(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例のスロットマシン1は、スロットマシン本体10とカードユニット3とを組み合わせた完全クレジット式のスロットマシンである。以下、この内容について、
図1〜
図8を参照して説明する。
【0016】
本例のスロットマシン1は、
図1のごとく外観的な構成を有している。スロットマシン1の外観構成は、向かって左側のスロットマシン本体10と、その右側のカードユニット3と、により構成されている。スロットマシン本体10は、メダルを使用する従来のスロットマシンに対応している。カードユニット3は、隣接台との台間スペースに設置される従来のメダル貸出機に対応する位置に配置されている。カードユニット3は、遊技を通じて遊技者が獲得した得点をクレジットする機能や、遊技に必要な得点を代価の支払いに応じて付与する従来のメダル貸出機のような機能を備えている。
【0017】
スロットマシン本体10の前面部分は、
図1のごとく、図柄表示窓11を略中央に設けた前面枠体15によって形成されている。前面枠体15は、向かって左側に設けられた図示しないヒンジを介して回動可能な状態で台枠に支持されている。
【0018】
前面枠体15では、図柄表示窓11の上側に、液晶表示部161、左右一対のスピーカ166及び装飾ランプ部163が配置されている。図柄表示窓11の下側には、スロットマシン本体10の基部をなすベース部150が形成されている。図柄表示窓11の右側には、付与する得点を表示する得点表示部181が配置されている。
【0019】
ベース部150は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓11に相対して張り出すように形成されている。ベース部150は、図柄表示窓11に隣り合う上端部に棚面状の操作面14を有し、操作面14の下側に隣接して操作パネル13を有している。なお、本例のスロットマシン1は、メダル等の遊技媒体を使用しない完全クレジット式であるので、従来のスロットマシンにおいて最下部に位置するメダル受け皿が省略されている。
【0020】
操作面14には、ゲームに得点を賭けるためのベットボタン144が配置されている。操作パネル13には、リール172の図柄変動を開始させるためのスタートレバー132、図柄変動を停止させるためのストップボタン131が配置されている。
【0021】
図柄表示窓11は、
図2のごとく、図柄表示領域110L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域110L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓11全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄170が配置される図柄表示領域では、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン111〜115が設定されている。
【0022】
各図柄表示領域110L、C、Rの裏側には、図柄変動表示手段17(
図6)を構成するリール172L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール172L、C、Rは、
図3のごとく、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄170が配置された回転式のリールである。リール172L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン131として、左ストップボタン131L、中ストップボタン131C、右ストップボタン131Rが設けられている。
液晶表示部161は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部161は、遊技を演出するための各種の演出画面等を表示可能である。
【0023】
なお、本例のスロットマシン1では、
図4のごとく、ボーナス役(BB役、RB役)、4種類の小役のほか、リプレイ役が設定されている。同図では、各役の名称を左列に、各役に対応する図柄の組合せである入賞図柄を中列に、入賞に応じて遊技者に付与される利益を右列に、それぞれ示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側に示す通常状態下の利益と、同右側に示すボーナス状態下の利益と、がある。
【0024】
カードユニット3は、
図1のごとく、紙幣投入口31、残金額表示部32、消費ボタン33、カード排出ボタン34、カード投入口35、第2得点表示部(得点表示手段)362、得点移動ボタン37、第1得点表示部(得点表示手段)361が上から順番に配置された縦長のユニットである。このカードユニット3では、遊技者の得点が第1得点と第2得点とに振り分けて管理されている。
【0025】
紙幣投入口31は、遊技の対価となる紙幣の投入口である。
残金額表示部32は、紙幣投入口31から投入された紙幣価値のうち、得点に未交換の残金額の表示部である。
