特許第5820069号(P5820069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧
<>
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000002
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000003
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000004
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000005
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000006
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000007
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000008
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000009
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000010
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000011
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000012
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000013
  • 特許5820069-無線局、無線通信システム、及び方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5820069
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】無線局、無線通信システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/22 20090101AFI20151104BHJP
   H04W 28/18 20090101ALI20151104BHJP
【FI】
   H04W28/22
   H04W28/18 110
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-521159(P2014-521159)
(86)(22)【出願日】2012年6月20日
(86)【国際出願番号】JP2012065789
(87)【国際公開番号】WO2013190671
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】玉木 諭
(72)【発明者】
【氏名】正村 雄介
(72)【発明者】
【氏名】武田 栄里子
【審査官】 遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−221542(JP,A)
【文献】 特開2003−204578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線局間で通信を行う無線通信システムにおける無線局であって、
通信品質に応じてデータ通信速度を変更する送信方式決定部と、前記無線局の移動状態を検知する移動状態検知部を有し、
前記移動状態検知部が、前記無線局が移動中であると検知した場合に、前記送信方式決定部は、信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する
ことを特徴とする無線局。
【請求項2】
請求項1記載の無線局であって、
前記移動状態検知部として加速度センサを用いる
ことを特徴とする無線局。
【請求項3】
請求項1記載の無線局であって、
前記送信方式決定部は、
データの誤り数が所定の閾値以上の時に通信品質が悪いと判断し、
前記移動状態検知部により前記無線局が移動中であることが検知された場合には、前記閾値を小さくする
ことを特徴とする無線局。
【請求項4】
請求項1記載の無線局であって、
前記送信方式決定部は、
通信品質の判断に平均受信電力を用い、
前記移動状態検知部により前記無線局が移動中であることが検知された場合には、測定された前記受信電力の寄与が小さくなるように重みをつけて前記平均受信電力を求める
ことを特徴とする無線局。
【請求項5】
請求項1記載の無線局であって、
前記移動状態検知部が前記無線基地局が移動中であると検知した場合に、移動情報信号を生成する移動情報生成部を更に有し、
生成した前記移動情報信号を、通信を行う他の無線局に送信する
ことを特徴とする無線局。
【請求項6】
請求項1記載の無線局であって、
通信する他の無線局から、当該他の無線局が移動中であるか否かを示す移動情報信号を受信する受信部を有し、
前記送信方式決定部は、前記移動状態検知部が検知した移動状態と受信した前記移動情報信号に基づき、送信方式を決定する信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する
ことを特徴とする無線局。
【請求項7】
請求項1記載の無線局であって、
受信した信号の通信品質を示す品質情報信号を生成する品質情報信号生成部と、
通信する他の無線局から受信した品質情報信号を抽出する品質情報信号抽出部を更に有し、
前記品質情報信号生成部で生成した前記品質情報信号を、通信を行う他の無線局に送信し、
前記送信方式決定部は、前記移動状態検知部が検知した移動状態と、前記品質情報信号抽出部が抽出した前記品質情報信号に基づき、送信方式を決定する
ことを特徴とする無線局。
【請求項8】
複数の無線局間で通信を行う無線通信システムであって、
前記無線局は、通信品質に応じてデータ通信速度を変更する送信方式決定部を備え、
