(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、スプライシング作業は、作業者の手作業により行われるため、煩雑である。また、作業時に、スプライステープ107の接着面を、作業者が触ってしまうおそれがある。このため、汗や汚れなどが付着して、スプライステープ107の接着力が弱くなるおそれがある。また、スプライシング精度が、作業者のスキルの熟練度に依存してしまう。
【0008】
この点、特許文献1には、作業者の手作業によらずに、スプライシング作業を行うスプライシング装置が開示されている。同文献記載のスプライシング装置によりスプライシング作業を行う場合は、まず、一対のテープ保持ベースに、新旧一対のテープをセットする。次に、一対のテープ保持ベースを反転させる。続いて、スプライステープを、新旧一対のテープの上向きの面(表面)に貼り付ける。それから、再び、一対のテープ保持ベースを反転させる。そして、スプライステープを、新旧一対のテープの上向きの面(裏面)に貼り付ける。このようにして、スプライシング作業を行う。同文献記載のスプライシング装置によると、簡単にスプライシング作業を実行することができる。また、作業時に、スプライステープ107の接着面を、作業者が触ってしまうおそれが小さい。また、スプライシング精度が、作業者のスキルの熟練度に依存しにくい。
【0009】
ところが、同文献記載のスプライシング装置によると、スプライシング作業の際、不動のスプライステープに対して、一対のテープ保持ベースつまり新旧一対のテープを、複数回、回転させる必要がある。このため、新旧一対のテープが、互いに位置ずれを起こすおそれがある。すなわち、スプライシング精度が低下するおそれがある。この場合、旧テープに対して、新テープが、折れ線のように、屈曲して連結されるおそれがある。また、新旧一対のテープの継ぎ目において、テープの送り孔のピッチが狂ってしまうおそれがある。
【0010】
本発明のスプライシング装置は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、スプライシング精度が低下しにくいスプライシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記課題を解決するため、本発明のスプライシング装置は、固定押さえ部材と、該固定押さえ部材に対して開く開位置と、該固定押さえ部材に対して閉じる閉位置と、に切替可能な可動押さえ部材と、を有するテープ連結部を備え、該開位置において、該可動押さえ部材と該固定押さえ部材とに跨るように、スプライステープが配置され、該開位置において、該スプライステープのうち該固定押さえ部材側の部分の表面に、第一テープの第一連結端部と第二テープの第二連結端部とが配置され、該開位置から該閉位置に切り替わることにより、該可動押さえ部材が該固定押さえ部材に対して閉じられ、該可動押さえ部材が該固定押さえ部材に対して表裏方向に重なり、該可動押さえ部材と該固定押さえ部材との間に該スプライステープが折り込まれ、該第一連結端部と該第二連結端部とが表裏方向から該スプライステープにより挟持され、該第一連結端部と該第二連結端部とが連結されることを特徴とする。
【0012】
開位置においては、可動押さえ部材と固定押さえ部材とに跨るように、スプライステープが配置される。並びに、スプライステープのうち固定押さえ部材側の部分の表面に、第一テープの第一連結端部と、第二テープの第二連結端部と、が配置される。なお、スプライステープの表面は、接着面である。ただし、この時点においては、第一連結端部の裏面および第二連結端部の裏面は、当該接着面に接着されていても、接着されていなくてもよい。
【0013】
開位置から閉位置に切り替わる際、可動押さえ部材は、固定押さえ部材に対して、閉じられる。このため、可動押さえ部材は、固定押さえ部材に対して、表裏方向に重なる。この際、可動押さえ部材と固定押さえ部材との間に、スプライステープが折り込まれる。また、第一連結端部と第二連結端部とが、表裏方向からスプライステープにより挟持される。挟持されることにより、第一連結端部の表面、第二連結端部の表面は、スプライステープの裏面に接着される。並びに、第一連結端部の裏面、第二連結端部の裏面は、スプライステープの表面に接着される。また、スプライステープと第一連結端部と第二連結端部との積層体に対して、表裏方向から挟持力が加わるため、第一連結端部、第二連結端部は、スプライステープにより、表裏方向からしっかりと接着される。このようにして、第一テープの第一連結端部と第二テープの第二連結端部とが、スプライステープを介して、連結される。
【0014】
本発明のスプライシング装置によると、本来煩雑なスプライシング作業を、簡単に実行することができる。また、スプライステープの接着面を作業者が触るおそれがあるのは、開位置において、スプライステープと第一テープと第二テープとをセットする際のみである。このため、スプライステープの接着面を作業者が触るおそれが小さい。したがって、スプライステープの接着力が弱くなるおそれが小さい。また、スプライシング精度が、作業者のスキルの熟練度に依存しにくい。
【0015】
また、本発明のスプライシング装置によると、第一テープ、第二テープ、スプライステープのうち、開位置から閉位置に切り替わる際に移動するのは、スプライステープである。すなわち、第一テープの第一連結端部、第二テープの第二連結端部は、共に不動である。このため、スプライシング作業の際、第一連結端部と第二連結端部とが、互いに位置ずれを起こしにくい。すなわち、スプライシング精度が低下しにくい。
