【実施例1】
【0018】
図1は、実施例1に係る変換アダプタを含むシステム全体の構成を示す図である。情報処理装置の一例であるPC10と、周辺機器の一例であるモデム20とが、第1ケーブル30及び第2ケーブル40を介して接続されている。第1ケーブル30の一端はPC10に接続され、第2ケーブル40の一端はモデム20に接続されている。第1ケーブル30のインターフェース規格はRS−232C、第2ケーブル40のインターフェース規格はRJ45であり、両者はコネクタの形状が異なる。このため、第1ケーブル30及び第2ケーブル40は、コネクタの形状差を吸収するための変換アダプタ50により、互いに接続されている。以下の説明において、第1ケーブル30のコネクタ部分を第1コネクタ32、第2ケーブル40のコネクタ部分を第2コネクタ42と称する。
【0019】
図2は、
図1に示す変換アダプタ50の外観斜視図であり、
図3は、変換アダプタ50のコネクタ形状を示す断面模式図である。
図2に示すように、変換アダプタ50は、第1コネクタ32が挿入(接続)される第1挿入部52と、第2コネクタ42が挿入(接続)される第2挿入部54とを備える。第1挿入部52及び第2挿入部54は、それぞれ複数の端子を有し、第1挿入部52及び第2挿入部54の対応する端子同士は、変換アダプタ50の内部において電気的に接続されている。
【0020】
図3(a)に示すように、第1挿入部52のコネクタ形状は、D−sub9ピンのメス型となっており、9本の信号端子(以下、第1端子A1〜A9と称する)を有する。また、第1コネクタ32のコネクタ形状は、D−sub9ピンのオス型となっており、表面に設けられたコンタクトピン(不図示)が第1端子A1〜A9の設けられた孔に挿入されることで、第1端子A1〜A9と接触する。
【0021】
図3(b)に示すように、第2挿入部54のコネクタ形状は、RJ45のメス型となっており、8本の信号端子(以下、第2端子B1〜B8と称する)を有する。また、第2コネクタ42のコネクタ形状は、RJ45のオス型となっており、第2コネクタ42の筐体部分が第2挿入部54に挿入されることで、第2コネクタ42の端子が第2端子B1〜B8と接触する。
【0022】
再び
図2に戻り、変換アダプタ50の側面(第1挿入部52と第2挿入部54との間)には、配線切り替え棒60を挿入するための挿入孔56が形成されている。配線切り替え棒60は、第1挿入部52の第1端子A1〜A9及び第2挿入部54の第2端子B1〜B8の対応する端子同士を接続する配線が形成された、配線切り替え部の一例である。配線切り替え棒60は、変換アダプタ50の挿入孔56に挿脱可能に形成されている。
【0023】
図4は、配線切り替え棒60の構成を示す模式図である。
図4(a)は、同じ信号名同士を接続するストレート配線を示しており、PCと周辺機器とを接続する場合等に用いられる。
図4(b)は、信号名を入れ替えて接続するクロス配線を示しており、PC同士を接続する場合等に用いられる。
図4(a)及び(b)に示すように、配線切り替え棒60は、4つの側面61〜64並びに2つの底面66及び67からなる略直方体(四角柱)形状を有する。
【0024】
図4(a)において、配線切り替え棒60の第1側面61には、D−sub9ピンの第1コネクタ32における第1端子A1〜A9に接続された、9本の信号線(以下、第1信号線A1〜A9と称する)が接続されている。第1側面61と対向する第2側面62には、RJ45の第2コネクタ42における第2端子B1〜B8に接続された、8本の信号線(以下、第2信号線B1〜B8と称する)が接続されている。第1信号線A1〜A9及び第2信号線B1〜B8は、それぞれ配線切り替え棒60に形成された内部配線と電気的に接続されている。
図4(a)では、複数の内部配線のうち、送信信号TxD及び受信信号RxDが伝達される2つの内部配線(C1及びC2)が代表的に図示されているが、他の信号線についても、不図示の内部配線を介して反対側の信号線のいずれかと電気的に接続されている。