少なくとも一つの前記無線局は、当該無線局の移動状態を検知する移動状態検知部を備え、
前記移動状態検知部が、前記無線局が移動中であると検知した場合に、前記送信方式決定部は、信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
請求項8記載の無線通信システムであって
前記移動状態検知部として加速度センサを用いる
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
請求項8記載の無線通信システムであって、
前記送信方式決定部は、データの誤り数が所定の閾値以上の時に通信品質が悪いと判断し、
前記無線局が移動中であると検知した場合には前記閾値を小さくする
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項11】
請求項8記載の無線通信システムであって、
前記送信方式決定部は、通信品質の判断に平均受信電力を用い、
前記無線局が移動中であると検知した際に、測定された受信電力の寄与が小さくなるように重みをつけて前記平均受信電力を求める
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
請求項8記載の無線通信システムであって、
前記移動状態検知部を備える前記無線局は、当該無線局が移動中であると検知した場合、当該無線局の送信部から、通信を行う他の無線局に移動情報信号を送信し、
前記他の無線局の前記送信方式決定部は、前記移動情報信号に基づき、信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項13】
複数の無線局間で通信を行う無線通信方法であって、
前記無線局は、通信品質に応じてデータ通信速度を変更することにより送信方式を決定し、
前記無線局の少なくとも一つは、当該無線局が移動中であると検知した場合に、信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項14】
請求項13記載の無線通信方法であって、
前記送信方式の決定に用いるデータの誤り数が所定の閾値以上の時に通信品質が悪いと判断し、
前記無線局が移動中であると検知した場合には前記閾値を小さく設定する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項15】
請求項13記載の無線通信方法であって、
前記通信品質の判断に平均受信電力を用い、
前記無線局が移動中であると検知した際に、測定された受信電力の寄与が小さくなるように重みをつけて前記平均受信電力を求める
ことを特徴とする無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線局、無線通信システム、及び方法に関し、特に通信状況に応じて変調方式などの通信方式を制御して通信を行う無線通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動する機器との通信が容易であり、また設置コストが低廉であることから、無線によるデータ通信が様々な用途に用いられている。一方で無線通信は有線通信に比べて伝搬環境に変動が生じ易く、また伝搬環境の変動に伴って時間当たりに通信可能なデータ量にも変動が生じ易いという特徴がある。汎用的なデータ通信を目的とした無線通信では、このような変動に追従して変調方式や誤り訂正方式等を適応的に変更し、送信データ速度の制御が行われる。例えば特許文献1では誤り訂正処理で検出したビットエラー率に基づいて変調方式を選択する技術が開示されている。
【0003】
上記無線通信の伝搬環境の変動は無線局の移動にともなって生じることが多いため、無線局の移動を検知し、検知した移動状況を通信の制御に活用する技術が提案されている。例えば特許文献2ではGPS等を用いて移動状況を検知し、接続先候補となる基地局群のポーリング周期を移動状況に応じて例えば移動中には頻度を上げるように切り替える技術が開示されている。また例えば特許文献3では移動体の速度や加速度によって変調方式などの無線通信方式を選択して切替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−200282号公報
【特許文献2】特表2010−515339号公報
【特許文献3】特開2006−5560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば機器の監視や制御目的に無線通信を用いる場合には、伝搬路の変動に応じて通信方式を選択してデータ通信速度の平均値や最大値を増加させるよりも、安定して一定のデータ通信速度を達成できる方が望ましい。一方で上記に開示される技術、例えば特許文献1や特許文献3記載の技術では、伝搬環境の変動に応じて環境が良好な場合にデータ通信速度を上昇し、環境が劣悪な場合にデータ通信速度を低下させることによりデータ通信速度の平均値は増加するものの通信速度が安定しないという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するため、無線局の移動等に伴う伝搬環境の変動が生じた際にも安定したデータ通信速度を達成することができる無線局、無線通信システム、及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明においては、複数の無線局間で通信を行う無線通信システムにおける無線局であって、通信品質に応じてデータ通信速度を変更する送信方式決定部と、無線局の移動状態を検知する移動状態検知部を有し、移動状態検知部が、無線局が移動中であると検知した場合に、送信方式決定部は、信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する構成の無線局を提供する。
【0008】
