(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
特別役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより開始される遊技であって、通常の遊技である通常遊技とは異なる遊技である特別遊技を備え、
第1演出モード及び第2演出モードは、所定の条件下としての特別遊技における演出のモードであり、
遊技制御装置には、
出玉率を設定するための複数の設定値が設けられ、
選択可能状態設定手段は、
所定の状況下であって1回の遊技における役の抽選を行う前としての特別遊技を開始するときに、遊技制御装置における状態を選択可能状態に設定し、
演出モード管理手段は、
設定値の変更又は特別遊技の終了によっては、記憶している演出のモードを変更又は消去しないように形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を、
図1〜
図23に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、遊技媒体としてのメダルを払い出すためのホッパーユニットや、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。
【0020】
また、3個の回転リール45のうち、左側に位置するのが左リール46であり、中央に位置するのが中リール47であり、右側に位置するのが右リール48である。
また、前扉12の上部には、上パネル13を備え、前扉12の下部には、下パネル14を備え、前扉12の前面における、上パネル13と下パネル14との間には、前方へ向けて突出する操作部16を備えている。
また、上パネル13のほぼ中央には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられている。この図柄表示窓15は、3個すべての回転リール45の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
【0021】
また、本実施の形態では、入賞ラインとして、下段の表示位置における3個の図柄を通る「下段入賞ライン」と、左上・中央・右下の表示位置における3個の図柄を通る「右下り入賞ライン」とが設けられている。なお、以下において、上段の3個の図柄を通るラインを「上段ライン」と、中段の3個の図柄を通るラインを「中段ライン」と、左下・中央・右上の3個の図柄を通るラインを「右上りライン」と称する。これらの上段ライン、中段ライン及び右上りラインは、本実施の形態では入賞ラインには設定されていない。
また、上パネル13における、図柄表示窓15の上方に相当する位置には、画像を表示する表示装置55が設けられている。また、上パネル13の周囲縁には、演出用ランプ17が設けられている。
【0022】
また、操作部16の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、スロットマシン10に電子的に貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している3個のストップスイッチ34が横並びに設けられている。
【0023】
また、3個のストップスイッチ34のうち、左側に位置するのが左停止スイッチ56であり、中央に位置するのが中停止スイッチ57であり、右側に位置するのが右停止スイッチ58である。また、左停止スイッチ56は左リール46に対応しており、また、中停止スイッチ57は中リール47に対応しており、また、右停止スイッチ58は右リール48に対応している。
また、前扉12の下部中央には、メダルを払い出すためのメダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル払出口37から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのメダル受け皿38が設けられている。また、前扉12には、図示しないスピーカが設けられている。
【0024】
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。
また、各回転リール45の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。具体的には、回転リール45の周囲には、
図2に示すように、「赤7」、「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「チェリー」の図柄が付されている。
【0025】
また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45がそれぞれ固定されている。
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。そして、ステッピングモータが駆動すると、ステッピングモータの出力軸を中心に、対応する回転リール45が回転する。また、ステッピングモータは、一のパルス信号の入力により、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量駆動する。そして、ステッピングモータが図柄1個分に相当する量駆動すると、対応する回転リール45が、周囲に付された図柄1個分に相当する量回転する(1コマ回転する)。
【0026】
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置及び停止位置を特定できるようになっている。
(制御装置20)
制御装置20は、
図3に示すように、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22とを備えている。
遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、役の抽選(役抽選)、回転リール45の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御する遊技制御手段60として機能する。詳細には、遊技制御手段60は、
図3に示すように、役抽選手段100、回転制御手段110、ウェイト制御手段115、停止制御手段120、停止図柄判定手段130、遊技状態移行制御手段140、再遊技役抽選状態制御手段150、遊技状態コマンド送信手段155、演出データ記憶手段160、回転リール演出抽選手段170、演出内容コマンド送信手段175、フリーズ演出実行手段180、回転リール演出実行手段190、選択可能状態設定手段200、演出モード管理手段210、更新コマンド送信手段220、更新禁止期間設定手段230及び確定コマンド送信手段240などとして機能する。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、精算スイッチ35及びリールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニットなどが接続されている。
【0027】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて遊技の演出を制御する演出制御手段250として機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、表示装置55や、演出用ランプ17や、図示しないスピーカなどが接続されている。
また、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。
【0028】
また、遊技制御装置21には、出玉率(ベットされるメダルの総数に対する遊技者に付与するメダルの総数の比率)を設定するための複数の設定値(たとえば1〜6)が設けられ、遊技者が操作できないように筐体11の内部に設けられた設定変更スイッチ(図示せず)の操作により、この設定値を変更することができるようになっている。
また、本実施の形態では、遊技制御装置21には、遊技状態として、通常状態と、内部中状態と、ボーナス状態(特別状態)とが設けられている(
図14参照)。また、ボーナス状態には、BB1状態と、BB2状態と、BB3状態と、BB4状態とがある。また、遊技制御装置21には、再遊技役の抽選状態として、無抽選状態と、第1低確率状態と、第2低確率状態と、中確率状態と、高確率状態とが設けられている(
図14参照)。なお、遊技状態及び再遊技役の抽選状態としてはこれに限られるものではない。
【0029】
また、本実施の形態では、役として、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがボーナス遊技(遊技状態がボーナス状態である遊技:特別遊技)へ移行するボーナス役(特別役)と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役とがある。ここで、「有効入賞ライン」とは、遊技媒体としてのメダルのベットに応じて有効になった入賞ラインである。本実施の形態では、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、2本全ての入賞ラインが有効になり、有効入賞ラインとなる。なお、本実施の形態では、3枚のメダルをベットすることにより、遊技を開始することが可能となっている。
【0030】
そして、ボーナス役には、
図4に示すように、BB1役と、BB2役と、BB3役と、BB4役とがある。たとえば、BB1役は、「赤7」「赤7」「赤7」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより、ボーナス遊技へ移行する。
なお、本実施の形態では、ボーナス役は、メダルの払い出しを行うことなく、ボーナス遊技へ移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)のメダルを払い出した後に、ボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
【0031】
また、小役には、
図4に示すように、ベル1役〜ベル28役(以下、ベル1役〜ベル28役を、「ベル役」と総称する。)と、スイカ役と、チェリー役と、制御役と、特殊1役と、特殊2役とがある。たとえば、ベル1役は、「ベルA」「ベルA」「ベルA」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、ベル28役は、(「ベルA」、「ベルB」又は「ベルC」)(「スイカ」又は「チェリー」)「スイカ」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、チェリー役は、「チェリー」「ANY」「ANY」(「ANY」は、いずれの図柄であってもよいことを意味する。)の図柄の組み合わせにより構成される。そして、役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより、当該役に応じた所定枚数のメダルが払い出される。たとえば、「ベルA」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより、ベル28役に応じた所定枚数(たとえば9枚)のメダルが払い出される。
【0032】
また、再遊技役には、
図5に示すように、リプレイA役と、リプレイB役と、リプレイC役と、リプレイD役と、リプレイE役と、リプレイF役と、リプレイG役と、リプレイH役とがある。たとえば、リプレイA役は、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、リプレイB役は、「リプレイ」(「ベルA」、「ベルB」又は「ベルC」)(「BAR」、「白7」、「ベルA」、「ベルB」又は「チェリー」)の図柄の組み合わせにより構成される。そして、いずれかの有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
【0033】
(役抽選手段100)
役抽選手段100は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うものである。役抽選手段100は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(たとえば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(たとえば、スタートスイッチ33の操作)で抽出するものである。
また、役抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めたものである。本実施の形態では、役抽選テーブルには、
図6〜
図8に示すように、遊技状態が通常状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルと、遊技状態が内部中状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルと、遊技状態がボーナス状態である場合に用いられるボーナス役抽選テーブルとがある。
【0034】
また、通常役抽選テーブルには、
図6に示すように、再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルAと、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルBと、再遊技役の抽選状態が第2確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルCと、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合に用いられる通常役抽選テーブルDとがある。
また、内部中役抽選テーブルには、
図7に示すように、再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルAと、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルBと、再遊技役の抽選状態が第2確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルCと、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合に用いられる内部中役抽選テーブルDとがある。
【0035】
また、ボーナス役抽選テーブルには、
図8に示すように、BB1状態において用いられるボーナス役抽選テーブルAと、BB2状態において用いられるボーナス役抽選テーブルBと、BB3状態において用いられるボーナス役抽選テーブルCと、BB4状態において用いられるボーナス役抽選テーブルDとがある。
そして、役抽選テーブルには、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。なお、当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域を設定することができる。具体的には、各通常役抽選テーブルには、
