特許第5823385号(P5823385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5823385低温蒸留による空気分離のための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5823385
(24)【登録日】2015年10月16日
(45)【発行日】2015年11月25日
(54)【発明の名称】低温蒸留による空気分離のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 3/04 20060101AFI20151105BHJP
【FI】
   F25J3/04 Z
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-514517(P2012-514517)
(86)(22)【出願日】2010年6月4日
(65)【公表番号】特表2012-529616(P2012-529616A)
(43)【公表日】2012年11月22日
(86)【国際出願番号】FR2010051101
(87)【国際公開番号】WO2010142894
(87)【国際公開日】20101216
【審査請求日】2013年5月24日
(31)【優先権主張番号】0953935
(32)【優先日】2009年6月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】デュベッティエ−グルニエ、リシャール
(72)【発明者】
【氏名】コナール、マリー
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−198249(JP,A)
【文献】 特開平11−228116(JP,A)
【文献】 特開平11−072285(JP,A)
【文献】 特開平08−170876(JP,A)
【文献】 特開2001−263935(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0118013(US,A1)
【文献】 米国特許第05463871(US,A)
【文献】 米国特許第06134915(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 1/00−5/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中圧で運転し得る第1の蒸留塔(1)と、
低圧で運転し得る第2の蒸留塔(2)と、
第2の塔よりも低い低圧で運転し得る第3の蒸留塔(3)と、
第1の塔の窒素豊富な流れが凝縮することにより加熱され、第3のの底部から送られる液体が蒸発される、第1の凝縮−蒸発器(9,9A)と、
前記第2の塔の底部に配置された、冷間圧縮されたまたはされていない空気もしくは窒素の流れが凝縮することにより加熱され、前記第3のの底部から第1の凝縮−蒸発器に供給された液体のうちの蒸発せずに残存した液体(21)が蒸発される、第2の凝縮−蒸発器(5)と、
少なくとも前記第1の塔に空気を供給するパイプ(33)と、
前記第1の塔の上部から前記第3の塔の上部に窒素豊富な液体を供給するパイプ(35)と、
前記第2のの下層からガスの流れまたは液体酸素(29)を導出する配管と、
前記第3のの上部から窒素豊富なガス状の流れ(31)を導出する配管と、
前記第3の塔の底部から前記第1の凝縮−蒸発器に液体を供給するパイプ(23)と、
前記パイプ(23)の経路上に設置される、第3の塔底部と第1の凝縮−蒸発器に接続されるポンプ(13)と、
前記第1の塔の底部から前記第3の塔に液体を供給するパイプ(25)と、
前記第1の凝縮−蒸発器から前記第2の塔に液体を供給するパイプ(21)と、
前記第2の塔から前記第3の塔の底部に頂部ガスを供給するパイプ(15,19)と、を具備し、前記第1の塔と前記第2の塔、および前記第1の塔と前記第3の塔は、それぞれ隣り合って配置される空気分離のための装置。
【請求項2】
前記第1の塔(1)、前記第2の塔(2)および前記第3の塔(3)が全て床面(27)上に配置される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
極低温で運転し得る装置の要素である、第2の塔(2)の下層で回収された液体酸素を蒸発させるための液体酸素蒸発器(11)が、前記第3のの下に配置され、他の二つの前記塔が前記床面に直接配置された請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の塔(2)の底部と前記液体酸素蒸発器(11)とに接続された加圧手段を具備した請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の凝縮−蒸発器(9,9A)は前記第1の塔(1)の上にあり、前記第1の塔からのガスによって第3の塔の底部から供給される液体(23)が再沸騰し得るように前記第1の塔の上部に接続された請求項1ないし4のいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