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、複数の無線局間で通信を行う無線通信システムであって、無線局は、通信品質に応じてデータ通信速度を変更する送信方式決定部を備え、少なくとも一つの無線局は、当該無線局の移動状態を検知する移動状態検知部を備え、移動状態検知部が、無線局が移動中であると検知した場合に、送信方式決定部は信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する構成の無線通信システムを提供する。
【0009】
更に、上記の目的を達成するため、本発明においては、複数の無線局間で通信を行う無線通信方法であって、無線局は、通信品質に応じてデータ通信速度を変更することにより送信方式を決定し、無線局の少なくとも一つは、当該無線局が移動中であると検知した場合に、信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する無線通信方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、無線局の移動等に伴う伝搬環境の変動が生じた際にも安定したデータ通信速度を達成することができる無線局、無線通信システム、及び方法を提供することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1における無線通信システムとその周辺構成の一例を示す図である。
図2】実施例1に係る、移動局と通信を行う移動局の機能構成の一例を示す図である。
図3】実施例1に係る、移動状態判定部における送信方式決定に用いる移動状態の作成方法の一例を説明するための図である。
図4】実施例1に係る、送信方式決定部の送信方式決定処理の流れの一例を示す図である。
図5】実施例1に係る、送信方式決定部の送信方式決定処理の流れの別の一例を示す図である。
図6】実施例1に係る、移動局と通信を行う固定局の機能構成図の第1の例である。
図7】実施例1に係る、固定局と通信を行う移動局の機能構成の一例を示す図である。
図8】実施例1に係る、移動局と通信を行う移動局の機能構成の他の例を示す図である。
図9】実施例1に係る、移動局と通信を行う固定局の機能構成の他の例を示す図である。
図10】実施例1に係る、固定局と通信を行う移動局の機能構成の他の例を示す図である。
図11】実施例1に係る、無線局のハード構成の一例を示す図である。
図12】実施例1に係る、送信部から出力される送信信号の第1の例を示す図である。
図13】実施例1に係る、送信部から出力される送信信号の第2の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の種々の実施例を図面に従い説明する。なお、以下の説明及び図面における無線局の数や接続関係についてはあくまで一例であり、本発明を適用する無線通信システムの無線局の数は以下の例示と異なっていてもよく、またどの無線局がどの無線局と通信を行うかといった無線局同士の接続関係についても以下の例示と異なっていてもよい。本明細書において、「手段」を、「部」あるいは「プログラム」と称する場合がある、例えば、「送信方式決定手段」を、「送信方式決定部」、或いは「送信方式決定プログラム」等である。
【実施例1】
【0013】
図1は、第1の実施例の無線通信システムとその周辺構成の一例を示す図である。本実施例は、複数の無線局間で通信を行う無線通信システムであって、無線局は、通信品質に応じてデータ通信速度を変更する送信方式決定部を備え、少なくとも一つの無線局は、当該無線局の移動状態を検知する移動状態検知部を備え、移動状態検知部が、無線局が移動中であると検知した場合に、送信方式決定部は信号通信品質低下時の通信速度の低下を抑制する構成の無線通信システムについての実施例である。
【0014】
本実施例の無線通信システム100は、複数の無線局101〜105からなる。それぞれの無線局は無線通信機能を有し、それぞれ1ないしは複数の無線局と無線にて通信を行う。図1の例の場合、無線局101と無線局103及び無線局104、無線局102と無線局105が無線にて通信を行っている様子を示している。それぞれの無線局101〜105は、またインタフェース機能を有し、インタフェース機能を介してネットワーク110あるいはデバイス120〜122と接続される。
【0015】
デバイス120〜122は無線通信システム100及びネットワーク110を介してセンタ111と通信を行い、例えば各デバイスにて得られた測定結果がセンタ111に集約され、あるいはセンタ111からの指示に従って各デバイス111の動作が制御される。またデバイス120〜122は無線通信システム100を介してデバイス間で直接通信を行ってもよい。なお図1及び以下の例では無線局とデバイスとを別個に記しているが、無線局の機能とデバイスの機能とが物理的に異なる実装である必要はなく、例えば同一のハードウェア上に実装されていてもよい。
【0016】
また一部の無線局、すなわち図1の例では無線局103〜105に相当する無線局はそれぞれ、内部に移動状態検知機能を有し、無線通信の制御に用いる。以下では、移動状態検知機能を持ち無線通信の制御に用いる無線局を移動局と称する。また移動状態検知機能を持たない無線局及び自局の移動状態検知機能を無線通信の制御に用いない無線局を固定局と称する。
【0017】
図2は本実施例における移動局と通信を行う移動局の機能構成の第1の例を示す図である。
本例の移動局と通信を行う移動局はそれぞれ、無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、移動情報信号抽出部214、送信部220、送信方式決定部221、移動状態判定部230、上述の移動状態検知機能を実現する移動状態検知部231、移動情報信号生成部232を有する。なお、図示の都合上、無線局制御部200と他の構成要素ブロックとの間の制御線、信号線等は省略してある。
【0018】
無線局制御部200は無線局間のメッセージの送受信を行い、無線局全体の動作を制御し、また無線局全体の動作にかかわる情報を保持する。無線局制御部200は、例えば送信部220に対して、信号送信の有無や信号送信時刻、送信電力などの信号送信にかかわるパラメータを通知し、また受信部210に対して信号受信の有無や信号受信時刻などの信号受信に関わるパラメータを通知する。また受信品質判定部211に対して平均化方法などの受信品質情報を得るためのパラメータを通知する。
