(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジンと、前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁を操作する複数の操作装置と、自動停止条件が成立した状態で予め設定された猶予時間が経過した場合に前記エンジンを自動停止させる自動停止制御を行う自動停止制御部と、を備えた建設機械において、
表示部及び操作部を有し、前記自動停止制御の有効化/無効化の設定項目を含む複数の設定項目を表示する設定入力画面を前記表示部で表示し、前記操作部の操作によって前記複数の設定項目に対する複数の設定情報を設定可能な表示装置と、
前記自動停止制御の有効化/無効化の切替えを指示する切替スイッチと、
前記切替スイッチが操作されない場合、前記表示装置で設定された前記自動停止制御の有効化/無効化の設定情報に対応する指令を前記自動停止制御部に出力し、前記切替スイッチが操作された場合、前記表示装置で設定された前記自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を元に、前記切替スイッチの操作に応じて前記自動停止制御の有効化/無効化を切替えて、これに対応する指令を前記自動停止制御部に出力する制御切替部とを備え、
前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の有効化の指令が入力された場合に、前記自動停止制御を行い、前記自動停止制御の無効化の指令が入力された場合に、前記自動停止制御を行わないことを特徴とする建設機械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、油圧ショベル等の建設機械の多機能化に伴い、多数の設定情報を設定する必要が生じている。そして、複数の設定情報をそれぞれ設定する設定手段を別々に設けるよりも集約したほうが好ましいため、一般的に、複数の設定情報を設定する機能を有する表示装置が設けられている。
【0005】
そこで、上述した自動停止制御に対する制御の有効化/無効化の設定情報も、表示装置にて設定することが考えられる。この場合、例えば運転者の好みや作業環境に応じて、自動停止制御の有効化/無効化を設定することが可能である。すなわち、例えば省エネとは別の観点から自動停止制御を積極的に使用したくない場合、自動停止制御の無効化を設定する。あるいは、例えば建設機械の稼働地域にてエンジン停止を促すような規制がある場合、自動停止制御の有効化を設定する。
【0006】
また、例えば作業条件に応じて、自動停止制御の有効化/無効化を設定することも可能である。具体的に、油圧ショベルにおいて、ダンプトラックへの積込作業のようにダンプトラックの往来のタイミングに応じて作業待ち時間が発生する場合を例にとって説明する。例えば作業待ち時間が自動停止制御の猶予時間より十分に長い場合は、省エネの観点から、エンジンを自動停止させたほうがよい。すなわち、自動停止制御の有効化を設定したほうがよい。一方、例えば作業待ち時間が自動停止制御の猶予時間より少しだけ長い場合は、エンジンを自動停止させてもすぐに再起動させる必要がある。そのため、作業性の観点から、エンジンを自動停止させないほうがよい。すなわち、自動停止制御の無効化を設定したほうがよい。
【0007】
ここで、上述した油圧ショベルの作業待ち時間は、例えばダンプトラックの往復道程が変わらなければ大きく変動しないものの、何らかの理由によって一時的に大きく変動する可能性がある。そのため、例えば運転者が作業待ち時間の変化に気づいたときに、自動停止機能の有効化/無効化を変更可能としたほうがよい。
【0008】
そこで、一案として、表示装置における自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を変更すれば、現状の自動停止制御の有効化/無効化も追従するような構成が考えられる。しかし、表示装置における自動停止制御の有効化/無効化の設定情報の変更は、複数の設定情報から選択する操作を行い、その後、選択した設定情報を変更する操作を行わなければならない。そのため、例えば運転者が作業待ち時間等の作業条件の変化に気づいたときに、特に、エンジンの自動停止の直前に気づいたときに、即座に行えるようなものではなかった。また、表示装置にて自動停止制御の有効化/無効化の設定情報が頻繁に変更されると、頻繁に変更されない場合(言い換えれば、基本設定を残す場合)と比べ、運転者がその設定情報を忘れる可能性は大きくなる。すなわち、自動停止制御の切忘れ又は入忘れが発生しやすくなる。
【0009】
