特許第5819114号(P5819114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5819114
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月18日
(54)【発明の名称】携帯電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20151029BHJP
【FI】
   G06F3/041 520
   G06F3/041 600
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-142063(P2011-142063)
(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公開番号】特開2013-8312(P2013-8312A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年2月10日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】中山 崇介
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−108036(JP,A)
【文献】 特開2011−081679(JP,A)
【文献】 特開2011−070603(JP,A)
【文献】 特開2003−280782(JP,A)
【文献】 特開2010−152716(JP,A)
【文献】 特開平09−269883(JP,A)
【文献】 特開平05−143226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトを表示する表示部と、
該表示部に表示されたオブジェクトに対応する位置の接触を検出する接触検出部と、
該接触検出部への接触による押圧荷重を検出する荷重検出部と、
前記接触検出部により前記表示部に表示されたオブジェクトに対応する位置の接触が検出され、前記荷重検出部により検出される押圧荷重が入力を受け付ける荷重基準を満たすと、当該オブジェクトに関連付けられた処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のオブジェクトのうち、一のオブジェクトに関連付けられた処理が所定の回数行われた場合、当該一のオブジェクトと異なる他のオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準が、当該一のオブジェクトからの距離に応じて、当該一のオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準より除々に低くなるように制御する、ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
接触による入力を受け付ける携帯電子機器であって、
一または複数のオブジェクトからなるオブジェクト群を複数表示する表示部と、
該表示部に表示されたオブジェクト群に属するオブジェクトに対応する位置の接触を検出する接触検出部と、
該接触検出部への接触による押圧荷重を検出する荷重検出部と、
前記接触検出部により前記表示部に表示されたオブジェクト群に属するオブジェクトに対応する位置の接触が検出され、前記荷重検出部により検出される押圧荷重が入力を受け付ける荷重基準を満たすと、当該オブジェクトに関連付けられた処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のオブジェクト群のうち、一のオブジェクト群に属するオブジェクトに関連付けられた処理が所定の回数行われた場合、当該オブジェクトの属する前記一のオブジェクト群と異なる他のオブジェクト群に属するオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準が、当該一のオブジェクト群からの距離に応じて、前記一のオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準より徐々に低くなるように制御する、ことを特徴とする携帯電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触による入力を受け付け可能な携帯電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電子機器として、例えば、液晶モニタの上面に、タッチ位置および押圧力が検出可能なタッチパネルを設け、タッチパネルへのタッチ位置および押圧の強さに応じてカメラ操作系に対して異なる指示を与えるようにしたデジタルカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、近年では、機器本体の一面のほぼ全域を表示画面およびタッチパネルとした携帯電話機やスマートフォンも種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−355617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タッチパネルによる入力の場合は、接触による押圧の強さに応じて指示を与えることができる。この場合、例えば、ある一定以上の押圧が加えられないと、入力を受け付けられないようにすれば、単に誤って触れただけで入力が受け付けられてしまうという誤作動を防ぐことができる。しかし、その一方では、ユーザは、入力のたびにタッチパネルに一定以上の押圧を加える必要がある。そのため、押圧を加える場合は、単なるタッチ操作の場合よりも押圧によって携帯電子機器が手から落下しないように、機器を確実に把持する必要がある。