【0019】
無線送受信部201は、送信部220から入力された送信信号を周波数変換し、無線周波数送信信号に変換してアンテナを経由して送信を行う。無線送受信部201はまた、アンテナを経由して受信した無線周波数受信信号を周波数変換し、受信信号を生成して受信部210に出力する。
【0020】
インタフェース部202は無線局と他のネットワークやデバイスとの接続を行う。受信部210から受信情報を受け取った場合、インタフェース部202は当該受信情報を付随する宛先に応じて接続されているデバイスまたはネットワークに対して出力する。無線局外部のデバイスやネットワークから送信情報を受け取った場合、インタフェース部202は当該送信情報を送信部220に出力する。
【0021】
受信部210は、無線送受信部201から入力された受信信号に対して、受信信号に含まれる制御信号や無線局制御部200から通知されたパラメータに従って復調や復号等の処理を行い、結果得られた受信情報をインタフェース部202に出力し、移動情報信号を移動情報信号抽出部214に出力し、制御情報を無線局制御部200に通知する。受信部210はまた、復調や復号などの処理の結果得られた受信情報の誤りの有無の情報や、受信信号電力、干渉電力、雑音電力等の情報を受信品質判定部211に出力する。
【0022】
受信品質判定部211は、受信部210から入力された情報を基に受信品質を判定し、受信品質判定情報を送信方式決定部221に出力する。
【0023】
移動情報信号抽出部214は、受信部210から入力された移動情報信号を復号して対向局の移動の有無等を表す対向局の移動状態を抽出し、移動状態判定部230に出力する。
【0024】
送信部220は、インタフェース部202から入力された送信情報や移動情報信号生成部232から入力された移動情報、無線局制御部200から入力された制御情報等に対して、無線局制御部200から通知されたパラメータや送信方式決定部221から入力された送信方式情報に従って符号化や変調等の処理を行い、無線通信の実施に必要な制御信号を付与して送信信号等を作成し、無線送受信部201に対して出力する。この送信信号の一具体例は後述することとする。
【0025】
送信方式決定部221は、受信品質判定部211から入力された受信品質判定情報及び移動状態判定部230から入力された移動状態判定情報に基づいて変調方式や符号化方式などを含む送信方式をあらかじめ用意された方式リストの中から全体的には受信品質が高いほどデータ速度が高い送信方式を選択・決定し、送信方式情報を送信部220に対して出力する。データ速度が高い送信方式とは例えばシンボルあたりのビット数が高い変調方式や符号化率が高い符号化方式を意味し、データ速度が低い送信方式とは例えばシンボルあたりのビット数が低い変調方式や符号化率が低い符号化方式を意味する。変調方式については例えばBPSKよりもQPSKの方がデータ速度が高く、QPSKよりも更に16QAM、64QAM、256QAMの方が高い。また符号化方式については例えば誤り訂正符号化を行わない場合に最もデータ速度が高く、符号化率5/6、符号化率3/4、符号化率1/2、符号化率1/3と符号化率が低くなるほどデータ速度が低い。
【0026】
移動状態判定部230は移動状態検知部231から入力された自局の移動状態と移動情報信号抽出部214から入力された対向局の移動状態とをもとに、送信方式決定に用いる移動状態判定情報を作成し、送信方式決定部221に出力する。
【0027】
移動状態検知機能を実現する移動状態検知部231は、センサ等を用いて自局の移動状態を検知し、移動状態判定部230及び移動情報信号生成部232に出力する。自局の移動状態とは無線局が停止中あるいは移動中である事を表す情報であり、また無線局が移動中であればその程度等を表す情報である。例えば移動状態を4通りに量子化すれば、センサデータ取得失敗などによって移動状態を取得できていないことを表す情報なし、無線局停止中を表す停止中、無線局が移動中であるがその移動の程度が小さいことを表す移動小、無線局が移動中であり、その程度が大きいことを表す移動大のように表す。
【0028】
センサとしては例えばGPS(Global Positioning System)のような位置測定手段や、加速度センサ等が用いられる。移動状態検知部231にて位置測定手段を用いる場合には、例えば測定した位置情報を時間方向に微分して、単位時間当たりの位置変動を取得し、この位置変動を直接、あるいは時間平均した後に閾値と比較することにより停止中であるか移動中であるか、あるいは移動中であればその程度の判定を行う。なおこの判定には無線局の移動に関する事前情報を用いてもよい。例えば無線局の移動範囲があらかじめ設定された範囲を超えることが無いという事前情報があれば、範囲外の位置を検出した場合には誤検出として測定した位置情報を破棄し、移動状態としては情報なしを出力する。
【0029】
移動状態検知部231にて加速度センサを用いる場合には、例えば加速度センサの出力から重力加速度等の固定成分を除去した上で時間方向に積分することによって速度情報を取得し、この速度情報を直接、あるいは時間平均した後に閾値と比較することにより停止中であるか移動中であるか、あるいは移動中であればその程度の判定を行う。また例えば加速度を積分せずにそのまま用い、加速度を直接、あるいは時間平均したのちに閾値と比較することにより停止中と判断するか移動中と判断するか、あるいは移動中と判断した場合にはどの程度の移動であると判断するかの判定を行ってもよい。また例えば閾値以上の加速度を検出した後の一定時間を移動中であり、一定時間経過後は停止中であると判断してもよい。いずれの判断基準を用いるにせよ、これら判定には無線局の移動に関する事前情報を用いてもよい。例えば特定の時間帯に無線局が停止するという事前情報があれば、加速度センサの測定結果によらず移動状態として停止中を出力し、保持している加速度の積分値を0に設定する。
【0030】
