(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部は、前記補充可否検出部が前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないことを検出したときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示することを特徴とする請求項1に記載の貨幣入出金装置。
前記表示部は、前記補充可否検出部が前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができることを検出したときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができる旨を表示することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の貨幣入出金装置。
貨幣を入金するための入金部と、入金された該貨幣を金種別に収納するとともに収納された該貨幣を必要に応じて繰り出す貨幣収納部と、該貨幣収納部から繰り出された該貨幣を出金するための出金部と、を有する貨幣入出金装置を用いた貨幣補充可否判断方法において、
補充単位枚数以上の貨幣が前記貨幣収納部内に補充可能か否かを検出する工程と、
前記検出する工程における検出結果に基づき、補充単位で幾らの貨幣を貨幣収納部に補充することができるかを表示する工程と、
を備えたことを特徴とする貨幣補充可否判断方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに、上記の特許文献1の貨幣入出金装置によれば補充フル状態の場合に補充を拒否することができる。しかしながら、このような貨幣入出金装置によっても、予め補充単位枚数以上の貨幣を補充することができるかどうかを操作者が認識することはできず、どうしてもある不足した金種の硬貨を補充する時についでに他の金種も一緒に補充してしまい、無駄な補充処理が発生してしまう。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、予め補充単位枚数以上の貨幣を補充することができるかどうかを操作者が認識することができ、無駄な補充処理を行うことを防止することができる貨幣入出金装置および貨幣入出金システムと、このような貨幣入出金装置に貨幣を補充するための貨幣補充可否判断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による貨幣入出金装置は、
貨幣を入金するための入金部と、
入金された前記貨幣を収納するとともに、収納された該貨幣を必要に応じて繰り出す貨幣収納部と、
前記貨幣収納部から繰り出された前記貨幣を出金するための出金部と、
補充単位枚数以上の貨幣が前記貨幣収納部内に補充可能か否かを検出する補充可否検出部と、
前記補充可否検出部が前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないことを検出したときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示する補充不可表示部と、
を備えている。
【0010】
本発明による貨幣入出金装置は、
満杯よりも所定枚数少ない枚数の貨幣を前記貨幣収納部が収納しているニアフル状態を検出するニアフル検出部をさらに備え、
前記所定枚数が前記補充単位枚数よりも少なく、
前記補充可否検出部が前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないことを検出し、かつ、前記ニアフル検出部が前記ニアフル状態を検出していないときに、前記補充不可表示部が補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示してもよい。
【0011】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記貨幣は硬貨であり、
前記補充単位枚数は20枚または50枚であってもよい。
【0012】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記貨幣は紙幣であり、
前記補充単位枚数は5枚、10枚または20枚のいずれかであってもよい。
【0013】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記補充不可表示部は、貨幣の入出金処理を行うことができる通常モードにおいて、前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示してもよい。
【0014】
本発明による貨幣入出金装置において、
貨幣の補充を行う補充モードに切換可能となっており、
前記補充不可表示部は、前記補充モードになったときであって、かつ、前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示してもよい。
【0015】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記補充可否検出部は、前記貨幣収納部への貨幣の入出を計数するソフトカウンタによって前記補充単位枚数以上の貨幣を該貨幣収納部内に補充可能か否かを検出するソフト検出部と、前記貨幣収納部内の貨幣の量をセンサで検出することで該補充単位枚数以上の貨幣を該貨幣収納部内に補充可能か否かを検出するハード検出部とを有し、
前記ソフト検出部または前記ハード検出部のいずれか一方によって前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないことが検出されたときに、前記補充不可表示部は補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示してもよい。
【0016】
本発明による貨幣入出金装置において、
硬貨に関する前記補充単位枚数は、棒金を形成するときに包装される硬貨の枚数である包装単位枚数であり、
本発明による貨幣入出金装置は、棒金収納筐体と、該棒金収納筐体に対して引き出し自在に設けられるとともに、棒金を収納する棒金収納部を有する棒金収納ドロアと、を有する棒金収納庫をさらに備えてもよい。
【0017】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記棒金収納庫は、前記補充可否検出部によって前記包装単位枚数以上の補充を行うことができない金種の硬貨があることが検出されたときに、該金種からなる棒金を取り出せないようにロックする棒金ロック部を有してもよい。