図6に示すように、各ボーナス役の単独当選領域と、スイカ役の単独当選領域と、チェリー役の単独当選領域と、ベル役の重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルAには、さらに、「打順リプA1」〜「打順リプA6」及び「打順リプB1」〜「打順リプB6」の12種類の再遊技役に関する重複当選領域がそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルBには、さらに、リプレイE役の単独当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルCには、さらに、リプレイE役の単独当選領域と、「打順リプB1」〜「打順リプB6」及び「打順リプC」の7種類の再遊技役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルDには、さらに、リプレイE役の単独当選領域と、「打順リプD1」〜「打順リプD5」の5種類の再遊技役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
【0036】
ここで、「打順リプA1」などの再遊技役に関する重複当選領域について説明する。
図9(A)に示すように、「打順リプA1」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役が対応付けられ、また、「打順リプA2」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイF役が対応付けられ、また、「打順リプA3」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプA4」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプA5」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプA6」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイC役、リプレイF役及びリプレイH役が対応付けられている。
【0037】
また、
図9(B)に示すように、「打順リプB1」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役及びリプレイE役が対応付けられ、また、「打順リプB2」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役〜リプレイF役が対応付けられ、また、「打順リプB3」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役、リプレイE役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプB4」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役、リプレイE役及びリプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプB5」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役〜リプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプB6」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD役〜リプレイF役及びリプレイH役が対応付けられている。
【0038】
また、
図9(C)に示すように、「打順リプC」の重複当選領域には、リプレイC役〜リプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプD1」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役が対応付けられ、また、「打順リプD2」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプD3」の重複当選領域には、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF役〜リプレイH役が対応付けられ、また、「打順リプD4」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役、リプレイF役及びリプレイG役が対応付けられ、また、「打順リプD5」の重複当選領域には、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイF役〜リプレイH役が対応付けられている。
【0039】
以下、「打順リプA1」〜「打順リプA6」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプA1役」、「打順リプA2役」、「打順リプA3役」、「打順リプA4役」、「打順リプA5役」、「打順リプA6役」と称し、また、「打順リプB1」〜「打順リプB6」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプB1役」、「打順リプB2役」、「打順リプB3役」、「打順リプB4役」、「打順リプB5役」、「打順リプB6役」と称し、また、「打順リプC」の重複当選領域を、「打順リプC役」と称し、また、「打順リプD1」〜「打順リプD5」の重複当選領域を、それぞれ、「打順リプD1役」、「打順リプD2役」、「打順リプD3役」、「打順リプD4役」、「打順リプD5役」と称する。
【0040】
また、各内部中役抽選テーブルは、
図7に示すように、ボーナス役が抽選対象から除外されている点以外は、対応する通常役抽選テーブルと同一に設定されている。すなわち、内部中役抽選テーブルAは、この点以外は、通常役抽選テーブルAと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルBは、この点以外は、通常役抽選テーブルBと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルCは、この点以外は、通常役抽選テーブルCと同一に設定され、また、内部中役抽選テーブルDは、この点以外は、通常役抽選テーブルDと同一に設定されている。
また、ボーナス役抽選テーブルを除く各役抽選テーブルのぞれぞれには、
図6及び
図7に示すように、ベル役の重複当選領域として、「左中右ベルA」〜「左中右ベルC」、「左右中ベルA」〜「左右中ベルC」、「中左右ベルA」〜「中左右ベルC」、「中右左ベルA」〜「中右左ベルC」及び「右ベルA」〜「右ベルC」の15種類の重複当選領域が設定されている。そして、これらの15種類の重複当選領域のそれぞれには、
図10及び
図11に示すように、ベル1役〜ベル27役のうちの9種類のベル役と、ベル28役とが対応付けられている。また、これらの15種類の重複当選領域のそれぞれには、ベル役の組み合わせが互いに異なるものとなるようにベル1役〜ベル27役が割り振られている。たとえば、「左中右ベルA」の重複当選領域には、
図10に示すように、ベル1役、ベル5役、ベル9役、ベル11役、ベル15役、ベル16役、ベル21役、ベル22役、ベル26役及びベル28役が対応付けられている。なお、
図11に示すように、「右ベルA」の重複当選領域には、「左中右ベルA」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられ、また、「右ベルB」の重複当選領域には、「左中右ベルB」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられ、「右ベルC」の重複当選領域には、「左中右ベルC」の重複当選領域と同一のベル役に加えて制御役が対応付けられている。以下、「左中右ベルA」〜「左中右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「左中右ベルA役」、「左中右ベルB役」、「左中右ベルC役」と称し、また、「左右中ベルA」〜「左右中ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「左右中ベルA役」、「左右中ベルB役」、「左右中ベルC役」と称し、また、「中左右ベルA」〜「中左右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「中左右ベルA役」、「中左右ベルB役」、「中左右ベルC役」と称し、また、「中右左ベルA」〜「中右左ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「中右左ベルA役」、「中右左ベルB役」、「中右左ベルC役」と称し、また、「右ベルA」〜「右ベルC」の重複当選領域を、それぞれ、「右ベルA役」、「右ベルB役」、「右ベルC役」と称する。
【0041】
また、ボーナス役抽選テーブルA及びBには、
図8に示すように、ベル28役の単独当選領域と、「JAC1」及び「JAC2」の2種類の小役に関する重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、ボーナス役抽選テーブルC及びDには、
図8に示すように、ベル28役の単独当選領域と、「JAC2」の重複当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
ここで、「JAC1」及び「JAC2」の重複当選領域について説明する。
図12に示すように、「JAC1」の重複当選領域には、ベル28役、特殊1役及び特殊2役が対応付けられ、また、「JAC2」の重複当選領域には、ベル28役、特殊1役、特殊2役及びチェリー役が対応付けられている。以下、「JAC1」及び「JAC2」の重複当選領域、それぞれ、「JAC1役」、「JAC2役」と称する。
【0042】
なお、重複当選領域としては、これに限られるものではなく、たとえば、各ボーナス役及びスイカ役又はチェリー役の重複当選領域を設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、通常役抽選テーブルB及びCにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルAよりも低い確率に設定され、また、通常役抽選テーブルDにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルAよりも高い確率に設定され、また、ボーナス役抽選テーブルにおいては、再遊技役が抽選対象から除外されている。具体的には、通常役抽選テーブルB及びCにおいては、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定され、また、通常役抽選テーブルAにおいては、約1/3.6に設定され、また、通常役抽選テーブルDにおいては、再遊技役の当選確率が約1/1.5に設定されている。これにより、通常役抽選テーブルA及びDを用いて役抽選を行う遊技は、通常役抽選テーブルB及びCを用いて役抽選を行う遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。なお、再遊技役の当選確率はこれに限られるものではない。
【0043】
また、ボーナス役抽選テーブルにおいては、小役の当選確率は、約1/1.1に設定されている。これにより、ボーナス遊技(特別遊技)は、通常遊技(遊技状態が通常状態で再遊技役の抽選状態が第1又は第2低確率状態でかつ後述する演出制御装置22における状態が後述するAT状態でない遊技)とは異なる遊技、具体的には通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
また、判定手段は、乱数抽出手段が抽出した乱数と、役抽選テーブルとを照合して、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行うものである。具体的には、判定手段は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行う際に、その時点における遊技状態及び再遊技役の抽選状態に応じて役抽選テーブルを適宜用いて、当該判定を行う。たとえば、判定手段は、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合には、通常役抽選テーブルAを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合には、通常役抽選テーブルBを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合には、通常役抽選テーブルCを選択し、また、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、通常役抽選テーブルDを選択する。
【0044】
また、たとえば、判定手段は、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が中確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルAを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が第1低確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルBを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が第2低確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルCを選択し、また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、内部中役抽選テーブルDを選択する。
また、たとえば、判定手段は、遊技状態がボーナス状態である場合には、ボーナス役抽選テーブルを選択する。なお、ボーナス状態においては、再遊技役の抽選状態は無抽選状態に設定される。
【0045】
そして、役抽選手段100による役抽選で、いずれかの役に当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。なお、役抽選手段100による役抽選で、複数の役に重複当選した場合には、当選した複数の役それぞれに対応する当選フラグが成立する。そして、このフラグの成立中に、いずれかの有効入賞ライン上に、役抽選で当選した役を構成する図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技者に対して、メダルの払い出しや、ボーナス遊技等の利益が付与される。
ここで、当選フラグには、役抽選手段100による役抽選の結果が、小役の当選である場合に成立する小役当選フラグ(ベル1当選フラグ〜ベル28当選フラグ、スイカ当選フラグ、チェリー当選フラグ、制御役当選フラグ、特殊1役当選フラグ及び特殊2役当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、再遊技役の当選である場合に成立する再遊技当選フラグ(リプレイA当選フラグ〜リプレイH当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、ボーナス役の当選である場合に成立するボーナス当選フラグ(BB1当選フラグ〜BB4当選フラグ)とがある。
【0046】
そして、小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、成立した遊技においてのみ有効となるものの、ボーナス当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっており、当選したボーナス役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより消去されるものとなっている。
