特許第5821377号(P5821377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5821377
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】車両用シートパッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/18 20060101AFI20151104BHJP
   A47C 27/14 20060101ALI20151104BHJP
   B68G 7/052 20060101ALI20151104BHJP
【FI】
   A47C7/18
   A47C27/14 Z
   B68G7/052 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-170845(P2011-170845)
(22)【出願日】2011年8月4日
(65)【公開番号】特開2013-34526(P2013-34526A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清 耕亮
(72)【発明者】
【氏名】山本 啓介
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 由希規
(72)【発明者】
【氏名】木下 貴紀
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−110101(JP,A)
【文献】 実開昭59−187352(JP,U)
【文献】 特開2008−137356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/18
A47C 27/14
B68G 7/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックのクッション構造を成すクッションパッドにワイヤがインサートされた車両用シートパッドであって、
前記クッションパッドの表面部には、該クッションパッドの表面に被せられる表皮材の一部を吊り込むための凹状の吊込み溝が形成され、
前記ワイヤは、1本の線状部材所々に折り曲げ部が形成された連続形状から成り、前記吊込み溝の溝形状に沿って延設されて該吊込み溝内に吊り込まれた前記表皮材の一部を係合させる吊込み部と、前記クッションパッドの周縁側の隅部の形状に沿って延設されて前記表皮材の張設によって圧潰力を受ける前記隅部の形状を保持する形状保持部と、を一体に有する構成とされ、
前記クッションパッドの幅方向の端側の周縁部と下側の周縁部とにシート後方側に張り出す壁面部が形成され、当該各壁面部が互いの間に入れられた前後方向に貫通するスリットによって前記シートバックとシートクッションとのサイド部同士の連結構造との干渉を回避するように切り分けられた形状とされ、該切り分けられた幅方向の端側の周縁部が前記隅部として単独で片持ち梁状に撓み変形しやすい形状部位として構成され、前記ワイヤの前記形状保持部が前記隅部の前記スリットに臨む表面部に該スリットに沿って延設されて前記隅部の構造強度が高められていることを特徴とする車両用シートパッド。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用シートパッドであって、
前記ワイヤの前記形状保持部が、U字状に曲げ返された形で前記隅部内に入り込み、U字の2本の縦線部が前記隅部内から前記スリットの形成高さを越えた位置まで延びて前記隅部を2本で支える構成となっていることを特徴とする車両用シートパッド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用シートパッドであって、