【0016】
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、前記開位置における、前記固定押さえ部材と前記可動押さえ部材との間の挟角は、略180°である構成とする方がよい。本構成によると、開位置において、スプライステープを折り曲げずにセットすることができる。
【0017】
(1−2)好ましくは、上記(1)の構成において、人力により操作され、前記可動押さえ部材に、前記開位置から前記閉位置に切り替わる際の駆動力を供給する操作部を備える構成とする方がよい。
【0018】
本構成によると、操作者が操作部を手動で動かすことにより、スプライシング作業を実行することができる。このため、電気の供給がない場合であっても、精度よくスプライシング作業を実行することができる。
【0019】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記可動押さえ部材を自動的に前記閉位置から前記開位置に復動させる復動部と、該開位置から該閉位置に切り替わる際に、前記第一連結端部と前記第二連結端部とを連結可能な所定移動量に対して、該可動押さえ部材の実際の移動量が達していない場合に、該復動部による該可動押さえ部材の復動を規制する規制部と、を備える構成とする方がよい。
【0020】
本構成によると、第一連結端部と第二連結端部とを連結可能な所定移動量に対して、可動押さえ部材の実際の移動量が達していない場合、可動押さえ部材が復動しない。言い換えると、第一連結端部と第二連結端部との連結が完了しなければ、可動押さえ部材が復動しない。このため、確実にスプライシング作業を実行することができる。
【0021】
特に、本構成と上記(1−2)の構成とを組み合わせる場合、人力による可動押さえ部材の移動量が充分か不充分かを、操作者が簡単に認識することができる。また、接着力不足(可動押さえ部材の移動量が不充分な場合)によるスプライシング精度の低下を、抑制することができる。
【0022】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記テープ連結部は、前記閉位置において、前記スプライステープにより該第一連結端部と該第二連結端部とが連結される際に、該スプライステープに対して前記第一連結端部と前記第二連結端部とを位置決めする、位置決め部を備える構成とする方がよい。
【0023】
スプライシング作業においては、スプライステープに対して、第一連結端部と第二連結端部とを正確に位置決めする必要がある。しかしながら、三つの部材(スプライステープ、第一テープ、第二テープ)の位置決め作業は煩雑である。この点、本構成によると、位置決め部により、スプライステープと、第一連結端部と、第二連結端部と、を正確に、また簡単に位置決めすることができる。
【0024】
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記スプライステープは、該スプライステープの長手方向に並ぶ複数の第一位置決め孔からなる第一孔列と、該第一孔列の短手方向に並置され該スプライステープの長手方向に並ぶ複数の第二位置決め孔からなる第二孔列と、を有し、前記第一テープは、該第一テープの長手方向に並ぶ複数の第一送り孔を有し、前記第二テープは、該第二テープの長手方向に並ぶ複数の第二送り孔を有し、前記位置決め部は、前記固定押さえ部材に配置され、前記開位置において、裏側から該第一位置決め孔と該第一送り孔と該第二送り孔とに挿入される固定位置決めピンと、前記可動押さえ部材に配置され、該開位置において、裏側から該第二位置決め孔に挿入され、該開位置から前記閉位置に切り替わる際に、表側から該第一送り孔と該第二送り孔とに挿入される可動位置決めピンと、を有する構成とする方がよい。
【0025】
開位置においては、位置決め部の固定位置決めピンが、裏側から、第一位置決め孔、第一送り孔、第二送り孔に挿入されることにより、位置決め部に対して、スプライステープと第一連結端部と第二連結端部とが固定される。また、位置決め部の可動位置決めピンが、裏側から、第二位置決め孔に挿入されることにより、位置決め部に対して、スプライステープが固定される。
【0026】
開位置から閉位置に切り替わる際、可動位置決めピンは、既に挿入済みの第二位置決め孔に加えて、表側から、第一送り孔、第二送り孔に挿入される。このため、位置決め部に対して、スプライステープと第一連結端部と第二連結端部とが、表裏方向から位置決めされる。この状態において、スプライステープにより、第一連結端部と第二連結端部とが連結される。本構成によると、位置決め部により、スプライステープと、第一連結端部と、第二連結端部と、を正確に、また簡単に位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、スプライシング精度が低下しにくいスプライシング装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明のスプライシング装置の実施の形態について説明する。
【0030】
<スプライシング装置の構成>
まず、本実施形態のスプライシング装置の構成について説明する。
