特許第5819103号(P5819103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5819103
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】衣類乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/28 20060101AFI20151029BHJP
   D06F 58/02 20060101ALI20151029BHJP
【FI】
   D06F58/28 A
   D06F58/02 F
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-123278(P2011-123278)
(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公開番号】特開2012-249740(P2012-249740A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2014年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(72)【発明者】
【氏名】加藤 康昭
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−094206(JP,A)
【文献】 特許第4602109(JP,B2)
【文献】 特開2008−188147(JP,A)
【文献】 実開昭62−070000(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 58/02
D06F 58/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる圧縮機と、前記圧縮機によって圧縮された冷媒
と空気とを熱交換させることによって空気を加熱させる凝縮器と、空気を加熱させた冷媒
の圧力を減圧する絞り部と、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を
冷却させる蒸発器と、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り部、および、前記蒸発器の順に
冷媒が循環するように、前記圧縮機と前記凝縮器と前記絞り部と前記蒸発器とを連結する
冷媒配管と、を含むヒートポンプと、
被乾燥対象物を収納し、前記凝縮器で加熱された空気が供給される乾燥室と、
前記乾燥室、前記蒸発器、前記凝縮器、および、前記乾燥室の順に空気が循環するよう
に、前記ヒートポンプと前記乾燥室とに接続された空気循環経路とを備え、
前記空気循環経路を循環する乾燥用空気のうち、前記蒸発器を通過した乾燥用空気の一
部を前記凝縮器に流通させ、前記蒸発器を通過した乾燥用空気の他の一部を前記凝縮器に
流通させずに当該衣類乾燥装置の外部に排出させ、
前記空気循環経路のうちの前記乾燥室と前記蒸発器との間の部分に形成された流出口を
有し且つ前記空気循環経路から前記流出口を介して前記空気循環経路の外部に空気を流出
させる空気流出路をさらに備え、
前記空気循環経路は主流路を有し、
前記主流路においては、乾燥用空気は少なくとも前記凝縮器を通過し、
前記蒸発器は、前記主流路に配置され且つ前記主流路を流れる空気を冷却させる第1の
蒸発器部分と、前記空気流出路に配置され且つ前記空気流出路を流れる空気を冷却させる
第2の蒸発器部分とを有している、衣類乾燥装置。
【請求項2】
前記凝縮器で加熱された空気を前記乾燥室へ送風する第1の送風機と、
前記空気流出路に配置され、前記第2の蒸発器部分で冷却された空気を前記空気循環経
路の外部へ送風する第2の送風機とをさらに備えた、請求項1に記載の衣類乾燥装置。
【請求項3】
前記圧縮機と前記凝縮器と前記絞り部と前記第1の蒸発器部分と前記第2の蒸発器部分
とは、前記圧縮機、前記凝縮器、前記絞り部、前記第2の蒸発器部分、および、前記第1
の蒸発器部分の順に冷媒が循環するように、前記冷媒配管によって連結されている、
請求項1または請求項2に記載の衣類乾燥装置。
【請求項4】
前記空気循環経路のうちの前記蒸発器と前記凝縮器との間の部分に形成された流入口を
有し且つ前記空気循環経路の外部から前記流入口を介して前記空気循環経路に空気を流入
させる空気流入路をさらに備えた、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の衣類乾燥装置。
【請求項5】
前記空気流入路に配置され、前記空気循環経路に流入させる空気の量を調整する開閉部
をさらに備えた、請求項4に記載の衣類乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には衣類乾燥装置に関し、特定的には熱源としてヒートポンプを用いた衣類乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプを備えた衣類乾燥装置として、例えば、特開2004−215943号公報(特許文献1)に記載された衣類乾燥機、特開2009−61163号公報(特許文献2)に記載された衣類乾燥機、または、特許第4602109号公報(特許文献3)に記載された乾燥機が従来から知られている。
【0003】
一般的に、ヒートポンプを備えた衣類乾燥装置において、ヒートポンプは、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮後の高温高圧の冷媒の熱を周囲に放出する凝縮器と、高圧の冷媒を減圧する減圧手段と、減圧された低圧の冷媒によって周囲から熱を奪う蒸発器と、循環装置とを含んでいる。循環装置は、圧縮機と凝縮器と減圧手段と蒸発器とを連結した管状部材によって構成されている。冷媒は、循環装置を循環する。また、ヒートポンプを用いた衣類乾燥装置は、乾燥対象の衣類を収容した乾燥室と、乾燥用空気を循環させる循環風路とを備えている。循環風路は、凝縮器と乾燥室との間と、乾燥室と蒸発器との間と、蒸発器と凝縮器との間とを乾燥空気が循環するように、構成されている。
【0004】
ヒートポンプを備えた衣類乾燥装置において、圧縮機によって圧縮された冷媒ガスは、高温化且つ高圧化されて圧縮機から吐出される。凝縮器においては、圧縮機から吐出された冷媒ガスと凝縮器を通過する空気とが熱交換する。これにより、凝縮器を通過する空気が加熱される。この加熱された空気が乾燥室に送風されることにより、被乾燥対象物に含まれる水分の蒸発が進行する。
【0005】
循環風路において凝縮器を通過する際に加熱された乾燥用空気は、乾燥室に送られて衣類を乾燥させる。衣類の乾燥に用いられた空気は、水分を蒸発させるために必要な熱量を顕熱として衣類に与える。そのため、乾燥室に送風された空気の温度は、乾燥室を通過する際に低下する。しかしながら、乾燥用空気は、乾燥室を通過する際に、衣類に含まれる水分から水蒸気を吸収することにより、衣類に与える熱量と略同等の熱量を有する潜熱を衣類から得る。このように、乾燥用空気のエンタルピは、乾燥用空気と衣類とが接触する前後で維持される。
【0006】
次に、乾燥に用いられた空気つまり乾燥室から蒸発器に流れてきた空気の熱量が蒸発器で吸収されることにより、蒸発器に流れてきた空気の温度が露点以下まで低下し、空気に含まれる水が蒸発器によって取り除かれる。そして、乾燥用空気が凝縮器で再度加熱されて、凝縮器、乾燥室、および、蒸発器の順に乾燥用空気が循環することにより、衣類の乾燥が進行していく。
【0007】
一方、冷凍サイクルの観点において、凝縮器で冷媒が空気に与える熱量は、蒸発器で冷媒が得た熱量と、圧縮機を駆動するために外部から加えられた電力との和である。そのため、ヒートポンプを用いた衣類乾燥装置では、当該衣類乾燥装置の運転が続けられる場合に、当該衣類乾燥装置の外部へ自然に放出される熱量と、圧縮機に外部から加えられた電力との差だけ当該衣類乾燥装置全体のエネルギーが増加する。当該衣類乾燥装置全体のエネルギーが増加することに伴って、ヒートポンプの冷媒のエネルギーも増加する。つまり、冷媒の温度と圧力とが上昇する。
