(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機体フレーム(1)の下部に左右のクローラからなる走行装置(2)を設け、機体フレーム(1)の上部左側に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の前方に刈取装置(4)を設けたコンバインにおいて、エンジン(E)と該エンジン(E)の冷却水を冷却するラジエータ(50)の間に、前記エンジン(E)の外側に配置された左右方向の回転軸(10)から伝動用の第1ベルト(22)と第2ベルト(32)を介して駆動される外気吸入用のラジエータファン(20)と排気用の排塵ファン(30)を配置し、前記ラジエータファン(20)の回転軸(24)を回転自在に軸支する支持部(25)の外周部に、前記排塵ファン(30)の筒状回転軸(34)の内周部を回転自在に装着して該ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に設け、前記排塵ファン(30)の羽根(30A)の翼角を、前記ラジエータファン(20)の羽根(20A)の翼角と反対の角度に設定し、前記ラジエータファン(20)の駆動状態時に、排塵ファン(30)を停止状態に切換え、前記ラジエータファン(20)の停止状態時には、排塵ファン(30)を駆動状態に切換える駆動状態切換手段(45)を設けたことを特徴とするコンバイン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された構成では、伝動ベルトを備えるテンション操作体を回転させることにより、ファンを正転方向と逆転方向への切換えを行なっているために、伝動ベルトの劣化が著しく保守・点検作業の頻度が多いという問題があった。
【0007】
また、ファンの正転方向時における外気のエンジンルーム内への吸入能力に比べて、ファンの逆転方向時における内気のエンジンルーム外への排気能力が低いため、エンジンルームのカバーに装着された濾過体に付着した藁屑、塵埃等を十分除去することができず、除去できない藁屑、塵埃等により濾過体が目詰まりを起こし、ラジエータの冷却効率が低下し、その結果、エンジンがオーバヒートするという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
請求項1に係る発明は、機体フレーム(1)の下部に左右のクローラからなる走行装置(2)を設け、機体フレーム(1)の上部左側に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の前方に刈取装置(4)を設けたコンバインにおいて、エンジン(E)と該エンジン(E)の冷却水を冷却するラジエータ(50)の間に、前記エンジン(E)の外側に配置された左右方向の回転軸(10)から伝動用の第1ベルト(22)と第2ベルト(32)を介して駆動される外気吸入用のラジエータファン(20)と排気用の排塵ファン(30)を配置し、
前記ラジエータファン(20)の回転軸(24)を回転自在に軸支する支持部(25)の外周部に、前記排塵ファン(30)の筒状回転軸(34)の内周部を回転自在に装着して該ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に設け、前記排塵ファン(30)の羽根(30A)の翼角を、前記ラジエータファン(20)の羽根(20A)の翼角と反対の角度に設定し、前記ラジエータファン(20)の駆動状態時に、排塵ファン(30)を停止状態に切換え、前記ラジエータファン(20)の停止状態時には、排塵ファン(30)を駆動状態に切換える駆動状態切換手段(45)を設けたことを特徴とするコンバインである。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記ラジエータファン(20)を、前記排塵ファン(30)よりも機体外側に配置した請求項1
に記載のコンバインである。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記ラジエータファン(20)の羽根(20A)の外径を、前記排塵ファン(30)の羽根(30A)の外径よりも大きくした請求項1または