移動情報信号生成部232は移動状態検知部231から入力された自局の移動状態を符号化し、移動情報信号として送信部220に出力する。
【0031】
図3は、移動状態判定部230における送信方式決定に用いる移動状態の作成方法を示す表の一例を示す図である。この例では送信方式決定に用いる移動状態を0,1,2の3通りで表し、移動情報抽出部214から入力された対向局の移動状態と、移動状態検知部231から入力された自局の移動状態から、一方もしくは両方の移動状態が移動大であれば2、どちらの移動状態も移動大ではなく一方もしくは両方の移動状態が移動小であれば1、その他の場合では0の値を選択している。なお、この例では自局と対向局の移動が激しい側の移動状態に合わせるような選択方針にて出力値を選択しているが、他の選択方針でも良い。例えば自局と対向局の移動状態の平均に応じて値を選択するような選択方針を用いてもよい。また、この例では送信方式決定に用いる移動状態を3値としているが、例えば停止中を表す0と移動中を表す1の2値だけで表してもよいし、あるいはより多値で表すこととしてもよい。
【0032】
受信品質判定部211が出力する受信品質の一例としては、一定範囲内の誤り数を用いる。受信品質として一定範囲内の誤り数を用いる場合、受信品質判定部211は受信部210から入力された誤り有無の情報を用い、一定の時間範囲内、あるいは一定データ数を受信する間に生じた誤り数を送信方式決定部221に出力する。ここで、誤り数とは誤りの生じているビットの数であってもよいし、誤りを検出したCRC等の誤り検出符号数であってもよい。あるいは誤りが発生していない場合には前回の誤り発生からの経過期間の逆数であってもよい。
【0033】
受信品質として一定範囲内の誤り数を用いる場合、送信方式決定部221では、誤り数が少なければデータ速度が高くになるように送信方式を変更し、誤り数が多ければデータ速度が低くなるように送信方式を変更する。ただし移動状態判定部230から入力された移動状態により、移動の度合いが大きい場合にはデータ速度を低くする判断が生じにくいような補正を行う。
【0034】
図4は、送信方式決定部221の送信方式決定処理の流れの一例を示す図である。本実施例における、送信方式決定部221は、通信を行っている無線局が移動中である場合、信号通信品質の低下時の通信速度の低下を抑制するよう制御を行う。図4の送信方式決定処理では、処理の開始後まず処理401において、誤り数に対し、速度上昇閾値Tu及び速度低下閾値Tdを設定する。ここで速度上昇閾値Tuとは現在の通信が十分安定していると判断するための値であり、速度低下閾値Tdとは現在の通信が不安定になっていると判断するための値であり、Td≧Tuなる関係を満たす。
【0035】
また、本実施例において、無線局の移動状態に応じて、誤り数に基づき検出した信号受信品質の低下時の通信速度の低下を抑制するため、処理401で設定される信号受信速度低下閾値Tdは、移動状態判定部230から通知された移動状態によって変更される値である。例えば移動状態判定部230から通知される移動状態が0,1,2の3値であり、値が大きいほど移動の度合いが大きい場合、移動状態が0の時にTdとして選ばれる値Td0、移動状態が1の時にTdとして選ばれる値Td1,移動状態が2の時にTdとして選ばれる値Td2の間には、Td0≧Td1≧Td2なる関係が成り立つよう設定する。
【0036】
そして、処理402では、受信品質判定部211から入力された誤り数と、移動状態に応じて設定された速度低下閾値Tdとを比較し、誤り数が速度低下閾値Td以上の場合には処理403に、その他の場合には処理404に分岐する。処理403では、使用中の送信方式よりもデータ速度が低くなるように送信方式を更新する。より401〜403により、本実施例の送信方式決定部21は、通信を行っている無線局の移動状態に対応して、信号受信品質の低下時の通信速度の低下を抑制することが可能となる。なお、使用中の送信方式が選択可能な送信方式の中で最もデータ速度が低い場合には送信方式の更新は行わない。また、処理403において乱数を用い、一定の確率で使用中の送信方式よりもデータ速度が低くなるように送信方式を更新し、他の場合には送信方式の更新は行わないようにしてもよい。
【0037】
処理404では、受信品質判定部211から入力された誤り数と速度上昇閾値Tuとを比較し、誤り数が速度上昇閾値Tu以上の場合には処理406に、その他の場合には処理405に分岐する。処理405では、使用中の送信方式よりもデータ速度が高くなるように送信方式を更新する。なお、使用中の送信方式が選択可能な送信方式の中で最もデータ速度が高い場合には送信方式の更新は行わない。また、処理405において乱数を用い、一定の確率で使用中の送信方式よりもデータ速度が高くなるように送信方式を更新し、他の場合には送信方式の更新は行わないようにしてもよい。処理406では送信方式の更新を行った場合には更新された送信方式を、更新を行わなかった場合には使用中の送信方式を送信部220に出力して送信方式決定処理を終了する。
【0038】
本実施例における受信品質判定部211が出力する受信品質の別の一例としては、チャネル品質値を用いる。受信品質としてチャネル品質値を用いる場合、受信品質判定部211は受信部210から入力された電力の情報を用い、例えば受信信号電力値に対して平均化や量子化を行った結果をチャネル品質値として送信方式決定部221に出力する。あるいは例えば受信信号電力値と雑音電力値との比に対して平均化や量子化を行った結果をチャネル品質値として送信電力決定部221に出力する。あるいは例えば雑音電力値と干渉電力値との和と受信電力値との比に対して平均化や量子化を行った結果をチャネル品質値として送信電力決定部221に出力する。
【0039】
受信品質としてチャネル品質値を用いる場合、送信方式決定部221ではチャネル品質値が高いほど高いデータ速度を、チャネル品質値が低いほど低いデータ速度を選択する。ただし、本実施例においては、通信を行っている無線局が移動中である場合、信号通信品質の低下時の通信速度の低下を抑制するよう制御を行うため、移動状態判定部230から入力された移動状態により、移動の度合いが大きい場合にはデータ速度が低くなるような変更が生じにくいような補正を行う構成をとる。
