特許第5818880号(P5818880)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5818880-レールを搬送するための連結車両 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5818880
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】レールを搬送するための連結車両
(51)【国際特許分類】
   E01B 29/16 20060101AFI20151029BHJP
   B66C 23/36 20060101ALI20151029BHJP
【FI】
   E01B29/16
   B66C23/36 Z
【請求項の数】3
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-512779(P2013-512779)
(86)(22)【出願日】2011年5月16日
(65)【公表番号】特表2013-528725(P2013-528725A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】EP2011002407
(87)【国際公開番号】WO2011151015
(87)【国際公開日】20111208
【審査請求日】2014年2月17日
(31)【優先権主張番号】102010022679.3
(32)【優先日】2010年6月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507069564
【氏名又は名称】ローベル バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBEL Bahnbaumaschinen GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ヘヒェンベアガー
(72)【発明者】
【氏名】マークス ライトマイアー
(72)【発明者】
【氏名】アロイス エーダー
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第00397577(US,A)
【文献】 特開平08−245161(JP,A)
【文献】 特表2008−511484(JP,A)
【文献】 特開2006−348576(JP,A)
【文献】 特開昭47−044760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 29/16
B66C 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール(2)を搬送し軌道(6)に設置する連結車両であって、前記レール(2)は、荷重クレーン(9)を有する第1の車両(3)の積込みプラットフォーム(8)上に置かれており、前記レールの設置を、連結された第2の車両(4)において行う連結車両であって、以下の特徴、即ち、
a)前記各車両(3,4)に荷重支持体(11,12)が設けられていて、該荷重支持体(11,12)は、鉛直方向上方の画成部を成し、車両横方向(15)に関して真ん中に配置されており、車両長手方向(10)で延在していて、該車両長手方向(10)に関して第1の支持体端部(16)及び第2の支持体端部(17)を有しており、
b)前記各荷重支持体(11,12)には、前記荷重クレーン(9)を摺動させるための、前記車両長手方向(10)で延びるクレーンレール(19)が設けられていて、互いに隣接する前記両荷重支持体(11,12)の間に、前記両クレーンレール(19)を結合するクレーンレールブリッジ(20)が配置されており、
c)前記クレーンレールブリッジ(20)は、車両長手方向(10)で延びるブリッジ長さ(21)に関して変更可能に形成されており、
d)前記第1の車両(3)の前記荷重支持体(11)は、前記第1の支持体端部(16)と第2の支持体端部(17)とでそれぞれフレーム支持体(18)を介して車両フレーム(13)に結合されており、前記両フレーム支持体(18)は、少なくとも搬送すべきレール(2)の長さ(b)に相当する間隔(a)を互いに置いて配置されており、
e)前記第2の車両(4)の前記荷重支持体(12)は2つの車両側壁(26)に結合されていて、この両車両側壁(26)は前記荷重支持体(12)に対して相対的にかつ互いに相対的に車両横方向(15)で摺動可能であって、
f)前記荷重クレーン(9)は、前記クレーンレール(19)に沿って摺動可能であって車両横方向(15)で延びるクレーン支持体(23)に取り付けられていて、横方向路(24)において前記クレーン支持体(23)に相対的に摺動可能である、ことを特徴とする、レールを搬送する連結車両。
【請求項2】
前記両荷重支持体(11,12)の互いに隣接する前記両支持体端部(16,17)がそれぞれ、車両横方向(15)で互いに間隔を置いて配置された2つの前記フレーム支持体(18)によって前記車両フレーム(13,14)に結合されている、請求項1記載の連結車両。
【請求項3】
前記クレーン支持体(23)は、前記横方向路(24)を延長するために、前記クレーン支持体(23)に対して相対的に車両横方向(15)で摺動可能な補助レール(25)を有している、請求項記載の連結車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールを搬送し軌道に設置する連結車両であって、前記レールは、荷重クレーンを有する第1の車両の積込みプラットフォーム上に置かれており、前記レールの設置を、連結された第2の車両において行う連結車両に関する。
