(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記オス型固定部材は、基部および軸によって長さを画定しているボルトを含み、さらに前記第1の結合部は、連続して配置されて通路を形成している複数のプラスチック部品を含み、前記通路の長さと、前記オス型コネクタの前記ヘッドの厚みとを組み合わせると、前記ボルトの前記長さよりも長い請求項1又は2に記載の太陽光発電モジュールキット。
前記複数の太陽光発電モジュールのそれぞれの前記フレームは、対応する前記太陽光発電積層体の外周を取り囲む骨組部と、前記骨組部から前記骨組部を超えて延伸している複数のアームとを含み、前記複数のアームのそれぞれには前記取着領域が設けられており、さらに、前記第1の結合部はさらに、前記オス型コネクタを前記メス型コネクタに係合させることによって相互接続されている、第1の太陽光発電モジュール、第2の太陽光発電モジュール、第3の太陽光発電モジュール、および、第4の太陽光発電モジュールそれぞれからの1つのアームを含む請求項1から6の何れか1項に記載の太陽光発電モジュールキット。
前記オス型コネクタおよび前記メス型コネクタは、係止状態および緩み状態の間で切替可能に構成され、前記係止状態では、前記オス型コネクタの前記ヘッドが前記第1の太陽光発電モジュールのアームと摩擦力によって係合しており、前記メス型コネクタのヘッドが前記第4の太陽光発電モジュールのアームと摩擦力によって係合している請求項7に記載の太陽光発電モジュールキット。
【背景技術】
【0002】
[連邦政府後援の研究または開発に関する記述]
本発明は、米国エネルギー省から契約番号DE−FC36−07GO17043で請け負って政府の支援を受けて成された。政府は本発明に関して所与の権利を有するものである。
【0003】
[優先権情報]
本願は、米国特許法第119条(e)(1)に基づき米国仮特許出願第61/076,479号(出願日:2008年6月27日、発明の名称:「非貫通方式でアレイを設置するためのコネクタアセンブリを備える太陽光発電モジュールキット」、代理人整理番号:第S0132/S812.102.101について優先権を主張する。当該仮出願の教示内容は全て参照により本願に組み込まれる。
【0004】
[関連出願]
本願は、米国特許出願第12/492,640号(発明の名称:「バラスト付太陽光発電モジュールおよびモジュールアレイ」、代理人整理番号:第S0131US/S812.101.102)、米国特許出願第12/492,729号(発明の名称:「取り外し可能な風向偏向部材を備える太陽光発電モジュール」、代理人整理番号:第S0133US/S812.103.102)、米国特許出願第12/492,802号(発明の名称:「太陽光発電モジュールおよびモジュールアレイ」、代理人整理番号:第S0134US/S812.104.102)、米国特許出願第12/492,838号(発明の名称:「排水フレームを備える太陽光発電モジュール」、代理人整理番号:第S0135US/S812.105.102)に関連する。これらの関連出願は全て本願と同日付けで出願されており、それぞれの教示内容は参照により本願に組み込まれる。
【0005】
太陽エネルギーは長きにわたって、重要な代替エネルギー源と考えられてきた。このため、太陽エネルギー集積技術を開発および改良するべく多大な労力および投資が費やされてきた。特に高い関心を集めているのは、電力需要を補完または満足させるべく非常に多量の太陽エネルギーを集積および利用する産業上または商業上の利用である。
【0006】
太陽光発電技術は一般的に、大規模な太陽エネルギー集積に最適な方法であると考えられており、主要エネルギー源および/または副次的(または補完的)エネルギー源として利用が可能である。一般的に言うと、太陽光発電システムは、シリコンまたはその他の材料(例えば、第III−V族のセル、例えばGaAs)から成るソーラーパネルを利用して太陽光を電力に変換する。具体的に説明すると、太陽光発電システムでは通常、複数の太陽光発電(PV)モジュール(または、「ソーラータイル」とも呼ぶ)が1以上の適切な電気部品(例えば、スイッチ、インバータ、接続箱等)への配線に相互接続されている。PVモジュールは従来、電気的に相互接続され且つ封止されている複数の結晶質または非晶質の半導体デバイスのアセンブリを一般的に形成するPV積層体またはPVパネルから構成されている。PV積層体は1以上の導電体を担持して、これらの導電体によって太陽光によって生成される電流を導通させる。
【0007】
PV積層体の正確な構成は別として、PVシステムの大半では、複数のPVモジュールから成るPVモジュールアレイを、太陽光の照射が容易に得られる設置箇所に載置することになる。これは、商業的または産業的に利用して、非常に多数のPVモジュールによって大量のエネルギーを生成することが望まれている場合に特に当てはまる。商業用ビルの屋上は、PVモジュールの載置面としては格好の面である。例えば、多くの商業用ビルの屋上は大きく平坦であり、本質的にPVモジュールアレイを載置し易く、既存空間の最も有効な利用方法である。このように屋上への設置は実現の可能性が高いが、設置環境について解決しなければならない制約がいくつかある。一例を挙げると、PV積層体は通常平坦または平面的であるので、平坦な屋上に単に「置かれた」場合、日中を通して最大量の太陽光を集積できるように最適配置/配向されない場合がある。これに代えて、屋上に対してわずかな角度でPV積層体を傾斜させることが好ましい(つまり、北半球で設置する場合は南側の空へ向け、南半球で設置する場合には北側の空へ向ける)。また、このようにPV積層体が屋上に対して傾斜している場合は特に、突風によってPVモジュールがずれてしまう可能性も考慮しておかなければならない。