【0008】
しかしながら、冷媒の圧力が圧縮機の過負荷の上限値に達する場合には、安全装置を作動させることによって当該衣類乾燥装置の運転を停止させる必要がある。そのため、当該衣類乾燥装置の運転の途中で、当該衣類乾燥装置全体のエネルギーの上昇を抑制する必要がある。
【0009】
例えば特開2004−215943号公報(特許文献1)に記載された衣類乾燥機においては、循環風路のうちの乾燥室と吸熱機(つまり蒸発器)との間の部分に、流出口が形成されている。乾燥用空気の一部が流出口から当該衣類乾燥機の外部に排出されることにより、当該衣類乾燥機の全体のエネルギーの上昇が抑制されている。
【0010】
一方、特開2009−61163号公報(特許文献2)に記載された衣類乾燥機は、乾燥運転の中期から後半においては、衣類からの水分蒸発量が減ることから、循環装置において蒸発器の冷媒の出口の温度と入口の温度との差を大きくするように減圧手段によって冷媒の流量を絞ることにより、蒸発器の除湿能力をやや低下させている。また、乾燥運転の中期から後半においては、蒸発器の除湿能力をやや低下させるとともに、圧縮機の運転周波数を低下させている。このような対策により、当該衣類乾燥機の外部から加えられる電力が低減されるため、当該衣類乾燥機の全体のエネルギーの上昇が抑制されている。また、特開2009−61163号公報(特許文献2)に記載された衣類乾燥機は、衣類からの水分の蒸発にエネルギーを使用し、且つ、除湿に係るエネルギーの使用量を減らすことにより、乾燥運転に係る全体としてのエネルギーの使用量を低下させ、乾燥速度を低下させることなく、消費電力量を低減することが可能である。
【0011】
特許第4602109号公報(特許文献3)に記載された乾燥機では、循環風路のうちの蒸発器と凝縮器の間に流入口を形成することにより、この流入口を介して当該乾燥機の外部から空気を流入させ、蒸発器を通過することによって冷却された空気の温度を上昇させている。これにより、当該乾燥機の外部から流入された空気が、蒸発器にて無駄に冷却されることが回避されている。一方、特許第4602109号公報(特許文献3)に記載された乾燥機において、循環風路に形成される流出口は、循環風路のうちの回転ドラム(つまり乾燥室)と蒸発器との間に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−215943号公報
【特許文献2】特開2009−61163号公報
【特許文献3】特許第4602109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のように、特開2009−61163号公報(特許文献2)に記載された衣類乾燥機は、圧縮機の圧縮能力を低下させることによって衣類乾燥機全体のエネルギー上昇を抑制している。しかしながら、特開2009−61163号公報(特許文献2)に記載された衣類乾燥機は、乾燥効率を向上させることについて考慮されたものではなかった。
【0014】
一方、特開2004−215943号公報(特許文献1)に記載された衣類乾燥機と、特許第4602109号公報(特許文献3)に記載された乾燥機とは、乾燥用空気の一部を外部に排出することにより、全体のエネルギーの上昇を抑制している。特開2004−215943号公報(特許文献1)に記載された衣類乾燥機において、乾燥用空気の一部を外部に排出するための流出口は、循環風路のうちの乾燥室と吸熱機(つまり蒸発器)との間の部分に形成されている。また、特許第4602109号公報(特許文献3)に記載された乾燥機において、循環風路に形成される流出口は、循環風路のうちの回転ドラム(つまり乾燥室)と蒸発器との間に形成されている。これらのように、循環風路のうちの乾燥室と蒸発器との間の部分に流出口が形成された構成は、乾燥室を通過した後の空気の熱量が蒸発器で回収される前に排出されるため、乾燥効率の向上には繋がらない。
【0015】
そこで、本発明の目的は、ヒートポンプを備えた衣類乾燥装置であって、乾燥効率を向上させることが可能な衣類乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に従った衣類乾燥装置は、ヒートポンプと、乾燥室と、空気循環経路とを備えている。ヒートポンプは、圧縮機と、凝縮器と、絞り部と、蒸発器と、冷媒配管とを含む。圧縮機は、冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる。凝縮器は、圧縮機によって圧縮された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を加熱させる。絞り部は、空気を加熱させた冷媒の圧力を減圧する。蒸発器は、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を冷却させる。冷媒配管は、圧縮機、凝縮器、絞り部、および、蒸発器の順に冷媒が循環するように、圧縮機と凝縮器と絞り部と蒸発器とを連結する。
【0017】
乾燥室は、被乾燥対象物を収納する。乾燥室には、凝縮器で加熱された空気が供給される。空気循環経路は、乾燥室、蒸発器、凝縮器、および、乾燥室の順に空気が循環するように、ヒートポンプと乾燥室とに接続されている。また、本発明に従った衣類乾燥装置は、空気循環経路を循環する乾燥用空気のうち、蒸発器を通過した乾燥用空気の一部を凝縮器に流通させ、蒸発器を通過した乾燥用空気の他の一部を凝縮器に流通させずに当該衣類乾燥装置の外部に排出させる。
【0018】
本発明に従った衣類乾燥装置によれば、乾燥用空気の一部は、蒸発器を通過した後に当該衣類乾燥装置の外部に排出される。このように、乾燥用空気が当該衣類乾燥装置の外部に排出される前に、乾燥用空気の熱量が蒸発器で回収されることにより、ヒートポンプの冷媒の温度と圧力とを維持することができる。そのため、本発明に従った衣類乾燥装置によれば、乾燥効率を向上させることが可能である。
【0019】
本発明に従った衣類乾燥装置は、空気流出路をさらに備えていることが好ましい。空気流出路は、空気循環経路のうちの乾燥室と蒸発器との間の部分に形成された流出口を有していることが好ましい。また、空気流出路は、空気循環経路から流出口を介して空気循環経路の外部に空気を流出させるものであることが好ましい。また、本発明に従った衣類乾燥装置において、空気循環経路は主流路を有していることが好ましい。主流路においては、乾燥用空気は少なくとも凝縮器を通過する。さらに、本発明に従った衣類乾燥装置において、蒸発器は、第1の蒸発器部分と第2の蒸発器部分とを有していることが好ましい。第1の蒸発器部分は、主流路に配置され且つ主流路を流れる空気を冷却させるものであることが好ましい。第2の蒸発器部分は、空気流出路に配置され且つ空気流出路を流れる空気を冷却させるものであることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、空気循環経路を流れる乾燥用空気の一部は、主流路に配置された第1の蒸発器部分を通過した後に凝縮器を通過する。また、空気循環経路を流れる乾燥用空気の他の一部は、空気循環経路から流出口を介して空気流出路に流出する。空気流出路に流出した乾燥用空気は、第2の蒸発器部分を通過した後に当該衣類乾燥装置の外部に排出される。このように、この構成によれば、乾燥用空気が当該衣類乾燥装置の外部に排出される前に、空気流出路に配置された第2の蒸発器部分で乾燥用空気の熱量を回収することができる。これにより、ヒートポンプの冷媒の温度と圧力とを維持することができる。
【0021】
