(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主電気回路において、前記第1エンジンに駆動される発電機と、前記第2エンジンに駆動される発電機との間に設けられ、これら発電機と前記主電動機との間の接続を開閉する第3接触器を備え、前記制御部は、前記主電動機への電力供給および前記蓄電池への蓄電に応じて、前記第3接触器の開閉を制御する請求項2に記載のハイブリッド式電気機関車。
前記車両本体に搭載され前記副電気回路に接続されているとともに、他車両の電源に接続可能に設けられ、前記蓄電池に電力を供給可能な電力変換装置を備えている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハイブリッド式電気機関車。
前記第1および第2エンジンおよび発電機は、前記車両本体の床上に載置され、前記第3エンジンおよびこの第3エンジンに駆動される発電機は、前記車両本体の床下に設置されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のハイブリッド式電気機関車。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係るハイブリッド式電気機関車について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るハイブリッド式電気機関車の車体を一部破断して内部構成を示し、
図2は、車体の天井部分を取り除いて、ハイブリッド式電気機関車の機械室内の機器配置を示している。
図1および
図2に示すように、ハイブリッド式電気機関車(以下、電気機関車と称する)10は、それぞれ車輪14が設けられた一対の2軸台車16と、台車16上にばねを介して支持された車体17と、を備えている。各台車16は、枢軸の周りで回動可能に車体17に連結されている。各台車16に、例えば2台の主電動機26a、26b(26c、26d)が搭載され、2本の車軸の近傍に位置している。主電動機26aないし26dの各々は、図示しないギアボックスおよびカップリングを介して、車軸に接続され、車軸および車輪14に回転力を伝達する。車輪14はレール13上に載置されている。主電動機26aないし26dによって車輪14を回転することにより、電気機関車10はレール13上を走行する。
【0011】
なお、上述の電気機関車10では、2軸台車を例に挙げて説明しているが、これに限らず、3軸台車など、他の構成を備えた台車であっても構わない。
【0012】
車体17は、車体台枠18と、車体台枠18上に搭載された細長い箱状の車両本体20と、を備えている。車両本体20は、車体台枠18上の全面に渡って敷設され車体の床を構成した床板20a、車体台枠18上に立設され車体17の長手方向に延びる一対の側構20b、車両の前面および後面をそれぞれ形成した一対の端壁、および車両本体の上部開口を覆った天井壁20cを有し、車体台枠18を覆って設けられている。
【0013】
車両本体20内は複数の仕切り壁40a、40b、40c、40dにより、運転室および複数の機械室、例えば、3つの機械室に区分されている。第1機械室3、第2機械室4、第3機械室5は、車両の走行方向に沿って並んで配置されている。
【0014】
第1機械室3には、補機として、例えば、2台の保安装置12a、12b、および2台の送風機11a、11bが載置されている。第2機械室4には、主に2組のエンジンおよび発電機が配置されている。すなわち、第2機械室4の床上に、第1エンジン21aおよびこの第1エンジンにより駆動されて発電する発電機22aと、第2エンジン21bおよびこの第2エンジンにより駆動されて発電する発電機22bと、が中央通路を挟んで向かい合わせで載置されている。第2機械室4の天井には、第2機械室の熱を外部に放熱するラジエタ42が配置されている。第1エンジン21aおよび第2エンジン21bは、例えば、中型のデーゼルエンジンであり、メインテナンス性等を考慮して、同一容量のエンジンとしている。
【0015】
第3機械室5には、走行用と補助回路用を一体にした複数の電力変換装置23a、23b、24a、24b、25a、25b、1台の蓄電池31、補機としての12c、12d、送風機11c、11d、図示しないブレーキ装置などが配置されている。電力変換装置23aないし25bと蓄電池31とは、中央通路を挟んで向かい合わせ状態で床上に搭載されている。
【0016】