【0008】
上記の問題に対処すべく、従来のPVモジュールアレイ設置技術では、アレイが備える複数のPVモジュールをそれぞれ物理的に、既存の屋上構造に直接相互接続するか、または、既存の屋上構造に直接組み込んでいた。例えば、一部のPVモジュール構成によると、屋上を貫通するボルトによって屋上に複数のフレーム部材を物理的に取着していた。この方法によれば、PVモジュールをより強固に装着できるが、時間がかかり、屋上には消えない傷ができる。また、屋根に穴を開けるので、明らかに水害が発生する可能性がでてくる。より最新型の平坦な屋上を設置箇所とする商業用PVモジュール構成では、アレイ状に構成された複数のPVモジュールは、非貫通方式で屋上に他に支持部材を必要とすることなく設けられる。具体的に説明すると、複数のPVモジュールは互いに、一連の別個の補助部材によって接続されている。1以上の風向偏向バリア(または、風向偏向部材)をPVモジュールのうち一部または全てに取り付けて、PVモジュールおよび/またはアレイの下面に加えられる風力の大きさを低減(または偏向)する。さらに、アレイにバラストを取着することも多い。
【0009】
以上より、隣接するPVモジュール同士を相互接続するための部品および技術は、非貫通方式でのPVモジュールアレイの設置が問題なく実行できるか否かを左右する重要な点であることが分かる。アレイは通常、複数の列および行に沿って配置される複数のPVモジュールから成り、矩形状の格子が形成されている。複数のPVモジュールを相互接続することによって、隣接する行同士が互いに、横転しないように抑制し合っている。強固に接続することによって、一行の重量/質量は、横転力が加えられる隣接する行との接続箇所において発生する瞬時力を抑制または相殺する。各PVモジュールでは角部が4つ画定されており、格子状アレイ内の大半の箇所では、4つのPVモジュールが並べられて結合部が画定されており、当該結合部を形成している4つのPVモジュールの角部を結合する必要がある。しかし、アレイ内では、このような4つのPVモジュールの角のうち1以上が「欠けている」場合が多くある。例えば、アレイの南端を見てみると、結合部において互いに結合されているPVモジュールの角部は2つしかない。従来の非貫通方式のPVモジュールアレイでは、さまざまな結合部の構成に応じて、それぞれ異なる接続部品(例えば、4つのPVモジュールを結合するための第1の接続デバイス、および、これとは異なる、2つのPVモジュールを結合するための第2の接続デバイス)が必要である。このため、総コストおよび設置時間が増えてしまうと共に、設置者に必要とされる専門知識のレベルが高くなってしまう。同様に、従来のPVモジュール接続方法では、1以上の手工具を利用しており、設置時間が長くなるのでコストが増加してしまう。また、隣接するPVモジュールを結合するためには通常金属部品が利用されるが、金属製の結合部品(および、アレイのその他の金属部品)の利用は、可能であるものの、接地の問題が発生する。
【0010】
以上より、PVモジュールの構造およびPVモジュールアレイとして複数のPVモジュールを非貫通方式で設置する際に利用される接続部品を改良することは歓迎すべきことである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の原理に応じた太陽光発電(PV)モジュールキット20の一実施形態を
図1に示す。キット20は、複数のPVモジュール22(このうち1つを
図1に示す)と、複数のコネクタアセンブリ24(このうち1つを
図1に示す)とを備える。さまざまな構成要素の詳細については以下で説明する。キット20は、PVモジュール22をアレイ状に設置面へと非貫通方式で設置できるように構成されており、コネクタアセンブリ24はさまざまな結合部において隣接するPVモジュール22同士を相互接続する。このように結合部が形成されると、アレイは、設置面の形状に応じた形状を持ちつつ、設置後に加えられる回転移動/瞬時力の影響を抑制することができる。一部の実施形態によると、コネクタアセンブリ24によれば、以下のように、アレイからPVモジュール22のうち1つを後で、部分的に、または、完全に取外すことができるようになる。
【0034】
PVモジュール22はどれも同一構造を持ち、そのうち1つを
図2に詳細に示している。PVモジュール22は、PVデバイス30と、フレーム32とを備える。PVデバイス30のPV積層体34の外側はフレーム32によって取り囲まれており、一部の実施形態において、平坦な設置面(例えば、平坦な屋上)に対してPV積層体34を傾斜させて配向するための支持面がフレーム32に形成されている。ここにおいて、フレーム32は、取着領域38(総称)が形成されているアーム36(総称)を少なくとも1つ有し、取着領域38は、以下で説明するように、コネクタアセンブリ24(
図1を参照のこと)と面で接するように構成されている。
【0035】
PVモジュール22は、さまざまな形態で実施されるとしてよく、そのような多岐にわたる形態には、
