特許第5823323号(P5823323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5823323
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月25日
(54)【発明の名称】シートフレームの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20151105BHJP
【FI】
   B60N2/68
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-56853(P2012-56853)
(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2013-189089(P2013-189089A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼内 寿人
(72)【発明者】
【氏名】赤池 文敏
(72)【発明者】
【氏名】山田 展弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 正敏
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−081421(JP,A)
【文献】 特開2011−143816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートフレームの製造方法であって、
金属材料を押し出し成形して一部に押し出し方向に連続する立板片が突出する閉断面形状のワーク材を形成する押出成形工程と、
前記ワーク材を前記立板片の突出する面方向に弓なりに曲げて長手方向に対称な弓形状に曲げ加工する曲げ加工工程と、
前記ワーク材の長手方向の中央部を短手方向にカットして2つの湾曲した対称形状の完成品を得るカット工程と、を有することを特徴とするシートフレームの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のシートフレームの製造方法であって、
前記押出成形工程と前記曲げ加工工程との間に、押し出し成形した前記ワーク材の所定箇所を長手方向に対称な形にカットするプレカット工程を有することを特徴とするシートフレームの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のシートフレームの製造方法であって、
前記押出成形工程は、前記ワーク材を2つの閉断面形状の閉断面部と当該両閉断面部同士を繋ぐ前記立板片とを有する断面形状に形成する工程とされ、前記プレカット工程は、前記立板片を前記各閉断面部間に跨る二等辺三角形の形に長手方向に連続的に繰り返しカットすると共に、前記各二等辺三角形の頂点に当たる箇所からこれに隣接する前記閉断面部の断面箇所をそれぞれ短手方向にカットして、前記曲げ加工工程を行う前の閉断面形状の前記ワーク材を複数得る均等割り工程を有することを特徴とするシートフレームの製造方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のシートフレームの製造方法であって、
前記完成品が車両用シートのシートバックの骨格に用いられることを特徴とするシートフレームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートフレームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートフレームの製造方法として、長尺状に押し出し成形したワーク材を斜めにカットすることで、同一形状のシートフレームを2個同時に成形する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−143816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の従来技術では、シートフレームに更に面方向の曲げ加工を施したい場合、ワーク材をカットした各々のシートフレームについて曲げ加工を個別に行わなければならず、生産性が悪い。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、面方向の曲げ加工を要するシートフレームを生産性良く成形できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のシートフレームの製造方法は次の手段をとる。