【0018】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記貨幣収納部は、硬貨を金種別に収納し、
前記棒金収納ドロアは、金種別に棒金を収納する複数の金種別棒金収納ドロアを有し、 前記補充可否検出部によって前記包装単位枚数以上の補充を行うことができない金種の硬貨があることが検出されたときに、前記棒金ロック部は該金種からなる棒金を収納した金種別棒金収納ドロアを引き出せないようにロックしてもよい。
【0019】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記貨幣収納部は、硬貨を金種別に収納し、
前記補充可否検出部によって前記包装単位枚数以上の補充を行うことができない金種の硬貨があることが検出されたときに、前記棒金ロック部は該金種からなる棒金を収納した棒金収納部から棒金を取り出せないようにロックしてもよい。
【0020】
本発明による貨幣入出金装置において、
前記貨幣収納部は、硬貨を金種別に収納し、
前記棒金収納庫から棒金が取り出される度に該棒金の硬貨が補充されたものと仮定して前記貨幣収納部内の貨幣の仮想収納枚数が算出され、前記補充可否検出部は、該仮想収納枚数を考慮して前記包装単位枚数以上の貨幣が該貨幣収納部内にさらに補充可能か否かを検出してもよい。
【0021】
本発明による貨幣入出金装置は、
前記補充単位枚数を変更するための単位変更設定部をさらに備えてもよい。
【0022】
本発明による貨幣入出金システムは、
貨幣の入出金処理を行う貨幣入出金装置と、
前記貨幣入出金装置からの信号に基づいて表示を行う表示装置と、を備え、
前記貨幣入出金装置が、
貨幣を入金するための入金部と、
入金された前記貨幣を収納するとともに、収納された該貨幣を必要に応じて繰り出す貨幣収納部と、
前記貨幣収納部から繰り出された前記貨幣を出金するための出金部と、
補充単位枚数以上の貨幣が前記貨幣収納部内に補充可能か否かを検出する補充可否検出部と、
を有し、
前記表示装置が、前記補充可否検出部が前記補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないことを検出したときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示する。
【0023】
本発明による貨幣入出金システムにおいて、
前記表示装置は、補充貨幣が管理されている場所に設置されてもよい。
【0024】
本発明による貨幣補充可否判断方法は、
貨幣を入金するための入金部と、入金された該貨幣を収納するとともに収納された該貨幣を必要に応じて繰り出す貨幣収納部と、該貨幣収納部から繰り出された該貨幣を出金するための出金部と、を有する貨幣入出金装置を用いた貨幣補充可否判断方法において、
補充単位枚数以上の貨幣が前記貨幣収納部内に補充可能か否かを検出する工程と、
前記補充単位枚数以上の貨幣を前記貨幣収納部内に補充することができないことが検出されたときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示する工程と、 を備えている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができないことが検出されたときに、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨が表示される。このため、無駄な補充処理を行うことを防止することができる。また、このように無駄な補充処理を防げるので、無駄な釣銭準備金を準備しなくてよくなり、釣銭資金を圧縮することができる。さらに、操作者が、補充単位枚数以上の貨幣を補充できるか否かを判断する必要が無くなるので、操作者を精神面で安心させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
第1の実施の形態
以下、本発明に係る貨幣入出金装置の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、
図1乃至
図6は本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、本願において「貨幣」とは「硬貨」と「紙幣」の両方を意味している。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態の貨幣入出金システムは、貨幣を入出金することができる貨幣入出金装置100,200と、この貨幣入出金装置100,200に接続されて通信可能となっているPOSレジスタ10と、を備えている。このうち、貨幣入出金装置100,200は、硬貨を処理する硬貨入出金装置100と、紙幣を処理する紙幣入出金装置200とからなっている。
【0029】
硬貨入出金装置100は、
図2に示すように、硬貨を受け入れる硬貨入金口101と、硬貨入金口101によって受け入れられた硬貨を機内に繰り入れる硬貨繰入機構(図示せず)と、硬貨繰入機構によって繰り入れられた硬貨を搬送する硬貨搬送部103と、硬貨搬送部103に設けられ、硬貨の金種などを識別する硬貨識別部104と、を有している。なお、
図3に示すように、この硬貨識別部104には、硬貨入出金装置100を制御する硬貨制御部C1が接続され、硬貨識別部104によって識別された硬貨の金種などが当該硬貨制御部C1に送られる。
【0030】
また、
図2に示すように、硬貨識別部104の下流側であって後述する硬貨収納部106と硬貨出金部130の上流側には、硬貨搬送部103で搬送された硬貨を硬貨収納部106に搬送するか、硬貨出金部130に搬送するかを分ける分岐部105が設けられている。なお、入金時に硬貨識別部104で識別することができなかった硬貨は、リジェクト硬貨として分岐部105で分岐されて硬貨出金部130から出金される。
【0031】
また、
図2に示すように、分岐部105の下流側には、金種別に硬貨を収納する硬貨収納部106(106a−106f)が設けられている。なお、この硬貨収納部106は、高額な硬貨ほど正面側に収納されるように構成されている。すなわち、正面側(