請求項2
に記載のコンバインである。
【0012】
請求項4に係る発明は、側面視において
、前記駆動状態切換手段(45)
を前記ラジエータファン(20)の羽根(30A)の外周部に配置した請求項1
から請求項3のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0013】
請求項5に係る発明は、
前記支持部(25)を支持するブラケット(40)を設け、該ブラケット(40)の連結部(43)の機体内側に、前記エンジン(E)の回転を前記回転軸(24)に伝動する第1プーリ(21)と第2プーリ(23)を配置し、該連結部(43)の機体外側に、前記エンジン(E)の回転を前記筒状回転軸(34)に伝動する第3プーリ(31)と第4プーリ(33)を配置し、前記第1プーリ(21)と第2プーリ(23)に第1ベルト(22)を巻回し、前記第3プーリ(31)と第4プーリ(33)に第2ベルト(32)を巻回し、前記連結部(43)の機体内側面に、前記第1ベルト(22)を緊張または弛緩させる第1テンションローラ(26)を設け、前記連結部(43)の機体外側面に、前記第2ベルト(32)を緊張または弛緩させる第2テンションローラ(36)を設け、前記駆動状態切換手段(45)により該第1テンションローラ(26)と該第2テンションローラ(36)を揺動させることで、前記第1ベルト(22)の緊張時に前記第2ベルト(32)を弛緩させ、前記第1ベルト(22)の弛緩時には前記第2ベルト(32)を緊張させる構成とした請求項
4に記載のコンバインである。
【0014】
請求項6に係る発明は、
前記エンジン(E)の上側に左右方向に延在する上側回転軸(10)を設け、前記第1プーリ(21)を、該上側回転軸(10)の外側部に設け、前記第3プーリ(31)を、前記上側回転軸(10)の第1プーリ(21)よりも外側部に設け、前記第2プーリ(23)を、前記連結部(43)よりも機体内側に延在した回転軸(24)の内側部に設け、前記第4プーリ(33)を、前記連結部(43)よりも機体外側に至る筒状回転軸(34)の内側部に設けた請求項5
に記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1
に記載の発明によれば、エンジン(E)の外側に配置された左右方向の回転軸(10)から伝動用の第1ベルト(22)と第2ベルト(32)を介して駆動されるラジエータファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に設け、排塵ファン(30)の羽根(30A)の翼角を、ラジエータファン(20)の羽根(20A)の翼角と反対の角度に設定しているので、ラジエータファン(20)と排塵ファン(30)にエンジン(E)の回転を伝動する構成部品が削減でき、保守・点検作業の頻度を少なくすることができる。また、ラジエータファン(20)の吸入能力と排塵ファン(27)の排気能力が高く、コンバインのエンジン(E)のオーバヒートを抑制することができる。
また、ラジエータファン(20)の回転軸(24)を回転自在に軸支する支持部(25)の外周部に、排塵ファン(30)の筒状回転軸(34)の内周部を回転自在に装着しているので、ラジエータファン(20)の回転軸(24)と排塵ファン(30)の筒状回転軸(34)をコンパクトに配置でき、エンジン(E)とラジエータ(50)の間の空間を効率的に使用することができる。
【0016】
請求項2
に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、ラジエータファン(20)を排塵ファン(30)よりも機体外側に配置しているので、ラジエータファン(20)の吸入能力をより高めることができる。
【0017】
請求項3
に記載の発明によれば、請求項1または
請求項2
に記載の発明の効果に加えて、ラジエータファン(20)の羽根(20A)の外径を排塵ファン(30)の羽根(30A)の外径よりも大きくしているので、ラジエータファン(20)によって吸入された外気をエンジン(E)まで送風することができエンジン(E)を直接冷却することができる。
【0018】
請求項4
に記載の発明によれば、請求項1