図2の形態から推定されるものもあれば、そうでないものもあるとしてよい。例えば、PV積層体34を有するPVデバイス30の形態は、現在公知のもの、または、太陽光発電デバイスとしての利用が適切なものとして将来開発されるものであってよい。PV積層体34は、太陽電池アレイを有する。外部から保護する目的で、太陽電池の上方にガラス製の積層体を載置するとしてもよい。一部の実施形態によると、太陽電池は、裏面コンタクト型の太陽電池を含み、例えば、SunPower Corp.社(米国、カリフォルニア州、サンノゼ)製のものを含む。例えば、裏面コンタクト型の太陽電池では、太陽光集光面積を大きくする目的で、外部の電気回路につながっている配線が太陽電池の裏面(つまり、設置された状態で、太陽照射面とは反対側の面)に結合されている。裏面コンタクト型の太陽電池は、米国特許第5,053,083号および第4,927,770号にも開示されている。両特許文献の内容は全て参照により本願に組み込まれる。他の種類の太陽電池もまた、本開示の利点を損なうことなく、利用し得る。例えば、太陽電池は、シリコン薄膜、非シリコンデバイス(例えば、第III−V族のセル、例えば、GaAs)等の薄膜技術を取り入れることができる。このため、図示はしていないが、一部の実施形態によると、PVデバイス30はPV積層体34以外にも1以上の構成要素、例えば、配線またはその他の電子部品を有するとしてよい。
【0036】
細かい構成は別にして、PV積層体34は、正面40および外周42(
図2では総称)を画定するものとして説明することができる。例えば、PVデバイス30に追加する構成要素(ある場合)は従来、PV積層体34の裏面に、または、PV積層体34の裏面に沿って配置されていた。尚、裏面は
図2では図示されていない。
【0037】
上記の構成を持つものとしてPVデバイス30、特に、PV積層体34を理解すると、フレーム32は通常、PV積層体34の外周42の外側を取り囲む骨組部50を有すると共に、骨組部50から延伸しているアーム36を少なくとも1つ有する。例えば、
図2に示す一実施形態によると、フレーム32は第1から第4のアーム36a−36dを有する。アーム36a−36dは、フレーム32のその他の構成要素と同様に、屋上等の略平坦な面に対して傾斜または角度を持たせてPV積層体34を配向する作業を容易にするように構成されている。例えば、骨組部50は、前方端または前方フレーム部材60、後方端または後方フレーム部材62、第1の側面または第1の側方フレーム部材64、および、第2の側面または第2の側方フレーム部材66を備えるものとして説明する。
【0038】
上記の構成を参考に、
図3は、平坦且つ水平な面Sと相対的にPVモジュール22を示す簡略図である。
図3では隠れて見えないが、PV積層体34の位置を、正面40(
図2を参照のこと)によって形成されるPV積層体34の平面P
PVとして、概略的に示している。
図3に示す配向によると、フレーム32は、平坦面Sに対して勾配を持つように、または、傾斜するように角度θでPV積層体34を支持する。傾斜角θは、PV積層体の平面P
PVと、平坦面Sの平面との間に形成される内角として定義され得る。一部の実施形態によると、アーム36(
図3では2つのアーム36を示す)によって、支持面が画定されている。PVモジュール22は、当該支持面において平坦面Sから支持され、傾斜角θは同様に、PV積層体の平面P
PVと支持面の平面との間に形成される角度として定義される。いずれにしても、一部の構成では、フレーム32は、1度から30度の範囲内の傾斜角θでPV積層体34を支持するように構成されている。一部の実施形態では、傾斜角θの範囲は3度から7度であり、ほかの実施形態では傾斜角θは5度である。例えば、傾斜させて設置するPV太陽光集光設備の場合、PV積層体34は、(北半球で設置する場合)南向きまたは南方向に傾斜するように配置することが好ましい。通常はこのような配向で設置されることを考えると、前方フレーム部材60を南フレーム部材と呼ぶこともでき、後方フレーム部材62を北フレーム部材と呼ぶこともできる。しかし、他の実施形態によると、フレーム32は、平坦面Sに対して略平行になるようにPV積層体34を維持するように構成されるとしてもよい。
【0039】
図2に戻って、骨組部50は、PV積層体34の外周42の外側を取り囲むと共に所望の傾斜角θ(
図3を参照のこと)を形成するのに適切な形状を取り得るとしてよい。一部の実施形態によると、フレーム部材60−66は、別々に形成した後に互いに組み合わせると共にPV積層体34に取り付けられて、組み立てが完了すると一体構造となる。これに代えて、他の製造技術および/または部品を用いるとしてもよく、
図2に示す骨組部50に限定されるものではない。
【0040】
上述したように、フレーム32は、骨組部50から延伸するアーム36a−36dのうち少なくとも1つを有し、少なくとも1つの取着領域38c、38dが得られる。本開示は
図2に示す一例に限定されるものではないが、
図2を参照しつつ説明すると、フレーム30の組み立てが完了すると、第1および第2の支持アーム36a、36bは互いに同一構造であり、第3および第4のアーム36c、36dも同様に互いに同一構造となる。より具体的に説明すると、第1および第2のアーム36a、36bは、骨組部50から延伸しており、前方フレーム部材60を超えて外側に延伸している。このような構成によると、第1および第2のアーム36a、36bに形成されている取着領域38a、38bは、前方フレーム部材60を長手方向に超えた(または、前方フレーム部材60から離間した)位置に配置される。逆に、第3および第4のアーム36c、36dは、骨組部50から延伸しており、後方フレーム部材62を越えて外側に延伸している。第1および第2のアーム36a、36bと同様に、第3および第4のアーム36c、36dが延伸していることによって取着領域38c、38dは、後方フレーム部材62を長手方向に超えた位置、または、後方フレーム部材62から離間した位置に配置されている。
【0041】
