特許第5820395号(P5820395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5820395ガラスリボンを融合延伸するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5820395
(24)【登録日】2015年10月9日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】ガラスリボンを融合延伸するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 17/06 20060101AFI20151104BHJP
【FI】
   C03B17/06
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-550046(P2012-550046)
(86)(22)【出願日】2011年1月14日
(65)【公表番号】特表2013-517217(P2013-517217A)
(43)【公表日】2013年5月16日
(86)【国際出願番号】US2011021255
(87)【国際公開番号】WO2011090893
(87)【国際公開日】20110728
【審査請求日】2013年10月18日
(31)【優先権主張番号】61/296,240
(32)【優先日】2010年1月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ボラタヴ,オラス エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ウェドン,ウィリアム エー
【審査官】 山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−531452(JP,A)
【文献】 特表2009−508803(JP,A)
【文献】 特開平05−124827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 17/00−17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フュージョンドロー方法において、
溶融ガラスを成形用ウェッジの1対の下方傾斜成形面部分であって、下流方向に沿って合流して底部を形成している下方傾斜成形面部分上に流すステップ、
前記溶融ガラスを、前記1対の下方傾斜成形面部分のうちの少なくとも一方と交わっている、エッジ誘導部材上に流すステップ、
ガラスリボンを前記底部から延伸するステップであって、このとき該ガラスリボンのエッジが、前記エッジ誘導部材を離れて流れてくる溶融ガラスにより形成されるステップ、
加熱装置を使用して、前記エッジ誘導部材と接触している前記溶融ガラスの接触面を加熱するステップ、および、
冷却装置を使用して、前記ガラスリボンの、前記エッジ誘導部材を離れて流れてきた部分から熱を奪うステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記加熱装置が、前記エッジ誘導部材と接触している前記溶融ガラスの前記接触面を、該溶融ガラスの液相温度超の温度で維持することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記溶融ガラスの温度を、前記底部の下流の位置で、該溶融ガラスのバギーワープ温度より低温で維持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記冷却装置が、前記底部より下方の前記ガラスリボンの前記エッジから、前記ガラスリボンの前記エッジの温度が前記ガラスリボンの内部の温度よりも速い速度で低下するように、優先的に熱を奪うことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記冷却装置が、前記エッジ誘導部材と接触している前記溶融ガラスの前記接触面に前記加熱装置が与える熱よりも多くの熱を、前記底部より下方の前記ガラスリボンの前記エッジから奪うことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記加熱装置が、前記エッジ誘導部材の外側で動作する外部加熱器を用いて、前記エッジ誘導部材と接触している前記溶融ガラスの前記接触面の温度を維持することを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
ガラスリボンを融合延伸するための装置であって、
下流方向に沿って合流して底部を形成する1対の下方傾斜成形面部分を含む、成形用ウェッジ、
前記1対の下方傾斜成形面部分のうちの少なくとも一方と交わっている、エッジ誘導部材、
前記エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するよう構成された、加熱装置、および、
ガラスリボンの、前記エッジ誘導部材を離れて流れてきた部分から熱を奪うよう構成された、冷却装置、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記加熱装置が、前記エッジ誘導部材と接触している前記溶融ガラスの前記接触面を、該溶融ガラスの液相温度超の温度で維持するよう構成されていることを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記冷却装置が、前記底部より下方の前記ガラスリボンの前記エッジから、前記ガラスリボンの前記エッジの温度が前記ガラスリボンの内部の温度よりも速い速度で低下するように、優先的に熱を奪うよう構成されていることを特徴とする請求項7または8記載の装置。