本発明に従った衣類乾燥装置は、第1の送風機と第2の送風機とをさらに備えていることが好ましい。第1の送風機は、凝縮器で加熱された空気を乾燥室へ送風するものであることが好ましい。第2の送風機は、空気流出路に配置されていることが好ましい。また、第2の送風機は、第2の蒸発器部分で冷却された空気を空気循環経路の外部へ送風するものであることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、第1の送風機により、空気循環経路において乾燥用空気を安定的に循環させることができる。また、乾燥用空気を流出させるために必要な十分な静圧差が、第2の蒸発器部分の前後において生じていない場合でも、第2の送風機の作動により、必要な量の乾燥用空気を当該衣類乾燥装置の外部に排出することができる。
【0023】
本発明に従った衣類乾燥装置において、圧縮機と凝縮器と絞り部と第1の蒸発器部分と第2の蒸発器部分とは、圧縮機、凝縮器、絞り部、第2の蒸発器部分、および、第1の蒸発器部分の順に冷媒が循環するように、冷媒配管によって連結されていることが好ましい。
【0024】
一般的に、蒸発器の内部において冷媒が気液二相を維持し、蒸発器の出口において全ての冷媒を蒸発させることができる場合には、蒸発器の熱交換効率を最大限に発揮することができる。しかしながら、圧縮機が液状の冷媒を吸い込むことを回避する必要があるため、蒸発器の出口よりも上流側で冷媒の蒸発を完了するように絞り部の開度等が制御される。そのため、蒸発器の最終段では、熱交換性能が低下する。
【0025】
一方、本発明に従った衣類乾燥装置の構成によれば、蒸発器の最終段を含む第1の蒸発器部分が、冷媒配管によって第2の蒸発器部分に接続されている。これにより、蒸発器の最終段が第2の蒸発器部分に含まれないように、ヒートポンプを構成することができる。すなわち、通常の制御範囲において、第2の蒸発器部分には、熱交換性能が低下する部分が含まれない。そのため、空気流出路を流通する空気は、空気流出路から当該衣類乾燥装置の外部に流出される空気の熱量が第2の蒸発器部分において十分に回収されたうえで、当該衣類乾燥装置の外部に流出される。すなわち、本発明に従った衣類乾燥装置の構成によれば、蒸発器のうちの第2の蒸発器部分によって十分に熱交換された空気が当該衣類乾燥装置の外部に流出される。言い換えると、十分に熱交換されなかった空気が当該衣類乾燥装置の外部に流出されることを回避することができる。このように、本発明に従った衣類乾燥装置の構成によれば、蒸発器の最終段を含まない第2の蒸発器部分によって空気が十分に熱交換されるとともに、最終段を含む第1の蒸発器部分によっても乾燥用空気が熱交換されるため、第1の蒸発器部分と第2の蒸発器部分とよって乾燥用空気の熱量を確実に回収することができる。
【0026】
本発明に従った衣類乾燥装置は、空気流出路をさらに備えていることが好ましい。空気流出路は、空気循環経路のうちの蒸発器と凝縮器との間の部分に形成された流出口を有していることが好ましい。また、空気流出路は、空気循環経路から流出口を介して空気循環経路の外部に空気を流出させるものであることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、空気循環経路を流れる乾燥用空気の一部は、蒸発器を通過した後に凝縮器を通過する。また、空気循環経路を流れる乾燥用空気の他の一部は、蒸発器を通過した後に流出口を介して空気流出路に流出する。空気循環経路から空気流出路に流出した乾燥用空気は、当該衣類乾燥装置の外部に排出される。また、この構成によれば、ヒートポンプにおいて、蒸発器および冷媒配管に係る構成が簡略化されている。これにより、冷媒配管を含むヒートポンプと、空気流入路と、空気流出路との構成が簡略化されている。したがって、ヒートポンプを備えた衣類乾燥装置によれば、乾燥用空気を当該衣類乾燥装置の外部に排出する前に、乾燥室を通過した後の空気の熱量を比較的簡易な構成によって蒸発器で回収することができる。
【0028】
本発明に従った衣類乾燥装置は、第1の送風機と第2の送風機とをさらに備えていることが好ましい。第1の送風機は、凝縮器で加熱された空気を乾燥室へ送風するものであることが好ましい。また、第2の送風機は、空気流出路に配置され、蒸発器で冷却された空気を空気循環経路の外部へ送風するものであることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、第1の送風機により、空気循環経路において乾燥用空気を安定的に循環させることができる。また、空気循環経路と空気流出路とのうちの蒸発器の前後において十分な静圧差が生じていない場合、または、蒸発器の上流側の静圧が大気圧に対してそれ程大きくない場合でも、第2の送風機により、必要な量の乾燥用空気を当該衣類乾燥装置の外部に排出することができる。
【0030】
本発明に従った衣類乾燥装置は、空気流入路をさらに備えていることが好ましい。空気流入路は、空気循環経路のうちの蒸発器と凝縮器との間の部分に形成された流入口を有し且つ空気循環経路の外部から流入口を介して空気循環経路に空気を流入させるものであることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、空気循環経路の外部の空気が、乾燥用空気のうちの蒸発器を通過した後の空気に混入される。つまり、被乾燥対象物の乾燥に用いられる空気には、空気循環経路の外部から空気循環経路のうちの蒸発器よりも下流側に流入された空気が含まれる。そのため、乾燥用空気が乾燥室に供給される前に、蒸発器で無駄に冷却されることがない。これにより、凝縮器で空気の加熱に要するエネルギーを減らすことができ、消費電力を抑制することが可能である。したがって、乾燥効率をさらに向上させることが可能である。
【0032】
本発明に従った衣類乾燥装置は、開閉部をさらに備えていることが好ましい。開閉部は、空気流入路に配置され、空気循環経路に流入させる空気の量を調整するものであることが好ましい。
【0033】
この構成によれば、開閉部の作動に基づき、当該衣類乾燥装置の外部から空気循環経路に流入する空気の量を調整することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明によれば、ヒートポンプを備えた衣類乾燥装置であって、乾燥効率を向上させることが可能な衣類乾燥装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に従った衣類乾燥装置の一例であるドラム式洗濯乾燥機の構成を示す概略図である。
図2】本発明に従った衣類乾燥装置のヒートポンプの構成の一例を示す概略図である。
図3】本発明に従った衣類乾燥装置の一例のうち、流入口と流出口とが閉塞された例に係る冷凍サイクルの圧力−エンタルピ線図であって、乾燥運転の前半から後半への推移を示す図である。
図4】本発明に従った衣類乾燥装置の一例のうち、流入口と流出口とが閉塞された例に係る空気循環経路の各部の静圧の分布を示すグラフである。
図5】本発明に従った衣類乾燥装置のヒートポンプの構成の他の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
発明者は、鋭意研究の結果、衣類乾燥装置において、エネルギー上昇を抑制する目的ではなく、乾燥効率を向上させる目的で、乾燥用空気の一部を外部に排出させることを思いついた。そして、発明者は、乾燥用空気を当該衣類乾燥装置の外部に排出させる前に、乾燥用空気が有する熱量を蒸発器で回収させることにより、衣類乾燥装置の乾燥効率の向上が可能であることを見出した。本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものである。
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
(第1実施形態)