また、役抽選手段100は、役抽選の結果を演出制御装置22に送信する。
(回転制御手段110)
回転制御手段110は、回転リール45の回転駆動を制御するものである。具体的には、回転制御手段110は、スタートスイッチ33の操作を契機に、3個すべての回転リール45の回転を通常の回転方向に開始させて、その回転速度が所定の定常速度に達するまで回転速度を加速させる加速処理を行う。そして、回転制御手段110は、回転リール45の回転速度が所定の定常速度に達したときには、回転リール45を所定の定常速度で定速回転させる定速処理を行う。
【0047】
(ウェイト制御手段115)
ウェイト制御手段115は、1回の遊技における遊技時間が、予め定められた所定時間(以下、「ウェイト時間」と称する。)以下とならないように制御するものである。本実施の形態では、ウェイト時間は、4.1秒に設定されている。
また、本実施の形態では、ウェイト制御手段115は、ウェイト時間を計時する計時手段を有している。具体的には、ウェイト制御手段115は、一の遊技において、回転制御手段110により回転リール45の回転が開始されたことを契機に、計時手段による計時を開始する。そして、次の遊技において、回転制御手段110により回転リール45の回転が開始されたことを契機に、計時手段による計時をリセットして再度計時を開始させる。そして、それ以降の遊技においても同様に、毎遊技、回転制御手段110により回転リール45の回転が開始されたことを契機に、ウェイト制御手段115は、計時手段による計時をリセットして再度計時を開始する。
【0048】
そして、ウェイト制御手段115は、遊技の開始に係るスタートスイッチ33が操作された際における、計時手段により計時される計時時間が4.1秒以下であった場合には、回転制御手段110によるすべての回転リール45の回転を開始させる処理を一旦保留し、計時時間が4.1秒経過した後に、保留を解除し、保留した当該処理を回転制御手段110に開始させる。
また、本実施の形態では、遊技の開始に係るスタートスイッチ33が操作されると、後述するフリーズ演出又は回転リール演出が実行される場合がある。このような場合には、ウェイト制御手段115は、スタートスイッチ33の操作を契機に、計時手段により計時される計時時間が4.1秒以下であるか否かを判断する。そして、計時時間が4.1秒以下であった場合には、ウェイト制御手段115は、回転制御手段110による、3個すべての回転リール45の回転を開始させる処理の開始を一旦保留するウェイト処理を実行し、計時時間が4.1秒経過した後に、保留を解除し、保留した回転制御手段110による当該処理を開始可能とする。このとき、後述するフリーズ演出実行手段180又は回転リール演出実行手段190は、フリーズ演出又は回転リール演出を実行する。すなわち、計時時間が4.1秒経過した後に、フリーズ演出又は回転リール演出を実行する。
【0049】
また、本実施の形態では、ウェイト制御手段115は、フリーズ演出又は回転リール演出が実行された場合には、フリーズ演出又は回転リール演出が終了して、回転制御手段110により回転リール45の回転が開始されたことを契機に、計時手段に計時を開始させる。
なお、ウェイト制御手段115は、回転制御手段110により回転リール45の回転が開始されたことを契機に、計時手段に計時を開始させるものであるがこれに限られるものではない。たとえば、フリーズ演出又は回転リール演出が実行される場合には、ウェイト制御手段115は、当該フリーズ演出又は回転リール演出中のいずれかのタイミングから計時手段に計時を開始させるようにしてもよい。
【0050】
(停止制御手段120)
停止制御手段120は、ストップスイッチ34の操作を契機として、役抽選の結果と、ストップスイッチ34が操作された時点における対応する回転リール45の回転位置とに基づいて、回転リール45の回転を適位置で停止させるものである。
本実施の形態では、停止制御手段120は、各ストップスイッチ34が停止操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が停止操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ34が停止操作された時点で、有効入賞ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール45の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、たとえば4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール45を停止させる。ここで、「コマ」とは、回転リール45の回転量であって、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量を意味するものである。
【0051】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選の結果がいずれかの役に当選の場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、当選した役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に極力揃うように、かつ、当選した役以外の役を構成する図柄の組み合わせについてはいずれの有効入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選の結果がハズレの場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役を構成する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
また、本実施の形態では、複数の当選フラグが成立している場合があり、このような場合に、停止制御手段120は、引き込み制御において、当選した複数の役のうちいずれの役を優先して引き込むかを予め設定している。具体的には、停止制御手段120は、引き込み優先順位を、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定している。なお、引き込み優先順位は、これに限られるものではない。さらに、本実施の形態では、小役間の引き込み優先順位を、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定している。なお、同一配当の小役が重複して当選した場合には、それらの小役の引き込み優先順位は同一となる。
【0052】
また、停止制御手段120は、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を、回転リール45の停止位置を予め定めた停止テーブルを参照して制御を行うテーブル制御や、所定の図柄を停止させるか否かを判断しながら制御を行うプログラム制御などにより行うことができる。
また、停止制御手段120は、リールユニット40の各ステッピングモータへのパルス信号の供給を停止することにより、回転リール45の回転を適位置で停止させる。
(ベル役)
つぎに、左ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、
図2の図柄の配列に示すように、ベル28役を構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。一方、ベル1役〜ベル27役を構成するそれぞれの図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0053】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、ベル28役を構成する図柄の組み合わせ、ベル28役以外の当選した他のベル役を構成する図柄の組み合わせ又はいずれの役をも構成しない特定のハズレの図柄の組み合わせであるブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
具体的には、本実施の形態では、左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各重複当選領域に対する正解の操作順序となっている。たとえば、左中右ベルA役〜左中右ベルC役に対しては、左停止スイッチ56を最初に操作し次に中停止スイッチ57を操作し最後に右停止スイッチ58を操作する順序(「左→中→右」)が正解の操作順序として割り当てられている。また、たとえば、左右中ベルA役〜左右中ベルC役に対しては、左停止スイッチ56を最初に操作し次に右停止スイッチ58を操作し最後に中停止スイッチ57を操作する順序(「左→右→中」)が正解の操作順序として割り当てられている。
【0054】
また、たとえば、中左右ベルA役〜中左右ベルC役に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作し次に左停止スイッチ56を操作し最後に右停止スイッチ58を操作する順序(「中→左→右」)が正解の操作順序として割り当てられている。また、たとえば、中右左ベルA役〜中右左ベルC役に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作し次に右停止スイッチ58を操作し最後に左停止スイッチ56を操作する順序(「中→右→左」)が正解の操作順序として割り当てられている。
また、たとえば、右ベルA役〜右ベルC役に対しては、右停止スイッチ58を最初に操作する順序(「右→中→左」及び「右→左→中」)が正解の操作順序として割り当てられている。
【0055】
そして、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合に、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役以外の当選した他のベル役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ベル28役以外の当選した他のベル役を有効入賞ライン上に停止表示させることができる場合には、その役を有効入賞ライン上に停止表示させ、ベル28役以外の当選した他のベル役のうちのいずれも有効入賞ライン上に停止表示させることができない場合には、ブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0056】
(再遊技役)
つぎに、リプレイBC役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、
図2の図柄の配列に示すように、リプレイA役〜リプレイE役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。一方、リプレイF役〜リプレイH役を構成するそれぞれの図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0057】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、打順リプA1役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、当選したいずれかの再遊技役を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
(打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役)
まず、打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役のうちのいずれかに当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、打順リプA1役〜打順リプA6役及び打順リプB1役〜打順リプB6役の重複当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各重複当選領域に対する正解の操作順序となっている。たとえば、打順リプA1役に対しては「左→中→右」が、また、打順リプA2役に対しては「左→右→中」が、また、打順リプA3役に対しては「中→左→右」が、また、打順リプA4役に対しては「中→右→左」が、また、打順リプA5役に対しては「右→左→中」が、また、打順リプA6役に対しては「右→中→左」が、それぞれ、正解の操作順序として割り当てられている。
【0058】
また、たとえば、打順リプB1役に対しては「左→中→右」が、また、打順リプB2役に対しては「左→右→中」が、また、打順リプB3役に対しては「中→左→右」が、また、打順リプB4役に対しては「中→右→左」が、また、打順リプB5役に対しては「右→左→中」が、また、打順リプB6役に対しては「右→中→左」が、それぞれ、正解の操作順序として割り当てられている。
そして、停止制御手段120は、役抽選により打順リプA1役〜打順リプA6役のいずれかに当選した場合に、
図13(A)に示すように、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイC役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役及びリプレイB役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、リプレイA役又はリプレイB役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0059】
また、停止制御手段120は、役抽選により打順リプB1役〜打順リプB6役のうちのいずれかに当選した場合に、
図13(B)に示すように、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイD役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイD役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイE役以外の当選した他の再遊技役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、リプレイA役、リプレイB役又はリプレイE役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0060】
(打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役)
つぎに、打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役のうちのいずれかに当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により打順リプC役及び打順リプD1役〜打順リプD5役のうちのいずれかに当選した場合に、遊技状態に応じて、有効入賞ライン(右下り入賞ライン及び下段入賞ライン)並びに無効ライン(上段ライン、中段ライン及び右上りライン)のうちのいずれかのライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示し得るように停止制御を行う。
【0061】
