(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
略矩形状の断面を有する支柱と、前記支柱に取り付けられる支柱アタッチメントと、前記支柱の上端に設けられた手摺笠木と、前記支柱の屋外側に支持された手摺材とを備え、
前記支柱アタッチメントは、前記支柱の屋外面に対向する屋外面対向部と、前記支柱の一対の見込み面にそれぞれ対向する一対の見込み面対向部とを備え、
前記屋外面対向部には、前記一対の見込み面対向部および前記支柱の上端よりも上方に延設した延設部が一体的に設けられ、
前記支柱アタッチメントの下端から前記延設部の上端までの高さ寸法は、前記支柱の高さ寸法よりも小さく設定され、
前記支柱アタッチメントは、その下端が前記支柱の下端よりも上方に位置するように前記支柱に取り付けられ、
前記手摺材は、前記支持アタッチメントに支持された複数の格子材によって構成され、
前記格子材のうちの最上段の格子材は、前記手摺笠木の屋外側に位置するように、前記延設部により支持される屋外立設物。
前記延設部の上端の位置が前記支柱の上端と同じ位置、または、前記支柱の上端よりも下側の位置となるように、前記支柱アタッチメントを前記支柱に取付可能な構造を有する請求項1に記載の屋外立設物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、ユーザの好みの多様化に伴い、特許文献1に記載のような手摺笠木が屋外から見え易いデザインではなく、手摺笠木が屋外から見え難いデザインが求められる場合がある。
しかしながら、特許文献1のような構成を用いて、手摺笠木が屋外から見え難いデザインを実現するためには、支柱の形状を変更する必要がある。
【0005】
本発明の目的は、支柱の形状を変更することなく、手摺笠木が屋外から見え難いデザインを実現可能な屋外立設物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の屋外立設物は、略矩形状の断面を有する支柱と、前記支柱に取り付けられる支柱アタッチメントと、前記支柱の上端に設けられた手摺笠木と、前記支柱の屋外側に支持された手摺材とを備え、前記支柱アタッチメントは、前記支柱の屋外面に対向する屋外面対向部と、前記支柱の一対の見込み面にそれぞれ対向する一対の見込み面対向部とを備え、前記屋外面対向部には、前記一対の見込み面対向部および前記支柱の上端よりも上方に延設した延設部が
一体的に設けられ、
前記支柱アタッチメントの下端から前記延設部の上端までの高さ寸法は、前記支柱の高さ寸法よりも小さく設定され、前記支柱アタッチメントは、その下端が前記支柱の下端よりも上方に位置するように前記支柱に取り付けられ、前記手摺材は、
前記支持アタッチメントに支持された複数の格子材によって構成され、前記格子材のうちの最上段の格子材は、前記手摺笠木の屋外側に位置するように、前記延設部により支持されることを特徴とする。
【0007】
ここで、屋外立設物としては、バルコニー、テラス、ベランダ、集合住宅の廊下、外階段などに用いられる手摺が例示できる。さらに、手摺材としては、縦格子や横格子などの手摺子、網入りガラスや金属板あるいはパネルなどの手摺壁、金網などが例示できる。また、支柱アタッチメントとしては、屋外面対向部と一対の見込み面部とを有する断面略コ字状の部材で構成して、屋外側から支柱に取り付ける構成としてもよい。また、支柱アタッチメントとしては、屋外面対向部と、一対の見込み面部と、屋外面対向部と対向する板状部とを有する断面略ロ字状の部材で構成して、上側から支柱に挿通して取り付ける構成としてもよい。
【0008】
本発明によれば、屋外立設物は、支柱に取り付けられる支柱アタッチメントを備えている。また、支柱アタッチメントの屋外面対向部に、一対の見込み面対向部および支柱よりも上方に延設した延設部を設けている。そして、手摺笠木を支柱の上端面に設けるとともに、手摺材を手摺笠木の屋外側に位置するように延設部で支持している。
このため、支柱を変更することなく、支柱アタッチメントを介して手摺材を支柱に取り付けるだけの簡単な構成で、手摺材を支持している延設部の屋内側に手摺笠木を位置させることができ、手摺笠木が屋外から見え難いデザインを実現できる。