【請求項10】
前記冷却装置が、前記エッジ誘導部材と接触している前記溶融ガラスの前記接触面に前記加熱装置が与える熱よりも多くの熱を、前記底部より下方の前記ガラスリボンの前記エッジから奪うように構成されていることを特徴とする請求項7から9いずれか1項記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2010年1月19日に出願された米国仮特許出願第61/296240号の優先権の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、ガラスリボンを融合延伸するための装置および方法に関し、より具体的には、加熱装置および冷却装置を用いた、ガラスリボンを融合延伸する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
LCD板ガラスなどの種々のガラス製品の成形には、ガラス製造システムが一般に使用されている。溶融ガラスを成形用ウェッジ上に下方へと流し、さらにこの成形用ウェッジの底部からガラスリボンを延伸することによって板ガラスを製造するものが知られている。所望のガラスリボン幅とエッジビード特性とを得るのを助けるために、成形用ウェッジの対向している端部にエッジ誘導部材が設けられることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下は、詳細な説明の中で説明するいくつかの態様例の基本的な理解を提供するために、本開示の簡単な概要を示したものである。
【0005】
一態様例において、フュージョンドロー方法は、溶融ガラスを成形用ウェッジの1対の下方傾斜成形面部分上に流すステップであって、この下方傾斜成形面部分が、下流方向に沿って合流して底部を形成しているステップ、を含む。この方法は、溶融ガラスを、1対の下方傾斜成形面部分のうちの少なくとも一方と交わっている、エッジ誘導部材上に流すステップをさらに含む。この方法はさらに、ガラスリボンを底部から延伸するステップであって、このときガラスリボンのエッジが、エッジ誘導部材を離れて流れてくる溶融ガラスにより形成されるステップを含む。この方法は、加熱装置を使用して、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するステップと、冷却装置を使用して、ガラスリボンの、エッジ誘導部材を離れて流れてきた部分から熱を奪うステップとをさらに含む。
【0006】
別の態様例において、ガラスリボンを融合延伸するための装置は、下流方向に沿って合流して底部を形成する1対の下方傾斜成形面部分を有する、成形用ウェッジを含む。この装置は、1対の下方傾斜成形面部分のうちの少なくとも一方と交わっている、エッジ誘導部材をさらに含む。この装置はさらに、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するよう構成された、加熱装置と、ガラスリボンの、エッジ誘導部材を離れて流れてきた部分から熱を奪うよう構成された、冷却装置とを備えている。
【0007】
本発明の第1の例示的な態様は、フュージョンドロー方法に関し、この方法は、溶融ガラスを成形用ウェッジの1対の下方傾斜成形面部分上に流すステップであって、下方傾斜成形面部分が、下流方向に沿って合流して底部を形成しているステップ;溶融ガラスを、1対の下方傾斜成形面部分のうちの少なくとも一方と交わっている、エッジ誘導部材上に流すステップ;ガラスリボンを底部から延伸するステップであって、このときこのガラスリボンのエッジが、エッジ誘導部材を離れて流れてくる溶融ガラスにより形成されるステップ;加熱装置を使用して、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するステップ;および、冷却装置を使用して、ガラスリボンの、エッジ誘導部材を離れて流れてきた部分から熱を奪うステップ、を含む。
【0008】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、加熱装置は、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を、この溶融ガラスの液相温度超の温度で維持する。
【0009】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、この方法は、溶融ガラスの温度を底部の下流の位置で、この溶融ガラスのバギーワープ(baggy warp)温度より低温で維持するステップを含む。
【0010】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、冷却装置は、底部より下方のガラスリボンのエッジから、ガラスリボンのエッジの温度がガラスリボンの内部の温度よりも速い速度で低下するように、優先的に熱を奪う。
【0011】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、冷却装置は、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面に加熱装置が与える熱よりも多くの熱を、底部より下方のガラスリボンのエッジから奪う。
【0012】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、この方法は、加熱装置の加熱領域を冷却装置の冷却領域から遮蔽するステップをさらに含む。