【0025】
ここで、D−sub9ピンの第1コネクタ32及びRJ45の第2コネクタ42における端子の並びは、メーカーや機器の仕様毎に異なる場合がある。従って、第1信号線A1〜A9及び第2信号線B1〜B8の対応関係も、上記仕様に合わせて適宜変更可能であることが望ましい。実施例1に係る変換アダプタ50は、配線切り替え棒60を挿入孔56に挿入する際の向きにより、第1信号線A1〜A9と第2信号線B1〜B8との接続関係を変更することができる構成となっている。以下、この点について詳細に説明する。
【0026】
図4(b)は、
図4(a)における配線切り替え棒60の挿入の向きを90°回転させた状態を示している。
図4(b)において、配線切り替え棒60の第3側面63には、D−sub9ピンの第1コネクタ32における第1端子A1〜A9に接続された、9本の第1信号線A1〜A9が接続されている。第3側面63と対向する第4側面64には、RJ45の第2コネクタ42における第2端子B1〜B8に接続された、8本の第2信号線B1〜B8が接続されている。
【0027】
図5は、内部配線と信号線との接続形態を示す断面模式図である。第1信号線Aは第1側面61の表面と略平行に延在し、第1側面61の端部において内部配線Cの端子部70と接続されている。第2信号線Bは第2側面62の表面と略平行に延在し、第2側面62の端部において内部配線Cの端子部72と接続されている。第1信号線A1〜A9と第2信号線B1〜B8との対応する信号線同士は、それぞれ配線切り替え棒60の内部配線Cを介して電気的に接続されている。なお、
図5に示した接続形態は一例であり、内部配線と信号線との接触部分の構成は、電気的な接続が図れる構成であれば任意の形態を採用することができる。
【0028】
また、
図5には図示していないが、配線切り替え棒60には、第1側面61と第2側面62とを結ぶ内部配線Cの他に、上記側面の間にあり対向する第3側面63と第4側面64とを結ぶ内部配線Dが形成されている。すなわち、配線切り替え棒60には、2通りの配線パターンが形成されている。上記側面のうち、いずれの組み合わせ(第1側面61と第2側面62、及び第3側面63と第4側面64)で信号線との接続が行われるかは、配線切り替え棒60の挿入の向きにより決定される。
【0029】
図4(a)では、第1信号線A1〜A9と第2信号線B1〜B8とが、第1側面61及び第2側面62を結ぶ内部配線Cにより接続されている。
図4(b)では、第1信号線A1〜A9と第2信号線B1〜B8とが、第3側面63及び第4側面64を結ぶ内部配線Dにより接続されている。
図4(a)における内部配線Cは、同じ信号名同士を接続するストレート配線となっており、
図4(b)における内部配線Dは、信号名を入れ替えて接続するクロス配線となっており、配線パターンが互いに異なっている。
【0030】
配線切り替え棒60の底面66には、上記2つの配線パターンに対応した指示マーク80が形成されている。配線切り替え棒60を挿入孔56に挿入する際に、指示マーク80の方向を確認することで、配線切り替え棒60を正しい向きで挿入することができる。図示するように、
図4(a)と(b)とでは、指示マーク80の向きが異なっている。
【0031】
図6は、2つの配線パターンにおける信号線同士の対応関係を示す表である。
図6(a)はストレート配線を、
図6(b)はクロス配線をそれぞれ示している。
図6(a)及び(b)の双方において、第1コネクタ32(D−sub9ピン)では、RxD(受診データ)信号の端子番号はA2、TxD(送信データ)信号の端子番号はA3となっている。以下同様に、DTR(データ端末レディ)信号はA4、DSR(データセットレディ)信号はA6、RTS(送信要求)信号はA7、CTS(送信可能)信号はA8、GND(グランド)はA5となっている。端子番号A1及びA9の端子は使用されていない。