本発明の目的は、自動停止制御の有効化/無効化の基本設定を残したまま、作業条件の変化に応じて自動停止制御の有効化/無効化を容易に変更することができる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、エンジンと、前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数の方向切換弁と、前記複数の方向切換弁を操作する複数の操作装置と、自動停止条件が成立した状態で予め設定された猶予時間が経過した場合に前記エンジンを自動停止させる自動停止制御を行う自動停止制御部と、を備えた建設機械において、表示部及び操作部を有し、前記自動停止制御の有効化/無効化の設定項目を含む複数の設定項目を表示する設定入力画面を前記表示部で表示し、前記操作部の操作によって前記複数の設定項目に対する複数の設定情報を設定可能な表示装置と、前記自動停止制御の有効化/無効化の切替えを指示する切替スイッチと、前記切替スイッチが操作されない場合、前記表示装置で設定された前記自動停止制御の有効化/無効化の設定情報に対応する指令を前記自動停止制御部に出力し、前記切替スイッチが操作された場合、前記表示装置で設定された前記自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を元に、前記切替スイッチの操作に応じて前記自動停止制御の有効化/無効化を切替えて、これに対応する指令を前記自動停止制御部に出力する制御切替部とを備え、前記自動停止制御部は、前記自動停止制御の有効化の指令が入力された場合に、前記自動停止制御を行い、前記自動停止制御の無効化の指令が入力された場合に、前記自動停止制御を行わないことを特徴とする。
【0011】
このような本発明においては、表示装置にて、自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を設定して、これを基本設定とすることができる。すなわち、切替スイッチを操作しなければ、表示装置にて自動停止制御の有効化の設定情報を設定した場合に、自動停止制御部で自動停止制御が行われ、表示装置にて自動停止制御の無効化の設定情報を設定した場合に、自動停止制御部で自動停止制御が行われない。そして、例えば運転者が作業条件の変化に気づいて自動停止制御の有効化/無効化を切替えたいときは、切替スイッチを操作すればよい。これにより、自動停止制御の有効化/無効化を即座に切替えることができる。したがって、本発明においては、自動停止制御の有効化/無効化の基本設定を残したまま、作業条件の変化に応じて自動停止制御の有効化/無効化を容易に変更することができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記切替スイッチは、運転席に着座した運転者の手又は足が届く範囲内に設ける。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記表示装置は、前記建設機械又は前記エンジンの起動時における前記自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を設定しており、前記制御切替部は、前記切替スイッチが操作されない場合、前記建設機械又は前記エンジンの起動時のみに入力した前記自動停止制御の有効化/無効化の設定情報に対応する指令を前記自動停止制御部に出力し、前記切替スイッチが操作された場合、前記建設機械又は前記エンジンの起動時のみに入力した前記自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を元に、前記切替スイッチの操作に応じて前記自動停止制御の有効化/無効化を切替えて、これに対応する指令を前記自動停止制御部に出力する。
【0014】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記表示装置は、前記エンジンに係わる状態量を表示する基本データ表示画面を前記表示部で表示し、前記操作部の操作によって前記基本データ表示画面から前記設定入力画面の表示に遷移する。
【0015】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記建設機械の乗降口に設けられ乗降許可位置と乗降阻止位置に操作されるゲートロックレバーと、前記ゲートロックレバーが乗降阻止位置に操作された場合に、前記複数の操作装置による前記複数の方向切換弁の操作を有効化し、前記ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作された場合に、前記複数の操作装置による前記複数の方向切換弁の操作を無効化する操作切替部とを備え、前記自動停止制御部の自動停止制御は、前記ゲートロックレバーが乗降許可位置に操作された状態を自動停止条件とし、この自動停止条件が成立した状態で前記猶予時間が経過した場合に、前記エンジンを自動停止させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自動停止制御の有効化/無効化の基本設定を残したまま、作業条件の変化に応じて自動停止制御の有効化/無効化を容易に変更することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、本実施形態における油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
図2は、油圧ショベルの運転室内の詳細構造を表す斜視図である。なお、以降、油圧ショベルが
図1に示す状態にてオペレータが運転席に着座した場合におけるオペレータの前側(
図1中左側)、後側(
図1中右側)、左側(
図1中紙面に向かって手前側)、右側(
図1中紙面に向かって奥側)を、単に前側、後側、左側、右側と称する。
【0020】
これら
図1及び
図2において、油圧ショベルは、クローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に設けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2の前側に左右方向に回動可能に設けられたスイングポスト3と、このスイングポスト3に上下方向に回動可能(俯仰可能)に連結された多関節型の作業装置4とを備えている。