【0002】
EP0721026B1号明細書により既に公知のこのような形式の連結車両では、第1の車両が平らな台車として形成されており、第2の車両が、上方に向かって屈曲されたフレームを有しており、該フレームの下方で軌道に向かって開かれた作業領域が位置している。例えばレールである材料を、積込みプラットフォームから作業領域へと搬送しここに降ろすために、門形クレーンが走行レール上で両車両に沿って移動可能である。
【0003】
AT009393U1には、互いに連結された複数の車両から成る、積載物を搬送するためのリフト装置を備えた軌道保守用作業車が記載されており、前記リフト装置は、車両長手方向で、一方の車両における積込み室と、他方の車両に設けられた作業室との間で摺動可能であるように形成されている。
【0004】
本発明の課題は、種々様々な形式の作業の形態が可能であるように、冒頭で述べた形式の連結車両を形成することである。
【0005】
この課題は本発明によれば、請求項1の特徴部に記載の特徴を有する冒頭で述べた形式の連結車両により解決される。
【0006】
このような形式の構成により、軌道湾曲部が存在する、又は軌道上昇が生じている軌道現場においても、実質的に連結車両の全長に沿って、設置したいレールを伴う荷重クレーンの妨げられない摺動性が得られる。
【0007】
本発明のさらなる利点は従属請求項及び図面に基づく説明に記載されている。
【0008】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】スペース的な理由により二部分で図示した本発明による連結車両の側方図である。
図2】車両の横断面図である。
【0010】
図1及び図2に示された、レール2を搬送する連結車両1は、第1の車両3と、この第1の車両3に連結された第2の車両4とから成っており、これらの車両は一緒に、レール走行装置5によって軌道6に沿って走行可能であって、端部側にそれぞれ作業キャビン7を有している。第1の車両3の車両フレーム13には積込みプラットフォーム8が設けられており、この積込みプラットフォーム8上には搬送中にレール2(若しくは別の作業材料)が積載されており、このレール2は次いで、第2の車両4の範囲で荷重クレーン9(後で詳しく説明する)によって軌道6に降ろされる。
【0011】
各車両3,4には、車両長手方向10で延びる梁状の荷重支持体11,12が配設されており、これらの荷重支持体11,12は、鉛直方向上方の車両の画成部を成していて、車両横方向15(図2参照)に関して真ん中に配置されている。各荷重支持体11,12は第1の支持体端部16と第2の支持体端部17とを有しており、これらの支持体端部16,17でそれぞれ1つのフレーム支持体18を介して車両3,4の車両フレーム13若しくは14に接続されている。第1の車両3の両フレーム支持体18はこの場合、互いに間隔(a)を置いて配置されており、この間隔(a)は、少なくとも搬送したいレール2の長さ(b)に相当するように形成されている。
【0012】
荷重支持体11,12にはさらに、車両長手方向10で延び、荷重クレーン9を長手方向摺動可能に支持するために設けられたクレーンレール19が配置されている。両車両3,4の互いに隣接している両荷重支持体11,12の間の領域にはクレーンレールブリッジ20が位置しており、このクレーンレールブリッジ20は荷重支持体11,12のクレーンレール19を枢着結合するために働き、さらに、車両長手方向10で延在するブリッジ長さ21に関しては変更可能に形成されている。これにより軌道湾曲部での作業中であっても、連結車両1に沿った荷重クレーン9の摺動性が妨げられないことが保証されている。
【0013】
図2に示されたように、荷重クレーン9は走行ウインチ22の形状を有しており、この走行ウインチ22は、車両横方向15で延びるクレーン支持体23に取り付けられており、横方向路24においてクレーン支持体23に相対的に摺動可能である。クレーン支持体23はクレーンレール19に沿って走行ローラ27によって車両長手方向10摺動可能に形成されており、さらに1つの補助レール25を有していて、この補助レール25はクレーン支持体23に対して相対的に車両横方向15で摺動可能であって、横方向路24を延長するために働く。
【0014】
同様に図2に示されているように、第2の車両4の荷重支持体12は2つの車両側壁26に結合されていて、この両車両側壁26は荷重支持体12に対して相対的にかつ互いに相対的に車両横方向15で移動可能である。これにより(図2の左側に示されているように)、走行ウインチ22は、側壁26が外方に送出され同時に横方向路24が押し出された状態で、さらに外方に移動することができ、これにより、高く配置された軌道に対して作業が行われる場合でも、積荷を十分外方に降ろすことができる。両側壁26は1つの作業空間28を画成しており、この作業空間28内に、荷重クレーン9によって搬送されてきたレール2を受け取り、このレール2を軌道6に設置するための作業員を留めることができる。これにより、隣接する軌道が運転中である場合でも、妨げられないレールの搬送が保証され、作業員に対する最良の安全性が保証される。
【0015】
両荷重支持体11,12の互いに隣接する両支持体端部16,17の領域では、車両フレーム13若しくは14に結合するための所属のフレーム支持体18が、このように形成された門形をクレーン支持体23が問題なく通過するために横方向で十分に互いに間隔を置いて配置されている。
図1
図2