図1に示すように、車両本体20の床下に、第3エンジン21cおよびこの第3エンジンに駆動されて発電する発電機22c、燃料タンク44が艤装されている。第3エンジン21cは、例えば、小型のデーゼルエンジンであり、第1および第2エンジン21a、21bよりも小さい容量のエンジンを用いている。
【0017】
図3は、電気機関車10の基本回路構成を示している。
図2および
図3に示すように、第1エンジン21aおよび第2エンジン21bはそれぞれ発電機22a、22bと組み合わされ、2組の発電装置を構成している。近年、交流発電機が一般的であるので、この発電機22a、22bから得られた交流電力を電力変換装置23a、23bにより、一旦、直流に変換する。電力変換装置23a、23bは、走行用の主電力回路50aにより電力変換装置24a、24bに接続され、更に、電力変換装置24aは、2台の主電動機26a、26bに接続され、電力変換装置24bは2台の主電動機26c、26dに接続されている。
【0018】
第3エンジン21cおよびこの第3エンジンにより駆動される発電機22cとで構成される発電装置は、副電気回路50bにより、電力変換装置25a、25bに接続されている。電力変換装置25aは、補機27aとして、例えば、ラジエタ42や送風機11aないし11dに接続され、これらの電圧や周波数を可変して制御する。電力変換装置25bは、補機27bとして、例えば、空気圧縮機などに接続され、これを一定電圧、一定周波数で制御する。
【0019】
副電気回路50bは、直流回路50cにより主電気回路50aに接続されている。蓄電池31は、この直流回路50cに接続され、発電機22a、22b、22cにより発電された電力を蓄電可能であるとともに、蓄電した電力を主電気回路50aおよび副電気回路50bへ供給可能となっている。
【0020】
主電気回路50aと副電気回路50bとを繋ぐ直流回路50cには、接続を開閉する少なくとも1つの接触器が設けられている。本実施形態では、電気回路は、副電気回路50bおよび蓄電池31と主電気回路50aとの間で直流回路50cに設けられ接続を開閉する第1接触器K1と、副電気回路50bと蓄電池31との間で直流回路50cに設けられ接続を開閉する第2接触器K2と、を備えている。第1および第2接触器K1、K2は、例えば、電磁開閉器により構成され、制御部46により開閉が制御される。
【0021】
電気機関車10を運用する線区により左右されるが、一般的に、本線走行用の急行列車牽引用、あるいは、貨物列車牽引用などの用途であれば、主電動機1台あたりの出力は約500kW程度であり、
図3に示す構成において、第1エンジン21aおよび第2エンジン21bには、1000kW程度の出力(容量)が求められる。一方、補機27a、27bの駆動に必要な動力は、一般的に100ないし200kW程度であるため、第3エンジン21cは、第1エンジンおよび第2エンジン21a、21bに比べ出力(容量)の小さいエンジンを用いる。この場合、第2エンジン21cおよび発電機22cは、車体17の床下などに、市販のパワーパックとして配置することが可能である。
【0022】
ここで、大きな騒音源となるのは、走行用の大型の第1エンジン21aおよび第2エンジン21bであることから、この2台のエンジンは、
図1および
図2に示すように、第2機械室4に配置する。エンジンの吸気や換気が必要であるが、車体17の側面に吸気口を設ける場合にあっても、吸音材を用いた吸音ダクト、あるいは吸音ルーバにより、エンジンから車外に発生する騒音を効果的に抑制することができる。
【0023】
また、第2機械室4は第1および第2エンジン21a、21bから発せられる熱で高温になり、輻射熱も大きくなるため、蓄電池31は、電力変換装置23aないし25bを配置した第3機械室5に配置している。
第3エンジン21cは小型のエンジンであり、連続運転する可能性が高いとはいえ、元来、騒音も小さいため、車体17の床下配置でもよい。
【0024】
次に、上記のように構成された電気機関車10の動作について
図3を用いて詳細に説明する。
蓄電池31が十分に充電されている場合には、蓄電池31から電力を供給し、主電動機26aないし26dおよび補機27a、27bを駆動する。制御部46は、第1、第2、第3のすべてのエンジン21a、21b、21cを停止し、第1および第2接触器K1、K2を投入(接続)した状態で、走行用および補機駆動用の電力を蓄電池31から第1および第2電気回路50a、50bを介して主電動機26aないし26dおよび補機27a、27bに供給する。
【0025】