図1に、本発明に従った衣類乾燥装置の一例であるドラム式洗濯乾燥機100を示す。図1に示すように、ドラム式洗濯乾燥機100は、外箱1を備えている。外箱1は、ドラム式洗濯乾燥機100の本体の外形を形成している。外箱1は略直方体形状を有している。また、ドラム式洗濯乾燥機100は水槽2と回転ドラム3と駆動部としてモータ4とを備えている。
【0039】
回転ドラム3は、水平方向または水平方向から傾斜した方向に延びる回転軸線を中心に回転する。回転ドラム3の材質としては、ステンレス鋼板が一般的に用いられている。回転ドラム3の周壁3aと底部3bとには、給水、排水および通気のための複数の小孔(図示せず)が形成されている。周壁3aは、回転ドラム3のうちの筒状の部分である。ドラム式洗濯乾燥機100では、周壁3aは略円筒形状を有している。また、周壁3aは、回転軸線が延びる方向と平行な方向に延びている。
【0040】
周壁3aには、複数のバッフル(図示せず)が配置されている。バッフルは、回転軸線と略平行に延びている。また、バッフルは、回転軸線を中心とする円の半径方向の内方に向かって周壁3aから突出している。
【0041】
水槽2は、有底筒形状を有している。回転ドラム3は、水槽2の内部の空間に収容されている。水槽2の下部には、カウンターウェイト(図示せず)が取り付けられている。なお、水槽2全体のバランスをとるため、複数個のカウンターウェイトが水槽2に取り付けられていてもよい。また、カウンターウェイトは、水槽2の上部に取り付けられていてもよい。回転ドラム3の開口部の縁の外側には、図示しない液体バランサが取り付けられている。
【0042】
回転ドラム3は、被乾燥対象物としての洗濯物5を収納する。回転ドラム3の底部3bの外側面には、駆動軸41が固定されている。モータ4は、水槽2の底部3bの外側面に取り付けられている。モータ4は、駆動軸41に連結されている。
【0043】
ドラム式洗濯乾燥機100は、ヒートポンプ71を熱源として利用する衣類乾燥装置である。図2に示すように、ヒートポンプ71は、圧縮機14と凝縮器15と蒸発器部分171と蒸発器部分172と膨張弁としての絞り部16とを備えている。蒸発器部分171は、第1の蒸発器部分の一例である。蒸発器部分172は、第2の蒸発器部分の一例である。蒸発器部分171と蒸発器部分172とは、ヒートポンプ71の蒸発器17の一例である。
【0044】
圧縮機14は、冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる。凝縮器15は、圧縮機14によって圧縮された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を加熱させる。絞り部16は、空気を加熱させた冷媒の圧力を減圧する。蒸発器部分171と蒸発器部分172とは、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を冷却させる。また、ヒートポンプ71は、冷媒配管18を備えている。冷媒配管18は、圧縮機14、凝縮器15、絞り部16、蒸発器部分172、および、蒸発器部分171の順に冷媒が循環するように、圧縮機14と凝縮器15と絞り部16と蒸発器部分171と蒸発器部分172とを連結する。凝縮器15と蒸発器部分171と蒸発器部分172とは、例えばフィンチューブ型の熱交換器である。
【0045】
ドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)は、空気流出路131を備えている。空気流出路131は、流出口131aを有し、空気循環経路60から流出口131aを介して空気循環経路60の外部に空気を流出させる。流出口131aは、空気循環経路60のうちの乾燥室32と蒸発器部分171との間の部分に形成されている。
【0046】
図1に示すように、ドラム式洗濯乾燥機100は、乾燥室32とファン9と空気循環経路60と制御部20とを備えている。回転ドラム3の内部の空間が乾燥室32として機能する。また、乾燥室32には、凝縮器15で加熱された空気が供給される。図1図2とを参照するように、空気循環経路60は、乾燥室32、蒸発器部分171、凝縮器15、および、乾燥室32の順に空気が循環するように、ヒートポンプ71と乾燥室32とに接続されている。
【0047】
第1の送風機の一例としてのファン9は、凝縮器15で加熱された空気を乾燥室32へ送風する。図1図2とを参照するように、空気循環経路60を流れる乾燥用空気は、乾燥室32、蒸発器部分171、凝縮器15、ファン9、および、乾燥室32の順に循環する。
【0048】
空気循環経路60のうち、ヒートポンプ71の内部に配置された部分は、主流路61である。また、空気循環経路60は、接続路62と供給路63とを有している。接続路62は、空気循環経路60のうち、凝縮器15とファン9との間を延びる部分である。供給路63は、空気循環経路60のうち、ファン9と乾燥室32との間を延びる部分である。主流路61においては、乾燥用空気は少なくとも凝縮器15を通過する。主流路61においては、乾燥用空気が蒸発器部分171および凝縮器15の順に流れる。
【0049】
蒸発器部分171は、主流路61に配置され、且つ、主流路61を流れる空気を冷却させる。蒸発器部分172は、空気流出路131に配置され、且つ、空気流出路131を流れる空気を冷却させる。また、ドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)は、ファン19を備えている。第2の送風機の一例としてのファン19は、空気流出路131に配置されている。ファン19は、蒸発器部分172で冷却された空気を空気循環経路60の外部へ送風する。
【0050】
さらに、ドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)は、空気流入路121を備えている。空気流入路121は、流入口121aを有し、空気循環経路60の外部から流入口121aを介して空気循環経路60に空気を流入させる。流入口121aは、空気循環経路60のうちの蒸発器部分171と凝縮器15との間の部分に形成されている。ファン19は、空気流出路131において、蒸発器部分172よりも下流側に配置されている。
【0051】
ドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)は、温度湿度検知部22を備えている。温度湿度検知部22は、空気循環経路60のうち、例えば蒸発器部分171と凝縮器15との間を流通する空気の温度と相対湿度とを検知する。
【0052】
なお、温度湿度検知部22の配置は、特に限定されない。温度湿度検知部22は、空気循環経路60に配置されていればよい。温度湿度検知部22は、空気循環経路60を形成する管状部材の外側に配置されていてもよく、内側に配置されていてもよい。また、複数の温度湿度検知部22が、空気循環経路60に配置されていてもよい。
【0053】
また、図1に示すように、制御部20は判定部21を有している。ドラム式洗濯乾燥機100において、ドラム式洗濯乾燥機100の運転に必要な制御についての判定は、判定部21によって判断されている。制御部20は、例えば温度湿度検知部22(図2参照)によって検知された乾燥用空気の温度と湿度とに基づき、ヒートポンプ71とファン19とファン9とを制御する。また、モータ4が制御部20に制御されることにより、回転ドラム3の回転、停止、および、回転数が調整される。
【0054】
ドラム式洗濯乾燥機100は、開閉部81(図2参照)を備えている。図2に示すように、開閉部81は、空気流入路121に配置され、空気循環経路60に流入させる空気の量を調整する。開閉部81は、制御部20(図1参照)に例えば電磁的または電子的に接続されている。ドラム式洗濯乾燥機100の外部の雰囲気空気の温度および湿度を含む状態と、ヒートポンプ71の状態および乾燥用空気の状態とを制御部20が検知し、これらの検知結果に基づいて、制御部20が開閉部81を制御する。
【0055】