第1および第2のアーム36a、36bと、第3および第4のアーム36c、36dとの間には、相違点が幾つか見られる。例えば、第1のアーム36aと第2のアーム36bとの間の横方向の間隙は、第3のアーム36cと第4のアーム36dとの間の横方向の間隙よりも狭く、2つのPVモジュール22をアレイの一部として端部同士を隣り合わせに並べて容易に取着できるように選択される。例えば、
図4Aを参照しつつ説明すると、第1の間隙または横方向外側間隙L
1が、第1のアーム36aの外面70と第2のアーム36bの外面70との間に(少なくとも取着領域38a、38bに沿って)画定されている。第2の間隙または横方向内側間隙L
2が、第3のアーム36cの内面72と第4のアーム36dの内面72との間に(少なくとも取着領域38c、38dに沿って)画定されている。第3のアーム36cと第4のアーム36dとの間の距離は、第1のアーム36aと第2のアーム36bとの間の距離よりもわずかに長く、横方向外側間隙L
1が横方向内側間隙L
2と略等しい。このような構成によると、隣接しているPVモジュール22a、22bを、
図4Bに示すアレイ状の設備の一部として端部同士が隣り合うように並べて取着することができ、第1のPVモジュール22aの第1および第2のアーム36a、36bは、第2のPVモジュール22bの第3および第4のアーム36c、36dの間に配置される。より具体的に説明すると、アームの対36a、36bおよびアームの対36c、36dの横方向の間隙を上記のように定めることによって、第1のPVモジュール22aの第1のアーム36aの外面70が第2のPVモジュール22bの第3のアーム36cの内面72に配置される。第1のPVモジュール22aの第2のアーム36b、および、第2のPVモジュール22bの第4のアーム36dについても同様となる。
【0042】
図2に戻って、第1および第2のアーム36a、36bと、第3および第4のアーム36c、36dとの間のさらなる相違点として、任意で、第3および第4のアーム36c、36dの(後方フレーム部材62からの)長さは第1および第2のアーム36a、36bの(前方フレーム部材60からの)長さよりも長い点が挙げられる。一部の実施形態によると、このように長さまたは表面積を大きくすることによって、第3および第4のアーム36c、36dに1以上の任意の特徴部分を設けることが容易となる。例えば、第3および第4のアーム36c、36dは、風向偏向部材(不図示)をPVモジュール22に取り外し可能に対応付ける偏向部材取付部80(第4のアーム36dにおいて総称的に示す)を含むとしてよい。また、PVモジュール22にバラストトレイ(不図示)を取り外し可能に対応付けることを容易にするバラスト接続部82(第3のアーム36cにおいて総称的に示す)を設けるとしてもよい。そして、第3および第4のアーム36c、36dには、拡大底面84(第4のアーム36cに総称的に示す)が形成されている。拡大底面84は、設置面にPVモジュール22を安定して取着できるように設けられている(つまり、底面84は、
図3を参照しつつ上述した支持面の一部を成す)。アーム36a−36dのうち1以上にはさらに特徴部分を設けるとしてもよいし、これに代えて、上述した特徴部分80−84のうち1以上を省略するとしてもよい。
【0043】
上述したように第1および第2のアーム36a、36bと第3および第4のアーム36c、36dとの間には相違点があるが、一部の実施形態によると、アーム36a−36dの取着領域38は同一構造である。これを踏まえて、
図5Aおよび
図5Bでは、第4のアーム36dの取着領域38dを詳細に示す。取着領域38dは、アーム36dの自由端90に、または、自由端90に隣接して形成または画定されており、内面92(
図5Aを参照のこと)、外面94(
図5Bを参照のこと)、および、通路96を含む。内面92は一部の実施形態によると非常に平坦または平滑であり、外面94は補強隔壁98を含むとしてよい。これに代えて、外面94は、内面92と同様に、非常に平滑または平坦であってよい。しかし、
図5Bに示す一実施形態によると、係合面100は、外面94に沿って設けられており、以下に説明するようにコネクタアセンブリ24(
図1を参照のこと)の対応部分と面で接するような大きさとなっている
【0044】
細かい構成は別にして、
図5Cに示すように、内面92および外面94によって取着領域38dの厚みT
Aが画定されている。通路96は、厚みT
Aを貫通するように形成されており、内面92および外面94において開口している。通路96は、以下に説明するように、コネクタアセンブリ24(
図1)の構成要素が挿入される大きさとなっている。
【0045】
これに代えて、取着領域38dは、多岐にわたる上記以外の構成を持つとしてもよい。同様に、アーム36a−36d(
図2を参照のこと)の取着領域38(
図2を参照のこと)は同一構造であると説明したが、他の実施形態では、アーム36a−36dのうち1以上については取着領域38の構造を変えるとしてもよい。より一般的には、アーム36a−36dのそれぞれの取着領域38は、摩擦力による係止を実現するように、コネクタアセンブリ24(
図1)と面で接するように構成される。
【0046】
図1に戻って、各コネクタアセンブリ24は、オス型コネクタ110およびメス型コネクタ112を少なくとも含む。また、コネクタアセンブリ24のうち少なくとも一部は、1以上のスペーサコネクタ114を含む。コネクタ110−114に関する詳細は以下に記載する。コネクタ110−114はいずれもヘッド116を持ち、ヘッド116は、コネクタ110−114の全てについて同一構造である(キット20に含まれる追加のコネクタアセンブリ24の全てについても同一構造である)。
【0047】
ヘッド116については、
図6A−