図1に、本実施形態のスプライシング装置の斜視図を示す。
図2に、同スプライシング装置の分解斜視図を示す。
図3に、同スプライシング装置の透過右面図を示す。
図4に、同スプライシング装置の分解透過右面図を示す。
図5に、
図4の下段部分の分解図を示す。
図6に、
図4の中段部分の分解図を示す。
図7に、
図4の上段部分の分解図を示す。
図1〜
図7に示すように、スプライシング装置1は、テープ連結部2と、操作部3と、復動部32と、規制部5と、ベース6と、リンク部7と、を備えている。
【0031】
[ベース6]
ベース6は、ストッパ61と、一対のブラケット62と、を備えている。ベース6は、平板状を呈している。ストッパ61は、直方体ブロック状を呈している。ストッパ61は、ベース6の前側部分の上面に配置されている。ストッパ61は、後述する操作部3の下死点を設定している。一対のブラケット62は、ベース6の後端部の上面に配置されている。左側のブラケット62の左面(外面)および右側のブラケット62の右面(外面)からは、各々、揺動軸620が突設されている。
【0032】
[操作部3、復動部32]
操作部3は、押圧部30と、一対のアーム31と、を備えている。一対のアーム31は、各々、前後方向に延在する細板状を呈している。一対のアーム31は、左右方向に離間して配置されている。押圧部30は、平板状を呈している。押圧部30は、一対のアーム31の前端間に架設されている。押圧部30には、操作者から押圧力が入力される。一対のアーム31の後端には、一対の揺動軸620が挿入されている。このため、操作部3は、揺動軸620を中心に、揺動可能である。一対のアーム31は、各々、ガイド孔310を備えている。一対のガイド孔310は、各々、前後方向に長い長孔状を呈している。右側のアーム31の左面からは、揺動軸311が突設されている。
【0033】
復動部32は、いわゆるリターンスプリングである。復動部32は、揺動軸620に環装されている。復動部32の一端は、ベース6の上面に弾接している。復動部32の他端は、アーム31の後端に弾接している。復動部32は、操作部3を、ベース6から離間する方向に付勢している。
【0034】
[規制部5]
規制部5は、規制部材50と、歯止め部材51と、ブラケット52と、スプリング53と、を備えている。規制部材50は立壁状を呈している。規制部材50は、ベース6の右面(
図2にハッチングで示す。)に固定されている。規制部材50は、ベース6と右側のアーム31との間に配置されている。規制部材50の前縁には、複数の規制歯500が形成されている。
【0035】
ブラケット52は、右側のアーム31の左面に配置されている。歯止め部材51は、揺動軸311に挿入されている。歯止め部材51は、揺動軸311を中心に、揺動可能である。歯止め部材51の後上隅には、鈍角の非係合部511が配置されている。歯止め部材51の後下隅には、直角の係合部510が配置されている。スプリング53は、ブラケット52と歯止め部材51の前端との間に介装されている。スプリング53は、歯止め部材51を前方に付勢している。
【0036】
後述するように、可動押さえ部材21を開位置から閉位置に切り替える際、規制歯500に対して、歯止め部材51は、上方から下方に向かってのみ、移動可能である。一方、閉位置に完全に到達した後、可動押さえ部材21を閉位置から開位置に切り替える際、規制歯500に対して、歯止め部材51は、下方から上方に向かって移動可能である。
【0037】
[テープ連結部2]
テープ連結部2は、固定押さえ部材20と、可動押さえ部材21と、位置決め部22と、固定ブロック23と、一対のガイドシャフト24と、一対のスプリング25と、一対の抜け止めピン26と、一対の支持部27と、を備えている。
【0038】
一対のガイドシャフト24は、各々、上下方向に延在する丸棒状を呈している。ガイドシャフト24は、ベース6の上面から突設されている。一対のガイドシャフト24は、左右方向に並んでいる。一対のガイドシャフト24の上端前面には、各々、平面状の被圧接面240が配置されている。
【0039】
固定ブロック23は、直方体状を呈している。固定ブロック23は、一対のシャフト挿通孔230と、一対のブッシュ231と、を備えている。一対のシャフト挿通孔230は、固定ブロック23を、上下方向に貫通している。一対のシャフト挿通孔230は、左右方向に並んでいる。一対のシャフト挿通孔230には、各々、ガイドシャフト24が挿通されている。一対のブッシュ231は、各々、シャフト挿通孔230の上方部分に嵌合されている。
【0040】
一対のスプリング25は、各々、シャフト挿通孔230に挿入されている。一対のスプリング25の下端は、各々、ベース6の上面に弾接している。一対のスプリング25の上端は、各々、ブッシュ231の下端に弾接している。一対のスプリング25は、テープ連結部2全体(一対のガイドシャフト24を除く)を、上方に付勢している。
【0041】
固定押さえ部材20は、直方体板状を呈している。固定押さえ部材20は、固定ブロック23の上方に配置されている。固定押さえ部材20は、一対のシャフト収容凹部200と、一対のシャフト抜け止め孔201と、を備えている。一対のシャフト収容凹部200は、固定押さえ部材20の下面に凹設されている。一対のシャフト収容凹部200は、左右方向に並んでいる。一対のシャフト収容凹部200には、一対のガイドシャフト24の上端が収容されている。一対のシャフト抜け止め孔201は、固定押さえ部材20の前面に穿設されている。一対のシャフト抜け止め孔201の後端は、各々、シャフト収容凹部200に連通している。
