特許第5819005号(P5819005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジュロックス プロプライエタリー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許5819005-薬学的組成物 図000009
  • 特許5819005-薬学的組成物 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5819005
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】薬学的組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/08 20060101AFI20151029BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20151029BHJP
   A61P 23/00 20060101ALI20151029BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 31/57 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 31/5415 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 31/403 20060101ALI20151029BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20151029BHJP
【FI】
   A61K9/08
   A61K47/40
   A61K47/10
   A61K47/18
   A61K47/04
   A61K47/12
   A61P23/00 171
   A61P23/00
   A61P29/00
   A61K31/57
   A61K31/05
   A61K31/5415
   A61K31/403
   A61K47/22
【請求項の数】29
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2014-542644(P2014-542644)
(86)(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公表番号】特表2014-533703(P2014-533703A)
(43)【公表日】2014年12月15日
(86)【国際出願番号】AU2012001452
(87)【国際公開番号】WO2013078500
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2014年9月12日
(31)【優先権主張番号】2011904970
(32)【優先日】2011年11月29日
(33)【優先権主張国】AU
(31)【優先権主張番号】2012904962
(32)【優先日】2012年11月9日
(33)【優先権主張国】AU
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502322268
【氏名又は名称】ジュロックス プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】パスロスケー, カービー ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ラウ, カイ
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン, サラ ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス, アマンダ アイリーン
【審査官】 田村 直寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−293638(JP,A)
【文献】 特開平06−239748(JP,A)
【文献】 特開平09−048737(JP,A)
【文献】 特開昭62−123116(JP,A)
【文献】 特開2003−089632(JP,A)
【文献】 特開2004−182688(JP,A)
【文献】 特表平11−512445(JP,A)
【文献】 特表2007−519703(JP,A)
【文献】 国際公開第96/032135(WO,A1)
【文献】 米国特許第06969706(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00
A61K 31/00
A61K 47/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射のための薬学的組成物であって、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料であって、m−クレゾール、クロロクレゾールクロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、注射のための薬学的組成物。
【請求項2】
前記疎水性薬剤は、アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンからなる群から選択される、請求項1に記載の注射のための薬学的組成物。
【請求項3】
前記バッファーは、前記疎水性薬剤を安定化させ、かつ前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり、リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーからなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の注射のための薬学的組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの親水性薬剤をさらに含む、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の注射のための薬学的組成物。
【請求項5】
注射のための薬学的組成物を生産する方法であって、前記注射のための薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い、
−第1組成物を
a)溶液を形成するためにシクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体を水中に溶解することと;
b)1つ以上の疎水性薬剤を前記溶液へ加えることと;
c)任意で、さらに水を導入して、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および前記1つ以上の疎水性薬剤を完全に溶解することと;
d)任意でバッファー塩を加えることと;
e)任意でpHを調整することと
によって調製することと、
−第2組成物を
m−クレゾール、クロロクレゾールクロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの保存料を、1つ以上の共溶媒中に溶解すること
によって調製することと、
−前記注射のための薬学的組成物を
a)前記第1組成物および前記第2組成物を組み合わせることと;
b)任意で、さらに水を加えて、前記組み合わせた組成物を、必要とされる容量にまで嵩増しすることと;
c)前記組み合わせた組成物を滅菌することと
によって形成することとを含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、方法。
【請求項6】
前記1つ以上の疎水性薬剤は、アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記バッファーは、前記疎水性薬剤を安定化させ、かつ前記第1組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり、リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーからなる群から選択される、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記注射のための薬学的組成物は、オートクレーブによって滅菌される、請求項5から請求項7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記薬学的組成物はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含み、前記少なくとも1つの親水性薬剤は、前記第1組成物、前記第2組成物を製造する際に、または前記注射のための薬学的組成物を形成する際に加えられる、請求項5から請求項8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
注射のための薬学的組成物を保存する方法であって、前記薬学的組成物は、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、
m−クレゾール、クロロクレゾール、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの保存料と、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの共溶媒とを有効な量で前記組成物中に含むことによって、注射のための薬学的組成物を保存する方法。
【請求項11】
前記疎水性薬剤は、アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記バッファーは、前記疎水性薬剤を安定化させ、かつ前記第1組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり、リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーからなる群から選択される、請求項10または請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記注射のための薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う、請求項10から請求項12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記薬学的組成物はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含む、請求項10から請求項13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
注射のための薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用であって、前記薬学的組成物は、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つの保存料とを前記組成物中に導入することによって、注射のための薬学的組成物を保存し、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択され、前記少なくとも1つの保存料は、m−クレゾール、クロロクレゾール、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、使用。
【請求項16】
前記疎水性薬剤は、アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンからなる群から選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記バッファーは、前記疎水性薬剤を安定化させ、かつ前記第1組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり、リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーからなる群から選択される、請求項15または請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前記注射のための薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う、請求項15から請求項17の何れか一項に記載の使用。
【請求項19】
前記薬学的組成物はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含む、請求項15から請求項18の何れか一項に記載の使用。
【請求項20】
欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射のための薬学的組成物であって、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−m−クレゾール、クロロクレゾールクロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、
動物の治療用である組成物。
【請求項21】
動物の前記治療は、前記動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射のための薬学的組成物であって、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−m−クレゾール、クロロクレゾールクロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、
ヒトの治療用である組成物。
【請求項23】
ヒトの前記治療は、前記ヒトを麻酔する目的のためである、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
ヒトを除く動物を治療する方法であって、ヒトを除く動物に注射のための薬学的組成物を投与することを含み、前記薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い、前記組成物は、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−m−クレゾール、クロロクレゾールクロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、ホウ酸塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、方法。
【請求項25】
ヒトを除く動物を治療する前記方法は、前記ヒトを除く動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