図2の下方側)から順に、500円硬貨を収納する硬貨収納部106a、100円硬貨を収納する硬貨収納部106b、50円硬貨を収納する硬貨収納部106c、10円硬貨を収納する硬貨収納部106d、5円硬貨を収納する硬貨収納部106e、1円硬貨を収納する硬貨収納部106fが配置されている。なお、硬貨収納部106の各々には、硬貨収納部106から繰り出される硬貨を計数するための投出硬貨検出部(図示せず)が設けられている。
【0032】
また、硬貨収納部106は、必要に応じて硬貨収納部106から硬貨を繰り出す硬貨繰出機構(図示せず)を有している。また、
図2に示すように、硬貨収納部106には、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を出金するための硬貨出金部130が硬貨搬送部103を介して連結されている。なお、硬貨収納部106と硬貨出金部130との間には、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を検出するとともに計数する払出硬貨検出部109が設けられている。
【0033】
また、
図2に示すように、紙幣入出金装置200は、紙幣が挿入される紙幣入金口201と、紙幣入金口201によって受け入れられた紙幣を機内に繰り入れる紙幣繰込機構202と、紙幣繰込機構202に連結され、紙幣繰込機構202によって繰り込まれた紙幣を搬送する紙幣接続搬送部203bと、紙幣接続搬送部203bに連結され、紙幣接続搬送部203bから搬送された紙幣を搬送する紙幣周回搬送部203aと、を有している。
なお、この紙幣周回搬送部203aは、紙幣繰込機構202によって繰り込まれた紙幣を搬送する場合には反時計回りに当該紙幣を搬送し、後述する紙幣収納部206内から紙幣を繰り出す場合には時計回りに当該紙幣を搬送する。
【0034】
また、
図2に示すように、紙幣周回搬送部203aには、紙幣の金種などを識別する紙幣識別部204が設けられている。なお、
図3に示すように、この紙幣識別部204には、紙幣入出金装置200を制御する紙幣制御部C2が接続され、紙幣識別部204によって識別された紙幣の金種などが当該紙幣制御部C2に送られる。また、紙幣周回搬送部203aには、紙幣接続搬送部203bを介して紙幣収納部206が連結されており、各紙幣収納部206には、紙幣識別部204による識別結果に基づいて、金種別に紙幣が収納される。なお、紙幣収納部206は、必要に応じて紙幣収納部206から紙幣を繰り出す紙幣繰出機構(図示せず)を有している。
【0035】
また、
図2に示すように、紙幣周回搬送部203aには、回収処理を行う際に紙幣収納部206から繰り出された紙幣を収納する回収カセット207が紙幣接続搬送部203bを介して連結されている。なお、紙幣識別部204で識別された紙幣の金種を収納するための紙幣収納部206が満杯である場合には、この紙幣はオーバーフロー紙幣として、回収カセット207に収納される。
【0036】
また、
図2に示すように、紙幣周回搬送部203aには、必要に応じて紙幣収納部206から繰り出された紙幣が放出される紙幣放出ユニット208が、紙幣接続搬送部203bを介して連結されている。また、この紙幣放出ユニット208には、紙幣を機外へ放出する紙幣出金口230が設けられている。なお、紙幣放出ユニット208は、入金時に汚損などにより紙幣識別部204によって金種を識別することができない紙幣(入金リジェクト紙幣)が放出されるようにもなっている。
【0037】
また、
図2に示すように、紙幣周回搬送部203aには、紙幣収納部206から繰り出された紙幣が、斜行などにより紙幣識別部204によって金種を識別できない場合に、当該紙幣(出金リジェクト紙幣)を収納する出金リジェクト部240が連結されている。
【0038】
また、
図2に示すように、硬貨入出金装置100の硬貨制御部C1は紙幣入出金装置200の紙幣制御部C2に接続されている。そして、この紙幣制御部C2には、POSレジスタ10を制御するPOS制御部C0が接続されている。なお、硬貨制御部C1は、硬貨の入出金処理を行うことができる通常モードと、硬貨の補充を行うことができる補充モードと、硬貨の回収を行うことができる回収モードに切換可能になっている。また、紙幣制御部C2も、紙幣の入出金処理を行うことができる通常モードと、紙幣の補充を行うことができる補充モードと、紙幣の回収を行うことができる回収モードに切換可能になっている。
【0039】
なお、上述した硬貨入金口101と硬貨繰入機構によって硬貨入金部が構成され、紙幣入金口201と紙幣繰込機構202によって紙幣入金部が構成されている。また、これら硬貨入金部と紙幣入金部によって貨幣を入金するための入金部が構成されている。
【0040】
また、上述した硬貨収納部106と紙幣収納部206によって貨幣収納部106,206が構成されている。また、上述した紙幣放出ユニット208と紙幣出金口230によって紙幣出金部が構成され、この紙幣出金部と上述した硬貨出金部130によって出金部が構成されている。
【0041】
また、
図1に示すように、POSレジスタ10は、顧客へ購入金額、釣銭などの情報を提示するためのカスタマーディスプレイ12と、操作者が購入商品などの情報を打ち込むための操作ボタン13とを有している。
【0042】
また、
図3に示すように、硬貨制御部C1には、補充単位枚数以上の硬貨が硬貨収納部106内に補充可能か否かを検出する硬貨補充可否検出部120が接続されている。また、紙幣制御部C2には、補充単位枚数以上の紙幣が紙幣収納部206内に補充可能か否かを検出する紙幣補充可否検出部220が接続されている。そして、これら硬貨補充可否検出部120と紙幣補充可否検出部220によって、補充可否検出部120,220が構成されている。
【0043】
また、本実施の形態の硬貨入出金装置100は、
図3に示すように、硬貨収納部106への硬貨の入出を計数する硬貨ソフトカウンタ121sと、この硬貨ソフトカウンタ121sからの情報を受けて補充単位枚数以上の硬貨を硬貨収納部106内に補充可能か否かを検出する硬貨ソフト検出部121と、を有している。また、硬貨入出金装置100は、硬貨収納部106内の硬貨の量を検出する硬貨センサ106s(
図2参照)と、この硬貨センサ106sからの情報を受けて補充単位枚数以上の硬貨を硬貨収納部106内に補充可能か否かを検出する硬貨ハード検出部122と、を有している。そして、上記の硬貨補充可否検出部120は、硬貨ソフト検出部121と硬貨ハード検出部122の両方からなっている。このように、本実施の形態では、硬貨ソフト検出部121と硬貨ハード検出部122の両方から硬貨補充可否検出部120が構成される態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、例えば硬貨補充可否検出部120は硬貨ソフト検出部121のみからなってもよいし、また、硬貨ハード検出部122のみからなってもよい。