【0042】
一対の抜け止めピン26は、一対のシャフト抜け止め孔201に螺合されている。一対の抜け止めピン26の後端は、各々、ガイドシャフト24の被圧接面240に圧接している。抜け止めピン26は、スプリング25の付勢力により、固定押さえ部材20がガイドシャフト24から抜け出すのを防止している。
【0043】
図4に示すように、固定ブロック23は、ベース6の上面と、固定押さえ部材20の下面と、の間で上下方向に移動可能である。すなわち、固定ブロック23、後述する一対の支持部27、後述する可動押さえ部材21は、スプリング25に付勢された状態で、上下方向に移動可能である。このため、可動押さえ部材21を開位置から閉位置に切り替える際に、スプリング25の付勢力に抗しながら、可動押さえ部材21を下方に押し込むことができる。
【0044】
可動押さえ部材21は、直方体板状を呈している。
図2に示すように、開位置においては、可動押さえ部材21は、固定押さえ部材20の後方に並置されている。可動押さえ部材21は、当該開位置から、固定押さえ部材20の上方に反転して上下方向に並置される閉位置まで、移動可能である。可動押さえ部材21は、一対の駆動連結部210と、一対の被ガイド部211と、一対のテープ支持部212と、を備えている。一対の駆動連結部210は、可動押さえ部材21の後端の左右両面から、突設されている。一対の被ガイド部211は、可動押さえ部材21の前端の左右両面から、突設されている。一対のテープ支持部212は、可動押さえ部材21の前端の上面から、突設されている。
【0045】
後述するように、連結対象である第一テープ、第二テープは、各々、下方に開口するC字状の巻き癖を有している。開位置においては、この巻き癖を利用して、第一テープ、第二テープが、一対のテープ支持部212を乗り越えて、固定押さえ部材20にセットされる。
【0046】
位置決め部22を構成する部材は、固定押さえ部材20と可動押さえ部材21とに分かれて配置されている。位置決め部22は、複数の固定位置決めピン220と、複数の可動位置決めピン221と、複数の固定位置決め孔222と、複数の可動位置決め孔223と、を備えている。
【0047】
複数の固定位置決めピン220、複数の固定位置決め孔222は、固定押さえ部材20の後側部分に配置されている。複数の固定位置決めピン220、複数の固定位置決め孔222は、左右方向に一列に並んでいる。複数の固定位置決めピン220、複数の固定位置決め孔222は、交互に配置されている。
【0048】
複数の可動位置決めピン221、複数の可動位置決め孔223は、可動押さえ部材21の前側部分に配置されている。複数の可動位置決めピン221、複数の可動位置決め孔223は、左右方向に一列に並んでいる。複数の可動位置決めピン221、複数の可動位置決め孔223は、交互に配置されている。
【0049】
可動位置決めピン221と固定位置決め孔222とは前後方向に対向している。固定位置決めピン220と可動位置決め孔223とは前後方向に対向している。開位置から閉位置に切り替わる際、可動位置決めピン221は固定位置決め孔222に進入可能である。また、固定位置決めピン220は可動位置決め孔223に進入可能である。
【0050】
一対の支持部27は、各々、立壁状を呈している。一対の支持部27は、
図2にハッチングで示すように、固定ブロック23の左右両壁に固定されている。一対の支持部27は、各々、ガイド部270と、揺動軸271、272とを備えている。一対のガイド部270は、左側の支持部27の右面(内面)および右側の支持部27の左面(内面)に、配置されている。ガイド部270は、左側または右側から見てC字溝状を呈している。一対のガイド部270には、一対の被ガイド部211が収容されている。被ガイド部211は、ガイド部270内を、ガイド部270の形状に沿って、移動可能である。
【0051】
一対の揺動軸271は、左側の支持部27の左面(外面)および右側の支持部27の右面(外面)に、配置されている。一対の揺動軸271は、各々、支持部27の前上部分に配置されている。一対の揺動軸272は、左側の支持部27の左面(外面)および右側の支持部27の右面(外面)に、配置されている。一対の揺動軸272は、各々、支持部27の中央上部分に配置されている。
【0052】
[リンク部7]
リンク部7は、一対の第一リンク部材70と、一対の第二リンク部材71と、一対の第三リンク部材72と、を備えている。一対の第一リンク部材70、一対の第二リンク部材71、一対の第三リンク部材72は、一対の支持部27の左右方向外側に、分かれて配置されている。
【0053】
左側の第一リンク部材70、第二リンク部材71、第三リンク部材72の構成、動きは、右側の第一リンク部材70、第二リンク部材71、第三リンク部材72の構成、動きと、同様である。左側の第一リンク部材70、第二リンク部材71、第三リンク部材72の配置は、右側の第一リンク部材70、第二リンク部材71、第三リンク部材72の配置と、左右対称である。このため、以下、これらのリンク部材を代表して、右側の第一リンク部材70、第二リンク部材71、第三リンク部材72の構成、動きについて説明する。
【0054】