【0009】
本発明によれば、支柱アタッチメントの製造時の押出成形などにより、屋外面対向部と延設部とを一体的に形成することができる。
また、支柱アタッチメントの下端から延設部の上端までの高さ寸法を支柱よりも小さくしているため、延設部が支柱の上端から突出するように支柱アタッチメントを取り付けることで、上述したように、手摺笠木が屋外から見え難いデザインを実現できる。その一方で、延設部が支柱の上端よりも下側に位置するように支柱アタッチメントを取り付ければ、手摺材が手摺笠木よりも下側に位置することとなり、手摺笠木が屋外から見え易いデザインを実現できる。したがって、共通の部材を用いて、支柱アタッチメントの取り付け位置を変更するだけの簡単な構成で、屋外立設物のデザインを変更できる。
【0010】
本発明の屋外立設物では、前記延設部の上端の位置が前記支柱の上端と同じ位置、または、前記支柱の上端よりも下側の位置となるように、前記支柱アタッチメントを前記支柱に取付可能な構造を有することが好ましい。
ここで、上述のように支柱アタッチメントを支柱に取付可能な構造としては、例えば、ビスを介して支柱アタッチメントを支柱に取り付ける構成の場合、延設部が支柱の上端よりも上方に位置するように支柱アタッチメントを取り付けるためのビス孔と、延設部の上端が支柱の上端と同じ位置または下側に位置するように支柱アタッチメントを取り付けるためのビス孔とを形成できるような材料で、支柱を構成することが例示できる。
本発明によれば、共通の部材を用いて、支柱アタッチメントの取り付け位置を変更するだけの簡単な構成で、屋外立設物のデザインを変更できる。
【0011】
本発明の屋外立設物では、前記支柱アタッチメントの下側に取り付けられ、前記支柱の屋外面を隠蔽する下側隠蔽アタッチメントを備えることが好ましい。
ここで、手摺笠木を屋外から見え難くするために、延設部が支柱の上端から突出するように支柱アタッチメントを取り付ける場合には、支柱の下端側には屋外面対向部が位置しないこととなり、支柱の屋外面が露出してしまう。
本発明によれば、延設部が支柱の上端から突出するように支柱アタッチメントを取り付けるとともに、支柱アタッチメントの下側に下側隠蔽アタッチメントを取り付けることで、支柱の屋外面全体を隠すことができ、手摺笠木が屋外から見え難いデザインでの意匠性を向上できる。
なお、下側隠蔽アタッチメントとしては、支柱アタッチメントと同様の断面略コ字状あるいは断面略ロ字状のものを用いてもよい。
【0012】
本発明の屋外立設物では、前記手摺材は、前記屋外面対向部の屋内側から挿通される手摺材固定部材により前記支柱アタッチメントに固定され、前記支柱アタッチメントは、前記手摺材固定部材を配置可能な隙間が前記屋外面対向部と前記支柱との間に形成されるように、前記支柱に取り付けられ、前記支柱アタッチメントの上端には、当該支柱アタッチメントの小口を隠す小口隠しキャップが設けられることが好ましい。
本発明によれば、手摺材固定部材を屋外面対向部の屋内側から挿通させるだけの簡単な方法で、手摺材を支柱アタッチメントに固定することができる。
また、このように手摺材が固定された支柱アタッチメントを支柱に取り付けるためには、屋外面対向部と支柱との間に、手摺材固定部材を配置するための隙間を設ける必要がある。本発明では、支柱アタッチメントの上端の小口を隠す小口隠しキャップを設けることで、小口で手が傷ついたり、隙間内にゴミが入ることを抑制できる。特に、延設部を支柱の上端から突出させて手摺笠木が屋外から見え難いデザインとする場合には、支柱アタッチメントの上方に他の部材が位置しないこととなるため、小口隠しキャップが上記の効果をより発揮することができるとともに、意匠性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、屋外立設物としての手摺笠木隠蔽タイプの手摺1は、バルコニーの床やパラペットなどの躯体2に、互いに間隔を隔てて立設された複数の支柱3と、当該複数の支柱3にそれぞれ取り付けられる支柱アタッチメント4と、当該支柱アタッチメント4の下端に設けられ支柱3の下方を隠蔽する下側隠蔽アタッチメント5と、支柱アタッチメント4を介して複数の支柱3にわたって設けられた手摺材としての横格子6と、複数の支柱3の上端間にわたって設けられた手摺笠木7と、支柱アタッチメント4の上端の小口を隠す小口隠しキャップ9とを備えている。