から請求項3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、駆動状態切換手段(45)をラジエータファン(20)の羽根(30A)の外周部に配置しているので、ラジエータファン(20)の外気の吸入時に、駆動状態切換手段(45)が障害になることを防止することができる。
【0019】
請求項
5に記載の発明によれば、請求項
4に記載の発明の効果に加えて、ブラケット(40)の連結部(43)の機体内側に、エンジン(E)の回転を回転軸(24)に伝動する第1プーリ(21)と第2プーリ(23)を配置し、連結部(43)の機体外側に、エンジン(E)の回転を筒状回転軸(34)に伝動する第3プーリ(31)と第4プーリ(33)を配置し、第1プーリ(21)と第2プーリ(23)に第1ベルト(22)を巻回し、第3プーリ(31)と第4プーリ(33)に第2ベルト(32)を巻回し、連結部(43)の機体内側面に、第1ベルト(22)を緊張または弛緩させる第1テンションローラ(26)を設け、連結部(43)の機体外側面に、第2ベルト(32)を緊張または弛緩させる第2テンションローラ(36)を設け、駆動状態切換手段(45)により第1テンションローラ(26)と第2テンションローラ(36)を揺動させることで、第1ベルト(22)
の緊張時
に第2ベルト(32)を弛緩させ、第1ベルト(22)
の弛緩時に
は第2ベルト(32)を緊張させるので、エンジン(E)の回転を回転軸(24)に伝動する構成部品と、エンジン(E)の回転を筒状回転軸(34)に伝動する構成部品の共通化を図ることができ、構成部品の保守・点検作業の負担を軽減することができる。
【0020】
また、連結部(43)の機体内側にエンジン(E)の回転を回転軸(24)に伝動する構成部品をコンパクトに配置し、連結部(43)の機体外側にエンジン(E)の回転を筒状回転軸(34)に伝動する構成部品をコンパクトに配置でき、エンジン(E)とラジエータ(50)の間の空間をより効率的に使用することができる。
【0021】
請求項
6に記載の発明によれば、請求項
5に記載の発明の効果に加えて、第1プーリ(21)を上側回転軸(10)の外側部に設け、第3プーリ(31)を上側回転軸(10)の第1プーリ(21)よりも外側部に設け、第2プーリ(23)を連結部(43)よりも機体内側に延在した回転軸(24)の内側部に設け、第4プーリ(33)を連結部(43)よりも機体外側に至る筒状回転軸(34)の内側部に設けているので、エンジン(E)のクランク軸に取付けられているプーリに作用する横引き荷重を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするために便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0024】
コンバインは、
図1,2に示すように、機体フレーム1の下方には、土壌面を走行するための左右一対のクローラからなる走行装置2が配置され、機体フレーム1の上方左側には、脱穀・選別を行う脱穀装置3が配置され、脱穀装置3の前方には、圃場の穀桿を収穫する刈取装置4が配置されている。脱穀装置3で脱穀・選別された穀粒は、脱穀装置3の右側に配置されたグレンタンク5に貯留され、貯留された穀粒は、排出筒7によって外部に排出される。
【0025】
機体フレーム1の上方右側には、操作者が搭乗する操作部を備えた操縦席6が配置され、操縦席6の下方には、エンジンルーム8が配置されている。また、エンジンルーム8の右側には、エンジンルーム8の保守・点検用のカバー8Aが装着されており、カバー8Aの上下方向における中間部と下部には、目抜き鉄板等から形成された濾過体8Bが取付けられている。
【0026】
エンジンルーム8の内側には、
図3,4に示すように、エンジンEが配置され、エンジンEの右側(外気を吸入する上流側)には、一定の間隔を隔てて、エンジンEによって加熱された冷却水を冷却するラジエータ50が配置されている。
【0027】
エンジンEとラジエータ50の間には、外気をエンジンルーム8の内側に向かって吸入するラジエータファン20と、エンジンルーム8の内側の内気を外部に向かって排気し、濾過体8Bに付着した藁屑等の粉塵を除去する排塵ファン30が配置されている。なお、排塵ファン30は、ラジエータファン20の左側に配置されている。