前記ワイヤが、少なくとも屈曲点を2点以上有するクランク形に形成されており該ワイヤを前記クッションパッドと一体的に発泡成形する型内において2以上の辺に跨る3点以上の点支持た状態セットできるようになっていることを特徴とする車両用シートパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートパッドに関する。詳しくは、クッションパッドにワイヤがインサートされた車両用シートパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートパッドの構造として、クッションパッドの表面部に、表皮材の一部を吊り込む凹状の吊込み溝と、吊り込んだ表皮材の一部を掛着させる吊込みワイヤとが設定された構成が知られている(特許文献1)。上記吊込みワイヤは、クッションパッドとの一体成形により、一部が吊込み溝から露呈するように吊込み溝の奥部に埋設された状態として設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の吊込みワイヤには、クッションパッドの形状を保持する機能がないため、別途、形状保持のためのワイヤを設定することで、ワイヤの本数が増えてしまうという問題が生じる。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、クッションパッド内にインサートされるワイヤに、表皮材の吊込み機能とクッションパッドの形状保持機能とを持たせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートパッドは次の手段をとる。
第1の発明は、クッションパッドにワイヤがインサートされた車両用シートパッドである。クッションパッドの表面部には、クッションパッドの表面に被せられる表皮材の一部を吊り込むための凹状の吊込み溝が形成されている。ワイヤは、1本の線状部材を所々に折り曲げて形成した連続形状から成り、吊込み溝の溝形状に沿って延設されて吊込み溝内に吊り込まれた表皮材の一部を係合させる吊込み部と、クッションパッドの周縁側の隅部形状に沿って延設されて表皮材の張設によって圧潰力を受ける上記隅部形状を保持する形状保持部と、を一体に有する構成とされている。
【0006】
この第1の発明によれば、1本の線状部材より成るワイヤを所々に折り曲げて、吊込み溝の溝形状に沿って延びる吊込み部と、クッションパッドの隅部形状に沿って延びる形状保持部と、を一体に有する連続形状に形成することで、表皮材の吊込み機能とクッションパッドの形状保持機能とを有するワイヤを、本数を増やすことなく適切に形成することができる。
【0007】
第2の発明は、上述した第1の発明において、隅部形状が、クッションパッドに入れられたスリットにより単独で片持ち梁状に撓み変形しやすい形状部位とされ、ワイヤの形状保持部が、上記隅部形状のスリットに臨む表面部にスリットに沿って延設されているものである。
【0008】
この第2の発明によれば、クッションパッドに入れられたスリットにより単独で片持ち梁状に撓み変形し易い構成とされた隅部形状を、ワイヤの形状保持部により、適切に形状保持することができる。
【0009】
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、ワイヤが、少なくとも屈曲点を2点以上有するクランク状の形に形成され、クッションパッドを発泡成形する型内にその異なる2以上の辺に跨る3点以上の点で支持された状態としてセットされて、クッションパッドに一体的にインサート成形されているものである。
【0010】
この第3の発明によれば、ワイヤを、クッションパッドを発泡成形する型内で安定して支持することができ、クッションパッド内の狙った位置に適切にインサート成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両用シートパッドの概略を示した斜視図である。
図2】バックパッドの側面図である。
図3】バックパッドの背面図である。
図4】バックパッドを背面側から見た斜視図である。
図5】表皮材のバックパッドに対する吊込み構造を示した斜視断面図である。
図6】ワイヤの構成を表した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
始めに、実施例1の車両用シートパッドの構成について、図1図6を用いて説明する。本実施例の車両用シートパッドは、図1に示すように、車両の最後列目に配された3人掛け用の車両用シート10におけるシートバック20のクッション構造を構成するものとなっている。この車両用シート10は、着座乗員の背凭れとなるシートバック20と、着座部となるシートクッション30と、頭部の支えとなるヘッドレスト40と、を備える。
【0014】