図6Cにおいてより詳細に示す。ヘッド116は、全体にわたって、プラスチック材料または他の非導電性材料から形成されており(例えば、PPO/PS(ポリフェニレン・オキサイド・コポリマー/ポリスチレン混合物)またはPET(ポリエチレンテレフタラート))、内面120、外面122、および、外周124が画定されている。内面120と外面122との間には厚みT
H(
図6Cを参照のこと)が画定されており、ヘッド116にはさらに、内面120と外面122との間に延在し、両面に置いて開口している穴126が形成されている。以下で明らかにするが、ヘッドの厚みT
Hは、上述した取着領域の厚みT
A(
図5Cを参照のこと)に等しい。
【0048】
ヘッド116の形状およびサイズは
図6Aおよび
図6Bに示すものとは異なる形状およびサイズとしてもよいが、一部の実施形態によると、外周124は通常は円形であり、ユーザの指でつまみやすいように1以上の溝128が画定されている。内面120および外面122もまたさまざまな形態を取るとしてよく、ヘッド116は、一部の実施形態によると、第2の面122から延伸する補強隔壁130(
図6Bを参照のこと)を1以上有する。また、少なくとも内面120には、係合面132が形成されている。係合面132は、使用時において、対応するフレーム取着領域38(
図1)の係合面100(
図5Bを参照のこと)に摩擦力によって係合するように構成されており、図示されているようにリング形状を持つとしてよい。係合面132が対応する面(例えば、
図6Aに示すように内面120)の突起として形成されている場合、ヘッドの厚みT
Hは係合面132において(または、係合面132から)画定される。
【0049】
以下で説明するが、ヘッド116は、本開示に係るオス型コネクタ110、メス型コネクタ112、または、スペーサコネクタ114(
図1を参照のこと)のうちいずれの一部分として利用するとしてもよいので、キット20(
図1を参照のこと)の共通部品となる。例えば、ヘッド116は、そのままでスペーサコネクタ114として利用される。ヘッド116に適切な固定部材を取り付けて、オス型コネクタ110またはメス型コネクタ112を形成する。例えば、穴126は、以下で説明するように、オス型固定部材またはメス型固定部材を摩擦力で保持するようなサイズおよび形状を持つ。
図6Cが最も分かりやすいが、一部の実施形態によると、穴126は第1の部分134および第2の部分136を持つ。第1の部分134は、内面120から延在し、内面120に対して開口している。第2の部分136は、外面122から延在すると共に外面122に対して開口している。横方向の寸法は、第2の部分136の方が第1の部分134よりも大きい。より具体的に説明すると、第2の部分136は、オス型固定部材またはメス型固定部材を保持するようなサイズおよび形状を持ち、六角形状を持つとしてよい(
図6Bに示す)。他の実施形態では、これ以外の形状でもよく、後に組み立てるために対応するオス型固定部材またはメス型固定部材も同様の形状を持つ。さらに別の実施形態によると、固定部材をヘッド116に結合するためにはさまざまな製造技術を利用するとしてよく、および/または、穴126は一様に形成されるとしてよい。いずれにしても、ヘッド116を共通部品として用意するので、さまざまなコネクタ110−114および複数のコネクタアセンブリ24は大量生産方式で容易に製造される。
【0050】
上述の構成を持つものとしてヘッド116を理解すると、
図7Aおよび
図7Bに示すように、オス型コネクタ110では、ヘッド116にオス型固定部材140が取り付けられており、ヘッド116からオス型固定部材140が延伸している。
図7Aおよび
図7Bでは、分かりやすく説明するべく、オス型コネクタのヘッドに「116a」という参照番号を与えている。オス型固定部材140は、さまざまな形態を取るとしてよいが、一部の実施形態によると、ネジ山が切られた金属機械ボルトであり、基部142(
図7Bが最も分かりやすい)および外側にネジ山が切られた軸144を含む。基部142は、ヘッド116aの穴126内にさまざまな方法で接続されるとしてよい。例えば、基部142は、穴126内に摩擦力によって保持される大きさを持つとしてよく(例えば、六角形状)、ヘッド116aは基部142を中心として成形するとしてよい。いずれにしても、軸144は、ヘッド116aの内面120から突出し、端部146で終端する。内面120から軸144がどこまで延伸するかによって、オス型固定部材の長さが決まる。基部142は、ヘッド116aの厚みT
H(
図6Cが最も分かりやすい)内に埋設されており、外面122から横方向に離間している(
図7Bを参照のこと)。このように、基部142は外面122/穴126によって外部から到達可能であるが、基部142の露出部分は外面122によって外部から保護されている。
【0051】
メス型コネクタ112は、ヘッド(説明の便宜上、
図7Aおよび
図7Bでは「116b」という参照番号で表す)およびメス型固定部材150を含む。メス型固定部材150は、さまざまな形態を取るとしてよいが、オス型固定部材140と選択的に係合するように構成されているのが普通である。このため、一部の実施形態によると、メス型固定部材150は、内側にネジ山が切られた金属製のナットである。メス型固定部材150は、オス型固定部材140と同様に、さまざまな方法でヘッド116bに取り付けるとしてよく、メス型コネクタ/ナット150をヘッド116bの穴126内に挿入して摩擦力により保持することが含まれる。このため、穴126が六角形状を持つ場合、メス型コネクタ/ナット150もまた六角形状を持つ。これに代えて、ヘッド116bはメス型コネクタ150を中心として成形するとしてもよい。いずれにしても、メス型コネクタ150は、ヘッド116bの厚みT