第1の発明は、シートフレームの製造方法であって、押出成形工程と、曲げ加工工程と、カット工程と、を有する。押出成形工程では、金属材料を押し出し成形して、一部に押し出し方向に連続する立板片が突出する閉断面形状のワーク材を形成する。曲げ加工工程では、ワーク材を、上記立板片が板面方向に曲げられる向きとなるように、長手方向に対称な弓形状に曲げ加工する。カット工程では、ワーク材の中央部をカットして、2つの湾曲した対称形状の完成品を得る。
【0006】
この第1の発明によれば、押出成形工程と、曲げ加工工程と、カット工程と、によって、2つの湾曲した対称形状の完成品(シートフレーム)を得ることができる。このように、立板片の面方向の曲げ加工を要する2つのシートフレームを一度の曲げ工程によってまとめて曲げ加工することができるため、シートフレームを生産性良く成形することができる。
【0007】
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成となっているものである。すなわち、押出成形工程は、ワーク材を2つの閉断面形状の閉断面部とこれら閉断面部同士を繋ぐ立板片とを有する断面形状に形成する工程とされている。更に、立板片を各閉断面部間に跨る二等辺三角形の形に長手方向に連続的に繰り返しカットすると共に、各二等辺三角形の頂点に当たる箇所からこれに隣接する閉断面部の断面箇所をそれぞれ短手方向にカットして、曲げ加工工程を行う前の閉断面形状のワーク材を複数得る均等割り工程を有する。
【0008】
この第2の発明によれば、ワーク材を上記のようにカットする均等割り工程により、曲げ加工工程を行う前の閉断面形状のワーク材を一度に同時に複数得ることができる。したがって、シートフレームの生産性を更に向上させることができる。
【0009】
第3の発明は、上述した第1又は第2の発明において、完成品が車両用シートのシートバックの骨格として用いられるものである。
【0010】
この第3の発明によれば、湾曲状に形作られるシートフレームを、シートバックの骨格として用いることにより、後部側座席の乗員の足入れ性を良好にするために後方側に反り曲がる湾曲形状のシートバックの骨格を生産性良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1のシートバックフレームの構成を示した斜視図である。
図2】シートバックフレームを異なる方向側から見た斜視図である。
図3】押出成形工程により形成されたワーク材を示した斜視図である。
図4】ワーク材の立板片の両角を切り落とした状態を示した斜視図である。
図5】ワーク材を弓状に曲げ加工した状態を示した斜視図である。
図6】カット工程により得られた2つの完成品を示した斜視図である。
図7】ワーク材を曲げ加工するプレス機の構成を示した正面図である。
図8図7のVIII-VIII線断面図である。
図9】プレス機によりワーク材を曲げ加工した状態を示した正面図である。
図10】実施例2の押出成形工程により形成されたワーク材を示した斜視図である。
図11】均等割り工程により得られた各ワーク材の形状を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
始めに、実施例1のシートフレームの製造方法について、図1図9を用いて説明する。本実施例のシートフレームの製造方法は、図1図2に示すように、車両用シートのシートバックの骨格を成すシートバックフレーム1のうち、車両外側のサイドフレーム10を製造する方法に関するものである。具体的には、上記シートバックフレーム1は、逆U字状の形に組まれた構成となっており、シートバックの左右両側部の骨格を成す縦長状の2つのサイドフレーム10,2と、これら両サイドフレーム10,2の上部間に架設されてシートバックの上側部の骨格を成すアッパフレーム3と、から成る。また、上記両サイドフレーム10,2の間には、シートバックフレーム1の構造強度を高めるための2本の補強パイプ4,4が架け渡されて剛結合されている。本実施例のシートフレームの製造方法は、上記シートバックフレーム1における車両外側のサイドフレーム10の製造方法であり、少ない工程で生産性良くサイドフレーム10を成形することができる製造方法となっている。ここで、車両外側のサイドフレーム10が、本発明の「シートフレーム」に相当する。
【0014】