上記シートバック20は、その内部のフレーム構造を成す枠状のシートバックフレーム21に対し、ウレタン樹脂を発泡成形したバックパッド22が前面側から被せ付けられて組み付けられており、更にその表面部には、シートバック20の外表面全体を覆うように布製袋状の表皮材24が上面側から被せ付けられて張設された構成となっている。ここで、バックパッド22が本発明の「クッションパッド」に相当する。上記表皮材24は、図1及び図5に示すように、そのシートバック20の前面(背凭れ面)を覆う所々の箇所が、バックパッド22の前面部に形成された凹状の吊込み溝22A内に吊り込まれて係止された状態としてバックパッド22に張設された状態とされている。
【0015】
上記吊込み溝22Aは、図3に示すように、高さ方向に延びる左右一対の縦吊込み溝22A1と、これら縦吊込み溝22A1の間を繋ぐように横方向(シート幅方向)に延びる1本の横吊込み溝22A2と、から成るH字状の溝形状に形成されている。上記各縦吊込み溝22A1は、バックパッド22のシート幅方向の中央の背凭れ面部と、その左右両サイドに形成された着座乗員の身体を左右両側からサイドサポートする膨らんだ形の各サイドサポート部と、をそれぞれ仕切るように、これらの境界箇所に沿って高さ方向に延びる形に形成されている。横吊込み溝22A2は、着座乗員の背部に面で接するように凹状に湾曲して形成されたバックパッド22の中央の背凭れ面部を、高さ方向に仕切るように、各縦吊込み溝22A1の間を横方向に延びて形成されている。
【0016】
このように、上記バックパッド22の表面形状の起伏によって、表皮材24の張設に「浮き」や「皺」などの不具合が発生しうる箇所に、上記各縦吊込み溝22A1や横吊込み溝22A2を形成し、これらの溝内に表皮材24の一部を吊り込んで係止させる構成としたことにより、表皮材24をバックパッド22の表面に良好に密着させた状態にして、上記不具合を生じさせない状態に張設することができる。具体的には、図5に示すように、上記吊込み溝22A(縦吊込み溝22A1及び横吊込み溝22A2)は、そのバックパッド22の表面部から凹み込んだ溝の奥部に、鋼線のワイヤ23(吊込み部23A)が埋設されており、その溝内の所々の箇所に更に溝が深く抉り込まれて形成された各開口部Arから、ワイヤ23(吊込み部23A)が部分的に吊込み溝22A内に露出した構成とされている。
【0017】
一方、表皮材24は、複数枚の布材が1枚に繋ぎ合わされた構成となっており、各布材の縁部同士が縫合される各縫合部24Aが、上記吊込み溝22Aの形成ラインに沿って、それぞれ、吊込み溝22A内に入り込む裏面側に突出した状態となって形成された構成となっている。また、上記縫合部24Aには、縫合部24Aに沿って、長尺状の力布24Bが袋状に折り返された状態となって共縫いされており、この力布24Bの袋内には、鋼線の掛ワイヤ24Cが挿通されている。この掛ワイヤ24Cは、力布24Bの所々の箇所に形成された開口部Brから外部に露出した状態とされており、表皮材24の吊込み時には、上記力布24Bを吊込み溝22A内に吊り込んで、掛ワイヤ24Cをバックパッド22内のワイヤ23(吊込み部23A)に近づけて、ホグリング24Dによりこれらを掛着させることにより、表皮材24の縫合部24Aを吊込み溝22A内に吊り込んだ状態にして止着することができる。
【0018】
ところで、図1及び図4に示すように、上記シートバック20のバックパッド22は、その左右両サイドの下端側の隅部22C1が、それぞれ、スリット22Bにより片持ち梁状に切り分けられた形状とされている。具体的には、上記バックパッド22は、そのマット状に形成された本体部の上下左右の各縁部に、シート後方側に張り出す壁面部22Cが形成されており、各壁面部22Cがシートバックフレーム21の各枠辺部をそれぞれ外周側から覆った状態となるように組み付けられている。このうち、バックパッド22の左右両サイドの縁部から張り出す各壁面部22Cは、その下端部(隅部22C1)が、図示しないシートバックフレーム21の両サイドフレームとシートクッション30の両サイドフレームとの連結部との干渉をかわすように、それぞれ、バックパッド22の下側の縁部から張り出す壁面部22Cとの間にスリット22Bが入れられて、片持ち梁状に切り分けられた形状とされている。
【0019】