注射のための薬学的組成物の使用であって、前記薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−m−クレゾール、クロロクレゾールクロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムホウ酸、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、
動物の治療用医薬の調製時における使用。
【請求項27】
動物の前記治療は、前記動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
注射のための薬学的組成物の使用であって、前記薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い、
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−m−クレゾール、クロロクレゾールクロロブタノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムホウ酸、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、前記組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ここで、前記シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであって、前記共溶媒は、エタノール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、
ヒトの治療用医薬の調製時における使用。
【請求項29】
ヒトの前記治療は、前記ヒトを麻酔する目的のためである、請求項28に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年11月29日出願のオーストラリア特許仮出願第2011904970号明細書および2012年11月9日出願のオーストラリア特許仮出願第2012904962号明細書の優先権を主張し、これらの出願の内容は参照により本明細書の中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、注射可能な薬学的組成物に関し、これは、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準(Test for Efficacy of Antimicrobial Preservation)に従って、非経口投与薬に適用される少なくともB基準を満たし、そして米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針(Guidelines for Antimicrobial Effectiveness Testing)に従って、カテゴリー1(注射可能な)生成物の基準を満たすように、有効に保存されるものである。本組成物は、服用されるべき単一用量または多用量を与える、適切にサイズ設定されたコンテナ内に保存され得る。また、本発明は、本明細書中に規定される組成物を製造および使用する方法を提供するものである。
【背景技術】
【0003】
シクロデキストリンは、トロイダル構造を有する環式オリゴ糖であり、疎水性/親油性の中心キャビティおよび親水性の外表面を有する。いくつかの異なるシクロデキストリン構造が天然に存在しており、最も顕著なものがα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンであり、それぞれ6、7および8つのグルコピラノース単位からなる。
【0004】
シクロデキストリンは、本質的に水に不溶性であるか、乏しい溶解性を示す医薬品または薬剤の溶解性を向上させることが知られている。シクロデキストリンおよびその誘導体の使用が、水溶性複合体の可逆的形成を介して薬剤の安定化に役立っている。これら複合体の形成により、薬剤と溶液中に存在する他の種との間で起こり得る副反応の発生が妨げられ得る、または軽減され得る。薬剤分子は、完全に、または部分的に、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の中心キャビティ内に存在して、包接複合体(inclusion complex)を生じさせる。その結果として、種々のシクロデキストリンおよびその誘導体は、例えばAlfaxan(登録商標)における、医薬賦形剤としての使用にとって安全であると考えられた(国際公開第01/70234号パンフレット)。
【0005】
通常、β−シクロデキストリンおよびβ−シクロデキストリン誘導体が、医薬の製造において利用される。これはいくつかの理由によるものであり、いくつかある好ましい属性のうち、分子の低いコストに加えて、親油性キャビティのサイズ、商業的な入手可能性が挙げられる。
【0006】
1つの重要な誘導体として2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンがあり、これは、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンと比較して、より水溶性であり、かつ毒物学的により良性であることが示されている。さらに、種々の研究において、この誘導体は、ラット、マウスおよびイヌを含む動物種の範囲において耐用性であることが示された(S.Gould et al.,Food and Chemical Technology,43,1451−1459,2005)。
【0007】
シクロデキストリンおよびその誘導体が材料を水性媒質中に可溶化させるために用いられる場合、シクロデキストリン分子の中心キャビティを占めるための競合が、溶液中に存在する様々な種間で発生し得る。このことは、一方の化合物が、存在し得る任意の他方の化合物と比較して、より著しく可溶化され得ることを意味する。これは、シクロデキストリンにより医薬化合物を可溶化させる場合に考慮すべき重要な点である。というのも、理想的には、シクロデキストリン中に組み込まれるべきは、組成物内に存在し得る他の任意の賦形剤ではなく活性成分(例えば薬剤分子)であるからである。例えば、組成物中に偶然に導入される虞がある任意の細菌、酵母または糸状菌を殺すための保存種が、液体薬学的組成物中に導入されることがある。これら保存種は、薬剤分子をシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の疎水性キャビティから追い出すことがあり、この場合薬剤は、液体媒質中において可溶化状態のままでいられず、溶液から沈殿する。薬剤分子の追出しにより微粒子物質が形成され得、これにより、薬学的組成物が注射を介して送達される場合に、安全性に含みが生じる。
【0008】
薬剤の追出しは、活性医薬化合物(例えば疎水性薬剤)が完全には可溶化されないことを意味する。このことは、結果として有効性の減少を導き、この場合薬剤は、その必要とされる機能を実行することもできないし、意図される薬理学的および生理学的反応を誘導することもできない。また、保存料が細菌、酵母および糸状菌に対して有効であるために、保存料は好ましくは溶液中に解放されたままであるべきであり、シクロデキストリンホスト内に複合体化されるべきでない。保存料が溶液中でシクロデキストリンと複合体を形成すると、薬学的組成物は保存基準を満たさない可能性もあるし、医薬について定められた規則に従えない可能性もある。
【0009】
Loftsson et al.(Drug Development and Industrial Pharmacy,18(13),1477−1484,1992)は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、およびこれと保存料(クロロブタノール、メチルパラベンおよびプロピルパラベンが挙げられ、これらは多用量型医薬生成物において一般的に用いられている)の選択との相互作用に焦点を合わせたいくつかの調査を行った。相互作用は2倍となることが示された。第1に、クロロブタノール、メチルパラベンおよびプロピルパラベン分子は、シクロデキストリンキャビティから薬剤分子を追い出すことができ、そうすると、疎水性薬剤を可溶化させるシクロデキストリンの効力が損なわれた。第2に、保存料クロロブタノール、メチルパラベンおよびプロピルパラベンの抗微生物(antimicrobial)活性は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの存在下で、保存料の補足(sequestration)のために低下し、または完全に抑えられた。
【0010】
いくつかの特許では薬剤の溶解性を向上させるためにシクロデキストリンを利用してその送達を向上させているとはいえ、その程度は限られている。
【0011】
国際公開第01/70234号パンフレットは、水溶性シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体ならびにアルファキサロンを含む薬学的組成物を開示している。当該組成物は安定しており、麻酔的に有効な量で、温血動物(鳥類および哺乳類が挙げられる)、爬虫類、魚類および両生類に投与され得る。当該発明は有効な麻酔として利用され得るが、当該特許は、共溶媒および保存料の双方を含む組成物を開示も教示も示唆もしていない。
【0012】
米国特許第6358935号明細書および米国特許第6723353号明細書は、液体媒質、シクロデキストリン成分、有効な保存量で存在するクロライト、および医薬的活性成分を含む医薬的に許容可能な組成物を開示している。当該製剤は共溶媒を含まない。
【0013】
国際公開第2005/082416号パンフレットは、β−シクロデキストリン、医薬的に許容可能な保存料(保存料はメタ−クレゾール、フェノールもしくはチメロサール、またはこれらの組合せに限定される)、および活性医薬成分としてニューロキニンレセプタアンタゴニストを含む製剤を開示している。当該発明は、活性医薬成分の、β−シクロデキストリンとの結合値が、保存料の、相当するβ−シクロデキストリン分子との結合値よりも大きいことに頼っている。シクロデキストリンと抗微生物性保存料との濃度間の最適バランスは、組成物が保存基準に従い、かつ許容可能な注射−部位−耐忍度を達成することが必要とされる。当該特許は、少なくとも1つの保存料および少なくとも1つの共溶媒を含む水性製剤を開示していない。
【0014】
本明細書中に挙げられている文献、行為、材料、装置、物品等に関する任意の議論は、これが本出願の各請求項の優先日以前に存在するために、これら事項の何れかまたは全てが、先行技術の基礎の一部を形成するという自認、または本発明に関連する分野における共通の一般的知識であったという自認として取られるべきではない。
【0015】
本明細書を通して、語「含む(comprise)」、または「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」等の変形は、述べられている要素、整数もしくは工程、または要素、整数もしくは工程の群の内包を意味するが、他の任意の要素、整数もしくは工程、または要素、整数もしくは工程の群の除外を意味しないことが理解されるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際公開第01/70234号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6358935号明細書
【特許文献3】米国特許第6723353号明細書
【特許文献4】国際公開第2005/082416号パンフレット
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】S.Gould et al.,Food and Chemical Technology,43,1451−1459,2005
【非特許文献2】Loftsson et al.,Drug Development and Industrial Pharmacy,18(13),1477−1484,1992
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
薬学的組成物は、不活性な環境中(例えばバイアル内の窒素ブランケット下)に長期間貯蔵およびシールされ得るが、シールが分解され、そして組成物が外部環境に曝されると直ぐに、微生物および他の病原体が導入される虞があり、これにより組成物の医薬としてのさらなる使用が不適切となり得る。
【0019】
薬学的組成物は保存料が存在しない滅菌環境下で貯蔵され得るが、組成物を入れたコンテナをブローチする(broaching)と直ぐに、微生物の任意の偶然の導入により、内容物のさらなる使用が不適切であるとみなされ得る。従って、特に医薬が大容量で貯蔵される場合、医薬内容物を有効に保存することが重要である。大容量の非保存薬学的組成物を入れたコンテナがブローチされると、保存料がなければ、大部分の内容物が無駄になることを意味しているといえる。
【0020】
保存料が、細菌、酵母および糸状菌を殺すために、医薬溶液中に導入されてよい。複数回のアリコートが、多用量の医薬を入れたコンテナから取り出される場合、細菌、酵母および糸状菌は偶然に導入され得る。不運にも、加えた保存料が組成物内で他の成分と悪い方向に相互作用すると、医薬成分は有効性が低下、もしくは完全に欠如し、および/または組成物の保存効果の低下が示されるという問題が生じ得る。これは、保存料およびシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含有する薬学的組成物において見られ得る。
【0021】
欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針に従い、カテゴリー1(注射可能な)生成物の基準を満たす注射可能な薬学的組成物を提供しようと試みて、本発明者らは、注射可能な組成物を生産させ、かつ使用させる新たな技術であって、少なくとも1つの保存料、および少なくとも1つの共溶媒の存在下で、薬剤有効性または保存効果を損なうことなく、疎水性薬剤が、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体分子との包接複合体の形成によって、水中に可溶化する技術を確立した。
【0022】
本発明は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤と組み合わせて保存料を用いる場合に直面する問題、すなわち、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体中心キャビティを占めるための、保存料と疎水性薬剤との競合を対象とするものである。