第一リンク部材70は、左側または右側から見て三角形板状を呈している。第一リンク部材70の後端には、左方から揺動軸271が挿入されている。このため、第一リンク部材70は、揺動軸271を中心に、揺動可能である。第一リンク部材70の前端には、アーム31のガイド孔310を介して、右方から被ガイド突起700が固定されている。第一リンク部材70の下端の右面からは、連結軸701が突設されている。
【0055】
第二リンク部材71は、左側または右側から見てC字板状を呈している。第二リンク部材71のC字一端(前端)には、左方から連結軸701が挿入されている。このため、第二リンク部材71は、第一リンク部材70に対して、揺動可能である。
【0056】
第三リンク部材72は、左側または右側から見てL字板状を呈している。第三リンク部材72のL字一端(前端)には、左方から揺動軸272が挿入されている。このため、第三リンク部材72は、揺動軸272を中心に、揺動可能である。第三リンク部材72のL字屈曲部の右面からは、連結軸720が突設されている。連結軸720は、第二リンク部材71のC字他端(後端)に挿入されている。このため、第三リンク部材72は、第二リンク部材71に対して、揺動可能である。第三リンク部材72のL字他端(後端)には、左方から駆動連結部210が挿入されている。このため、第三リンク部材72は、可動押さえ部材21に対して、揺動可能である。
【0057】
<スプライステープ、第一テープ、第二テープの構成>
次に、スプライステープ、第一テープ、第二テープの構成について説明する。
図8に、本実施形態のスプライシング装置の固定押さえ部材と可動押さえ部材との開位置における斜視図を示す。
【0058】
図8に示すように、スプライステープ9は、保護フィルム90と、表面用粘着テープ91と、裏面用粘着テープ92と、第一孔列93と、第二孔列94と、を備えている。保護フィルム90は、矩形薄膜状を呈している。保護フィルム90の上面は接着面である。
【0059】
表面用粘着テープ91は、左右方向(長手方向)に延びる帯状を呈している。表面用粘着テープ91は、保護フィルム90の上面の後方部分(可動押さえ部材21の上面部分)に配置されている。表面用粘着テープ91の上面は接着面である。
【0060】
裏面用粘着テープ92は、左右方向に延びる帯状を呈している。裏面用粘着テープ92は、保護フィルム90の上面の前方部分(固定押さえ部材20の上面部分)に配置されている。裏面用粘着テープ92の上面は接着面である。
【0061】
第一孔列93は、合計8個の第一位置決め孔930からなる。第一孔列93は、左右方向に延在している。第一孔列93は、保護フィルム90の上面の前方部分に配置されている。第一位置決め孔930は、裏面用粘着テープ92の後縁付近と、保護フィルム90と、を上下方向(表裏方向)に貫通している。8個の第一位置決め孔930には、一つおきに、下方から固定位置決めピン220が挿入されている。
【0062】
第二孔列94は、合計8個の第二位置決め孔940からなる。第二孔列94は、左右方向に延在している。第二孔列94は、保護フィルム90の上面の後方部分に配置されている。第二位置決め孔940は、保護フィルム90を上下方向に貫通している。8個の第二位置決め孔940には、一つおきに、下方から可動位置決めピン221が挿入されている。
【0063】
第一テープ80は、キャリアテープ800と、上下一対のカバーテープ801(説明の便宜上、
図8においては透過して示す。)と、多数の第一送り孔802と、多数の部品収容部803と、を備えている。多数の第一送り孔802は、キャリアテープ800に穿設されている。多数の第一送り孔802は、キャリアテープ800の左右方向に沿って、所定のピッチで配置されている。多数の部品収容部803は、キャリアテープ800に穿設されている。多数の部品収容部803は、キャリアテープ800の左右方向に沿って、所定のピッチで配置されている。表裏一対のカバーテープ801は、部品収容部803の上下開口を封止している。部品収容部803は、電子部品(図略)を収容可能である。第一テープ80の右端には、第一連結端部804が配置されている。
【0064】
第二テープ81の構成は、第一テープ80の構成と同様である。すなわち、第二テープ81は、キャリアテープ810と、上下一対のカバーテープ811と、多数の第二送り孔812と、多数の部品収容部813と、を備えている。第二テープ81の左端には、第二連結端部814が配置されている。第二連結端部814と第一連結端部804とは、左右方向に当接している。
【0065】
<スプライシング作業>
次に、本実施形態のスプライシング装置を用いたスプライシング作業について説明する。
図9に、本実施形態のスプライシング装置の開位置から閉位置に切り替える途中の透過側面図を示す。
図10に、同スプライシング装置の閉位置における透過右面図を示す。なお、
図9、
図10は、
図3に対応している。
【0066】
まず、操作者は、開位置において、
図8に示すように、スプライステープ9、第一テープ80、第二テープ81をセットする。具体的には、まず、操作者は、スプライステープ9を、固定押さえ部材20の上面および可動押さえ部材21の上面に配置する。この際、固定位置決めピン220を、第一位置決め孔930に挿入する。また、可動位置決めピン221を、第二位置決め孔940に挿入する。このようにして、固定押さえ部材20および可動押さえ部材21に対して、スプライステープ9を位置決めする。