【0021】
下部走行体1は、上方から見て略H字形状のトラックフレーム5と、このトラックフレーム5の左右両側の後端近傍に回転可能に支持された左右の駆動輪6,6と、トラックフレーム5の左右両側の前端近傍に回転可能に支持された左右の従動輪(アイドラ)7,7と、左右それぞれの駆動輪6と従動輪7とで掛けまわされた左右の履帯(クローラ)8,8とを備えている。そして、左の走行用油圧モータ9の駆動により、左の駆動輪6(すなわち、左の履帯8)が回転し、右の走行用油圧モータ9の駆動により、右の駆動輪6(すなわち、右の履帯8)が回転するようになっている。
【0022】
トラックフレーム5の前側には、排土用のブレード10が上下動可能に設けられている。そして、ブレード用油圧シリンダ(図示せず)の伸縮駆動により、ブレード10が上下動するようになっている。
【0023】
上部旋回体2は、その基礎下部構造をなす旋回フレーム11と、この旋回フレーム11上に設けられたキャノピータイプの運転室12と、旋回フレーム11の後端部に設けられたカウンタウェイト13と、旋回フレーム11上の運転室12以外の大部分を覆う外装カバー14とを備えている。
【0024】
下部走行体1のトラックフレーム5の中央部には旋回輪15が設けられ、この旋回輪15を介し上部旋回体2の旋回フレーム11が旋回可能に設けられている。そして、旋回用油圧モータ(図示せず)の駆動により、上部旋回体2が下部走行体1に対して旋回するようになっている。
【0025】
スイングポスト3は、上部旋回体2の旋回フレーム11の前側に左右方向に回動可能に設けられている。そして、スイング用油圧シリンダ(図示せず)の伸縮駆動により、スイングポスト3が左右方向に回動し、これによって作業装置4が左右にスイングするようになっている。
【0026】
作業装置4は、スイングポスト3に上下方向に回動可能に連結されたブーム16と、このブーム16に上下方向に回動可能に連結されたアーム17と、このアーム17に上下方向に回動可能に連結されたバケット18とを備えている。そして、ブーム用油圧シリンダ19、アーム用油圧シリンダ20、及びバケット用油圧シリンダ21の伸縮駆動により、ブーム16、アーム17、及びバケット18が上下方向に回動するようになっている。なお、バケット18は、例えばオプション用油圧アクチュエータが組み込まれたアタッチメント(図示せず)と交換可能になっている。
【0027】
運転室12には、オペレータが着座する運転席(座席)22が設けられている。運転席22の前方には、手または足で操作可能とし前後方向に操作することで左右の走行用油圧モータ9,9(すなわち、左右の履帯8,8)の動作をそれぞれ指示する左右の走行用操作レバー23A,23Bが設けられている。左の走行用操作レバー23Aのさらに左側の足元部分には、左右方向に操作することでオプション用油圧アクチュエータ(すなわち、アタッチメント)の動作を指示するオプション用操作ペダル24が設けられている。右の走行用操作レバー23Bのさらに右側の足元部分には、左右方向に操作することでスイング用油圧シリンダ(すなわち、スイングポスト3)の動作を指示するスイング用操作ペダル25が設けられている。
【0028】
運転席22の左側には、前後方向に操作することでアーム用油圧シリンダ20(すなわち、アーム17)の動作を指示し、左右方向に操作することで旋回用油圧モータ(すなわち、上部旋回体2)の動作を指示する十字操作式のアーム・旋回用操作レバー26が設けられている。運転席22の右側には、前後方向に操作することでブーム用油圧シリンダ19(すなわち、ブーム16)の動作を指示し、左右方向に操作することバケット用油圧シリンダ21(すなわち、バケット18)の動作を指示する十字操作式のブーム・バケット用操作レバー27が設けられている。また、運転席22の右側には、前後方向に操作することでブレード用油圧シリンダ(すなわち、ブレード10)の動作を指示するブレード用操作レバー(図示せず)が設けられている。
【0029】
また、運転席22の左側(言い換えれば、運転室12の乗降口)には、乗降阻止位置(詳細には、オペレータの乗降を妨げる下降位置)と乗降許可位置(詳細には、オペレータの乗降を許容する上昇位置)に操作されるゲートロックレバー28が設けられている。
【0030】
また、運転席22の右側には、キースイッチ29が設けられている。キースイッチ29は、エンジンキーを挿入・抜出し可能とし、エンジンキーの操作に応じてエンジン30(後述の
図3参照)の起動・停止等を指示するようになっている。詳細には、エンジンキーがOFF位置からON位置に操作されると、電源のオンを指示し、さらにON位置からSTART位置に操作されると、エンジン30の起動を指示するようになっている。その後、オペレータがエンジンキーから手を離すと、エンジンキーがSTART位置からON位置に自動的に戻るようになっている。また、エンジンキーがON位置からOFF位置に操作されると、エンジン30の停止とともに電源のオフを指示するようになっている。なお、エンジンキーの挿入・抜出しは、OFF位置でしか行えないようになっている。
【0031】
また、運転席22の前方右側(詳細には、運転席22に着座した運転者が視認可能な位置)には、表示装置31(詳細は後述)が設けられている。また、運転席22の右側(詳細には、運転席22に着座した運転者の手が届く位置)には、モーメンタリ式の切替スイッチ32(詳細は後述)等を有するスイッチパネル33が設けられている。