電気機関車10単機などで走行の負荷が小さい場合、あるいは、短い編成など、牽引する列車の負荷が小さい場合などで、蓄電池31のみで走行可能な場合は、制御部46は、すべてのエンジンを停止した上記の状態のまま走行を継続する。
【0026】
ここで、一旦、力行をオフし、次の走行に備えるために蓄電池31を充電する場合には、制御部46は、第2接触器K2を投入(接続)、第1接触器K1を開放に切り換え、第3エンジン21cのみ運転を開始する。第3エンジン21cの起動は、蓄電池31により発電機22cを駆動する方法や、補機27bは運転中であるから圧縮エアも準備されているので、この圧縮エアを利用してエアスタータにより第3エンジンを起動する方法が可能である。
【0027】
蓄電池31を第3エンジン21cで充電したまま力行する場合には、第1および第2エンジン21a、21bを起動し、主電気回路50aを介して電力変換装置24a、24b、主電動機26aないし26dに電力を供給することで、第3エンジン21cは蓄電池31の充電に適した電圧での運転を継続したまま、第1および第2エンジン2台分の力行性能を確保することが可能である。もちろん、排気ガスの発生などを最低限にするため、負荷が軽くエンジン1台で負担できる場合には、すなわち、力行ノッチが低い場合などには、たとえば、一方の第1エンジン21aのみ運転し、第2エンジン21bは停止する。ただし、軽負荷の場合に使用するエンジンを第1エンジン21a、高負荷の場合に使用するエンジンを第2エンジン21bと決めておくと、使用する頻度の高い第1エンジン21aの経年による性能低下が起き得るため、第1および第2エンジン21a、21bを交互運転するなど、両エンジンの総合運転時間がほぼ均等になるようにする。第1および第2エンジン21a、21bの起動も、上記の第3エンジン21cの起動方法と同様に発電機22a、22bにより、あるいは、エアスタータにより起動可能である。
【0028】
蓄電池31からの電力を走行用に使用する場合、制御部46により第1接触器K1を接続、第2接触器K2を開放とすることにより、蓄電池31の電力を第1および第2エンジン21a、21bから得られる電力に加えることが可能である。
【0029】
登坂などで、最大の出力を発揮したい場合には、第1および第2接触器K1、K2の両方を投入(接続)とすることにより、3台のエンジン21aないし21cと蓄電池31とから得られるすべての電力を主電動機26aないし26dに供給し、走行用に用いることが出来る。ただし、この場合でも補機27a、27bの動力は必要となるため、「第1、第2、第3エンジン21a、21b、21c+蓄電池31−副電気回路50b電源」の合計分が実際に走行用に使用できる最高電力となる。
【0030】
登坂走行後は、通常、下り勾配を速度を抑えながら走行することが多いため、その場合には、主電動機26aないし26dから得られる回生電力により、蓄電池31を充電することが可能である。この場合、充電に適した電圧にする必要があるため、制御部46は、第1接触器K1を投入、第2接触器K2を開放とし、第1および第2エンジン21a、21bは適正なアイドリング後に停止、第3エンジン21cは運転する。これにより、回生ブレーキによって蓄電池31を電力変換装置24a、24bから供給される電力で蓄電池31を充電しながら、第3エンジン21cの電力により補機27a、27bを駆動する。蓄電池31の充電が完了した後、制御部46は、第1接触器K1を開放、第2接触器K2を投入とし、補機27a、27bは蓄電池31により運転し、第3エンジン21cも停止する。
【0031】
なお、上記のような運転動作の中で、一旦停止させていたエンジンから出力を得るためには、適正な回転数により、適正な時間のアイドリングが必要となるのが一般的であり、停止させていたエンジンを起動直後、急激に加速して大きな負荷をかけることは難しい。そのため、力行ハンドルを投入することでノッチにより停止させていたエンジンを起動させるだけではなく、予め運転手がエンジン起動スイッチで停止させていたエンジンを手動で起動しておけば、力行ハンドルを高位置に置いたときに、あまり時間を掛けずに大きな出力(牽引力、速度)を得ることができる。
【0032】
上述した3台のエンジンのうち、充電専用のエンジンが故障などにより使用できない場合は、残りの2台のエンジンで蓄電池の充電と走行および副電気回路用電源をまかなうことが可能である。例として、
図3における第2エンジン21bが使用できない場合、第1エンジン21aで力行を継続し、第3エンジン21cは蓄電池の充電と補機の駆動に使用することが可能である。第1および第2接触器K1、K2の開放、投入は前述と同様である。この場合、走行に使用できる最高出力は、「第1エンジン21a+第3エンジン21c+蓄電池−副電気回路電源」の合計分である。