【0023】
複数の疎水性薬剤が本発明の薬学的組成物中に存在する場合、各疎水性薬剤は、少なくとも1つの共溶媒が加えられる場合、少なくとも1つの保存料の存在下であってさえ、組成物中に存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
一態様において、本発明は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物であって:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含む注射可能な薬学的組成物を提供する。
【0025】
本明細書を通して、句「1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体」は、薬学的組成物が1つ以上の疎水性薬剤を含んでよく、各疎水性薬剤は、組成物中に存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成することができることを意味する。従って、本発明は、1つの疎水性薬剤のみが本発明の組成物中に含まれる場合、1種類の水溶性複合体を、または複数の疎水性薬剤が本発明の組成物中に含まれる場合、複数種類の水溶性複合体を含む薬学的組成物を提供する。
【0026】
好ましい実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、ブローチされたバイアルの抗微生物効力が最小で7日、好ましくはブローチされたバイアルの抗微生物効力が28日以上である。
【0027】
一実施形態において、1つの疎水性薬剤が、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物中に存在し、疎水性薬剤は、組成物中に存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成することができる。
【0028】
一実施形態において、複数の疎水性薬剤が、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物中に存在し、各疎水性薬剤は、組成物中に存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成することができる。
【0029】
一実施形態において、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物は、少なくとも1つの疎水性薬剤を含み、各疎水性薬剤は、組成物中に存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成することができ、さらに少なくとも1つの親水性薬剤を含む。
【0030】
本発明は注射可能な薬学的組成物を産生し、適切なシールコンテナ内に貯蔵された組成物は、一旦コンテナがブローチされて室温で貯蔵されると、少なくとも7日、好ましくは28日以上の長期間、注射を介した送達について機能が効果的なままであり、そして疎水性薬剤に有害な影響は見られない。
【0031】
本発明は、単一用量または多用量用の容量で適切なコンテナ内に貯蔵される場合、コンテナが少なくとも7日間、好ましくは28日間以上ブローチされると、有効に保存される薬学的組成物を提供する。また、薬学的組成物は、ブローチング後であっても室温で貯蔵され得、そして本発明はこれを除外するように限定されるものではないが、冷蔵環境を必要としない。
【0032】
薬学的組成物を室温で貯蔵できることは有利である。通常、低温下で貯蔵された注射可能な組成物を投与する個人(例えば獣医)は、注射時に起こり得る患者に対する不快感を回避するために、そして注射を容易にするために(すなわち粘度)、薬剤の投与前に注射可能な組成物が室温に温まるのを待つこととなる。ブローチされたバイアルを室温で貯蔵できることは、使用され得る前に組成物が温まるのを待つ必要を回避できるので、この個人にとってかなり便利である。
【0033】
本発明は、薬学的組成物内への少なくとも1つの共溶媒の導入によって、保存料が、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤から構成される水溶性複合体から疎水性薬剤を追い出す問題を対象とするものである。共溶媒の使用により、少なくとも1つの保存料が、水溶性複合体中に存在する疎水性薬剤および保存料の双方に関して如何なる有害な影響も発生することなく存在し得る、すなわち、薬学的組成物は所望の治療効果を保持し、そして組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う。
【0034】
疎水性薬剤とシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体との結合は、可逆的である。従って、本発明は、注射を介して送達されることで、疎水性薬剤が、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体分子から追い出されて、所望の治療をもたらすことができ、ならびに/または必要とされる薬理学的反応および/もしくは生理学的結果を誘導することができる薬学的組成物を提供する。
【0035】
ブローチング後に組成物の機能が効果的なままでなければならない、すなわち、薬学的組成物が有効に保存され、そして複合型疎水性薬剤が、または、複数の疎水性薬剤が存在する場合には複数の複合型疎水性薬剤が、注射を介して送達されると、必要とされる薬理学的および生理学的反応を誘導することができる最小の期間限界は、7日である。好ましくは、当該期間は28日以上である。
【0036】
本発明により、注射可能な薬学的組成物は、医薬の単一用量について十分な組成物が入った、適切にサイズ設定されたコンテナ内に貯蔵され得、組成物は、コンテナがブローチされた場合、少なくとも7日間、好ましくは28日間以上、有効に保存される。また、本発明により、注射可能な薬学的組成物は、医薬の多用量について十分な組成物が入った、適切にサイズ設定されたコンテナ内に貯蔵され得、組成物は、コンテナがブローチされた場合、少なくとも7日間、好ましくは28日間以上、有効に保存される。組成物の多用量またはアリコートが、少なくとも7日間、好ましくは28日間以上にわたって、保存料または疎水性薬剤に何ら有害な影響が及ぶことなくコンテナから取り出され得る、すなわち、組成物は、少なくとも7日間、好ましくは28日間以上有効に保存される。
【0037】
別の態様において、本発明は、注射可能な薬学的組成物を生産する方法であって、注射可能な薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い:
−第1組成物を:
a)シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体またはこれらの混合物を水中に溶解することと;
b)1つ以上の疎水性薬剤を溶液へ加えることと;
c)任意で、さらに水を導入して、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および1つ以上の疎水性薬剤を完全に溶解することと;
d)任意でバッファー塩を加えることと;
e)任意でpHを調整することと;
によって調製することと、
−第2組成物を:
少なくとも1つの保存料を1つ以上の共溶媒中に溶解すること;
によって調製することと、
−注射可能な薬学的組成物を:
a)第1組成物および第2組成物を組み合わせることと;
b)任意で、さらに水を加えて、組み合わせた組成物を、必要とされる容量にまで嵩増しすることと;
c)組み合わせた組成物を滅菌することと
によって形成することと
を含む方法を提供する。
【0038】
好ましい実施形態において、注射可能な薬学的組成物を生産する方法は、ブローチされたバイアルの抗微生物効力が最小で7日、好ましくはブローチされたバイアルの抗微生物効力が28日以上である注射可能な薬学的組成物を与える。
【0039】
別の実施形態において、薬学的組成物を生産する方法はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含み、少なくとも1つの親水性薬剤は、第1組成物、第2組成物の製造中に、または注射可能な薬学的組成物の形成中に加えられる。
【0040】
一実施形態において、第1組成物を調製する場合、pHは、酸性水溶液の添加によって調整される。別の実施形態において、酸性水溶液は塩酸である。
【0041】
別の実施形態において、第1組成物を調製する際、pHは、塩基性水溶液の添加によって調整される。別の実施形態において、塩基性水溶液は水酸化ナトリウムである。
【0042】
別の実施形態において、1つ以上のさらなる保存料が、注射可能な薬学的組成物中に組み込まれる。任意のさらなる保存料が、任意でバッファー塩と共に、第1組成物中に加えられてよい。
【0043】
さらに別の実施形態において、1つ以上のさらなる共溶媒が、注射可能な薬学的組成物中に含まれてよい。任意のさらなる共溶媒が、第1組成物における任意のpH調整の後、そして第1組成物および第2組成物の混合の前に加えられて、注射可能な薬学的組成物を形成してよい。
【0044】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、湿熱滅菌(滅菌オートクレーブが挙げられる)によって、濾過を介した無菌滅菌によって、または放射線滅菌によって滅菌されてよい。
【0045】
別の態様において、本発明は、注射可能な薬学的組成物を保存する方法であって、薬学的組成物は:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
少なくとも1つの保存料と、少なくとも1つの共溶媒とを有効な量で組成物中に含むことによって、注射可能な薬学的組成物を保存する方法を提供する。
【0046】
好ましい実施形態において、注射可能な薬学的組成物を保存する方法は、ブローチされたバイアルの抗微生物効力が最小で7日、好ましくは28日以上である注射可能な薬学的組成物を提供する。
【0047】
注射可能な薬学的組成物中の少なくとも1つの保存料および少なくとも1つの共溶媒の有効な量とは、少なくとも1つの保存料および少なくとも1つの共溶媒が、注射可能な薬学的組成物の、ブローチされたバイアルの抗微生物効力を最小で7日、好ましくは28日以上とするのに十分な濃度であることを意味する。
【0048】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物を保存する方法は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物を提供する。
【0049】
薬学的組成物を保存する方法の別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、1つの疎水性薬剤を含む。
【0050】
薬学的組成物を保存する方法の別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、複数の疎水性薬剤を含む。
【0051】
薬学的組成物を保存する方法のさらに別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、少なくとも1つの疎水性薬剤を含み、さらに少なくとも1つの親水性薬剤を含む。
【0052】
別の態様において、本発明は、注射可能な薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用を提供し、薬学的組成物は:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つの保存料とを組成物中に導入することによって、注射可能な薬学的組成物を保存する。
【0053】
好ましい実施形態において、注射可能な薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用は、ブローチされたバイアルの抗微生物効力が最小で7日、好ましくはブローチされたバイアルの抗微生物効力が28日以上である注射可能な薬学的組成物を提供する。
【0054】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物を提供する。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される注射可能な薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用を提供し、注射可能な薬学的組成物は、1つの疎水性薬剤を含む。
【0056】
別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される注射可能な薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用を提供し、注射可能な薬学的組成物は、複数の疎水性薬剤を含む。
【0057】
別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される注射可能な薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用を提供し、注射可能な薬学的組成物は、少なくとも1つの疎水性薬剤を含み、さらに少なくとも1つの親水性薬剤を含む。
【0058】
別の態様において、本発明は、動物を治療するための、本発明の注射可能な薬学的組成物を提供する。一実施形態において、治療は:動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである。
【0059】
本明細書中で、用語「動物」は:温血動物(哺乳類(イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジおよびウマを含むが、これらに限定されない)が挙げられる)、爬虫類、魚類および両生類を含む。
【0060】
別の態様において、本発明は、ヒトを治療するための、本発明の注射可能な薬学的組成物を提供する。一実施形態において、治療は、ヒトを麻酔する目的のためである。
【0061】
別の態様において、本発明は、動物を治療する方法であって、動物に本発明の注射可能な薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、治療は:動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである。
【0062】
別の態様において、本発明は、ヒトを治療する方法であって、ヒトに本発明の注射可能な薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。一実施形態において、治療は、ヒトを麻酔する目的のためである。