【0028】
また、ラジエータ50の右側には、一定の間隔を隔てて、走行用ミッション等の駆動用オイルを冷却するオイルクーラ51と、エンジンEの燃焼用の混合気を冷却するインタークーラ52が配置されている。なお、オイルクーラ51とオイルクーラ51は、ラジエータ50とエンジンルーム8のカバー8Aの間に配置されている。
【0029】
エンジンEから出力された回転は、プーリ、ベルト等を介して、エンジンルーム8の上部に左右方向に向かって延設された上側回転軸(回転軸)10に伝動される。
上側回転軸10に伝動された回転は、上側回転軸10の右側端部に取付けられた第1プーリ21と、第1プーリ21と第2プーリ23に巻回された第1ベルト22を介して、エンジンルーム8の上下方向の中間部に左右方向に向かって延設された回転軸24の左側端部に取付けられた第2プーリ23に伝動される。
【0030】
第2プーリ23に伝動された回転は、回転軸24を介して、回転軸24の右側端部に取付けられたラジエータファン20に伝動され、ラジエータファン20を回転させる。
ラジエータファン20の回転時には、カバー8Aの濾過体8Bを介して、外気をエンジンルーム8の内側に吸入して、ラジエータ50等の表面に送風することにより、ラジエータ50の冷却効率を高めることができる。なお、便宜上、ラジエータファン20の回転時を駆動状態といい、ラジエータファン20の回転の停止時を停止状態という。
【0031】
エンジンEのクランク軸に取付けられたクランクプーリに作用する横引き荷重を抑制するために、第1プーリ21を後述する第3プーリ31よりも上側回転軸10の右側端部の左側に配置するのが好適である。
【0032】
同様に、上側回転軸10に伝動された回転は、第1プーリ21の右側に並設して取付けられた第3プーリ31と、第1ベルト22と並設して設けられ、第3プーリ31と第4プーリ33に巻回された第2ベルト32を介して、回転軸24を軸支する支持部25の外側に嵌装された筒状回転軸34の左側端部に形成された第4プーリ33に伝動される。なお、本実施形態にあっては、第4プーリ33を筒状回転軸34の左側端部に一体として形成しているが、第4プーリ33と筒状回転軸34を別体に形成することもできる。
【0033】
第4プーリ33に伝動された回転は、筒状回転軸34を介して、筒状回転軸34の右側端部に取付けられた排塵ファン30に伝動され、排塵ファン30を回転させる。
排塵ファン30の回転時には、カバー8Aの濾過体8Bを介して、内気を外部に排気して、内気を濾過体8Bに送風することにより、濾過体8Bに付着した粉塵を除去することができ、ラジエータファン20による外気の吸入効率を一定に維持することができる。なお、便宜上、排塵ファン30の回転時を駆動状態といい、排塵ファン30の回転の停止時を停止状態という。
【0034】
(ラジエータファン)
次に、ラジエータファン20について説明する。ラジエータファン20は、
図3,4に示すように、羽根20Aと、羽根20Aの基部を支持する中心部20Dから形成され、中心部20Dは、回転軸24の右側端部に取付けられている。
【0035】
ラジエータファン20の外気の吸入効率を高めるために、羽根20Aは、長羽根20aと、長羽根20aに近接して設けられた短羽根20bが、中心部20Dの円周方向に所定の間隔を隔てて、それぞれ8羽根ずつ設けられている。なお、部品点数を削減する観点から、
図5〜7に示すように、短羽根20bを並設せずに長羽根20aだけを中心部20Dの円周方向に所定の間隔を隔てて8羽根設けることもできる。
【0036】
(排塵ファン)
次に、排塵ファン30について説明する。排塵ファン30は、
図3,4に示すように、ラジエータファン20の外気の吸入効率の低下を防止するために、ラジエータファン20の左側に配置されている。
【0037】
排塵ファン30は、羽根30Aと、羽根30Aの基部を支持する中心部30Dから形成され、中心部30Dは、筒状回転軸34の右側端部に取付けられている。
ラジエータファン20の外気の吸入効率の低下を防止するために、羽根30Aの外径は、ラジエータファン20の羽根20Aの外径よりも小さく形成されている。
【0038】