【0005】
しかしながら、携帯電子機器は、通常、ユーザによる把持状態において、把持している手からはみ出した大きさを有している。そのため、機器本体の一表面のほぼ全域を表示画面およびタッチパネルとした携帯電子機器においては、ユーザが把持している場所に対応するエリアを押圧する場合は特に問題ないが、ユーザが把持していない場所に対応したエリアを押圧する場合は、押圧によって機器が動いてしまうことがある。その結果、押圧が適当に加えられずに、入力が受け付けられなかったり、あるいは機器を落下させてしまったりすることが生じるおそれがある。
【0006】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、押圧による入力操作を確実に行うことができるとともに、入力操作の際の機器の落下も有効に防止できる携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する第1の観点に係る携帯電子機器の発明は、
複数のオブジェクトを表示する表示部と、
該表示部に表示されたオブジェクトに対応する位置の接触を検出する接触検出部と、
該接触検出部への接触による押圧荷重を検出する荷重検出部と、
前記接触検出部により前記表示部に表示されたオブジェクトに対応する位置の接触が検出され、前記荷重検出部により検出される押圧荷重が入力を受け付ける荷重基準を満たすと、当該オブジェクトに関連付けられた処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のオブジェクトのうち、一のオブジェクトに関連付けられた処理が所定の回数行われた場合、当該一のオブジェクトと異なる他のオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準が、当該一のオブジェクトからの距離に応じて、当該一のオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準より除々に低くなるように制御する、ことを特徴とするものである。
【0008】
さらに、上記目的を達成する第2の観点に係る携帯電子機器の発明は、
接触による入力を受け付ける携帯電子機器であって、
一または複数のオブジェクトからなるオブジェクト群を複数表示する表示部と、
該表示部に表示されたオブジェクト群に属するオブジェクトに対応する位置の接触を検出する接触検出部と、
該接触検出部への接触による押圧荷重を検出する荷重検出部と、
前記接触検出部により前記表示部に表示されたオブジェクト群に属するオブジェクトに対応する位置の接触が検出され、前記荷重検出部により検出される押圧荷重が入力を受け付ける荷重基準を満たすと、当該オブジェクトに関連付けられた処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のオブジェクト群のうち、一のオブジェクト群に属するオブジェクトに関連付けられた処理が所定の回数行われた場合、当該オブジェクトの属する前記一のオブジェクト群と異なる他のオブジェクト群に属するオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準が、当該一のオブジェクト群からの距離に応じて、前記一のオブジェクトの入力を受け付ける荷重基準より徐々に低くなるように制御する、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る携帯電子機器によれば、押圧による入力操作を確実に行うことができるとともに、入力操作の際の機器の落下も有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る携帯電子機器の要部の構成を示す機能ブロック図である。
図2図1の携帯電子機器の一例の平面図である。
図3図1の携帯電子機器の一動作例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下に例示する実施の形態では、荷重基準を荷重閾値として説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る携帯電子機器の要部の構成を示す機能ブロック図である。図1に示す携帯電子機器1は、制御部10、接触検出部11、荷重検出部12、表示部13、および、記憶部14を備える。
【0015】
接触検出部11は、例えば表示部13の表示面上に配置されたタッチパネルを備え、表示部13に表示されたオブジェクトに対応する位置の接触を検出する。接触検出部11で検出される接触位置の情報は、制御部10へ出力される。なお、タッチパネルは、抵抗膜方式、静電容量式、光学式等の公知のものが使用可能である。
【0016】
荷重検出部12は、接触検出部11が押圧された際の押圧荷重を検出して、検出した押圧荷重を制御部10へ出力する。荷重検出部12は、公知の圧力検出素子や荷重検出素子で構成すればよく、例えば圧電素子などによって構成される。
【0017】
表示部13は、実行されるアプリケーションに従って複数のオブジェクトを表示するとともに、入力操作に応じてキャラクタを表示する。
【0018】
記憶部14は、荷重基準を設定するための荷重閾値を記憶するメモリ、制御部10の作業用メモリ、プログラム格納メモリなど、当該携帯電子機器1の動作に必要なメモリを便宜上1つの記憶部として表示したものである。この記憶部14には、表示部13に表示されるオブジェクトあるいはオブジェクト群に設定される荷重閾値が記憶される。
【0019】
制御部10は、携帯電子機器1の全体の動作を制御する。そして、制御部10は、接触検出部11からの入力情報および荷重検出部12から入力される押圧荷重に基づいて処理を実行して、その結果を表示部13に表示する。