【0044】
また、本実施の形態の紙幣入出金装置200は、
図3に示すように、紙幣収納部206への紙幣の入出を計数する紙幣ソフトカウンタ221sと、この紙幣ソフトカウンタ221sからの情報を受けて補充単位枚数以上の紙幣を紙幣収納部206内に補充可能か否かを検出する紙幣ソフト検出部221と、を有している。また、紙幣入出金装置200は、紙幣収納部206内の紙幣の量を検出する紙幣センサ206s(
図2参照)と、この紙幣センサ206sからの情報を受けて補充単位枚数以上の紙幣を紙幣収納部206内に補充可能か否かを検出する紙幣ハード検出部222と、を有している。そして、上記の紙幣補充可否検出部220は、紙幣ソフト検出部221と紙幣ハード検出部222の両方からなっている。このように、本実施の形態では、紙幣ソフト検出部221と紙幣ハード検出部222の両方から紙幣補充可否検出部220が構成される態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、例えば紙幣補充可否検出部220は紙幣ソフト検出部221のみからなってもよいし、また、紙幣ハード検出部222のみからなってもよい。
【0045】
なお、硬貨補充可否検出部120が補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないと判断するのは、「硬貨収納部106で収容可能な硬貨の満杯枚数−補充単位枚数<実際に硬貨収納部106内に収納されている硬貨の枚数」となっているときであり、紙幣補充可否検出部220が補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないと判断するのは、「紙幣収納部206で収容可能な紙幣の満杯枚数−補充単位枚数<実際に紙幣収納部206内に収納されている紙幣の枚数」となっているときである。
【0046】
ところで、本願の「補充単位枚数」とは、補充する貨幣の一般的な枚数のことを意味している。そして、硬貨についての補充単位枚数は、例えば棒金を形成するときに包装される硬貨の枚数である包装単位枚数からなってもよく、20枚または50枚からなってもよい。これは、通常、500円硬貨について棒金として包装される硬貨の枚数が20枚であり、500円以外の金種の硬貨について棒金として包装される硬貨の枚数が50枚であるためである。また、紙幣についての補充単位枚数は、例えば5枚、10枚、20枚などからなってもよい。これは、通常、店舗などで紙幣の束ねられる枚数(紙幣束の枚数)が5枚、10枚、20枚などからなっているためである。
【0047】
なお、
図3に示すように、硬貨制御部C1には硬貨の補充単位枚数を変更するための硬貨単位変更設定部113が接続され、紙幣制御部C2には紙幣の補充単位枚数を変更するための紙幣単位変更設定部213が接続されている。このため、これら硬貨単位変更設定部113および紙幣単位変更設定部213によって、硬貨および紙幣の補充単位枚数を店舗などの用途に合わせて設定することができる。
【0048】
また、
図3に示すように、硬貨制御部C1には、硬貨補充可否検出部120が補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないことを検出したときに補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨を表示する硬貨表示部111(
図1参照)が接続されている。また、紙幣制御部C2には、紙幣補充可否検出部220が補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないことを検出したときに補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨を表示する紙幣表示部211(
図1参照)が接続されている。
【0049】
また、POSレジスタ10は、硬貨補充可否検出部120が補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないことを検出したときに補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨を表示し、紙幣補充可否検出部220が補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないことを検出したときに補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨を表示するPOS表示部11(
図1参照)を有している。なお、硬貨補充可否検出部120から送られてくる信号と紙幣補充可否検出部220から送られてくる信号はPOS制御部C3に送られる。そして、当該POS制御部C3からの信号に基づいて、POS表示部11に上記の情報(補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨の情報と補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨の情報)が表示される。
【0050】
また、POS制御部C0には、硬貨補充可否検出部120が補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないことを検出したときに補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨を表示し、紙幣補充可否検出部220が補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないことを検出したときに補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨を表示する表示装置50(
図2参照)が接続されている。なお、この表示装置50は、例えば店舗のバックヤードなどの補充貨幣が管理されている場所に設置されている。このため、管理者は、補充単位枚数以上の硬貨や紙幣を貨幣入出金装置100,200に補充することができるかを把握したうえで、補充する硬貨および紙幣の量を決定することができる。
【0051】