【0040】
図5は、本実施例の送信方式決定部221の送信方式決定処理の流れの別の一例を示す機能ブロック図であり、受信品質としてチャネル品質値を用いる場合の例を示す。
【0041】
図5の送信方式決定部221にける送信方式決定処理では、受信品質判定部211から受信品質として入力されたチャネル品質値はチャネル品質蓄積部501に蓄積される。また移動状態判定部230から入力された移動状態は移動状態蓄積部502に蓄積される。重み付き平均部503では、チャネル品質蓄積部501から一定期間分のチャネル品質値を取り出し、対応する期間分の移動状態を移動状態蓄積部から取出し、移動状態によって定まる重み係数を用いてチャネル品質値の平均化処理を行い、平均チャネル品質値を求める。
【0042】
ここで重み係数とは移動状態の移動の程度が大きいほど小さくなるように選択された値である。例えば移動状態判定部230から通知される移動状態が0,1,2の3値であり、値が大きいほど移動の度合いが大きい場合、移動状態が0の時に重み係数w0、移動状態が1の時の重み係数w1,移動状態が2の時の重み係数w2の間には、w0≧w1≧w2なる関係が成り立つ。また、移動状態によって定まる重み係数の他に、古いチャネル品質値ほど重みが小さくなるような重み係数を追加してもよい。これにより、通信を行っている無線局が移動中である場合、通信品質の低下時のデータ速度の低下を抑制することができる。
【0043】
方式選択部504では、平均チャネル品質値が大きいほどデータ速度が高く、平均チャネル品質値が小さいほどデータ速度が小さいような送信方式を選択する。次いで方式変化比較部505では、方式選択部504で選択された送信方式と選択方式記録部506に記録されている送信方式とを比較する。比較の結果方式選択部504で選択された送信方式のデータ速度の方が低く、かつ移動状態蓄積部502から取得した最新の移動状態が移動中を示している場合、選択方式記録部506に記録されている送信方式を送信方式決定部221の出力とし、方式選択部504で選択された送信方式を選択方式記録部506に記録する。上記条件を満たさない場合には、方式選択部504で選択された送信方式を送信方式決定部221の出力とし、また方式選択部504で選択された送信方式を選択方式記録部506に記録する。
【0044】
なお図5の処理のうち、方式変化比較部505を省いて方式選択部504の出力をそのまま送信方式決定部221の出力としてもよい。
【0045】
図6は、本実施例における移動局と通信を行う固定局の機能構成の第1の例を示す図である。
本実施例の移動局と通信を行う固定局は、無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、移動情報信号抽出部214、送信部220、送信方式決定部221、移動状態判定部230を有する。
【0046】
本例の移動局と通信を行う固定局における無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、移動情報信号抽出部214、送信方式決定部221の機能及び動作は、図2に示した移動局と通信を行う移動局における同名同記号の部位の機能及び動作と同じである。
【0047】
移動局と通信を行う固定局における送信部220は、インタフェース部202から入力された送信情報や無線局制御部200から入力された制御情報等に対して、無線局制御部200から通知されたパラメータや送信方式決定部221から入力された送信方式情報に従って符号化や変調等の処理を行い、無線通信の実施に必要な制御信号を付与して送信信号を作成し、無線送受信部201に対して出力する。
【0048】
移動局と通信を行う固定局における移動状態判定部230は、移動情報信号抽出部214から入力された対向する移動局の移動情報をもとに、送信方式決定に用いる移動状態を作成し、送信方式決定部221に出力する。送信方式決定に用いる移動状態の作成には、例えば自局移動状態を常に情報なしとして図3の表を用いる。
【0049】
図7は、本実施例における固定局と通信を行う移動局の機能構成の第1の例を示す図である。
本実施例の固定局と通信を行う移動局は、無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、送信部220、送信方式決定部221、移動状態判定部230、移動状態検知部231、移動情報信号生成部232を有する。
【0050】
本例の固定局と通信を行う移動局における無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信品質判定部211、送信部220、送信方式決定部221、移動状態検知部231、移動情報信号生成部232の機能及び動作は、図2の例の移動局と通信を行う移動局における同名同記号の部位の機能及び動作と同じである。
【0051】
本例の固定局と通信を行う移動局における受信部210は、無線送受信部201から入力された受信信号に対して、受信信号に含まれる制御信号や無線局制御部200から通知されたパラメータに従って復調や復号等の処理を行い、結果得られた受信情報をインタフェース部202に出力し、制御情報を無線局制御部200に通知する。受信部210はまた、復調や復号などの処理の結果得られた受信情報の誤りの有無の情報や、受信電力、干渉電力、雑音電力等の情報を受信品質判定部211に出力する。
【0052】
本例の固定局と通信を行う移動局における移動状態判定部230は、移動状態検知部231から入力された自局の移動状態をもとに、送信方式決定に用いる移動状態を作成し、送信方式決定部221に出力する。送信方式決定に用いる移動状態の作成には、例えば対向局移動状態を常に情報なしとして図3の表を用いる。
【実施例2】
【0053】
続いて第2の実施例として、移動局と通信を行う移動局、固定局、及び固定局と通信を行う移動局の第2の例を図8図10を用いて説明する
