(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロックレバーは、前記ロック位置にあるとき、前記検出レバーに係合することにより前記検出レバーの前記非検出位置から前記検出位置への移動を阻止し、前記アンロック位置にあるとき、前記検出レバーから外れることにより前記検出レバーの前記非検出位置から前記検出位置への移動を可能にすることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
前記ロックレバーは、付勢手段により前記ロック位置へ付勢され、前記球通路に滞留する複数の遊技球が乗り上げることによって、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ロック位置から前記アンロック位置へ移動することを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の遊技機においては、上皿で貯留しきれなくなった遊技球が球通路を下皿へ向けて流下する際、遊技球が設定通りの経路を辿って流下する状態においては満タン検出スイッチに当接することはないが、球通路を流下する多数の遊技球の一部には、遊技球同士の衝突等によって流下方向、流下速度等が変化し、下皿が満タンになっていないにも係わらず満タン検出スイッチに当接するものもある。このように、下皿が満タン状態になっていないにも係わらず遊技球が満タン検出スイッチに当接した場合、下皿に遊技球が満タンであると誤検出しないように、通常、満タン検出スイッチが遊技球を検出した時間を計測し、計測時間が所定時間を超えた場合のみ下皿が満タンであると判断して、下皿が満タンである旨をスピーカ等を利用した遊技者の聴覚を通した音声報知、画像表示器あるいは発光素子を使用した遊技者の視覚を通した報知の他、下皿満タン状態の検出信号を遊技場の管理コンピュータ等、遊技機の外部機器に対して出力することにより、遊技場の係員が携帯する端末装置(情報端末機、ヘッドセット等の業務指示装置等)を通して満タン状態を報知するようにしている。なお、以下、このように下皿が満タン状態になっている状態を遊技機から遊技者の視覚、聴覚を通じて報知すること、及び外部機器に遊技機の下皿満タン状態の検出信号を出力することを、以下、単に「音声報知」と記す。
【0005】
しかし、満タン検出スイッチが遊技球を検出した時間を計測する手段においては、遊技球の流下方向や速度の変化等による誤検出に対しては対応可能であるが、下皿内で遊技球同士の球噛み現象等が発生して、下皿に遊技球が完全に満タンになっていないにも係わらず、遊技球が満タン検出スイッチを所定時間押し続けて、下皿が満タンである旨を遊技者に対して誤報知する虞がある。さらには、遊技球が球通路を流下する際、遊技球が既に球通路内に滞留している遊技球に流下する勢いで衝突すると、流下した遊技球が跳ね上がって満タン検出スイッチの検出部に当接して検出部を検出状態に作動させる場合がある。遊技球が満タン検出スイッチの検出部に当接する頻度が多いと、満タン検出スイッチを有接点式のものを採用している場合には、満タン検出スイッチの接点寿命を縮めることとなる。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、下皿が遊技球で満タンになったことを確実に検出可能とすると共に、満タン検出スイッチの接点寿命を延ばすことを可能にした遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
第1の発明は、遊技球を払出可能な球払出装置から払い出される遊技球を貯留可能な上皿と、前記上皿の下方に設けられる下皿と、前記上皿で貯留しきれない遊技球を前記下皿へ誘導可能な球通路と、前記下皿が満タンになることに伴って前記球通路に滞留する遊技球が当接することにより非検出位置から検出位置へ移動可能な検出レバーと、前記検出レバーが前記検出位置に移動したことを検出することにより前記下皿に遊技球が満タンになったことの検出信号を出力可能な満タン検出スイッチと、前記球通路にあって、前記検出レバーの前記非検出位置から前記検出位置への移動を阻止するロック位置及び、前記球通路に滞留する遊技球が乗り上げることによって前記検出レバーの前記非検出位置から前記検出位置への移動を可能にするアンロック位置に移動可能なロックレバーとを備える。