なお、これら硬貨表示部111、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50の各々が補充不可表示部として機能している。
【0052】
また、
図3に示すように、硬貨制御部C1には、満杯よりも「所定枚数」少ない枚数の硬貨を硬貨収納部106が収納しているニアフル状態を検出する硬貨ニアフル検出部112が接続されている。また、紙幣制御部C2には、満杯よりも「所定枚数」少ない枚数の紙幣を紙幣収納部206が収納しているニアフル状態を検出する紙幣ニアフル検出部212が接続されている。そして、これら硬貨ニアフル検出部112と紙幣ニアフル検出部212によって、ニアフル検出部が構成されている。
【0053】
なお、本実施の形態の硬貨ニアフル検出部112は、
図3に示すように、硬貨ソフトカウンタ121sと硬貨センサ106sの両方に接続され、硬貨ソフトカウンタ121sと硬貨センサ106sの両方の情報からニアフル状態を検出するように構成されている。また、同様に、紙幣ニアフル検出部212は、紙幣ソフトカウンタ221sと紙幣センサ206sの両方に接続され、紙幣ソフトカウンタ221sと紙幣センサ206sの両方の情報からニアフル状態を検出するように構成されている。
【0054】
ところで、本実施の形態の態様と異なり、硬貨ニアフル検出部112は、硬貨ソフトカウンタ121sからの情報のみによってニアフル状態を検出してもよいし、硬貨センサ106sからの情報のみによってニアフル状態を検出してもよい。また、同様に、紙幣ニアフル検出部212は、紙幣ソフトカウンタ221sからの情報のみによってニアフル状態を検出してもよいし、紙幣センサ206sからの情報のみによってニアフル状態を検出してもよい。
【0055】
本実施の形態では、上記の「所定枚数」は補充単位枚数よりも少なくなっており、硬貨制御部C1は、硬貨補充可否検出部120が補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないことを検出し、かつ、硬貨ニアフル検出部112がニアフル状態を検出していないときに、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50に補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨の表示をさせる(
図4(c)参照)。他方、硬貨ニアフル検出部112がニアフル状態を検出しているときには、硬貨制御部C1は、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50に単に硬貨を補充することができない旨の表示をさせる(
図4(b)参照)。
【0056】
また、紙幣制御部C2は、紙幣補充可否検出部220が補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないことを検出し、かつ、紙幣ニアフル検出部212がニアフル状態を検出していないときに、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50に補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨の表示をさせる(
図4(c)参照)。他方、紙幣ニアフル検出部212がニアフル状態を検出しているときには、紙幣制御部C2は、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50に単に紙幣を補充することができない旨の表示をさせる(
図4(b)参照)。なお、
図4(a)は、貨幣収納部106,206に貨幣が満杯に収納されている状態を示している。
【0057】
次に、硬貨表示部111、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50で表示される表示態様について説明する。表示態様の一例としては、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50の各々が、通常モードにおいて、補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないときにはその旨を表示するとともに、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50の各々が、通常モードにおいて、補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないときにはその旨を表示するようにしてもよい。
【0058】
ここで、
図5(a)(b)を用いて、補充単位枚数以上の「硬貨」を補充することができないときに、その旨を通常モードで表示する例について説明する。一例として、
図5(a)に示すように、補充単位枚数以上を補充することができない硬貨の金種(
図5(a)に示す態様では500円、50円、10円)を硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50の各々に表示させることができる。また、他の例として、
図5(b)に示すように、補充単位枚数以上を補充することができない硬貨の金種を特殊な表示態様で(
図5(b)では500円、50円、10円を反転表示させて)硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50の各々に表示させることができる。
【0059】
このように、補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充することができないときには、通常モードにおいてその旨を表示する態様では、操作者が常に補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充することができるか把握することができる。このため、操作者は、硬貨収納部106および紙幣収納部206へ補充する必要性の有無を常時把握することができる。
【0060】