本実施の形態では、「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される停止態様としては、有効入賞ライン及び無効ラインの5本のラインのうち2本のライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される態様(以下、「ダブル揃い」とする。)と、有効入賞ライン及び無効ラインの5本のラインのうち1本のライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される態様(以下、「シングル揃い」とする。)とがある。
ダブル揃いの停止態様では、たとえば、右下り入賞ライン上及び中段ライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される。また、シングル揃いの停止態様では、たとえば、上段ライン上に「白7」「白7」「白7」の図柄の組み合わせが停止表示される。
【0062】
そして、停止制御手段120は、通常状態において役抽選により打順リプC役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ダブル揃い又はシングル揃いが発生し得るように、リプレイC役〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、内部中状態において役抽選により打順リプC役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイC役〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD1役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0063】
また、停止制御手段120は、通常状態、又はBB1当選フラグ、BB2当選フラグ若しくはBB3当選フラグが成立している内部中状態において、役抽選により打順リプD2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、BB4当選フラグが成立している内部中状態において、役抽選により打順リプD2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役〜リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0064】
また、停止制御手段120は、通常状態において役抽選により打順リプD3役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ダブル揃い及びシングル揃いのいずれもが発生しないように、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させ、内部中状態において役抽選により打順リプD3役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役〜リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0065】
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD4役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらずダブル揃いが発生しないようにしつつ、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じてシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役、リプレイF及びリプレイG役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、通常状態又は内部中状態において役抽選により打順リプD5役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ダブル揃い又はシングル揃いが発生し得るように、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイF〜リプレイH役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0066】
(JAC1役及びJAC2役)
つぎに、JAC1役又はJAC2役に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、
図2の図柄の配列に示すように、特殊1役及び特殊2役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選によりJAC1役又はJAC2役に当選した場合に、当選態様に応じて、「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示し得るように停止制御を行う。
【0067】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選によりJAC1役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示しないように、当選したベル28役、特殊1役及び特殊2役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、役抽選によりJAC2役に当選した場合に、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて「赤7」「赤7」「赤7」又は「黒7」「黒7」「黒7」の図柄の組み合わせが中段ライン上に停止表示し得るように、当選したベル28役、特殊1役及び特殊2役のいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0068】
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、すべての回転リール45の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせを判定するものである。
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130により判定が行われると、この判定の結果に基づいた制御が所定の手段により実行される。たとえば、停止図柄判定手段130により、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、この小役に応じた所定枚数のメダルを払い出すようにする。たとえば、「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、スイカ役に応じた5数のメダルを払い出すようにする。なお、ベル28役に関しては、遊技状態に応じて予め定められた枚数が払い出される。具体的には、ボーナス状態以外の遊技状態において、ベル28役が有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、9数のメダルを払い出し、また、ボーナス状態において、ベル28役が有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、12数のメダルを払い出すようにする。また、たとえば、停止図柄判定手段130により、再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、再遊技を実行する制御を行う。
【0069】
(遊技状態移行制御手段140)
遊技状態移行制御手段140は、通常状態、内部中状態及びボーナス状態の間で遊技状態の移行を制御するものである。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
そして、本実施の形態では、遊技状態移行制御手段140は、
図14に示すように、通常状態において役抽選によりボーナス役に当選した場合に、当該遊技で、当選したボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されなかったことを条件として、遊技状態を、通常状態から内部中状態へ移行させ、また、当該遊技で、当選したボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を通常状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。また、遊技状態移行制御手段140は、内部中状態において、成立しているボーナス当選フラグ、すなわち当選の権利を持ち越しているボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、内部中状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。具体的には、遊技状態移行制御手段140は、BB1役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB1状態へ移行させ、また、BB2役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB2状態へ移行させ、また、BB3役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB3状態へ移行させ、また、BB4役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、BB4状態へ移行させる。そして、ボーナス状態への移行によりボーナス遊技が開始される。
【0070】
また、遊技状態移行制御手段140は、ボーナス状態において所定枚数(たとえばBB1状態及びBB2状態においては「300枚」、また、BB3状態及びBB4状態においては「100枚」)のメダルを払い出したことを条件に、遊技状態を、ボーナス状態から通常状態へ移行させる。なお、ボーナス状態から通常状態への移行条件、すなわちボーナス遊技の終了条件としては、他の条件(たとえば遊技回数)を設定することもできる。
(再遊技役抽選状態制御手段150)
再遊技役抽選状態制御手段150は、再遊技役の抽選状態を制御するものである。本実施の形態では、上述の如く、再遊技役の抽選状態として、無抽選状態と、第1低確率状態と第2低確率状態と、中確率状態と、高確率状態とがある。
【0071】
そして、本実施の形態では、再遊技役抽選状態制御手段150は、初期状態において、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定し、
図14に示すように、中確率状態においてリプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を高確率状態に設定し、また、中確率状態においてブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第2低確率状態に設定し、また、中確率状態においてリプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定する。
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、
図14に示すように、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定されている場合に、所定の遊技回数(本実施の形態では40回)が経過したときに、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定する。
【0072】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、
図14に示すように、再遊技役の抽選状態が第2低確率状態に設定されている場合に、リプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示されたときに、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定し、また、リプレイC役、リプレイF役、リプレイG役又はリプレイH役が有効入賞ライン上に停止表示されたときに、再遊技役の抽選状態を高確率状態に設定する。
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、
図14に示すように、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態に設定されている場合に、ブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を第2低確率状態に設定する。
【0073】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、役抽選によりボーナス役に当選したことを契機としては、再遊技役の抽選状態を変更しない。そして、再遊技役抽選状態制御手段150は、遊技状態が内部中状態である場合には、再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合を除いて、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示されるまで現在の再遊技役の抽選状態を維持する。これに対して、再遊技役抽選状態制御手段150は、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である場合には、所定の遊技回数(本実施の形態では40回)が経過したときに、再遊技役の抽選状態を中確率状態に設定する。なお、この場合の「所定の遊技回数の経過」は、ボーナス役の当選によっては、遊技回数のカウントがリセットされず、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技から遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技にわたって、所定の遊技回数が経過したか否かが判断される。
【0074】
また、再遊技役抽選状態制御手段150は、
図14に示すように、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、再遊技役の抽選状態を無抽選状態に設定し、ボーナス遊技が終了した場合に、再遊技役の抽選状態を第1低確率状態に設定する。
(遊技状態コマンド送信手段155(開始制御情報送信手段))
遊技状態コマンド送信手段155は、現在の遊技状態及び再遊技役の抽選状態を示す遊技状態コマンドを演出制御装置22へ送信するものである。本実施の形態では、遊技状態コマンド送信手段155は、遊技状態移行制御手段140による処理及び再遊技役抽選状態制御手段150による処理の後に、遊技状態コマンドを送信する。
【0075】
また、本実施の形態では、遊技状態コマンド送信手段155は、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、現在の遊技状態(現在の遊技状態がボーナス状態である旨)及び現在の再遊技役の抽選状態に加えて、後述するモード記憶領域の値(演出のモードの情報)をも示す遊技状態コマンド(開始制御情報)を送信する。なお、以下、この遊技状態コマンドを、「特殊遊技状態コマンド」と称する。
また、本実施の形態では、遊技制御装置21のROMには、演出制御装置22へ送信するための遊技状態コマンドが予め記憶されており、遊技状態コマンド送信手段155は、現在の遊技状態及び再遊技役の抽選状態に応じて(ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合にあっては、さらに、モード記憶領域の値に応じて)、適切な遊技状態コマンドを取得し送信する。