【0008】
なお、下皿の満タン状態とは、下皿にのみ遊技球が補充されている状態の他、例えば大役の発生時に遊技機から集中的に賞品としての遊技球が継続して払い出される場合、初期状態では上皿に遊技球が漸次払い出され、上皿の許容量を超えると、溢れ球は下皿に誘導され、さらに下皿の許容量を超えると、溢れ球が下皿から球通路に向かって溢れ、やがて球通路の許容量を超える状態を意味する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記ロックレバーは、前記ロック位置にあるとき、前記検出レバーに係合することにより前記検出レバーの前記非検出位置から前記検出位置への移動を阻止し、前記アンロック位置にあるとき、前記検出レバーから外れることにより前記検出レバーの前記非検出位置から前記検出位置への移動を可能にする。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記ロックレバーは、付勢手段により前記ロック位置へ付勢され、前記球通路に滞留する複数の遊技球が乗り上げることによって、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ロック位置から前記アンロック位置へ移動する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、下皿に満タンになった遊技球が球通路に滞留することによって、検出レバーの検出位置への移動が可能になるため、満タン検出スイッチの誤検出を防止すると共に、満タン検出スイッチの接点寿命を延ばすことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、パチンコ機1は、外郭を形成してパチンコホールの島設備に設置される矩形枠状の外枠2を備える。外枠2の前面には、合成樹脂または金属等で形成された内枠3が嵌め込まれており、内枠3の下側には、合成樹脂の下飾り板4が設けられる。
【0014】
内枠3は、左上下部が外枠2の左上下部に設けられた一対のヒンジ部21、22により鉛直軸回りに前後方向へ開閉可能に枢支される。
【0015】
内枠3の前面には、パチンコ機1の前面を形成する枠状の前扉5が上下一対のヒンジ部21、22により鉛直軸回りに前後方向へ開閉可能に枢支されている。前扉5には、ガラス板6が嵌め込まれている。
【0016】
さらに、内枠3には、盤面に円形の遊技領域71を形成した遊技盤7が着脱可能にセットされている。遊技盤7の盤面はガラス板6により覆われ、遊技領域71は、ガラス板6を透して前方から視認可能となっている。外枠2の前面左下部には、遊技の状況に応じた効果音を出力する低音用のスピーカ8が設けられる。また、遊技盤7の裏側には、遊技を電気的に制御するための制御部(図示略)が配置される。
【0017】
遊技領域71には、遊技盤7の下側に設けられる発射装置(
図2参照)11により遊技領域71に打ち込まれた遊技球の流下方向を変化させる多数の遊技釘(図示略)、遊技領域71に打ち込まれた遊技球が入賞可能な始動口72、複数列の図柄を変動表示可能な例えば液晶ディスプレイからなる表示部73、遊技者にとって不利な第1状態(遊技球が入賞不能な閉鎖状態)と遊技者にとって有利な第2状態(遊技球が入賞可能な開放状態)とに変化可能な大入賞口74、遊技領域71に打ち込まれた遊技球のうち始動口72、大入賞口74等に入賞しなかったアウト球を遊技盤7の裏面側に送り出すアウト口75等が設けられる。
【0018】
遊技領域71に打ち込まれた遊技球が始動口72に入賞すると、これを契機に制御部によって所定の確率に基づいて実行される抽選の結果、大当りとなって表示部73に変動表示されていた図柄が所定の組合せで停止して大当り(大役)に確定表示された場合(例えば、複数列に同一の図柄が揃った場合)には、大当り状態を生起させて、大入賞口74を第1状態から第2状態に変化させる。大当り状態のときには、第2状態にある大入賞口74に多数の遊技球が入賞可能となり、遊技盤7の裏側に設けられる球払出装置(