開閉部81の作動により、空気流入路121が開閉され、空気流入路121に流入する空気の量が調整される。なお、空気循環経路60の外部の雰囲気空気の温度および湿度を含む状態を検知するセンサ(図示せず)等は、ドラム式洗濯乾燥機100において所望の位置に配置されている。なお、開閉部81は、空気流入路121のうちの開閉部81よりも上流側の静圧と、主流路61のうちの蒸発器部分171と凝縮器15との間の静圧との差に基づき、作動するものであってもよい。
【0056】
以上にように構成されたドラム式洗濯乾燥機100が洗濯物5を乾燥させるための動作について説明する。まず、モータ4が駆動されることによって回転ドラム3が回転されると共に、ファン9とヒートポンプ71との駆動が開始される。乾燥用空気は、ファン9が発生させる気流により、二点鎖線にて示す矢印のように空気循環経路60を流れる。なお、図1および図2にて示す二点鎖線の矢印は、気流が流れる方向を概略的に示すものであり、気流の速度または規模を示すものではない。
【0057】
ファン9が発生させた気流により、乾燥室32に流入した空気は、乾燥室32で撹拌される洗濯物5から水分を得て、ヒートポンプ71へ向かって空気循環経路60を流通する。空気循環経路60からヒートポンプ71へ流入した空気の一部は、蒸発器部分171で露点以下に除湿される。除湿された後の空気は、凝縮器15で加熱されて高温化且つ低湿度化され、乾燥用空気として再び乾燥室32に流入する。このような空気の流れが繰り返されることにより、洗濯物5の乾燥が進行する。
【0058】
一方、乾燥室32から空気循環経路60を介してヒートポンプ71へ流入した空気の他の一部は、蒸発器部分171を通過せずに、流出口131aを介して空気流出路131に流出する。空気循環経路60から空気流出路131に流出した空気は、蒸発器部分172を通過する。蒸発器部分172を通過する空気は、蒸発器部分172において除湿される。このように、ドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される空気は、蒸発器部分172にて除湿された後のものである。このように、ドラム式洗濯乾燥機100は、乾燥用空気がドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される前に、乾燥用空気の熱量を蒸発器部分172で回収することができる。すなわち、ドラム式洗濯乾燥機100は、空気循環経路60を循環する乾燥用空気のうち、蒸発器17を通過した乾燥用空気の一部を凝縮器15に流通させ、蒸発器17を通過した乾燥用空気の他の一部を凝縮器15に流通させずにドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出させる。
【0059】
開閉部81は、ドラム式洗濯乾燥機100が洗濯物5を乾燥させるように運転している場合には、空気流入路121を開放する。これにより、空気流入路121に雰囲気空気が流入する。空気流入路121に流入した雰囲気空気は、流入口121aを介して空気循環経路60の主流路61に流入する。このように、ドラム式洗濯乾燥機100の乾燥の運転が継続している場合に開閉部81が空気流入路121を開放しているときには、空気流入路121から主流路61に流入される空気と、主流路61から空気流出路131に流出される空気とにより、空気循環経路60の外部の空気と主流路61を流れる空気とが入れ替えられている。
【0060】
次に、ヒートポンプ71の冷凍サイクルと乾燥用空気との熱交換について説明する。圧縮機14によって高温化且つ高圧化された気体状態の冷媒(R134a)は、凝縮器15へ送られる。凝縮器15において、冷媒の熱量が乾燥用空気へ放熱されることにより、冷媒の液化が進行する。凝縮器15を通過した冷媒は、絞り部16で減圧される。絞り部16において、減圧と流量が制御された冷媒は、熱量を放出して、低温且つ低圧の液体に変化する。蒸発器部分172では、乾燥室32からヒートポンプ71に戻ってきた空気のうち、空気流出路131を流れる空気から蒸発器部分172が熱量を回収することにより、冷媒のガス化が進行する。また、蒸発器部分171では、乾燥室32からヒートポンプ71に戻ってきた空気のうち、主流路61を流れる空気から蒸発器部分171が熱量を回収することにより、冷媒のガス化が進行する。
【0061】
なお、空気循環経路60の外部の雰囲気空気の温度と湿度とによっては、空気循環経路60の空気の一部と雰囲気空気とを入れ替える場合に、ドラム式洗濯乾燥機100において乾燥効率が低下してしまう。具体的には、主流路61のうちの蒸発器部分171と凝縮器15との間の部分の温度よりも雰囲気空気の温度が低温の場合には、空気循環経路60の主流路61を流れる空気の一部と雰囲気空気とを入れ替えることは好ましくない。
【0062】
空気循環経路60を流れる空気の一部を雰囲気空気と入れ替えない場合には、開閉部81によって空気流入路121を閉塞させることにより、空気流入路121からは主流路61に空気が流入することが無い。また、空気流出路131において、空気流出路131を介して主流路61に雰囲気空気が流入しない程度にファン19を作動させることにより、空気流出路131の空気の流れを遮断することができる。また、ドラム式洗濯乾燥機100が、洗濯物5を乾燥させるように運転している場合には、ファン9が作動している。このような開閉部81とファン19とファン9との作動により、雰囲気空気の状態および乾燥用空気の状態に応じて、または、雰囲気空気の状態もしくは乾燥用空気の状態に応じて、空気の入れ替えを調整することができる。このように、ドラム式洗濯乾燥機100は、乾燥効率の向上が図られている。
【0063】
一方、以下では、空気循環経路60を流れる空気の一部が雰囲気空気と入れ替えられない場合について説明する。例えば、標準試験環境(気温;20℃、65%RH)において、流入口121aと流出口131aとが閉塞されているドラム式洗濯乾燥機100(図1参照)を用いて、洗濯物5の乾燥行程を行う。この乾燥行程においては、乾燥重量が6kgである洗濯物5を用いて、ファン9を2400rpmで回転させている。
【0064】
流入口121aと流出口131aとが閉塞されたドラム式洗濯乾燥機100の乾燥の運転を長時間継続する場合は、圧縮機14を駆動するためにドラム式洗濯乾燥機100の外部から加えられた電力と、ドラム式洗濯乾燥機100の外部へ自然に放出される熱量との差だけドラム式洗濯乾燥機100の全体のエネルギーが上昇していく。そのため、乾燥用空気をそのまま循環し続ける場合には、乾燥用空気全体が有する熱量が増加するとともに、ヒートポンプ71を循環する冷媒の熱量が増加して冷媒の圧力が増加する。その結果、乾燥運転の後半の冷凍サイクルは、乾燥運転の前半のものに比べて、次第に高圧側に移動する(図3参照)。
【0065】
このままドラム式洗濯乾燥機100の運転を続けることにより、冷媒の圧力が圧縮機14の過負荷の上限値に達する場合には、安全装置(図示せず)等を作動させることによってドラム式洗濯乾燥機100の運転を停止させる必要がある。そのため、ドラム式洗濯乾燥機100の運転の途中で、ドラム式洗濯乾燥機100の全体のエネルギーの上昇を抑制する必要がある。しかしながら、乾燥行程の途中で圧縮機14の回転数を2400rpmから例えば2150rpmに低下させることにより、圧縮機14の吐出部(図示せず)の圧力が上昇することが抑制され且つ吐出部の圧力が略一定の状態で推移する。なお、当該試験環境下において、圧縮機14の吐出部の圧力が略一定の状態であるときの蒸発器部分171と凝縮器15との間の部分(以下、Bという)の乾燥用空気の温度は約18℃であり、相対湿度は100%RHであった。
【0066】
図4は、当該試験環境下において、空気循環経路60のうち、ファン9と蒸発器部分171との間の部分(以下、Cという)の静圧と、ファン9の下流側の部分(以下、Dという)の静圧と、蒸発器部分171の上流側の部分(以下、Aという)の静圧との分布を示すグラフである。図4に示すように、Dの静圧が他の部分の静圧に比べて最も高く、乾燥室32(図1参照)、A、B、および、Cの順に乾燥用空気が流れることにより、A、B、および、Cの順に静圧が低下していく。