【0013】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、加熱装置は、エッジ誘導部材の外側で動作する外部加熱器を用いて、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面の温度を維持する。
【0014】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、加熱装置は、エッジ誘導部材の内側で動作する内部加熱器を用いて、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面の温度を維持する。
【0015】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、冷却装置は、エッジ誘導部材の下流の位置でガラスリボンのエッジから熱を奪う、流体ノズルを含む。
【0016】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、この方法は、加熱装置と冷却装置とのうちの少なくとも一方を制御システムで制御するステップをさらに含む。
【0017】
本発明の第1の態様の特定の実施形態において、この方法は、温度を感知し、さらに感知した温度を使用して制御システムに対してフィードバックを提供するステップを含む。
【0018】
本発明の第2の例示的な態様は、ガラスリボンを融合延伸するための装置に関し、この装置は、下流方向に沿って合流して底部を形成する1対の下方傾斜成形面部分を含む、成形用ウェッジ;1対の下方傾斜成形面部分のうちの少なくとも一方と交わっている、エッジ誘導部材;エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するよう構成された、加熱装置;および、ガラスリボンの、エッジ誘導部材を離れて流れてきた部分から熱を奪うよう構成された、冷却装置、を備えている。
【0019】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、加熱装置は、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を、この溶融ガラスの液相温度超の温度で維持するよう構成されている。
【0020】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、冷却装置は、底部より下方のガラスリボンのエッジから、ガラスリボンのエッジの温度がガラスリボンの内部の温度よりも速い速度で低下するように、優先的に熱を奪うよう構成されている。
【0021】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、冷却装置は、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面に加熱装置が与える熱よりも多くの熱を、底部より下方のガラスリボンのエッジから奪うように構成されている。
【0022】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、この装置は、加熱装置の加熱領域と冷却装置の冷却領域との間に設けられた、熱シールドを含む。
【0023】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、この装置は、加熱装置と冷却装置とのうちの少なくとも一方を制御するよう構成された、制御システムを含む。
【0024】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、制御システムは、コントローラと、コントローラにフィードバックを提供するよう構成された温度センサとを含む。
【0025】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、制御システムは、底部より下方のガラスリボンのエッジから、ガラスリボンのエッジの温度がガラスリボンの内部の温度よりも速い速度で低下するよう優先的に熱を奪うように、冷却装置を制御するよう構成される。
【0026】
本発明の第2の態様の特定の実施形態において、制御システムは、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面に加熱装置が与える熱よりも多くの熱を、底部より下方のガラスリボンのエッジから冷却装置が奪うように、加熱装置と冷却装置とのうちの少なくとも一方を動作させるよう構成される。
【0027】
これらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照して読むと、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ガラスリボンを融合延伸するための装置の概略図
図2図1の線2−2に沿った装置の断面斜視図であって、第1例の装置の一部を示している図
図3】第2例の装置の一部を示している側面図
図4】第3例の装置の一部を示している側面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、実施形態例を示した添付の図面を参照し、いくつかの例を以下でより詳細に説明する。可能な限り、図面を通じて、同じまたは同様の部品の参照に同じ参照番号を使用する。ただし、態様は多くの異なる形で具現化し得、本書に明記される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0030】