上記隅部22C1は、スリット22Bにより片持ち梁状に切り分けられていることにより、単独で撓み変形しやすい構成とされている。このような隅部22C1は、表皮材24の張設によって圧潰力を受けることで容易に撓み変形してしまう部位となっている。そこで、図1図3に示すように、上記各隅部22C1内には、それらの構造強度を高めるためにワイヤ23(形状保持部23B)が埋設された状態とされている。ここで、ワイヤ23(形状保持部23B)は、前述したバックパッド22の吊込み溝22Aの奥部に埋設されたワイヤ23(吊込み部23A)と連続した1本の部材により構成されており、バックパッド22の左右両サイドの着座使用者の背部を支える領域箇所にそれぞれ1本ずつ、左右対称の状態で埋設された状態とされている。上記各ワイヤ23は、図2図3に示すように、それぞれ、1本の鋼線を所々に折り曲げて形成した連続形状から成り、吊込み溝22Aの溝形状に沿って埋設される吊込み部23A(図3参照)と、吊込み部23Aのシート幅方向外側の端部から隅部22C1内に延出して隅部22C1内に埋設される形状保持部23B(図2参照)と、を備える。
【0020】
前者の吊込み部23Aは、図3に示すように、上記吊込み溝22AのH字状に形成された溝形状のうち、各縦吊込み溝22A1の下部領域と横吊込み溝22A2とを通る逆U字状の溝形状に沿うように逆U字状の形に折り曲げられて配されている。ここで、上記ワイヤ23(吊込み部23A)が埋設されていない各縦吊込み溝22A1の上部領域の溝形状内に吊り込まれる表皮材24の縫合部24Aは、その下部の縦吊込み溝22A1内に吊り込まれる部分がワイヤ23(吊込み部23A)に止着される引き込み力によって、それぞれ各縦吊込み溝22A1内に吊り込まれた状態として保持されるようになっている。
【0021】
後者の形状保持部23Bは、図3に示すように、上記吊込み部23Aのシート幅方向外側(図示左側)の端部から、スリット22Bの上部箇所を通って外側に延出して隅部22C1内に入り、そこから、図2に示すように、隅部22C1内を巡るようにシート下方側から後方側にU字状に曲げ返されて形成されている。詳しくは、形状保持部23Bは、隅部22C1の表面(外周面)に沿った箇所を通るように、U字状にシート下方側、後方側、上方側にそれぞれ折り返されて、隅部22C1の前面、下面、後面にそれぞれ近い箇所を通って配された状態とされている。より詳しくは、上記形状保持部23Bは、図3に示すように、隅部22C1のスリット22Bに臨む表面部(シート内側面:右側面)に近い箇所に、スリット22Bに沿ってU字状に曲げ返されて埋設された状態とされている。また、図2に示すように、形状保持部23Bのシート上方側に折り返された先端側の辺部は、隅部22C1内を通過してスリット22Bの形成高さを超えたサイドの壁面部22C内の位置まで通されており、同壁面部22C内での支持により、隅部22C1を支持する強度が高められた構成とされている。
【0022】
上記ワイヤ23は、図6に示すように、その吊込み部23Aと形状保持部23Bの一部とを合わせた大部分の形状が、図3にて前述したバックパッド22の本体部の面内方向に4点(屈曲点Q1〜Q4)で屈曲されたクランク状の形に形成されている。このクランク形に形成されたワイヤ23は、バックパッド22の発泡成形時に、その成形型の下型上に8点(支持点P1〜P8)で支持された状態としてセットされて、バックパッド22に一体的に埋設された状態として形成されている。詳しくは、上記ワイヤ23は、上記成形時に、その吊込み部23AのU字の各辺(吊込み辺23A1〜23A3)が、それぞれ2〜3箇所ずつ、計8箇所の点(支持点P1〜P8)が下型上にセットされて下方側から支持された状態として、型締めされてバックパッド22に一体的に成形されている。
【0023】
このように、ワイヤ23は、少なくとも屈曲点を2点以上有するクランク状の形に形成されて、その異なる2以上の辺(吊込み辺23A1〜23A3)に跨る3点以上の点(支持点P1〜P8)が下型上に支持された状態としてセットされることにより、ワイヤ23を、バックパッド22を発泡成形する型内にセットした状態を安定させることができる。したがって、バックパッド22内の狙った位置にワイヤ23を適切にセットしてインサート成形することができる。ここで、図2図3に示すように、ワイヤ23の各端部は、小さく曲げ返されて丸められた形状に形成されている。これにより、ワイヤ23の各端部のバックパッド22に対する結合強度が高められてずれにくくなっていると共に、ワイヤ23に尖りがなくなり、使用時にバックパッド22を損傷させにくいようになっている。