H(
図6Cが最も分かりやすい)に埋設されている。このような構成によると、メス型コネクタ150は穴126を介して外部から到達可能であるが、内面120および外面122によって外部から保護されている。
【0052】
図1に戻って、キット20によれば、さまざまに異なるアレイ構成に従ってコネクタアセンブリ24が非貫通方式でPVモジュール22をアレイ状に相互接続することが可能となる。例えば、
図8に、本開示に係るキット20によって製造が容易になる簡略化アレイ170の一例を示す。アレイ170は、第1−第4のPVモジュール22a−22dおよび第1−第5のコネクタアセンブリ24a−24eから構成される。
図8に示す取着アレイ状態において、PVモジュール22a−22dのうち2つ以上のPVモジュールがコネクタアセンブリ24a−24eのうち1つによって相互接続されている箇所に1以上の結合部172(総称)が形成されている。
【0053】
例えば、第1の結合部172aは、4つのPVモジュール22a−22dを一括して相互接続する結合部である。第1の結合部172aは、
図9Aに詳細に示すが、第1のPVモジュール22aの第1のアーム36a、第3のPVモジュール22cの第3のアーム36c、第4のPVモジュール22dの第4のアーム36d、および、第2のPVモジュール22bの第2のアーム36bの取着領域38(
図2が最も分かりやすい)、ならびに、第1のコネクタアセンブリ24aから構成される。第1のコネクタアセンブリ24aは、1つのオス型コネクタ110および1つのメス型コネクタ112を含む。
図9Aでは隠れて見えないが、アーム36a−36dのそれぞれの取着領域38の通路96は互いに位置合わせされて、オス型コネクタ110とメス型コネクタ112とを係合させる。より具体的に説明すると、軸144は、
図9Bに示すように、互いに位置合わせされた複数の通路96を貫通して延伸しており、メス型固定部材150とネジ山によって係合させられる。ここにおいて、アーム36a−36dはオス型コネクタ110およびメス型コネクタ112の螺入/締付によって互いに固く固定されている。この結果、係止状態において、メス型コネクタ112のヘッド116は第1のアーム36aを摩擦力によって係止し、オス型コネクタ110のヘッド116は第2のアーム36bを摩擦力によって係止する。一部の実施形態によると、設置者は手で容易にヘッド116をつかむことができるので、道具を用いることなく手で締め付けることによって係止された結合部を実現することができる。しかし、所望に応じて、道具を用いてコネクタアセンブリ24aをさらに締め付けることもできる。
【0054】
少なくともPVモジュール22a−22dのアーム36a−36dがプラスチック材料またはその他の非導電性材料で形成される実施形態では、第1の結合部172aは電気的に略絶縁状態にあるという特徴を持つ。より具体的に
図9Bを参照しつつ説明すると、軸144のオス型固定部材の延伸長は、アーム36a−36dおよびメス型コネクタ112のヘッド116によって決まる総厚みT
Cよりも短くなる。このような構成によると、
図9Bに示す係止状態では軸144がメス型固定部材150まで延在してメス型固定部材150とネジ山によって係合しており、軸144はメス型コネクタ112を外向きに超えて大きく突出していない。このため、軸144は全体が、略横方向において、プラスチック材料またはその他の非導電性材料に外側を取り囲まれている。また、オス型固定部材140の基部142およびメス型固定部材150はヘッド116の穴126によってある程度露出しているが、基部142およびメス型固定部材150は、横方向および一部長手方向において、ヘッド116に保護または被覆されている。このように、ヘッド116によって、設置者の指が金属部品である基部142およびメス型固定部材150に接触しないようになっているので、第1の結合部172aは接地を必要としない。最後になったが、
図9Bでは、係止状態では通常、第1のアーム36aとメス型コネクタ112のヘッド116との間を摩擦力によって係合させて、および、第2のアーム36bとオス型コネクタ110のヘッド116との間を摩擦力によって係合させる様子を示す。
【0055】
図8に戻って、第2の結合部172bは、第2のコネクタアセンブリ24bによって第2のPVモジュール22bと第4のPVモジュール22dとの間に形成されている。
図9Cに示すように、第2の結合部172bは、第2のPVモジュール22bの第1のアーム36aおよび第4のPVモジュール22dの第3のアーム36cの取着領域38(総称)、ならびに、第2のコネクタアセンブリ24bから構成される。第2のコネクタアセンブリ24bは、1つのオス型コネクタ110、1つのメス型コネクタ112、および、2つのスペーサコネクタ114a、114bを含む。アーム36b、36dそれぞれの取着領域38を互いに位置合わせして、軸144(
図7Aおよび
図7Bを参照のこと)は両アームの通路96(
図9Cでは隠れて見えない)を貫通するように設けられる。スペーサコネクタ114a、114bは、軸144が両スペーサコネクタの穴126(
図6Aおよび
図6Bを参照のこと)を貫通して延在するように、軸144に対して同じように配置される。上述したようにオス型コネクタ110とメス型コネクタ112とを係合させ、オス型コネクタ110およびメス型コネクタ112を締め付けることによって、スペーサコネクタ114a、114bを介してアーム36bとアーム36dとを摩擦力によって固く係止または係合させることができる。スペーサコネクタ114a、114bはアーム36aまたは36cに対して互いに反対側に配置されるものとして図示されているが、ほかの構成では、第2の結合部172bにおいて、スペーサコネクタ114a、114bの両方がアーム36a、36cのいずれかの片側に配置される。いずれにしても、スペーサコネクタ114a、114bそれぞれ(ヘッド116)の厚みT