図8は、本実施例における移動局と通信を行う移動局の機能構成の第2の例を示す図である。
本例の移動局と通信を行う移動局は、無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、品質情報信号生成部212、品質情報信号抽出部213、移動情報信号抽出部214、送信部220、送信方式決定部221、移動状態判定部230、移動状態検知部231、移動情報信号生成部232を有する。
【0054】
本例の無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、移動情報信号抽出部214、移動状態判定部230、移動状態検知部231、移動情報信号生成部232の機能及び動作は、図2の例の移動局と通信を行う移動局における同名同記号の部位の機能及び動作と同じである。
【0055】
本例の受信品質判定部211の機能及び動作は、受信品質判定情報を受信方式決定部221の代わりに品質情報信号生成部212に出力する点を除き、図2の例の移動局と通信を行う移動局における受信品質判定部211の機能及び動作と同じである。
【0056】
本例の送信方式決定部221の機能及び動作は、受信品質判定情報を受信品質判定部211の代わりに品質情報信号抽出部213からの入力として受け取る点を除き、図2の例の移動局と通信を行う移動局における受信品質判定部211の機能及び動作と同じである。
【0057】
本例の受信部210は、無線送受信部201から入力された受信信号に対して、受信信号に含まれる制御信号や無線局制御部200から通知されたパラメータに従って復調や復号等の処理を行い、結果得られた受信情報をインタフェース部202に出力し、品質情報信号を品質情報信号抽出部213に出力し、移動情報信号を移動情報信号抽出部214に出力し、制御情報を無線局制御部200に通知する。受信部210はまた、復調や復号などの処理の結果得られた受信情報の誤りの有無の情報や、受信信号電力、干渉電力、雑音電力等の情報を受信品質判定部211に出力する。
【0058】
本例の送信部220は、インタフェース部202から入力された送信情報や品質情報信号生成部212から入力された品質情報信号、移動情報信号生成部232から入力された移動情報、無線局制御部200から入力された制御情報等に対して、無線局制御部200から通知されたパラメータや送信方式決定部221から入力された送信方式情報に従って符号化や変調等の処理を行い、無線通信の実施に必要な制御信号等を付与して送信信号を作成し、無線送受信部201に対して出力する。この送信信号の一具体例は後で図13を用いて説明する。
【0059】
本例の品質情報信号生成部212は、受信品質判定部211から入力された自局が受信した信号の受信品質を符号化し、品質情報信号として送信部220に出力する。
【0060】
本例の品質情報信号抽出部213は、受信部210から入力された品質情報信号を復号して対向局が受信した信号の受信品質を抽出し、送信方法決定部221に入力する。
【0061】
図9は、本実施例における移動局と通信を行う固定局の機能構成の第2の例を示す図である。
本例の移動局と通信を行う固定局は、無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、品質情報信号生成部212、品質情報信号抽出部213、移動情報信号抽出部214、送信部220、送信方式決定部221、移動状態判定部230を有する。
【0062】
本例の移動局と通信を行う固定局における無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、品質情報信号生成部212、品質情報信号抽出部213、移動情報信号抽出部214、送信方式決定部221の機能及び動作は、図8の例の移動局と通信を行う移動局における同名同記号の部位の機能及び動作と同じである。
【0063】
本例の移動局と通信を行う固定局における送信部220は、インタフェース部202から入力された送信情報や品質情報信号生成部212から入力された品質情報信号、無線局制御部200から入力された制御情報等に対して、無線局制御部200から通知されたパラメータや送信方式決定部221から入力された送信方式情報に従って符号化や変調等の処理を行い、無線通信の実施に必要な制御信号等を付与して送信信号を作成し、無線送受信部201に対して出力する。
【0064】
本例の移動局と通信を行う固定局における移動状態判定部230は、移動情報信号抽出部214から入力された対向する移動局の移動情報をもとに、送信方式決定に用いる移動状態を作成し、送信方式決定部221に出力する。送信方式決定に用いる移動状態の作成には、例えば自局移動状態を常に情報なしとして図3の表を用いる。
【0065】
図10は本実施例における固定局と通信を行う移動局の機能構成の第2の例を示す図である。
本例の固定局と通信を行う移動局は、無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信部210、受信品質判定部211、品質情報信号生成部212、品質情報信号抽出部213、送信部220、送信方式決定部221、移動状態判定部230、移動状態検知部231、移動情報信号生成部232を有する。
【0066】
本例の固定局と通信を行う移動局における無線局制御部200、無線送受信部201、インタフェース部202、受信品質判定部211、品質情報信号生成部212、品質情報信号抽出部213、送信部220、送信方式決定部221、移動状態検知部231、移動情報信号生成部232の機能及び動作は、図8の例の移動局と通信を行う移動局における同名同記号の部位の機能及び動作と同じである。
【0067】
本例の固定局と通信を行う移動局における受信部210は、無線送受信部201から入力された受信信号に対して、受信信号に含まれる制御信号や無線局制御部200から通知されたパラメータに従って復調や復号等の処理を行い、結果得られた受信情報をインタフェース部202に出力し、品質情報信号を品質情報信号抽出部213に出力し、制御情報を無線局制御部200に通知する。受信部210はまた、復調や復号などの処理の結果得られた受信情報の誤りの有無の情報や、受信信号電力、干渉電力、雑音電力等の情報を受信品質判定部211に出力する。