消費ボタン33は、残金額表示部32の残金額のうちの千円分を得点に交換するための操作ボタンである。
【0026】
カード投入口35は、ICカード(記録媒体)352の投入・排出口である。カード排出ボタン34は、カード投入口35からICカード352を排出させるための操作ボタンである。ここで、ICカード352は、
図5のごとく、いわゆるクレジットカードサイズのICカードである。ICカード352には、ICチップ355が埋設され、カードIDデータ、残金額、得点などのカードデータが記録されている。なお、ICチップに代えて、磁気ストライプを適用することも良い。
【0027】
得点表示手段を構成する第1得点表示部361及び第2得点表示部362は、第1得点、第2得点の表示部である。
得点移動ボタン37は、第1得点と第2得点との間で得点を移動させるための操作ボタンである。第2得点表示部362側を指し示す上矢印形状の第1移動ボタン371は、第1得点から50点を第2得点に移動させる操作ボタンである。第1得点表示部361側を指し示す下矢印形状の第2移動ボタン372は、第2得点から50点を第1得点に移動させる操作ボタンである。
【0028】
次に、スロットマシン1の電気的な構成は、
図6に示す通りである。スロットマシン本体10側の構成と、カードユニット3側の構成と、に区分され、インターフェース基板5を介して各構成が相互に通信可能な状態で接続されている。なお、各スロットマシン1は、インターフェース基板5を介して図示しない遊技場管理装置等に接続されている。
【0029】
スロットマシン本体10側の電気的な構成は、スロットマシン1の遊技動作を制御する遊技制御部2を中心として構成されている。遊技制御部2に対しては、既出の構成のほか、リール172と共に図柄変動表示手段17を構成するリール駆動部171、リール172の回転位置を検知する基準位置検知部170、得点表示部181を含む各種表示部18、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部19、スピーカ166を制御する音声出力部165等が電気的に接続されている。
【0030】
リール駆動部171は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール172を回転駆動する手段である。
基準位置検知部170は、各リール172L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部19は、設定キー190を利用して、ボーナス役及び小役の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0031】
遊技制御部2は、
図6のごとく、CPU21と、メモリ手段であるROM22・RAM23と、入出力インターフェースとしてのI/O部24と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部25と、乱数を発生する乱数発生部250と、を有している。
ROM22は、ソフトウェアプログラムを記憶しているほか、内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図示略)、リール172の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)を記憶している。
【0032】
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
内部当選役抽選テーブルは、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、ボーナス状態に適用されるテーブルがある。通常状態用の内部当選役抽選テーブルは、1〜6の設定値毎に用意されている。また、ボーナス状態用の内部当選役抽選テーブルでは、ボーナス役、リプレイ役の当選乱数が存在しない。
【0033】
CPU21は、ROM22から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、様々な機能を実現可能である。これにより、遊技制御部2は、内部当選役を抽選する内部抽選手段201、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段202、リール172を制御する表示制御手段203、入賞図柄を判定する入賞判定手段204、入賞に応じて得点を付与する利益付与手段205、ボーナス状態発生手段206、データの送受信を行うデータ通信手段207としての各機能を実現する。
【0034】
カードユニット3側の電気的な構成は、
図6のごとく、得点制御部4を中心として構成されている。得点制御部4に対しては、既出の構成のほか、紙幣処理部310、カード処理部350等が電気的に構成されている。
紙幣処理部310は、紙幣投入口31から投入された紙幣が真正であるか否か、及びその種類(1万円札、5千円札、千円札)を識別する処理部である。
