特許第5822560号(P5822560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5822560-ポリアミドフィルムの製造方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5822560
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月24日
(54)【発明の名称】ポリアミドフィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 47/88 20060101AFI20151104BHJP
   B29C 47/14 20060101ALI20151104BHJP
   B29C 55/12 20060101ALI20151104BHJP
   B29K 77/00 20060101ALN20151104BHJP
   B29L 7/00 20060101ALN20151104BHJP
【FI】
   B29C47/88 Z
   B29C47/14
   B29C55/12
   B29K77:00
   B29L7:00
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-143628(P2011-143628)
(22)【出願日】2011年6月29日
(65)【公開番号】特開2013-10225(P2013-10225A)
(43)【公開日】2013年1月17日
【審査請求日】2014年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 健二
【審査官】 山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−019741(JP,A)
【文献】 特開2009−234229(JP,A)
【文献】 特開2012−006271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/00−47/96
B29C 55/02−55/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイよりシート状に溶融押出成形されたポリアミド樹脂を冷却ロール表面に押出し、エアーナイフから空気流を吹き付けることにより樹脂シートを冷却ロール表面に密着させるシート冷却成形方法において、溶融押出シートが冷却ロールに接する接触線よりシートの流れ方向に対して下流側に設けた耳押さえノズルから空気流を吹き付けることで、冷却ロールの回転に伴い冷却ロールの表面で発生し接触線で遮断される随伴空気流を、樹脂シートの左右へ分流分散させたうえで、シートの巾方向の左右両端を冷却ロールに押さえ付けて冷却することを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項2】
耳押さえノズルから空気流を吹き付けてシートの左右両端を押さえ付ける位置を、シートの走行方向に沿って冷却ロールに接触しているシート温度が、シートの巾方向の中央位置において押出温度から120℃に冷却される範囲とすることを特徴とする請求項1記載のポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項3】
冷却成形されたキャストシートを延伸することを特徴とする請求項1または2記載のポリアミドフィルムの製造方法。
【請求項4】
リニアモータ方式で駆動されるテンターにより二軸延伸することを特徴とする請求項3記載のポリアミドフィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリアミドフィルムの製造方法に関し、詳しくは、押出工程直後のキャストシートの冷却成形段階である製膜工程に主眼をおいたポリアミドフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミドフィルムのTダイ法による製膜方法では、Tダイのスリットノズルよりポリアミド樹脂がシート状に溶融押出され、この溶融押出シートが、キャスティングロールと称される冷却ロール(以下、「CR」と略称することがある)に引き取られて冷却固化されることで、未延伸キャストシートとして成形される。
【0003】
ポリアミドフィルムの製膜工程における溶融押出シートのCRへの押し付け方法として、エアーナイフからスリット状空気流をシートの巾方向に線状に均一に吹き付ける方法(以下、「エアーナイフ法」と略称する)が、従来から採用されている(たとえば特許文献1)。
【0004】
ところが、エアーナイフ法では、Tダイのスリットノズル先端からCR上のシートの接触線に至るエアーギャップ(以下、「AG」と略称することがある)において、溶融押出シートのドラフト変形を乱す不均一な外乱現象に起因したランダムな波状の冷却ムラや厚みムラを招くという厄介な問題がある。
【0005】
詳細には、エアーナイフからスリット状空気流をCR側に吹き付けることによって、その吹き付け直下では、溶融押出シートはCR面に対して巾方向一直線に押し付けられて接触する。またAGでの巾変動を固定する目的で、シートの巾方向に対して左右両端の位置に耳押さえ用ノズルを設け、この耳押さえ用ノズルからの空気流によって、溶融押出シートの巾方向の両端部のみをスポット的にCR面に密着させる。通常これまで、この耳押さえ用ノズルは、シートの走行方向に対してエアーナイフよりも上流側(すなわちCR上のシートの接触よりも上手側の左右の位置)に設けられる。