【0063】
別の態様において、本発明は、動物の治療用の医薬の調製時における、本発明の注射可能な薬学的組成物の使用を提供する。一実施形態において、治療は:動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである。
【0064】
本発明はまた、ヒトの治療用の医薬の調製時における、本発明の注射可能な薬学的組成物の使用を提供する。一実施形態において、治療は、ヒトを麻酔する目的のためである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】血漿におけるアルファキサロンの濃度(mg/L)対、イヌ(1時点あたりn=12)に対するAlfaxan(登録商標)または製剤W(表1)のIV投与後の時間を開示する図である。
図2】血漿におけるアルファキサロンの濃度(mg/L)対、ネコ(1時点あたりn=12)に対するAlfaxan(登録商標)または製剤W(表1)のIV投与後の時間を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
バッファー
好ましい実施形態において、本発明は、注射可能な薬学的組成物中で疎水性薬剤を安定化させるのに有効なバッファーを含んでよく、そしてpHを約4.0から約9.0の範囲としてよい。
【0067】
別の実施形態において、バッファーは、存在する場合:リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーを含む群から選択されてよい。
【0068】
別の実施形態において、バッファーは、存在する場合、リン酸系である。
【0069】
別の実施形態において、バッファーは、存在する場合、酸性リン酸系である。
【0070】
さらに別の実施形態において、バッファーは、存在する場合、クエン酸系である。
【0071】
さらに別の実施形態において、バッファーは、存在する場合、リン酸およびクエン酸系バッファーの組合せである。
【0072】
保存料
本発明において、少なくとも1つの保存料が、注射可能な薬学的組成物中に存在する。
【0073】
一般的に遭遇する汚染物質を殺すか、その増殖を妨げることができるいくつかの保存料が利用可能である;これらの汚染物質として:細菌として緑膿菌(P.aeruginosa)、大腸菌(E.coli)および黄色ブドウ球菌(S.aureus);酵母としてC.albicans;および糸状菌としてA.brasiliensisが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
少なくとも1つの保存料が存在することで、注射可能な薬学的組成物は、一旦組成物が入ったコンテナがブローチされると、少なくとも7日間、好ましくは28日間以上にわたって用いられ得る。注射可能な薬学的組成物は、ブローチされたバイアルの抗微生物効力が最小で7日、好ましくはブローチされたバイアルの抗微生物効力が28日以上である。ブローチング後に保存料が有効に存在する最小の持続期間であり、そして薬学的組成物がこの期間を越えての使用および/または治療に対して効果的に機能し得るのが7日である。好ましくは、この期間は28日以上である。
【0075】
組成物が、少なくとも1つの共溶媒および1つ以上の水溶性複合体から構成され、各複合体が、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、および疎水性薬剤から構成される場合、薬学的組成物内へ保存料を組み込んでも、疎水性薬剤の溶解性は損なわれず、そして最終組成物はなお、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う試験方法を通過することができる。そして任意で、疎水性薬剤を安定化させ、かつ組成物中のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーが存在しても、保存料が、組成物に適用される必要な保存試験を通過することを妨げない。
【0076】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの保存料が薬学的組成物中に存在し:m−クレゾール、クロロクレゾール、パラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンが挙げられるがこれらに限定されない)、これらの誘導体および塩、クロロブタノール、第四級アンモニウム化合物、この誘導体および塩(塩化ベンゼトニウムおよび塩化ベンザルコニウムが挙げられる)、ホウ酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物を含む群から選択されてよいが、これらに限定されるものではない。
【0077】
保存料は、所望の保存特性をもたらすのに有効であり、かつ最終組成物が、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い得る量で存在する。
【0078】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はm−クレゾールを含み、m−クレゾールは、約0.1から約1w/v%の範囲、好ましくは約0.1から約0.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.1から約0.2w/v%の範囲の量で存在する。
【0079】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はクロロクレゾールを含み、クロロクレゾールは、約0.1から約1w/v%の範囲、好ましくは約0.1から約0.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.1から約0.2w/v%の範囲の量で存在する。
【0080】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンまたはブチルパラベンを含み、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンまたはブチルパラベンは、約0.005から約1w/v%の範囲、好ましくは約0.01から約0.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.01から約0.2w/v%の範囲の量で存在する。
【0081】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はクロロブタノールを含み、クロロブタノールは、約0.05から約1w/v%の範囲、好ましくは約0.05から約0.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.1から約0.5w/v%の範囲の量で存在する。
【0082】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は塩化ベンゼトニウムを含み、塩化ベンゼトニウムは、約0.005から約1w/v%の範囲、好ましくは約0.005から約0.1w/v%の範囲、最も好ましくは約0.005から約0.05w/v%の範囲の量で存在する。
【0083】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は塩化ベンザルコニウムを含み、塩化ベンザルコニウムは、約0.001から約1w/v%の範囲、好ましくは約0.001から約0.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.001から約0.05w/v%の範囲の量で存在する。
【0084】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はホウ酸を含み、ホウ酸は、約0.25から約5w/v%の範囲、好ましくは約0.25から約2w/v%の範囲、最も好ましくは約0.25から約1w/v%の範囲の量で存在する。
【0085】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はベンジルアルコールを含み、ベンジルアルコールは、約0.1から約5w/v%の範囲、好ましくは約0.1から約2w/v%の範囲、最も好ましくは約0.1から約1w/v%の範囲の量で存在する。
【0086】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は塩化セチルピリジニウムを含み、塩化セチルピリジニウムは、約0.0001から約0.5w/v%の範囲、好ましくは約0.0001から約0.01w/v%の範囲、最も好ましくは約0.0001から約0.01w/v%の範囲の量で存在する。
【0087】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はセトリミドを含み、セトリミドは、約0.001から約1.0w/v%の範囲、好ましくは約0.001から約0.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.001から約0.01w/v%の範囲の量で存在する。
【0088】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はフェノールを含み、フェノールは、約0.05から約1w/v%の範囲、好ましくは約0.05から約0.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.05から約0.1w/v%の範囲の量で存在する。
【0089】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はフェニルエタノールを含み、フェニルエタノールは、約0.1から約2w/v%の範囲、好ましくは約0.1から約1.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.1から約1.0w/v%の範囲の量で存在する。
【0090】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はフェノキシエタノールを含み、フェノキシエタノールは、約0.1から約2w/v%の範囲、好ましくは約0.1から約1.5w/v%の範囲、最も好ましくは約0.1から約1.0w/v%の範囲の量で存在する。
【0091】
さらに別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、本明細書中に開示される任意の記載の保存料の混合物から構成され、各保存料は、本明細書中に開示されるような範囲に述べられた量で存在する。
【0092】
溶媒
本発明において、溶媒は水である。好ましい実施形態において、水は、医薬的に精製された品質の水である。別の好ましい実施形態において、薬学的組成物は、本発明の組成物を所望のドーズ量で生産するのに十分な水を含有する。
【0093】
共溶媒
本発明は、少なくとも1つの共溶媒を注射可能な薬学的組成物中に組み込んでいる。
【0094】
好ましい実施形態において、共溶媒は、水と混和性である。
【0095】
本発明は、少なくとも1つの共溶媒を、注射可能な薬学的組成物中に存在させることで、疎水性薬剤が、少なくとも1つの保存料の存在下で、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の疎水性キャビティ内に残存し得る。
【0096】
複数の疎水性薬剤が注射可能な薬学的組成物中に存在する場合、少なくとも1つの共溶媒が存在することは、各疎水性薬剤が、少なくとも1つの保存料の存在下でシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の疎水性キャビティ内に残存することができることを意味する。
【0097】
好ましい実施形態において、共溶媒は:エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、グリセロールホルマール、テトラグリコール、ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物を含む群から選択されてよいが、これらに限定されるものではない。
【0098】
共溶媒は、存在する保存料が、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う試験方法を満たすことを阻止しない医薬的に許容可能な量で、組成物中に存在する。
【0099】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はエタノールを含み、エタノールは、約1から約30w/v%の範囲、好ましくは約1から約25w/v%の範囲、最も好ましくは約1から約20w/v%の範囲の量で存在する。
【0100】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はグリセリンを含み、グリセリンは、約1から約30w/v%の範囲、好ましくは約1から約25w/v%の範囲、最も好ましくは約1から約20w/v%の範囲の量で存在する。
【0101】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はプロピレングリコールを含み、プロピレングリコールは、約1から約30w/v%の範囲、好ましくは約1から約25w/v%の範囲、最も好ましくは約1から約20w/v%の範囲の量で存在する。
【0102】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はイソプロピルアルコールを含み、イソプロピルアルコールは、約1から約30w/v%の範囲、好ましくは約1から約25w/v%の範囲、最も好ましくは約1から約20w/v%の範囲の量で存在する。
【0103】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はグリセロールホルマールを含み、グリセロールホルマールは、約1から約30w/v%の範囲、好ましくは約1から約25w/v%の範囲、最も好ましくは約1から約20w/v%の範囲の量で存在する。
【0104】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はテトラグリコールを含み、テトラグリコールは、約1から約30w/v%の範囲、好ましくは約1から約25w/v%の範囲、最も好ましくは約1から約20w/v%の範囲の量で存在する。
【0105】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物はポリエチレングリコールを含み、ポリエチレングリコールは、約1から約30w/v%の範囲、好ましくは約1から約25w/v%の範囲、最も好ましくは約1から約20w/v%の範囲の量で存在する。