【0020】
図2は、図1に示した機能ブロックを内蔵する携帯電子機器1の一例の平面図である。この携帯電子機器1は、表面の外形が長方形状となっており、その表面の外枠部1aを除くほぼ全域が図1の表示部13の画面13aとなっている。そして、画面13a上にタッチパネルからなる透明な接触検出部11が配置されている。
【0021】
このような携帯電子機器1において、例えば、メモ帳やメール入力画面等の文字入力アプリケーションが起動されると、画面13aには、例えば、図2に示されているように複数のオブジェクトが表示される。図2は、画面13aの下半分の表示エリアに文字入力を受け付けるテンキーのオブジェクト群G1が表示され、画面13aの中央から上の1/4の表示エリアに移動キーや決定キーのオブジェクト群G2が表示され、画面13aの上から下の1/4の表示エリアに再変換キーやメニューキー等のオブジェクト群G3が表示されている例を示している。なお、画面13aの下半分のオブジェクト群G1は、テンキーに代えてQWERTYキー等からなる場合もある。
【0022】
つまり、文字入力アプリケーションでは、文字入力の際に頻繁に操作されるテンキーのオブジェクト群G1を画面13aの上側の表示エリアに表示すると、文字入力の際にユーザ自身の手で画面13aが隠されて、文字入力がしづらくなってしまう。そのため、操作頻度の高いオブジェクト群G1は、画面13aの下側の表示エリアに表示し、オブジェクト群G1よりも操作頻度の低い移動キーや決定キーのオブジェクト群G2は、画面13aの中央から上の1/4の表示エリアに表示し、オブジェクト群G2よりもさらに操作頻度の低い再変換キーやメニューキー等のオブジェクト群G3は、画面13aの上から下の1/4の表示エリアに表示される。そして、オブジェクト群G2とオブジェクト群G3との間の表示エリアに文字入力結果が表示される。
【0023】
この場合、ユーザは、一般に、操作頻度の高いオブジェクト群G1が表示されている携帯電子機器1の下半分に把持中心が位置するように、携帯電子機器1を把持することになる。そのため、ユーザが把持している部分に対応するオブジェクト群G1を押圧操作する場合は特に問題ないが、ユーザが把持していない部分に対応するオブジェクト群G2やG3を押圧操作する場合は、押圧によって携帯電子機器1が動いてしまうことがある。その結果、接触による押圧入力を受け付ける荷重閾値を、全てのオブジェクト群において一定に設定すると、携帯電子機器1が不安定となって押圧が適当に加えられず、入力が受け付けられなかったり、携帯電子機器1を落下させてしまったりすることが生じるおそれがある。
【0024】
その対策として、本実施の形態に係る携帯電子機器1おいては、実行されるアプリケーションにおけるオブジェクト群が複数ある場合、オブジェクトの操作頻度に基づいて、つまり、一のオブジェクト群に属するオブジェクトに関連付けられた処理の実行回数に基づいて、オブジェクト群の荷重閾値を設定する。そのため、図1の記憶部14には、当該機器1において設定可能な複数の荷重閾値を記憶する。ここでは、説明の便宜上、荷重閾値A、荷重閾値Bおよび荷重閾値C(A>B>C)の3つの荷重閾値が記憶されているものとする。ここで、荷重閾値Aは、画面13aに表示される全てのオブジェクトに対して予め設定されている基準荷重閾値である。
【0025】
そして、制御部10は、オブジェクトの操作頻度に基づいて、操作頻度の高いオブジェクト群に属するオブジェクトに対する荷重閾値は基準荷重閾値Aのままとして、他のオブジェクト群に属するオブジェクトに対する荷重閾値を荷重閾値Bまたは荷重閾値Cに設定を変更する。以下、図1を参照しながら、本実施の形態に係る携帯電子機器1の動作を説明する。
【0026】
図3は、本実施の形態の一動作例を示すフローチャートである。先ず、制御部10は、ユーザ操作に基づいて、例えば文字入力アプリケーションを起動する(ステップS101)。そして、制御部10は、表示部13に表示されている全てのオブジェクト群に属するオブジェクトに対する荷重閾値を基準荷重閾値Aに維持した状態で、表示部13に表示されたオブジェクトに対応する位置の接触が検出され、荷重検出部11により検出される押圧荷重が荷重閾値Aを満たすと、当該オブジェクトに関連付けられた処理を実行する。
【0027】
また、制御部10は、オブジェクト群毎に、オブジェクトに関連付けられた処理を実行すると、その実行回数を計数する(ステップS102)。そして、実行回数が最初に所定値に達したオブジェクト群を検知すると(ステップS103)、当該オブジェクト群以外のオブジェクト群に属するオブジェクトに対する荷重閾値を、オブジェクト群単位で基準荷重閾値Aよりも小さい値に設定する(ステップS104)。なお、オブジェクト群における処理の実行回数の所定値は、アプリケーションに応じて、2以上の任意の値に設定される。
【0028】
ここで、荷重閾値は、例えば、図2に示したようなオブジェクト群G1,G2,G3が表示部13に表示されている場合で、オブジェクト群G1における実行回数が最初に所定値に達した場合は、当該オブジェクト群G1に属するオブジェクトに対する荷重閾値は基準荷重閾値Aのままとする。そして、オブジェクト群G2,G3については、オブジェクト群G1から離れるのに従って荷重閾値が小さくなるように、オブジェクト群G1に比較的近いオブジェクト群G2に属するオブジェクトに対する荷重閾値は、荷重閾値Bに設定変更する。また、オブジェクト群G1から最も離れたオブジェクト群G3に属するオブジェクトに対する荷重閾値は、荷重閾値Bよりも小さい荷重閾値Cに設定変更する。
【0029】