【0067】
当該試験環境下においては、Bを流通する空気、つまり、約18℃の温度と100%RHの相対湿度を有する空気を凝縮器15で加熱させ、凝縮器15で加熱された空気を用いて洗濯物を乾燥させている。この約18℃の温度と100%RHの相対湿度を有する空気を凝縮器15で加熱させるよりも、当該試験環境下において20℃の温度と65%RHの相対湿度とを有する雰囲気空気を凝縮器15で加熱させた方が、乾燥効率の向上が可能である。ただし、蒸発器17を通過した後に、乾燥用空気のすべてをドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出するような、いわゆるオープン型の構成を有する衣類乾燥装置においては、当該衣類乾燥装置の周辺に高湿度の空気が大量に放出されることにより、カビを発生させる等の不具合が生じる。
【0068】
ゆえに、ドラム式洗濯乾燥機100は、図2に示すように流入口121aと流出口131aとが開放されている。流入口121aと流出口131aとが開放されたドラム式洗濯乾燥機100の構成では、上述のように、空気流出路131から乾燥用空気の一部を流出させることができる。蒸発器部分172は、空気循環経路60から空気流出路131に流出される乾燥用空気の一部から熱量を回収する。例えば、蒸発器部分171と蒸発器部分172とが略同程度の熱交換性能を有している場合は、ドラム式洗濯乾燥機100の外部には、約18℃の温度と100%RHの相対湿度とを有する空気が空気流出路131を介して排出される。また、空気流入路121からは、排出される空気よりも高い温度と低い相対湿度とを有する雰囲気空気が流入される。このように、ドラム式洗濯乾燥機100では、空気循環経路60の空気の一部と雰囲気空気とが入れ替えられることにより、乾燥効率の向上が可能である。
【0069】
以上のように、第1実施形態のドラム式洗濯乾燥機100は、ヒートポンプ71と、乾燥室32と、空気循環経路60とを備えている。ヒートポンプ71は、圧縮機14と、凝縮器15と、絞り部16と、蒸発器17と、冷媒配管18とを含む。圧縮機14は、冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる。凝縮器15は、圧縮機14によって圧縮された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を加熱させる。絞り部16は、空気を加熱させた冷媒の圧力を減圧する。蒸発器17は、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を冷却させる。冷媒配管18は、圧縮機14、凝縮器15、絞り部16、および、蒸発器17の順に冷媒が循環するように、圧縮機14と凝縮器15と絞り部16と蒸発器17とを連結する。
【0070】
乾燥室32は、洗濯物5を収納する。乾燥室32には、凝縮器15で加熱された空気が供給される。空気循環経路60は、乾燥室32、蒸発器17、凝縮器15、および、乾燥室32の順に空気が循環するように、ヒートポンプ71と乾燥室32とに接続されている。また、ドラム式洗濯乾燥機100は、空気循環経路60を循環する乾燥用空気のうち、蒸発器17を通過した乾燥用空気の一部を凝縮器15に流通させ、蒸発器17を通過した乾燥用空気の他の一部を凝縮器15に流通させずにドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出させる。
【0071】
ドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥用空気の一部は、蒸発器17を通過した後にドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される。このように、乾燥用空気がドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される前に、乾燥用空気の熱量が蒸発器17で回収されることにより、ヒートポンプ71の冷媒の温度と圧力とを維持することができる。そのため、ドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥効率を向上させることが可能である。
【0072】
ドラム式洗濯乾燥機100は、空気流出路131を備えている。空気流出路131は、空気循環経路60のうちの乾燥室32と蒸発器17のうちの蒸発器部分171との間の部分に形成された流出口131aを有している。また、空気流出路131は、空気循環経路60から流出口131aを介して空気循環経路60の外部に空気を流出させる。また、ドラム式洗濯乾燥機100において、空気循環経路60は主流路61を有している。主流路61において、乾燥用空気は少なくとも凝縮器15を通過する。さらに、ドラム式洗濯乾燥機100において、蒸発器17は、蒸発器部分171と蒸発器部分172とを有している。蒸発器部分171は、主流路61に配置され且つ主流路61を流れる空気を冷却させる。蒸発器部分172は、空気流出路131に配置され且つ空気流出路131を流れる空気を冷却させる。
【0073】
この構成によれば、空気循環経路60を流れる乾燥用空気の一部は、主流路61に配置された蒸発器部分171を通過した後に凝縮器15を通過する。また、空気循環経路60を流れる乾燥用空気の他の一部は、空気循環経路60から流出口131aを介して空気流出路131に流出する。空気流出路131に流出した乾燥用空気は、蒸発器部分172を通過した後にドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される。このように、ドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥用空気がドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される前に、空気流出路131に配置された蒸発器部分172で乾燥用空気の熱量を回収することができる。これにより、ヒートポンプ71の冷媒の温度と圧力とを維持することができる。
【0074】
ドラム式洗濯乾燥機100は、ファン9とファン19とを備えている。ファン9は、凝縮器15で加熱された空気を乾燥室32へ送風する。ファン19は、空気流出路131に配置されている。また、ファン19は、蒸発器部分172で冷却された空気を空気循環経路60の外部へ送風する。
【0075】
この構成によれば、ファン9により、空気循環経路60において乾燥用空気を安定的に循環させることができる。また、乾燥用空気を流出させるために必要な十分な静圧差が、蒸発器部分172の前後において生じていない場合でも、ファン19の作動により、必要な量の乾燥用空気をドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出することができる。
【0076】
ドラム式洗濯乾燥機100において、圧縮機14と凝縮器15と絞り部16と蒸発器部分171と蒸発器部分172とは、圧縮機14、凝縮器15、絞り部16、蒸発器部分172、および、蒸発器部分171の順に冷媒が循環するように、冷媒配管18によって連結されている。
【0077】
一般的に、蒸発器の内部において冷媒が気液二相を維持し、蒸発器の出口において全ての冷媒を蒸発させることができる場合には、蒸発器の熱交換効率を最大限に発揮することができる。しかしながら、圧縮機が液状の冷媒を吸い込むことを回避する必要があるため、蒸発器の出口よりも上流側で冷媒の蒸発を完了するように絞り部の開度等が制御される。そのため、蒸発器の最終段では、熱交換性能が低下する。なお、圧縮機の回転数が上昇される方向、絞り部の開度が大きくされる方向、または、蒸発器と乾燥用空気の熱交換量が増大する方向は、蒸発器の冷媒配管において気相領域が拡大する方向である。