【0106】
さらに別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、本明細書中に開示される任意の記載の共溶媒の混合物から構成され、各共溶媒は、先の範囲に述べられた量で存在する。
【0107】
シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体
本発明は、1つ以上の水溶性複合体を含む注射可能な薬学的組成物を提供し、各複合体は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体、および疎水性薬剤を含む。
【0108】
シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、水溶性複合体の形成によって疎水性薬剤の水溶解性を高めるために選択される。
【0109】
疎水性薬剤およびシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、ホストゲスト複合体を形成し、疎水性薬剤はゲストであり、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体はホストである。
【0110】
本発明は、1つ以上の疎水性薬剤が薬学的組成物中に存在することを可能とする。各疎水性薬剤は、薬学的組成物中に存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成することができる。
【0111】
好ましい実施形態において、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は:α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル置換シクロデキストリン、エチル置換シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル置換シクロデキストリン(2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられる)、アルキルエーテルシクロデキストリン、分枝シクロデキストリン、陽イオン性シクロデキストリン、第四級アンモニウムシクロデキストリン、陰イオン性シクロデキストリン、両性シクロデキストリン、スルホアルキルエーテルβ−シクロデキストリン、またはこれらの修飾型、およびこれらの混合物から構成される群から選択されてよいが、これらに限定されるものではない。
【0112】
具体的なシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、疎水性薬剤との水溶性複合体を形成するように選択され、これは、注射可能な薬学的組成物中で利用され得、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う。組成物はさらに、水、少なくとも1つの共溶媒、少なくとも1つの保存料、および任意で、疎水性薬剤を安定化させ、かつ組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーを含む。
【0113】
シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、複数の疎水性薬剤が存在する場合、疎水性薬剤と水溶性複合体を形成するように選択され、複合体は水中で安定しており、薬学的組成物が注射を介して送達されると、疎水性薬剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体分子から追い出されて、所望の薬理学的および生理学的反応をもたらす。
【0114】
好ましい実施形態において、水溶性複合体におけるシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体のキャビティへの疎水性薬剤の結合は可逆的であることから、疎水性薬剤は、水溶性複合体を組み込む組成物の注射後直ぐに、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体から追い出され得る。
【0115】
本発明において存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の量は、1つの疎水性薬剤を、または、複数の疎水性薬剤が存在する場合には複数の薬剤を可溶化するのに十分であり、安定した水溶性複合体を形成するように選択される。
【0116】
一実施形態において、シクロデキストリン誘導体は好ましくは、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。
【0117】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含み、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、約1から約50w/v%の範囲、好ましくは約1から約40w/v%の範囲、最も好ましくは約5から約25w/v%の範囲の量で存在する。
【0118】
さらに別の好ましい実施形態において、注射可能な薬学的組成物は2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含み、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン誘導体は、約1から約50w/v%の範囲、好ましくは約1から約40w/v%の範囲、最も好ましくは約5から約25w/v%の範囲の量で存在する。
【0119】
疎水性薬剤
本発明は、少なくとも7日間、好ましくは28日間以上の疎水性薬剤の可溶化および保存を実現するものであり、各薬剤は複合体内に含有され、各複合体はシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体を含み、これによって薬剤は、バイアルがブローチされると、少なくとも1つの保存料および少なくとも1つの共溶媒の存在下で、少なくとも7日間、好ましくは28日間以上、活性のあるままであり、かつ患者における意図される治療について機能が効果的なままである。
【0120】
本発明は、1つ以上の疎水性薬剤が薬学的組成物中に存在することを可能とする。各疎水性薬剤は、薬学的組成物中に存在するシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成することができる。
【0121】
本発明はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含んでよい。
【0122】
好ましい実施形態において、疎水性薬剤は、注射を介して送達され得るという点で選択される。
【0123】
疎水性薬剤は、適切に選択されたシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と組み合わされて水溶性複合体を形成し、薬学的組成物中に含まれ、当該薬学的組成物はさらに:水、少なくとも1つの保存料、少なくとも1つの共溶媒、および任意で、疎水性薬剤を安定化させ、かつ組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーを含み、組成物は注射を介して送達され得、薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う。
【0124】
疎水性薬剤は、ブローチング後、注射可能な薬学的組成物中に少なくとも7日間、好ましくは28日間以上保存され、そして医薬として単一用量または多用量に適した容量で貯蔵される。
【0125】
疎水性薬剤は、適切に選択されたシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と組み合わされて水溶性複合体を形成し、これが注射を介して送達されると、疎水性薬剤は、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体の中心キャビティから追い出されて、必要とされる生理学的および薬理学的反応を誘導する。
【0126】
疎水性薬剤は、少なくとも1つの共溶媒および少なくとも1つの保存料の存在下で、一旦適切なシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と複合体化されて水溶性複合体を形成すると安定し、共溶媒および保存料は、注射による送達に先立って適切に選択される。
【0127】
1つの好ましい実施形態において、疎水性薬剤は、以下から構成される群から選択されてよいが、これらに限定されるものではない:
・ステロイド、この誘導体および塩(アルファキサロン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、アルファドロン、アロプレグナノロン、アルファドロンアセテートが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・オキシカム(Oxicam)NSAID、この誘導体および塩(メロキシカム、ピロキシカムが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・プロピオン酸、この誘導体および塩(カルプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセンが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・フェノール、この誘導体および塩(プロポフォールが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・ベンゾイミダゾール、この誘導体および塩(アルベンダゾール、トリクラベンダゾールが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・ヘキサヒドロピラジン、この誘導体および塩(プラジカンテルが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・ベータ−ラクタム、この誘導体および塩(アンピシリン、ペニシリン、セフィキシムが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・スルホンアミド、この誘導体および塩、ならびにこれらのプロドラッグ。
・ピリジンおよびピリミジン、これらの誘導体および塩、ならびにこれらのプロドラッグ。
・オキサゾリドン、この誘導体および塩、ならびにこれらのプロドラッグ。
・アンサマイシン、この誘導体および塩、ならびにこれらのプロドラッグ。
・グリコペプチド、この誘導体および塩、ならびにこれらのプロドラッグ。
・ベンゾジアゼピン、この誘導体および塩(ジアゼパムが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・ホルモン、この誘導体および塩(エストラジオールが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・アミノ−アミド、この誘導体および塩(リドカインが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・バルビツレート、この誘導体および塩(チオペンタールが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・サリチレート、この誘導体および塩(アスピリンが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
・サリチルアニリド、この誘導体および塩(クロサンテルが挙げられる)、ならびにこれらのプロドラッグ。
【0128】
疎水性薬剤は、注射を介して送達される場合に、患者において必要とされる治療効果を誘導するのに十分な量で存在する。
【0129】
一実施形態において、疎水性薬剤は:温血動物(鳥類および哺乳類が挙げられる)、爬虫類、魚類および両生類を含む群からの動物を治療する場合に有効であるように、当業者によって適切に選択される。
【0130】
別の実施形態において、疎水性薬剤は:イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジおよびウマを含む群からの動物を治療する場合に有効であるように、当業者によって適切に選択される。
【0131】
一実施形態において、疎水性薬剤は、ヒトを治療する場合に有効であるように、当業者によって適切に選択される。
【0132】
一実施形態において、疎水性薬剤は、麻酔剤である。
【0133】
別の実施形態において、疎水性薬剤は:温血動物(鳥類および哺乳類が挙げられる)、爬虫類、魚類および両生類を含む動物用の麻酔剤である。
【0134】
別の実施形態において、疎水性薬剤は、ヒト用の麻酔剤である。
【0135】
別の実施形態において、1つの疎水性薬剤が注射可能な薬学的組成物中に存在し、1つの疎水性薬剤は、アルファキサロン、メロキシカム、プロポフォールまたはカルプロフェンから選択される。
【0136】
別の実施形態において、複数の疎水性薬剤が注射可能な薬学的組成物中に存在し、少なくとも1つの疎水性薬剤は、アルファキサロン、メロキシカム、プロポフォールまたはカルプロフェンから選択される。
【0137】
さらに別の実施形態において、疎水性薬剤はアルファキサロンであり、アルファキサロンは、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0138】
さらなる実施形態において、疎水性薬剤はプロポフォールであり、プロポフォールは、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0139】
別の実施形態において、疎水性薬剤はメロキシカムであり、メロキシカムは、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0140】
さらに別の実施形態において、疎水性薬剤はカルプロフェンであり、カルプロフェンは、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0141】
さらに別の実施形態において、本発明の組成物はさらに、本明細書中に記載される疎水性薬剤の溶解性を高める化合物を含んでよい。本発明の組成物中のメロキシカムの溶解性を高める化合物の例が、N−ビニルピロリドンポリマーを含む群から選択されてよいが、これに限定されるものではない。
【0142】
別の実施形態において、N−ビニルピロリドンポリマーは、分子式が(CNO)であり、式中、nは約20から約27000の範囲にあり、ポリマーの分子量は約2220g mol−1から約3108000g mol−1となる。