図1は、後のガラスシートを生成する処理のためにガラスリボン103を融合延伸する、装置101の概略図を示したものである。装置101は、バッチ材料107を貯蔵容器109から受け入れるよう構成された、溶解槽105を含み得る。バッチ材料107は、モータ113で動くバッチ送出装置111を用いて導入してもよい。随意的なコントローラ115を、モータ113を作動させて所望量のバッチ材料107を溶解槽105内に矢印117で示すように導入するように構成してもよい。ガラス金属プローブ119を使用して直立管123内のガラス溶融物121のレベルを測定し、測定された情報をコントローラ115に通信回線125を経由して伝えることもできる。
【0031】
装置101はさらに清澄管などの清澄槽127を含んでもよく、清澄槽127を溶解槽105の下流に位置付け、かつ第1接続管129を用いて溶解槽105に連結させてもよい。攪拌チャンバなどの混合槽131を清澄槽127の下流に位置付け、さらにボウルなどの送出槽133を混合槽131の下流に位置付けてもよい。図示のように、第2接続管135によって清澄槽127を混合槽131に連結させ、そして第3接続管137によって混合槽131を送出槽133に連結させてもよい。さらに示したように、送出槽133から成形槽143の注入口141にガラス溶融物121を送出するために、下降管139を設けてもよい。図示のように、溶解槽105、清澄槽127、混合槽131、送出槽133、および成形槽143は、ガラス溶融ステーションの例であり、これらを装置101に沿って直列に位置付けてもよい。
【0032】
溶解槽105は、典型的には、耐火性(例えば、セラミック)レンガなどの耐火材料から作製されている。装置101がさらに含み得る構成要素は、白金や、あるいは白金ロジウム、白金イリジウム、およびその混合物などの白金含有金属から典型的には作製されるが、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、オスミウム、ジルコニウム、およびこれらの合金などの耐火性金属、および/または二酸化ジルコニウムを含むものでもよい。白金含有の構成要素としては、第1接続管129、清澄槽127(例えば、清澄管)、第2接続管135、直立管123、混合槽131(例えば、攪拌チャンバ)、第3接続管137、送出槽133(例えば、ボウル)、下降管139、および注入口141、のうちの1以上を挙げることができる。成形槽143も同様に耐火材料から作製され、かつ成形槽143はガラスリボン103を成形するように設計される。
【0033】
図2は、図1の装置101の線2−2に沿った断面斜視図である。図示のように成形槽143は、1対の下方傾斜成形面部分207、209を備えた成形用ウェッジ201を含み、これらの成形面部分207、209は成形用ウェッジ201の対向端部間に延在している。1対の下方傾斜成形面部分207、209は、下流方向211に沿って合流して底部213を形成する。ガラスリボン103は、底部213を通って延在する延伸面215に沿って下流方向211に延伸してもよい。図示のように延伸面215は、底部213を二等分するものとし得るが、底部213に対して他の配向で延在するものとしてもよい。
【0034】
成形槽143は、1対の下方傾斜成形面部分207、209のうちの少なくとも一方と交わっている、1以上のエッジ誘導部材を含んでもよい。さらなる例において、1以上のエッジ誘導部材は、下方傾斜成形面部分207、209の両方と交わっているものでもよい。さらなる例において、エッジ誘導部材は成形用ウェッジ201の対向端部の夫々に設けてもよく、このときガラスリボン103のエッジは、エッジ誘導部材を離れて流れてくる溶融ガラスにより形成される。例えば、図2に示したように、エッジ誘導部材217を第1対向端部203に設置してもよく、さらに同一の第2のエッジ誘導部材(図示なし)を第2対向端部(図示なし)に設置してもよい。各エッジ誘導部材は、下方傾斜成形面部分207、209の両方と交わるように構成することもできる。各エッジ誘導部材217は、互いに実質的に同一のものとしてもよいが、さらなる例においては、異なる特性を有するものとしてもよい。本開示の態様によれば、種々の成形用ウェッジおよびエッジ誘導部材の構成を使用することができる。例えば、本開示の態様と共に使用し得る成形用ウェッジおよびエッジ誘導部材の構成は、米国特許第3,451,798号明細書、同第3,537,834号明細書、同第7,409,839号明細書、および/または、2009年2月26日に出願された米国仮特許出願第61/155,669号明細書において開示されており、これらの全体が夫々参照することにより本書に組み込まれる。
【0035】
図2は、本開示の態様と共に使用し得る、単なる一例のエッジ誘導部材217を示したものである。第2エッジ誘導部材(図示なし)は、いくつかの例において第1エッジ誘導部材217と類似したものまたは同一のものであり得ると理解して、第1エッジ誘導部材217について論じる。同一のエッジ誘導部材を提供すると、均一なガラスリボンを提供するのに有益となり得るが、多様なガラスシート特性を提供するように、および/または種々の成形槽の構成に適応するように、エッジ誘導部材を異なる特徴を有するものとしてもよい。
【0036】
図2は、成形用ウェッジ201の第1下方傾斜成形面部分207に対して位置付けられている、第1エッジ誘導部材217の第1側部を示している。図示していないが、第1エッジ誘導部材217は、成形用ウェッジ201の第2傾斜成形面部分209に対して位置付けられる第2側部をさらに含む。第1エッジ誘導部材217の第2側部は、底部213を二等分する延伸面215に関して第1側部の鏡像となる。図示のように第1側部は、成形用ウェッジ201の第1下方傾斜成形面部分207と交わる第1表面219を含む。図示していないが、第1エッジ誘導部材217の第2側部も同様に、成形用ウェッジ201の第2傾斜成形面部分209と交わる実質的に同一の表面を含む。