【0006】
CRの回転に伴いCR表面では随伴空気流が発生する。この随伴空気流は、AGの終端の位置すなわち溶融押出シートがCR上に接触する接触線で遮断され、左右すなわちシートの巾方向に分流分散しようとする。このとき、上記のように耳押さえ用ノズルを設けた設備では、CRとの接触線よりも先に、耳押さえ用ノズルからの空気流で溶融押出シートの両端部がCRに密着されるために、左右に分流しようとする随伴空気流は、CRとの接触線と耳密着部とで形成されるデルタ領域に袋状に閉じ込められることになる。これによって、CRとの接触線の近傍では、閉じ込められた随伴空気流(動圧)によって溶融押出シートが膨らみ、CRから浮き上がる現象が起きる。このシートの浮き上がり現象が生じると、均一なドラフト変形に異常を来たすと共に、AGが振動して局所的にCRとの接触線が前進後退する変動を招くことになる。これらの現象は、特にシートの巾方向の端部に強く起き易い。これらの現象が生じると、シートの巾方向に一直線であった接触線が、シートの走行方向に対して前後に乱れ変動するために、キャストシートには波状の冷却ムラが起こり、これがフィルム物性のムラの原因となる。
【0007】
この現象はCRの回転速度に依存する。高速化を図ってCRの回転速度を上昇させるほど、問題が顕在化するため、この現象はフィルムの高速生産性を阻害する重大な要因である。
【0008】
一般的にポリアミド樹脂は結晶性の高い樹脂であり、上述の波状の冷却ムラは、シートの結晶化度のムラとなり、後段の吸水処理工程における走行トラブルや延伸工程での延伸性の障害の原因となる。これらのトラブルや障害は、延伸されたポリアミドフィルムの物性、特にフィルムの厚みムラ、表面平滑度、収縮性等々に影響するため、未延伸キャストシートの均一冷却はフィルム製造に関しての重要なファクターである。
【0009】
しかしながら、こういったエアーナイフ法におけるAG成形障害については、これまで有効な対策は施されていない。近年、優れたフィルム品質を求められる生産ラインでは、AG成形障害の影響を受け難くするためにCR速度を遅くせざるを得ず、このため工業的に充分な高速生産性を達成できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3369381号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように従来の技術においては、高品質のポリアミドフィルムについて工業的にコストパーフォーマンスを満足した高速生産性を確保できないという問題点がある。
【0012】
そこで本発明では、エアーナイフ法における溶融押出シートのドラフト変形を乱す外乱現象を抑え、高速での生産時にも均一な冷却成形を可能にすることで、優れたフィルム品質を維持しつつ高速でポリアミドフィルムを生産できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ダイよりシート状に溶融押出成形されたポリアミド樹脂を冷却ロール表面に押出し、エアーナイフから空気流を吹き付けることにより樹脂シートを冷却ロール表面に密着させるシート冷却成形方法において、溶融押出シートが冷却ロールに接する接触線よりシートの流れ方向に対して下流側に設けた耳押さえノズルから空気流を吹き付けることで、冷却ロールの回転に伴い冷却ロールの表面で発生し接触線で遮断される随伴空気流を、樹脂シートの左右へ分流分散させたうえで、シートの巾方向の左右両端を冷却ロールに押さえ付けて冷却することを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法である。
【0014】
本発明によれば、耳押さえノズルから空気流を吹き付けてシートの左右両端を押さえ付ける位置を、シートの走行方向に沿って冷却ロールに接触しているシート温度が、シートの巾方向の中央位置において押出温度から120℃に冷却される範囲とすることができる。
【0015】
また本発明によれば、冷却成形されたキャストシートを延伸することができる。その場合に、リニアモーター方式で駆動されるテンターにより二軸延伸することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シートの回転冷却ロールとの接触線よりもシートの走行方向に対して下流側の位置に設けられた耳押さえ用ノズルによって、同ロールの表面の随伴空気流の左右への分流分散を妨げないようにすることができるとともに、シートの浮上りや振動の発生を防ぐことができ、エアーギャップにおける溶融押出シートのドラフト変形を安定させることができる。しかも、同ロールの表面に接触したシートの耳部の同ロールの表面への密着固定を強化するため、同ロールの表面でシートが滑ったり、また何らかの切っ掛けで不安定な巾変動が生じることを、確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態のポリアミドフィルムの製造方法を説明する図である。