【0033】
(第2の実施形態)
他の例として、前述した
図3における第3エンジン21cが使用できない事態を考慮する場合には、
図4に示す第2の実施形態に係る電気機関車のように、第3接触器K3を追加することで冗長性を向上させることが可能である。
【0034】
第3接触器K3は、直流回路50cにおいて、電力変換装置23aと電力変換装置23bとの間に、すなわち、第1エンジン21aと第2エンジン21bとの間に、設けられ、直流回路50cを開閉する。この第3接触器K3も制御部46により開閉動作が制御される。
【0035】
第3接触器K3を開放、第1および第2接触器K1、K2を投入とすることにより、第1エンジン21aの出力は走行用の主電動機の出力用に使用可能であり、第2エンジン21bの出力は蓄電池31の充電と補機27a、27bの駆動に使用することが可能である。また、蓄電池31を補機動力とすることも可能であるから、第3エンジン21cよりも大型の第2エンジン21bにより急速に短時間で蓄電池31を充電した後は、第2エンジン21bを停止させることが可能となる。これにより、小さな容量の補機に合わせて大型のエンジンである第2エンジン21bを排気ガス特性や燃費の悪い軽負荷運転状態で長時間運転することを回避できる。
なお、第2の実施形態において、電気機関車の他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0036】
以上のように構成された第1の実施形態および第2の実施形態に係るハイブリッド式電気機関車によれば、車両の走行、蓄電池の充電、および補機の駆動に応じて、接触器により電気回路の接続、開放を制御することにより、蓄電池の充電効率を低下させることなく、複数台のエンジンの出力を効率よく走行動力に使用することが可能となる。これにより、大型のエンジンを1台のみ搭載していた場合、あるいは、中型のエンジンを2台搭載していた従来技術に比べ、騒音低減や燃費改善のみならず、冗長性も高めた信頼性の高い電気機関車が得られる。
【0037】
次に、他の実施形態に係るハイブリッド式電気機関車について説明する。以下に述べる、複数の他の実施形態において、第1の実施形態と同一の部分には、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0038】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係るハイブリッド式電気機関車の回路構成を示している。
本実施形態によれば、電気機関車は、副電気回路50bに接続された電力変換装置28を更に備え、この電力変換装置28は、電気連結器29を介して、他車両の電源に接続可能に構成されている。
【0039】
通常、客車は、サービス電源用に交流電力が引き通されている。客車の両端に本実施形態のハイブリッド電気機関車を配した固定編成のような列車の場合は、第3エンジン21cが使用できない事態となった際に、電気連結器29を介して電力変換装置28をサービス電源に接続し、このサービス電源により蓄電池31を充電することが可能となる。更に、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、効率よく走行および充電を行い騒音低減や燃費改善を図ることが可能な信頼性の高いハイブリッド式電気機関車を提供することができる。
【0040】
(第4の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係るハイブリッド式電気機関車の回路構成を示している。この図に示すように、電気機関車は、2組のエンジンおよび発電機を備えている。すなわち、電気機関車は、第1エンジン21aおよびこの第1エンジンにより駆動されて発電する発電機22aと、第2エンジン21bおよびこの第2エンジンにより駆動されて発電する発電機22bと、発電機22a、22bに接続された電力変換装置23a、23bと、蓄電池31と、を備えている。更に、電気機関車は、それぞれ車軸を駆動する主電動機26a、26b、26c、送風機、ラジエタ、保安装置などの補機27a、27b、これらの補機に接続された電力変換装置25a、25bを備えている。
【0041】