【0037】
成形用ウェッジ201の各対向端部には、対応する第1および第2エッジ誘導部材217を横に位置付けるのを助けるよう設計された、保持ブロック221を設けてもよい。随意的には、図示のように、第1エッジ誘導部材217は上部223および下部225を含んでもよい。いくつかの例では、下部225が、第1エッジ誘導部材217を第1対向端部203に結び付け、第2エッジ誘導部材を第2対向端部(図示なし)に結び付けてもよい。これらのエッジ誘導部材217を結合させると、エッジ誘導部材217の成形用ウェッジ201への組立てを単純化するのに有益となり得る。さらなる例において、これらエッジ誘導部材217の各上部223は、分離させて提供してもよい。例えば、第1エッジ誘導部材217を第2エッジ誘導部材から分離したものとしてもよいし、さらに第1エッジ誘導部材217を、成形用ウェッジ201の1対の下方傾斜成形面部分207、209の夫々に対して独立して組立ててもよい。特定の構成では、結合されていない上部223を提供すると、エッジ誘導部材217の製造を単純化することができる。各エッジ誘導部材217は、成形用ウェッジ201に対して様々な表面を提供することで、様々な配向および形状を有するものとすることができる。
【0038】
ガラスリボンを融合延伸するための装置101は、少なくとも1つのエッジローラアセンブリをさらに含んでもよい。このエッジローラアセンブリは、ガラスリボンが成形用ウェッジ201の底部213から延伸されるときにガラスリボンの対応するエッジに係合するよう構成された、1対のエッジローラを含んでいる。このエッジローラ対は、ガラスリボンのエッジを適切に仕上げるのを助ける。エッジローラで仕上げることで、所望のエッジ特性が実現し、さらに、1対の下方傾斜成形面部分207、209に付随するエッジ誘導部材の対向する表面から牽引される、溶融ガラスのエッジ部分の適切な融合が可能になる。図2に示したように、第1エッジローラアセンブリ227が第1エッジ誘導部材217に関連付けられ、そして第2エッジローラアセンブリ(図示なし)が第2エッジ誘導部材に関連付けられる。各エッジローラアセンブリ227は互いに実質的に同一のものとしてもよいが、さらなる例においてはこれらのエッジローラ対を、異なる特性を有するものとしてもよい。
【0039】
図2は、本開示の態様で使用することができる一例のエッジローラアセンブリを示している。第2エッジローラアセンブリ(図示なし)は、いくつかの例において第1エッジローラアセンブリ227と類似したものまたは同一のものであり得ると理解して、第1エッジローラアセンブリ227について論じる。図2に示したように、第1エッジローラアセンブリ227は、第1エッジローラ231と第2エッジローラ233とを備えた第1エッジローラ対229を含んでいる。エッジローラ231、233は、ガラスリボン103の第1面および第2面と同時に係合するように構成されている。第1エッジローラアセンブリ227は、第1エッジローラ231に取り付けられた第1シャフト235と、第2エッジローラ233に取り付けられた第2シャフト237とをさらに含む。第1シャフト235および第2シャフト237は、モータ(図示なし)によって回転可能に駆動されるよう構成される。
【0040】
図2に概略的に示したように、装置101は1以上の加熱装置239をさらに含み得る。加熱装置239は、第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するように構成される。図示の例において、第1加熱装置239は外部加熱装置としてエッジ誘導部材217の付近に位置付けてもよい。一例において、外部加熱装置を第1エッジ誘導部材217の下部225の背面を加熱するように構成してもよい。図3に示したように、加熱装置339をエッジ誘導部材の内側に位置付けることも可能であるが、加熱装置はさらなる例において、エッジ誘導部材上や、あるいは他の位置に位置付けることもできる。実際には、加熱装置は、エッジ誘導部材217に対して種々の三次元位置に位置付けることができる。図示のように1つの加熱装置を提供してもよいが、さらなる例において、複数の加熱装置を提供してもよい。
【0041】
加熱装置は、第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を、溶融ガラスの液相温度を超えて加熱することができる。液相温度は、ガラスが結晶を形成することなく溶融したままとなる温度のうちの、より低い温度範囲に相当する。溶融ガラスのいくらかの部分が液相温度を下回る温度まで降下した場合には、結晶化したガラスが生じ得る。結晶化したガラスの部分は溶融ガラス内の失透(devit)としばしば称され、この結晶化部分は、ガラスが液相温度を下回ったときに、液相温度との温度差に比例した速度で蓄積する傾向にある。すなわち、一例において、加熱装置239は第1エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するように構成され、こうしてエッジ誘導部材上に失透が蓄積する速度を低下させる。別の例では、エッジ誘導部材217を液相温度超の温度で維持して、エッジ誘導部材上の任意の失透の蓄積を実質的に減少させるか、あるいは蓄積さえしないようにする。任意の失透の蓄積を排除することで、失透を生じさせないエッジ誘導部材装置が得られる。