図2図1における要部の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示す製膜方法は、エアーナイフ法を示すものである。ここで、Tダイ1よりシート状に溶融押出されたポリアミド樹脂2は、CR3の表面に接触され、このCR3に引き取られる。エアーナイフ4は、樹脂2のシート5に空気圧6を掛け、このシート5をCR3の表面に接触させて冷却固化させる。7は、CR3へのシート5の接触線、すなわち、シート5がCR3に接触し始める位置を表す線である。8は耳押さえ用ノズルで、シート5の走行方向に対して接触線6よりも下流側の位置に設けられ、シート5の巾方向の両端の耳部9に空気圧10を掛けることで、耳部9をCR3へ押さえ付ける。
【0019】
エアーナイフ4としては、一般に使われているエアーナイフを用いることができる。例えば、本体とノズルとで構成され、固定ノズルと可動ノズルとがボルトで締結され、高圧ブロワーで送り込まれた空気をシート5の巾方向に噴出すものや、二分割構造の板状エアーナイフ部材同士の間にシムを挟みこんでボルトで締結し、一端にスリット状のノズルを形成した構成であって、圧縮空気が供給された内部チャンバーからその圧縮空気をスリット状のノズルを介して外部に吹き出す方式のものなどを用いることができる。
【0020】
エアーナイフ4の先端リップはCR3に対向して配置されるが、その先端リップとCR3との間隔や、エアーナイフ4からの噴出空気圧は、溶融状態のシート5をCR3に押し付ける効果が得られる範囲で任意に設定することができる。具体的には、エアーナイフ4の先端リップとCR3との間隔は、通常1〜10mmであり、好ましくは1〜5mmである。噴出空気圧は、特に限定されるものではない。
【0021】
本発明においては、上述のように、Tダイ1から溶融押出された樹脂2のシート5がCRに接触する接触線7よりシート5の走行方向に対して下流側の位置で、シート5の巾方向の左右両端の耳部9を耳押さえ用ノズル8でCR3へ押さえ付けて冷却成形することが最も重要である。これにより、CR3の表面の随伴空気流の左右への分流分散を妨げないようにすることができる。
【0022】
このように耳部9をCR3へ押さえ付けることで、接触線7の近傍でのシート5の浮上りや振動の発生を防ぐことができ、AGにおける溶融押出シート5のドラフト変形を安定させることができる。
【0023】
しかし、耳部9を単にCR3に押さえ付けただけでは、シート5の巾寸法の変動が課題として残る。つまり、AGではまだ溶融状態であるシート5は、そのドラフト比にもとづいて作用しているメルトテンションと、AG周りの状態変化とによってネックインの巾が簡単に変動してしまう。その原因は、次の通りである。すなわち、空気流を吹き付けているエアーナイフ直下の接触線7上では、溶融押出シート5はまだCR3の表面に完全に密着しているのではなく、シート5とCR3の表面との間に僅かな空気層が存在し、シート5とCR3とは多点接触している状態にある。このため、軟らかく粘性を有する溶融状態の樹脂2の収縮力とCR3の表面の接触保持力とのバランスが崩れると、CR3の表面に沿ってシート5が滑ったり、また何らかの切っ掛けで接触巾が広くなったりして、不安定な巾変動を繰り返す可能性がある。
【0024】
これに対し本発明では、接触線7よりもシート5の走行方向に沿った下流側の位置に耳押さえ用ノズル8を設けて、CR3の表面に接触したシート5の耳部9のCR3の表面への密着固定を強化することによって、上記のような巾変動を防ぐことができる。
【0025】
耳押さえ用ノズル8自体は、従来から知られている構成のものを適用できる。例えば、市販のスプレーノズル、先端を円錐状に形成した空気ノズル、細管や薄肉管の先端を平たくスリット状に絞った構成のノズルなどを適用することができる。なお、これらに限定されるものではない。さらに、例えばXYZθステージを用いて耳押さえ用ノズル8の位置およびノズル角度を微調整できるようにすると、操作性が向上する。
【0026】
本発明によれば、シート5の巾方向に対して左右両端の耳部9をノズル8から空気流を吹き付けて押さえる位置が、図2に示すように、CR3に接触して走行しているシート5のシート温度が、巾方向の中央位置において押出温度から120℃に冷却される範囲11とすることが好ましい。これは、上記と同様に、接触線7の近傍のシート5がまだ軟らかい粘性ポリマーの状態のときに、シート5の巾方向の両端を先行して密着固定することが重要なためである。シート5の中央位置の温度が120℃未満に冷却されてしまった位置では、その位置で耳部9を押さえても、それ以前に生じる上述の巾変動に対応できず、巾変動を抑制する効果が生じない。この観点から、耳押さえ用ノズル7は、エアーナイフ4からの空気流を妨げず、しかも接触線7に近接した位置に配置することがより好ましい。
【0027】
CR3としては、内部に冷却媒体が常時循環する構造を持つものを用いることができる。CR3の表面材としては、硬質クロムメッキ、セラミック溶射コートなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。CR3の表面については、粗面加工されていると、CR3の表面とシート5との間に介在する空気層が安定するので好ましい。また、セラミック溶射コートを施したCR3であると、シート5を構成する樹脂2に含まれるモノマーの付着を少なくすることができる。
【0028】