【0032】
図3は、上述した油圧ショベルに備えられた油圧駆動装置の構成のうち、代表として、ブーム用油圧シリンダ19の駆動に係わる構成を表す油圧回路図である。
【0033】
この
図3において、エンジン(原動機)30と、このエンジン30を制御するエンジン制御装置34と、エンジン30によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ35及び固定容量型のパイロットポンプ36と、油圧ポンプ35から吐出された圧油によって駆動されるブーム用油圧シリンダ19と、油圧ポンプ35からブーム用油圧シリンダ19への圧油の流れを制御する油圧パイロット式のブーム用方向切換弁37と、ブーム用油圧シリンダ19等(すなわち、ブーム16等)の動作を指示する操作レバー27を備えた油圧パイロット方式の操作装置38とが設けられている。
【0034】
操作装置38は、操作レバー27と、この操作レバー27の操作量に応じてパイロットポンプ36からの元圧(1次パイロット圧)を減圧した操作パイロット圧(2次パイロット圧)を出力する一対の減圧弁39a,39bとを備えている。そして、例えば操作レバー27を前側に操作すると、その操作量に応じて減圧弁39aで生成された操作パイロット圧がブーム用方向切換弁37の受圧部37aへ出力され、これによってブーム用方向切換弁37が図中右側の切換位置に切換えられる。その結果、ブーム用油圧シリンダ19が縮短して、ブーム16が下がる。一方、例えば操作レバー27を後側に操作すると、その操作量に応じて減圧弁39bで生成された操作パイロット圧がブーム用方向切換弁37の受圧部37bへ出力され、これによってブーム用方向切換弁37が図中左側の切換位置に切換えられる。その結果、ブーム用油圧シリンダ19が伸長して、ブーム16が上がるようになっている。
【0035】
なお、図示しないが、左右の走行用油圧モータ9,9、アーム用油圧シリンダ20、バケット用油圧シリンダ21、旋回用油圧モータ、スイング用油圧シリンダ、及びブレード用油圧シリンダの駆動に係わる要部構成も、上述したブーム用油圧シリンダ19の駆動に係わる要部構成と同様、方向切換弁及び操作装置をそれぞれ備えている。以降、それらの方向切換弁を「方向切換弁37等」と称し、それらの操作装置を「操作装置38等」と称す。
【0036】
パイロットポンプ36の吐出油路には、図示しないリリーフ弁が設けられており、パイロットポンプ36の最高吐出圧を規定するようになっている。また、パイロットポンプ36の吐出油路には、ロックバルブ40(操作切替部)が設けられている。ロックバルブ40は、ゲートロックレバー28の操作に応じて切換えられて油路を連通・遮断するようになっている。詳しく説明すると、例えばゲートロックレバー28を乗降阻止位置(下降位置)に引き下げると、ロックスイッチ41が閉じ状態(ON)となり、このロックスイッチ41を介してロックバルブ40のソレノイド駆動部40aが通電されて、ロックバルブ40が図中左側の連通位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ36からの元圧が操作装置38等へ導かれ、操作装置38等による方向切換弁37等の操作を有効化する。一方、ゲートロックレバー28を乗降許可位置(上昇位置)に引き上げると、ロックスイッチ41が開き状態(OFF)となり、ロックバルブ40のソレノイド駆動部40aが通電されず、バネ40bの付勢力で、ロックバルブ40が図中左側の遮断位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ36からの元圧が遮断され、操作装置38等による方向切換弁37等の操作を無効化するようになっている。
【0037】
ここで、自動停止制御装置42は、無作業時に、エンジン制御装置34を介してエンジン30を自動停止させる自動停止制御機能を有している。
図4は、本実施形態における自動停止制御装置42の機能的構成を、表示装置31及び切替スイッチ32等の関連機器とともに表すブロック図である。
【0038】
この
図4において、表示装置31は、表示部43、操作部44、記憶部45、及び制御部46を有している。
【0039】
表示装置31の表示部43は、通常、
図5で示す基本データ表示画面50を表示するようになっている。基本データ表示画面50は、例えば、エンジン冷却水温度の表示領域51、燃料残量の表示領域52、累積稼働時間(アワーメータ)の表示領域53、現在時刻の表示領域54、制御アイコンの表示領域55、及びスイッチ機能の表示領域56を有している。
【0040】
表示装置31の制御部46は、エンジン制御装置34やセンサ(図示せず)からエンジン30に係わる状態量(詳細には、エンジン冷却水の温度、燃料の残量、及び累積稼働時間等)を入力し、これら状態量を基本データ表示画面50の表示領域51,52,53に表示させるようになっている。また、表示装置31の制御部46は、自動停止制御装置42が自動停止制御を行っているかどうかの情報を自動停止制御装置42から入力し、自動停止制御を行っている場合に、自動停止制御アイコン(図中では「A/S」)を基本データ画面50の表示領域55に表示させるようになっている。
【0041】