【0015】
躯体2には、支柱補強部材8の座部81がボルト82にて固定されている。また、躯体2には、当該躯体2を覆う下笠木83が設けられている。
支柱3は、中空部31を有する例えばアルミニウム製の押出成形部材であり、中空部31が支柱補強部材8に挿入されて、屋内面32に挿通されたビス35により支柱補強部材8に固定されている。
また、支柱3の上端には、
図3および
図4にも示すように、手摺笠木7を固定するための略長方形板状の固定部材36が設けられている。この固定部材36は、見付け寸法が支柱3よりも大きく、かつ、見込み寸法が支柱3と略等しい形状を有している。そして、固定部材36は、4個のビス37が中空部31内に設けられたビスホール38に螺合されることにより、支柱3に固定されている。また、支柱3の見込み面34には、後述するビス49が螺合される図示しないビス孔が設けられている。
【0016】
支柱アタッチメント4は、断面略コ字状の例えばアルミニウム製の押出成形部材であり、高さ方向に延びる細長い長方形板状の屋外部41と、当該屋外部41の幅方向の両側縁から見込み方向に延びる一対の見込み面対向部42とを備えている。
屋外部41は、その高さ寸法が見込み面対向部42の高さ寸法よりも大きく、かつ、支柱3の高さ寸法よりも小さい形状に形成されている。この屋外部41は、見込み面対向部42と同じ高さ寸法の屋外面対向部43と、当該屋外面対向部43の上方に延設した屋外側延設部44とから構成されている。
見込み面対向部42の上端には、屋外面対向部43側の端部から屋外側延設部44と同じ高さだけ上方に延設した見込み面側延設部45が設けられている。
そして、支柱アタッチメント4は、見込み面対向部42の高さ方向の複数箇所に挿通されたビス49により支柱3に固定されている。具体的に、支柱アタッチメント4は、屋外面対向部43と支柱3の屋外面33との間に隙間Sが形成され、支柱アタッチメント4の下端が下笠木83から離れるように固定されている。このように支柱アタッチメント4が固定されると、屋外側延設部44および見込み面側延設部45が支柱3の上端から上方に突出し、見込み面対向部42の上端が支柱3の上端とほぼ同じ高さに位置することとなる。
【0017】
下側隠蔽アタッチメント5は、支柱アタッチメント4の下端と下笠木83との間から露出する支柱3の下端部を隠蔽するものである。下側隠蔽アタッチメント5は、支柱アタッチメント4と断面形状が略等しい略コ字状を有し、支柱アタッチメント4と同一の材料あるいは異なる材料により形成されている。下側隠蔽アタッチメント5は、下屋外面対向部51と、一対の下見込み面対向部52とを備え、下見込み面対向部52に挿通されたビス59により支柱3に固定されている。具体的に、下側隠蔽アタッチメント5は、その上端が支柱アタッチメント4の下端に当接し、その下端が下笠木83に当接し、下屋外面対向部51が屋外部41と同一面上に位置し、下見込み面対向部52が見込み面対向部42と同一面状に位置するように固定されている。
【0018】
横格子6は、複数の格子材61から構成されている。格子材61は、屋外部41の屋内側から挿通された手摺材固定部材としてのビス68により、支柱アタッチメント4の屋外側延設部44から支柱アタッチメント4の下端にかけての複数箇所に固定されている。このビス68のビス頭69(ビス68の屋内側端部)は、屋外部41からの突出寸法(見込み寸法)が隙間Sおよび見込み面側延設部45の見込み寸法よりも小さい形状を有している。
【0019】
小口隠しキャップ9は、ビス49により支柱アタッチメント4の一対の見込み面対向部42と支柱3の見込み面34との間にそれぞれ固定される一対の被固定部91と、当該一対の被固定部91の上端から見込み面対向部42の上端縁に沿って屋外方向にそれぞれ延びる一対のキャップ延出部92と、当該一対のキャップ延出部92の屋外側先端部を連結する四角板状の連結部93と、当該連結部93の屋外側端縁から立ち上がる四角板状の立上部94と、立上部94の上端縁から屋外側に延びる四角板状のキャップ上端面閉塞部95とを備えている。