ここで、上記車両外側のサイドフレーム10は、その上部に、図示しないシートベルト装置のベルトウェビングを前側に引き出すための引出口を備えた引出具30が結合された構成となっている。すなわち、この車両用シートは、シートベルト装置がシートバック付けとなっており、図示しないリトラクタがシートバックフレーム1の背裏部に結合され、そこから引き出されたベルトウェビングを前側に通し出すための引出具30が、上述した車両外側のサイドフレーム10の上部に結合されている。なお、シートバックの前側に引き出されたベルトウェビングは、その着座乗員の胸部から腰部にかけて斜めにかけられる先の部位が、同ベルトウェビングに通されたタングをシートクッションの車両内側の側部に固定されたバックルに装着することで固定され、そこから着座乗員の腰部を横切るようにかけられる先の部位が、シートクッションの車両外側の側部に固定された構成となっている。
【0015】
このように、シートベルト装置がシートバック付けの構成となっていることにより、上述したベルトウェビングの引出具30が設定された車両外側のサイドフレーム10には、車両の前突発生時に、着座乗員の身体をベルトウェビングにより受け止めることによる荷重により、上記引出具30を入力点としてサイドフレーム10を前に曲げ変形させる大荷重がかけられることとなる。そのため、車両外側のサイドフレーム10は、上述したような大荷重が入力された場合にも、これを強い力で支持することのできる高い構造強度を備えた構成とされている。
【0016】
具体的には、車両外側のサイドフレーム10は、その横断面形状が、前部に矩形の閉断面形状から成る閉断面部11を有し、後部に上記閉断面部11の後面側中央部から張り出す立板片12がシート高さ方向に連続的に形成された形状から成る構成とされている。また、上記サイドフレーム10は、その閉断面部11のシート高さ方向に延出する形状が、着座乗員の腰部付近を支える下半部に対して、着座乗員の肩部付近を支える上半部が、シート後方側に反り曲げられた湾曲した形に形成されている。また、詳細は後述するが、車両内側のサイドフレーム2も同様に、その前縁部のシート高さ方向に延出する形状が、着座乗員の腰部付近を支える下半部に対して、着座乗員の肩部付近を支える上半部が、シート後方側に反り曲げられた湾曲した形に形成されている。
【0017】
これにより、シートバックは、上述した両サイドフレーム10,2の前縁部間に架け渡されて設けられる図示しないクッションパッドにより着座乗員の腰部近傍を支える支持面が、肩部近傍を支える支持面よりも前に出されて、着座乗員の身体を良好な支持態様で後方側から支えられる構成となっていると共に、シートバックの背部に、後部側座席の乗員が足を前に投げ出すことのできる足入れスペースが広く確保されて、良好な足入れ性を担保することのできる構成となっている。
【0018】
なお、車両内側のサイドフレーム2は、上述した車両外側のサイドフレーム10と比べて、必要とされる構造強度が低いことから、比較的構造強度が低めに抑えられた簡素な構成となっている。具体的には、車両内側のサイドフレーム2は、一枚の鋼板を縦長状にカットして、その前縁部と後縁部とをそれぞれシート内側に折り曲げることで構造強度を高めた構成となっている。また、アッパフレーム3は、円鋼管がL字状に折り曲げられた構成から成り、各端部が車両外側のサイドフレーム10と車両内側のサイドフレーム2とにそれぞれあてがわれて溶着されて固定された構成となっている。また、前述した2本の補強パイプ4,4は、ストレートな円鋼管から成り、車両外側の一端が、それぞれ、同側のサイドフレーム10の立板片12に貫通して差し込まれて溶着固定され、車両内側の他端が、それぞれ、面状に押し潰されて同側のサイドフレーム2のシート内側に曲げられた後縁部にあてがわれて溶着固定されている。
【0019】
以下、上述した車両外側のサイドフレーム10の製造方法について、図3図9を参照しながら説明する。なお、以下に説明する製造方法では、1つのワーク材Wから一度に2つの同一形状(対称形状)のサイドフレーム10を得ることのできる製造方法となっている。図3に示すように、先ず、金属材料(本実施例ではアルミニウム。)を押し出し成形して、上述した閉断面部Wa(11)と立板片Wb(12)とを有する横断面形状の断面一様な長尺状のワーク材Wを形成する(押出成形工程)。ここで得られるワーク材Wの長さは、2つのサイドフレーム10を得られる分の長さである。
【0020】
次に、この押し出し成形したワーク材Wの立板片Wbの長手方向の両角を、図3に示す切断線Ct1のように斜めに切り落とす(切り落とし工程)。切り落とし工程後のワーク材Wの形状を図4に示す。次に、図5に示すように、上述したワーク材Wを、立板片Wbが板面方向に曲げられる向き(立板片Wbの切り落とされた両角が互いに内向する側に曲げられる向き)となるように、長手方向に対称な弓形状に曲げ加工する(曲げ加工工程)。続いて、この曲げ加工したワーク材Wの中央部を、図5に示す切断線Ct2のようにカットする(カット工程)。これにより、図6に示すように、互いに同一形状となる2つの完成品(サイドフレーム10)を一度に同時に得ることができる。