図3参照)20から賞球として大量の遊技球が払い出される。
【0019】
前扉5の左右両側には、遊技の状況に応じて点灯、消灯及び点滅して照明による演出を行う複数の光源を内蔵した照明部9L、9Rが設けられ、また、同じく左右上部には、遊技の状況に応じた効果音を出力する中高音用のスピーカ10L、10Rが設けられる。さらに、前扉5の前面下部には、払出装置20から払い出される遊技球を貯留して発射装置11へ供給可能な上皿12と、上皿12の真下にあって、上皿12で貯留しきれなくなった遊技球を貯留するための下皿13が設けられる。
【0020】
上皿12は、貯留される遊技球が正面視で右方向へ転動するように、底面が正面視で左側から右側へ向けて下り傾斜している。さらに、上皿12の底面の傾斜方向下流側には、上皿12に貯留される遊技球を1列に整列して発射装置11へ誘導する整列通路121が設けられる。
【0021】
上皿12の左奥面には、球払出装置20から払い出される貸し球や賞球等の遊技球が排出される球払出口122が設けられる。
【0022】
下皿13の奥面には、上皿12に貯留しきれなくなって後述の下皿球通路154により誘導されてくる遊技球を下皿13に排出するための球払出口131が設けられる。さらに、下皿13の底面には、下皿13の前面に左右方向へスライド可能に設けられた下皿用球抜きレバー132を操作することにより開放して下皿13に貯留されている遊技球を下皿13の下方に配置される球箱(図示略)へ排出するための球抜き孔133が設けられる。
【0023】
前扉5の前面右下部には、発射装置11と電気的に接続されて打球の発射力を調整するための発射ハンドル14の握り部位に設けられたハンドルリング14aが水平軸回りに回転可能に設けられる。
【0024】
パチンコ機1内の内枠3における遊技盤7の下側には、
図3に示すような球誘導ユニット15が設けられる。球誘導ユニット15は、合成樹脂製の前側の第1ケース15Aと、第1ケース15Aの後側に組み付けられる第2ケース15Bとから構成される。なお、第1ケース15Aの前面には、
図2に示すように、第1ケース15Aの前面を閉塞するカバー15C及び発射装置11等が組み付けられるが、
図3においては、球誘導ユニット15の内部構造を明示するため、カバー15C及び発射装置11等を省略して示している。
【0025】
なお、本実施形態においては、球誘導ユニット15は、内枠3の下側に配置されて、球誘導ユニット15と内枠3とを別体に設けている例を説明するが、これに限定されるものではなく、球誘導ユニット15と内枠3とを一体に設けた構成としても良い。また、第1ケース15Aと第2ケース15Bとを一体構造としても良い。
【0026】
球誘導ユニット15には、第2ケース15Bの左奥上部にあって、球払出装置20から払い出される貸し球や賞球(以下、「遊技球B」と記す)を受け入れる球受入口151と、第1ケース15Aの左上面にあって、前扉5を閉じた状態で、球受入口151から受け入れた遊技球Bを上皿12へ誘導するように上皿12の球払出口122に連通する上皿球通路152と、第2ケース15Bの前面にあって、上皿12に貯留しきれなくなって上皿球通路152に溢れた遊技球Bを下皿12へ向けて流下させるための下皿球通路153と、第1ケース15Aの前面下部にあって、前扉5を閉じた状態で、下皿球通路153を流下した遊技球Bが下皿13に流れ込むように、下皿13の球払出口131に連通する下皿連通口154が設けられる。
【0027】
図4、5に示すように、球誘導ユニット15の第2ケース15Bに設けられる下皿球通路153は、上皿球通路152上に溢れて下皿球通路153を流下する遊技球Bを右方向(下流方向)へ転動させるように上面が右下向き傾斜する上傾斜面1531と、上傾斜面1531上の右端から落下した遊技球Bを受け止めて右方向へ誘導し得るように、上傾斜面1531よりも低い位置にあって、かつ右方向へ僅かに下り傾斜する下傾斜面1532と、下傾斜面1532に誘導された遊技球Bを下皿連通口154へ向けて誘導し得るように傾斜する前向傾斜面1533とを連続して形成する。