また、異なる表示態様としては、通常モードでは補充単位枚数以上の貨幣を補充できるかを一切表示せず、補充モードに切り換えられた際にのみ補充単位枚数以上の貨幣を補充できるかを表示するようにしてもよい。より具体的には、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50の各々が、硬貨制御部C1が補充モードになったときであって、かつ、補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないときに、補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨を表示する。また、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50の各々が、紙幣制御部C2が補充モードになったときであって、かつ、補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないときに、補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨を表示する。なお、通常モードでは、補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充できるかを一切表示しない。
【0061】
ここで、
図6(a)(b)を用いて、補充単位枚数以上の「硬貨」を補充することができないときに、通常モードではその旨を一切表示せず、他方、補充モードでその旨を表示する例について説明する。具体的には、通常モードでは、補充単位枚数以上の硬貨を補充できるかは一切表示されない(
図6(a)参照)。他方、補充モードに入った際に補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないときには、補充単位枚数以上を補充することができない硬貨の金種が特殊な表示態様で(
図6(b)では500円、50円、10円を反転表示させて)、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50の各々に表示される。
【0062】
このように、通常モードでは補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充できるかを一切表示せず、補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充することができないときには補充モードにおいてのみその旨を表示する態様では、通常モードにおいて余分な表示が行われない。このため、通常モードにおいて、硬貨表示部111、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50の各々での表示スペースを無駄にとる必要がなくなる。
【0063】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。
【0064】
(入金処理)
最初に、本実施の形態の貨幣入出金装置100,200における入金処理(補充処理を含む)について、
図2を用いて簡単に説明する。
【0065】
硬貨を入金する際の態様について説明する。まず、硬貨入金口101に硬貨が受け入れられる。次に、硬貨繰入機構(図示せず)によって当該硬貨が機内に繰り入れられる。次に、当該硬貨は硬貨搬送部103によって搬送される。このように硬貨搬送部103によって硬貨が搬送されている間に、当該硬貨の金種が硬貨識別部104によって識別される。そして、硬貨識別部104による識別結果を受けて、金種別に硬貨収納部106に硬貨が収納される。なお、硬貨識別部104で識別することができなかった硬貨は、分岐部105で分岐されて、入金リジェクト硬貨として硬貨出金部130へ搬送されて出金される。
【0066】
次に、紙幣を入金する際の態様について説明する。紙幣入金口201から紙幣が挿入されると、紙幣繰込機構202によって当該紙幣が機内に繰り入れられる。次に、当該紙幣は紙幣接続搬送部203bと紙幣周回搬送部203aによって搬送される。なお、紙幣周回搬送部203aにおいては反時計回りで当該紙幣が搬送される。このように紙幣周回搬送部203aによって紙幣が搬送されている間に、当該紙幣の金種が紙幣識別部204によって識別される。そして、紙幣識別部204による識別結果を受けて、金種別に紙幣収納部206に紙幣が収納される。なお、紙幣識別部204で識別することができなかった紙幣は、入金リジェクト紙幣として紙幣放出ユニット208へ搬送されて紙幣出金口230から出金される。
【0067】
(出金処理)
次に、本実施の形態の貨幣入出金装置100,200における出金処理(回収処理も含む)について、
図2を用いて簡単に説明する。
【0068】
硬貨を出金する際の態様について説明する。まず、POSレジスタ10などの上位機によって出金指令が出力されると、紙幣入出金装置200の紙幣制御部C2を介して硬貨入出金機100に出金指令が入力される。そして、この指令を受けて、硬貨制御部C1によって、出金処理を行う旨の指示が出されて、硬貨収納部106の硬貨繰出機構(図示せず)によって硬貨が硬貨搬送部103に繰り出される。なお、硬貨搬送部103から硬貨が繰り出される際に、投出硬貨検出部(図示せず)によって当該硬貨が計数される。硬貨搬送部103に繰り出された硬貨は、硬貨搬送部103によって硬貨出金部130に向かって搬送されて、最終的には硬貨出金部130から出金される。なお、硬貨搬送部103によって硬貨が搬送されている間に、払出硬貨検出部109によって繰り出された硬貨の金種と枚数が確認される。
【0069】
次に、紙幣を出金する際の態様について説明する。まず、POSレジスタ10などの上位機によって出金指令が入力される。そして、この指令を受けて、紙幣制御部C2によって、出金処理を行う旨の指示が出されて、紙幣収納部206の紙幣繰出機構(図示せず)によって紙幣が紙幣接続搬送部203bに繰り出される。次に、当該紙幣が紙幣周回搬送部203aを時計回りに搬送された後で、紙幣接続搬送部203bを介して紙幣放出ユニット208に搬送されて紙幣出金口230から出金される。なお、回収処理の場合には、紙幣放出ユニット208の代わりに回収カセット207に紙幣が搬送される。ところで、紙幣周回搬送部203aによって紙幣が搬送されている際に、紙幣識別部204によって当該紙幣の金種が識別される。そして、汚損などにより紙幣識別部204によって金種を識別することができない紙幣は出金リジェクト部240に搬送される。
【0070】
(本実施の形態による貨幣入金装置特有の作用効果)
