特許第5821682号(P5821682)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5821682
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】電装部品のガタツキ防止構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20151104BHJP
   F16B 19/00 20060101ALI20151104BHJP
【FI】
   B60R16/02 610J
   F16B19/00 E
   B60R16/02 623Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-32825(P2012-32825)
(22)【出願日】2012年2月17日
(65)【公開番号】特開2013-169803(P2013-169803A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2014年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
(72)【発明者】
【氏名】仲西 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松本 真幸
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−350332(JP,A)
【文献】 特開2002−238127(JP,A)
【文献】 特開2000−041322(JP,A)
【文献】 特開2011−205773(JP,A)
【文献】 特開平10−191537(JP,A)
【文献】 実開昭60−158063(JP,U)
【文献】 実開昭63−103078(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
F16B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネルに固定される電装部品は、該車体パネルに設けられた取付穴またはボルトからなる取付手段に固定される車体固定部を備えていると共に、別材のガタツキ防止材を着脱自在に取り付ける係止穴を底壁および側壁を含む外壁に複数個備え、
前記ガタツキ防止材は弾性材から成形され、前記係止穴に挿入係止するクリップ部と、該クリップ部より突設させた弾性片を備え、該ガタツキ防止材の前記クリップ部を取り付ける前記係止穴を前記複数個の係止穴から選択可とし、かつ、前記弾性片は前記車体パネルの表面に弾性変形して押し当てられる構成としている電装部品のガタツキ防止構造。
【請求項2】
前記電装部品の底壁または側壁からなる前記外壁の1箇所から前記車体固定部を突設し、前記ガタツキ防止材を取り付ける係止穴は前記複数個の係止穴のうち前記車体固定部から最も離れた係止穴を含むものとしている請求項1に記載の電装部品のガタツキ防止構造。
【請求項3】
前記複数個の係止穴のうち、前記ガタツキ防止材を取り付けなかった係止穴には、前記ガタツキ防止材の弾性片をカットしたクリップ部のみを取り付けて前記係止穴の開口を塞いでいる請求項1または請求項2に記載の電装部品のガタツキ防止構造。
【請求項4】
前記電装部品はプロテクタまたは電気接続箱とし、前記ガタツキ防止材の弾性片は少なくとも一方向に傾斜した形状、またはJ字状、C字状に湾曲した形状としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電装部品のガタツキ防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電装部品のガタツキ防止構造に関し、詳しくは、車体パネルに固定する電装部品自体の構造を変えることなく、ガタツキ防止構造の仕様変更を容易に行うものである。
【背景技術】
【0002】
車両に配索するワイヤハーネスなどを収容保持するプロテクタ等の電装部品の多くは、ボルト締結やクリップ係止等により車体パネルに固定されている。例えば、実開昭63−103078号公報(特許文献1)では、図10(A)、(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hを保持するプロテクタ(固定具)1の所定位置に車体固定用のクリップ2を突設し、車体パネル4に設けた取付穴5にクリップ2を挿入係止させることにより車体パネル4にプロテクタ1を固定している。また、特許文献1では、プロテクタ1の端縁より可撓性を有する弾性片3を突設している。