H(
図6Cを参照のこと)は、アーム36a、36cそれぞれの取着領域の厚みT
A(
図5Cを参照のこと)に等しい。この結果、軸144は、アーム36a、36c、スペーサコネクタ114a、114b、および、メス型コネクタ112のヘッド116の総厚みに包含される。このように、第2の結合部172bは、第1の結合部172a(
図8を参照のこと)に関して上述したように、電気的に略絶縁されている。
【0056】
図8に戻って、第3の結合部172cは、第1のPVモジュール22aの第2のアーム36b、および、第3のPVモジュール22cの第4のアーム36dの取着領域38(総称)、ならびに、第3のコネクタアセンブリ24cによって形成されている点を除けば、上述した第2の結合部172bと実質的に同じである。ここにおいて、
図8では全体を図示していないが、第3のコネクタアセンブリ24cは、上述したように、1つのオス型コネクタ110、1つのメス型コネクタ112、および、2つのスペーサコネクタ114を含む。
【0057】
アレイ170の第4の結合部172dは、第3のPVモジュール22cの第1のアーム36aおよび第4のPVモジュール22dの第2のアーム36bの取着領域38(総称)、ならびに、第4のコネクタアセンブリ24dを含む。アーム36aおよび36bの取着領域38を互いに位置合わせして、第4のコネクタアセンブリ24dによって取着領域38同士を固く接続している。
図9Dを参照しつつ説明すると、第4のコネクタアセンブリ24dは、1つのオス型コネクタ110、1つのメス型コネクタ112、および、2つのスペーサコネクタ114a、114bを含む。スペーサコネクタ114a、114bは、オス型コネクタ110の軸144(
図7Aおよび
図7Bを参照のこと)に取り付けられ、アーム36a、36bの間に配置される。スペーサコネクタ114a、114bのヘッド/ヘッド116の厚みT
H(
図6Cを参照のこと)は、アームの取着領域38の厚みT
A(
図5Cを参照のこと)と同様であるので、組み立てが完了すると、金属製のオス型固定部材140およびメス型固定部材150(
図7Aおよび
図7Bを参照のこと)は、上述したように、電気的に略絶縁されることになる。
【0058】
図8に戻って、第5の結合部172eは、第1のPVモジュール22aの第3のアーム36cおよび第2のPVモジュール22bの第4のアーム36dの取着領域38(総称)、ならびに、第5のコネクタアセンブリ24eを含む。
図9Eに示すように、第5のコネクタアセンブリ24eは、1つのオス型コネクタ110、1つのメス型コネクタ112、および、2つのスペーサコネクタ114a、114bを含む。アーム36c、36dの取着領域38が互いに位置合わせされて、第5のコネクタアセンブリ24eによって固く相互接続される。図示されるように、スペーサコネクタ114a、114bは、アーム36c、36dに対して互いに反対側に配置され、上記のように第5の結合部172eを電気的に略絶縁する。
図9Eには、任意で設けられる風向偏向部材180a、180bがPVモジュール22a、22bにそれぞれ取り付けられている様子が示されている点に注目されたい。
【0059】
図8に示すアレイ170は、本開示に係るPVモジュールキットによって略平坦な面(例えば、最大傾斜が2:12)に非貫通方式で設置することが可能となる様子を示す一例に過ぎない。任意の数のPVモジュール同士を、任意の数のコネクタアセンブリ24を用いて相互接続するとしてよい。PVモジュール結合部毎に1つのコネクタアセンブリ24が用意される。結合部において4つのPVモジュールが結合されている場合、コネクタアセンブリは1つのオス型コネクタ110および1つのメス型コネクタ112を含む。結合部で結合されているPVモジュールの数が4つ未満である場合、1つの「欠けている」PVモジュール22について1つのスペーサコネクタ114を挿入する。スペーサコネクタ114によってボルトの過大部分が露出されないようになるので、感電事故が防止される。また、コネクタアセンブリ24によってPVモジュールのフレーム同士が(摩擦力によって)固く接続されるので、アレイ状に並べられると、結合部で発生する瞬時力を抑制することによって、アレイの行同士が互いに横転を防ぎ合うようになる。
【0060】
本開示に係るPVモジュールキットおよび組み立てられたPVモジュールアレイは、手工具を利用することなく所望のアレイの組み立てを短時間で行える以外にも、設置後でもアレイを簡単に変更することが容易になるという利点も任意で得られる。より具体的に説明すると、コネクタアセンブリ24を上述したように係止状態でPVモジュール22に取り付けることによって、PVモジュール22は摩擦力によって固く相互接続される。また、コネクタアセンブリ24を緩み状態で設けることによって、PVモジュール22は緩く相互接続されるが、コネクタアセンブリ24を中心として互いに相対的に移動可能となる(つまり、オス型コネクタ110がメス型コネクタ112に結合されるが、オス型コネクタ110およびメス型コネクタ112はPVモジュール22同士を固く係合させるまで十分には締め付けられない)。緩み状態では、特定の結合部を含む隣接するPVモジュール22を互いに相対的にわずかに回転させて、設置面に沿った方向における変化を吸収することができる。このように、本開示に係るPVモジュールアレイは、(例えば、南北方向における傾斜の変化を吸収するように)コネクタアセンブリを締め付ける前に接続/結合部の「調整」を行うことによって、平坦性が一定でない(つまり、局所的に傾斜が変化する)屋根の形状に容易に形状を合わせる。また、PVモジュールのアームは本来柔軟性を有するので、平坦でない(例えば、東西方向に傾斜が変化する)設置面の形状にアレイの形状を合わせることがさらに容易になる。