また、ラジエータファン20と、排塵ファン30の伝動構成を簡易にし、エンジンルーム8内の空間を有効に活用するために、排塵ファン30の羽根30Aの翼角度は、
図6,7に示すように、ラジエータファン20の羽根20Aの翼角度と逆翼角度を持って中心部30Dに立設されている。これにより、排塵ファン30が取付けられた筒状回転軸34に伝動された回転方向と、ラジエータファン20が取付けられたラジエータファン軸に伝動された回転方向が同一回転方向であっても、ラジエータファン20においては、外気を吸入してエンジンルーム8の内側に送風でき、排塵ファン30においては、内気をエンジンルーム8の外側に排気することができる。なお、羽根30Aは、中心部30Dの円周方向に所定の間隔を隔てて8羽根設けられている。
【0039】
(ラジエータファン軸等の配置)
次に、回転軸24と筒状回転軸34を、支持部25を介して配置した構成について説明する。回転軸24を軸支する支持部25の左側部の外周部は、
図3,6に示すように、背面視において第2プーリ23と第4プーリ33の間に、上下方向に延設されたブラケット40の連結部43に取付けられている。
【0040】
回転軸24と筒状回転軸34の連結をコンパクトな構成にしてエンジンルーム8内の空間を有効に利用するために、回転軸24は、ベアリングを介して回転自在に支持部25に形成された開口部25Aに取付けられており、筒状回転軸34に形成された溝部34Aは、ベアリングを介して回転自在に支持部25の外周部に取付けられている。
【0041】
ブラケット40は、
図5に示すように、エンジンルーム8内における機体フレーム1から上方に向かって延設した前側フレーム1Aに取付けられる前側脚部41と、後側フレーム1Bに取付けられる後側脚部42と、前側脚部41と後側脚部42を連結して第2プーリ23と第4プーリ33の間に配置される連結部43が一体として形成されている。
【0042】
前側脚部41は、
図6に示すように、前側フレーム1Aに取付けられる基端部からエンジンEに向かって延設する延設部41Aと、延設部41Aの先端部から後方に向かって延出しながらエンジンEに向かって傾斜する傾斜部41Bから形成されている。
【0043】
同様に、後側脚部42は、後側フレーム1Bに取付けられた基端部からエンジンEに向かって延設する延設部42Aと、延設部42Aの先端部から前方に向かって延出しながらエンジンEに向かって傾斜する傾斜部42Bから形成されている。
【0044】
また、連結部43の前端部は、傾斜部41Bの後端部に連結されており、連結部43の後端部は、傾斜部42Bの前端部に連結されている。
(ラジエータファン等への伝動の切換え)
次に、エンジンEの回転をラジエータファン20または排塵ファン30に切換えて伝動する構成について説明する。
【0045】
エンジンEの回転は、上述したように、上側回転軸10、第1プーリ21、第1ベルト22、第2プーリ23、及び回転軸24を介してラジエータファン20に伝動される。
エンジンEの回転をラジエータファン20に伝動してラジエータファン20を回転するには、第1プーリ21と第2プーリ23に巻回された第1ベルト22の上下方向の略中間部に、第1テンションローラ26のローラ26Aを押圧させることにより第1ベルト22の張力を所定以上にすることにより行なう。すなわち、第1ベルト22の張力を所定以上の張力にすることにより、第1ベルト22と第1プーリ21の間、及び第1ベルト22と第2プーリ23の間での滑りを防止し、第1プーリ21に伝動されたエンジンEの回転を、第1ベルト22を介して第2プーリ23に伝動する。
【0046】
第2プーリ23に伝動された回転は、回転軸24を介してラジエータファン20に伝動され、リーニングファン20を回転させる。なお、ラジエータファン20が回転中には、排塵ファン30の回転は停止し、ラジエータファン20によりエンジンルーム8内に外気が吸入され、ラジエータ50、インタークーラ52、及びオイルクーラ51の冷却が行なわれる。
【0047】