【0067】
次に、操作者は、スプライステープ9の左側部分に、第一テープ80を配置する。第一テープ80は、下方に開口するC字状の巻き癖を有している。この巻き癖を利用して、第一テープ80を、左側のテープ支持部212越しに、固定押さえ部材20にセットする。また、固定位置決めピン220を、第一送り孔802に挿入する。同様に、操作者は、スプライステープ9の右側部分に、第二テープ81を配置する。第二テープ81は、下方に開口するC字状の巻き癖を有している。この巻き癖を利用して、第二テープ81を、右側のテープ支持部212越しに、固定押さえ部材20にセットする。また、固定位置決めピン220を、第二送り孔812に挿入する。このようにして、スプライステープ9に対して、第一テープ80および第二テープ81を位置決めする。
【0068】
次に、操作者は、
図3、
図9、
図10に示すように、可動押さえ部材21を開位置から閉位置に切り替える。具体的には、操作者は、操作部3の押圧部30を押し下げる。
図9に矢印Y1で示すように、操作部3は、揺動軸620を中心に、下方に揺動する。この際、復動部32に付勢力が蓄積される。
図9に矢印Y2で示すように、操作部3が揺動すると、被ガイド突起700が、ガイド孔310内を、後方に移動する。
図9に矢印Y3で示すように、被ガイド突起700が後方に移動すると、第一リンク部材70が、揺動軸271を中心に、反時計回りに揺動する。
図9に矢印Y4で示すように、第一リンク部材70が揺動すると、第二リンク部材71が後方に押し出される。
図9に矢印Y5で示すように、第二リンク部材71が押し出されると、第三リンク部材72が、揺動軸272を中心に、反時計回りに揺動する。
図9に矢印Y6で示すように、第三リンク部材72が揺動すると、被ガイド部211は、ガイド部270内を、ガイド部270の形状に沿って移動する。このため、被ガイド部211つまり可動押さえ部材21の前端は、下降する。一方、可動押さえ部材21の駆動連結部210は、第三リンク部材72の先端に連結されている。このため、駆動連結部210つまり可動押さえ部材21の後端は、上昇する。すなわち、可動押さえ部材21は、反時計回りに揺動する。
【0069】
また、操作部3の揺動に伴って、上方から下方に向かって、歯止め部材51が規制歯500を乗り越える。
図9に矢印Y7で示すように、歯止め部材51は、スプリング53により、前方から引っ張られている。このため、
図9に矢印Y8で示すように、歯止め部材51は、時計回り方向に付勢されている。したがって、開位置から閉位置に切り替えている途中で操作者が押圧部30から手を離しても、係合部510が規制歯500に噛合するため、下方から上方に向かって歯止め部材51が規制歯500を乗り越えることはない。すなわち、操作部3が
図3の状態に復動することはない。
【0070】
操作者がさらに押圧部30を押し下げると、
図10に矢印Y11で示すように、操作部3は、押圧部30がストッパ61に当接するまで、揺動軸620を中心に、下方に揺動する。この際、さらに復動部32に付勢力が蓄積される。また、
図10に矢印Y12で示すように、被ガイド突起700が、ガイド孔310の後端に到達する。また、
図10に矢印Y13で示すように、第一リンク部材70が、揺動軸271を中心に、さらに反時計回りに揺動する。また、
図10に矢印Y14で示すように、第二リンク部材71が反時計回りに揺動する。また、
図10に矢印Y15で示すように、第三リンク部材72が反時計回りに揺動する。また、
図10に矢印Y16で示すように、被ガイド部211が、ガイド部270の上端に到達する。また、
図10に矢印Y17で示すように、可動押さえ部材21が反転し、スプライステープ9が折り込まれる。そして、折り込まれたスプライステープ9により、第一テープ80と第二テープ81とが、表裏方向から挟持される。
【0071】
ここで、
図4に示すように、固定ブロック23、一対の支持部27、可動押さえ部材21は、スプリング25に付勢された状態で、上下方向に移動可能である。したがって、
図10に示すように、可動押さえ部材21を開位置から閉位置に切り替える際に、スプリング25の付勢力に抗しながら、可動押さえ部材21を下方に押し込むことができる。これに対して、固定押さえ部材20は、抜け止めピン26によりガイドシャフト24に固定されている。このため、固定押さえ部材20は不動である。したがって、可動押さえ部材21と固定押さえ部材20との間で、スプライステープ9により、第一テープ80と第二テープ81とを、表裏方向からしっかりと挟み込むことができる。
【0072】
スプライステープ9の表面用粘着テープ91は、第一テープ80の上面および第二テープ81の上面に接着される。また、スプライステープ9の裏面用粘着テープ92は、第一テープ80の下面および第二テープ81の下面に接着される。
図8に示すように、可動位置決めピン221は、表側から、第一テープ80の第一送り孔802および第二テープ81の第二送り孔812に、挿入される。このため、表裏方向から位置決めされ、かつ挟持された状態で、第一テープ80と第二テープ81とを連結することができる。
【0073】
図10に矢印Y18に示すように、歯止め部材51は、スプリング53により、前方から引っ張られている。このため、押圧部30がストッパ61に当接すると、