表示装置31の操作部44は、詳細を図示しないが、表示部43の下側に配列された4つのスイッチで構成されている。基本データ表示画面47の表示領域56は、各スイッチの機能を、各スイッチの位置に対応して表示するようになっている。具体的には、左側から1番目のスイッチの機能が設定入力画面57への切替えであることを表示している。そして、例えば運転者が1番目のスイッチを操作すると、
図5で示すように、表示部43の表示は、基本データ表示画面50から設定入力画面57に切替わるようになっている。別の言い方をすれば、エンジン冷却水温度の表示領域51、燃料残量の表示領域52、及び累積稼働時の表示領域53が、後述する設定入力領域58に切替わるようになっている。
【0042】
設定入力画面57は、基本データ表示画面50と同様、現在時刻の表示領域54、制御アイコンの表示領域55、及びスイッチ機能の表示領域56を有している。また、設定入力画面57は、設定入力領域58を有しており、この設定入力領域58は、複数の設定項目及びこれら設定項目に対する複数の設定情報をリスト表示するようになっている。表示装置31の記憶部45は、複数の設定項目に対する複数の設定情報を記憶しており、制御部46は、記憶部45から複数の設定情報を読込んで、設定入力領域58に表示させるようになっている。
【0043】
設定入力画面57の表示領域56は、左側から1番目のスイッチの機能が基本データ表示画面50への切替えであることを表示している。また、左側から2番目及び3番目のスイッチの機能が設定入力領域58におけるカーソルの移動であることを表示している。また、左側から4番目のスイッチの機能が確定であることを表示している。
【0044】
そして、例えば運転者が2番目又は3番目のスイッチを操作すると、設定入力領域58で表示された複数の設定項目から1つの設定項目を選択するように、カーソルが上側又は下側に移動する。その後、例えば運転者が4番目のスイッチを操作すると、選択された設定項目が確定する。その後、例えば運転者が2番目又は3番目のスイッチを操作すると、確定された設定項目に対して、予め用意された複数の設定入力候補(現状の設定情報も含む)から1つの設定入力候補を選択するように、設定入力候補が切替えられて表示される。その後、例えば運転者が4番目のスイッチを操作すると、選択された設定入力候補が確定する。そして、確定された設定入力候補は、設定情報として、記憶部45で更新されるようになっている。なお、自動停止制御(A/S)の有効化/無効化の設定項目に対する設定入力候補としては、例えば「ON」(有効化)及び「OFF」(無効化)が用意されている。あるいは、後述する自動停止制御の猶予時間Aが設定可能なように、「ON」の代わりに、例えば「3分」、「5分」、「10分」、及び「15分」等が用意されている。なお、例えば運転者が1番目のスイッチを操作すると、表示部43の表示は、設定入力画面57から基本データ表示画面50の表示に切替わるようになっている。別の言い方をすれば、設定入力領域58が、エンジン冷却水温度の表示領域51、燃料残量の表示領域52、及び累積稼働時の表示領域53に切替わるようになっている。
【0045】
自動停止制御装置42は、制御切替部47及び自動停止制御部48を有している。制御切替部47は、キースイッチ29からの信号を入力するようになっている。また、表示装置31の記憶部45で記憶された自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を入力するとともに、切替スイッチ32からの信号を入力し、それらに基づいて自動停止制御の有効化/無効化を切替えるようになっている(言い換えれば、自動停止制御モードのON/OFFを切替えるようになっている)。このような自動停止制御の有効化/無効化の切替えの手順を、
図6により説明する。
図6は、自動停止制御の有効化/無効化の切替えの処理内容を表すフローチャートである。
【0046】
この
図6において、ステップ100にて、制御切替部47は、キースイッチ29からの信号に基づき、キースイッチ29がOFF位置からON位置に操作されたかどうかを判定する。例えばキースイッチ29がOFF位置のままである場合は、ステップ100の判定が満たされず、その判定が繰り返し行われる。一方、例えばキースイッチ29がOFF位置からON位置に操作された場合は、ステップ100の判定が満たされ、ステップ110に移る。ステップ110では、制御切替部47は、表示装置31から自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を入力する。そして、ステップ120に進み、表示装置31から入力した設定情報が自動停止制御の有効化であるかどうかを判定する。
【0047】
まず、例えば表示装置31から入力した設定情報が自動停止制御の有効化である場合について説明する。この場合、ステップ120の判定が満たされ、ステップ130に移る。ステップ130では、制御切替部47は、自動停止制御の有効化(言い換えれば、自動停止制御モードのON)を内部メモリに記憶するとともに、自動停止制御の有効化の指令を自動停止制御部48に出力する。自動停止制御部48は、この指令に応じて、後述する自動停止制御を行う。
【0048】
その後、ステップ140に進み、制御切替部47は、切替スイッチ32からの信号に基づき、