【0028】
下皿球通路153における上流側の上傾斜面1531の右端下方には、前後方向の軸171回りに左右方向へ揺動可能に枢支される検出レバー17と、検出レバー17の左側に配置され、検出レバー17の揺動を検出可能な有接点式の満タン検出スイッチ16とが設けられる。
【0029】
下皿球通路153における下流側の下傾斜面1532には、前後方向の軸181回りに上下方向へ揺動可能なロックレバー18が設けられる。
【0030】
検出レバー17は、常時は右側面が上傾斜面1531と下傾斜面1532との間の垂直方向を向く段差面1534から下皿球通路153へ突出した非検出位置(
図4〜7、
図9〜11に示す位置)に保持され、下皿13が満タンになることに伴って下皿球通路153の下流側に滞留する遊技球Bが右方から当接することによって非検出位置から左方へ所定角度揺動する検出位置(
図8、12に示す位置)に移動する。なお、検出レバー17を非検出位置に保持する手段としては、本実施形態においては満タン検出スイッチ16の舌片状の検出部161をOFF方向(例えば、
図6においておいて右方)へ付勢するばね力が使用されるが、これに限定されるものでなく、検出レバー17を非検出位置に向けて付勢するための専用のばねを別に設けても良い。
【0031】
検出レバー17における下端面の左部には、上方へ向けて凹んだ係合部172が形成され、同じく左側面には、満タン検出スイッチ16の検出部161に当接可能な突起部173が設けられる。
【0032】
満タン検出スイッチ16は、検出レバー17が非検出位置から検出位置へ移動して、検出部161が検出レバー17の突起部173により
図8、12、13に示すように左方へ押し込まれることによってOFF状態からON状態に切り替わる。満タン検出スイッチ16のON信号(下皿13に遊技球Bが満タンになったことの検出信号)は、制御部に送信される。制御部は、満タン検出スイッチ16からのON信号を所定時間継続して受信した場合に遊技球Bが下皿13に満タン状態であると判断し、下皿13が満タンである旨を遊技者に対して「音声で報知」するように照明部9L、9R、スピーカ8、10L、10Rまたは表示部73を駆動制御する。
【0033】
ロックレバー18は、
図5に示すように、右端(遊技球Bが転動する方向の端)が下傾斜面1532の下側に軸181により枢支されると共に、
図9〜13に示すように、左端部の下面に配置される付勢手段をなすばね19の付勢力によって上方へ付勢され、常時は、例えば
図5、6、9に示すように上面が下傾斜面1532から傾斜した状態で突出するロック位置に保持され、ロックレバー18上に下皿球通路153の下傾斜面1532に滞留する所定数以上の遊技球Bが同時に乗り上げて所定以上の重みが作用した場合には、ばね19の付勢力に抗してロック位置から下方へ所定角度揺動した
図8、10、12に示すアンロック位置へ移動する。なお、本実施形態において、付勢手段を構成するばね19をコイルばねとするが、本発明は、これに限定されるものでなく、付勢手段を軸181回りに配置される捩りばねとしても良い。
【0034】
ロックレバー18の左端部上面には、検出レバー17の係合部172に対して係脱可能な爪部182が上方へ向けて突設され、爪部182の右上隅には、テーパー面1821が形成される。
【0035】
ロックレバー18の爪部182は、ロックレバー18がロック位置にあるとき、換言すると下皿13に遊技球Bが満タンになっていないとき、下傾斜面1532から突出して検出レバー17の係合部172に係合することによって検出レバー17の非検出位置から検出位置への移動を阻止し、またロックレバー18がアンロック位置にあるとき、換言すると下皿13に遊技球Bが満タンになって下皿球通路153の下傾斜面1532に複数の遊技球Bが滞留したとき、検出レバー17の係合部172から外れることによって検出レバー17の非検出位置から検出位置への移動を可能にする。
