み部25の弾性復帰に連動してオン状態になることで一対の接続部42を短絡させる検知用接点部(一対の固定側接点部45と一対の可動側接点部50)とを備える。また、両ハウジング10,20が離脱した状態において、検知用接点部(可動側接点部50と固定側接点部45との間)における異物の噛み込みを規制する噛み込み規制手段51を備えている。
【0036】
かかる構成のコネクタによれば、両ハウジング10,20の嵌合過程では、対応する検知端子13と接続部42が導通するのであるが、弾性撓み部25が弾性撓みすることにより、一対の接続部42同士の間は短絡が解除されて非導通状態となるので、一対の検知端子13は短絡しない。そして、両ハウジング10,20が正規の嵌合状態に至ると、弾性撓み部25が弾性復帰することによって一対の接続部42が導通状態となるので、一対の検知端子13が短絡する。したがって、一対の検知端子13が短絡されているか否かに基づいて、両ハウジング10,20が正規嵌合されたか否かが検知される。
【0037】
特に本実施形態では、両ハウジング10,20の嵌合過程において、図5に示すように、検知端子13と接続部42が接触する前に、両接点部45,50がオフ状態になるので、両ハウジング10,20の嵌合の途中では一対の検知端子13が短絡されることはない。したがって、両ハウジング10,20が正規嵌合されていないにも拘わらず、一対の検知端子13が短絡したために、両ハウジング10,20が正規嵌合したとの誤った嵌合検知が行われる、という虞がない。
【0038】
そして、第1ハウジング10と第2ハウジング20の嵌合過程では、一対の検知端子13と一対の接続部42が擦れ合うので、両ハウジング10,20の嵌合前に検知端子13や接続部42に異物が付着していたとしても、その異物は検知端子13と接続部42との擦れ合いによって除去される。また、可動側接点部50と固定側接点部45との間では、両ハウジング10,20が離脱した状態で噛み込み規制手段51(可動側接点部50が固定側接点部45に当接している状態が維持される形態)によって異物の噛み込みを規制されている。したがって、本実施形態によれば、一方の検知端子13から検知用接点部(可動側接点部50と固定側接点部45)を介して他方の検知端子13に至る回路においては、異物の噛み込みが発生しないので、嵌合検知機能の信頼性に優れている。
【0039】
また、両ハウジング10,20が離脱した状態では、可動側接点部50と固定側接点部45がオン状態に維持されて、接点部45,50同士の間には隙間が空かない。そして、両接点部45,50が離間してオフ状態になるのは、両ハウジング10,20の嵌合過程における一瞬だけである。したがって、両接点部45,50の間における異物の噛み込みを確実に防止することができる。
【0040】
本実施形態の記載からは、嵌合検知機能の信頼性向上を図る手段として、第1ハウジング10に設けた一対の検知端子13同士を、第2ハウジング20に設けた検知ユニット40で短絡させる、という技術思想を抽出することができる。この技術思想においては、回路を、一対の検知端子13と、検知ユニット40とに分離している。そして、一対の検知端子13と検知ユニット40に、両ハウジング10,20の嵌合過程で互いに摺接するワイピング接点部としての機能を持たせている。また、検知ユニット40には、両ハウジング10,20の嵌合過程で一時的に開いて一対の検知端子13を短絡解除し、両ハウジング10,20が正規嵌合すると閉じて一対の検知端子13を短絡させるスイッチング機能を持たせている。このスイッチング機能は、検知ユニット40を、一対の中継端子41と1つの短絡端子46とに分離することで実現されている。この構成によれば、両ハウジング10,20の嵌合過程で開閉する接点での異物の噛み込みが防止される。
【0041】
また、上記とは異なる技術思想を抽出することもできる。この技術思想においては、一対の検知端子13を短絡させるための回路を、一対の検知端子13と一対の中継端子41とで構成するワイピングユニットと、短絡端子46とに分離する。そして、ワイピングユニットにおいては、検知端子13と中継端子41とに、ワイピング接点部としての機能を持たせる。また、中継端子41と短絡端子46には、検知端子13を短絡・短絡解除させるためのスイッチング機能を持たせる。この構成によっても、両ハウジング10,20の嵌合過程で開閉する接点での異物の噛み込みが防止される。
【0042】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、両ハウジングを嵌合状態にロックするためのロックアームとは別に、嵌合検知手段としての専用の弾性撓み部を設けたが、ロックアームに、嵌合検知手段としての弾性撓み部の機能を具備させてもよい。
(2)上記実施形態では、一対の固定側接点部と一対の可動側接点部との間における異物の噛み込みを規制する噛み込み規制手段として、両ハウジングを嵌合する前の状態において一対の固定側接点部と一対の可動側接点部を当接させたオン状態に維持するようにしたが、これに限らず、一対の固定側接点部と一対の可動側接点部を第2ハウジング内の収容空間に収容して、その収容空間の開口部をカバー等で塞いで異物の侵入を規制することで、一対の固定側接点部と一対の可動側接点部との間における異物の噛み込みを規制してもよい。この場合、一対の固定側接点部と一対の可動側接点部同士は、両ハウジングが離脱している状態で互いに非接触となるようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、検知端子を細長いタブ状とし、中継端子の接続部を弾性接触片としたが、これとは逆に、検知端子に弾性接触片を設け、中継端子の接続部を細長いタブ状としてもよい。
(4)上記実施形態では、レバーを用いて第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合するようにしたが、本発明は、レバーを用いずに第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合する場合にも適用できる。
<参考例>
(1)上記実施形態では、検知ユニットを、一対の中継端子と1つの短絡端子との3つの部品で構成し、二対の検知用接点部を有する形態としたが、参考例として、検知ユニットは、一方の中継端子と短絡端子とを一体部品化することにより、2つの部品で構成することが考えられる。この場合、固定側接点部と可動側接点部の数は1つずつとなる。
【符号の説明】
【0043】
10…第1ハウジング
13…検知端子
20…第2ハウジング
25…弾性撓み部
40…検知ユニット
41…中継端子
42…接続部
45…固定側接点
46…短絡端子
48…弾性アーム部
50…可動側接点
51…噛み込み規制手段
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