【0061】
上記の内容に加えて、所与のPVモジュール22に対応付けられる2つ(以上)のコネクタアセンブリ24を緩めるか、および/または、取り外すことによって、PVモジュール22をより大きく動かすことが可能となる。例えば、
図10Aは、複数の列192および行194に沿って並べられている第1−第9のPVモジュール22a−22iから成る別のPVモジュールアレイ190を示す図である。PVモジュール22a−22iは通常、コネクタアセンブリ24(総称)によって結合部において互いに相互接続されている。しかし、第5のPVモジュール22eについては、第1および第2のアーム36a、36bと係合していたコネクタアセンブリが取り外されている(または、最初から取り付けられていない)。また、第3および第4のアーム36c、36dに対応付けられているコネクタアセンブリ24a、24bはそれぞれ緩み状態にあるので、アーム36c、36dは、隣接するPVモジュール22d、22f−22iと接続されているが、相対的に移動可能である。具体的には、第5のPVモジュール22eはアレイ190と相対的に回転させることができ、アーム36c、36dは第1および第2のコネクタアセンブリ24a、24bと対応付けられているオス型固定部材140(
図7Aおよび
図7Bを参照のこと)を中心に旋回する。
図10Bは同様に、アレイ190に対して第5のPVモジュール22eを回転させている様子を示す図であり、第5のPVモジュール22eは第1および第2のアーム36a、36bにおいて旋回している。そして
図10Cは、第1−第4のアーム36a−36dからコネクタアセンブリ24(不図示)を取り外すことによって、アレイ190から完全に第5のPVモジュール22eが取り外されている様子を示す図である。
【0062】
アレイに含まれる任意の所与のPVモジュール22のアーム対36aおよび36b、または、アーム対36cおよび36dから2つのコネクタアセンブリ24を外すことによって、当該PVモジュール22は、設置面(つまり、屋上)への到達を可能とさせるべく、上向きに回転させることができる。また、特定のPVモジュール22に対応付けられている4つの接続部を全て取り外すと、当該PVモジュール22は完全にアレイから外して持ち上げることができる。
【0063】
上述したコネクタアセンブリ24は、本開示の側面に応じた実施可能な構成の一例に過ぎない。例えば、ヘッド116(
図6Aを参照のこと)には、PVモジュールのフレーム30(
図2を参照のこと)に形成されている取着領域38に形成されているスロットに直接係合する、横方向に延伸している突起(例えば、放射状パターン)が形成されているとしてよい。この構成によると、不連続の角度で界面が形成されるので、係合をより強固にすることができる。
【0064】
さらに別の実施形態に係るコネクタアセンブリ200を
図11Aに示す。コネクタアセンブリ200は、複数の棚部204a−204cが形成されているコネクタまたはヘッド202、オス型固定部材206、および、メス型固定部材208(例えば、穴)を含む。階段状に配置されている棚部204は、
図11Bに示すように、PVモジュールのフレーム212に形成されている穴210内にはまり込むような大きさになっている。ここにおいて、穴210は、階段状の棚部204a−204c(
図11Aを参照のこと)に対応している複数の階段状の肩部分214a−214cによって画定されている。
【0065】
使用時には、
図12を参照しつつ説明すると、一対のコネクタ202(そのうち1つを
図12に示す)を、PVモジュールのフレームのアーム36a´−36d´を「通るように」取り付け、各コネクタ202のオス型固定部材206(
図11Aを参照のこと)がアーム36a´−36d´の穴210(
図11Bを参照のこと)を通過し、相手のコネクタ202のメス型固定部材208と係合する。この結果、コネクタアセンブリ200によって、
図12に示すように、4つのPVモジュールのアーム36a´−36d´を相互接続することができる。結合部がアーム36a´−36d´のうち2つのみを含む場合、棚部204a−204c(
図11Aを参照のこと)と肩部分214a−214c(
図11Bを参照のこと)との間で階段状の界面を調整することによって、アーム36a´−36d´のうち2つを「係止」させるべくコネクタ202が互いに対して相対的に所望の位置に配置される。いずれにしても、コネクタアセンブリ200によれば、正方形状のヘッド202は正方形上の穴210内では回転できないので、強固に相互接続することができる(例えば、接続されたPVモジュールの回転移動を抑制する)。一部の実施形態によると、数度の回転については、設置面の傾斜が局所的に変化する場合に対応すべく、部品に許容されている。
【0066】
好ましい実施形態を参照しつつ本開示を説明してきたが、当業者であれば、本開示の思想および範囲から逸脱することなく、形態および細部を変更し得るものと認めるであろう。例えば、フレームには4つのアームを設けると説明したが、他の実施形態では、アームの数を増減させるとしてもよい。同様に、所与のフレーム部材(例えば、側方フレーム部材)の一部として形成されるものとしてさまざまなアームを説明したが、他の実施形態によると、アームのうち1以上を他のフレーム部材から突出するもの(または、他のフレーム部材の一部)として構成してもよい。