冷却固化された後にCR3から剥離されるときのフィルム12の温度は、CR3の表面温度の設定により自由に選ぶことができる。剥離時の好ましいフィルム温度は、15〜60℃の範囲である。このためのCR3の表面温度の設定は、CR3の内部を循環する水温による調整や、CR3の表面粗さを変更することによって行うことが可能である。剥離温度が15℃未満であると、CR3の表面に水滴が露結して、水膜による密着ムラが製膜上のトラブルの原因となる。剥離温度の上限の60℃は、ポリアミド樹脂のガラス転移点Tgより高い温度であり、これより高温になると、CR3からの剥離が困難になり、剥離応力によってフィルムが縦方向に伸ばされるために厚みや平坦性が大きく損なわれる。
【0029】
本発明にもとづきエアーナイフ法で冷却成形されたキャストシートは、さらに、延伸して延伸ポリアミドフィルムとすることができる。その延伸方法としては、縦または横一軸延伸方法、逐次二軸延伸方法、同時二軸延伸方法など、各種の方法を適用することができる。なかでも、逐次二軸延伸方法、同時二軸延伸方法が好ましい。同時二軸延伸方法としては、クリップの駆動方式によって、パンタグラフ式、スクリュー式、リニアモーター式などがあるが、特に、リニアモーターによってクリップが個別駆動されるリニアモーター式テンターが、高速走行性に優れていることから、ポリアミドフィルムの高速生産が可能となる本発明に適用するものとして最適である。
【0030】
本発明の方法により製造されるフィルムを構成するポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66が代表的なものである。その他に、ナイロン11、ナイロン12等の単独重合体も使用可能である。さらに、これらのポリアミド樹脂同士の混合物や共重合体等も使用することができる。上記ポリアミド樹脂には、公知の添加剤、例えば安定化剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、着色剤などを含有させてもよい。
【実施例】
【0031】
まず、以下の実施例、比較例における試料の評価方法について説明する。
【0032】
(1)厚み測定評価
フィルムの巾方向をTD方向、フィルムの流れ方向をMD方向と称する。
接触式厚み計を用いて二軸延伸ポリアミドフィルムの厚みを、TD方向に200mmピッチの位置について、MD方向に5mmピッチで10m測定した。更に、このMD方向の厚み測定の最大標準偏差σの±2σのレンジを厚さムラとした。具体的な厚み計としては、山文電気社製の接触式卓上型オフライン厚み測定装置(TOF−5R)を使用した。
次に下記の基準によって厚みムラの評価を行った。
○:厚さムラ良好 1.0μm未満
△:厚さムラ限界 1.0μm以上〜2.0μm未満
×:厚さムラ不良 2.0μm以上
【0033】
(2)偏光板観察によるムラの評価
光源の上に第1の偏光板をのせて固定し、その上に供試フィルムをのせ、さらに第2の偏光板を重ね、この第2の偏光板を回転させながら観察し、下記の基準によって評価を行った。
○:ムラがまったく観察されず良好
△:ムラの観察限界
×:波状ムラが観察され不良
【0034】
[実施例]
口径115mmの押出機と巾600mmのTダイスを用いて、押出温度260℃でポリアミド樹脂をシート状に溶融押出した。この溶融シートを直径1000mmの表面に硬質クロムメッキした、表面粗さがRz3μmのCR上に、エアーナイフ法で密着させて冷却し、厚み150μmのキャストシートを製膜した。次に、得られたキャストシートを水温50℃の吸水処理装置に通し、その後に連続して同時二軸延伸機にて、縦方向に3.0倍、横方向に3.3倍に延伸し、厚み15μmの二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
【0035】
巾600mmのエアーナイフを用いて、エアーナイフの先端とCRとの間隔を3mmにセットし、エアーナイフより空気流を吹き付けることにより溶融押出シートをCRの表面に押し付けるようにした。CRの表面温度は20℃に調整した。
【0036】
耳押さえ用ノズルとしては、先端内径1mmのステンレス細管を用いた。耳を押さえる位置は、CRに接触しているシート温度が、巾方向の中央位置で190℃の位置における巾方向の左右端とし、ノズル角度を微調整して同ノズルを固定した。シートの剥離点の温度は25℃であった。尚、シート温度の測定には、日本アビオニクス社製の赤外線サーモグラフィ装置(TVS200)を使用した。
【0037】
その結果を表1に示す。いずれの生産速度の場合も、厚みムラは0.8μmで、偏光版観察でもムラは見られなかった。また巾変動は起きずに長時間安定して生産できた。
【0038】
[比較例]
耳押さえ用ノズルを、シートのCRとの接触線よりシートの走行方向に対して手前(すなわち上流側)20mmの位置に設けた。それ以外は上記の実施例と同様にして、二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。
【0039】
その結果を表1に示す。厚みムラは1.2μmであり、偏光板観察で波状ムラが確認された。このため、品質確保を目的として生産速度を下げざるを得なかった。
【0040】
【表1】
【符号の説明】
【0041】
1 Tダイ
2 ポリアミド樹脂
3 回転式の冷却ロール
4 エアーナイフ
5 シート
7 接触線
8 耳押さえ用ノズル
図1
図2