【0003】
前記構成では、図10(B)のようにプロテクタ1が車体パネル4に固定された際、前記弾性片3が弾性変形して車体パネル4の表面に押し当てられることにより弾性片3が振動を吸収し、プロテクタ1のガタツキを抑制して異音の発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−103078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、ガタツキ防止構造を形成する前記弾性片3は、プロテクタ1を固定する車体パネル4の構造や周辺部材の配置状態等に応じて寸法、形状等の仕様を変えなければならない場合があるが、前記特許文献1の構成では弾性片3がプロテクタ1と一体的に形成されているため、変更する弾性片3の仕様に合わせてプロテクタ1全体を新たに製造しなければならず、コストが増大するという問題がある。
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、車体パネルに固定する電装部品自体の構造を変えることなく、ガタツキ防止構造の仕様変更を容易に行えることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、車体パネルに固定される電装部品は、該車体パネルに設けられた取付穴またはボルトからなる取付手段に固定される車体固定部を備えていると共に、別材のガタツキ防止材を着脱自在に取り付ける係止穴を底壁および側壁を含む外壁に複数個備え、
前記ガタツキ防止材は弾性材から成形され、前記係止穴に挿入係止するクリップ部と、該クリップ部より突設させた弾性片を備え、該ガタツキ防止材の前記クリップ部を取り付ける前記係止穴を前記複数個の係止穴から選択可とし、かつ、前記弾性片は前記車体パネルの表面に弾性変形して押し当てられる構成としている電装部品のガタツキ防止構造を提供している。
【0008】
前記のように、本発明では、ガタツキ防止材を電装部品に一体的に形成するのではなく、別材のガタツキ防止材を着脱自在に取り付ける係止穴を電装部品の外壁に設ける構成としている。また、前記ガタツキ防止材は、前記係止穴に挿入係止するクリップ部から車体パネル表面に押し当てられる弾性片を突設したシンプルな構造としている。
よって、前記電装部品を固定する車体パネルの構造や周辺部材の配置状態等に応じて、前記クリップ部から突設する弾性片の寸法、形状等を変更したガタツキ防止材を前記係止穴に取り付けるだけで、ガタツキ防止構造の仕様変更を容易に行うことが可能となる。また、同じガタツキ防止材であってもクリップ部の取付方向を変えるだけで弾性片の突出方向を変更することもできる。よって、ガタツキ防止構造の仕様変更のために従来のように電装部品自体を新たに製造する必要がなくなり、電装部品を共用化してコストを抑えることができる。
【0009】
前記ガタツキ防止材を形成するクリップ部は、従来のバンドクランプ等に設けられているクリップ部と同様の構造を有していることが好ましい。即ち、長円形または円形の皿部の一面中央より前記電装部品の係止穴に挿入する支軸部を突設し、該支軸部の先端から折り返し状に左右一対の係止羽根部を突設すると共に、該係止羽根部の先端には前記係止穴の周縁に係止する係止段部を設けていることが好ましい。クリップ部を前記構成とすることによりガタツキ防止材を前記係止穴にワンタッチで取り付けることができる。前記係止穴の形状は前記クリップ部を挿入係止できる径を有する長円形または円形とし、挿入係止後のクリップ部の回転を防止するために係止穴の形状を長円形とすることがより好ましい。
【0010】
一方、前記クリップ部より突設する弾性片は、前記クリップ部を構成する皿部の他面中央より突出させることが好ましい。弾性片の形状は、電装部品の車体固定部が車体パネルに固定されたときに前記弾性片が弾性変形して車体パネルの表面に押し当てられる形状であれば特に限定されないが、例えば、少なくとも一方向に傾斜した形状、またはJ字状、C字状に湾曲した形状としていることが好ましい。
前記クリップ部および弾性片を備えたガタツキ防止材は、弾性に富んだポリプロピレン等の樹脂で一体成形されることが好ましい。また、前記弾性片のみエラストマーやゴムなど別材質の高弾性材からなるように二色成形で形成してもよい。