上記の入金処理について述べた態様で貨幣が補充されることになるが、本実施の形態によれば、このように貨幣を貨幣入金装置に補充する前に、操作者が、補充単位枚数以上の貨幣を補充することができるかを確認することができる。より具体的には、本実施の形態によれば、硬貨補充可否検出部120によって補充単位枚数以上の硬貨が硬貨収納部106内に補充可能か否かが各金種毎に検出される。そして、硬貨補充可否検出部120によって補充単位枚数以上の硬貨を硬貨収納部106内に補充することができないことが検出された金種があるときに、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50の各々によって、該当する金種に対して補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨が表示される。また、同様に、紙幣補充可否検出部220によって補充単位枚数以上の紙幣が紙幣収納部206内に補充可能か否かが各金種毎に検出される。そして、紙幣補充可否検出部220によって補充単位枚数以上の紙幣を紙幣収納部206内に補充することができないことが検出された金種があるときに、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50の各々によって、該当する金種に対して補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨を表示される。このため、予め補充単位枚数の硬貨や紙幣を補充することができるかが操作者によって把握されるので、操作者が無駄な補充処理を行うことを防止することができる。また、このように無駄な補充処理を防げるので、無駄な釣銭準備金を準備しなくてよくなり、釣銭資金を圧縮することができる。さらに、補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充することができないことが自動的に表示されるので、操作者自らが補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充できるか否かを判断する必要が無くなるので、操作者を精神面で安心させることができる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、硬貨補充可否検出部120によって補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないことが検出され、かつ、硬貨ニアフル検出部112によってニアフル状態が検出されていないときに、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50によって補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨が表示される(
図4(c)参照)。他方、硬貨ニアフル検出部112によってニアフル状態が検出されているときには、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50によって単に硬貨を補充することができない旨が表示される(
図4(b)参照)。このため、ニアフル状態のときには硬貨を補充すること自体ができないことが操作者に把握され、他方、ニアフル状態ではないものの補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないときには、補充単位枚数未満のバラの硬貨を補充することができることが操作者に把握される。従って、操作者による状況に応じた硬貨の補充処理が可能となる。
【0072】
また、同様に、紙幣補充可否検出部220によって補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないことが検出され、かつ、紙幣ニアフル検出部212によってニアフル状態が検出されていないときに、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50によって補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨が表示される(
図4(c)参照)。他方、紙幣ニアフル検出部212によってニアフル状態が検出されているときには、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50によって単に紙幣を補充することができない旨が表示される(
図4(b)参照)。このため、ニアフル状態のときには紙幣を補充すること自体ができないことが操作者に把握され、他方、ニアフル状態ではないものの補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないときには、補充単位枚数未満のバラの紙幣を補充することができることが操作者に把握される。従って、操作者による状況に応じた紙幣の補充処理が可能となる。
【0073】
また、本実施の形態では、硬貨補充可否検出部120が、硬貨ソフト検出部121と硬貨ハード検出部122の両方を有しているので、硬貨ソフト検出部121または硬貨ハード検出部122のいずれか一方によって補充単位枚数以上の硬貨を補充することができないことが検出されたときに、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50に補充単位枚数以上の硬貨を補充することができない旨を表示することができる。また、紙幣補充可否検出部220が、紙幣ソフト検出部221と紙幣ハード検出部222の両方を有しているので、紙幣ソフト検出部221または紙幣ハード検出部222のいずれか一方によって補充単位枚数以上の紙幣を補充することができないことが検出されたときに、紙幣表示部211、POS表示部11および表示装置50に補充単位枚数以上の紙幣を補充することができない旨を表示することができる。従って、本実施の形態によれば、ソフト検出部またはハード検出部のいずれか一方しか無い態様と比較して、補充単位枚数以上の硬貨または紙幣を補充することができないことをより確実に把握することができる。
【0074】
第2の実施の形態
次に、
図7乃至
図10により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0075】
図7および
図9に示すように、本実施の形態では、棒金収納筐体301と、棒金収納筐体301に対して引き出し自在に設けられるとともに棒金を収納する棒金収納部311(
図8および
図10参照)を有する棒金収納ドロア310と、を有する棒金収納庫300がさらに設けられた態様になっている。
【0076】
そして、
図8および
図10に示すように、棒金収納庫300は、硬貨補充可否検出部120によって包装単位枚数(補充単位枚数)以上の補充を行うことができない金種の硬貨があることが検出されたときに、当該金種からなる棒金を取り出せないようにロックする棒金ロック部320を有している。