制御モードONの状態で切替スイッチ32が操作されたかどうかを判定する。例えば切替スイッチ32が操作されない場合は、ステップ140の判定が満たされず、その判定が繰り返し行われる。一方、例えば切替スイッチ32が操作された場合は、ステップ140の判定が満たされ、ステップ150に移る。ステップ150では、制御切替部47は、自動停止制御の有効化から無効化に切替えて(言い換えれば、自動停止制御モードのONからOFFに切替えて)内部メモリに更新するとともに、自動停止制御の無効化の指令を自動停止制御部48に出力する。自動停止制御部48は、この指令に応じて自動停止制御を中止する。
【0049】
その後、ステップ160に進み、制御切替部47は、切替スイッチ32からの信号に基づき、切替スイッチ32が再操作されたかどうか
(すなわち、制御モードOFFの状態で切替スイッチ32が操作されたかどうか)を判定する。例えば切替スイッチ32が再操作されない場合は、ステップ160の判定が満たされず、その判定が繰り返し行われる。一方、例えば切替スイッチ32が再操作された場合は、ステップ160の判定が満たされ、ステップ130に移る。ステップ130では、制御切替部47は、自動停止制御の無効化から有効化に切替えて(言い換えれば、自動停止制御モードのOFFからONに切替えて)内部メモリに更新するとともに、自動停止制御の有効化の指令を自動停止制御部48に出力する。自動停止制御部48は、この指令に応じて自動停止制御を再開する。
【0050】
以上のようにして、ステップ130,140,150,160の手順が繰り返し行われる。すなわち、制御切替部47は、切替スイッチ32が操作されない場合、表示装置31で設定された自動停止制御の有効化の設定情報に対応する指令を自動停止制御部48に出力し、切替スイッチ32が操作された場合、表示装置31で設定された自動停止制御の有効化の設定情報を元に、切替スイッチ32の操作に応じて自動停止制御の有効化/無効化を切替えて、これに対応する指令を自動停止制御部48に出力するようになっている。
【0051】
次に、例えばステップ110にて表示装置31から入力した設定情報が自動停止制御の無効化である場合について説明する。この場合、ステップ120の判定が満たされず、ステップ150に移る。ステップ150では、制御切替部47は、自動停止制御の無効化(言い換えれば、自動停止制御モードのOFF)を内部メモリに記憶するとともに、自動停止制御の無効化の指令を自動停止制御部48に出力する。自動停止制御部48は、この指令に応じて、後述する自動停止制御を行わない。
【0052】
その後、ステップ160に進み、制御切替部47は、切替スイッチ32からの信号に基づき、
制御モードOFFの状態で切替スイッチ32が操作されたかどうかを判定する。例えば切替スイッチ32が操作されない場合は、ステップ160の判定が満たされず、その判定が繰り返し行われる。一方、例えば切替スイッチ32が操作された場合は、ステップ160の判定が満たされ、ステップ130に移る。ステップ130では、制御切替部47は、自動停止制御の無効化から有効化に切替えて(言い換えれば、自動停止制御モードのOFFからONに切替えて)内部メモリに更新するとともに、自動停止制御の有効化の指令を自動停止制御部48に出力する。自動停止制御部48は、この指令に応じて自動停止制御を行う。
【0053】
その後、ステップ140に進み、制御切替部47は、切替スイッチ32からの信号に基づき、切替スイッチ32が再操作されたかどうか
(すなわち、制御モードONの状態で切替スイッチ32が操作されたかどうか)を判定する。例えば切替スイッチ32が再操作されない場合は、ステップ140の判定が満たされず、その判定が繰り返し行われる。一方、例えば切替スイッチ32が再操作された場合は、ステップ140の判定が満たされ、ステップ150に移る。ステップ150では、制御切替部47は、自動停止制御の有効化から無効化に切替えて(言い換えれば、自動停止制御モードのONからOFFに切替えて)内部メモリに更新するとともに、自動停止制御の無効化の指令を自動停止制御部48に出力する。自動停止制御部48は、この指令に応じて自動停止制御を中止する。
【0054】
以上のようにして、ステップ150,160,130,140の手順が繰り返し行われる。すなわち、制御切替部47は、切替スイッチ32が操作されない場合、表示装置31で設定された自動停止制御の無効化の設定情報に対応する指令を自動停止制御部48に出力し、切替スイッチ32が操作された場合、表示装置31で設定された自動停止制御の無効化の設定情報を元に、切替スイッチ32の操作に応じて自動停止制御の有効化/無効化を切替えて、これに対応する指令を自動停止制御部48に出力するようになっている。
【0055】
次に、自動停止制御部48の自動停止制御について説明する。本実施形態の自動停止制御では、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作された状態を自動停止条件とし、この自動停止条件が成立した状態で予め設定された猶予時間Aが経過した場合に、エンジン制御装置を介してエンジンを自動停止させるようになっている。このような自動停止制御の手順を、
図7により説明する。
図7は、自動停止制御の処理内容を表すフローチャートである。
【0056】
この