カード処理部350は、ICカード352に記録されたデータの読取処理や書込処理を実行する処理部である。カード処理部350は、ICカード352を発行又は返却する記録媒体発行手段としての機能を備えている。
【0035】
得点制御部4は、
図6のごとく、CPU41と、メモリ手段であるROM42・RAM43と、入出力インターフェースとしてのI/O部44と、を有している。CPU41は、ROM42から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、様々な機能を実現可能である。
【0036】
得点制御部4は、第1得点及び第2得点をクレジット(記憶)する得点記憶手段401、第1得点と第2得点との間で得点を移動させる得点移動手段402、ゲームに得点を賭ける得点賭け手段403、付与等された得点を加算する得点加算手段404、ゲームに賭ける得点を減算する得点減算手段405、カード発行等に応じて得点をリセットする得点リセット手段406、得点の放置時間を計測するタイマ手段407、放置得点をリセットする放置得点リセット手段408、リセット情報を外部出力する出力手段409、データの送受信を行うデータ通信手段410としての各機能を備えている。
【0037】
スロットマシン本体10とカードユニット3との間で送受信されるデータあるいは信号としては、少なくとも、以下のデータ等がある。(1)〜(4)のデータあるいは信号は、スロットマシン本体10からカードユニット3に向けて送信されるデータ等である。(5)の信号は、カードユニット3からスロットマシン本体10に向けて送信されるデータ等である。
【0038】
(1)得点データ:入賞に応じて付与する得点を表すデータ。
(2)BET信号:ベットボタン144の操作信号。
(3)ゲーム開始信号:リール172の変動開始に応じて出力される信号。
(4)ゲーム終了信号:全てのリール172が停止されたときに出力される信号。
(5)BET許可信号:ベットボタン144の操作により得点を賭けることが可能な状態を表すレベル信号。
【0039】
以上のように構成された本例のスロットマシン1は、現金又はICカード352により遊技可能である。現金による遊技では、まず、紙幣投入口31へ紙幣を投入する必要がある。投入された紙幣は、前記紙幣処理部310により真正であるか否か判断される。紙幣処理部310は、投入された紙幣が真正であったとき、その紙幣の種類情報を含む投入紙幣データを得点制御部4に入力する。
【0040】
得点制御部4は、投入紙幣データを入力されたとき、その紙幣価値に当たる金額を残金額に加算し、残金額表示部32の残金額を更新する。千円以上の残金額が表示された状態で消費ボタン33が操作されると、得点制御部4は、残金額のうちの千円を50得点(1得点=20円)に交換し、第1得点に加算する。このとき、残金額表示部32には、未交換の残金額が表示される。
【0041】
スロットマシン1は、現金に代えてICカード352による遊技も可能である。カード投入口35からICカード352が挿入されたとき、前記カード処理部350は、記録されたカードデータを読み書き可能な所定位置にそのICカード352を引き込む。そして、ICカード352から得点や残金額などのカードデータを読み出し、得点制御部4に入力する。
【0042】
得点制御部4は、カードデータを入力されたとき、500点までの得点については第1得点としてクレジットし、500点を超える得点については第2得点としてクレジットする。第1得点、第2得点は、それぞれ、第1得点表示部361、第2得点表示部362に表示される。また、残金額は、残金額表示部32に表示される。
【0043】
得点制御部4は、ゲームの停止中に第1得点を参照し、3点以上であれば、BET操作可能である旨を表す許可フラグを成立させる。この許可フラグの成立中、前記BET許可信号がスロットマシン本体10に対して出力される。なお、許可フラグは、スロットマシン本体10のBET信号の取込に応じてリセットされる。
【0044】
遊技制御部2は、BET許可信号の受信状態でベットボタン144が有効に操作されたとき、規定数(本例では3点)の得点をゲームに賭けたうえでゲーム開始を許可する。一方、得点制御部4は、ベットボタン144の有効操作に応じたBET信号を取り込んだとき、ゲームに賭けられた3点を第1得点から差し引いて更新する。
【0045】
ゲーム開始が許可された状態でスタートレバー132が操作されたとき、乱数発生部250による発生乱数(0〜65535)の中から乱数抽出部25が内部当選役抽選用の乱数を抽出する。遊技制御部2は、抽出された内部当選役抽選用の乱数を内部当選役抽選テーブルと照合することにより内部抽選を実行し、内部当選役を決定する。内部当選役が決定された場合には、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる。なお、内部抽選に当たっては、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかが遊技状態及び設定値に応じて選択的に利用される。
【0046】