一方、エンジンEの回転のラジエータファン20への伝動を遮断してラジエータファン20の回転を停止するには、第1ベルト22の上下方向の略中間部と第1テンションローラ26のローラ26Aを離間させることにより第1ベルト22の張力を所定未満にすることにより行なう。すなわち、第1ベルト22の張力を所定未満の張力にすることにより、第1ベルト22と第1プーリ21の間、及び第1ベルト22と第2プーリ23の間での滑りが発生し、第1プーリ21に伝動されたエンジンEの回転を、第1ベルト22を介して第2プーリ23に伝動することができなくなり、第1プーリ21と第2プーリ23の間における伝動が遮断される。
【0048】
エンジンEの回転が第2プーリ23に伝動にされないことから、回転軸24の回転が停止してラジエータファン20の回転も停止する。なお、ラジエータファン20の停止中には、排塵ファン30が回転し、エンジンルーム8内の内気をカバー8Aの濾過体8Bを介して外部への排気が行なわれる。
【0049】
エンジンEの回転は、上側回転軸10、第3プーリ31、第2ベルト32、第4プーリ33、及び筒状回転軸34を介して排塵ファン30に伝動される。
エンジンEの回転を排塵ファン30に伝動して排塵ファン30を回転するには、第3プーリ31と第4プーリ33に巻回された第2ベルト32の上下方向の略中間部に、第2テンションローラ36のローラ36Aを押圧させることにより第2ベルト32の張力を所定以上にすることにより行なう。すなわち、第2ベルト32の張力を所定以上の張力にすることにより、第2ベルト32と第3プーリ31の間、及び第2ベルト32と第4プーリ33の間での滑りを防止し、第3プーリ31に伝動されたエンジンEの回転を、第2ベルト32を介して第4プーリ33に伝動する。
【0050】
第4プーリ33に伝動された回転は、筒状回転軸34を介して排塵ファン30に伝動され、排塵ファン30を回転させる。なお、排塵ファン30の回転中には、ラジエータファン20の回転は停止し、排塵ファン30によりエンジンルーム8内の内気をカバー8Aの濾過体8Bを介して外部に排気し、濾過体8Bに付着した粉塵等の除去が行なわれる。
【0051】
一方、エンジンEの回転の排塵ファン30への伝動を遮断して排塵ファン30の回転を停止するには、第3ベルト32の上下方向の略中間部と第2テンションローラ36のローラ36Aを離間させることにより第2ベルト32の張力を所定未満にすることにより行なう。すなわち、第2ベルト32の張力を所定未満の張力にすることにより、第2ベルト32と第3プーリ31の間、及び第2ベルト32と第4プーリ33の間での滑りが発生し、第3プーリ31に伝動されたエンジンEの回転を、第2ベルト32を介して第4プーリ33に伝動することができなくなり、第3プーリ31と第4プーリ33の間における伝動が遮断される。
【0052】
エンジンEの回転が第4プーリ33に伝動にされないことから筒状回転軸34の回転が停止して排塵ファン30の回転も停止する。なお、排塵ファン30の停止中には、ラジエータファン20が回転し、エンジンルーム8内への外気の吸入が行なわれる。
【0053】
第1テンションローラ26と第2テンションローラ36の移動を、それぞれ別のモータによって駆動させることも可能であるが、エンジンルーム8内の空間を有効活用するために、本実施形態にあっては、
図3〜7に示すように、ブラケット40の左面の後側脚部42に設けられたステー46の右面に取付けられた、操縦席6から遠隔操作される1個のモータからなる駆動状態切換手段45によって駆動させている。なお、駆動状態切換手段45は、ラジエータファン20の外気の吸入効率の低下を防止するために、ラジエータファン20の羽根20Aの外周部よりも外側に配置するのが好適である。
【0054】
第1テンションローラ26と第2テンションローラ36の取付け部品を削減し、第1テンションローラ26と第2テンションローラ36の組立て作業を容易にするために、第1テンションローラ26のローラ支持部26Bの基部をブラケット40の連結部43の左面の前側下部に回転自在に取付け、第2テンションローラ36のローラ支持部36Bの基部をブラケット40の連結部43の右面の前側下部に回転自在に取付けている。
【0055】
また、第1テンションローラ26のローラ支持部26Bの上下方向の中間部は、ブラケット40の連結部43の左面に配置された第1接続片27により駆動状態切換手段45の回転軸に取付けられた回転板45Aの一端部に連結され、第2テンションローラ36のローラ支持部36Bの上下方向の中間部は、ブラケット40の連結部43の右面に配置された第2接続片37により駆動状態切換手段45の回転軸に取付けられた回転板45Aの他端部に連結されている。