【0076】
(演出データ記憶手段160)
演出データ記憶手段160は、遊技の進行を遅延させるフリーズ演出(遊技制御装置21で制御される演出)と、回転リール45を用いた演出である回転リール演出(遊技制御装置21で制御される演出)との演出データを記憶するものである。
ここで、「遊技の進行の遅延」とは、たとえば、スタートスイッチ33が操作されてから全ての回転リール45が所定の定常速度に達して定速回転するまでの時間や、全ての回転リール45が所定の定常速度に達してからストップスイッチ34が有効となるまでの時間や、メダルを払い出す場合に、停止図柄判定手段130による判定が行われてからメダルの払い出しを開始するまでの時間や、当該遊技が終了してから次回の遊技の開始に係るメダルの受け付け状態となるまでの時間を、通常の遊技の進行よりも遅らせるものである。
【0077】
本実施の形態では、「フリーズ演出」を、スタートスイッチ33が操作されてから全ての回転リール45が所定の定常速度に達して定速回転するまでの時間、具体的には回転リール45が回転を開始するまでの時間を、通常の遊技の進行よりも所定時間(以下、「遅延時間」とする。)遅らせることにより、遊技の進行を遅延させるものとしている。
そして、本実施の形態では、1種類のフリーズ演出を備え、演出データ記憶手段160は、このフリーズ演出の演出データとして、「3秒」の遅延時間を記憶している。なお、フリーズ演出の種類としては、1種類に限られるものではなく、遅延時間の異なる複数種類のフリーズ演出を備えるようにしてもよい。
【0078】
また、「回転リール演出」は、スタートスイッチ33が操作されてから全ての回転リール45が所定の定常速度に達して定速回転するまでの間において、回転リール45の回転方向や回転速度を変化させる演出であり、結果として遊技の進行が遅延する演出である。
そして、本実施の形態では、
図15に示すように、8種類の回転リール演出を備え、演出データ記憶手段160は、それぞれの回転リール演出の演出内容を記憶している。なお、回転リール演出の種類及び演出内容は、これに限られるものではない。
(回転リール演出抽選手段170)
回転リール演出抽選手段170は、後述するモード記憶領域の値が「1」(演出のモードがモードB)である場合に、ボーナス状態において、役抽選によりJAC1役又はJAC2役に当選したときに、いずれかの回転リール演出を実行するか否かの回転リール演出実行抽選を行うものである。本実施の形態では、回転リール演出抽選手段170は、
図16に示すように、役抽選によりJAC1役に当選したときには、回転リール演出1〜3、6及び7を抽選対象として、回転リール演出実行抽選を行う。また、回転リール演出抽選手段170は、役抽選によりJAC2役に当選したときには、回転リール演出1〜8のすべてを抽選対象として、回転リール演出実行抽選を行う。
【0079】
なお、回転リール演出実行抽選の結果がハズレの場合には、いずれの回転リール演出も選択されないこととなり、いずれの回転リール演出も実行されない。また、役抽選によりベル28役に単独当選したときには、回転リール演出実行抽選は実行されない。
(演出内容コマンド送信手段175)
演出内容コマンド送信手段175は、回転リール演出抽選手段170によりいずれかの回転リール演出が選択されたときに、選択された回転リール演出(言い換えれば実行する回転リール演出)を示す演出内容コマンドを演出制御装置22へ送信するものである。本実施の形態では、遊技制御装置21のROMには、回転リール演出1〜8のそれぞれを示す演出内容コマンドが予め記憶されており、演出内容コマンド送信手段175は、選択された回転リール演出に応じて、適切な演出内容コマンドを取得し送信する。
【0080】
(フリーズ演出実行手段180)
フリーズ演出実行手段180は、後述するモード記憶領域の値が「2」(演出のモードがモードC)である場合に、ボーナス状態において、役抽選によりJAC2役に当選したときに、フリーズ演出の演出データ(遅延時間)を取得し、取得した演出データ(遅延時間)に基づいて、フリーズ演出を実行するものである。
本実施の形態では、フリーズ演出実行手段180は、遅延時間を計時する計時手段を備えている。そして、フリーズ演出実行手段180は、フリーズ演出の演出データを取得したときに、計時手段による遅延時間の計時を開始する。
【0081】
また、フリーズ演出実行手段180は、フリーズ演出の演出データを取得したときに、回転制御手段110による、3個すべての回転リール45の回転を開始させる処理を一旦保留する。そして、フリーズ演出実行手段180は、計時手段により計時される計時時間が取得した遅延時間に達したことを契機に、保留を解除し、保留した当該処理を回転制御手段110に開始させる。これにより、スタートスイッチ33が操作されてから全ての回転リール45が所定の定常速度に達して定速回転するまでの時間が、通常の遊技の進行よりも遅れることとなり、遊技の進行が遅延することとなる。
(回転リール演出実行手段190)
回転リール演出実行手段190は、回転リール演出抽選手段170によりいずれかの回転リール演出が選択されたときに、その回転リール演出の演出データ(演出内容)を取得し、取得した演出データ(演出内容)に基づいて、選択された回転リール演出を実行するものである。
【0082】
本実施の形態では、回転リール演出実行手段190は、回転リール演出抽選手段170によりいずれかの回転リール演出が選択された場合に、3個すべての回転リール45の回転が開始した後に、回転制御手段110による、3個すべての回転リール45の回転速度が所定の定常速度に達するまで回転速度を加速させる加速処理を一旦保留する。そして、回転リール演出実行手段190は、取得した演出データに基づいて、回転リール45に演出動作を行わせる。そして、回転リール演出実行手段190は、取得した演出データに基づく回転リール45の演出動作が終了したことを契機に、保留を解除し、保留した当該加速処理を回転制御手段110に開始させる。
【0083】
(選択可能状態設定手段200)
選択可能状態設定手段200は、ボーナス遊技を開始するとき(所定の状況下であって1回の遊技における役の抽選を行う前)に、遊技制御装置21における状態を演出のモードを選択可能な選択可能状態に設定するものである。本実施の形態では、選択可能状態設定手段200は、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された後の次回の遊技の開始に係るメダルの受け付け状態において、遊技制御装置21のRAMにおける所定の記憶領域に、選択許可フラグを成立させることにより、遊技制御装置21の状態を選択可能状態に設定する。
【0084】
また、選択可能状態設定手段200は、選択可能状態(メダルの受け付け状態でもある)において、メダルを受け付けた(遊技者による第2の特定の操作)ときに、選択許可フラグを消去して、選択可能状態を終了する。ここで、「メダルを受け付けた」には、メダル投入口36からメダルを投入することによってメダルを受け付けることと、ベットスイッチ32の操作によってメダルを受け付けることとのいずれをも含むものである。
なお、選択可能状態設定手段200は、遊技状態コマンド送信手段155により特殊遊技状態コマンドが送信されたことをもって、ボーナス遊技を開始するときと判断することができる。
【0085】
(演出モード管理手段210)
演出モード管理手段210は、選択可能状態設定手段200により遊技制御装置21における状態が選択可能状態に設定されたときに、複数の演出のモードのうちから所定の演出のモードを初期の選択状態に設定するものである。本実施の形態では、遊技制御装置21には、ボーナス遊技における演出のモードとして、モードA(第2演出モード)と、モードB(第1演出モード)と、モードC(第1演出モード)とが設けられている。上述の如く、モードBにおいては、回転リール演出が行われ、また、モードCにおいては、フリーズ演出が行われるが、モードAにおいては、回転リール演出及びフリーズ演出のいずれも行われない。なお、演出のモードの種類としてはこれに限られるものではない。
【0086】
また、本実施の形態では、演出モード管理手段210は、演出のモードを管理するためのモード記憶領域を遊技制御装置21のRAMに備えている。このモード記憶領域には、モードAに対応する値(本実施の形態では「0」)、モードBに対応する値(本実施の形態では「1」)及びモードCに対応する値(本実施の形態では「2」)のいずれかが書き込まれる。そして、モード記憶領域の値は、選択可能状態以外の状態(選択許可フラグが成立していない状態)においては、変更されたり消去されたりしないように形成されている。たとえば、モード記憶領域の値は、設定値の変更や、ボーナス遊技の終了によっては、変更されたり消去されたりしないように形成されている。すなわち、演出モード管理手段210は、選択可能状態においては、モード記憶領域の値を変更するが、選択可能状態以外の状態においては、モード記憶領域の値を変更することはない。これにより、演出モード管理手段210は、遊技者が選択した演出のモードを次回のボーナス遊技の開始まで記憶する。
【0087】
そして、選択可能状態においては、モード記憶領域の値に対応する演出のモードが、選択状態に現在設定されている演出のモードとなり、また、ボーナス遊技中においては、モード記憶領域の値に対応する演出のモードが、遊技者が選択した演出のモードとなる。
また、本実施の形態では、モード記憶領域には、初期状態においては、モードAに対応する値が書き込まれている。
また、本実施の形態では、上述の如く、モード記憶領域の値は、選択可能状態以外の状態においては変更されたり消去されたりすることはないので、遊技制御装置21の状態が選択可能状態に設定されたときには、記憶している値に対応する演出のモード、言い換えれば前回のボーナス遊技において遊技者が選択した演出のモードが初期の選択状態となる。
【0088】
また、本実施の形態では、演出モード管理手段210は、選択可能状態かつ後述する更新禁止期間中でない場合に、右停止スイッチ58の操作(遊技者による第1の特定の操作)を受け付けたときに、モード記憶領域の値に所定の値(本実施の形態では「1」)を加算して、モード記憶領域の値を、選択状態に現在設定している演出のモードとは別のモードに対応する値に書き換える。また、本実施の形態では、モードAとモードBとモードCとの間で循環するように演出のモードを選択状態に更新して設定するために、演出モード管理手段210は、モード記憶領域の値に所定の値(本実施の形態では「1」)を加算した結果、モード記憶領域の値がいずれのモードにも対応しない特定の値(本実施の形態ではいずれの演出のモードにも対応しない「3」)となった場合には、モード記憶領域の値を初期化する。具体的には、モードAに対応する「0」に初期化する。これにより、演出モード管理手段210は、右停止スイッチ58が操作された場合には、「モードA→モードB→モードC→モードA→モードB→・・・」の順序で、選択状態に現在設定している演出のモードとは別の演出のモードを選択状態に更新して設定する。
【0089】
また同様に、演出モード管理手段210は、選択可能状態かつ後述する更新禁止期間中でない場合に、左停止スイッチ56の操作(遊技者による第1の特定の操作)を受け付けたときに、モード記憶領域の値から所定の値(本実施の形態では「1」)を減算して、モード記憶領域の値を、選択状態に現在設定している演出のモードとは別のモードに対応する値に書き換える。また、本実施の形態では、モードAとモードBとモードCとの間で循環するように演出のモードを選択状態に更新して設定するために、演出モード管理手段210は、モード記憶領域の値から所定の値(本実施の形態では「1」)を減算した結果、モード記憶領域の値がいずれの演出のモードにも対応しない特定の値(本実施の形態ではいずれの演出のモードにも対応しない「−1」)となった場合には、モード記憶領域の値を初期化する。具体的には、モードCに対応する「2」に初期化する。これにより、演出モード管理手段210は、左停止スイッチ56が操作された場合には、「モードC→モードB→モードA→モードC→モードB→・・・」の順序で、選択状態に現在設定している演出のモードとは別の演出のモードを選択状態に更新して設定する。
【0090】
また、本実施の形態では、上述の如く、選択可能状態が終了すると、演出のモードを変更することができなくなり、これにより、演出モード管理手段210は、実質的に、選択可能状態が終了した際のモード記憶領域の値に対応する演出のモードを、遊技者が選択した演出のモードとして最終的に確定する。
また、本実施の形態では、演出モード管理手段210は、選択可能状態かつ後述する更新禁止期間中である場合に、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58の操作を受け付けたときには、モード記憶領域の値を書き換えない。すなわち、演出モード管理手段210は、モード記憶領域の値に所定の値を加算する処理や、モード記憶領域の値から所定の値を減算する処理を行わない。これにより、演出モード管理手段210は、更新禁止期間中における左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58の操作に対して、選択状態に現在設定している演出のモードをそのまま選択状態に維持する。
【0091】
また、本実施の形態では、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58は、選択可能状態以外の状態、たとえば遊技中においては、対応する回転リール45の回転させるためのスイッチとして機能するが、選択可能状態においては、演出のモードを選択するためのスイッチとして機能する。すなわち、遊技中においては、スタートスイッチ33の操作の後にストップスイッチ34が操作を受け付ける状態(操作有効状態)となり、操作有効状態のストップスイッチ34の操作を受け付けると、対応する回転リール45の回転が停止するものであるが、選択可能状態(メダルの受け付け状態でもある)においては、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58の操作を受け付けると、選択状態に現在設定されている演出のモードが別の演出のモードに更新される。
【0092】
(更新コマンド送信手段220(更新内容制御情報送信手段))
更新コマンド送信手段220は、演出モード管理手段210による演出のモードを更新するモード更新処理の内容を示す更新コマンド(更新内容制御情報)を演出制御装置22へ送信するものである。更新コマンドに含まれるモード更新処理の内容としては、モード更新処理後のモード記憶領域の値と、操作されたストップスイッチ34とが含まれる。ここで、「モード更新処理後のモード記憶領域の値」には、後述するようにモード更新処理を行わない場合におけるモード記憶領域の現在の値を含むものである。
具体的には、更新コマンドは、1バイト長(8ビット)となっており、
図17に示すように、1バイトのうちのビット0及び1がモード更新処理後のモード記憶領域の値を示すものとなっており、ビット2〜4が操作されたストップスイッチ34を示すものとなっている。なお、ビット5〜7は、コマンド種別などその他の情報を示すものとなっている。
【0093】
また、本実施の形態では、