【0143】
さらなる実施形態において、N−ビニルピロリドンポリマーは、本発明の組成物中に存在する場合、約1w/v%から約20w/v%、好ましくは約1w/v%から約10w/v%、最も好ましくは約1w/v%から約5w/v%の濃度で含まれる。
【0144】
さらに別の実施形態において、本発明の組成物における、本明細書中に記載される疎水性薬剤の溶解性を高める化合物は、組成物の粘度を改変してもよい。
【0145】
親水性薬剤
本発明は、任意でさらに少なくとも1つの親水性薬剤を含む注射可能な薬学的組成物を提供する。
【0146】
一実施形態において、親水性薬剤は:オピオイド(トラマドールおよびこのM1代謝物、ブプレノルフィン、オピオイド様物質が挙げられるがこれらに限定されない)およびα−アドレナリンアゴニスト(メデトミジンが挙げられるがこれに限定されない)から構成される群から選択されてよいが、これらに限定されるものではない。
【0147】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はトラマドールおよびこのM1代謝物を含み、トラマドールおよびこのM1代謝物は、約1から約200mg/mLの範囲、好ましくは約10から約100mg/mLの範囲、最も好ましくは約25から約75mg/mLの範囲の量で存在する。
【0148】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はブプレノルフィンを含み、ブプレノルフィンは、約0.01から約5mg/mLの範囲、好ましくは約0.1から約1mg/mLの範囲、最も好ましくは約0.1から約0.5mg/mLの範囲の量で存在する。
【0149】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物はメデトミジンを含み、メデトミジンは、約0.01から約10mg/mLの範囲、好ましくは約0.05から約5mg/mLの範囲、最も好ましくは約0.1から約2mg/mLの範囲の量で存在する。
【0150】
一実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、本明細書中に記載される1つ以上の疎水性薬物を含み、さらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含み、1つ以上の疎水性薬物はそれぞれ、適切に選択されたシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成する。少なくとも1つの親水性薬剤は、本明細書中に記載されるように、必要とされる薬理学的および生理学的反応を誘導するのに十分な量で存在する。
【0151】
別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、1つ以上の疎水性薬物を含み、少なくとも1つの疎水性薬剤は、アルファキサロン、メロキシカム、プロポフォールまたはカルプロフェンから選択され、さらに、本明細書中に記載される少なくとも1つの親水性薬剤を含み、1つ以上の疎水性薬物はそれぞれ、適切に選択されたシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体と水溶性複合体を形成する。少なくとも1つの親水性薬剤は、必要とされる薬理学的および生理学的反応を誘導するのに十分な量で存在する。
【0152】
さらに別の実施形態において、注射可能な薬学的組成物は、鎮痛性注射用の組合せを可能とし、本明細書中に記載されるオキシカムNSAIDならびにオピオイドおよび/またはオピオイド様物質を含む。
【0153】
一実施形態において、親水性薬剤は:温血動物(鳥類および哺乳類が挙げられる)、爬虫類、魚類および両生類を含む群からの動物を治療する場合に有効であるように、当業者によって適切に選択される。
【0154】
別の実施形態において、親水性薬剤は:イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジおよびウマを含む群からの動物を治療する場合に有効であるように、当業者によって適切に選択される。
【0155】
さらに別の実施形態において、親水性薬剤は、ヒトを治療する場合に有効であるように、当業者によって適切に選択される。
【0156】
等張剤
本明細書中に開示される本発明の注射可能な薬学的組成物はさらに、等張剤を含んでよい。等張剤の例として、塩化ナトリウムおよびデキストロースが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0157】
一実施形態において、等張剤は、塩化ナトリウムまたはデキストロースであり、塩化ナトリウムまたはデキストロースは、本発明の組成物を、治療される対象の血液と等張にする量で、組成物中に存在する。
【0158】
別の実施形態において、等張剤は塩化ナトリウムであり、塩化ナトリウムは、約0.9w/v%の量で存在する。
【0159】
別の実施形態において、等張剤はデキストロースであり、デキストロースは、約5w/v%の量で存在する。
【0160】
安定性
注射可能な組成物の安定性は、非常に重要である。一般論として、本明細書中に記載される組成物は、30℃未満で貯蔵した場合に少なくとも3ケ月間、好ましくは30℃未満で貯蔵した場合に少なくとも6ケ月間、より好ましくは30℃未満で貯蔵した場合に少なくとも1年間、最も好ましくは30℃未満で貯蔵した場合に少なくとも3年間、物理的および化学的に安定しているであろう。
【0161】
例示的な実施形態
A.欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物であり、以下を含む:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーとである。
【0162】
B.例示的な実施形態Aに従う注射可能な薬学的組成物であり、少なくとも1つの疎水性薬剤は:アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンを含む群から選択される。
【0163】
C.例示的な実施形態Bに従う注射可能な薬学的組成物であり:
−アルファキサロンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−プロポフォールが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−メロキシカムが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−カルプロフェンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0164】
D.例示的な実施形態AからCの何れか1つに従う注射可能な薬学的組成物であり、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は:α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル置換シクロデキストリン、エチル置換シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられるヒドロキシアルキル置換シクロデキストリン、アルキルエーテルシクロデキストリン、分枝シクロデキストリン、陽イオン性シクロデキストリン、第四級アンモニウムシクロデキストリン、陰イオン性シクロデキストリン、両性シクロデキストリン、スルホアルキルエーテルβ−シクロデキストリン、またはこれらの修飾型、およびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0165】
E.例示的な実施形態AからDの何れか1つに従う注射可能な薬学的組成物であり、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。
【0166】
F.例示的な実施形態AからEの何れか1つに従う注射可能な薬学的組成物であり、少なくとも1つの保存料は:m−クレゾール、クロロクレゾール、パラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、またはブチルパラベンが挙げられるがこれらに限定されない)、これらの誘導体および塩、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウムおよび塩化ベンザルコニウム、ホウ酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物を含む群から選択される。
【0167】
G.例示的な実施形態AからFの何れか1つに従う注射可能な薬学的組成物であり、少なくとも1つの共溶媒は:エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、グリセロールホルマール、テトラグリコールおよびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0168】
H.例示的な実施形態AからGの何れか1つに従う注射可能な薬学的組成物であり、バッファーは、疎水性薬剤を安定化させ、かつ組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり:リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーを含むバッファーの群から選択される。
【0169】
I.例示的な実施形態AからHの何れか1つに従う注射可能な薬学的組成物であり、組成物はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含む。
【0170】
J.欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物を生産する方法であり、以下のことを含む:
−第1組成物を:
a)シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体またはこれらの混合物を水中に溶解することと;
b)1つ以上の疎水性薬剤を溶液へ加えることと;
c)任意で、さらに水を導入して、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および1つ以上の疎水性薬剤を完全に溶解することと;
d)任意でバッファー塩を加えることと;
e)任意でpHを調整することと;
によって調製することと、
−第2組成物を:
少なくとも1つの保存料を1つ以上の共溶媒中に溶解すること;
によって調製することと、
−注射可能な薬学的組成物を:
a)第1組成物および第2組成物を組み合わせることと;
b)任意で、さらに水を加えて、組み合わせた組成物を、必要とされる容量にまで嵩増しすることと;
c)組み合わせた組成物を滅菌することと
によって形成することとである。
【0171】
K.例示的な実施形態Jに従う方法であり、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は:α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル置換シクロデキストリン、エチル置換シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられるヒドロキシアルキル置換シクロデキストリン、アルキルエーテルシクロデキストリン、分枝シクロデキストリン、陽イオン性シクロデキストリン、第四級アンモニウムシクロデキストリン、陰イオン性シクロデキストリン、両性シクロデキストリン、スルホアルキルエーテルβ−シクロデキストリン、またはこれらの修飾型、およびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0172】
L.例示的な実施形態JまたはKに従う方法であり、少なくとも1つの疎水性薬剤は:アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンを含む群から選択される。
【0173】
M.例示的な実施形態JからLの何れか1つに従う方法であり:
−アルファキサロンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−プロポフォールが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−メロキシカムが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−カルプロフェンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0174】
N.例示的な実施形態JからMの何れか1つに従う方法であり、少なくとも1つの保存料は:m−クレゾール、クロロクレゾール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンが挙げられるがこれらに限定されないパラベン、これらの誘導体および塩、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウムおよび塩化ベンザルコニウムが挙げられる、第四級アンモニウム化合物、この誘導体および塩、ホウ酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物を含む群から選択される。
【0175】
O.例示的な実施形態JからNの何れか1つに従う方法であり、1つ以上の共溶媒は:エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、グリセロールホルマール、テトラグリコールおよびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0176】
P.例示的な実施形態JからOの何れか1つに従う方法であり、バッファーは、疎水性薬剤を安定化させ、かつ第1組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり:リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーを含むバッファーの群から選択される。
【0177】
Q.例示的な実施形態JからPの何れか1つに従う方法であり、注射可能な薬学的組成物は、オートクレーブによって滅菌される。
【0178】
R.例示的な実施形態JからQの何れか1つに従う方法であり、薬学的組成物はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含み、少なくとも1つの親水性薬剤は、第1組成物、第2組成物を製造する際に、または注射可能な薬学的組成物を形成する際に加えられる。