【0042】
エッジ誘導部材上の失透の蓄積を減少させることは望ましいことであるが、加熱装置239がこのように動作すると、さらに溶融ガラスの粘度も減少させてしまう傾向にある。図2に参照番号245で記したように、粘度が減少するとガラスリボン103の幅に望ましくない減少が生じることがある。
【0043】
装置101は、ガラスリボン103の幅の望ましくない損失を和らげるために、1以上の冷却装置241をさらに含み得る。図2に概略的に示しているが、冷却装置241は、第1エッジ誘導部材217を離れて流れてきた溶融ガラスの部分から熱を奪うように構成されている。冷却装置241は種々の装置から成るものとすることができ、例えば限定するものではないが、流体分注装置(例えば、エアジェットを形成するオリフィス)、ガラスリボンのエッジに近接させて保持した相対的に低温の物体、放射冷却器、および/または複数の流体ノズルが挙げられる。
【0044】
冷却装置の構成は、1以上の様々なやり方で動作するものとしてもよい。例えば、冷却装置241が、底部213より下方のガラスリボン103のエッジから、ガラスリボン103のエッジの温度がガラスリボンの内部の温度よりも速い速度で低下するように優先的に熱を奪うよう、冷却装置241を構成してもよい。この例において内部とは、ガラスリボン103の対向する左右のエッジ間に配置された、中央部分などの中間部分を含むものとし得る。さらに、または代わりに、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面に加熱装置239が与える熱よりも多くの熱を、冷却装置241が底部213より下方のガラスリボン103のエッジから奪うように、冷却装置241を構成してもよい。
【0045】
冷却装置241を底部213より下方の位置で動作させると、加熱装置239を単独で動作させた場合に生じ得る、ガラスリボン幅の望ましくない減少を和らげる助けとなる。すなわち、加熱装置239を使用して、エッジ誘導部材上での失透の形成を減少させることができ、一方冷却装置241を使用すると、エッジ誘導部材を離れて流れてきた溶融ガラスを引続いて冷却することなく加熱装置239を使用した場合に生じ得る、ガラスリボンの幅の望ましくない損失を和らげることができる。
【0046】
図3には、成形用ウェッジ201と図2のエッジ誘導部材217とを含む、第2例の装置301の側面図が示されている。図3の例において、加熱装置339はエッジ誘導部材217の中に位置している。図3にさらに示したように、装置301は1対のエッジゲート305と1対の中心ゲート307とを含み得る。エッジゲート305のうちの一方と中心ゲート307のうちの一方のみがこの図には示されており、各対の他方のゲートは溶融ガラスの裏側に位置している。エッジゲート305と中心ゲート307は、エッジ誘導部材217の下部225より下方に位置して溶融ガラスの流れを導くのを助ける。溶融ガラスの中心部分は溶融ガラスのエッジ部分よりも薄いため、中心ゲート307の対はエッジゲート305対よりもしっかりと接近させてもよい。エッジ誘導部材217から溶融ガラスが追加で流れてくるため、エッジゲート305の対は同じようにしっかりと接近させることはできない。
【0047】
図3にさらに示したように、第1および第2ローラ231、233を能動的に冷却して、溶融ガラスがエッジローラ231、233上に付着する可能性を減少させるのを助けてもよい。例えば、図3に示したように、各シャフト235の中を通って延在するように注入口ライン309を構成して、第1および第2ローラ231、233に冷却用の流体(すなわち、気体または液体)を供給する。出口ライン311も同じく各シャフト235、237の中を通って延在し、これが加熱された液体を液体供給源313へと戻す。油圧ポンプ315が液体供給源から流体を引き出し、さらにこの流体を熱交換器317に通過させて、第1および第2ローラ231、233から伝達された熱を除去してから注入口ライン309に通して循環させて、第1および第2ローラ231、233の冷却を続けてもよい。この冷却が、ローラにガラスが付着する可能性を減少させる助けとなり得る。さらなる例においては、ローラをより高速冷却して冷却装置241を助けてもよい。
【0048】
第3例の装置401を図4に示す。上述したように、加熱装置239は第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱する。冷却装置241は、第1エッジ誘導部材217を離れて流れてきた溶融ガラスの部分から熱を奪うように構成される。第3例の装置401も同様に、ローラ231、233を冷却するための構造や、あるいは他の例による任意の他の構造をさらに含んでもよい。
【0049】
図4の第3例においては、随意的な熱シールド装置が図示の熱シールド411を備えて提供される。熱シールド411が提供される場合には、加熱装置239に関連した加熱領域を冷却装置241に関連した冷却領域から遮蔽するように熱シールド411を構成してもよい。さらに図示したように、制御システム419を提供して、加熱装置239と冷却装置241とのうちの少なくとも一方を制御してもよい。制御システム419は、加熱装置239と冷却装置241とのうちの少なくとも一方を、様々な条件に基づいて様々なやり方で動作させることができ、この条件としては、例えば限定するものではないが、異なる位置での溶融ガラスの温度を監視したものや、ガラスリボン103の幅を監視したものが挙げられる。一例において、制御システム419は、底部213より下方のガラスリボン103のエッジから、ガラスリボン103のエッジの温度がガラスリボン103の内部の温度よりも速い速度で低下するように優先的に熱を奪うよう、冷却装置241を制御するように構成してもよい。さらに、または代わりに、エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスの接触面に加熱装置239が与える熱よりも多くの熱を、冷却装置241が底部213より下方のガラスリボン103のエッジから奪うように、加熱装置239と冷却装置241とのうちの少なくとも一方を動作させるよう、制御システム419を構成してもよい。