【0036】
ロックレバー18における爪部182のテーパー面1821は、ロックレバー18がアンロック位置からロック位置に復帰する際、爪部182が検出レバー17の係合部172に円滑に係合して、検出レバー17を正規の非検出位置に確実に移動させるものである。なお、テーパー面は、ロックレバー18の爪部182に設けた構成に加えて、または代えて検出レバー17における係合部172の下隅に設けても良い。
【0037】
次に、本実施形態の作用について説明する。
遊技領域71に打ち込まれた遊技球が始動口72に入賞し、これを契機に基づいて実行される制御部の抽選の結果、大当りが生起されると、前述のように球払出装置20から大量の遊技球Bが払い出される。
【0038】
球払出装置20から払い出された遊技球Bは、球誘導ユニット15の球受入口151から受け入れられて上皿球通路152、球払出口122を通って上皿12に流れ込んで貯留される。上皿12が遊技球Bで満タンになって上皿球通路152に遊技球Bが溢れると、
図5、6に示すように、上皿球通路152に溢れた遊技球Bは、下皿球通路153側へ流下して、上流側の上傾斜面1531を右方へ向けて転動し上傾斜面1531の右端から下流側の下傾斜面1532上に落下する。このときは、下皿13に遊技球Bが未だ満タンになっていないため下皿球通路153の下傾斜面2532に遊技球Bが滞留していない。よって、
図5、6に示すように、ロックレバー18は、ばね19の付勢力によってロック位置に保持されて爪部182が検出レバー17の係合部172に係合して検出レバー17を非検出位置に拘束している。したがって、この状態にあっては、下傾斜面1532に落下した遊技球Bが検出レバー17へ向けて跳ね返ったり、遊技球B同士の衝突等により遊技球Bの流下方向が変化したりして、遊技球Bが検出レバー17に当接しても、検出レバー17は検出位置へ移動することはない。よって、満タン検出スイッチ16の検出部161が必要としないときの作動を阻止して、満タン検出スイッチ16の接点寿命を延ばすことが可能となり、かつ誤検出も確実に防止することが可能となる。
【0039】
さらに、球払出装置20からの遊技球Bの払い出しが継続されて、下皿13に遊技球Bが満タンになると、
図7に示すように、遊技球Bは、下皿球通路153の下傾斜面1532に滞留し始め、ロックレバー18上に乗り上げる。しかし、この状態においては、遊技球Bが下傾斜面1532に未だ一杯になっていないことから、ロックレバー18上に乗り上げている遊技球Bの数が少なく、ロックレバー18に作用する下向きの荷重が小さいため、ロックレバー18は、ばね19の付勢力に抗して若干下方へ移動するものの、爪部182が検出レバー17の係合部172に依然として係合し、検出レバー17の検出位置への移動を阻止している。したがって、遊技球Bが下傾斜面1532に僅かに滞留している状態においても、満タン検出スイッチ16の誤検出を確実に防止することができる。
【0040】
例えば
図11に示すように、下皿球通路153の下傾斜面1532に遊技球Bが上下に重なり合わない状態で貯留されて一段状態でロックレバー18上に乗り上げても、ロックレバー18に作用する下向き荷重が不十分であるため、ロックレバー18は、依然としてロック位置に保持され、検出レバー17の検出位置への移動を阻止する。したがって、下皿球通路153の下傾斜面1532で球噛み現象が発生して、遊技球Bが下傾斜面1532上に一杯なっていない状態で検出レバー17に当接しても、検出レバー17は検出位置へ移動することはない。これにより、遊技球Bが下傾斜面1532に一杯になる以前に、遊技者に対して下皿13の球抜きの報知を行うことを確実に防止することが可能となる。
【0041】
遊技球Bが球払出装置20からさらに払い出されて、下皿13から溢れた遊技球Bが下皿球通路153の下傾斜面1532に一杯になると、
図10に示すように、上下に重なり合った複数の遊技球Bがロックレバー18上に乗り上げることによって、ロックレバー18は、複数の遊技球Bの重みによって、ばね19の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置に移動する。