【0179】
S.注射可能な薬学的組成物を保存する方法であり、薬学的組成物は:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
少なくとも1つの保存料と、少なくとも1つの共溶媒とを有効な量で組成物中に含むことによって、注射可能な薬学的組成物を保存する。
【0180】
T.例示的な実施形態Sに従う方法であり、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は:α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル置換シクロデキストリン、エチル置換シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられるヒドロキシアルキル置換シクロデキストリン、アルキルエーテルシクロデキストリン、分枝シクロデキストリン、陽イオン性シクロデキストリン、第四級アンモニウムシクロデキストリン、陰イオン性シクロデキストリン、両性シクロデキストリン、スルホアルキルエーテルβ−シクロデキストリン、またはこれらの修飾型、およびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0181】
U.例示的な実施形態SまたはTに従う方法であり、少なくとも1つの疎水性薬剤は:アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンを含む群から選択される。
【0182】
V.例示的な実施形態SからUの何れか1つに従う方法であり:
−アルファキサロンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−プロポフォールが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−メロキシカムが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−カルプロフェンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0183】
W.例示的な実施形態SからVの何れか1つに従う方法であり、少なくとも1つの保存料は:m−クレゾール、クロロクレゾール、パラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、またはブチルパラベンが挙げられるがこれらに限定されない)、これらの誘導体および塩、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウムおよび塩化ベンザルコニウムが挙げられる、第四級アンモニウム化合物、この誘導体および塩、ホウ酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物を含む群から選択される。
【0184】
X.例示的な実施形態SからWの何れか1つに従う方法であり、少なくとも1つの共溶媒は:エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、グリセロールホルマール、テトラグリコールおよびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0185】
Y.例示的な実施形態SからXの何れか1つに従う方法であり、バッファーは、疎水性薬剤を安定化させ、かつ第1組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり:リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーを含むバッファーの群から選択される。
【0186】
Z.例示的な実施形態SからYの何れか1つに従う方法であり、注射可能な薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う。
【0187】
AA.例示的な実施形態SからZの何れか1つに従う方法であり、薬学的組成物はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含む。
【0188】
AB.注射可能な薬学的組成物を保存するための、少なくとも1つの共溶媒、および少なくとも1つの保存料の使用であり、薬学的組成物は:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つの保存料とを組成物中に導入することによって、注射可能な薬学的組成物を保存する。
【0189】
AC.例示的な実施形態ABに従う使用であり、シクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体は:α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、メチル置換シクロデキストリン、エチル置換シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられるヒドロキシアルキル置換シクロデキストリン、アルキルエーテルシクロデキストリン、分枝シクロデキストリン、陽イオン性シクロデキストリン、第四級アンモニウムシクロデキストリン、陰イオン性シクロデキストリン、両性シクロデキストリン、スルホアルキルエーテルβ−シクロデキストリン、またはこれらの修飾型、およびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0190】
AD.例示的な実施形態ABまたはACに従う使用であり、少なくとも1つの疎水性薬剤は:アルファキサロン、プロポフォール、メロキシカムおよびカルプロフェンを含む群から選択される。
【0191】
AE.例示的な実施形態ABからADの何れか1つに従う使用であり:
−アルファキサロンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−プロポフォールが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−メロキシカムが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在し;および/または
−カルプロフェンが、約1から約100mg/mL、より好ましくは約1から約75mg/mL、最も好ましくは約1から約50mg/mLの範囲の量で存在する。
【0192】
AF.例示的な実施形態ABからAEの何れか1つに従う使用であり、少なくとも1つの保存料は:m−クレゾール、クロロクレゾール、パラベン(メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、またはブチルパラベンが挙げられるがこれらに限定されない)、これらの誘導体および塩、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウムおよび塩化ベンザルコニウムが挙げられる、第四級アンモニウム化合物、この誘導体および塩、ホウ酸、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、セトリミド、フェノール、フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ならびにこれらの混合物を含む群から選択される。
【0193】
AG.例示的な実施形態ABからAFの何れか1つに従う使用であり、少なくとも1つの共溶媒は:エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロピルアルコール、グリセロールホルマール、テトラグリコールおよびこれらの混合物を含む群から選択される。
【0194】
AH.例示的な実施形態ABからAGの何れか1つに従う使用であり、バッファーは、疎水性薬剤を安定化させ、かつ第1組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効であり:リン酸系、酸性リン酸系、およびクエン酸系バッファーを含むバッファーの群から選択される。
【0195】
AI.例示的な実施形態ABからAHの何れか1つに従う使用であり、注射可能な薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う。
【0196】
AJ.例示的な実施形態ABからAIの何れか1つに従う使用であり、薬学的組成物はさらに、少なくとも1つの親水性薬剤を含む。
【0197】
AK.欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物であり:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
動物の治療用である。
【0198】
AL.例示的な実施形態AKに従う組成物であり、動物の治療は:動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである。
【0199】
AM.欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従う注射可能な薬学的組成物であり:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ヒトの治療用である。
【0200】
AN.例示的な実施形態AMに従う組成物であり、ヒトの治療は、ヒトを麻酔する目的のためである。
【0201】
AO.動物を治療する方法であり、動物に注射可能な薬学的組成物を投与することを含み、薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い、以下を含む:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーとである。
【0202】
AP.例示的な実施形態AOに従う方法であり、動物を治療する方法は:動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである。
【0203】
AQ.ヒトを治療する方法であり、ヒトに注射可能な薬学的組成物を投与することを含み、薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い、以下を含む:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーとである。
【0204】
AR.例示的な実施形態AQに従う方法であり、ヒトを治療する方法は、ヒトを麻酔する目的のためである。
【0205】
AS.注射可能な薬学的組成物の使用であって、薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
動物の治療用医薬の調製時における使用である。
【0206】
AT.例示的な実施形態ASに従う使用であり、動物の治療は:動物を麻酔する、疼痛を軽減する、または炎症を軽減する目的の少なくとも1つのためである。
【0207】
AU.注射可能な薬学的組成物の使用であって、薬学的組成物は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従い、少なくとも非経口投与薬に関するB基準を満たし、かつ米国薬局方が2011年に定めた、カテゴリー1(注射可能な)生成物に関する抗菌効力試験に関する指針に従い:
−水と、
−1つ以上の水溶性複合体であって、それぞれシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体および疎水性薬剤を含む水溶性複合体と、
−少なくとも1つの保存料と、
−少なくとも1つの共溶媒と、
−任意で、組成物のpHを約4.0から約9.0の範囲とするのに有効なバッファーと
を含み、
ヒトの治療用医薬の調製時における使用である。
【0208】
AV.例示的な実施形態AUに従う使用であり、ヒトの治療は、ヒトを麻酔する目的のためである。
【実施例】
【0209】
本発明の性質をよりよく理解するために、いくつかの例示的な実施例を記載する。
【0210】
本発明の範囲は、以下に挙げられる実施例に限定されない。実施例は単に、本発明の効力を説明するだけである。
【0211】
実施例1:アルファキサロンを含む本発明の組成物
アルファキサロンを含む薬学的組成物の合成
6つの異なる製剤:S、V、W、X、YおよびZを、表1に示す。6つの製剤は全てアルファキサロンを含むが、様々な量の種々の溶媒および保存料で構成されている。
【0212】
表1.本発明を例示する製剤の6つの実施例であり、アルファキサロンを疎水性薬剤として含む。
【0213】
【0214】
表1の製剤を、製剤Xに基づく以下の標準的な手順に従って調製した:
1.200mLのWFIを45℃から50℃に加熱した。混合しながら、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンをゆっくり加えた。全ての固体が完全に溶解するまで、溶液を混合した。
2.アルファキサロンを、ステップ1の溶液に加えた。溶液を透明になるまで混合した。
3.WFIを用いて溶液を400mLとした。
4.撹拌しながら、NaCl、NaHPOおよびKHPOを加えた。全ての塩が完全に溶解するまで、溶液を混合した。
5.溶液のpHをチェックし、10%HClおよび10%NaOHを必要に応じて用いてスペック(6.0から7.5)に調整した。
6.エタノールを別のコンテナに移した。撹拌しながら、クロロクレゾールをゆっくり加えた。全ての固体が完全に溶解するまで混合した。
7.ステップ6の溶液をバルク溶液へ移した。
8.WFIを用いて溶液を容量(1L)とし、よく混合した。
【0215】
塩化ベンゼトニウムを製剤中に組み込んだ場合、ステップ4にてバッファー塩と共に加える。
【0216】
グリセリンを製剤中に含ませた場合、pH調整(ステップ5)の後、そしてエタノール中へのクロロクレゾールの添加前に、加える。
【0217】
製剤X、YおよびZの安定性試験
121℃で20分間製剤をオートクレーブしてもアルファキサロン濃度は有意な減少を示さず、劣化生成物の増大は、国際公開第01/70234号パンフレット(特許文献1)における保存料なしのオートクレーブ後の増大に匹敵するものであった。
【0218】
−20℃および0℃での3ケ月間の形成物の貯蔵は、活性内容物にも防腐内容物にも有害な影響を示さなかった。製剤中の明らかな析出はなかった。
【0219】
25℃/60%の相対湿度(RH)、30℃/65%のRH、および40℃/75%のRHでの12ケ月間の製剤の貯蔵は、活性内容物にも防腐内容物にも有害な影響を及ぼさなかった。
【0220】