【0021】
ところで、図5で上述したワーク材Wを弓形状に曲げ加工する曲げ加工工程は、図7図9に示すプレス機20のプレス加工によって行われている。以下、このプレス機20によるワーク材Wのプレス加工方法について説明する。図7に示すように、プレス機20は、可動式の上型21と下型22とを有し、下型22上にワーク材Wをセットして、上型21のプレスにより曲げ加工する構成となっている。下型22は、ワーク材Wの長手方向の中央部を残す左右の閉断面部Waをそれぞれ下側から支えるように2つの型構成から成るものとなっている。各下型22は、それぞれ、ヒンジピン22Aにより回転可能に軸支された構成となっており、プレス加工前の初期状態では、下側から受け型23により支えられて互いが水平姿勢となる状態に回転止めされた状態とされている。
【0022】
各下型22は、図8に示すように、断面U字状の型形状となっており、そのU字の凹み内にワーク材Wの閉断面部Waをセットすることで、矩形の閉断面部Waを下面側と両側面側とからそれぞれ面で支持した状態となって、ワーク材Wを横断面方向(短手方向)に位置ずれさせないように挟持した状態に保持する構成となっている。上型21は、上述した下型22上にセットされたワーク材Wの長手方向の中央部上に、ワーク材Wの立板片Wbを両側から挟み込む態様でセットされる挟持型21Bを有し、この挟持型21Bに下方側へのプレス力をかけることで、ワーク材Wを弓形状に曲げ加工する構成となっている(図9参照)。
【0023】
具体的には、図7図8に示すように、上述した上型21の挟持型21Bは、そのワーク材Wの立板片Wbを両側から挟持する各挟持片の下面が、ワーク材Wを曲げ加工する形に沿って弓状に湾曲した湾曲面21Cとされており、プレス加工前の初期状態では、上述した湾曲面21Cの頂点となる中央面が、ワーク材Wの閉断面部Wa上に当接した状態としてセットされている。ここで、上述した挟持型21Bの各挟持片は、プレス加工時に、ワーク材Wの立板片Wbを挟持する互いの挟持幅が広がらないように、結合ピン21Aによって互いに締結された状態となっている。上記挟持型21Bの各挟持片により、プレス加工時に、ワーク材Wの立板片Wbが面外方向に波打ち状に曲げ変形することが防止されて、立板片Wbが面一状の形状状態を保ったまま板面方向に曲げ加工されるようになっている。
【0024】
上記構成のプレス機20は、図7において前述したように、下型22上にワーク材Wをセットし、その上に挟持型21Bをセットした状態から、上型21に下方側へのプレス力をかけることにより、挟持型21Bを介してワーク材Wの長手方向の中央部に下方側への押圧力がかけられて、ワーク材Wが下方側に曲げ加工される。このとき、上記上型21の挟持型21Bの下方移動に合わせて、下型22の受け型23も漸次所定量ずつ下方移動するようになっており、ワーク材Wの曲げ加工に合わせて、各下型22がワーク材Wにより押される形でヒンジピン22Aのまわりにそれぞれ回転する動きが漸次逃がされて、ワーク材Wが局所的に押し潰されることなく全体的に広く弓形状に押し曲げられるようになっている。
【0025】
ここで、図8に示すように、上記プレス加工時には、上述したワーク材Wの各下型22によって支えられる左右の中空の閉断面部Wa内に、それぞれストレートな長板状の芯金を積層させた芯材24が嵌め込まれてセットされる。これにより、上述したプレス加工時に、ワーク材Wの中央部を残す左右の各閉断面部Waが、ストレートな形状に保たれながら、中央部近傍のみが集中的に広く弓形状に押し曲げられるようになっている。各芯材24は、プレス加工後に、それぞれ、ワーク材Wの閉断面部Waの各開口端側から抜き外される。以上により、ワーク材Wが弓形状に曲げ加工されている。
【0026】
このように、本実施例のシートフレーム(サイドフレーム10)の製造方法によれば、押出成形工程と、曲げ加工工程と、カット工程と、によって、2つの湾曲した対称形状の完成品(サイドフレーム10)を得ることができる。上記の製造方法により、立板片12(Wb)の面方向の曲げ加工を要する2つのサイドフレーム10を一度の曲げ工程によってまとめて曲げ加工することができるため、サイドフレーム10を生産性良く成形することができる。また、上記のように湾曲状に形作られるサイドフレーム10を、シートバックの骨格として用いることにより、後部側座席の乗員の足入れ性を良好にするために後方側に反り曲がる湾曲形状のシートバックの骨格を生産性良く形成することができる。