図7において、ステップ200にて、自動停止制御部48は、まず、エンジン停止までの残り時間Tを猶予期間Aに初期化する(T0=A)。その後、ステップ210に進み、自動停止制御部48は、自動停止条件が成立したかどうかを判定する。具体的には、キースイッチ29からの信号に基づき、キースイッチ29がON位置のままであるかどうかを判定する。また、ロックスイッチ41からの信号に基づき、ゲートロックレバー28が乗降許可位置(上昇位置)に操作されたかどうかを判定する。例えば自動停止条件が成立しない場合(言い換えれば、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作されない場合)は、ステップ210の判定が満たされず、前述のステップ200に戻って上記同様の手順を繰り返す。一方、例えば自動停止条件が成立した場合(言い換えれば、キースイッチ29がON位置のまま、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作された場合)は、ステップ210の判定が満たされ、ステップ220に移る。
【0057】
ステップ220では、自動停止制御部48は、エンジン自動停止までの残り時間Tをカウントダウンする。そして、ステップ230に進み、エンジン自動停止までの残り時間Tが、予め設定された予告時間B(但し、B<A)まで減少したかどうかを判定する。エンジン自動停止までの残り時間Tが予告時間Bとなるまでは、ステップ230の判定が満たされず、前述のステップ210に戻って上記同様の手順を繰り返す。そして、例えばエンジン自動停止までの残り時間Tが予告時間Bとなると、ステップ230の判定が満たされ、ステップ240に移る。ステップ240では、自動停止制御部48は、自動停止を予告する。具体的には、例えば表示装置31の表示部43に自動停止の予告を表示させたり、ブザー(図示せず)を吹鳴させたりする。
【0058】
その後、ステップ250に進み、自動停止制御部48は、エンジン自動停止までの残り時間T=0となったかどうかを判定する。エンジン自動停止までの残り時間T=0となるまでは、ステップ250の判定が満たされず、ステップ210に戻って上記同様の手順を繰り返す。そして、例えばエンジン自動停止までの残り時間T=0となると、ステップ250の判定が満たされ、ステップ260に移る。ステップ260では、自動停止制御部48は、自動停止の指令をエンジン制御装置34に出力する。エンジン制御装置34は、この指令に応じて、キースイッチ29がON位置にあっても、エンジン30を自動停止させる。
【0059】
次に、本実施形態の作用効果を、
図8(a)及び
図8(b)を用いて説明する。
図8(a)は、比較例(切替スイッチ32によって自動停止制御の有効化/無効化が切替えられない場合)のタイムチャートであり、本実施形態(切替スイッチ32によって自動停止制御の有効化/無効化が切替えられる場合)のタイムチャートである。
【0060】
本実施形態では、表示装置31にて、例えば作業条件に応じて自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を予め設定する。具体的に、油圧ショベルにおいて、ダンプトラックへの積込作業のようにダンプトラックの往来のタイミングに応じて作業待ち時間が発生する場合を例にとって説明する。例えば図中の作業待ち時間X1のように、作業待ち時間が自動停止制御の猶予時間Aより十分に長い場合は、エンジン30を自動停止させたほうがよい。そのため、表示装置31にて自動停止制御の有効化を予め設定して、これを基本設定とすることができる。すなわち、運転者が切替スイッチ32を操作しなければ、自動停止制御モードがONであり、自動停止制御装置42で自動停止制御が行われる。そして、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作された状態で猶予時間Aが経過した場合に、エンジン30が自動停止する。
【0061】
しかし、例えば図中の作業時間X2のように、何らかの理由により作業待ち時間が一時的に減少して自動停止制御の猶予時間Aより少しだけ長い程度になると、エンジン30を自動停止させてもすぐに再起動させる必要があるため、エンジン30を自動停止させないほうがよい。すなわち、例えば
図8(a)で示すように、自動停止制御モードがONのままで、エンジン30を自動停止させると(時間t2)、その後(時間t3)、すぐにエンジン30を再起動させるために、例えばキースイッチ29をON位置からOFF位置にいったん操作し、さらにOFF位置からON位置を経由してSTART位置に操作する必要がある。そのため、手間がかかる。
【0062】
そこで、本実施形態では、例えば
図8(b)で示すように、エンジン30の自動停止の直前に、運転者が作業待ち時間の減少に気づいて自動停止制御の有効化から無効化に切替えたいときは、切替スイッチ32を操作する(時間t7)。これにより、自動停止制御モードをONからOFFに即座に切替えることができる。すなわち、自動停止制御装置42は、自動停止制御を中止するので、エンジン30を自動停止させない。したがって、作業性を向上させることができる。
【0063】
その後、例えば
図8(b)で示すように、エンジン30の駆動中に、運転者が作業待ち時間の増加に気づいて自動停止制御の無効化から有効化に切替えたいときは、切替スイッチ32を再操作する(時間t8)。これにより、自動停止制御モードをOFFからONに即座に切替えることができる。すなわち、自動停止制御装置42は、自動停止制御を行うようになり、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作された状態で猶予時間Aが経過した場合に、エンジン30を自動停止させる。したがって、省エネ効果を得ることができる。