そして、小口隠しキャップ9は、キャップ上端面閉塞部95が支柱アタッチメント4の屋外側延設部44および一対の見込み面側延設部45の上端縁に当接し、立上部94が一対の見込み面側延設部45の屋内側端縁に当接し、連結部93が一対の見込み面対向部42の上端縁に当接するように、支柱3に固定されている。
このように小口隠しキャップ9を固定することで、支柱アタッチメント4の上端の小口が隠され、隙間S内に水やゴミが入ることを抑制できる。
【0020】
手摺笠木7は、略板状の上面部71と、当該上面部71と対向する下面部72と、互いに対向する第1見付け面部73および第2見付け面部74とを備え、断面略長方形状に形成されている。
下面部72における第1見付け面部73側には、上面部71側に凹む凹部75が設けられている。この凹部75には、ナット78が落下しないように収容されるナット収容部76が設けられている。
そして、手摺笠木7は、凹部75が固定部材36に嵌め込まれるとともに、下側から固定部材36に挿通されたボルト79がナット78に螺合されることで、第1見付け面部73が屋外側に位置し、第2見付け面部74が屋内側に位置するように、支柱3に固定されている。具体的に、手摺笠木7は、第1見付け面部73が小口隠しキャップ9の立上部94に当接し、下面部72における凹部75よりも第1見付け面73側の部分が連結部93に当接するように固定されている。このように手摺笠木7が設けられることで、手摺笠木7が横格子6を構成する格子材61の屋内側に位置することとなり、手摺笠木7が屋外から見え難くなる。
なお、前記実施形態の手摺笠木7は、第1見付け面部73が小口隠しキャップ9の立上部94に、下面部72における凹部75よりも第1見付け面73側の部分が連結部93に当接しているが、これに限ることなく、若干の隙間を設けても良い。
【0021】
また、上記手摺1を構成する部材のうち、下側隠蔽アタッチメント5を用いないことで、
図5および
図6に示すような屋外立設物としての手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Aを施工することもできる。
【0022】
手摺1Aの支柱アタッチメント4は、屋外面対向部43と支柱3との間に隙間Sが形成され、当該支柱アタッチメント4の下端が下笠木83に当接するように支柱3に固定されている。このように支柱アタッチメント4が固定されると、屋外側延設部44および見込み面側延設部45が支柱3の上端よりも下方に位置することとなる。なお、支柱アタッチメント4の見込み面対向部42に挿通するビス49の高さ位置は、手摺1と同じであり、支柱3の見込み面34のビス孔の位置を低くすることで、支柱アタッチメント4の固定位置を下方に変更している。
小口隠しキャップ9は、手摺1の場合と同様の状態で支柱3に固定されている。
手摺笠木7は、第2見付け面部74が屋外側に位置するとともに、第1見付け面部73が屋内側に位置するように、手摺1に用いられる場合と同様の方法で支柱3に固定されている。このように手摺笠木7が設けられることで、手摺笠木7が格子材61の上方に位置することとなり、手摺笠木7が屋外から見易くなる。
なお、手摺1Aでは、手摺笠木7と小口隠しキャップ9とが離れているが、キャップ上端面閉塞部95、立上部94、連結部93が支柱アタッチメント4の上端部に当接するように、小口隠しキャップ9が設けられているため、隙間S内に水やゴミが入ることを抑制できる。
【0023】
次に、手摺笠木隠蔽タイプの手摺1または手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Aを施工する方法について説明する。なお、以下の方法は、一例であり、可能な範囲で順序を入れ替えてもよい。
まず、手摺1を施工する場合、施工現場において、支柱3の見込み面34にビス49を挿通するためのビス孔を形成してから、固定部材36を固定する。この後、当該支柱3を支柱補強部材8に固定する。なお、見込み面34のビス孔は、支柱3の製造工場で形成されてもよい。
一方で、見込み面対向部42にビス孔が形成された支柱アタッチメント4の屋外部41に、横格子6を構成する格子材61を取り付ける。
【0024】