【0011】
電装部品に設ける車体固定部の構造も特に限定されないが、例えば、車体パネルに設けた取付穴に挿入係止するクリップであってもよいし、車体パネルから突設したスタッドボルト等の取付手段を貫通させる貫通穴、あるいは該貫通穴を設けたブラケットであってもよい。
【0012】
また本発明では、前記のように、電装部品の底壁および側壁を含む外壁に前記係止穴を複数個設け、前記ガタツキ防止材を取り付ける係止穴を前記複数個の係止穴から選択可としている。
【0013】
前記のように、電装部品の底壁および側壁を含む外壁に前記係止穴を複数個設け、ガタツキ防止材を取り付ける係止穴を前記複数個の係止穴から選択可とすることで、電装部品自体はそのままで、電装部品を固定する車体パネルの構造や周辺部材の配置状態、求められるガタツキ防止レベル等に合わせてガタツキ防止材の取付位置を容易に選択、変更することができる。よって、コストを抑えつつ、ガタツキ防止構造の多様な仕様変更が可能となる。
【0014】
前記電装部品の底壁または側壁からなる前記外壁の1箇所から前記車体固定部を突設している場合、前記ガタツキ防止材を取り付ける係止穴は前記複数個の係止穴のうち前記車体固定部から最も離れた係止穴を含むものとしていることが好ましい。
【0015】
前記のように、電装部品の外壁からの車体固定部の突設箇所を1箇所とすることで、コスト低減、工数削減の効果が得られる一方、車体固定部から離れた位置でのガタツキが大きくなりやすいという問題があった。しかし、前記のように、ガタツキ防止材を取り付ける係止穴として、前記複数個の係止穴のうち前記車体固定部から最も離れた係止穴を含むように選択することで前記ガタツキの問題も解消することができる。
【0016】
前記車体固定部および係止穴を設ける位置は電装部品の形状によっても異なるため限定することはできないが、前記電装部品が例えば略矩形ボックス状である場合、車体パネルに固定する略矩形状の底壁または側壁の1箇所の角部の近傍より車体固定部を突設する一方、前記底壁または側壁の残り3箇所の角部の近傍に前記係止穴をそれぞれ設けておき、3つの係止穴のうち、少なくとも前記車体固定部から最も離れた対角線上の係止穴には前記ガタツキ防止材を取り付けるようにすることが好ましい。
また、電装部品の底壁または側壁に設ける車体固定部は、車体パネルとの固定時に車体パネルと接触する面から突設している一方、前記ガタツキ防止材を取り付ける係止穴は、電装部品が平衡姿勢を保ったままガタツキ防止材を車体パネルに押し当てることができるように、車体パネルとの固定時に車体パネルと接触しない面に穿設していることが好ましい。
【0017】
また、前記複数個の係止穴のうち、前記ガタツキ防止材を取り付けなかった係止穴には、前記ガタツキ防止材の弾性片をカットしたクリップ部のみを取り付けることで、前記係止穴の開口を容易に塞ぐことができる。
【0018】
前記電装部品は特に限定されないが、例えば、車両に配索するワイヤハーネスを収容保持するプロテクタやリレーボックス等の電気接続箱が挙げられる。
【発明の効果】
【0019】
前述したように、本発明では、ガタツキ防止材を電装部品に一体的に形成するのではなく、別材のガタツキ防止材を着脱自在に取り付ける係止穴を電装部品の外壁に設ける構成としている。また、前記ガタツキ防止材は、前記係止穴に挿入係止するクリップ部から車体パネルの表面に押し当てられる弾性片を突設したシンプルな構造としている。したがって、前記クリップ部から突設する弾性片の寸法、形状等を適宜変更したガタツキ防止材を前記係止穴に取り付けるだけで、電装部品を固定する車体パネルの構造や周辺部材の配置状態等に応じたガタツキ防止構造の仕様変更を容易に行うことが可能となる。よって、従来のように電装部品自体を新たに製造する必要がなくなり、電装部品を共用化してコストを抑えることができる。
【0020】
また、電装部品の底壁および側壁を含む外壁に前記係止穴を複数個設け、ガタツキ防止材を取り付ける係止穴を前記複数個の係止穴から選択可とすることで、電装部品自体はそのままで、ガタツキ防止材の取付位置を容易に選択、変更することもできる。よって、コストを抑えつつ、ガタツキ防止構造の多様な仕様変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態において、ガタツキ防止材を取り付ける前のプロテクタを示す斜視図である。