【0077】
なお、
図8および
図10に示すように、棒金収納庫300は、硬貨制御部C1および紙幣制御部C2に接続された棒金制御部C3を有している。そして、棒金制御部C3は、これら硬貨制御部C1および紙幣制御部C2から送られてくる情報に基づいて、棒金ロック部320などを制御するように構成されている。
【0078】
第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。
図7乃至
図10に示す第2の実施の形態において、
図1乃至
図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。なお、紙幣に関する紙幣入出金装置200などについては第1の実施の形態と同様の構成からなっているため、説明を省略する。
【0079】
本実施の形態の一態様において、棒金収納ドロア310は、
図7および
図8に示すように、金種別に棒金を収納する複数の金種別棒金収納ドロア310a−310fを有している。より具体的には、
図7および
図8に示す態様では、500円硬貨が金種別棒金収納ドロア310aに収納され、100円硬貨が金種別棒金収納ドロア310bに収納され、50円硬貨が金種別棒金収納ドロア310cに収納され、10円硬貨が金種別棒金収納ドロア310dに収納され、5円硬貨が金種別棒金収納ドロア310eに収納され、1円硬貨が金種別棒金収納ドロア310fに収納される。
【0080】
そして、硬貨補充可否検出部120によって補充単位枚数以上の硬貨の補充を行うことができない金種の硬貨があることが検出されたときに、棒金ロック部320が、当該金種からなる棒金を収納した金種別棒金収納ドロア310a−310fを引き出せないようにロックするように構成されている。一例として、硬貨補充可否検出部120によって100円硬貨について補充単位枚数以上の硬貨の補充を行うことができないことが検出されると、棒金ロック部320によって、金種別棒金収納ドロア310bがロックされて引き出されないようになる。なお、
図8では図面を簡略化するために、金種別棒金収納ドロア310cに対応する棒金ロック部320と棒金制御部C3の間の配線のみを点線で示しているが、実際には、全ての棒金ロック部320と棒金制御部C3が接続されており、棒金ロック部320の各々が棒金制御部C3からの信号を受けることができるようになっている。
【0081】
また、本実施の形態の別の態様においては、
図9および
図10に示すように、棒金収納部311の各々に棒金ロック部320が設けられており、硬貨補充可否検出部120によって補充単位枚数以上の硬貨の補充を行うことができない金種の硬貨があることが検出されたときには、棒金ロック部320が当該金種からなる棒金を収納した棒金収納部311から棒金を取り出せないようにロックするように構成されている。一例として、硬貨補充可否検出部120によって100円硬貨について補充単位枚数以上の硬貨の補充を行うことができないことが検出されると、棒金ロック部320によって、100円硬貨の棒金を収納している棒金収納部311に設けられた棒金ロック部320が作動し、当該棒金収納部311から100円硬貨の棒金が取り出されないようになっている。なお、
図10では図面を簡略化するために、一つの棒金ロック部320と棒金制御部C3の間の配線のみを点線で示しているが、実際には、全ての棒金ロック部320と棒金制御部C3が接続されており、棒金ロック部320の各々が棒金制御部C3からの信号を受けることができるようになっている。
【0082】
本実施の形態によれば、補充単位枚数以上の硬貨を棒金収納庫300から取り出すこと自体ができなくなる。このため、例えば操作者が硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50などの表示を見逃した場合であっても、操作者が誤って棒金の硬貨を補充することを防止することができる。この結果、操作者が無駄な補充処理を行うことをより確実に防止することができる。また、操作者にしてみると、硬貨表示部111、POS表示部11および表示装置50などの表示を気にする必要が無くなり、操作者が注意を払わなければならない事項を軽減することができる。
【0083】
なお、棒金の硬貨を硬貨入出金装置100に実際に補充する前に、棒金収納庫300から連続して棒金を取り出すことを想定して、本実施の形態では、棒金収納部311の各々に棒金の有無を検出する棒金有無検知センサ311sが設けられている。そして、棒金収納部311から棒金が取り出される度に当該棒金の硬貨が補充されたものと仮定して硬貨収納部106内の硬貨の仮想収納枚数が算出され、硬貨補充可否検出部120が、仮想収納枚数を考慮して(仮想枚数分の補充が行われたものとして)包装単位枚数以上の硬貨が硬貨収納部106内にさらに補充可能か否かを検出するように構成されている。例えば、100円硬貨の棒金が3本取り出された場合には、当該100円硬貨が実際に硬貨入出金装置100に補充されていなくても、50×3=150枚の補充が行われたものとして取り扱われる。そして、硬貨補充可否検出部120によって、包装単位枚数である50枚以上の100円硬貨が硬貨収納部106b内にさらに補充可能か否かが検出されることとなる。なお、各棒金有無検知センサ311sは棒金制御部C3に接続されており、棒金制御部C3と通信可能となっている。
【0084】
そして、
図9および
図10に示す態様では、2本目以降の棒金についても、包装単位枚数以上の硬貨を補充することができない金種からなる棒金の取り出しを禁止することができる。このため、2本目以降の棒金についても、操作者が誤って補充することを確実に防止することができる。
【0085】
なお、仮想収納枚数の算出は、硬貨補充可否検出部120自身が行ってもよいし、硬貨制御部C1やPOS制御部C0などが行ってもよい。
【0086】
ところで、上述した実施の形態では、貨幣収納部内に補充単位枚数以上の貨幣の補充が可能か否かを検出して、補充できないことが検出されたときに補充単位枚数以上の貨幣を補充することができない旨を表示するようにしたが、これに限られることはない。例えばこれとは逆に、貨幣を補充することができる場合に、補充単位枚数以上の貨幣の補充が可能である旨の表示を行ったり、あるいは補充単位で幾ら(例えば、硬貨であれば、何本の棒金)が補充可能であるかなどを表示するようにしたりしてもよい。