図17に示すように、遊技制御装置21のROMには、更新コマンドとして、更新コマンド1〜9の9種類のコマンドが予め記憶されている。そして、更新コマンド送信手段220は、選択可能状態において、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58の操作を受け付けた場合に、演出モード管理手段210によるモード更新処理後のモード記憶領域の値と、操作されたストップスイッチ34とに基づいて、適切な更新コマンドを取得し送信する。
また、本実施の形態では、更新コマンド送信手段220は、
図17に示すように、選択可能状態において、中停止スイッチ57の操作を受け付けた場合(遊技者により第3の特定の操作が行われた場合)にも、更新コマンドを取得し送信する。具体的には、上述の如く、選択可能状態において、中停止スイッチ57の操作を受け付けた場合には、演出モード管理手段210はモード更新処理を行わないので、この場合には、更新コマンド送信手段220は、モード記憶領域の現在の値と、操作されたストップスイッチ34とに基づいて、適切な更新コマンドを取得し送信する。
【0094】
なお、更新コマンド送信手段220は、選択可能状態かつ後述する更新禁止期間中である場合に、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58の操作を受け付けたときには、更新コマンドを送信しないようにしてもよいし、操作されたストップスイッチ34と、モード記憶領域の現在の値とに基づいて、適切な更新コマンドを取得し送信するようにしてもよい。
また、更新コマンドは、少なくとも、モード更新処理後のモード記憶領域の値を示すものであればよく、操作されたストップスイッチ34を示す情報が含まれなくてもよい。
(更新禁止期間設定手段230)
更新禁止期間設定手段230は、演出モード管理手段210により演出のモードが更新して選択状態に設定された場合に、その後の所定の期間にわたって、選択状態に現在設定している演出のモードとは別の演出のモードを選択状態に更新して設定することを禁止する更新禁止期間を設定するものである。
【0095】
本実施の形態では、更新禁止期間設定手段230は、更新禁止期間を計時するための更新禁止タイマ(計時手段)を備え、更新禁止期間設定手段230は、更新コマンドが送信されたことを契機として、後述するモード選択演出の内容を更新する時間を確保するために予め定められた所定の時間(本実施の形態では「350ms」)を更新禁止タイマに設定し、更新禁止期間の計時を開始する。そして、更新禁止タイマが「0」になると更新禁止期間が終了する。すなわち、本実施の形態では、更新禁止タイマが「0」より大きい場合が、更新禁止期間中となる。
なお、更新禁止期間の計時方法は、カウントダウンする方法であるが、カウントアップする方法でもよい。
【0096】
(確定コマンド送信手段240(確定制御情報送信手段))
確定コマンド送信手段240は、選択可能状態が終了した場合(演出モード管理手段210により演出のモードが最終的に確定された場合)に、選択可能状態が終了した際のモード記憶領域の値を示す(遊技者が選択したものとして最終的に確定した演出のモードを示す)確定コマンド(確定制御情報)を演出制御装置22へ送信するものである。本実施の形態では、遊技制御装置21のROMには、「0」〜「2」のそれぞれのモード記憶領域の値を示す3種類の確定コマンドが予め記憶されており、確定コマンド送信手段240は、選択可能状態が終了した際のモード記憶領域の値に応じて、適切な確定コマンドを取得し送信する。
【0097】
(演出制御手段250)
演出制御手段250は、表示装置55や演出用ランプ17やスピーカを制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。本実施の形態では、演出制御手段250は、表示装置55に特定の画像を表示させたり、演出用ランプ17を点灯又は点滅させたり、スピーカから所定の音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げる演出を実行する。
また、本実施の形態では、演出制御手段250は、受信した特殊遊技状態コマンド、更新コマンド又は確定コマンドに基づいて、演出制御装置22のRAMに設けられた演出モード記憶領域に所定の値を書き込むことにより、選択状態に現在設定されている演出のモード及び遊技者が選択したものとして最終的に確定した演出のモードを記憶する。具体的には、演出制御手段250は、特殊遊技状態コマンド又は更新コマンドを受信したときに、受信した特殊遊技状態コマンド又は更新コマンドに基づいて、選択状態に現在設定されている演出のモードに対応する値(本実施の形態では、モードAに対応する「0」、モードBに対応する「1」又はモードCに対応する「2」)を演出モード記憶領域に書き込む。
【0098】
また、演出制御手段250は、確定コマンドを受信したときに、受信した確定コマンドに基づいて、遊技者が選択したものとして最終的に確定した演出のモードに対応する値を演出モード記憶領域に書き込む。これにより、演出制御手段250は、電断などによって更新コマンドを受信できなかったことに起因する遊技制御装置21と演出制御装置22との間における演出のモードのズレを補正することができる。
なお、演出モード記憶領域の値は、少なくとも、後述するモード選択演出中及びボーナス遊技中は、消去されないように形成されている。
また、本実施の形態では、演出制御手段250は、ボーナス遊技において、役抽選によりJAC2役に当選したときに、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域にAT予約フラグを成立させる。
【0099】
そして、本実施の形態では、演出制御手段250は、
図3に示すように、AT状態制御手段260と、演出状態管理手段270と、モード選択演出実行手段280と、ボーナス中演出制御手段290とを備えている。
(AT状態制御手段260)
AT状態制御手段260は、AT(アシストタイム)状態を制御するものである。AT状態は、役抽選の結果に関する情報を遊技者に対して報知する報知演出を実行する状態である。AT状態においては、報知演出に従うことにより、報知がない場合と比較してより多くの小役を有効入賞ライン上に停止表示させることができ、ひいてはより多くの枚数のメダルを獲得することができる。演出制御装置22における状態がAT状態であるAT遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技(有利遊技)となっている。特に本実施の形態では、ベル役に当選した際に、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に対して報知することにより、AT遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
【0100】
また、本実施の形態では、AT状態制御手段260は、AT予約フラグが成立している場合に、所定の開始条件が成立したときに、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域にATフラグを成立させて、演出制御装置22における状態をAT状態に設定する。このとき、AT予約フラグは消去される。
また、AT状態制御手段260は、所定の終了条件(たとえば40回の遊技の経過など)が成立したときに、ATフラグを消去して、AT状態を終了する。
また、本実施の形態では、AT状態制御手段260は、遊技状態が通常状態又は内部中状態で、再遊技役の抽選状態が高確率状態、中確率状態又は第2低確率状態で、かつ演出制御装置22における状態がAT状態である場合に、ベル役に当選したときに、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するベル報知演出を実行する。
【0101】
また、AT状態制御手段260は、遊技状態が通常状態で再遊技役の抽選状態が第2低確率状態で、かつ演出制御装置22における状態がAT状態である場合に、打順リプB1役〜打順リプB6役のいずれかの当選したときに、リプレイD役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するリプレイD報知演出を実行する。
また、AT状態制御手段260は、遊技状態が通常状態で再遊技役の抽選状態が中確率状態で、かつ演出制御装置22における状態がAT状態である場合に、打順リプA1役〜打順リプA6役のいずれかの当選したときに、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するリプレイC報知演出を実行する。
【0102】
(演出状態管理手段270)
演出状態管理手段270は、ボーナス遊技における演出状態を管理するものである。本実施の形態では、演出制御装置22には、ボーナス遊技における演出状態として、遊技制御装置21で管理される演出のモードがモードA(特定の演出のモード)に設定されている場合に設定可能な第1及び第2の演出状態が設けられている。なお、ボーナス遊技における演出状態としてはこれに限られるものではない。
また、本実施の形態では、演出状態管理手段270は、演出状態を管理するための演出状態記憶領域を演出制御装置22のRAMに備えている。この演出状態記憶領域には、第1の演出状態に対応する値(本実施の形態では「0」)及び第2の演出状態に対応する値(本実施の形態では「1」)のいずれかが書き込まれる。また、演出状態記憶領域の値は、少なくとも、後述するモード選択演出中及びボーナス遊技中は、消去されないように形成されている。
【0103】
そして、後述するモード選択演出中においては、演出状態記憶領域の値に対応する演出状態が、選択状態に現在設定されている演出状態となり、また、ボーナス遊技中においては、演出状態記憶領域の値に対応する演出状態が、遊技者が選択した演出状態となる。
また、本実施の形態では、演出状態管理手段270は、特殊遊技状態コマンドを受信したときに、第1の演出状態に対応する値を演出状態記憶領域に書き込む。
また、演出状態管理手段270は、更新コマンド4を受信したとき(
図17〜
図19参照)に、第2の演出状態に対応する値を演出状態記憶領域に書き込む。
ここで、「更新コマンド4を受信した場合」、言い換えれば遊技制御装置21から更新コマンド4が送信される場合とは、遊技者により中停止スイッチ57の操作(遊技者により第3の特定の操作)が行われた場合である。すなわち、本実施の形態では、中停止スイッチ57は、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58と同様に、選択可能状態以外の状態、たとえば遊技中においては、対応する回転リール45の回転させるためのスイッチとして機能するが、選択可能状態においては、ボーナス遊技における演出状態を選択するためのスイッチとして機能する。
【0104】
また、演出状態管理手段270は、更新コマンド4以外の更新コマンドを受信したときに、第1の演出状態に対応する値を演出状態記憶領域に書き込む。
また、本実施の形態では、演出状態管理手段270は、確定コマンドを受信した場合(遊技者により第2の特定の操作が行われた場合)に、受信した確定コマンドがモード記憶領域の値が「0」であることを示すものであったときに、演出状態記憶領域の値に対応する演出状態を遊技者が選択した演出状態として最終的に確定する。これにより、演出状態管理手段270は、モード選択演出の内容に応じた演出状態を遊技者が選択した演出状態として最終的に確定する。
【0105】
(モード選択演出実行手段280)
モード選択演出実行手段280は、特殊遊技状態コマンド(開始制御情報)を受信した場合に、遊技者が演出のモードを選択するための演出であって、選択状態に現在設定されている演出のモードを遊技者に報知するモード選択演出を実行するものである。本実施の形態では、モード選択演出実行手段280は、モード選択演出として、キャラクタ選択肢画像及びキャラクタ画像を表示装置55に表示させる。キャラクタ選択肢画像としては、
図18に示すように、モードAに対応したキャラクタAを示すキャラクタA選択肢画像300と、モードBに対応したキャラクタBを示すキャラクタB選択肢画像301と、モードCに対応したキャラクタCを示すキャラクタC選択肢画像302とがある。また、キャラクタ画像としては、キャラクタA画像400(
図18(A)参照)と、キャラクタB画像401(
図18(B)参照)と、キャラクタC画像402(
図18(C)参照)と、キャラクタA’画像403(
図18(D)参照)とがある。
【0106】
そして、モード選択演出実行手段280は、
図18に示すように、モード選択演出として、キャラクタA選択肢画像300、キャラクタB選択肢画像301及びキャラクタC選択肢画像302を手前から奥に所定の順序で表示装置55に表示させる。また、モード選択演出実行手段280は、モード選択演出として、キャラクタA画像400、キャラクタB画像401、キャラクタC画像402又はキャラクタA’画像403を表示装置55に表示させる。具体的には、モード選択演出実行手段280は、受信した特殊遊技状態コマンドに基づいて、所定の演出のモードが選択状態に現在設定されていることを遊技者に報知するように、所定の演出のモードに対応したキャラクタ選択肢画像を最前面に表示させるとともに、所定の演出のモードに対応したキャラクタ画像を表示させた状態でモード選択演出を開始(実行)する。たとえば、受信した特殊遊技状態コマンドがモード記憶領域の値が「0」であることを示すものであった場合には、モード選択演出実行手段280は、
図18(A)に示すように、キャラクタA選択肢画像300を最前面に表示させ、その奥面にキャラクタB選択肢画像301を表示させ、その奥面にキャラクタC選択肢画像302を表示させるとともに、キャラクタA画像400を表示させる。これにより、モード選択演出実行手段280は、ボーナス遊技を開始するときに、前回のボーナス遊技で遊技者が選択した演出のモードが選択状態に現在設定されていることを遊技者に報知するようにモード選択演出を開始(実行)する。
【0107】
なお、本実施の形態では、キャラクタA画像400は、第1の演出状態を選択している状態にあることを遊技者に報知するものとなっており、また、キャラクタA’画像403は、第2の演出状態を選択している状態にあることを遊技者に報知するものとなっており、モード選択演出実行手段280は、特殊遊技状態コマンドを受信したときには、キャラクタA’画像403を表示させることはない。すなわち、モード選択演出実行手段280は、受信した特殊遊技状態コマンドがモード記憶領域の値が「0」であることを示すものであった場合には、キャラクタA画像400を表示させる。
また、本実施の形態では、モード選択演出実行手段280は、更新コマンドを受信したときに、モード選択演出の内容を更新、すなわち表示装置55の表示を変更する。具体的には、
図19に示すように、受信した更新コマンドと、この更新コマンドを受信した際の演出モード記憶領域の値(選択状態に設定されている演出のモード)とに基づいて、キャラクタ選択肢画像の順序及びキャラクタ画像を変更する。たとえば、
図19に示すように、演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値である場合、すなわち選択状態に現在設定されている演出のモードがモードAであることを遊技者に報知するようにモード選択演出を実行している場合(
図18(A)参照)に、更新コマンド2を受信したときには、