【0032】
図6(a)のストレート配線では、第1コネクタ32のRxD端子(端子番号A2)は第2コネクタ42の端子番号B6に、第1コネクタ32のTxD端子(端子番号A3)は第2コネクタ42の端子番号B3にそれぞれ接続されている。以下同様に、第1側のDTR端子(端子番号A4)は第2側のB2に、第1側のDSR端子(端子番号A6)は第2側のB7に、第1側のRTS端子(端子番号A7)は第2側のB1に、第1側のCTS端子(端子番号A8)は第2側のB8に接続されている。また、第2側のSG(Signal Ground)端子(端子番号B4及びB5)は、第1側のGND(端子番号A5)に共通に接続されている。
【0033】
図6(b)のクロス配線では、第1コネクタ32のRxD端子(端子番号A2)は第2コネクタ42の端子番号B3に、第1コネクタ32のTxD端子(端子番号A3)は第2コネクタ42の端子番号B6にそれぞれ接続されている。以下同様に、第1側のDTR端子(端子番号A4)は第2側のB7に、第1側のDSR端子(端子番号A6)は第2側のB2に、第1側のRTS端子(端子番号A7)は第2側のB8に、第1側のCTS端子(端子番号A8)は第2側の8に接続されている。このように、
図6(b)のクロス配線では、グランド線以外でペアとなる2本の信号線同士の接続関係が、
図6(a)のストレート配線とは逆になっている。第2側のSG端子(端子番号B4及びB5)は、
図6(a)と同様に、第1側のGND(端子番号A5)に共通に接続されている。
【0034】
実施例1に係る変換アダプタ50によれば、配線切り替え棒60を挿入する際の向きを変更するだけで、2通りの配線パターンを容易に切り替えることができる。また、配線切り替え棒60は、ディップスイッチやロータリースイッチ等のスイッチ機構を有しないため、小型化が容易である。すなわち、実施例1に係る変換アダプタ50によれば、小型化が可能で且つ配線の切り替えが容易な変換アダプタを実現することができる。
【0035】
実施例1では、配線切り替え棒60の形状を略直方体(四角柱)とした例について説明したが、配線切り替え棒60の形状はこれに限られるものではない。例えば、配線切り替え棒60の形状を、3以上の側面及び2つの底面を有する略角柱状としてもよい。この際、複数の側面のうち対向する2つの面に、複数の配線パターンのうち一の内部配線の端子部を形成し、他の対向する2つの面に、複数の配線パターンのうち他の内部配線の端子部を形成してもよい。また、内部配線の端子部は、対向する2つの面ではなく、それ以外の関係にある(例えば、隣接する)2つの面に形成されていてもよい。
【0036】
実施例1では、配線切り替え棒60を1つだけ用いる例について説明したが、同様の構成で配線パターンの異なる配線切り替え棒を複数用い、挿入孔56に挿入する配線切り替え棒の種類を変更することにより、配線パターンの切り替えを行ってもよい。この場合、配線切り替え棒は必ずしも複数の配線パターンを有していなくともよいが、実施例1のように、複数の配線パターンを有する配線切り替え棒をさらに複数用いることにより、より多種の配線パターンに対応することが可能となる。逆に、実施例1のように配線切り替え棒を1つとした場合には、部品点数を削減することができる等の利点がある。
【0037】
実施例1では、第1コネクタ32と第2コネクタ42のコネクタ形状が異なる例について説明したが、両者のコネクタの形状は同じであってもよい。コネクタの形状が同じであっても、機器の仕様等により信号端子の配置が異なる場合には、変換アダプタにより配線パターンの切り替えを行う意味がある。また、実施例1では、第1コネクタ32の規格をRS−232Cとし、第2コネクタ42の規格をRJ−45としたが、使用可能なコネクタの規格はこれらに限定されるものではない。
【0038】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。