【0056】
エンジンルーム8内の空間を有効活用するために、背面視において、第1テンションローラ26のローラ支持部26Bは、第1ベルト22と第2プーリ23の左側であって、第1ベルト22に近接して配置し、第2テンションローラ36のローラ支持部36Bは、第2ベルト32と第4プーリ33、及び排塵ファン30の間であって、第2ベルト32に近接して配置するのが好適である。
【0057】
また、第1テンションローラ26と第2テンションローラ36の移動を容易に行なうために、
図3に示すように、第1テンションローラ26のローラ支持部26Bの基部には、モータ25と反対方向の前側にリターンスプリング29を取付け、第2テンションローラ36のローラ支持部36Bの基部には、モータ25と反対方向のリターンスプリング39を取付けるのが好適である。なお、リターンスプリング29,39の前端部は、それぞれブラケット40の前側脚部41の左右面に取付けられている。
【0058】
第1テンションローラ26の移動に伴う衝撃を緩和するために、第1接続片27は、ローラ支持部26Bから後側に向かって延在する前側接続片27Aの後端部と、回転板45Aの一端部から前側に向かって延在する後側接続片27Bの前端部は、スプリング27Cで連結されている。また、同様に、第2接続片37は、ローラ支持部36Bから後側に向かって延在する前側接続片37Aの後端部と、回転板45Aの他端部から前側に向かって延在する後側接続片37Bの前端部は、スプリング37Cで連結されている。
【0059】
第1テンションローラ26がローラ支持部26Bを中心として反時計方向に回転し、ローラ26Aが、第1ベルト22の押圧状態から離間状態に移動した場合における慣性力によるラジエータファン20の回転を停止させると共に、第1ベルト22に生じる異常変形に伴う耐久性の劣化を防止するために、ローラ支持部26Bの基部の第2プーリ23の外周部に対向する部位には、第1ストッパ28が設けられている。
【0060】
側面視において、第1ストッパ28は、略ヘ字形状に形成されており、第1テンションローラ26がローラ支持部26Bを中心として反時計方向に回転した場合に、第1ストッパ28の後部が、第2プーリ23に巻回された第1ベルト22に押圧して、慣性力によるラジエータファン20の回転を停止させる。
【0061】
同様に、第2テンションローラ36がローラ支持部36Bを中心として反時計方向に回転し、ローラ36Aが、第2ベルト32の押圧状態から離間状態に移動した場合における慣性力による排塵ファン30の回転を停止させると共に、第2ベルト32に生じる異常変形に伴う耐久性の劣化を防止するために、ローラ支持部36Bの基部の第4プーリ33の外周部に対向する部位には、第2ストッパ38が設けられている。
【0062】
側面視において、第2ストッパ38は、略ヘ字形状に形成されており、第2テンションローラ36がローラ支持部36Bを中心として反時計方向に回転した場合に、第2ストッパ38の後部が、第4プーリ33に巻回された第2ベルト32に押圧して、慣性力による排塵ファン30の回転を停止させる。
【0063】
なお、
図5は、ラジエータファン20が回転し、排塵ファン30が停止した状態を示している。すなわち、駆動状態切換手段45を回転させて、回転板45Aの後側接続片27Bの後端部が取付けられた部位を後側(
図5における3時の方向)に移動させ、第1接続片27により第1テンションローラ26をローラ支持部26Bの基部を中心として時計方向に移動させ、第1テンションローラ26のローラ26Aを第1ベルト22に押圧させている。
【0064】
一方、回転板45Aの後側接続片37Bの後端部が取付けられた部位を前側(
図5における9時の方向)に移動させ、第2接続片37により第2テンションローラ36をローラ支持部36Bの基部を中心として反時計方向に移動させ、第2テンションローラ36のローラ36Aを第2ベルト32の後側に移動して、第2テンションローラ36のローラ36Aを第2ベルト32から離間した状態を図示している。