次に、支柱アタッチメント4に小口隠しキャップ9を載せてから、支柱アタッチメント4、小口隠しキャップ9、および、下側隠蔽アタッチメント5をビス49,59によって支柱3に固定して、屋外側延設部44および見込み面側延設部45を支柱3よりも上方に位置させる。そして、第1見付け面部73が屋外側に位置し、第2見付け面部74が屋内側に位置するように、手摺笠木7を支柱3に固定する。
以上により、手摺笠木7が格子材61の屋内側に位置し、手摺笠木7が屋外から見え難い手摺1の施工が完了する。
【0025】
一方、手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Aを施工する場合、施工現場において、支柱3における手摺1の施工時とは異なる位置(手摺1の施工時よりも低い位置)にビス孔を形成する。なお、見込み面34のビス孔は、支柱3の製造工場で形成されてもよい。そして、支柱3に固定部材36を固定してから、当該支柱3を支柱補強部材8に固定する。
また、手摺1と同じ位置にビス孔が形成された支柱アタッチメント4に、格子材61を取り付ける。この後、支柱アタッチメント4に小口隠しキャップ9を載せ、支柱アタッチメント4を下笠木83に当接させてから、支柱アタッチメント4および小口隠しキャップ9をビス49によって支柱3に固定する。
そして、第2見付け面部74が屋外側に位置し、第1見付け面部73が屋内側に位置するように、手摺笠木7を支柱3に固定する。
以上により、手摺笠木7が格子材61の上方に位置し、手摺笠木7が屋外から見え易い手摺1Aの施工が完了する。
【0026】
以上のような第1実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)手摺1の支柱3に取り付けられる支柱アタッチメント4に、屋外部41と、見込み面34に対向する一対の見込み面対向部42とを設けるとともに、屋外部41を支柱3の屋外面33に対向する屋外面対向部43と、見込み面対向部42および支柱3よりも上方に延設した屋外側延設部44とで構成している。そして、屋外側延設部44で横格子6を支持して、手摺笠木7を支柱3の上端面に設けている。
このため、支柱3を変更することなく、支柱アタッチメント4を介して横格子6を支柱3に取り付けるだけの簡単な構成で、横格子6を支持している屋外部41の屋外側延設部44の屋内側に手摺笠木7を位置させることができ、手摺笠木7が屋外から見え難いデザインを実現できる。
【0027】
(2)屋外面対向部43と屋外側延設部44とを一体的に構成している。また、支柱アタッチメント4の高さ寸法を、支柱3よりも小さくしている。そして、支柱アタッチメント4の下端が支柱3の下端よりも上方に位置するように、支柱アタッチメント4を支柱3に取り付けている。
このため、押出成形により屋外面対向部43と屋外側延設部44とを容易に製造できる。さらに、屋外側延設部44が支柱3の上端から突出するように支柱アタッチメント4を取り付けるだけの簡単な方法で、手摺笠木7が屋外から見え難いデザインの手摺1を施工できる。
その一方で、屋外側延設部44が支柱3の上端よりも下方に位置するように支柱アタッチメント4を取り付ければ、横格子6が手摺笠木7よりも下側に位置することとなり、手摺笠木7が屋外から見え易いデザインの手摺1Aを施工できる。
したがって、共通の部材を用いて、支柱アタッチメント4の取り付け位置を変更するだけの簡単な構成で、手摺1のデザインを変更できる。
【0028】
(3)支柱3をアルミニウムにより形成することで、手摺1または手摺1Aの製造工場もしくは現場でビス孔を形成可能な構成としている。すなわち、屋外側延設部44の上端が支柱3の上端よりも上方に位置するように、支柱アタッチメント4を支柱3に取付可能であるとともに、屋外側延設部44の上端が支柱3の上端よりも下方に位置するように、支柱アタッチメント4を取付可能な構造を採用している。
このため、同じ支柱アタッチメント4を用いて、その取り付け位置を変更するだけの簡単な構成で、手摺のデザインを変更できる。
【0029】
(4)屋外側延設部44が支柱3よりも上方に位置するように支柱アタッチメント4を取り付けた際に、支柱アタッチメント4の下側から露出する支柱3の下端部を隠蔽する下側隠蔽アタッチメント5を設けている。