図10に矢印Y19で示すように、歯止め部材51は、規制歯500の下方まで移動する。
【0074】
操作者が押圧部30から手を離すと、復動部32に蓄積された付勢力により、操作部3は上方に揺動する。すなわち、可動押さえ部材21は、
図10に示す閉位置から
図3に示す開位置に、切り替わる。なお、スプライステープ9は、接着力により、固定押さえ部材20側に残留する。
【0075】
この際、歯止め部材51の係合部510は規制歯500に係合しない。歯止め部材51の非係合部511が規制歯500をなぞるだけである。このように、開位置から閉位置に切り替える途中に、操作者が操作部3から手を離しても、可動押さえ部材21は開位置に復動しない。一方、開位置から閉位置に完全に切り替えた後に、操作者が操作部3から手を離すと、可動押さえ部材21は開位置に復動する。
【0076】
最後に、連結された第一テープ80および第二テープ81から、スプライステープ9の保護フィルム90を剥がす。このようにして、スプライシング作業が実行される。
【0077】
<作用効果>
次に、本実施形態のスプライシング装置の作用効果について説明する。本実施形態のスプライシング装置1によると、本来煩雑なスプライシング作業を、簡単に実行することができる。また、スプライステープ9の接着面を作業者が触るおそれがあるのは、開位置において、スプライステープ9と第一テープ80と第二テープ81とをセットする際のみである。このため、スプライステープ9の接着面を作業者が触るおそれが小さい。したがって、スプライステープ9の接着力が弱くなるおそれが小さい。また、スプライシング精度が、作業者のスキルの熟練度に依存しにくい。
【0078】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、第一テープ80、第二テープ81、スプライステープ9のうち、開位置から閉位置に切り替わる際に移動するのは、スプライステープ9だけである。すなわち、第一テープ80の第一連結端部804、第二テープ81の第二連結端部814は、共に不動である。このため、スプライシング作業の際、第一連結端部804と第二連結端部814とが、互いに位置ずれを起こしにくい。すなわち、スプライシング精度が低下しにくい。
【0079】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、操作者が操作部3を手動で動かすことにより、スプライシング作業を実行することができる。このため、電気の供給がない場合であっても、精度よくスプライシング作業を実行することができる。
【0080】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、開位置から閉位置に切り替えている途中で操作者が押圧部30から手を離しても、操作部3が
図3の状態に復動することはない。一方、完全に閉位置に到達した後は、操作者が押圧部30から手を離すと、復動部32に蓄積された付勢力により、操作部3が上方に揺動する。すなわち、操作部3が
図3の状態に復動する。
【0081】
このように、本実施形態のスプライシング装置1によると、第一連結端部804と第二連結端部814との連結が完了しなければ、可動押さえ部材21が閉位置から開位置に切り替わらない。このため、確実にスプライシング作業を実行することができる。
【0082】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、操作者が操作部3から手を離した場合、操作部3が自動的に復動すれば、スプライシング作業が完了したことになる。一方、操作者が操作部3から手を離した場合、操作部3が自動的に復動しなければ、スプライシング作業が完了していないことになる。このように、スプライシング作業が完了したか否かを、操作者が簡単に認識することができる。また、接着力不足(可動押さえ部材21の移動量が不充分な場合)によるスプライシング精度の低下を、抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、開位置においては、位置決め部22の固定位置決めピン220が、下方から、第一位置決め孔930、第一送り孔802、第二送り孔812に挿入されることにより、位置決め部22に対して、スプライステープ9と第一連結端部804と第二連結端部814とが固定される。また、位置決め部22の可動位置決めピン221が、下方から、第二位置決め孔940に挿入されることにより、位置決め部22に対して、スプライステープ9が固定される。開位置から閉位置に切り替わる際、可動位置決めピン221は、既に挿入済みの第二位置決め孔940に加えて、上方から、第一送り孔802、第二送り孔812に挿入される。このため、位置決め部22に対して、スプライステープ9と第一連結端部804と第二連結端部814とが、表裏方向から位置決めされる。この状態において、スプライステープ9により、第一連結端部804と第二連結端部814とが連結される。
【0084】
このように、本実施形態のスプライシング装置1によると、位置決め部22により、スプライステープ9と、第一連結端部804と、第二連結端部814と、を正確に、また簡単に位置決めすることができる。