【0068】
本例の固定局と通信を行う移動局における移動状態判定部230は、移動状態検知部231から入力された自局の移動所帯をもとに、送信方式決定に用いる移動状態を作成し、送信方式決定部221に出力する。送信方式決定に用いる移動状態の作成には、例えば対向局移動状態を常に情報なしとして図3の表を用いる。
【0069】
図11は、以上説明した各実施例におけるDSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)を主体とした無線局のハード構成の一例の概略を示す図である。
図11に示す構成装置は、CPU及びDSPモジュール601、メモリ602、論理回路モジュール603及びインタフェース605を有し、それぞれがバス606を介して接続される。
【0070】
各無線局におけるそれぞれの機能構成図における各機能部(例えば図2に示す各部)の処理は、CPU/DSPモジュール601におけるプログラムと、論理回路603における演算回路との一方もしくは両方、及び必要であればメモリ602を用いて行われる。また各機能構成図における各機能部が必要とする情報、たとえば無線局制御部200に蓄積される動作パラメータなどがメモリ602に保持される。同図では、一例として図2に示した、移動局と通信を行う移動局に対応し、CPU及びDSPモジュール601は、受信品質判定プログラム、移動状態判定プログラム、送信方式決定プログラム、移動情報信号生成プログラム等を実行することを示した。同図における論理回路603により、移動情報信号抽出部214、移動状態検知部231、更には、受信部210、送信部220等を実現することができる。
【0071】
インタフェース605は、各機能構成図におけるインタフェース部202に相当し、無線通信にかかわる機能以外の機能、例えば有線通信や測定用のセンサ、ユーザインタフェースとの接続を行う。
【0072】
なお、図6の各モジュール及びバスはそれぞれ必ずしも単一である必要は無い。例えば複数のCPU/DSPモジュール601があっても良く、また複数のバス606があっても良い。またバス606が複数ある場合には、必ずしもすべてのバスが全てのモジュールと接続している必要は無く、例えば全てのモジュールと接続しているバスの他に、メモリ602と論理回路603とのみを接続するバスがあっても良い。
【0073】
また例えば全ての機能における信号処理演算及び信号処理の制御それぞれをCPU/DSPモジュール601において実行可能であれば論理演算モジュール603は無くても良い。逆に例えば全ての機能における信号処理演算及び信号処理の制御それぞれを論理演算モジュール603において実行可能であればCPU/DSPモジュール601は無くても良い。
【0074】
図12は、上述した実施例における送信部220から出力される送信信号の第1の例を示す図である。
図2の移動局と通信を行う移動局の第1の例における送信部220、または図7の固定局と通信を行う移動局の第1の例における送信部220からは、例えば図12の例に示す送信信号が出力される。
【0075】
図12の例に示す送信信号は制御信号701、データ702、移動情報信号703を含み、これらが時間や周波数、符号等を用いて多重化される。
【0076】
図13は、上述した実施例における送信部220から出力される送信信号の第2の例である。
図8の移動局と通信を行う移動局の第2の例における送信部220、または図10の固定局と通信を行う移動局の第2の例における送信部220からは、例えば図13の例に示す送信信号が出力される。
【0077】
図13の例に示す送信信号は制御信号701、データ702、移動情報信号703、品質情報信号704を含み、これらが時間や周波数、符号等を用いて多重化される。
【0078】
以上のそれぞれに記した構成及び動作により、上述した実施例に記載した無線局は、無線局の移動等の伴う伝搬環境の変動が生じた際にも安定したデータ通信速度を達成することができる。本発明は、無線通信システム及び無線通信システムに用いる無線局として有用である。
【0079】
なお、上述した実施例に示した機能の切り分けについてはあくまで一例であり、無線通信システム及び無線局の各実施例全体として同等の機能を実現できるのであれば他の構成であってもよい。また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではないし、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0080】
更に、上述した各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いし、それらの一部又は全部を実現するプログラムを作成することによりソフトウェアで実現しても良いことは上述の通りである。
【符号の説明】
【0081】
100 無線通信システム
101、102、103、104、105 無線局
110 ネットワーク
111 センタ
120、121、122 デバイス
200 無線局制御部
201 無線送受信部
202 インタフェース部
210 受信部
211 受信品質判定部
212 品質情報信号生成部
213 品質情報信号抽出部
214 移動情報信号抽出部
220 送信部
221 送信方式決定部
230 移動状態判定部
231 移動状態検知部
232 移動情報信号生成部
401〜406 送信方式決定処理の各処理
501 チャネル品質蓄積部
502 移動状態蓄積部
503 重み月平均部
504 方式選択部
505 方式変化比較部
506 送信方式記録部
601 CPU/DSPモジュール
602 メモリモジュール
603 論理回路モジュール
605 インタフェースモジュール
606 バス
701 制御信号
702 データ
703 移動情報信号
704 品質情報信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13