本発明者らは、共溶媒の不在下でクロロクレゾールを加えると、アルファキサロンおよび2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの水溶性複合体の溶液から、アルファキサロンの析出が生じることを見出した。類似の効果が、ベンジルアルコール、パラベン、フェノールおよびフェニルエタノールによって見られた。ベンジルアルコールによって実行した滴定では顕著な析出が起こることが示された(ベンジルアルコールの含有量を0.2w/v%から1w/v%(典型的な含有量)にまで上げた)。
【0221】
製剤X、Y、Z、VおよびSの保存研究
製剤X、YおよびZを、3つの微生物:緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(細菌、グラム陰性)、大腸菌(Escherichia coli)(細菌、グラム陰性)およびCandida albicans(酵母)に対して調査した。製剤SおよびVを、5つの微生物:緑膿菌(細菌、グラム陰性)、大腸菌(細菌、グラム陰性)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(細菌、グラム陽性)、Candida albicans(酵母)およびAspergillus brasiliensis(糸状菌)に対して調査した。欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準の、非経口投与薬に関するAおよびB基準、ならびに米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針の、カテゴリー1(注射可能な)生成物の基準を、表2に示す。これらの基準を考慮した製剤X、YおよびZの抗微生物性試験を、表3に示す。これらの基準を考慮した製剤SおよびVの抗微生物性試験を、表4に示す。
【0222】
表2.注射可能な組成物が、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準の、非経口投与薬に関するAおよびB基準、ならびに米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針の、カテゴリー1(注射可能な)生成物の基準を満たすのに必要とされる基準。
【0223】
a)数値は、初期の読取り/カウントに対して必要とされる最低限の対数低下に関する;b)NR=回復なし;c)NI=先の読取りと比較して、効果的に機能する微生物数の増加なし;d)NI=初期の読取りと比較して、効果的に機能する微生物数の増加なし;e)カテゴリー1基準(注射に適用可能);f)用語「糸状菌(Fungi)」は、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準において用いられており;句「酵母および糸状菌(Mold)」は、米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針に用いられている;
【0224】
表3.製剤X、YおよびZが緑膿菌、大腸菌およびC.albicansに及ぼす抗微生物性効果の評価。試験が、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従って、非経口投与薬に関するA基準、および米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針に従って、カテゴリー1(注射可能な)基準を満たす場合に、「(通過)」を示す。
【0225】
【0226】
表3の結果は、製剤X、YおよびZが、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準の非経口投与薬に関するA基準、および米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針のカテゴリー1(注射可能な)生成物の基準を、ならびに付随的に欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準の非経口投与薬生成物に関するB基準を満たすことを示している。服薬コンプライアンスは、製剤X、YおよびZについて、5つの微生物のうち、24時(緑膿菌および大腸菌)および7日(C.albicans)の3つのみを評価した。これは、製剤SおよびVについて、生成物の最初のブローチング後の28日間の保存寿命において、接種後6時から28日まで、必要な全ての微生物を用いて評価したものとは異なる。
【0227】
表4.製剤SおよびVが緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、C.albicansおよびA.brasiliensisに及ぼす抗微生物性効果の評価。試験が、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準に従って、非経口投与薬に関するA基準、および米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針に従って、カテゴリー1(注射可能な)基準を満たす場合に、「(通過)」を示す。
【0228】
接種後(EP−A)28日での微生物の回復なし(NR)
接種後(EP−A)7から28日までの微生物濃度の増大なし(NI)。
【0229】
表4の製剤SおよびVの保存有効性試験結果は、両製剤とも、接種後6および24時、ならびに7、14および28日の、微生物:緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、Candida albicansおよびAspergillus brasiliensisに対する、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準の非経口投与薬または眼病薬生成物に関するA基準の要件を満たすことを示している。それ故、製剤SおよびVはまた、米国薬局方が2011年に定めた抗菌効力試験に関する指針の、カテゴリー1(注射可能な)生成物の基準、および欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準の非経口投与薬に関するB基準を満たす。
【0230】
実施例2:メロキシカムを含む本発明の組成物
メロキシカムを含む薬学的組成物の合成
【0231】
表5.メロキシカムを含む本発明の例示的な組成物(製剤U)。
【0232】
【0233】
製剤Uを、以下の手順に従って調製した:
1.600mLのWFIをビーカーに移した。撹拌しながら塩化ナトリウムを加え、全ての固体が完全に溶解するまで溶液を混合した。
2.混合しながら、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびプラスドン(登録商標)K25(International Specialty Products Inc.(ISP)から入手可能)をゆっくり加えた。全ての固体が完全に溶解するまで溶液を混合した。
3.メロキシカムをステップ1の溶液に加えた。全ての固体が完全に懸濁するまで溶液を混合した。
4.溶液のpHを、必要に応じて水酸化ナトリウム溶液を用いて、12.0から12.5に調整した。澄明になるまで溶液を撹拌した。
5.澄明な溶液のpHを、塩酸溶液を用いて、8から9に調整した。
6.エタノールを別のコンテナに移した。撹拌しながら、クロロクレゾールをゆっくり加えた。全ての固体が完全に溶解するまで混合した。
7.ステップ6の溶液をバルク溶液へ移した。
8.WFIを用いて溶液を容量(1L)とし、よく混合した。
【0234】
安定性試験
製剤Uを30℃/65%RHで6ケ月間貯蔵しても、活性内容物にも防腐内容物にも有意な変化が示されない。
【0235】
保存研究
製剤Uの保存有効性試験により、接種後7、14および28日の微生物:緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、Candida albicansおよびAspergillus brasiliensisに対する、USPが2011年に定めた非経口投与薬または眼病薬生成物に関する抗微生物性の保存有効性に関する要件を満たすことが示された。
【0236】
表6.保存有効性試験−米国薬局方(2011年)非経口投与薬および眼病薬−製剤Ua)
【0237】
a)全ての結果を、1mlあたりのcfu(コロニー形成単位)として表す。
【0238】
実施例3:カルプロフェンを含む本発明の組成物
カルプロフェンを含む薬学的組成物の合成
表7は、1Lの製剤Tを製造するのに必要とされる成分を一覧にしている。
【0239】
表7.カルプロフェンを含む本発明の例示的な組成物(製剤T)。
【0240】
【0241】
製剤Tを、以下に従って調製した:
1.400mLのWFIをビーカーに移した。撹拌しながら2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンをゆっくり加え、全ての固体が完全に溶解するまで、溶液を50℃に加熱した。
2.水酸化ナトリウムを溶液に加えた。全ての固体が完全に溶解するまで溶液を混合した。
3.カルプロフェンをステップ2の溶液に加えた。全ての固体が完全に溶解するまで溶液を混合した。
4.溶液のpHを、塩酸溶液を用いて、7.5から8.0に調整した。
5.エタノールを別のコンテナに移した。撹拌しながら、クロロクレゾールをゆっくり加えた。全ての固体が完全に溶解するまで混合した。
6.室温に冷却した後、ステップ5の溶液をバルク溶液へ移した。
7.WFIを用いて溶液を容量(1L)とし、よく混合した。
【0242】
製剤Tの安定性試験
製剤Tを40℃/75%RHで6ケ月間貯蔵しても、活性内容物にも防腐内容物にも有意な変化が示されない。
【0243】
製剤Tの保存研究
製剤Tの保存有効性試験により、サンプリング時点0、6および24時、7および14日での5つのリファレンス微生物(緑膿菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌、C.albicansおよびA.brasiliensis)に対する、欧州薬局方が2011年に定めた抗菌性の維持の効果に関する基準のA基準、および米国薬局方が2011年に定めた指針の、非経口投与薬または眼病薬生成物に関する抗微生物性の保存有効性に関する要件を満たすことが示された。
【0244】
実施例4:動物研究
マウスにおける製剤Yの有効性および安全性:
JX9604.08−K012「マウスにおける、臨床的用量率でのJurox製剤RD0304およびAlfaxan(登録商標)の麻酔有効性および安全性の比較調査研究」。この研究の動物フェーズは2012年2月21日に完了した。研究メンバーを治療群に見えなくした。
【0245】
研究により、以下が実証された:
1.Alfaxan(登録商標)および製剤Y(RD0304)によるマウスの治療により、罹患も死亡も全くもたらされなかった。
2.試験物:製剤Yの麻酔有効性は、この研究の試験条件において、リファレンス物Alfaxan(登録商標)の麻酔有効性に匹敵した。
3.2つの製剤は十分に耐用性であり、麻酔の持続期間および質は匹敵した。
【0246】
イヌにおける製剤Wの安全性および有効性
JX9604.08−K013「イヌにおける、静脈麻酔誘導剤としてのAlfaxan(登録商標)プラス保存料対Alfaxan(登録商標)の、2mgアルファキサロン/kg体重の用量率での安全性および有効性の比較」。この研究の動物フェーズは2012年5月10日に完了した。研究メンバーを治療群に見えなくした。
【0247】
これは、12頭の混血イヌを伴う2−期間のクロスオーバー研究であった。結果の測定は、クリアランス中の経時的アルファキサロン濃度測定、麻酔の質および持続期間、ならびに生理学的変数(脈拍数、呼吸数、ヘモグロビン濃度の酸素飽和度、呼吸終期のCOおよび非侵襲的血圧等)からなった。
【0248】
研究結果により、以下が実証された:
1.Alfaxan(登録商標)および製剤W(RD0307)によるイヌの治療により、罹患も死亡も全くもたらされなかった。
2.経時的血漿アルファキサロン濃度データから作成した第2薬物動態(図1)から、生物学的等価性に関する2つの中心的パラメータ(すなわち曲線下面積[AUC]および最大血中濃度[Cmax])が類似していることが示された。
3.麻酔の質は、Alfaxan(登録商標)と製剤Wとで類似していた。
4.麻酔中に測定した生理学的変数は、Alfaxan(登録商標)および製剤Wの双方で臨床的に許容可能な限度の範囲内にとどまった。麻酔誘導、麻酔および回復時間もまた、双方の製剤間で匹敵した。
【0249】
図1は、血漿におけるアルファキサロンの濃度(mg/L)対、イヌ(1時点あたりn=12)に対するAlfaxanまたは製剤WのIV投与後の時間を開示している。
【0250】
ネコにおける製剤Wの安全性および有効性:
JX9604.08−K014「ネコにおける、静脈麻酔誘導剤としてのAlfaxan(登録商標)プラス保存料対Alfaxan(登録商標)の、5mgアルファキサロン/kg体重の用量率での安全性および有効性の比較」。この研究の動物フェーズは2012年6月27日に完了した。研究メンバーを治療群に見えなくした。
【0251】
これは、12頭の短毛の飼いネコを伴う2−期間のクロスオーバー研究であった。結果の測定は、クリアランス中の経時的アルファキサロン濃度測定、麻酔の質および持続期間、ならびに生理学的変数(脈拍数、呼吸数、ヘモグロビン濃度の酸素飽和度、呼吸終期のCOおよび非侵襲的血圧等)からなった。
【0252】
研究結果により、以下が実証された:
1.Alfaxan(登録商標)および製剤W(RD0307)によるネコの治療により、罹患も死亡も全くもたらされなかった。
2.経時的血漿アルファキサロン濃度データから作成した第2薬物動態(図2)から、生物学的等価性に関する2つの中心的パラメータ(すなわち曲線下面積[AUC]および最大血中濃度[Cmax])が類似していることが示された。
3.麻酔の質は、Alfaxan(登録商標)と製剤Wとで類似していた。
4.麻酔中に測定した生理学的変数は、Alfaxan(登録商標)および製剤Wの双方で臨床的に許容可能な限度の範囲内にとどまった。麻酔誘導、麻酔および回復時間もまた、双方の製剤間で匹敵した。
【0253】
図2は、血漿におけるアルファキサロンの濃度(mg/L)対、ネコ(1時点あたりn=12)に対するAlfaxanまたは製剤WのIV投与後の時間を開示している。
【0254】
多数の変形および/または修正が、広く記載した本発明の範囲から逸脱しない範囲で、特定の実施形態において示した本発明になされてよいことは、当業者によって理解されるであろう。従って、本実施形態は、あらゆる点において、例示的なものであって、制限的でないものとして考えられるべきである。
図1
図2