【0050】
一例において、制御システム419は、コントローラ421と少なくとも1つのセンサ423とをさらに含んでもよい。少なくとも1つのセンサ423はこの例において、エッジ誘導部材217上に位置しているが、さらなる例においては他の位置も可能である。さらにこのセンサは、エッジ誘導部材に関連する温度条件を感知するために位置付けられた、赤外線センサを含んでもよい。少なくとも1つのセンサ423は、エッジ誘導部材217付近の溶融ガラスに関連する温度を感知するように構成され、そしてこの感知した温度を使用して加熱装置239および冷却装置241にフィードバック制御を提供する。少なくとも1つのセンサ423は、感知した温度を有線接続または無線接続を通じてコントローラ421に伝えることができる。コントローラ421は、その後感知した温度に応えて、加熱装置239および/または冷却装置241の動作を調整するように構成される。さらに、または代わりに、別のセンサ425を冷却装置241と関連付けて、ガラスリボン103のエッジの温度条件を感知してもよい。このセンサは赤外線センサを含み得るが、さらなる例においては他の感知装置を提供してもよい。このセンサ425は、ガラスリボン103のエッジに関連する温度を感知するように構成され、またこのセンサ425は感知した温度を使用してコントローラ421にフィードバックを提供する。この感知されたフィードバックに基づいて、コントローラ421はその後適切な冷却条件を提供するように冷却装置241を動作させることができる。
【0051】
さらに、このコントローラはライン417に沿って信号を送信してモータ(図示なし)を作動させ、加熱装置239に関連した加熱領域と冷却装置241に関連した冷却領域との間に所望の熱制御を実現するよう、熱シールド411の位置付けを制御することができる。
【0052】
ここで、ガラスを成形する方法を、この例のエッジ誘導部材217を含んだ装置401を参照して説明する。類似のまたは同一の方法ステップを、例えば本出願全体に亘って説明されているようなさらなる例とともに実行し得ることは明らかであろう。さらに、本発明の方法の例は、ステップをさらに除外および/または追加することも可能である。さらに、断りがなければ、これらのステップは特定の用途に応じて、同時に、連続して、あるいは異なる順で、実行してもよい。
【0053】
図1〜2および4に示すように、エッジ誘導部材217を含んだ一例の装置401でガラスを成形する方法が概略的に示されている。第1の方法例においては、ガラスリボン103を作製するためにフュージョンドロー法が提供される。この方法は、成形用ウェッジ201を構成する1対の下方傾斜成形面部分207、209上に溶融ガラスを流すステップを含む。ここで、この1対の下方傾斜成形面部分207、209は、成形用ウェッジ201下部の底部213で合流している。この方法は、1対の傾斜成形面部分207、209のうちの少なくとも一方と交わっている第1エッジ誘導部材217上に、溶融ガラスを流すステップと、成形用ウェッジ201の底部213から溶融ガラスを延伸してガラスリボン103を成形するステップとをさらに含む。この方法は、加熱装置239を使用して、第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するステップと、冷却装置241を使用して、溶融ガラスの、第1エッジ誘導部材217を離れて流れてきた部分から熱を奪うステップとをさらに含む。すなわち、加熱装置239は、失透の蓄積を減少させるために、第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱し、そして冷却装置241は、加熱装置239のみを使用した場合に生じ得るガラスリボン103幅の損失を和らげてその幅を保持するために、エッジ誘導部材217より下方の位置から熱を奪う。一例において、加熱装置239が第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱する際には、エッジ誘導部材217の外側で動作する外部加熱器を使用する。別の例において、加熱装置239が第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱する際には、エッジ誘導部材217の内側で動作する内部加熱器を使用する。冷却装置241がエッジ誘導部材217より下方で溶融ガラスから熱を奪う際には、一例において流体ノズルを使用してもよい。
【0054】