図18(B)に示すように、キャラクタB選択肢画像301を最前面に表示させ、その奥面にキャラクタC選択肢画像302を表示させ、その奥面にキャラクタA選択肢画像300を表示させるとともに、キャラクタB画像401を表示させる。また、たとえば、
図19に示すように、演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値である場合(
図18(A)参照)に、更新コマンド9を受信したときには、
図18(C)に示すように、キャラクタC選択肢画像302を最前面に表示させ、その奥面にキャラクタA選択肢画像300を表示させ、その奥面にキャラクタB選択肢画像301を表示させるとともに、キャラクタC画像402を表示させる。このように、本実施の形態では、モード選択演出実行手段280は、更新コマンドを受信した場合に、更新コマンドを受信する前に選択状態に設定されていた演出のモードとは別の演出のモードが選択状態に現在設定されていることを遊技者に報知するようにモード選択演出の内容を更新して実行する。
【0108】
また、モード選択演出実行手段280は、更新コマンド4を受信した場合には、
図19に示すように、この更新コマンドを受信した際の演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値でかつ演出状態記憶領域の値が第1の演出状態に対応する値であるとき、すなわち第1の演出状態を選択している状態にあることを遊技者に報知するようにモード選択演出を実行しているときにのみ、キャラクタ選択肢画像の表示を維持したまま、キャラクタA’画像403を表示させる(
図18(D)参照)。このように、本実施の形態では、モード選択演出実行手段280は、更新コマンド4を受信した場合に、第2の演出状態を選択している状態にあることを遊技者に報知するようにモード選択演出の内容を更新して実行する。
【0109】
なお、モード選択演出実行手段280は、更新コマンド4を受信した際の演出状態記憶領域の値が第2の演出状態に対応する値であったときには、モード選択演出の内容を更新せずそのまま維持する。
また、本実施の形態では、モード選択演出実行手段280は、確定コマンドを受信したときに、モード選択演出を終了する。
(ボーナス中演出制御手段290)
ボーナス中演出制御手段290は、ボーナス遊技における演出を制御するものである。本実施の形態では、ボーナス中演出制御手段290は、ボーナス遊技において、演出モード記憶領域の値に基づいて、設定されている演出のモードに対応するキャラクタを題材とした動画像を表示装置55に表示させる。具体的には、ボーナス中演出制御手段290は、モード選択演出が終了したときに、その動画像の表示を開始する。
【0110】
また、本実施の形態では、ボーナス中演出制御手段290は、演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値である場合には、演出状態記憶領域の値に基づいて、演出を実行する。具体的には、ボーナス中演出制御手段290は、演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値でかつ演出状態記憶領域の値が第1の演出状態に対応する値である場合には、JAC2役に当選したこと、すなわちAT遊技ひいてはART(アシストリプレイタイム)遊技(再遊技役の抽選状態が高確率状態でかつ演出制御装置22における状態がAT状態である遊技)へ移行することを遊技者に期待させるモードAチャンス報知演出を実行する。モードAチャンス報知演出としては、JAC2役の当選の期待度が低い低チャンス報知演出と、JAC2役の当選の期待度が低チャンス報知演出よりも高い中チャンス報知演出と、JAC2役の当選の期待度が中チャンス報知演出よりも高い高チャンス報知演出と、JAC2役に当選したことを遊技者に報知する確定報知演出とがある。
【0111】
そして、ボーナス中演出制御手段290は、演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値でかつ演出状態記憶領域の値が第1の演出状態に対応する値である場合に、JAC1役に当選したときに、低チャンス報知演出、中チャンス報知演出及び高チャンス報知演出のうちからいずれかを選択して実行する。また、ボーナス中演出制御手段290は、JAC2役に当選したときには、低チャンス報知演出、中チャンス報知演出、高チャンス報知演出及び確定報知演出のうちからいずれかを選択して実行する。
また、ボーナス中演出制御手段290は、演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値でかつ演出状態記憶領域の値が第2の演出状態に対応する値である場合には、チャンス報知演出は実行しないとともに、ボーナス遊技の終了時において、当該ボーナス遊技においてJAC2役に当選したか否か、すなわちAT遊技ひいてはART遊技へ移行するか否かを遊技者に告知する告知演出を実行する。このように、本実施の形態では、ボーナス中演出制御手段290は、第1の演出状態においてはチャンス報知演出を実行し、第2の演出状態においては告知演出を実行することにより、演出状態に基づいて、演出の態様を切り替えている。
【0112】
また、本実施の形態では、ボーナス中演出制御手段290は、演出モード記憶領域の値がモードBに対応する値である場合には、演出内容コマンドを受信したときに、受信した演出内容コマンドに基づいて、JAC2役に当選したこと、すなわちAT遊技へ移行することを遊技者に期待させるモードBチャンス報知演出を実行する。モードBチャンス報知演出にも、モードAチャンス報知演出と同様に、JAC2役の当選の期待度が異なる複数種類の演出があり、ボーナス中演出制御手段290は、受信した演出内容コマンドに基づいて、いずれかのモードBチャンス報知演出を選択して実行する。そして、本実施の形態では、モードBにおいては、回転リール演出とモードBチャンス報知演出との組み合わせによりJAC2役の当選の期待度が異なるように構成されている。
【0113】
また、本実施の形態では、ボーナス中演出制御手段290は、演出モード記憶領域の値がモードCに対応する値である場合には、JAC2役に当選したときに、JAC2役に当選したこと、すなわちAT遊技へ移行することを遊技者に報知する完全告知演出を実行する。この完全告知演出は、フリーズ演出中に行われるように、フリーズ演出の遅延時間に合わせて構成されており、ボーナス中演出制御手段290は、役抽選の結果がJAC2役の当選であることを示すコマンドを受信したときに、完全告知演出を実行する。
(スロットマシン10の動作)
以下、
図20〜
図23に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の動作の概略を説明する。まず、スロットマシン10の遊技制御装置21における処理であるメイン制御処理について説明する。
【0114】
図20に示すステップ100において、ボーナス遊技を開始するときであるか否かが判断される。ここで、ボーナス遊技開始時であると判断されると、ステップ101に進む。一方、ボーナス遊技開始時出ないと判断されると、ステップ102に進む。
ステップ101において、演出のモードを選択するモード選択処理が行われる。そして、ステップ103に進む。
ステップ102において、遊技制御手段60により、規定枚数(本実施の形態では3枚)のメダルがベットされた(規定枚数のメダルを受け付けた)か否かが判断される。ここで、ベットされたと判断されると、ステップ103に進む。一方、ベットされていないと判断されると、再度ステップ102となる。
【0115】
ステップ103において、遊技制御手段60により、スタートスイッチ33が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ104に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ103となる。
ステップ104において、役抽選手段100により、役抽選が行われるとともに、役抽選の結果が演出制御装置22に送信される。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、ボーナス遊技中であるか否かが判断される。ここで、ボーナス遊技中でないと判断されると、ステップ106に進む。一方、ボーナス遊技中であると判断されると、ステップ108に進む。
【0116】
ステップ106において、ウェイト制御手段115により、ウェイトに関するウェイト処理が行われる。具体的には、ウェイト時間を計時する計時手段により計時される計時時間が4.1秒以下である場合に、回転制御手段110による、3個すべての回転リール45の回転を開始させる処理が一旦保留される。そして、計時時間が4.1秒経過した後に、保留が解除され、保留した回転制御手段110による当該処理が開始可能となる。そして、次のステップ107に進む。
ステップ107において、回転制御手段110より、3個すべての回転リール45の回転が開始される。そして、ステップ112に進む。
【0117】
ステップ108において、モード記憶領域の値が「0」(モードA)であるか否かが判断される。ここで、「0」でないと判断されると、ステップ109に進む。一方、「0」であると判断されると、ステップ106に進む。
ステップ109において、モード記憶領域の値が「1」(モードB)であるか否かが判断される。ここで、「1」であると判断されると、ステップ110に進む。一方、「1」でない、すなわち「2」(モードC)であると判断されると、ステップ111に進む。
ステップ110において、ボーナス遊技中の演出のモードがモードBである場合の処理であるモードB中の処理が行われる。具体的には、まず、回転リール演出抽選手段170により、役抽選によりJAC1役又はJAC2役に当選したときに、回転リール演出実行抽選が行われる。そして、上述したステップ106と同様のウェイト処理が行われ、回転制御手段110より、3個すべての回転リール45の回転が開始される。そして、回転リール演出実行手段190により、回転リール演出実行抽選の結果、いずれかの回転リール演出が選択されたときに、選択された回転リール演出が実行される。そして、ステップ112に進む。
【0118】
ステップ111において、ボーナス遊技中の演出のモードがモードCである場合の処理であるモードC中の処理が行われる。具体的には、まず、上述したステップ106と同様のウェイト処理が行われる。そして、フリーズ演出実行手段180により、役抽選によりJAC2役に当選したときに、フリーズ演出が実行される。そして、回転制御手段110より、3個すべての回転リール45の回転が開始される。そして、次のステップ112に進む。
ステップ112において、遊技制御手段60により、ストップスイッチ34が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ113に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ112となる。
【0119】
ステップ113において、停止制御手段120により、操作されたストップスイッチ34に対応する回転リール45の停止制御が行われる。そして、次のステップ114に進む。
ステップ114において、遊技制御手段60により、すべての回転リール45の回転が停止したか否かが判断される。ここで、すべての回転リール45の回転が停止したと判断されると、ステップ115に進む。一方、すべての回転リール45の回転が停止していないと判断されると、ステップ112に戻る。
ステップ115において、停止図柄判定手段130により、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われ、判定の結果が演出制御装置22に送信される。そして、次のステップ116に進む。
【0120】
ステップ116において、遊技制御手段60により、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。たとえば、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが停止表示された場合には、遊技制御手段60により、当該役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われる。また、たとえば、いずれかの再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技制御手段60により、再遊技を実行するための処理、具体的には前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルを自動的にベットする処理が行われる。
また、たとえば、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態の移行に関する処理が行われる。具体的には、たとえばいずれかのボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、当該役に応じたボーナス状態へ遊技状態が移行され、また、たとえばボーナス遊技の終了条件を満たした場合には、通常状態へ遊技状態が移行される。
【0121】
また、たとえば、再遊技役抽選状態制御手段150により、再遊技役の抽選状態に関する処理が行われる。具体的には、たとえば中確率状態においてリプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が高確率状態に設定され、また、たとえば中確率状態においてブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が第2低確率状態に設定され、また、たとえば中確率状態においてリプレイA役、リプレイB役、リプレイE役又はベル1役〜ベル27役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、再遊技役の抽選状態が第1低確率状態に設定される。そして、次のステップ117に進む。
【0122】
ステップ117において、遊技状態コマンド送信手段155により、遊技状態コマンドを演出制御装置22へ送信する遊技状態コマンド送信処理が行われる。たとえば、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、特殊遊技状態コマンドが送信される。そして、当該メイン制御処理が終了する。
つぎに、上述したステップ101のモード選択処理について説明する。
図21に示すステップ200において、選択可能状態設定手段200により、選択許可フラグが成立されて、遊技制御装置21における状態が選択可能状態に設定される。そして、次のステップ201に進む。
【0123】
ステップ201において、遊技制御手段60により、メダルがベットされた(メダルを受け付けたか)か否かが判断される。ここで、ベットされていないと判断されると、ステップ202に進む。一方、ベットされたと判断されると、ステップ207に進む。
ステップ202において、ストップスイッチ34が操作された(ストップスイッチ34の操作を受け付けた)か否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ203に進む。一方、操作されていないと判断されると、ステップ201に戻る。
ステップ203において、更新禁止タイマが「0」より大きいか否か、すなわち更新禁止期間中であるか否かが判断される。ここで、「0」より大きくない、すなわち「0」であると判断されると、ステップ204に進む。一方、「0」より大きいと判断されると、ステップ201に戻る。