【0078】
一方、ドラム式洗濯乾燥機100の構成によれば、蒸発器17の最終段を含む蒸発器部分171が、冷媒配管18によって蒸発器部分172に接続されている。これにより、蒸発器17の最終段が蒸発器部分172に含まれないように、ヒートポンプ71を構成することができる。すなわち、通常の制御範囲において、蒸発器部分172には、熱交換性能が低下する部分が含まれない。そのため、空気流出路131を流通する空気は、空気流出路131からドラム式洗濯乾燥機100の外部に流出される空気の熱量が蒸発器部分172において十分に回収されたうえで、ドラム式洗濯乾燥機100の外部に流出される。すなわち、ドラム式洗濯乾燥機100の構成によれば、蒸発器17のうちの蒸発器部分172によって十分に熱交換された空気がドラム式洗濯乾燥機100の外部に流出される。言い換えると、十分に熱交換されなかった空気がドラム式洗濯乾燥機100の外部に流出されることを回避することができる。このように、ドラム式洗濯乾燥機100の構成によれば、蒸発器17の最終段を含まない蒸発器部分172によって空気が十分に熱交換されるとともに、最終段を含む蒸発器部分171によっても乾燥用空気が熱交換されるため、蒸発器部分171と蒸発器部分172とよって乾燥用空気の熱量を確実に回収することができる。なお、ここでいう通常の制御範囲とは、蒸発器17の出口よりも上流側で冷媒の蒸発を完了するように絞り部16の開度等を制御する範囲を指す。制御が不十分である場合には、蒸発器部分171の内部全体と蒸発器部分172の一部とにおいて冷媒が気相状態となる。
【0079】
ドラム式洗濯乾燥機100は、空気流入路121をさらに備えている。空気流入路121は、空気循環経路60のうちの蒸発器17と凝縮器15との間の部分に形成された流入口121aを有し且つ空気循環経路60の外部から流入口121aを介して空気循環経路60に空気を流入させる。
【0080】
この構成によれば、空気循環経路60の外部の空気が、乾燥用空気のうちの蒸発器17を通過した後の空気に混入される。つまり、洗濯物5の乾燥に用いられる空気には、空気循環経路60の外部から空気循環経路60のうちの蒸発器17よりも下流側に流入された空気が含まれる。そのため、乾燥用空気が乾燥室32に供給される前に、蒸発器17で無駄に冷却されることがない。これにより、凝縮器15で空気の加熱に要するエネルギーを減らすことができ、消費電力を抑制することが可能である。したがって、乾燥効率をさらに向上させることが可能である。
【0081】
ドラム式洗濯乾燥機100は、開閉部81を備えている。開閉部81は、空気流入路121に配置され、空気循環経路60に流入させる空気の量を調整する。
【0082】
この構成によれば、開閉部81の作動に基づき、ドラム式洗濯乾燥機100の外部から空気循環経路60に流入する空気の量を調整することができる。
【0083】
なお、ドラム式洗濯乾燥機100において制御部20が配置される位置は、特に限定されない。図1に示す制御部20は、概略的に示されるものであって、上述のように所望の機能を奏するものであればよい。
【0084】
ドラム式洗濯乾燥機100において、ファン9の駆動量とファン19の駆動量とは、調整可能である。少なくともファン19の駆動量が調整されることにより、空気循環経路60から空気流出路131に流出させる高湿度の空気の量を調整することができる。また、ドラム式洗濯乾燥機100の運転の開始から終了までの間において、例えば所定の時間ごとにそれぞれ異なる駆動量でファン19が駆動するように、ファン19の駆動量が調整されることにより、各所定の時間に応じた量の空気を空気循環経路60から排出させることができる。
【0085】
(第2実施形態)
以下では、本発明に従った衣類乾燥装置のヒートポンプの他の一例としてのヒートポンプ72について、図5を用いて説明する。なお、以下において、第1実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機100と同一の構成のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0086】
ヒートポンプ72は、ドラム式洗濯乾燥機100において、ヒートポンプ71(図1参照)と例えば略同一の位置に配置されている。図5に示すように、ヒートポンプ72は、圧縮機24と凝縮器25と蒸発器27と膨張弁としての絞り部26とを備えている。蒸発器27は、ヒートポンプ72の蒸発器の一例である。
【0087】
圧縮機24は、冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる。凝縮器25は、圧縮機24によって圧縮された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を加熱させる。絞り部26は、空気を加熱させた冷媒の圧力を減圧する。蒸発器27は、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を冷却させる。また、冷媒配管28は、圧縮機24、凝縮器25、絞り部26、および、蒸発器27の順に冷媒が循環するように、圧縮機24と凝縮器25と絞り部26と蒸発器27とを連結する。凝縮器25と蒸発器27とは、例えばフィンチューブ型の熱交換器である。蒸発器27は、主流路61に配置され、且つ、主流路61を流れる空気を冷却させる。
【0088】
空気循環経路60は、乾燥室32(図1参照)、蒸発器27、凝縮器25、および、乾燥室32の順に空気が循環するように、ヒートポンプ72と乾燥室32とに接続されている。また、ファン9は、凝縮器25で加熱された空気を乾燥室32へ送風する。空気循環経路60を流れる乾燥用空気は、乾燥室32、蒸発器27、凝縮器25、ファン9、および、乾燥室32の順に循環する。主流路61において、乾燥用空気は、蒸発器27および凝縮器15の順に流れる。
【0089】
ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100は、空気流出路132をさらに備えている。空気流出路132は、流出口132aを有し、空気循環経路60から流出口132aを介して空気循環経路60の外部に空気を流出させる。流出口132aは、空気循環経路60のうちの蒸発器27と凝縮器25との間の部分に形成されている。
【0090】
また、ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100は、ファン29をさらに備えている。第2の送風機の一例としてのファン29は、空気流出路132に配置されている。また、ファン29の作動により、蒸発器27で冷却された空気が空気循環経路60の外部へ送風される。
【0091】
さらに、ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100は、空気流入路122をさらに備えている。空気流入路122は、流入口122aを有し、空気循環経路60の外部から流入口122aを介して空気循環経路60に空気を流入させる。流入口122aは、空気循環経路60のうちの蒸発器27と凝縮器15との間の部分に形成されている。空気流入路122を介して主流路61に流入した雰囲気空気は、流入口122a付近で、方向D1に流れることによって凝縮器25に向かって主流路61を移動する。一方、蒸発器27を通過した乾燥用空気の一部は、流出口132a付近で方向D2に流れることにより、主流路61から空気流出路132に流出する。
【0092】
ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100は、開閉部82をさらに備えている。開閉部82の構成および作動原理は、ヒートポンプ71を備えたドラム式洗濯乾燥機100の開閉部81のものと同様である。