【0085】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、可動押さえ部材21の駆動連結部210(後端)の軌道は、リンク部7により決定される。一方、可動押さえ部材21の被ガイド部211(前端)の軌道は、ガイド部270により決定される。このため、一定の揺動半径で可動押さえ部材21が揺動する場合と比較して、可動押さえ部材21の揺動軌道を小さくすることができる。したがって、スプライシング装置1を小型化することができる。
【0086】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、左方または右方から見て、押圧部30から揺動軸620までの間に、スプライシング装置1の略全ての部品が収まっている。言い換えると、操作部3の揺動半径内に、テープ連結部2、復動部32、規制部5、リンク部7が収まっている。このため、スプライシング装置1を小型化することができる。
【0087】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、
図1に示すように、開位置において、固定押さえ部材20の上面および可動押さえ部材21の上面が、押圧部30に上下方向に重複していない。このため、スプライステープ9、第一テープ80、第二テープ81をセットしやすい。
【0088】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、
図4、
図10に示すように、スプリング25の付勢力に抗しながら、可動押さえ部材21を下方に押し込むことができる。このため、スプライステープ9により、第一テープ80と第二テープ81とを、表裏方向からしっかりと挟み込むことができる。
【0089】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、
図3に示すように、開位置における、固定押さえ部材20と可動押さえ部材21との間の挟角(可動押さえ部材21の開度)が、略180°に設定されている。このため、スプライステープ9を折り曲げずにセットすることができる。
【0090】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、
図8に示すように、開位置において、第一テープ80、第二テープ81の巻き癖を利用して、一対のテープ支持部212越しに、第一テープ80、第二テープ81を固定押さえ部材20にセットすることができる。このため、第一テープ80、第二テープ81を簡単にセットすることができる。また、一対のテープ支持部212は、可動押さえ部材21に一体的に配置されている。このため、開位置から閉位置に切り替える際、一対のテープ支持部212は、可動押さえ部材21と共に、略180°反転する。したがって、一対のテープ支持部212がスプライシング作業の邪魔になるおそれがない。
【0091】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、第一リンク部材70、第二リンク部材71、第三リンク部材72が、テープ連結部2の左右方向両側に配置されている。このため、各リンク部材がテープ連結部2の左右方向片側だけに配置されている場合と比較して、開位置から閉位置に切り替える際、第一テープ80、第二テープ81、スプライステープ9に対して、均等に押圧力を加えることができる。
【0092】
また、本実施形態のスプライシング装置1によると、閉位置において、固定位置決めピン220が可動位置決め孔223に進入することができる。また、可動位置決めピン221が固定位置決め孔222に進入することができる。このため、固定押さえ部材20と可動押さえ部材21との上下方向の間隔を、小さくすることができる。したがって、第一テープ80と第二テープ81とを、しっかりと連結することができる。また、固定位置決めピン220、可動位置決めピン221の先端が潰れるのを防止することができる。
【0093】
<その他>
以上、本発明のスプライシング装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0094】
上記実施形態においては、
図8に示すように、第一孔列93、第二孔列94を、スプライステープ9の前後方向中央付近に配置した。しかしながら、第一孔列93、第二孔列94を、スプライステープ9の前後両縁付近に配置してもよい。すなわち、第一送り孔802、第二送り孔812の配置に対応するように、第一孔列93、第二孔列94を配置すればよい。言い換えると、第一テープ80、第二テープ81の種類に応じて、スプライステープ9を交換すればよい。同様に、第一テープ80、第二テープ81、スプライステープ9の種類に応じて、可動押さえ部材21、固定押さえ部材20、固定位置決めピン220、可動位置決めピン221を交換すればよい。
【0095】
上記実施形態においては、人力により可動押さえ部材21を駆動したが、モータ、ソレノイド、ボールねじ、流体(オイル、空気など)シリンダなどにより、可動押さえ部材21を駆動してもよい。すなわち、電力を用いてもよい。
【0096】
上記実施形態においては、リンク部7により、駆動力を操作部3から可動押さえ部材21に伝達したが、他の動力伝達機構(例えばカム機構など)により、駆動力を操作部3から可動押さえ部材21に伝達してもよい。
【0097】
上記実施形態においては、開位置における、固定押さえ部材20に対する可動押さえ部材21の開度を、略180°に設定した。しかしながら、開度は特に限定しない。例えば、90°、180°、270°などであってもよい。