遊技制御部2は、内部抽選の実行後、リール172の図柄変動を開始する。遊技制御部2は、リール駆動部171を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。ステッピングモータの回転中、遊技制御部2は、リール駆動部171に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。このステップ数のカウンタ値は、各リール172の基準位置片の検知信号の取り込み毎にゼロリセットされる。したがって、このカウンタ値は、直近の検知信号の後に生じたステップ数を示すことになる。
【0047】
遊技制御部2は、ストップボタン131が操作されたとき、対応するリール172の回転を停止させ図柄変動を停止させる。遊技制御部2は、リール172を停止させるに当たって、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。引込制御では、前記リール制御テーブルに対してストップボタン131が操作された時の前記ステップ数が照合され、停止位置が決定される。このとき、引込範囲内に内部当選フラグに対応する図柄があれば、その図柄が停止位置として決定される。
【0048】
遊技制御部2は、リール172が停止した後、対応するステッピングモータ(リール駆動部171)のステップ数に基づいて入賞ライン111〜115(
図2参照。)上に停止した図柄170の種類を求める。全てのリール172が停止した後、遊技制御部2は、3基のリール172を横断するように設定された入賞ライン111〜115上に停止した図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かに応じて入賞役を判定する。
【0049】
なお、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットされる。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、内部当選フラグの成立状態が入賞するまで順次、次回のゲームに持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0050】
遊技制御部2は、入賞役に対応する利益を遊技者に付与する。例えば、15点役が入賞役である場合には15点の得点を付与する(
図4参照。)。ボーナス役が入賞役である場合には、ボーナス状態を発生させる。本例のボーナス状態では、全ての小役について付与得点が15点となっている。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態と、RB役の入賞に応じたRB状態がある。BB状態は、付与得点が360点を超過するまで継続し、RB状態は、付与得点が120点を超過するまで継続する。遊技制御部2は、ボーナス状態の終了に応じて通常状態に復帰させる。
得点制御部4は、入賞の発生に応じた付与得点が生じたとき、新たに生じた得点を第1得点に加算する。なお、本例では、第1得点のクレジット上限が500点となっている。第1得点の上限を超える超過分の得点は、第2得点に加算される。
【0051】
その後、遊技を終了するに当たっては、カード排出ボタン34の操作に応じてICカード352を発行(遊技者が挿入したICカード352の返却を含む。)させる必要がある。得点制御部4は、カード排出ボタン34が操作されると、そのときの第1得点と第2得点との合計得点や残金額等をカード処理部350に入力する。
【0052】
カード処理部350は、入力された得点や残金額等をカードデータとしてICカード352に書き込みした後、そのICカード352をカード投入口35に送り出す。ICカード352が発行あるいは返却されたとき、第1得点、第2得点、残金額等が得点制御部4により全てゼロリセットされる。なお、ICカード352に書き込みされたカードデータは図示しない管理装置に送信され、管理装置側で管理される。
【0053】
一方、遊技が終了されたにも関わらず、規定数である3点に満たない第1得点がそのまま長時間に渡って放置されるおそれがある。得点制御部4は、このような放置状態が継続した放置時間を計測し、放置時間が5分間に達したときに放置得点をゼロリセットする。このとき、得点制御部4は、スロットマシンの台番、時刻、リセットした得点等を含むリセット情報を図示しない管理装置に向けて出力する。このリセット情報は、管理装置によって管理され、その後、当日の営業終了に応じて消去される。
【0054】
次に、前記放置時間を計測する非稼動タイマ処理、及び放置得点をリセットする自動リセット処理の流れについて、
図7及び
図8のフロー図に沿って説明する。
図7に示す非稼動タイマ処理では、ゲームが終了する毎に(S101:YES)、第1得点及び第2得点が判断される(S102)。第2得点がゼロであって、かつ、第1得点が1点又は2点(下限値)である場合には(S102:YES)、非稼動タイマにより放置時間の計測がスタートされる(S103)。
【0055】
一方、次のゲームが開始された場合には(S101:NO、S122:YES)、非稼動タイマが作動中であるか否かが判断され(S123)、作動中であれば(S123:YES)、非稼動タイマによる時間計測が停止され、そのタイマ値である放置時間がリセットされる(S124)。