この方法例は、加熱装置239を使用して、第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を、溶融ガラスの液相温度を超えて加熱するステップを含むものでもよい。液相温度とは、結晶相が発現し始める温度に相当し得る。すなわち、一例において加熱装置239は、エッジ誘導部材217上に失透が蓄積する速度を低下させるよう、第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するよう構成される。別の例では、エッジ誘導部材217を液相温度超の温度で維持して、エッジ誘導部材217上の任意の失透の蓄積を実質的に減少させるか、あるいは蓄積さえしないようにする。失透の蓄積を完全になくすために必要とされる追加の熱流束は、エッジ誘導部材217の表面のどの部分も確実に、成形されているガラスの液相温度より低い温度で動作しないようにするようなものである。そのため、本開示の態様は、ガラスリボンの品質に影響を与え得る失透の蓄積を減少させたり、あるいはなくしたりすることができる。実際には、失透の層が厚くなり過ぎると、流れているガラスが近接している固定の物体に「橋を架けた」状態となる可能性があり、また深刻な操作上の問題を引き起こすこともある。失透の蓄積は、下方傾斜成形面207、209の底部213から延伸されている2つの溶融ガラスリボンの融合を乱す可能性もある。エッジの位置で融合が乱れると、ビードに気泡が形成されたり、あるいはガラスリボンに他の欠陥が生じたりすることがある。
【0055】
この方法例は、冷却装置241を使用して一定量の熱流束を奪うことで、加熱装置239の働きを和らげるステップを含んでもよい。加熱装置239を使用して、第1エッジ誘導部材217と接触している溶融ガラスの接触面を加熱するステップは、得られるガラスリボン103の幅の損失、すなわち縮小を生じさせることになる。冷却装置241は、加熱装置239が加えた熱流束の量に相当する量の熱流束を奪って幅の損失部分を回復させるよう動作させることができる。一例において、加えられかつその後奪われる熱流束の量は、ガラスリボンの形成モデルから見積ることができる。ガラスリボンの形成モデルは、溶融ガラスの種々の温度に対し、得られるシートサイズの指針を提供することができるものである。
【0056】
別の例において、加えられかつ奪われる熱流束の量は、装置の動作中に測定することができる。一例において、冷却装置241を様々な冷却速度で動作させると、溶融ガラスに異なった減衰を生じさせることで、幅の損失が異なるガラスリボンを得ることができる。モデリング技術に基づくと、冷却装置241を様々な冷却速度で動作させた場合、得られるガラスリボンの幅の損失は約57mmにまで減少し得ることが分かった。使用する冷却速度を比較的大きくした別のモデリング例においては、得られるガラスリボンの幅の損失を約6mmにまで減少させることができることが判明した。使用する冷却速度を比較的大きくしたさらに別のモデリング例においては、モデリングの結果によりガラスリボンの幅が約11mm増加したことが示された。
【0057】
この方法例は、溶融ガラスの温度を底部213より下方の位置で、この溶融ガラスのバギーワープ温度より低温で維持するステップをさらに含んでもよい。バギーワープ温度とは、バギーワープの状態が見られる前の、自由リボン上で許容可能な最大温度を表している。バギーワープ温度は、溶融ガラスの領域における冷却曲線の他、その局所的な質量流量やガラス組成によって変化し得る。バギーワープを物理的に説明すると、溶融ガラスの温度がバギーワープ温度を超えたことから、溶融ガラスの粘度が減少している状態である。バギーワープの状態にあるときには、牽引ローラ(図示なし)がもはや牽引できない段階にまで溶融ガラスの粘度は減少している。さらに、バギーワープの状態にあるときには、成形用ウェッジから出てくるガラスの流れが、平面内のずっと下方に位置している牽引ローラによって一定の厚さに牽引されている純粋に長方形のシートの流れを、超え始める可能性がある。一例の方法において、加熱装置239は、エッジ誘導部材217上を通過している溶融ガラスのエッジの温度を約3010℃から約1200℃の範囲内で維持する。この温度範囲は、例えば3010℃など、第1エッジ誘導部材と接触している溶融ガラスをその溶融ガラスの液相温度を超えた温度で維持すると同時に、例えば1200℃など、底部より下方の位置での溶融ガラスの温度をバギーワープ温度よりも低温でさらに維持するものに相当し得る。この方法例ではこの温度を、加熱装置239と冷却装置241とのうちの一方を使用することで、あるいは加熱装置239と冷却装置241との両方を使用することで、維持することができる。
【0058】
別の代替として、この方法例は、加熱装置239の加熱領域を冷却装置241の冷却領域から遮蔽するステップをさらに含んでもよい。加熱領域の冷却領域からの遮蔽は、図4に示した熱シールド411を用いて達成することができる。熱シールド411は、加熱領域と冷却領域との間の熱伝達の制御を助けるよう構成してもよい。
【0059】
この方法例は、加熱装置239と冷却装置241とのうちの少なくとも一方を制御システム419で制御するステップをさらに含んでもよい。制御システム419は、加熱装置239と冷却装置241とのうちの少なくとも一方を、異なる位置での溶融ガラスの温度やガラスリボン103の幅を含む、様々な条件に基づいて、様々なやり方で動作させることができる。一例において、制御システム419は、溶融ガラスに関連する温度を感知または測定し、感知した温度を使用して制御システム419に対しフィードバック制御を提供するステップを含むものでもよい。
【0060】
請求される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0061】
201 成形用ウェッジ
207、209 下方傾斜成形面部分
213 底部
217 エッジ誘導部材
227 エッジローラアセンブリ
231、233 エッジローラ
239、339 加熱装置
241 冷却装置
411 熱シールド
419 制御システム
421 コントローラ
423、425 センサ
図1
図2
図3
図4