第1エンジン21aおよび第2エンジン21bはそれぞれ発電機22a、22bと組み合わされ、2組の発電装置を構成している。発電機22a、22bから得られた交流電力を電力変換装置23a、23bにより、一旦、直流に変換する。電力変換装置23a、23bは、走行用の直流回路50cにより電力変換装置24a、24b、電力変換装置25a、25bに接続され、更に、電力変換装置24aは、2台の主電動機26a、26bに接続され、電力変換装置24bは2台の主電動機26c、26dに接続されている。
【0042】
蓄電池31は、第1エンジン21aと第2エンジン21bとの間で、直流回路50cに接続され、発電機22a、22bにより発電された電力を蓄電可能であるとともに、蓄電した電力を直流回路50cへ供給可能となっている。
【0043】
直流回路50cにおいて、第1エンジン21aと蓄電池31との間に、接続を開閉する第1接触器K1が設けられ、更に、第2エンジン21bと蓄電池31との間に、接続を開閉する第2接触器K2が設けられている。第1および第2接触器K1、K2は、例えば、電磁開閉器により構成され、制御部46により開閉が制御される。
【0044】
以上のように構成された第4の実施形態および第2の実施形態に係るハイブリッド式電気機関車によれば、車両の走行、蓄電池の充電、および補機の駆動に応じて、第1接触器K1および第2接触器K2により電気回路の接続、開放を制御することにより、エンジンからの電力および蓄電池からの電力を利用して主電動機26aないし26dおよび補機27a、27bを駆動し、また、エンジンからの電力および駆動側からの回生エネルギを蓄電池31に蓄電することができる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0046】
上述した実施形態では、第1ないし第3エンジンとして、デーゼルエンジンを用いたが、これに限らず、ガソリンエンジンを用いてもよい。補機は、上述した実施形態に限らず、種々選択可能である。電気機関車の回路構成は、実施形態の一例であり、接触器の位置や回路の接続方法を限定するものではない。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
車輪を駆動する複数の主電動機と、
車両本体に搭載され、それぞれ発電機を駆動する第1エンジンおよび第2エンジンと、
前記車両本体に搭載され、前記第1エンジンおよび第2エンジンよりも容量が小さく発電機を駆動する第3エンジンと、
前記車両本体に搭載された少なくとも1つの電気機器と、
前記第1エンジン、第2エンジンおよび発電機により発電された電力を前記主電動機に供給する主電気回路と、
前記第3エンジンおよび発電機により発電された電力を前記電気機器に供給する副電気回路であって前記主電気回路に接続された副電気回路と、
前記主電気回路および副電気回路に接続され、前記第1エンジン、第2エンジン、第3エンジン、および発電機により発電された電力を蓄電可能であるとともに、蓄電された電力を前記主電気回路および副電気回路へ供給可能な蓄電池と、
前記副電気回路および蓄電池と前記主電気回路との間に設けられ、前記副電気回路および蓄電池と前記主電気回路との間の接続を開閉する接触器と、
前記主電動機への電力供給および前記蓄電池への蓄電に応じて、前記接触器の開閉を制御する制御部と、
を備えるハイブリッド式電気機関車。
[2]
前記副電気回路と前記蓄電池との間に設けられ、前記副電気回路と蓄電池との間の接続を開閉する第2接触器を備え、前記制御部は、前記主電動機への電力供給および前記蓄電池への蓄電に応じて、前記第2接触器の開閉を制御する[1]に記載のハイブリッド式電気機関車。
[3]
前記主電気回路において、前記第1エンジンに駆動される発電機と、前記第2エンジンに駆動される発電機との間に設けられ、これら発電機と前記主電動機との間の接続を開閉する第3接触器を備え、前記制御部は、前記主電動機への電力供給および前記蓄電池への蓄電に応じて、前記第3接触器の開閉を制御する[2]に記載のハイブリッド式電気機関車。
[4]
前記車両本体に搭載され前記副電気回路に接続されているとともに、他車両の電源に接続可能に設けられ、前記蓄電池に電力を供給可能な電力変換装置を備えている[1]ないし[3]のいずれか1つに記載のハイブリッド式電気機関車。
[5]
前記第1および第2エンジンおよび発電機は、前記車両本体の床上に載置され、前記第3エンジンおよびこの第3エンジンに駆動される発電機は、前記車両本体の床下に設置されている[1]ないし[4]のいずれか1つに記載のハイブリッド式電気機関車。
[6]
前記第1エンジンおよび第2エンジンは、同一の容量を有する[1]ないし[5]のいずれか1つに記載のハイブリッド式電気機関車。