前記第1の凝縮−蒸発器(9)を前記第3の塔(3)の底部に接続する、凝縮−蒸発器(9)により加熱されて発生したガスを導くためのガスパイプ(17,19)を具備する請求項1ないし5のいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
前記第3の塔は凝縮−蒸発器を含まない請求項1ないし6のいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
前記第2の塔(2)は、冷間圧縮されたまたはされていない空気もしくは窒素の流れを凝縮し、液体(21)を蒸発させる第3の凝縮−蒸発器(7)および前記第3の凝縮−蒸発器の上に配置された熱及び物質交換のための手段を含む請求項1ないし7のいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
前記第2の塔から前記第3の塔の底部に頂部ガスを供給する前記パイプ(15,19)は、前記第1の凝縮−蒸発器(9)で蒸発したガス用のパイプ(17)に接続される請求項1ないし8のいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
前記液体酸素蒸発器(11)は、第3の塔(3)の下に配置されている請求項3ないし9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
前記第1の塔(1)の運転圧力と前記第2および第3の塔(2,3)のうち少なくとも一つの圧力との間の圧力差は、3バールよりも少ない請求項1ないし10のいずれか一つに記載の装置を用いる空気分離のための方法。
【請求項12】
前記圧力差が2.5バールよりも少ない請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記圧力差が2バールよりも少ない請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の塔(2)の上部と前記第3の塔(3)の底部との運転圧力の圧力差は、1バールより少ない請求項1ないし10のいずれか一つに記載の装置を用いる空気分離のための方法。
【請求項15】
前記圧力差が0.5バールよりも少ない請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記圧力差が0.2バールよりも少ない請求項14または15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、低温蒸留による空気分離のための装置及び方法に関する。
【0002】
空気分離のための通常の(「門」型(”double column” type)の)装置は:
・蒸発器によって熱交換が行われる低圧を、中圧塔の上に設置し;
・低圧および中圧塔を、液体返還(液体酸素を低圧から蒸発−凝縮器へ、もしくは液体窒素を蒸発−凝縮器から中圧塔へ)ポンプおよびガスの輸送(蒸発−凝縮器から低圧へガス状酸素を返還し、中圧塔から蒸発−凝縮器にガス状窒素を送る)のためのパイプと併設することが知られる。
【0003】
ガス返還パイプにおける圧力の損失を減じ(優れた効果)、液体返還ポンプからのエネルギーの損失を減ずるため、最初の配置がエネルギー効率の向上を可能にすることが知られる。
【0004】
低圧において二つの蒸発−凝縮器を有する空気分離のための装置は、以下のような設備として知られる:
・配置1:低圧(二つの蒸発器を備える)を中圧塔の上に設置する(仏国特許出願公開第2724011号明細書、図1および4)。
【0005】
・配置2:中圧塔の頭上の蒸発器を直接的に介して熱交換を行うように、低圧の底部を床面上に、そして低圧の頂部を中圧塔の上に設置する(仏国特許出願公開第2724011号明細書、図2および3)。
【0006】
・配置3:低圧(二つの蒸発器を備える)を中圧塔の隣に設置する(米国特許第6134915号公報、欧州特許出願公開第0195065号公報)。
【0007】
配置1および2は、同等のエネルギー効率が得られ得ることが知られる。これら二つの場合において、ガスパイプにおける圧力の損失が存在するが、液体返還ポンプはない。
【0008】
低圧の上流部を床面上に、また凝縮−再沸器を含まない低圧の上流部についてですら配置することを提案した文献はない。
【0009】
驚くことに、低圧において少なくとも二つの蒸発器を持つ二つの塔を用いる非常に低エネルギーの方法のために、エネルギー消費の期間における最良の実行配置は:
中圧塔を床面上に配置し、
− 低圧の上流部を床板上に配置し、
− 低圧の下流部を床板上に配置する、ということになる。
【0010】
主な理由は、低圧の一部が中圧塔の上に設備された場合に液体を上げるためのポンプの設置を要する、中圧塔および低圧の間の圧力差が、一般的に絶対圧力で2バールより少ないためである。
【0011】
本発明の趣旨によれば、装置は空気分離のために設けられ、中圧で運転し得る第1の蒸留塔と、低圧で運転し得る第2の蒸留塔と、低圧で、または前記低圧で運転し得る第3の蒸留塔と、第1の凝縮−蒸発器と、前記第2のの底部に配置された第2の凝縮−蒸発器と、少なくとも前記第1のに空気を供給するパイプと、前記第1のの上部から前記第3のの上部に窒素豊富な液体を供給するパイプと、前記第3のの底部から前記第1の凝縮−蒸発器に液体を供給する少なくとも一つのパイプと、前記第1のの底部から前記第3のに液体を供給するパイプと、前記第1の凝縮−蒸発器から前記第2のに液体を供給するパイプと、前記第2のから前記第3のの底部に頂部ガス(overhead gas)を供給するパイプと、を具備し、前記第1、第2、および第3のは、隣り合って配置され、できれば全て床面の上に配置される。