【0064】
以上のように本実施形態においては、自動停止制御の有効化/無効化の基本設定を残したまま、作業条件の変化に応じて自動停止制御の有効化/無効化を容易に変更することができる。
【0065】
また、本実施形態においては、自動停止制御の有効化/無効化の基本設定(本実施形態では、油圧ショベルの起動時における自動停止制御の有効化/無効化の設定)を変更する必要がなければ、表示装置31にて自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を変更する必要がない。そのため、表示装置31にて自動停止制御の有効化/無効化の設定情報が頻繁に変更されず、運転者がその設定情報を忘れにくい。したがって、自動停止制御の切忘れ若しくは入忘れを抑えることができる。
【0066】
なお、上記一実施形態においては、切替スイッチ32は、運転席22の右側のスイッチパネル33に設けられた場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。例えば
図9で示す変形例のように、切替スイッチ32Aは、運転席22に着座した運転者の手が届く位置として、操作レバー26の把持部(又は他の操作レバーの把持部)に設けられてもよい。また、例えば
図10で示す変形例のように、切替スイッチ32Bは、運転席22に着座した運転者の足が届く位置として、運転室12の床上に設けられてもよい。また、切替スイッチ32、32A、又は32Bは、モーメンタリ式に限られず、オルタネート式であってもよい。これらの変形例においても、上記一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、上記一実施形態においては、エンジン30の自動停止後にエンジン30を再起動させるために、キースイッチ29をON位置からOFF位置にいったん操作し、さらにOFF位置からON位置を経由してSTART位置に操作する必要がある場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。例えばキースイッチ29がON位置のまま、ゲートロックレバー28を乗降許可位置から乗降阻止位置に操作することにより、エンジン30が再起動するように構成してもよい。すなわち、自動停止制御装置42は、ロックスイッチ41からの信号に基づき、ゲートロックレバー28が乗降許可位置から乗降阻止位置に操作されたと判定した場合に、エンジン制御装置34を介してエンジン30を再起動させてもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、上記一実施形態においては、表示装置31は、油圧ショベルの起動時(すなわち、キースイッチ29がOFF位置からON位置に操作されたとき)における自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を設定するものであり、自動停止制御装置42の制御切替部47は、油圧ショベルの起動時のみに入力した自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を元に、切替スイッチ32の操作の有無に応じて自動停止制御の有効化/無効化を切替えて、これに対応する指令を自動停止制御部48に出力する場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。例えば、表示装置31は、エンジン30の起動時における自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を設定するものでもよい。すなわち、自動停止制御装置42の制御切替部47は、エンジン制御装置34又はセンサからの情報に基づきエンジン30が起動していると判定した場合に、表示装置31から自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を入力してもよい。そして、エンジン30の起動時のみに入力した自動停止制御の有効化/無効化の設定情報を元に、切替スイッチ32の操作の有無に応じて自動停止制御の有効化/無効化を切替えて、これに対応する指令を自動停止制御部48に出力してもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、上記一実施形態においては、自動停止制御装置42の自動停止制御は、ゲートロックレバー28が乗降許可位置に操作された状態を自動停止条件とし、この自動停止条件が成立した状態で猶予時間Aが経過した場合に、エンジン30を自動停止させる場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。例えば全ての操作装置38等(又は全ての方向切換弁37等)が操作されていない状態を自動停止条件とし、この自動停止条件が成立した状態で猶予時間が経過した場合に、エンジン30を自動停止させてもよい。具体的には、例えば、シャトル弁等を介して全ての操作装置38等の操作パイロット圧のうちの最大値を導入し、これが予め設定された閾値に達した場合に信号を出力するような圧力スイッチを設けてもよい。そして、自動停止制御装置42は、この圧力スイッチからの信号に基づき、全ての操作装置38等(又は全ての方向切換弁37等)が操作されていないかどうかを判定してもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。