【0093】
なお、主流路61のうちの蒸発器27と凝縮器25との間の部分の静圧が、ドラム式洗濯乾燥機100の外部の静圧(つまり大気圧)に比べて負圧である場合は、ファン29を常に作動させる必要がある。この場合にファン29が作動していないときには、蒸発器27を通過した後の乾燥用空気の一部が、空気流出路132を介してドラム式洗濯乾燥機100の外部に流出し難い。そのため、ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100においては、ファン29を常に作動させておくことが好ましい。
【0094】
しかしながら、ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100では、主流路61のうちの蒸発器27と凝縮器25との間の部分に、空気流入路122と空気流出路132とが接続されている。そのため、空気流入路122から流入した雰囲気空気の一部が、凝縮器25に向かって移動せずに、空気流出路132から流出するような事態が起こる。このような事態を回避するために、流入口122aと流出口132aとは、主流路61において可能な限り離れた位置に形成されていることが好ましい。例えば、流入口122aと凝縮器25との間隔が、流出口132aと蒸発器27との間隔よりも狭いように、流入口122aと流出口132aとが主流路61に形成されていることにより、このような事態を回避することができる。
【0095】
以上のように、第2実施形態のドラム式洗濯乾燥機100のヒートポンプ72は、圧縮機24と、凝縮器25と、絞り部26と、蒸発器27と、冷媒配管28とを含む。圧縮機24は、冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる。凝縮器25は、圧縮機24によって圧縮された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を加熱させる。絞り部26は、空気を加熱させた冷媒の圧力を減圧する。蒸発器27は、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を冷却させる。冷媒配管28は、圧縮機24、凝縮器25、絞り部26、および、蒸発器27の順に冷媒が循環するように、圧縮機24と凝縮器25と絞り部26と蒸発器27とを連結する。
【0096】
空気循環経路60は、乾燥室32、蒸発器27、凝縮器25、および、乾燥室32の順に空気が循環するように、ヒートポンプ72と乾燥室32とに接続されている。また、ドラム式洗濯乾燥機100は、空気循環経路60を循環する乾燥用空気のうち、蒸発器27を通過した乾燥用空気の一部を凝縮器25に流通させ、蒸発器27を通過した乾燥用空気の他の一部を凝縮器25に流通させずにドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出させる。
【0097】
ドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥用空気の一部は、蒸発器27を通過した後にドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される。このように、乾燥用空気がドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される前に、乾燥用空気の熱量が蒸発器27で回収されることにより、ヒートポンプ72の冷媒の温度と圧力とを維持することができる。そのため、ドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥効率を向上させることが可能である。
【0098】
また、ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100は、空気流出路132を備えている。空気流出路132は、空気循環経路60のうちの蒸発器27と凝縮器25との間の部分に形成された流出口132aを有している。空気流出路132は、空気循環経路60から流出口132aを介して空気循環経路60の外部に空気を流出させる。
【0099】
この構成によれば、空気循環経路60を流れる乾燥用空気の一部は、蒸発器27を通過した後に凝縮器25を通過する。また、空気循環経路60を流れる乾燥用空気の他の一部は、蒸発器27を通過した後に流出口132aを介して空気流出路132に流出する。空気循環経路60から空気流出路132に流出した乾燥用空気は、ドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出される。
【0100】
また、この構成によれば、ヒートポンプ72は、蒸発器の一例としての蒸発器27の他に他の蒸発器を備えておらず、蒸発器27および冷媒配管28に係る構成が簡略化されている。これにより、冷媒配管28を含むヒートポンプ72と、空気流入路122と、空気流出路132との構成が簡略化されている。したがって、ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100によれば、乾燥用空気をドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出する前に、乾燥室32を通過した後の空気の熱量を比較的簡易な構成によって蒸発器27で回収することができる。
【0101】
ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100は、ファン9とファン29とを備えている。ファン9は、凝縮器25で加熱された空気を乾燥室32へ送風する。また、ファン29は、空気流出路132に配置され、蒸発器27で冷却された空気を空気循環経路60の外部へ送風する。
【0102】
この構成によれば、ファン9により、空気循環経路60において乾燥用空気を安定的に循環させることができる。また、空気循環経路60と空気流出路132とのうちの蒸発器27の前後において十分な静圧差が生じていない場合、または、主流路61のうちの蒸発器27と凝縮器25との間の部分の静圧が大気圧に対してそれ程大きくない場合でも、第2の送風機により、必要な量の乾燥用空気をドラム式洗濯乾燥機100の外部に排出することができる。
【0103】
ヒートポンプ72を備えたドラム式洗濯乾燥機100は、空気流入路122を備えている。空気流入路122は、空気循環経路60のうちの蒸発器27と凝縮器25との間の部分に形成された流入口122aを有し且つ空気循環経路60の外部から流入口122aを介して空気循環経路60に空気を流入させる。
【0104】
この構成によれば、空気循環経路60の外部の空気が、乾燥用空気のうちの蒸発器27を通過した後の空気に混入される。つまり、洗濯物5の乾燥に用いられる空気には、空気循環経路60の外部から空気循環経路60のうちの蒸発器27よりも下流側に流入された空気が含まれる。そのため、乾燥用空気が乾燥室32に供給される前に、蒸発器27で無駄に冷却されることがない。これにより、凝縮器25で空気の加熱に要するエネルギーを減らすことができ、消費電力を抑制することが可能である。したがって、乾燥効率をさらに向上させることが可能である。
【0105】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0106】
5:洗濯物、9:ファン、14,24:圧縮機、15,25:凝縮器、16,26:絞り部、17,27:蒸発器、18,28:冷媒配管、19,29:ファン、32:乾燥室、60:空気循環経路、61:主流路、71,72:ヒートポンプ、81,82:開閉部、100:ドラム式洗濯乾燥機、121a,122a:流入口、121,122:空気流入路、131a,132a:流出口、131,132:空気流出路、171:蒸発器部分、172:蒸発器部分
図1
図2
図3
図4
図5