【0042】
ロックレバー18がアンロック位置に移動した状態で、さらに下皿球通路153内を流下してくる遊技球Bが下傾斜面1532に滞留している遊技球B上に落下すると、
図8、12に示すように、当該落下した遊技球Bが検出レバー17を左方へ押し込むように検出レバー17の右側面に当接する。これによって、検出レバー17は、非検出位置から検出位置に移動し、満タン検出スイッチ16の検出部161を押し込んで満タン検出スイッチ16をON状態とする。そして、満タン検出スイッチ16のON状態が所定時間継続すると、制御部は、満タン検出スイッチ16のON信号が所定時間継続したことに基づいて、下皿13に遊技球Bが満タンになったものと判断して、遊技者に対して下皿13の球抜きを行うように照明部9L、9R、スピーカ10L、10Rまたは表示部73が「音声で報知」するように制御する。
【0043】
球抜きの報知に基づいて、遊技者が下皿用球抜きレバー132をスライド操作して、球抜き孔133を開放すると、下皿13に貯留されていた遊技球Bは、球抜き孔133から球箱へ排出される。
【0044】
下皿13内の遊技球Bが球箱へ排出されると、これに伴って、ロックレバー18上に乗っている遊技球Bを含む下傾斜面1532に滞留している遊技球Bは、前向傾斜面1533、下皿連通孔154、球払出口131を通って下皿13に流れ込む。これにより、ロックレバー18上に乗った状態で検出レバー17に当接している遊技球Bが無くなることから、検出レバー17は、満タン検出スイッチ16の検出部161の弾性力をもって検出位置から非検出位置に復帰し、ロックレバー18は、ばね19の付勢力をもってアンロック位置からロック位置に復帰して爪部182が検出レバー17の係合部172に係合して検出レバー17の検出位置への移動を阻止する。検出レバー18が非検出位置に移動することにより、満タン検出スイッチ16は、ON状態からOFF状態に切り替わり、制御部は、これを契機に球抜き報知の制御を停止する。
【0045】
なお、ロックレバー18の爪部182が検出レバー18の係合部182に係合する際、
図13に示すように、検出レバー18が非検出位置から検出位置へ僅かに移動した位置にあっても、爪部182の右上隅にはテーパー面1821が形成されているため、爪部182は、係合部182に確実に係合して検出レバー18を検出位置へ強制移動させる。
【0046】
以上のように、本実施形態においては、下皿球通路153に、下皿球通路153に滞留している遊技球Bが当接することにより非検出位置から検出位置へ移動可能な検出レバー17と、検出レバー17が検出位置に移動したことを検出することにより下皿13に遊技球Bが満タンになったことの検出信号を出力可能な満タン検出スイッチ16と、下皿13が満タンになることに伴って下皿球通路153に滞留する遊技球Bが複数乗り上げることによって、検出レバー17の非検出位置から検出位置への移動を阻止するロック位置から可能にするアンロック位置へ移動可能なロックレバー18とを設けたことによって、下皿13が満タンになって遊技球Bが下皿球通路153に一杯になったとき、検出レバー17の検出位置への移動が可能となるため、下皿13が遊技球Bで満タンになったことを確実に検出することが可能となる。また、下皿球通路153が遊技球Bで一杯になってないときには、下皿球通路153で跳ね返った遊技球Bが検出レバー17に当接しても、検出レバー18の非検出位置から検出位置への移動が阻止されるため、満タン検出スイッチ16の接点寿命を延ばすことが可能となる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。
(i)満タン検出スイッチ16を有接点式のスイッチに代えて、無接点式のスイッチとする。
(ii)ロックレバー18をばね材で形成し、自らの弾性力でロック位置に復帰するようにする。この場合は、ロックレバー18自体がロックレバー18をロック位置へ付勢する付勢手段を構成する。