【0024】
ところで、図4に示すように、バックパッド22の背面部、詳しくは、バックパッド22の両サイドの着座者と中央の着座者がそれぞれ凭れ掛かるシート幅方向の3箇所の背部領域には、シート後方側に向かって、頂点が平坦となる山状の形に突出する膨らみ部22Dが形成されている。これら膨らみ部22Dは、図2に示すように、バックパッド22の上下左右の各縁部からシート後方側に張り出す各壁面部22Cの張り出し量よりも僅かに大きく張り出して形成されている。これにより、各膨らみ部22Dは、各壁面部22C間に跨ってバックパッド22の背面部に被覆された表皮材24を内側から押圧して、表皮材24の張設にテンションをかけるようになっており、バックパッド22の背面部の空洞部分を覆う表皮材24に、弛みや凹みや皺を生じさせないようになっている。
【0025】
ここで、図4に示すように、上述したバックパッド22の左右両サイドの壁面部22Cには、それらの上方側の後縁部箇所に、凹状に窪んだ逃がし部22C2が形成されている。また、図2に示すように、上記バックパッド22の両壁面部22Cを被覆する表皮材24の各箇所には、上述した各逃がし部22C2を外部に開口させる貫通孔24Eが形成されている。これら逃がし部22C2や貫通孔24Eは、シートバックフレーム21の両サイドフレームにそれぞれシート幅方向の外側へ突出した状態に結合されたストライカ21Aを外部へ通すための孔として機能するものとなっている。上記各ストライカ21Aは、図1に示すように、シートバック20の左右両外側の車体壁部に設置されたロック機構(図示省略)にそれぞれ係合してロックされるようになっており、このロックにより、シートバック20の背凭れ角度を車体壁部に対して保持させるようになっている。
【0026】
このように、本実施例の車両用シートパッドの構成によれば、1本の線状部材より成るワイヤ23を所々に折り曲げて、吊込み溝22Aの溝形状に沿って延びる吊込み部23Aと、バックパッド22の隅部22C1の形状に沿って延びる形状保持部23Bと、を一体に有する連続形状に形成することにより、表皮材24の吊込み機能とバックパッド22の形状保持機能とを有するワイヤ23を、本数を増やすことなく適切に形成することができる。また、ワイヤ23の形状保持部23Bが通されるバックパッド22の隅部22C1が、スリット22Bにより単独で片持ち梁状に撓み変形しやすい形状部位とされていても、このような撓み変形しやすい部位を、形状保持部23Bにより、適切に構造強度を高めた状態にして支持することができる。
【0027】
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、上記実施例では、ワイヤ23がインサートされるクッションパッドとして、シートバック20のバックパッド22を例示したが、シートクッションのパッドに適用してもよい。また、ワイヤの形状保持部が埋設されるクッションパッドの隅部形状は、スリットのあるなしに関わらず、表皮材の張設によって圧潰力を受けるクッションパッドの周縁側の隅部形状を形成するものであればよく、その部位や形状は特に限定されず、種々の形状部位を対象とすることができるものである。また、ワイヤがクッションパッドの2つの周縁箇所に跨って配されるものにおいては、ワイヤの各端部に形状保持部を形成したものであってもよい。この場合において、2つの周縁箇所は、シート幅方向の一方側と他方側の関係となっていなくてもよく、互いに異なる方向の周縁箇所となっていてもよい。
【符号の説明】
【0028】
10 車両用シート
20 シートバック
21 シートバックフレーム
21A ストライカ
22 バックパッド(クッションパッド)
22A 吊込み溝
22A1 縦吊込み溝
22A2 横吊込み溝
Ar 開口部
22B スリット
22C 壁面部
22C1 隅部
22C2 逃がし部
22D 膨らみ部
23 ワイヤ
23A 吊込み部
23A1〜23A3 吊込み辺
23B 形状保持部
24 表皮材
24A 縫合部
24B 力布
Br 開口部
24C 掛ワイヤ
24D ホグリング
24E 貫通孔
P1〜P8 支持点
Q1〜Q4 屈曲点
30 シートクッション
40 ヘッドレスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6