【0012】
好ましくは、前記第2のは少なくとも、前記第2の凝縮−蒸発器の上に配置された第3の凝縮−蒸発器を含む。
【0013】
極低温で運転し得る装置の要素、例えば液体酸素蒸発器は、一つの前記の下に配置されても良く、他の二つの前記塔および当該要素は、前記床面上に直接置かれる。
【0014】
加圧手段が前記第2のの底および前記液体酸素蒸発器に接続されても良い。
【0015】
前記第1の凝縮−蒸発器は、前記第1のから来るガスによって再沸騰できるように、前記第1のの上にあって、前記第1のの上部に接続されても良い。
【0016】
好ましくは、当該装置は二つの前記塔に接続されたただ一つのポンプを備える。
【0017】
前記ポンプは、前記第2のの底部から前記第1の凝縮−再沸器に液体を供給する二つの前記パイプに接続されても良い。
【0018】
ガスパイプが前記第1の凝縮器を前記第3のの底部に接続しても良い。
【0019】
前記第2のおよび/または前記第3のの上部は、前記第1の凝縮−再沸器より低い高さにあっても良く、好ましくは前記第1のの上部よりも低い。
【0020】
前記第1のにおける嵩密度(packing densities)は、前記第2のおよび/または前記第3のにおける嵩密度より低くても良い。
【0021】
好ましくは、前記第3のは凝縮−再沸器を含まない。
【0022】
前記第2のは、熱交換手段に加えて、第3の凝縮−再沸器および前記第3の凝縮−再沸器の上に配置された物をも含んでも良い。
【0023】
頂部ガスを前記第2のから前記第3のの底部に供給するための前記パイプは、前記第1の凝縮−再沸器で蒸発したガス用のパイプに接続しても良い。
【0024】
前記第3のの下に配置された前記装置の要素は、好ましくは液体酸素蒸発器である。
【0025】
前記第1のの運転圧力と前記第2および第3ののうち少なくとも一つの圧力との間の圧力差は、好ましくは3バールより少なく、好ましくは2.5バールであり、さらに好ましくは2バールである。
【0026】
前記第2のの上部と前記第3のの底部との運転圧力の圧力差は、1バールより少なくても良く、好ましくは0.5バールよりも少なく、さらに好ましくは0.2バールよりも少ない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【0028】
本発明は、本発明に係る空気分離のための装置を示す図面を参照することでさらに詳細に開示されるだろう。
【0029】
図1において、装置は中圧で運転する第1の1、低圧で運転する第2の2、および第2の2よりわずかに低い低圧で運転する第3の3を備え、当該低圧は、好ましくは3の底部と2の上部との間で測定される圧力差が500ミリバール(好ましくは200ミリバール)より少なくなるように運転する。それぞれのの中央で測定される中圧塔1および低圧2または3の間の圧力差は、3バールより少なく、好ましくは2.5バール、さらに好ましくは2バールである。
【0030】
三つの1,2,3は床面27に配置されるが、生成物蒸発器11が前記の下に配置されることで第3の3は持ち上げられる。蒸発器11をどこか別の場所に配置し、3を直接床面27の上に置いても当然良い。床面27はコンクリート基礎または他の平面からなる。
【0031】
精製されるとともに冷却された圧縮空気流33は、区分された第1の1の底部に入り、酸素豊富な流れ25および窒素豊富な流れを作る。酸素豊富な流れ25は、第3の3の下層を通る。窒素豊富な流れは、第1のの頂部凝縮器9で凝縮する。前記凝縮器9は、第3の3の底部から送られ、床面27に配置されたポンプ13によって加圧された液体23の流れによって冷却される。凝縮器9から蒸発した液体17は、第2の2の頂部ガス15と混合し、第3の3の底に供給されるガスの流れ19を作る。第2の2のの上部に、凝縮器9から液体21が供給される。
【0032】
第2の2は、底部再沸器5そしてできれば中間再沸器7を含む一つまたは二つ、またはそれ以上の再沸器を含む。前記再沸器は、冷間圧縮されたまたはされていない空気の流れ、または冷間圧縮されたまたはされていない窒素の流れを含む、何らかの適当な手段によって加熱されても良い。ガスの流れまたは液体酸素29は、第2の2の下層で回収される。前記液体の流れは、ポンプ(図示せず)によって加圧されても良く、加圧されたガスの流れを作るように蒸発器11に入れられても良い。
【0033】
液体窒素の流れ35は、バルブで膨張するとともに第3の3の上部に入れられ、そして窒素豊富なガス状の流れ31は第3の3の上部で回収される。好ましくは、第3の3の上部を第1の1の上部よりも低くされることで、重力流によってこの輸送を容易にする
図2図1との差異は、図1は槽型蒸発器である凝縮器9を示すのに対し、図2は薄膜型蒸発器9を示す。この場合、凝縮器から回収される流れ21は二相流であるとともに、図1に示すように第2のの上部に入る。流れ17は発生しない。
【0034】