【0027】
また、本実施例のように、ワーク材Wの曲げ加工を、ワーク材Wを下型22上に両端支持させた状態で設けて、その中央部にプレス荷重をかける態様で行えるようになっていることにより、片持ち支持でプレス加工する場合と異なり、ワーク材Wを下型22に対して把持させることなく、単に載置する態様でセットするのみで、安定した支持態様でのプレス加工を行うことができる。したがって、プレス機20の金型構成も簡略化することができ、加工設備もセット作業も簡略化・簡便化することができる。
【実施例2】
【0028】
続いて、実施例2のシートフレーム(サイドフレーム10:サイドフレーム10については図1参照。)の製造方法について、図10図11を用いて説明する。なお、本実施例では、実施例1で示したシートフレーム(サイドフレーム10)の製造方法と実質的な構成及び作用が同じとなる箇所については、これらの構成に同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所について異なる符号を付して詳しく説明することとする。本実施例のサイドフレーム10の製造方法では、図10に示すように、ワーク材Wの押出成形工程により、ワーク材Wが、2つの矩形の閉断面形状の閉断面部Wa,Waと、これら矩形の閉断面部Wa,Wa同士を繋ぐ立板片Wbと、を有する眼鏡状の横断面形状をもつ断面一様な長尺状の形に形成されるようになっている。
【0029】
そして、更に、本実施例のサイドフレーム10の製造方法では、上記押出成形工程の後、図10に示す切断線Ct3のように、立板片Wbを各閉断面部Wa,Wa間に跨る二等辺三角形の形に長手方向に連続的に繰り返しカットすると共に、各二等辺三角形の頂点に当たる箇所からこれに隣接する閉断面部Waの断面箇所をそれぞれ短手方向にカットして、曲げ加工工程を行う前の閉断面形状のワーク材W(実施例1の図4で示したワーク材Wに相当する状態のもの。)を複数得る均等割り工程を有する。この均等割り工程により、曲げ加工工程を行う前の閉断面形状のワーク材Wを一度に同時に複数得ることができ、サイドフレーム10の生産性を更に向上させることができる。また、本実施例の製造方法によれば、ワーク材Wを図10に示す切断線Ct3に沿ってカットしても、スクラップとなる捨て代が出ないため、材料費を大幅に節減することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態を2つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明のシートフレームの製造方法は、上記各実施例で示したシートバックのサイドフレーム10の他、シートクッションのサイドフレームなど、シート本体を構成する各種フレームの製造方法に適用することができるものである。また、実施例1(図5)では、本発明の曲げ加工工程に相当するものとして、ワーク材Wを立板片Wbが板面方向に曲げられる向き(立板片Wbの切り落とされた両角が互いに内向する側に曲げられる向き)となるように曲げ加工するようにしたものを例示したが、その逆向きに曲げ加工するものであってもよい。また、ワーク材の閉断面形状は、上記各実施例で示したような矩形の閉断面に限らず、正円や楕円等の他の閉断面であってもよい。
【0031】
また、上記各実施例では、ワーク材Wの立板片Wb(12)が、閉断面部Wa(11)の後面側中央部から張り出すように形成されたものを例示したが、立板片が中央からずれた位置から張り出す形状となっていても構わない。但し、この場合には、最終的に得られる2つの完成品の形状が、互いに左右対称な形状のものとなることに留意が必要である。また、上記各実施例では、シートフレーム(サイドフレーム10)の成形材料としてアルミニウムを例示したが、マグネシウム等の他の非鉄金属材料の他、各種の鉄鋼材料を成形材料として用いることもできる。
【符号の説明】
【0032】
1 シートバックフレーム
2 サイドフレーム
3 アッパフレーム
4 補強パイプ
10 サイドフレーム(シートフレーム)
11 閉断面部
12 立板片
W ワーク材
Wa 閉断面部
Wb 立板片
Ct1 切断線
Ct2 切断線
Ct3 切断線
20 プレス機
21 上型
21A 結合ピン
21B 挟持型
21C 湾曲面
22 下型
22A ヒンジピン
23 受け型
24 芯材
30 引出具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11