図2】(A)はガタツキ防止材を取り付けたプロテクタを車体パネルに固定する前の分解斜視図であり、(B)はガタツキ防止材を取り付けたプロテクタを車体パネルに固定した状態を示す斜視図である。
図3】ガタツキ防止材の斜視図である。
図4】(A)は図2(A)のA−A線断面図であり、(B)は図2(B)のB−B線断面図である。
図5】ガタツキ防止材の仕様変更が必要となる場合の一例を示す図である。
図6】仕様変更後のガタツキ防止材を示す斜視図である。
図7図6のガタツキ防止材を取り付けたプロテクタを車体パネルに固定した状態を示す断面図である。
図8】ガタツキ防止材を取り付けなかった係止穴に取り付けるクリップを示す斜視図である。
図9】(A)は第1係止穴および第2係止穴にガタツキ防止材を取り付けた場合の平面図、(B)は全ての係止穴(第1〜第3係止穴)にガタツキ防止材を取り付けた場合の平面図である。
図10】従来例を示す図であり、(A)はプロテクタを車体パネルに固定する前の状態を示す正面図、(B)はプロテクタを車体パネルに固定した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図9は本発明の実施形態を示す。
本実施形態では、車体パネル40に固定する電装部品として、車両に配索されるワイヤハーネス(図示せず)を収容保持するプロテクタ10を用い、車体パネル40に固定したプロテクタ10のガタツキを防止するために、プロテクタ10の底壁10aに別材のガタツキ防止材20を着脱自在に取り付ける3個の係止穴13を設けている。
【0023】
本実施形態のプロテクタ10は、図1および図2に示すように、底壁10aと左右1対の側壁10bとからなる樋形状の樹脂成形品とし、底壁10aには部分的に段差を設け、車体パネル40との固定時に車体パネル40と接触する下段底壁10a−1と、車体パネル40と接触しない上段底壁10a−2とから底壁10aを形成している。底壁10aの4箇所の角部のうち、1箇所の角部は下段底壁10a−1に位置しており、該角部近傍の下段底壁10a−1の端縁より貫通穴12を設けたブラケットからなる車体固定部11を突設している。車体固定部11の貫通穴12には車体パネル40より突設した取付手段であるスタッドボルト41を貫通させる構成としている。
【0024】
一方、底壁10aの残り3箇所の角部は上段底壁10a−2に位置しており、前記角部の近傍に前記ガタツキ防止材20を取付可能とする係止穴13(第1係止穴13a、第2係止穴13b、第3係止穴13c)をそれぞれ設けている。なお、本実施形態では、前記車体固定部11から最も離れた対角線上の係止穴を第1係止穴13aとし、第1係止穴13aと幅方向に対向する係止穴を第2係止穴13bとし、第1係止穴13aと長さ方向に対向する係止穴を第3係止穴13cとしている。
【0025】
ガタツキ防止材20は弾性に富んだポリプロピレン等の樹脂からなる一体成形品とし、図3および図4(A)に示すように、係止穴13(13a、13b、13c)に挿入係止するクリップ部21と、該クリップ部21より突設した弾性片22とから形成している。クリップ部21は、従来のバンドクランプ等に設けられているクリップ部と同様の構造を有し、長円形の皿部21aの上面中央より係止穴13に挿入する支軸部21bを突設し、該支軸部21bの先端位置から折り返し状に左右一対の係止羽根部21cを左右に突設すると共に、各係止羽根部21cの先端には係止穴13の周縁に係止する係止段部21dを設けている。なお、プロテクタ10に設ける係止穴13の形状は、前記クリップ部21の支軸部21bおよび係止羽根部21cを挿入係止できる長円形としている。
【0026】
一方、ガタツキ防止材20の弾性片22は、クリップ部21を形成する皿部21aの下面中央より突設し、該弾性片22の形状は、一方向に傾斜させその先端部分を水平方向に屈曲させた形としている。また、プロテクタ10を車体パネル40に固定したときに、弾性片22が弾性変形して車体パネル40の表面に押し当てられるように弾性片22の寸法を設定している。
【0027】
本実施形態では、図2(A)に示すように、車体固定部11から最も離れた第1係止穴13aのみにガタツキ防止材20を取り付け、第2、第3係止穴13b、13cにはガタツキ防止材20を取り付けない構成としている。ガタツキ防止材20を取り付けない第2、第3係止穴13b、13cには、図8に示すクリップ23を取り付けて係止穴13b、13cの開口を塞いでいる。クリップ23は、ガタツキ防止材20から弾性片22を取り除いたクリップ部21と同じ構造を有している。