図3および4は、図1および2の変形であり、それぞれ蒸発器11が欠けた、または一つのの下以外のどこか別の場所に配置された場合を示す。この場合、三つのは床面27に直接置かれる。
【0035】
図5および6は、第2のがただ一つの再沸器である底部再沸器5を収容する図1および2の変形をそれぞれ示す。この場合、第2のは当然短くなる。底部再沸器5は、できれば加圧された、またできれば冷間加圧された窒素または空気によって加熱されても良い。
【0036】
本発明によれば、せいぜい一つか二つのポンプが必要であると解される。第1のポンプは、液体を第3のの底部から第1のの頂部凝縮器に上げるために用いられるポンプ13である。加圧された形の酸素が必要とされる場合に用いられる第2のポンプは、液体酸素を加圧するために用いられる。液体25のような他の液体を上げるため、の間の圧力差は液体を浮遊させるに足るものであるべきである。
【0037】
第1のの上の蒸発器から第2および/または第3のへ重力によって流れが生じ得るようなできる限り高い第1の1、およびできる限り低い第2および/または第3の2,3を得るために、第1の1は比較的低い嵩密度(例えば密度が250〜500m/m)を含有し、第2および/または第3のは比較的高い嵩密度(600〜1000m/m)を含有する。パイプ21,35における液体の移動は、これによって容易となる。
本願の出願当初の請求項の記載を実施の態様として以下に付記する。
[1]
中圧で運転し得る第1の蒸留塔(1)と、低圧で運転し得る第2の蒸留塔(2)と、低圧で、または前記低圧で運転し得る第3の蒸留塔(3)と、第1の凝縮−蒸発器(9,9A)と、前記第2の塔の底部に配置された第2の凝縮−蒸発器(5)と、少なくとも前記第1の塔に空気を供給するパイプ(33)と、前記第1の塔の上部から前記第3の塔の上部に窒素豊富な液体を供給するパイプ(35)と、前記第3の塔の底部から前記第1の凝縮−蒸発器に液体を供給する少なくとも一つのパイプ(23)と、前記第1の塔の底部から前記第3の塔に液体を供給するパイプ(25)と、前記第1の凝縮−蒸発器から前記第2の塔に液体を供給するパイプ(21)と、前記第2の塔から前記第3の塔の底部に頂部ガスを供給するパイプ(15,19)と、を具備し、前記第1、第2、および第3の塔は、隣り合って配置され、できれば全て床面(27)の上に配置される空気分離のための装置。
[2]
極低温で運転し得る装置の要素、例えば液体酸素蒸発器(11)が、一つの前記塔(1,2,3)の下に配置され、他の二つの前記塔および前記要素が前記床面に直接配置された[1]に記載の装置。
[3]
前記第2の塔(2)の底部と前記液体酸素蒸発器(11)とに接続された加圧手段を具備した[2]に記載の装置。
[4]
前記第1の凝縮−蒸発器(9,9A)は前記第1の塔(1)の上にあり、前記第1の塔からのガスによって再沸騰し得るように前記第1の塔の上部に接続された[1]ないし[3]のいずれか一つに記載の装置。
[5]
二つの前記塔に接続されたただ一つのポンプ(13)を具備した[1]ないし[4]のいずれか一つに記載の装置。
[6]
前記ポンプ(13)が前記第2の塔の底部から前記第1の凝縮−再沸器(9,9A)に液体を供給する二つの前記パイプ(23)に接続された[5]に記載の装置。
[7]
前記第1の凝縮−再沸器(9)を前記第3の塔(3)の底部に接続するガスパイプ(17,19)を具備する[1]ないし[6]のいずれか一つに記載の装置。
[8]
前記第2の塔(2)および/または前記第3の塔(3)の上部は、前記第1の凝縮−再沸器(9,9A)より低い高さにあり、好ましくは前記第1の塔(1)の上部よりも低く、前記第1の塔(1)の嵩密度は前記第2の塔(2)および/または前記第3の塔(3)の嵩密度よりも低くなり得る[1]ないし[7]のいずれか一つに記載の装置。
[9]
前記第3の塔は凝縮−再沸器を含まない[1]ないし[8]のいずれか一つに記載の装置。
[10]
前記第2の塔(2)は、熱交換手段に加えて第3の凝縮−再沸器(7)および前記第3の凝縮−再沸器の上に配置された熱及び物質交換のための手段を含む[1]ないし[9]のいずれか一つに記載の装置。
[11]
前記第2の塔から前記第3の塔の底部に頂部ガスを供給する前記パイプ(15,19)は、前記第1の凝縮−再沸器(9)で蒸発したガス用のパイプ(17)に接続される[1]ないし[10]のいずれか一つに記載の装置。
[12]
前記第3の塔(3)の下に配置された前記装置の要素は、液体酸素蒸発器(11)である[1]ないし[11]のいずれか一つに記載の装置。
[13]
前記第1の塔(1)の運転圧力と前記第2および第3の塔(2,3)のうち少なくとも一つの圧力との間の圧力差は、3バールよりも少なく、好ましくは2.5バールであり、さらに好ましくは2バールである[1]ないし[12]のいずれか一つに記載の装置を用いる空気分離のための方法。
[14]
前記第2の塔(2)の上部と前記第3の塔(3)の底部との運転圧力の圧力差は、1バールより少なく、好ましくは0.5バールよりも少なく、さらに好ましくは0.2バールよりも少ない[1]ないし[12]のいずれか一つに記載の装置を用いる空気分離のための方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6