このため、支柱3の屋外面33全体を隠すことができ、手摺笠木7が屋外から見え難いデザインの手摺1の意匠性を向上できる。
【0030】
(5)横格子6を屋内側から挿通されるビス68によって、支柱アタッチメント4に固定して、当該支柱アタッチメント4を支柱3との間に隙間Sが設けられる状態で取り付けている。そして、支柱アタッチメント4の上端の小口(隙間Sの上端)を隠す小口隠しキャップ9を設けている。
このため、ビス68によって横格子6を簡単に固定できるとともに、小口隠しキャップ9によって、小口で手が傷ついたり、隙間S内にゴミが入り込んだりすることを防止できる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図9および
図10に示すように、屋外立設物としての手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Bは、第1実施形態の手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Aと同様に手摺笠木7が屋外から見え易いデザインを有する。この手摺1Bは、小口隠しキャップ9を用いずに、手摺1Aを構成する部材のうち支柱アタッチメント4の代わりに支柱アタッチメント4Bを用いることで施工される。
【0032】
支柱アタッチメント4Bは、支柱アタッチメント4と同様の断面略コ字状の例えばアルミニウム製の押出成形部材であり、屋外面対向部41Bと、一対の見込み面対向部42とを備えている。
屋外面対向部41Bの高さ寸法は、見込み面対向部42の高さ寸法と同じである。
そして、支柱アタッチメント4Bは、屋外面対向部41Bと支柱3の屋外面33との間に隙間Sが形成され、当該支柱アタッチメント4Bの下端が下笠木83に当接するように支柱3に固定されている。このように支柱アタッチメント4Bが固定されると、当該支柱アタッチメント4Bの上端が支柱3の上端と同じ高さに位置することとなる。
手摺笠木7は、第1実施形態の手摺1Aと同じ状態で、第2見付け面部74が屋外側に位置するとともに、第1見付け面部73が屋内側に位置するように支柱3に固定され、当該手摺笠木7が格子材61の上方に位置することで屋外から見え易いように設けられている。
【0033】
また、支柱アタッチメント4Bを構成する部材に加えて、ピース状延設部材43Cを用いるとともに、格子材61を1本増やすことで、
図11、
図12、および、
図13に示すような屋外立設物としての手摺笠木隠蔽タイプの手摺1Cを施工することもできる。
【0034】
ピース状延設部材43Cは、長方形板状に形成されており、長手方向の一端側が支柱アタッチメント4Bの上端よりも上方に位置するように、その中央が延設部取付部材としてのビス49Cによって屋外面対向部41Bに固定されている。また、ピース状延設部材43Cの支柱アタッチメント4Bから突出する上端側および下端側のそれぞれの屋外側には、ビス68により格子材61が固定されている。
手摺笠木7は、第1実施形態の手摺1と同じ状態で、第1見付け面部73が屋外側に位置するとともに、第2見付け面部74が屋内側に位置するように支柱3に固定され、当該手摺笠木7が格子材61の屋内側に位置することで屋外から見え難いように設けられている。
【0035】
次に、手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Bまたは手摺笠木隠蔽タイプの手摺1Cを施工する方法について説明する。
まず、手摺1Bおよび手摺1Cを施工するいずれの場合においても、固定部材36を支柱3に固定した後、当該支柱3を支柱補強部材8に固定する。なお、施工対象が手摺1B、手摺1Cのいずれの場合においても、支柱アタッチメント4Bの見込み面対向部42に挿通するビス49の高さ位置が同じであるため、支柱3のビス孔を同じ位置に形成する。
【0036】
次に、手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Bを施工する場合には、支柱アタッチメント4Bの屋外面対向部41Bに横格子6を構成する格子材61を取り付けた後、支柱アタッチメント4Bの下端が下笠木83に当接するように支柱アタッチメント4Bをビス49で支柱3に固定する。そして、第2見付け面部74が屋外側に位置し、第1見付け面部73が屋内側に位置するように、手摺笠木7を支柱3に固定する。