【0028】
図2(A)に示すプロテクタ10の車体固定部11の貫通穴12に、車体パネル40より突設したスタッドボルト41を貫通させてナット42で締結することにより、図2(B)に示すようにプロテクタ10を車体パネル40に固定することができる。このとき、第1係止穴13aに取り付けたガタツキ防止材20は、図4(B)のように弾性変形して車体パネル40表面に押し当てられた状態となり、1箇所で固定するシンプルな構造のプロテクタ10のガタツキを、該固定位置から最も離れた係止穴13aに取り付けたガタツキ防止材20によって効果的に抑制して、異音の発生を防止することができる。
【0029】
一方、プロテクタ10を固定する車体パネル40の構造や周辺部材の配置状態等に応じて、ガタツキ防止構造の仕様変更が必要となる場合がある。例えば、図5のように、プロテクタ10の側方に配置される周辺部材43によってガタツキ防止材20の弾性片22がスムーズに弾性変形できないような場合には、クリップ部21より突設する傾斜形状の弾性片22を、図6のようにJ字状に湾曲した形状の弾性片32に変更したガタツキ防止材30を第1係止穴13aに取り付けるだけで、図7のように、ガタツキ防止材30の弾性片32をスムーズに弾性変形させて車体パネル40および周辺部材43の両表面に押し当てることも可能となる。よって、係止穴13aに取り付けるガタツキ防止材の簡単な変更によりプロテクタ10のガタツキを効果的に防止することができる。
【0030】
また、必要とされるガタツキ防止レベル(グレード)に応じて、図9(A)のように第1係止穴13aおよび第2係止穴13bにガタツキ防止材20を取り付けたり、図9(B)のようにすべての係止穴(第1〜第3係止穴13a、13b、13c)にガタツキ防止材20を取り付けたりすることもできる。また、車体パネル40の構造や周辺部材の配置状態等に応じて、ガタツキ防止材20を取り付ける係止穴13の位置を変更することもできる。
【0031】
前記のように本実施形態では、ガタツキ防止材20をプロテクタ10に一体的に形成するのではなく、別材のガタツキ防止材20を着脱自在に取り付ける係止穴13(13a、13b、13c)をプロテクタ10の底壁10a−2に設ける構成としている。また、ガタツキ防止材20は、係止穴13に挿入係止するクリップ部21から車体パネル40の表面に押し当てられる弾性片22を突設したシンプルな構造としている。よって、クリップ部21から突設する弾性片22の寸法や形状を適宜変更したガタツキ防止材30を前記係止穴13に取り付けるだけで、周辺部材43の配置状態等に応じたガタツキ防止構造の仕様変更を容易に行うことが可能となる。よって、従来のようにプロテクタ10自体を新たに製造する必要がなくなり、プロテクタ10を共用化してコストを抑えることができる。
【0032】
さらに、前記のように、プロテクタ10の底壁10a−2に複数個の係止穴13(13a、13b、13c)を設け、ガタツキ防止材20を取り付ける係止穴を前記複数個の係止穴13から選択可とすることで、プロテクタ10自体はそのままで、ガタツキ防止材20の取付位置を容易に選択、変更することもできる。よって、コストを抑えつつ、ガタツキ防止構造の多様な仕様変更が可能となる。
【0033】
なお、本実施形態のガタツキ防止構造では、電装部品としてプロテクタ10を車体パネル40に固定しているが、これに限定されるものではなく、例えばリレーボックス等の電気接続箱を前記電装部品として車体パネル40に固定してもよい。
また、本実施形態では、プロテクタ10の底壁10a(10a−1、10a−2)に車体固定部11および係止穴13(13a、13b、13c)を設けているが、プロテクタ10の側壁10b側を車体パネルに固定するような場合には、車体固定部および係止穴をプロテクタ10の側壁10bに設けてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 プロテクタ
10a(10a−1、10a−2) 底壁
10b 側壁
11 車体固定部
12 貫通穴
13(13a、13b、13c) 係止穴
20、30 ガタツキ防止材
21 クリップ部
22、32 弾性片
23 クリップ
40 車体パネル
41 スタッドボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10