【0056】
自動リセット処理では、
図8のごとく、放置時間が5分に達してタイムアップしたか否かが判断される(S201)。タイムアップの場合には(S201:YES)、まず、リセット情報が図示しない管理装置に向けて外部出力される(S202)。その後、第1得点がゼロリセットされ(S203)、非稼動タイマのタイマ値である放置時間がリセットされる(S204)。なお、第2得点がゼロ以外の場合には、自動リセット処理の対象にはならないので、ステップS203では第1得点のみがゼロリセットされる。
【0057】
以上のように構成された本例のスロットマシン1は、クレジットされた得点を使用してゲームを実行可能な完全クレジット式のスロットマシンである。このスロットマシン1は、クレジットされた得点を自動リセットする機能を備えている。第2得点がゼロで第1得点が1点又は2点の状態で、ゲームが実行されることなく5分間に渡って放置されたとき、その第1得点が放置得点と判定されて自動的にゼロリセットされる。
【0058】
このスロットマシン1は、第2得点がゼロで第1得点が1点又は2点の状態で5分間を超えて放置されるおそれがない。このスロットマシン1によれば、放置得点に起因する稼動低下を最小限に近くまで抑制できる。さらに、放置得点の対処のために従来、必要となっていた従業員など遊技場側の負担を低減できる。
【0059】
このように、本例のスロットマシン1は、メダルを使用しない完全クレジット式のスロットマシンであって、僅かな得点が残った状態で放置されるおそれを抑制し、稼動低下を未然に回避し得る優れた特性の遊技機である。
【0060】
なお、本例の構成は、以下のような構成に置き換えることが可能である。
第1得点表示部361及び第2得点表示部362をカードユニット3側に設けた本例のスロットマシン1に代えて、第1得点表示部361をスロットマシン本体10側に設け、第2得点表示部362をカードユニット3側に設けることも良い。あるいは、第1得点表示部361及び第2得点表示部362を、スロットマシン本体10及びカードユニット3の両方にそれぞれ設けることも良い。
【0061】
第1得点と第2得点との合計得点をICカード352に記録して発行する本例に代えて、第2得点のみをICカード352に記録して発行してもよい。この場合、遊技を終了する際、第1得点を第2得点へ移し替えてからICカード352を発行させる必要がある。もっとも、ICカード352を発行させた後も遊技を継続するのであれば第1得点を移し替える必要は生じない。
【0062】
本例では、第1得点の上限が500点に設定されているが、第1得点の上限については、遊技者が任意に設定できるようにしても良く、遊技者が第1得点の上限を任意に設定するための上限設定手段を設けることも良い。このような手段を設ければ、第1得点の上限を遊技者の好みで調整できるようになる。受け皿内のメダルの数量を調整しながら遊技を行うような感覚を完全クレジット式のスロットマシン1の遊技でも実現できるようになる。なお、受け皿内に収納できるメダル数が通常500〜1000枚程度であることから、その範囲内で上限を設定できるようにすることが望ましい。
【0063】
入賞に応じた付与得点が全て第2得点に加算されるモードを遊技者が任意に選択するための第1切換手段を設けることも良い。このようなモードは、第1得点を使い切った時点で遊技を終了する予定の遊技者にとって好適である。
第2得点を直接ゲームに賭けることができない本例のスロットマシン1に代えて、第2得点を直接使用できるモードを遊技者が任意に選択するための第2切換手段を設けることも良い。第2得点を第1得点に移し替えることなく、そのままゲームに賭けるという遊技は、従来のスロットマシンの遊技においてメダルの箱を膝上に載せながら箱から直接、メダルを取り出して投入する遊技に似通っている。
【0064】
本例のスロットマシン1は、スロットマシン本体10とカードユニット3とを組み合わせて構成されている。これに代えて、スロットマシン本体10とカードユニット3とを完全に一体化しても良い。また、スロットマシン本体10の遊技制御部2と、カードユニット3の得点制御部4と、を共通化することもできる。さらに、カードユニット3の機能をスロットマシン本体10に組み込んで一体化しても良い。
【0065】
本例では、遊技機として完全クレジット式のスロットマシンを例示している。そして、リセット対象となる得点の下限値として2点を設定している。この下限値は遊技場側が任意の値を設定することができるが、1回のゲームを実施するために必要な得点数未満の範囲内で設定するのが望ましい。また、遊技機としては、スロットマシンに限定されない。パチンコ玉を払い出すことがない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であってもよい。パチンコ遊技機の場合には、下限値として1点〜10点程度を設定することが良い。
【0066】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。