なお、図2において、オブジェクト群G2における実行回数が最初に所定値に達した場合は、当該オブジェクト群G2に属するオブジェクトに対する荷重閾値は基準荷重閾値Aのままで、当該オブジェクト群G2に比較的近いオブジェクト群G1に属するオブジェクトに対する荷重閾値を荷重閾値Bに設定変更する。また、オブジェクト群G2から最も離れたオブジェクト群G3に属するオブジェクトに対する荷重閾値は、荷重閾値Cに設定変更する。
【0030】
その後、制御部10は、オブジェクト群毎に、当該オブジェクト群に属するオブジェクトに対応する位置の接触が検出され、荷重検出部11により検出される押圧荷重が当該オブジェクト群に対応する荷重閾値を満たすと、当該オブジェクトに関連付けられた処理を実行する。そして、制御部10は、ステップS105において、文字入力アプリケーションの終了操作が行われたのを検知すると、画面13aの全体の荷重閾値を基準荷重閾値Aに設定して(ステップS106)、文字入力アプリケーションを終了する。
【0031】
このように、本実施の形態によると、表示部13に表示されたオブジェクト群のうち、同一オブジェクト群に属するオブジェクトに関連付けられた処理の実行回数が所定値を超えると、つまり、操作頻度の高いオブジェクト群が検知されると、当該オブジェクト群以外のオブジェクト群に属するオブジェクトに対する荷重閾値が、初期の基準荷重閾値Aよりも小さい値に設定される。ここで、携帯電子機器1は、上述したように、通常、操作頻度の高いオブジェクトが属するオブジェクト群に対応する部分が、ユーザによって把持される傾向にある。
【0032】
したがって、本実施の形態によれば、操作頻度の高いオブジェクト群を検知することで、ユーザによる把持部分に対応するオブジェクト群が自動的に検知されたことになる。そして、把持部分に対応するオブジェクト群に属するオブジェクトに対する基準荷重閾値Aに対して、当該オブジェクト群以外のオブジェクト群に属するオブジェクトに対する荷重閾値が小さく設定される。これにより、押圧による入力操作を確実に行うことができるとともに、入力操作の際の携帯電子機器1の落下が有効に防止される。しかも、本実施の形態では、操作頻度の高いオブジェクト群以外のオブジェクト群に属するオブジェクトに対する荷重閾値が、操作頻度の高いオブジェクト群からの距離に応じて小さく設定されるので、その効果はより顕著となる。
【0033】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態において、オブジェクト群G1が操作頻度の高いオブジェクト群として検知された場合、他のオブジェクト群G2,G3に属する全てのオブジェクトの荷重閾値を、オブジェクト群G1からの距離に関係なく、基準荷重閾値Aよりも小さい所定の荷重閾値、例えば荷重閾値Bに一律に設定してもよい。また、操作頻度の高いオブジェクト群以外の他のオブジェクト群に属するオブジェクトの荷重閾値は、操作頻度の高いオブジェクト群が検知された時点での、上記他のオブジェクト群に対応する処理の実行回数に基づいて、実行回数が多いほど、基準荷重閾値との差が小さい荷重基準を設定するようにしてもよい。また、本発明は、3つのオブジェクト群が表示される場合に限らず、2以上の複数のオブジェクト群が表示される場合に有効に適用することが可能である。
【0034】
さらに、本発明は、上記実施の形態のように、オブジェクト群の群単位で荷重閾値を設定する場合に限らず、オブジェクト単位で荷重閾値を設定するようにしてもよい。この場合、上述したと同様に、操作頻度の高いオブジェクトに対する荷重閾値に対して、他のオブジェクトに対する荷重閾値を、操作頻度の高いオブジェクトからの距離に応じて小さい値に設定してもよいし、操作頻度の高いオブジェクトに対する荷重閾値よりも小さい所定の荷重閾値に一律に設定してもよい。
【0035】
また、上記実施の形態の説明における表示部13および接触検出部11は、表示部13と接触検出部11を構成するタッチパネルとの両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されるようにしてもよい。このように表示部とタッチパネルとの両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものを挙げることができる。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置をタッチ入力するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することによって、タッチ位置を検出することができる。
【0036】
また、接触検出部11は、接触を検出する上で、押下物が接触検出部11を物理的に押下することは必須ではない。例えば、接触検出部11が光学式である場合、接触検出部11は接触検出部11上の赤外線が指やスタイラスペン等の押下物で遮られた位置を検出するため、押下物が接触検出部11を押下することは不要である。
【0037】
また、本発明では、荷重検出部により検出される押圧荷重が、入力として認識されるための荷重基準を満たすと、表示部上の押圧されたオブジェクトに関連付けられた処理を実行する。ここで、上記荷重検出部により検出される押圧荷重が入力として認識されるための荷重基準を満たすとは、荷重検出部により検出される押圧荷重が入力として認識される所定値に達した際であってもよいし、荷重検出部により検出される押圧荷重が入力として認識される所定値を超えた際でもよいし、荷重検出部により入力として認識される所定値が検出された際でもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 携帯電子機器
10 制御部
11 接触検出部
12 荷重検出部
13 表示部
13a 画面
14 記憶部
G1,G2,G3 オブジェクト群
図1
図2
図3