以上により、手摺笠木7が格子材61の上方に位置し、手摺笠木7が屋外から見え易い手摺1Bの施工が完了する。
【0037】
一方、手摺笠木隠蔽タイプの手摺1Cを施工する場合には、支柱アタッチメント4Bに43Cを取り付けた後、屋外面対向部41Bおよびピース状延設部材43Cに格子材61を取り付ける。そして、支柱アタッチメント4Bの下端が下笠木83に当接するように、支柱アタッチメント4Bをビス49で支柱3に固定して、ピース状延設部材43Cを支柱3よりも上方に位置させる。そして、第1見付け面部73が屋外側に位置し、第2見付け面部74が屋内側に位置するように、手摺笠木7を支柱3に固定する。
以上により、手摺笠木7が格子材61の屋内側に位置し、手摺笠木7が屋外から見え難い手摺1Cの施工が完了する。
【0038】
以上のような第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)と同様の効果に加えて、以下の効果がある。
(6)屋外面対向部41Bと見込み面対向部42とが同じ高さ寸法を有する支柱アタッチメント4Bを用いている。このため、手摺1Bにおいては、ピース状延設部材43Cが取り付けられていない支柱アタッチメント4Bを、屋外面対向部41Bおよび見込み面対向部42の上端が支柱3の上端と略等しい高さ位置となるように支柱3に取り付けることで、手摺笠木7が屋外から見え易いデザインを実現できる。一方で、手摺1Cにおいては、支柱3に対する支柱アタッチメント4Bの取付位置を変更することなく、支柱アタッチメント4Bにピース状延設部材43Cを取り付けるだけの簡単な方法で、手摺笠木7が格子材61の屋内側に位置し、手摺笠木7が屋外から見え難いデザインを実現できる。
【0039】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、第2実施形態のピース状延設部材43Cの代わりに、
図14および
図15に示すようなピース状延設部材43Dを用いて、手摺笠木7が屋外から見え難い屋外立設物としての手摺笠木隠蔽タイプの手摺1Dを施工してもよい。
ピース状延設部材43Dは、延設部取付部材としてのビス49Dにより支柱アタッチメント4Bの見込み面対向部42の上端部にそれぞれ固定される一対の被固定部44Dと、当該一対の被固定部44Dの上端を連結するとともに見込み面対向部42の上端縁に沿って屋外方向に延びる連結部45Dと、当該連結部45Dの屋外側先端部から上方に立ち上がる立上部46Dとを備えている。
そして、ピース状延設部材43Dは、連結部45Dで隙間Sの上端を塞ぐとともに、立上部46Dが支柱アタッチメント4Bの上端から突出するように、支柱アタッチメント4Bに固定されている。このようにピース状延設部材43Dを固定することで、隙間Sが密閉され、当該隙間S内に水やゴミが入ることを抑制できる。また、手摺笠木7が格子材61の屋内側に位置することで、当該手摺笠木7が屋外から見え難くなる。
【0040】
また、
図16および
図17に示すように、第1実施形態の手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Aと同様の部材を用いて、小口隠しキャップ9が取り付けられた支柱アタッチメント4を屋内側から支柱3に固定することで、横格子6が屋内側に位置するとともに、手摺笠木7が屋外から見え易い手摺笠木非隠蔽タイプの手摺1Eを施工してもよい。
さらには、手摺1に下側隠蔽アタッチメント5を設けない構成としたり、手摺1,1Aに小口隠しキャップ9を設けない構成としてもよい。
さらに、第1実施形態において、支柱3の見込み面34に形成するビス孔の高さ位置を調節することで、手摺1または手摺1Aの施工に対応できるようにしていたが、支柱3の見込み面34のビス孔の高さ位置を変更せずに、支柱アタッチメント4の見込み面対向部42形成するビス孔の位置を調節してもよい。
【0041】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。