【0124】
ステップ204において、演出モード管理手段210により、演出のモードを更新して選択状態に設定するモード更新処理が行われる。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、演出モード管理手段210により、更新コマンドを演出制御装置22へ送信する更新コマンド送信処理が行われる。具体的には、たとえば、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58が操作された場合には、モード更新処理後のモード記憶領域の値と、操作されたストップスイッチ34とに基づいて、適切な更新コマンドが取得され送信される。
また、たとえば、中停止スイッチ57が操作された場合には、モード記憶領域の現在の値と、操作されたストップスイッチ34とに基づいて、適切な更新コマンドが取得され送信される。そして、次のステップ206に進む。
【0125】
ステップ206において、更新禁止期間設定手段230により、更新禁止期間を設定する更新禁止期間設定処理が行われる。具体的には、モード選択演出の内容を更新する時間を確保するために予め定められた所定の時間(本実施の形態では「350ms」)が更新禁止タイマに設定され、更新禁止期間の計時が開始される。なお、更新禁止タイマが「0」になると更新禁止期間が終了する。そして、ステップ201に戻る。
ステップ207において、選択可能状態設定手段200により、選択許可フラグが消去されて、選択可能状態が終了する。これにより、演出のモードが確定する。そして、次のステップ208に進む。
【0126】
ステップ208において、確定コマンド送信手段240により、確定コマンドを演出制御装置22へ送信する確定コマンド送信処理が行われる。具体的には、選択可能状態が終了した際のモード記憶領域の値に応じて適切な確定コマンドが取得され送信される。そして、当該モード選択処理が終了する。
つぎに、上述したステップ204のモード更新処理について説明する。
図22に示すステップ300において、操作されたストップスイッチ34が右停止スイッチ58であるか否かが判断される。ここで、右停止スイッチ58であると判断されると、ステップ301に進む。一方、右停止スイッチ58でないと判断されると、ステップ304に進む。
【0127】
ステップ301において、モード記憶領域の値に所定の値(本実施の形態では「1」)を加算する加算処理が行われる。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、モード記憶領域の現在の値が、いずれのモードにも対応しない特定の値である「3」であるか否かが判断される。ここで、「3」であると判断されると、ステップ303に進む。一方、「3」でない判断されると、当該モード更新処理が終了する。
ステップ303において、モード記憶領域の値を「0」に初期化する初期化処理が行われる。そして、当該モード更新処理が終了する。
【0128】
ステップ304において、操作されたストップスイッチ34が左停止スイッチ56であるか否かが判断される。ここで、左停止スイッチ56であると判断されると、ステップ305に進む。一方、左停止スイッチ56でないと判断されると、当該モード更新処理が終了する。
ステップ305において、モード記憶領域の値にから所定の値(本実施の形態では「1」)を減算する減算処理が行われる。そして、次のステップ306に進む。
ステップ306において、モード記憶領域の現在の値が、いずれのモードにも対応しない特定の値である「−1」であるか否かが判断される。ここで、「−1」であると判断されると、ステップ307に進む。一方、「−1」でない判断されると、当該モード更新処理が終了する。
【0129】
ステップ307において、モード記憶領域の値を「2」に初期化する初期化処理が行われる。そして、当該モード更新処理が終了する。
つぎに、スロットマシン10の演出制御装置22における処理であるサブ制御処理について説明する。
図23に示すステップ400において、特殊遊技状態コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、受信したと判断されると、ステップ401に進む。一方、受信していないと判断されると、ステップ404に進む。
ステップ401において、演出制御手段250により、受信した特殊遊技状態コマンドに基づいて、選択状態に設定されている演出のモードを記憶するモード記憶処理が行われる。具体的には、受信した特殊遊技状態コマンドに基づいて、各演出のモードに対応する値(本実施の形態では、モードAに対応する「0」、モードBに対応する「1」又はモードCに対応する「2」)のうちのいずれかの値が演出モード記憶領域に書き込まれる。そして、次のステップ402に進む。
【0130】
ステップ402において、演出状態管理手段270により、第1の演出状態に対応する値を演出状態記憶領域に書き込む演出状態設定処理が行われる。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、モード選択演出実行手段280により、モード選択演出を開始するモード選択演出開始処理が行われる。具体的には、受信した特殊遊技状態コマンドに基づいて、所定の演出のモードが選択状態に現在設定されていることを遊技者に報知するように、所定の演出のモードに対応したキャラクタ選択肢画像を最前面に表示させるとともに、所定の演出のモードに対応したキャラクタ画像を表示させた状態でモード選択演出が開始される。そして、当該サブ制御処理が終了する。
【0131】
ステップ404において、更新コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、受信したと判断されると、ステップ405に進む。一方、受信していないと判断されると、ステップ408に進む。
ステップ405において、モード選択演出実行手段280により、モード選択演出の内容を更新するモード選択演出更新処理が行われる。具体的には、受信した更新コマンドと、この更新コマンドを受信した際の演出モード記憶領域の値(選択状態に設定されている演出のモード)とに基づいて、キャラクタ選択肢画像の順序及びキャラクタ画像、又はキャラクタ画像が変更される。なお、受信した更新コマンドが更新コマンド4で、この更新コマンドを受信した際の演出モード記憶領域の値がモードAに対応する値でかつ演出状態記憶領域の値が第2の演出状態に対応する値であるときには、当該処理は行われない。すなわち、モード選択演出の内容は更新されない。
【0132】
また同様に、受信した更新コマンドが更新コマンド5でかつ演出モード記憶領域の値がモードBに対応する値である場合、及び、受信した更新コマンドが更新コマンド6でかつ演出モード記憶領域の値がモードCに対応する値である場合には、当該処理は行われない。すなわち、モード選択演出の内容は更新されない。そして、ステップ406に進む。
ステップ406において、演出制御手段250により、受信した更新コマンドに基づいて、選択状態に設定されている演出のモードを更新して記憶するモード管理処理が行われる。具体的には、受信した更新コマンドに基づいて、各演出のモードに対応する値のうちのいずれかの値が演出モード記憶領域に書き込まれる。そして、次のステップ407に進む。
【0133】
ステップ407において、演出状態管理手段270により、受信した更新コマンドに基づいて、第1の演出状態に対応する値又は第2の演出状態に対応する値を演出状態記憶領域に書き込む演出状態管理処理が行われる。具体的には、受信した更新コマンドが更新コマンド4である場合には、第2の演出状態に対応する値が演出状態記憶領域に書き込まれ、また、受信した更新コマンドが更新コマンド4以外の更新コマンドである場合には、第1の演出状態に対応する値が演出状態記憶領域に書き込まれる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
ステップ408において、確定コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、受信したと判断されると、ステップ409に進む。一方、受信していないと判断されると、当該サブ制御処理が終了する。
【0134】
ステップ409において、モード選択演出実行手段280により、モード選択演出を終了するモード選択演出終了処理が行われる。そして、次のステップ410に進む。
ステップ410において、演出制御手段250により、受信した確定コマンドに基づいて、遊技者が選択したものとして最終的に確定した演出のモードに対応する値が演出モード記憶領域に書き込まれる。そして、このとき、受信した確定コマンドがモード記憶領域の値が「0」であることを示すものであったときに、演出状態記憶領域の値に対応する演出状態が、遊技者が選択した演出状態として最終的に確定する。そして、当該サブ制御処理が終了する。
【0135】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、ボーナス遊技における演出のモードとして、モードA、モードB及びモードCを備え、さらにモードAにおける演出状態として、第1の演出状態及び第2の演出状態を備えている。そして、これらにより、本実施の形態では、ボーナス遊技における演出の態様として、4種類の演出の態様が設けられている。また、これらの演出の態様を、ボーナス遊技を開始するときに遊技者が選択できるものとなっている。
また、本実施の形態では、演出のモードは、遊技制御装置21で管理され、また、モードAにおける演出状態は、演出制御装置22で管理されるものとなっている。
【0136】
そして、本実施の形態では、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されると、遊技制御装置21における状態が選択可能状態となるとともに、遊技制御装置21から送信された特殊遊技状態コマンドに基づいて、モード選択演出が実行される。そして、本実施の形態では、モード選択演出中に、右停止スイッチ58を遊技者が操作すると、遊技制御装置21は、更新禁止期間中でないことを条件に、モード記憶領域の値が、「0」→「1」→「2」→「0」→「1」→・・・の順序で循環するようにモード更新処理(加算処理又は初期化処理)を行い、演出のモードを更新して選択状態に設定する。また同様に、モード選択演出中に、左停止スイッチ56を遊技者が操作すると、遊技制御装置21は、更新禁止期間中でないことを条件に、モード記憶領域の値が、「2」→「1」→「0」→「2」→「1」→・・・の順序で循環するようにモード更新処理(減算処理又は初期化処理)を行い、演出のモードを更新して選択状態に設定する。そして、遊技制御装置21は、モード更新処理の内容を示す更新コマンドを送信し、演出制御装置22は、受信した更新コマンドに基づいて、更新コマンドを受信する前に選択状態に設定されていた演出のモードとは別の演出のモードが選択状態に現在設定されていることを遊技者に報知するようにモード選択演出の内容を更新して実行する。
【0137】
また、本実施の形態では、モード選択演出中に、中停止スイッチ57を遊技者が操作すると、遊技制御装置21は、更新コマンドを送信し、演出制御装置22は、特定の更新コマンド(更新コマンド4)を受信した場合に、演出状態を管理するための演出状態記憶領域の値が第1の演出状態に対応する値であるときに、第2の演出状態を選択している状態にあることを遊技者に報知するようにモード選択演出の内容を更新して実行し、第2の演出状態に対応する値を演出状態記憶領域に書き込む。
また、本実施の形態では、モード選択演出中に、遊技者がメダルをベットすると、遊技制御装置21は、選択可能状態を終了し、その際のモード記憶領域の値に対応する演出のモードを遊技者が選択した演出のモードとして最終的に確定する。そして、遊技制御装置21は、遊技者が選択したものとして最終的に確定した演出のモードを示す確定コマンドを送信し、演出制御装置22は、受信した確定コマンドに基づいて、遊技者が選択したものとして最終的に確定した演出のモードを記憶するとともに、その演出のモードがモードAであった場合には演出状態も確定し、モード選択演出を終了する。
【0138】
そして、遊技者が選択したものとして最終的に確定した演出のモードに応じて、ボーナス遊技中の演出が行われる。
以上より、本実施の形態によれば、遊技者による左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58により演出のモード、言い換えればモード選択演出の内容が更新されるとともに、中停止スイッチ57により演出状態、言い換えればモード選択演出の内容が更新されるので、待ち時間を強要されることなく目的の演出のモード又は演出状態を選択することができる。
また、本実施の形態によれば、目的の演出のモード又は演出状態を選択状態に設定してから、メダルのベットにより演出のモードを遊技者が選択することとなるので、選択される演出のモード又は演出状態が曖昧になることを防止することができる。
【0139】
そして、これらにより、演出のモードを選択する際のユーザーインターフェイス環境を向上させることができる。
また、本実施の形態では、遊技制御装置21は、更新コマンドを送信したことを契機に更新禁止期間を設定する。これにより、本実施の形態によれば、モード選択演出の内容が更新されるまでの時間を確保することができ、遊技制御装置21が選択状態に現在設定している演出のモードと、演出制御装置22が実行するモード選択演出の内容とがズレるのを防止することができる。
また、本実施の形態では、モード記憶領域の値は、選択可能状態以外の状態においては、変更されたり消去されたりしないように形成されている。たとえば、モード記憶領域の値は、設定値の変更や、ボーナス遊技の終了によっては、変更されたり消去されたりしないように形成されている。そして、特殊遊技状態コマンドには、モード記憶領域の現在の値の情報、すなわち前回のボーナス遊技で遊技者が選択した演出のモードの情報が含まれている。そして、演出制御装置22は、モード選択演出を開始する際には、受信した特殊遊技状態コマンドに基づいて、前回のボーナス遊技で遊技者が選択した演出のモードが選択状態に現在設定されていることを遊技者に報知するように開始する。これにより、本実施の形態によれば、前回のボーナス遊技で遊技者が選択した演出のモードを初期の選択状態に設定することができるとともに、モード選択演出によって設定値を変更したことが遊技者に知られることを防止することができる。
【0140】
(他の実施の形態)
上述した実施の形態では、確定コマンドを受信したときに表示装置55に表示させているキャラクタ画像により、演出状態を遊技者が選択した演出状態として最終的に確定するようにしてもよい。すなわち、確定コマンドを受信した場合に、キャラクタA画像400を表示装置55に表示させていたときには、第1の演出状態を遊技者が選択した演出状態として最終的に確定し、また、キャラクタA’画像403を表示装置55に表示させていたときには、第2の演出状態を遊技者が選択した演出状態として最終的に確定することができる。具体的には、演出状態管理手段270は、確定コマンドを受信した場合にだけ、表示させているキャラクタA画像400又はキャラクタA’画像403に応じて、第1の演出状態に対応する値又は第2の演出状態に対応する値を演出状態記憶領域に書き込み、特殊遊技状態コマンド又は更新コマンドを受信したときには何らの処理も行わないようにすることができる。
【0141】
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。